JP5653275B2 - 離型剤組成物、及びモールド - Google Patents

離型剤組成物、及びモールド Download PDF

Info

Publication number
JP5653275B2
JP5653275B2 JP2011075246A JP2011075246A JP5653275B2 JP 5653275 B2 JP5653275 B2 JP 5653275B2 JP 2011075246 A JP2011075246 A JP 2011075246A JP 2011075246 A JP2011075246 A JP 2011075246A JP 5653275 B2 JP5653275 B2 JP 5653275B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
integer
formula
mold
atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011075246A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012207169A (ja
Inventor
昭子 服部
昭子 服部
篤 立川
篤 立川
寛記 杉浦
寛記 杉浦
昌之 原田
昌之 原田
河田 憲
憲 河田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2011075246A priority Critical patent/JP5653275B2/ja
Publication of JP2012207169A publication Critical patent/JP2012207169A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5653275B2 publication Critical patent/JP5653275B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、離型剤組成物、及び当該組成物からなる膜を有するモールドに関し、特にナノプリント加工技術に有用な離型剤組成物及びモールドに関する。
ナノインプリント加工技術は、種々の技術分野で利用されている。例えば、次世代の磁気記録媒体として注目されている、DTM(ディスクリート・トラック・メディア)及びBPM(ビット・パターンド・メディア)等を作製するためには、磁性層加工用のマスク形成が重要な技術の一つであり、このマスク形成には、ナノインプリントリソグラフィー(NIL)を用いるのが一般的である。その他、半導体素子及び微小光学素子のパターン形成にも利用されている。
NILの一般的な工程は以下の通りである。
まず、基材上にインプリントレジスト組成物を塗布してレジスト層を形成する。次に、所望の凹凸パターンを有するモールド構造体を、前記インプリントレジスト層を有する基材に密着させ、加圧し、その後、モールド構造体を離型する。レジスト層には、モールド構造体の凹凸パターンに対応した凸凹部が形成される。
上記NILでは、目的のパターンを安定的に形成するという観点、及び使用されるモールドの耐久性という観点の双方において、モールド/レジスト界面での離型性が重要である。離型性が不十分であると、レジストがモールドに付着するためパターンは破壊され(剥離故障)、モールドは目詰まり使用できなくなる。そのため、モールド/レジスト界面での離型性向上を目的として、モールドには離型処理が施されていることが多い。
例えば、ナノプリント用モールドの離型剤として、所定のパーフルオロポリエーテル鎖を有する化合物が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2008−178984号公報 特開2004−306030号公報 特開2007−326367号公報
しかし、従来の離型剤ではモールド/レジスト界面での離型性は十分ではない。インプリント用モールドをレジスト層から離型する際には、モールド表面に形成された離型層に大きな負荷がかかり、インプリント用モールドの表面に吸着していた離型剤分子が徐々に剥がれてしまう場合やレジストがモールド表面に付着してしまう場合がある。そのため、離型効果が徐々に減少し、耐久性を保てないという問題がある。特にパターンが微細化するほど、離型時のモールド/レジスト剥離力は大きくなり、優れた離型性を示す離型剤の提供が望まれる。
上記した通り、インプリント回数を重ねてもレジストがモールドに付着する剥離故障の発生しないよう離型処理することが重要である。離型膜が緻密でない場合には、離型剤分子の間にモールド表面がむき出しになっている部分が存在し、レジストとモールドとが直接接触することになってしまい、レジストがモールドに付着する一因になる。
本発明は、新規な離型剤組成物及びモールドを提供することを課題とする。
また、本発明は、NILに有用な新規な離型剤組成物、及び耐久性が高いNIL用モールドを提供することを課題とする。
また、本発明は、レジストが直接モールドに接触しないよう、モールド表面に緻密な膜を形成可能な離型剤組成物、及び該組成物からなる膜を有するモールドを提供することを課題とする。
本発明者は、モールドの離型性改善について種々検討した結果、従来の離型剤に利用されているパーフルオロポリエーテル鎖を有する化合物は、分子中及び分子間のフッ素含有鎖同士の反発が大きいために、当該化合物を利用しても、モールド本体の表面に、低密度な膜が形成されるに過ぎないとの知見を得た。離型性を改善するためには、モールド表面をフッ素含有鎖により高密度で被覆することが有効である。これらの知見に基づき、さらに検討した結果、環状基の近傍に、モールド本体に対して吸着性のある基を有するとともに、環状基の側鎖にフッ素含有鎖を有する化合物を用いれば、モールド本体の表面に緻密な自己組織化単分子膜が形成され得るとの知見を得、この知見に基づきさらに検討を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]少なくとも1種類の下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする離型剤組成物:
一般式(1)中、Xは置換されていてもよい環状基を表し;Yは少なくとも一つの吸着基を有し、且つ芳香族性環状基を有しない、2価以上の連結基を表し;p1は1〜4の整数を表し、p2、p3およびp4はそれぞれ0〜4の整数を表し、qは0〜30の整数を表し、nは1〜10の整数を表し、sは1〜4の整数を表し、tは2〜10の整数を表し;但し、一般式(1)中の−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}−を構成する、−(CF2p1−、−(CF)p2−、−[CF(CF3)]p3−、及び−[C(CF32p4−の結合の順番は限定されず、−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}−は、−(CF2p1−、−(CF)p2−、−[CF(CF3)]p3−、及び−[C(CF32p4−から選ばれるパーフルオロアルキレン単位と酸素原子とがランダムに分布したパーフルオロアルキレンオキシ基を意味するものとし、qが2以上の時、複数の−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}−は互いに同一でも異なっていてもよく、またsが2以上の時、複数のn及びqはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、またtが2以上の時、複数のs及びYはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、p2が1以上の時、パーフルオロアルキレンオキシ基は分岐構造を有する。
[2]1分子あたりのフッ素含率が、35質量%以上76質量%以下である[1]の離型剤組成物。
[3]Xが、置換されていてもよい芳香族性環状基又は非芳香族性環状基である[1]又は[2]の離型剤組成物。
[4]Yの有する吸着基が、水酸基、カルボキシル基、及びシランカップリング基から選択される吸着基である[1]〜[3]のいずれかの離型剤組成物。
[5]Yの有する吸着基が、水酸基である[1]〜[4]のいずれかの離型剤組成物。
[6]Yが、C2〜C10のアルキレン基を含み、但しアルキレン基中の1つの炭素原子又は隣り合わない2以上の炭素原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はカルボニル基(C=O)に置き換わっていてもよく、且つアルキレン基中のいずれかの炭素原子に、又は炭素原子が窒素原子で置換されている場合は窒素原子に、直接もしくはC1〜C5のアルキレン基を介して吸着性基が結合している連結基である[1]〜[5]のいずれかの離型剤組成物。
[7]Yが、下記式で表される部分構造を含む[1]〜[6]のいずれかの離型剤組成物:
式中、Wは吸着性基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を表わし;*が付記された炭素原子のいずれか、又はZが窒素原子である場合はZが、Xと直接又はC1〜C8のアルキレン基(但しアルキレン基中の1つの炭素原子又は隣り合わない2以上の炭素原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はカルボニル基(C=O)に置き換わっていてもよい)を介して結合し;**が付記された炭素原子が、−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}q−Cn2n+1に結合する。
[8]Yが、下記式(Y1)〜(Y3)のいずれかで表される基である[1]〜[7]のいずれかに記載の離型剤組成物:
式中、W1及びW2はそれぞれ、吸着性基を、又は1以上の吸着性基と、1以上のメチレン基(CH2)、1以上のメチン基(CH)、1以上の4級炭素原子、又はこれらの2以上の組み合わせてなる基とからなる吸着性基を有する基を表わし;kは0又は1であり;L1〜L3はそれぞれ、−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、又は−C(=O)−を表わし;Zは酸素原子又はNHを表わし;*及び**はそれぞれ、X及び−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}q−Cn2n+1との結合位置を示す。
[9]一般式(1)中のパーフルオロアルキレンオキシ基が、下記式(2a)又は(2b)で表される基である[1]〜[8]のいずれかの離型剤組成物:
一般式(2a)及び(2b)中、mは2〜4の整数を表し、qは1〜30の整数を表し、式(2a)中のqが2以上の場合に複数存在するm、及び式(2b)中に複数存在するmは、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく、*はYとの結合位置を、**はCn2n+1との結合位置を示す。
[10]一般式(1)中のパーフルオロアルキレンオキシ基が、下記式(3a)又は(3b)で表される基である[1]〜[8]のいずれかに記載の離型剤組成物:
一般式(3a)及び(3b)中、vは1〜20の整数を表し、wは1〜20の整数を表し、但し(v+w)は1〜30の整数であり、且つ(CF2O)と(CF2CF2O)との結合の順番は限定されず、*はYとの結合位置を、**はCn2n+1との結合位置を示す。
[11]前記少なくとも1種類の一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1a)〜(1f)のいずれかで表される化合物である[1]〜[10]のいずれかの離型剤組成物:
式中、Xは置換されていてもよい環状基を表し;W1及びW2はそれぞれ、吸着性基を、又は1以上の吸着性基と、1以上のメチレン基(CH2)、1以上のメチン基(CH)、1以上の4級炭素原子、又はこれらの2以上の組み合わせてなる基とからなる吸着性基を有する基を表わし;kは0又は1であり;L1〜L3はそれぞれ、−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、又は−C(=O)−を表わし;Zは酸素原子又はNHを表わし;mは2〜4の整数を表し、nは1〜10の整数を表し、tは2〜10の整数を表し、qは1〜30の整数を表し;但し、各式中に複数存在するL1〜L3、k、W1、W2、Z、m、n及びqはそれぞれ、互いに同一であっても異なっていてもよい。
[12]前記少なくとも1種類の一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1g)〜(1l)のいずれかで表される化合物である[1]〜[10]のいずれか1項に記載の離型剤組成物:
式中、Xは置換されていてもよい環状基を表し;W1及びW2はそれぞれ、吸着性基を、又は1以上の吸着性基と、1以上のメチレン基(CH2)、1以上のメチン基(CH)、1以上の4級炭素原子、又はこれらの2以上の組み合わせてなる基とからなる吸着性基を有する基を表わし;kは0又は1であり;L1〜L3はそれぞれ、−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、又は−C(=O)−を表わし;Zは酸素原子又はNHを表わし;vは1〜20の整数を表し、wは1〜20の整数を表し、但し(v+w)は1〜30の整数であり、且つ(CF2O)と(CF2CF2O)との結合の順番は限定されず、nは1〜10の整数を表し、tは2〜10の整数を表し;但し、各式中に複数存在するL1〜L3、k、W1、W2、Z、v、w及びnはそれぞれ、互いに同一であっても異なっていてもよい。
[13]表面の少なくとも一部に、[1]〜[12]のいずれかの離型剤組成物からなる膜を有することを特徴とするモールド。
[14]ナノインプリント加工用であることを特徴とする[13]のモールド。
[15]表面が石英、ガラス、シリコン、シリコンの酸化物、シリコーン樹脂、金属、金属酸化物、及びTEOSのいずれかからなる[13]又は[14]のモールド。
本発明によれば、新規な離型剤組成物及びモールドを提供することができる。また、本発明によれば、NILに有用な新規な離型剤組成物、及び耐久性が高いNIL用モールドを提供することができる。また、本発明によれば、優れた離型性を有する、離型剤組成物及びモールドを提供することができる。
また、本発明によれば、レジストが直接モールドに接触しないよう、モールド表面に緻密な膜を形成可能な離型剤組成物、及び該組成物からなる膜を有するモールドを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
1. 離型剤組成物
式(1)の化合物:
本発明の離型剤組成物は、少なくとも1種の式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。下記式(1)の化合物は、分子の中心骨格となる環状基Xと、パーフルオロアルキレン鎖とを連結する連結基Yが、吸着性基を少なくとも1つ含む。式(1)の化合物は、この分子構造上の特徴により、鎖状分子のフッ素含有鎖の末端に吸着性基を有する化合物と比較して、フッ素含有鎖のモールド本体表面上での分子自由度が高い。そのため、効率的に表面を被覆し、緻密に自己組織化した単分子膜を形成することができる。環状基を分子の中心として、その近傍に複数の吸着性基、及びその側鎖に複数のフッ素鎖を配すると、この効果がより高くなる。また、本発明に係わる下記式(1)の化合物には、連結基Yに芳香族性環状基を有しないという特徴もある。この分子構造上の特徴により、Yが芳香族性環状基を含む分子と比較して、分子がより柔軟である。この軟骨格型離型剤を使用すると、例えばYに芳香族性環状基を含む硬骨格型よりも母核が小さくなり、モールド表面により緻密にフッ素鎖を配向させることが可能になる。それによりモールドへのレジスト付着をより抑制することができる。
一般式(1)中、Xは置換されていてもよい環状基を表し;Yは少なくとも一つの吸着性基を有し、且つ芳香族性環状基を有しない、2価以上の連結基を表す。
式(1)中、Xは置換されていてもよい環状基を表す。該環状基の例には、芳香族環の残基(芳香族性環状基)及び非芳香族環の残基(例えば、12−アザクラウン−4及び15,18,21,24−アザクラウン等のアザクラウン環、並びにシクロヘキサン環等の非芳香族性環状基)の双方が含まれる。また、金属に配位している配位子の残基であってもよく、中心金属に配位することによってはじめて環状構造を形成する元々は鎖状の基であってもよい。即ち、本明細書では、「環状基」は、元々は鎖状等の非環状基であっても、分子が複数集合して、環状構造型の集合体または超分子または錯体を形成するのであれば、環状基の意味に含まれるものとする。前記環状基を構成する原子については特に制限はないが、少なくとも炭素原子を環構成原子として含むのが好ましい。前記環状基は、炭素原子のみを環構成原子とする環状基から選択されてもよいし、並びに炭素原子とともに、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子等のヘテロ原子を環構成原子とする環状基から選択されてもよい。基板吸着性の観点では、ヘテロ原子を環構成原子とする環状基から選択されるのが好ましく、特に、トリアジン環の残基等、窒素原子を含む環状基から選択されるのが好ましい。また、Xは、複数のヘテロ環の残基を、環状に連結してなる多環式環状基(例えば、フタロシアニン、ポリフィリン、及びコロール等)であってもよい。なお、これらの環状基については、中心金属に配位した状態であってもよい。以下に、Xの例として好ましい、ヘテロ環状基の例を示すが、これらに限定されるものではない。なお、以下では、環状基の置換基や中心金属は取り去り、環状基の骨格のみを示すものとする。また、Yの置換位置はいずれであってもよく、下記の環状基中、置換可能な水素原子のいずれもYに置き換わっていてもよい。
また、炭素原子のみを環構成原子とする芳香族性環状基の例には、ベンゼン環の残基が含まれる。また、Xとしては、多環式化合物(例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、ペニレン、コロネン等)の残基、又は複数のベンゼン環が環状に連結してなる環状基も好ましい。以下に、炭素原子のみを環構成原子とする芳香族性環状基の例を示すが、以下の例に限定されるものではない。なお、以下では、置換基は取り去り、環状基の骨格のみを示すものとする。また、Yの置換位置はいずれであってもよく、下記の環状基中、置換可能な水素原子のいずれもYに置き換わっていてもよい。
また、非芳香性脂環状基の例には、以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない。なお、以下では、置換基は取り去り、環状基の骨格のみを示すものとする。また、Yの置換位置はいずれであってもよく、下記の環状基中、置換可能な水素原子のいずれもYに置き換わっていてもよい。
Xは、置換されていてもよい単環式化合物の残基であることが好ましく、ベンゼン、シクロヘキサン、トリアジン、イソシアヌル、ピリミジン、1,4,7−トリアザシクロノナン、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカンよりなる群から選ばれる基であるのが、より好ましく、例えば、以下の式(X1)〜(X4)のいずれかの環状基であるのが特に好ましい。
式中、*はYが結合可能な位置を示し、各式中の2以上の*の位置にYが結合し、Yが結合していない*の位置、又はその他の結合可能な位置に他の置換基が結合していてもよい。
Xで表される環状基は、1以上の置換基を有していてもよい。当該置換基の例には、水酸基等の吸着性基を含む種々の置換基が含まれる。環状基の環構成原子に、直接水酸基等の吸着性基が結合していてもよいし、また連結基を介して水酸基等の吸着性基が結合していてもよい。連結基の例には、炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数1〜20の芳香族性環状基等が含まれる(但し、連結鎖中の1つの炭素原子、又は隣接していない2以上の炭素原子が、酸素、窒素、硫黄等の原子に置換されていてもよく、水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい)。
Xで表される環状基に置換可能な置換基の例には、水素原子の他、以下の置換基群Tが含まれる。
置換基群T:
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った1価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った1価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換又は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った1価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、ヘテロ環基(好ましくは5又は6員の置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた1価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換又は無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイルベンゾイル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換又は無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換又は無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換又は無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
なお、式(1)中、Xの置換基の例としては、水酸基等の吸着性基を含む置換基(水酸基等の吸着性基そのものも含む意味である)、フッ素原子等のハロゲン原子を含む置換基(ハロゲン原子そのものを含む意味である)、及びC1〜C5のアルコキシ基が好ましい。Xは、水酸基等の吸着性基を含む置換基を有するか、無置換であるのが好ましい。
また、式(1)の化合物は、2以上のXが、直接又は炭素原子等(例えば−CH2−)を介して結合した、ビス体等の多量体であってもよい。多量体の場合、それぞれの単量体の構造は同一であっても異なっていてもよい。
式(1)中、Yは、少なくとも一つの吸着性基を有し、且つ芳香族性環状基を有しない、2価以上の連結基を表す。該吸着性基は末端に位置する1価基であっても、末端以外に位置する2価基であってもよい。モールド表面に対する吸着性の観点では、吸着性基は末端に位置する1価基であるのが好ましい。ここで吸着性基とは、離型剤組成物が適用される表面を構成している材料に対して吸着性のある基を意味する。例えば、モールド用離型剤組成物の態様では、該組成物が適用される、モールド本体の表面に対して吸着性のある基を意味する。NIL用モールドの本体としては、石英、ガラス、シリコン、シリコンの酸化物、シリコーン樹脂、金属、金属酸化物及びTEOSからなるものが多い。これらの材料からなる表面に対する吸着性を示す基の例には、極性基が含まれる。該極性基としては、酸素や窒素など電気陰性度の大きい原子を含む基を挙げることができ、例えば、水酸基(ヒドロキシ基)、カルボニル基、カルボキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、及びシランカップリング基等が好ましい。シランカップリング基とは、加水分解によりシラノール基を生成する基であり、その例には、アルコキシシラン基、及びクロロシラン基等が含まれる。中でも、水酸基、カルボキシル基又はシランカップリング基が好ましく、水酸基又はシランカップリング基がより好ましく、水酸基がさらに好ましい。
Yが表す2価以上の連結基としては、置換もしくは無置換の、イミノ基(C=NH又はC=NR(R:は置換基))、スルフィド基(S)、炭素原子数1〜20のアルキレン基(但し1つの炭素原子、又は隣接しない2以上の炭素原子が酸素、窒素、硫黄等の原子に置換されていてもよく、水素原子がハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)に置換されていてもよい)、炭素原子数2〜20のアルケニレン基、炭素原子数2〜20のアルキニレン基、カルボニル基(C=O)、スルフィニル基(S=O)、スルホニル基(S(=O)2)、ホスホリル基(P=O)、酸素原子(O)、及びそれらから選択される一つ以上の組合せからなる2価以上の連結基が好ましい。
Yの好ましい例は、エーテル性酸素原子、アミン性窒素原子、及びアミド結合からなる群より選ばれる原子又は原子団を少なくとも1つ有する、炭素数1〜15(より好ましくは1〜10)の直鎖状又は分枝状の2〜5価の連結基である。
また、Yの例には、C2〜C10のアルキレン基を含み、但しアルキレン基中の1つの炭素原子又は隣接しない2以上の炭素原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はカルボニル基(C=O)に置き換わっていてもよく、且つアルキレン基中のいずれかの炭素原子(又は炭素原子が窒素原子で置換されている場合は窒素原子)に直接もしくはC1〜C5のアルキレン基を介して吸着性基が結合している連結基が含まれる。この連結基の例では、例えば、アルキレン基の末端の炭素原子に、下記パーフルオロアルキレンオキシ基が結合する。
またYの例には、下記式で表される部分構造を含む連結基が含まれる。
式中、Wは吸着性基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を表わし;*が付記された炭素原子のいずれか、又はZが窒素原子である場合はZが、Xと直接又はC1〜C8のアルキレン基(但しアルキレン基中の1つの炭素原子又は隣接しない2以上の炭素原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はカルボニル基(C=O)に置き換わっていてもよい)を介して結合し;**が付記された炭素原子が、直接又はC1〜C8のアルキレン基(但しアルキレン基中の1つの炭素原子又は隣接しない2以上の炭素原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はカルボニル基(C=O)に置き換わっていてもよい)を介して、−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}q−Cn2n+1に結合する。
また、Yの例には、下記式(Y1)〜(Y3)のいずれかで表される連結基が含まれる。
式中、W1及びW2はそれぞれ、吸着性基を、又は1以上の吸着性基と、1以上のメチレン基(CH2)、1以上のメチン基(CH)、1以上の4級炭素原子、又はこれらの2以上の組み合わせてなる基とからなる吸着性基を有する基を表わし;kは0又は1であり;L1〜L3はそれぞれ、−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、又は−C(=O)−を表わし;Zは酸素原子又はNHを表わし;*及び**はそれぞれ、X及び−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3、[C(CF32p4O}q−Cn2n+1との結合位置を示す。
1及びW2がそれぞれ表す、1以上の吸着性基と、1以上のメチレン基(CH2)、1以上のメチン基(CH)、1以上の4級炭素原子、又はこれらの2以上の組み合わせてなる基とからなる吸着性基を有する基の例には、以下の基が含まれる。
式中、Wは吸着性基を表し、*は上記式(Y1)、(Y2)及び(Y3)との結合部位を示す。
前記式(1)中の環状基Xは、下記式で表されるパーフルオロアルキレンオキシ基をt個有する。tは2〜10の整数を表し、環状基の構造に応じて、tの好ましい範囲が変動する。通常は、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。
式中、Yは上記連結基であり;p1は1〜4の整数を表し、p2、p3およびp4はそれぞれ0〜4の整数を表し、qは0〜30の整数を表し、nは1〜10の整数を表し、sは1〜4の整数を表す。但し、−(CF2p1−、−(CF)p2−、−[CF(CF3)]p3−、及び−[C(CF32p4−の結合の順番は限定されず、−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}−は、−(CF2p1−、−(CF)p2−、−[CF(CF3)]p3−、及び−[C(CF32p4−から選ばれるパーフルオロアルキレン単位と酸素原子とがランダムに分布したパーフロオロアルキレンオキシ基を意味するものとする。また、qが2以上の時、複数の−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}−は互いに同一でも異なっていてもよく、またsが2以上の時、複数のn及びqはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、またtが2以上の時、複数のs及びYはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。また、p2が1以上、即ち(CF)を含む場合は、パーフロアルキレンオロオキシ基は分岐構造を有する。
p1は1〜3であるのが好ましく、p2は0又は1であるのが好ましく、p3は0〜2であるのが好ましく、p3は0〜2であるのが好ましい。またqは2〜20であるのが好ましく、3〜10であるのがより好ましい。sは好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜3である。
前記パーフルオロアルキレンオキシ基の例には、下記式(2a)又は(2b)で表される基が含まれる。
一般式(2a)及び(2b)中、mは2〜4の整数を表し、qは1〜30の整数を表し、*はYとの結合位置を、**はCn2n+1との結合位置を示す。qは3〜10であるのが好ましい。式(2a)中のqが2以上の場合の複数のm、及び式(2b)中の複数のmは、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、前記パーフルオロアルキレンオキシ基の例には、下記式(3a)又は(3b)で表される基が含まれる。
一般式(3a)及び(3b)中、wは1〜30の整数を表し、但し(v+w)は1〜30の整数であり;*はYとの結合位置を、**はCn2n+1との結合位置を示す。式中、(CF2O)と(CF2CF2O)の結合の順番は特に限定されない。vは1〜15であるのが好ましく、1〜10であるのがより好ましく;wは1〜15であるのが好ましく、1〜10であるのがより好ましい。また、(v+w)は2〜30であるのが好ましく、2〜20であるのがより好ましい。
前記パーフルオロアルキレンオキシ基は、末端にパーフルオロアルキル基、−Cn2n+1を有する。パーフルオロアルキル基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。nは1〜10の整数であり、nは2〜8であるのが好ましい。
前記式(1)で表される化合物の1分子あたりのフッ素含率が高いほど、フッ素溶媒への溶解度が高いという観点で好ましい。1分子あたりのフッ素含率は、37〜76質量%であるのが好ましく、50〜76質量%であるのがより好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の例には、以下の式(1a)〜(1f)で表される化合物が含まれる。
式中の各符号の定義については、上記と同様であり、好ましい範囲も同様である。
また、前記一般式(1)で表される化合物の例には、以下の式(1g)〜(1l)で表される化合物が含まれる。
式中の各符号の定義については、上記と同様であり、好ましい範囲も同様である。
以下に式(1)で表される化合物の具体例を示すが、これらの具体例に限定されるものではない。なお例示化合物に付記されたカッコ内の数値は、フッ素原子含有率を意味する。ただし、以下の式中、mは1〜20の整数を表し、nは1〜20の整数を表し、但し(m+n)は1〜30の整数であり、且つ(CF2O)と(CF2CF2O)との結合の順番は限定されない。
前記式(1)で表される化合物の合成方法は、特に限定されず、種々の公知の方法を組合せて合成することができる。例えば、前記式(1)で表される化合物の基本的な構成要素は、中心の環状基、末端のパーフルオロアルキレンオキシ基、それらをつなぐ連結基、及び中心環状基又は連結基に存在する吸着性基である。吸着性基は、環状基を中心として、放射状に複数配されているのが、多点吸着の意味では好ましく、吸着性基は、環状基を末端のパーフルオロアルキレンオキシ基へとつなぐ、連結部Yに、所定の反応により、導入するのが好ましい。
末端のパーフルオロアルキレンオキシ基鎖(以下、単に「フッ素鎖」という場合がある)は、化合物の極性を大きく変化させるので、好ましくは化合物合成の最終段階に近いところで、導入するのが好ましい。
例えば、W1が水酸基、あるいはW1中の吸着性基が水酸基である、前記式(1a)、(1b)、(1d)および(1e)で表される化合物は、エポシキ基を有する環状化合物と、フッ素鎖を有するアルコールあるいはアミン等を反応させることによって、連結部Yを形成させ合成することができる。また、水酸基あるいはアミノ基等を有する環状化合物(例えば、アザクラウン)と、フッ素鎖を有するエポキシ化合物を反応させることによって合成することができる。
また、前記一般式(1c)および(1f)で表される化合物のうち、環状基がトリアジンであり、k=0のものは、例えば、ハロゲン化シアヌルに、吸着性基とフッ素鎖を有する脂肪族アミンを反応させることによって、合成できる。この反応では、アミンとハロゲン化シアヌルの反応と、吸着性基とハロゲン化シアヌルの反応が競争的になる場合があるので、吸着性基の種類によっては、あらかじめ該吸着性基を保護したり、又は後から吸着性基を導入するのが好ましい。また、フッ素鎖は、あらかじめアミンに導入しておいても、後から導入してもよい。
本発明に係わる式(1)の化合物を製造可能な製造方法の例には、以下のスキーム1〜3で表される製造方法が含まれる
各スキームの式中、Lは式(1)中のYの一部になる連結基であり、酸素原子、アルキレン基又はそれらの組み合わせ等を表わし、kは0又は1であり、Halはハロゲン原子(例えばF、Cl、Br及びI)、Wは吸着性基を含む置換基であり、Rfは式(1)中のパーフルオロアルキレンオキシ基を表し、tは式(1)中のtと同義である。
スキーム1は、環状基Xが、フェニル基等の芳香族アリール基又はシアヌル酸のトリオン体残基である式(1)の化合物の合成に適する。
スキーム2中の試薬2Aは、式(1)中のXになり得る環状化合物であって、1以上のNHを含むテトラアザシクロドデカン等の環状化合物を意味する。即ち、スキーム2は、環状基Xが、窒素原子を環構成原子として含む非芳香族系へテロ環残基である式(1)の化合物の合成に適する。
スキーム3は、環状基Xが、トリアジンの残基である式(1)の化合物の合成に適する。
添加剤:
本発明の離型剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、1以上の添加剤を含有していてもよい。添加剤の例としては、フッ素界面活性剤が挙げられ、中でもパーフルオロアルキルポリエーテルオリゴマーが好ましい。パーフルオロアルキルポリエーテルオリゴマーを添加すると、離型剤組成物の粘度を低減することができ、それにより摩擦をさらに低減することができる。摩擦低減によりモールド/レジスト剥離時の剥離力を抑制することが可能であり、形成したレジストパターンを損なうことなく剥離できる。パーフルオロアルキルポリエーテルオリゴマーの好ましい例には、下記一般式(a)〜(d)で表されるパーフルオロアルキルポリエーテルオリゴマーが含まれる。
A−CF2O(CF2CF2O)r(CF2O)sCF2−B (a)
[A及びBはそれぞれ、OHCH2−又は下式から選ばれる少なくとも1種の基を表し;rは1〜30のいずれかの数であり、sは1〜30のいずれかの数であり;
但し、xは1〜5のいずれかの数である。]
X−CF2O(CF2CF2O)m(CF2O)nCF2−Y (b)
[X及びYはそれぞれ、F、HO(CH2CH2O)tCH2−、HOCH2CH(OH)CH2OCH2−、HOOC−及びピペロニル基から選ばれる基を表し;mは1〜60のいずれかの数であり;nは1〜60のいずれかの数であり;tは1〜30のいずれかの数である。]
F[CF(CF3)CF2O]uCF(CF3)−X’ (c)
[X’は、F又は−COOHを表し;uは1〜60のいずれかの数である。]
F[CF2CF2CF2O]vCF2CF2CH2−Z (d)
[Zは、F、HO−及びCOOH−から選ばれる基を表し;vは1〜60のいずれかの数である。]
前記式(a)の化合物の例としては、“Fomblin Z−dol”(Solvay Solexis社)、及び“MORESCO PHOSFAROL A20H”(松村石油研究所)等がある。前記式(b)の化合物の例としては、“Fomblin Z−03”、“Z−dol TX”、“Z−tetraol”、“Z−DIAC”、“AM2001”、“AM3001”(いずれもSolvay Solexis社)等がある。式(c)の化合物の例としては、“KRYTOX 143”、及び“157FS”(デュポン社)等がある。式(d)の化合物の例としては、“DemnumSA”、及び“DemnumSH”(いずれもダイキン工業社)等がある。
化合物(a)〜(d)含有による効果は、本発明の離型剤組成物の粘度低減による摩擦低減である。摩擦低減によりモールド/レジスト剥離時の剥離力を抑制することが可能であり、形成したレジストパターンを損なうことなく剥離できる。
溶剤:
本発明の離型剤組成物は、溶液及び/又は分散液等の液体として調製することができる。該溶液及び分散液の調製に用いられる溶剤としては、“Vertrel XF−UP”(三井・デュポンフロロケミカル社製)、“HFE−7100DL”(住友スリーエム社製)、“HFE−7200”(住友スリーエム社製)、“AK−225”(旭硝子製)、アセトン、及び2−ブタノンなどの市販品を使用することができる。
好ましい溶剤は、塗布法によっても異なり、例えば、ディップコート法の場合は、“Vertrel XF−UP”(三井・デュポンフロロケミカル社製)、“HFE−7100DL”(住友スリーエム社製)、“HFE−7200”(住友スリーエム社製)などのフッ素系溶剤が好ましい。
溶液(又は分散液)中の前記化合物の濃度としては、一般的には0.001〜0.5質量%程度が好ましく、特に0.001〜0.2質量%程度がより好ましい。
2.モールド
本発明は、本体と、該本体の表面の少なくとも一部に、本発明の離型剤組成物からなる膜を有することを特徴とするモールドにも関する。本発明のモールドは、優れた離型性を示し、特に、ナノインプリント加工用モールドとして有用である。前記本体を構成する材料については特に制限はないが、微細な凹凸のパターンが形成可能な点で、石英、ガラス、シリコン、シリコンの酸化物、シリコーン樹脂、金属、金属酸化物、及びTEOSのいずれかからなるのが好ましい。金属は合金であってもよい。金属及び金属酸化物の好ましい例には、ニッケル、ニッケルの酸化物、ニッケルを含む合金、タンタル、クロム、及びクロムの酸化物が含まれる。
本発明のモールドは、本体の少なくとも一部の表面に、本発明の離型剤組成物からなる膜を形成する工程を含む方法により製造することができる。以下、本発明のモールドの製造方法例について説明する。
モールド本体の表面に離型膜を形成する方法は、通常、洗浄工程、塗布工程、吸着促進工程、及びリンス工程の4工程を含む。但し、この方法に限定されるものではない。以下、各工程について説明する。
洗浄工程:
洗浄工程は、モールド本体の表面を洗浄及び/又は活性化することを目的として実施される。その方法については、特に制限はなく、例えば、UV照射、プラズマ処理などの処理が挙げられる。モールド表面が十分に清浄、活性されているのであれば、この工程は省略することも可能である。
塗布工程:
塗布工程は、前記洗浄されたモールド本体の表面を、本発明の離型剤組成物で被覆し、離型層を形成する工程である。塗布方法については特に制限はない、溶液(又は分散液)として調製された本発明の離型剤組成物を利用する態様では、公知の種々の塗布方法、例えば、ディップコート法、及びスピンコート法等を利用することができる。また、塗布方法によらず、例えば、真空蒸着法などを利用して、離型層を形成することもできる。
吸着促進工程:
吸着促進工程は、離型剤組成物のインプリントモールド表面への吸着を促進することを目的として実施される。その方法については、特に制限はないが、アニール処理、UV照射などが好ましい。アニール処理は、温度50℃〜150℃程度で行うのが好ましい。また、UV照射の場合は、波長185nm、又は254nmの光を含むUVランプを使用するのが好ましい。
リンス工程:
リンス工程は、前記吸着促進処理されたモールドをリンスする工程である。このリンス工程では、モールド本体に適用された余剰の前記離型剤組成物を、除去することができる。前記具体的方法についてはと、特に制限はないが、超音波洗浄、ディップリンス等が実施されるであろう。前記超音波洗浄を実施する時間としては、特に制限はなく、10秒間〜10分間程度実施することができる。また、前記ディップリンスは、溶剤に浸漬させてリンス処理を行なう方法であり、浸漬時間としては0秒間〜30分間程度とすることができる。リンス処理に用いる溶剤としては、特に制限はなく、前記離型剤組成物を溶液として調製する際に用いる溶剤の例と同様である。
本発明のモールドは、NIL用モールドとして有用であり、例えば、NIL技術を利用したDTM、及びBPM等の作製に用いられ、また半導体素子及び微小光学素子のパターン形成にも利用されている。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
離型剤組成物の準備:
化合物(1)を、溶剤“Vertrel XF−UP”(三井・デュポンフロロケミカル社製)に濃度0.1質量%で溶解し、離型剤溶液を調製した。
モールドの作製:
モールド本体として、石英からなり直方体(縦20mm、横30mm、高さ0.5mm)の基板を用いた。上記で調製した離型剤溶液を、UVを5分間照射することにより洗浄したモールドにディップコート法で塗布し、120℃ 15分間のアニール処理を行なうことにより吸着促進し、最後に溶剤Vertrel XF−UPにてディップリンスして、本体の表面に離型層を形成し、モールドを作製した。
[実施例2]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(2)とした以外は同様にして実施例2の試験用モールドを得た。
[実施例3]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(3)とし、濃度0.01質量%で溶解した以外は、同様にして実施例3の試験用モールドを得た。
[実施例4]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(4)とし、濃度0.01質量%で溶解した以外は、同様にして実施例4の試験用モールドを得た。
[実施例5]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(5)とし、濃度0.01質量%で溶解した以外は、同様にして実施例5の試験用モールドを得た。
[実施例6]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(6)とし、濃度0.01質量%で溶解した以外は、同様にして実施例6の試験用モールドを得た。
[実施例7]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(7)とし、濃度0.05質量%で溶解した以外は、同様にして実施例7の試験用モールドを得た。
[実施例8]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(8)とし、濃度0.05質量%で溶解した以外は、同様にして実施例8の試験用モールドを得た。
[実施例9]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(9)とし、濃度0.05質量%で溶解した以外は、同様にして実施例9の試験用モールドを得た。
[実施例10]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(10)とし、濃度0.05質量%で溶解した以外は、同様にして実施例10の試験用モールドを得た。
[実施例11]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(11)とし、濃度0.05質量%で溶解した以外は、同様にして実施例11の試験用モールドを得た。
[実施例12]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(12)とし、濃度0.05質量%で溶解した以外は、同様にして実施例12の試験用モールドを得た。
[実施例13]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(13)とし、濃度0.05質量%で溶解した以外は、同様にして実施例13の試験用モールドを得た。
[実施例14]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(14)とし、濃度0.05質量%で溶解した以外は、同様にして実施例14の試験用モールドを得た。
[実施例15]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(20)とし、濃度0.025質量%で溶解した以外は、同様にして実施例15の試験用モールドを得た。
[実施例16]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(21)とし、濃度0.025質量%で溶解した以外は、同様にして実施例16の試験用モールドを得た。
[実施例17]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(22)とし、濃度0.05質量%で溶解した以外は、同様にして実施例17の試験用モールドを得た。
[比較例1]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(15)とし、濃度0.2質量%で溶解した以外は、同様にして比較例1の試験用モールドを得た。
[比較例2]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(16)とし、濃度0.2質量%で溶解した以外は、同様にして比較例2の試験用モールドを得た。
[比較例3]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(17)とし、濃度0.2質量%で溶解した以外は、同様にして比較例3の試験用モールドを得た。
[比較例4]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(18)とし、濃度0.2質量%で溶解した以外は、同様にして比較例4の試験用モールドを得た。
[比較例5]
実施例1の作製方法において、化合物(1)を下記化合物(19)とし、濃度0.2質量%で溶解した以外は、同様にして比較例5の試験用モールドを得た。
モールドの評価:
作製した各モールドについて、以下の評価を行った。
アクリル系レジスト(PAK−01−60、東洋合成工業(株)製)を100nmの厚みになるようにスピンコート法(1,500rpm)によりレジスト層を準備した。その試験基板上のレジスト層に、作製した各モールドの離型処理面を押し当て、波長365nmのUV光(UV−LED照射器UV−400シリーズ、(株)キーエンス製)にてレジストを硬化し、その後離型した。この操作を各モールドについて100回ずつ行ない、100回目の離型で得られた硬化レジスト膜を光学顕微鏡(倍率50倍〜1,500倍)の暗視野測定で検査した。観察された剥離故障の程度を下記基準により四段階で官能評価した。
◎:剥離故障なし
○:剥離故障あるが、サイズ100μ角未満が3箇所以内
△:剥離故障あるが、サイズ100μ角未満が4箇所以上
×:サイズ100μ角以上の剥離故障あり
上記検査結果を下記表に示す。
いずれの試料についても、初期においては剥離故障の発生はなかったが、上記操作を繰り返すことで比較例化合物では剥離故障が顕著に生じた。
本発明のモールドは、ナノインプリントによりレジストをパターニングする際のスタンパーとして利用可能である。

Claims (13)

  1. 少なくとも1種類の下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする離型剤組成物:
    一般式(1)中、Xは下記(X1)〜(X4)から選択され
    式中、*はYが結合可能な位置を示し、各式中の2以上の*の位置にYが結合し、Yが結合していない*の位置、又はその他の結合可能な位置に他の置換基が結合していてもよく;
    Yは、少なくとも一つの水酸基、カルボキシル基、および、シランカップリング基から選択される吸着性基を有し、エーテル性酸素原子、アミン性窒素原子、及びアミド結合からなる群より選ばれる原子又は原子団を少なくとも1つ有する、炭素数1〜15の直鎖状又は分枝状で、且つ芳香族性環状基を有しない、2〜5価の連結基でありp1は1〜4の整数を表し、p2、p3およびp4はそれぞれ0〜4の整数を表し、qは0〜30の整数を表し、nは1〜10の整数を表し、sは1〜4の整数を表し、tは2〜の整数を表し;但し、一般式(1)中の−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}−を構成する、−(CF2p1−、−(CF)p2−、−[CF(CF3)]p3−、及び−[C(CF32p4−の結合の順番は限定されず、−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}−は、−(CF2p1−、−(CF)p2−、−[CF(CF3)]p3−、及び−[C(CF32p4−から選ばれるパーフルオロアルキレン単位と酸素原子とがランダムに分布したパーフルオロアルキレンオキシ基を意味するものとし、qが2以上の時、複数の−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}−は互いに同一でも異なっていてもよく、またsが2以上の時、複数のn及びqはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、またtが2以上の時、複数のs及びYはそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、p2が1以上の時、パーフルオロアルキレンオキシ基は分岐構造を有する。
  2. 1分子あたりのフッ素含率が、35質量%以上76質量%以下である請求項1に記載の離型剤組成物。
  3. Yの有する吸着基が、水酸基である請求項1または2に記載の離型剤組成物。
  4. Yが、C2〜C10のアルキレン基を含み、但しアルキレン基中の1つの炭素原子又は隣り合わない2以上の炭素原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はカルボニル基(C=O)に置き換わっていてもよく、且つアルキレン基中のいずれかの炭素原子に、又は炭素原子が窒素原子で置換されている場合は窒素原子に、直接もしくはC1〜C5のアルキレン基を介して吸着性基が結合している連結基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の離型剤組成物。
  5. Yが、下記式で表される部分構造を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の離型剤組成物:
    式中、Wは吸着性基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を表わし;*が付記された炭素原子のいずれか、又はZが窒素原子である場合はZが、Xと直接又はC1〜C8のアルキレン基(但しアルキレン基中の1つの炭素原子又は隣り合わない2以上の炭素原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はカルボニル基(C=O)に置き換わっていてもよい)を介して結合し;**が付記された炭素原子が、−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}q−Cn2n+1に結合する。
  6. Yが、下記式(Y1)〜(Y3)のいずれかで表される基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の離型剤組成物:
    式中、W1及びW2はそれぞれ、吸着性基を、又は1以上の吸着性基と、1以上のメチレン基(CH2)、1以上のメチン基(CH)、1以上の4級炭素原子、又はこれらの2以上の組み合わせてなる基とからなる吸着性基を有する基を表わし;kは0又は1であり;L1〜L3はそれぞれ、−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、又は−C(=O)−を表わし;Zは酸素原子又はNHを表わし;*及び**はそれぞれ、X及び−{(CF2p1(CF)p2[CF(CF3)]p3[C(CF32p4O}q−Cn2n+1との結合位置を示す。
  7. 一般式(1)中のパーフルオロアルキレンオキシ基が、下記式(2a)又は(2b)で表される基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の離型剤組成物:
    一般式(2a)及び(2b)中、mは2〜4の整数を表し、qは1〜30の整数を表し、式(2a)中のqが2以上の場合に複数存在するm、及び式(2b)中に複数存在するmは、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく、*はYとの結合位置を、**はCn2n+1との結合位置を示す。
  8. 一般式(1)中のパーフルオロアルキレンオキシ基が、下記式(3a)又は(3b)で表される基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の離型剤組成物:
    一般式(3a)及び(3b)中、vは1〜20の整数を表し、wは1〜20の整数を表し、但し(v+w)は1〜30の整数であり、且つ(CF2O)と(CF2CF2O)との結合の順番は限定されず、*はYとの結合位置を、**はCn2n+1との結合位置を示す。
  9. 前記少なくとも1種類の一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1a)〜(1f)のいずれかで表される化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の離型剤組成物:
    式中、Xは、下記(X1)〜(X4)から選択され、
    式中、*はL 1 〜L 3 が結合可能な位置を示す;W1及びW2はそれぞれ、吸着性基を、又は1以上の吸着性基と、1以上のメチレン基(CH2)、1以上のメチン基(CH)、1以上の4級炭素原子、又はこれらの2以上の組み合わせてなる基とからなる吸着性基を有する基を表わし;kは0又は1であり;L1〜L3はそれぞれ、−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、又は−C(=O)−を表わし;Zは酸素原子又はNHを表わし;mは2〜4の整数を表し、nは1〜10の整数を表し、tは2〜の整数を表し、qは1〜30の整数を表し;但し、各式中に複数存在するL1〜L3、k、W1、W2、Z、m、n及びqはそれぞれ、互いに同一であっても異なっていてもよい。
  10. 前記少なくとも1種類の一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1g)〜(1l)のいずれかで表される化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の離型剤組成物:
    式中、Xは、下記(X1)〜(X4)から選択され、
    式中、*はL 1 〜L 3 が結合可能な位置を示す;W1及びW2はそれぞれ、吸着性基を、又は1以上の吸着性基と、1以上のメチレン基(CH2)、1以上のメチン基(CH)、1以上の4級炭素原子、又はこれらの2以上の組み合わせてなる基とからなる吸着性基を有する基を表わし;kは0又は1であり;L1〜L3はそれぞれ、−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、又は−C(=O)−を表わし;Zは酸素原子又はNHを表わし;vは1〜20の整数を表し、wは1〜20の整数を表し、但し(v+w)は1〜30の整数であり、且つ(CF2O)と(CF2CF2O)との結合の順番は限定されず、nは1〜10の整数を表し、tは2〜の整数を表し;但し、各式中に複数存在するL1〜L3、k、W1、W2、Z、v、w及びnはそれぞれ、互いに同一であっても異なっていてもよい。
  11. 表面の少なくとも一部に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の離型剤組成物からなる膜を有することを特徴とするモールド。
  12. ナノインプリント加工用であることを特徴とする請求項11に記載のモールド。
  13. 表面が石英、ガラス、シリコン、シリコンの酸化物、シリコーン樹脂、金属、金属酸化物、及びTEOSのいずれかからなる請求項11又は12に記載のモールド。
JP2011075246A 2011-03-30 2011-03-30 離型剤組成物、及びモールド Expired - Fee Related JP5653275B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011075246A JP5653275B2 (ja) 2011-03-30 2011-03-30 離型剤組成物、及びモールド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011075246A JP5653275B2 (ja) 2011-03-30 2011-03-30 離型剤組成物、及びモールド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012207169A JP2012207169A (ja) 2012-10-25
JP5653275B2 true JP5653275B2 (ja) 2015-01-14

Family

ID=47187189

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011075246A Expired - Fee Related JP5653275B2 (ja) 2011-03-30 2011-03-30 離型剤組成物、及びモールド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5653275B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5932501B2 (ja) * 2012-06-06 2016-06-08 キヤノン株式会社 硬化性組成物、及びこれを用いるパターン形成方法
CN103834004B (zh) * 2014-01-27 2016-03-02 中国科学技术大学 一种含有异氰脲酸酯环且硬段/软段比例可控的耐热型阻燃聚醚多元醇及其制备方法
JP6341328B1 (ja) * 2016-09-23 2018-06-13 ダイキン工業株式会社 イソシアヌル骨格を有する新規化合物及びそれを含む組成物
CN113956464A (zh) * 2016-09-23 2022-01-21 大金工业株式会社 具有异氰脲骨架的化合物和包含其的组合物
WO2018186040A1 (ja) * 2017-04-04 2018-10-11 デクセリアルズ株式会社 イオン液体、磁気記録媒体用潤滑剤、及び磁気記録媒体
JP7033949B2 (ja) * 2017-04-04 2022-03-11 デクセリアルズ株式会社 イオン液体、磁気記録媒体用潤滑剤、及び磁気記録媒体
KR102412603B1 (ko) * 2017-11-13 2022-06-23 주식회사 엘지화학 멜라민 유도체 화합물 및 이의 유래 작용기를 포함하는 변성 공액디엔계 중합체
KR20210096122A (ko) * 2018-11-28 2021-08-04 에이지씨 가부시키가이샤 함불소 화합물, 함불소 화합물 함유 조성물, 코팅액, 물품 및 그 제조 방법
JP6787469B2 (ja) * 2018-11-30 2020-11-18 ダイキン工業株式会社 ポリエーテル基含有化合物
CN114040936B (zh) * 2019-09-26 2024-05-31 大金工业株式会社 含氟代聚醚基的硅烷化合物
JP7029101B1 (ja) 2020-11-05 2022-03-03 ダイキン工業株式会社 含フッ素ポリエーテル基含有化合物
JP7029102B1 (ja) 2020-11-05 2022-03-03 ダイキン工業株式会社 含フッ素ポリエーテル基含有化合物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5931751A (ja) * 1982-08-17 1984-02-20 Daikin Ind Ltd 含フツ素ウレタン化合物及びその用途
JP2515349B2 (ja) * 1987-09-30 1996-07-10 三井東圧化学株式会社 含フッ素グアナミン化合物及びその製造法
JP2011062984A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Fujifilm Corp 離型剤組成物、及びモールド
JP5523377B2 (ja) * 2011-03-07 2014-06-18 富士フイルム株式会社 潤滑剤組成物、フッ素化合物、及びその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012207169A (ja) 2012-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5653275B2 (ja) 離型剤組成物、及びモールド
JP5523377B2 (ja) 潤滑剤組成物、フッ素化合物、及びその用途
JP2011062984A (ja) 離型剤組成物、及びモールド
WO2010109851A1 (ja) 潤滑剤組成物、及びその用途
JP6606785B2 (ja) フラーレン誘導体、フッ素樹脂組成物および潤滑剤
JP2010531749A (ja) マイクロ構造及びナノ機構の複製のための物品及び方法
US20080020317A1 (en) Novel metal nanoparticle and formation of conductive pattern using the same
TW200918502A (en) Cyclic compound, photoresist base material and photoresist composition
JPWO2009035075A1 (ja) 磁気記録媒体
JP6695480B2 (ja) 化合物およびフラーレン誘導体の製造方法
IE20150280A1 (en) Monodisperse lubricant including multidentate perfluoropolyether structures
JP6000892B2 (ja) 封止用樹脂組成物、封止用フィルム、配線基板
JP4136474B2 (ja) 潤滑剤組成物
JP2015135710A (ja) 磁気記録媒体用潤滑剤、磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法、および磁気記録再生装置
KR102387755B1 (ko) 다공성 유전체의 캡핑에 사용하기 위한 방향족 아미노 실록산 작용화 재료
JP7314936B2 (ja) フラーレン化合物、磁気記録媒体用潤滑剤及び磁気記録媒体
JP6263605B2 (ja) 有機薄膜形成用溶液及びそれを用いた有機薄膜形成方法
TWI592403B (zh) 含氟原子的巰基化合物
Petersen et al. Complex structures resulting from carboxylic acid self-assembly: Comparison of 2-naphthoic acid to quinaldic acid and 3-quinoline carboxylic acid
JP5670068B2 (ja) フラーレン膜の製造方法
JP6915096B2 (ja) 組成物、硬化性組成物および化合物
JP6576656B2 (ja) イオン液体、潤滑剤及び磁気記録媒体
JP6145423B2 (ja) 磁気記録媒体用潤滑剤、磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置
JP2004315545A (ja) 金属光沢を有する有機着色料及びその使用
JP6145424B2 (ja) 磁気記録媒体用潤滑剤、磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5653275

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees