JP5327341B2 - ナノインプリント用硬化性組成物、ナノインプリント成形体及びパターン形成方法 - Google Patents
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Description
本発明で使用する複合樹脂(A)は、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)(以下単にポリシロキサンセグメント(a1)と称す)と、アルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)(以下単にビニル系重合体セグメント(a2)と称す)とが、前記一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)である。
複合樹脂(A)の形態は、例えば、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が前記重合体セグメント(a2)の側鎖として化学的に結合したグラフト構造を有する複合樹脂や、前記重合体セグメント(a2)と前記ポリシロキサンセグメント(a1)とが化学的に結合したブロック構造を有する複合樹脂等が挙げられる。
本発明におけるポリシロキサンセグメント(a1)は、一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有すセグメントである。一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位中には重合性二重結合を有する基が含まれている。
前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位は、重合性二重結合を有する基を必須成分として有している。
具体的には、前記一般式(1)及び(2)におけるR1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2からなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しR4は単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子が3〜8のシクロアルキル基、アリール基または炭素原子が7〜12のアラルキル基を表し、R1、R2及びR3の少なくとも1つは前記重合性二重結合を有する基である。また前記R4における前記炭素原子数が1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1−エチルプロピレン基、ヘキシレン基、イソヘシレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、1,1−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、2,2−ジメチルブチレン基、1−エチルブチレン基、1,1,2−トリメチルプロピレン基、1,2,2−トリメチルプロピレン基、1−エチル−2−メチルプロピレン基、1−エチル−1−メチルプロピレン基等が挙げられる。中でもR4は、原料の入手の容易さから単結合または炭素原子数が2〜4のアルキレン基が好ましい。
また、前記炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
また、前記炭素原子数が7〜12のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
重合性二重結合を有する基としては、当該ビニル基、ビニリデン基、ビニレン基を含有してなる公知の全ての官能基を使用することができるが、中でも−R4−C(CH3)=CH2や−R4−O−CO−C(CH3)=CH2で表される(メタ)アクリロイル基は、紫外線硬化の際の反応性に富むことや、後述のビニル系重合体セグメント(a2)との相溶性が良好である。
本発明においてシラノール基とは、珪素原子に直接結合した水酸基を有する珪素含有基である。該シラノール基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が水素原子と結合して生じたシラノール基であることが好ましい。
またアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基等が挙げられる。
またアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、第二ブトキシ基、第三ブトキシ基等が挙げられる。
またアシロキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、ペンタノイルオキシ、フェニルアセトキシ、アセトアセトキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等が挙げられる。
またアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、アリールオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−ペテニルオキシ基、3−メチル−3−ブテニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基等が挙げられる。
また前記加水分解性シリル基は具体的には、前記一般式(1)および/または前記一般式(2)で表される構造単位の、結合手を有する酸素原子が前記加水分解性基と結合もしくは置換されている加水分解性シリル基であることが好ましい。
また、前記シラノール基や前記加水分解性シリル基を含むポリシロキサンセグメント(a1)と後述のビニル系重合体セグメント(a2)とを、前記一般式(3)で表される結合を介して結合させる際に使用する。
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるR1がメチル等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(1)におけるR1がメチル基等のアルキル基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR2及びR3がメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、
前記一般式(1)におけるR1が前記重合性二重結合を有する基である構造単位と、前記一般式(2)におけるR2及びR3がメチル基等のアルキル基である構造単位とが共存したポリシロキサンセグメント(a1)であってもよいし、特に限定はない。
具体的には、ポリシロキサンセグメント(a1)としては、例えば以下の構造を有するもの等が挙げられる。
本発明におけるビニル系重合体セグメント(a2)は、アクリル系重合体、フルオロオレフィン系重合体、ビニルエステル系重合体、芳香族系ビニル系重合体、ポリオレフィン系重合体等のビニル重合体セグメントである。
本発明におけるナノインプリント成形体をレジスト膜とする場合、レジスト膜の残膜をアルカリ洗浄する場合がある。その場合、ナノインプリント成形体をアルカリ溶解性にすることが好ましい。
前記モノマーを共重合させる際の重合方法、溶剤、あるいは重合開始剤にも特に限定はなく、公知の方法によりビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。例えば、塊状ラジカル重合法、溶液ラジカル重合法、非水分散ラジカル重合法等の種々の重合法により、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等の重合開始剤を使用してビニル系重合体セグメント(a2)を得ることができる。
炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。中でも、加水分解反応を容易に進行でき、また反応後の副生成物を容易に除去することができることからビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが、反応が容易であり好ましい。
また、後述の通り本発明においてはアルコール性水酸基を有する活性エネルギー線硬化性モノマーを併用してもよく好ましい。従ってアルコール性水酸基を有するビニル系重合体セグメント(a2)中のアルコール性水酸基量は、併用するアルコール性水酸基を有する活性エネルギー線硬化性モノマーの量まで加味して決定することができる。実質的にはビニル系重合体セグメント(a2)の水酸基価に換算して30〜300の範囲となるように含有することが好ましい。
本発明で用いる複合樹脂(A)は、具体的には下記(方法1)〜(方法3)に示す方法で製造する。
該方法においては、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物のシラノール基あるいは加水分解性シリル基と、炭素結合に直接結合したシラノール基および/または加水分解性シリル基を含有するビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とが加水分解縮合反応し、前記ポリシロキサンセグメント(a1)が形成されると共に、前記ポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが前記一般式(3)で表される結合により複合化された複合樹脂(A)が得られる。
一方、シラノール基および/または加水分解性シリル基並びに重合性二重結合を併有するシラン化合物、必要に応じて汎用のシラン化合物を加水分解縮合反応させ、ポリシロキサンセグメント(a1)を得る。そして、ビニル系重合体セグメント(a2)が有するシラノール基および/または加水分解性シリル基と、とポリシロキサンセグメント(a1)とが有するシラノール基および/または加水分解性シリル基とを加水分解縮合反応をさせる。
これらの触媒及び水は、一括供給でも逐次供給であってもよく、触媒と水とを予め混合したものを供給しても良い。
前記複合樹脂(A)における前記ビニル系重合体セグメント(a2)がアルコール性水酸基を有する場合は、ポリイソシアネート(B)を併用することが好ましい。
使用するポリイソシアネート(B)としては特に限定はなく公知のものを使用することができる。例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類や、メタ−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−メタ−キシリレンジイソシアネート等のアラルキルジイソシアネート類を主原料とするポリイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下「HDI」と略す)、2,2,4−(又は、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、リジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、アロファネート型ポリイソシアネート、ビウレット型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート及びイソシアヌレート型ポリイソシアネートが挙げられる。
本発明のナノインプリント用硬化性組成物は、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては光硬化性組成物において公知のものを使用すればよく、例えば、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、ベンゾフェノン類からなる群から選ばれる一種以上を好ましく用いることができる。前記アセトフェノン類としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられる。前記ベンジルケタール類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。前記ベンゾイン類等としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。光重合開始剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の使用量は、前記複合樹脂(A)100重量%に対して、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
中でも、ペンタエリスリトールトリアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートが好ましい。
本発明のナノインプリント法を使用したパターン形成方法は、任意の方法で可能である。例えば、本発明のナノインプリント用硬化性組成物を基材に塗布して膜を形成したのち、マスターモールドを押し付けた状態で硬化してもよいし、成形型にナノインプリント用硬化性組成物を注入したうえ、マスターモールドを押し付けた状態で硬化してもよい。また、注入用の成形型自体にナノサイズの凹凸を作成しておき、型自体をマスターモールドとした状態でナノインプリント用硬化性組成物を注入したうえ、硬化してもよい。成形のハイスループット性などから、ナノインプリント用硬化性組成物を基材に塗布して膜を形成したのち、マスターモールドを押し付けた状態で硬化する方法が、特に好ましい。
以下、本発明のナノインプリント用硬化性組成物を基材に塗布して膜を形成する工程と、凹凸構造を有するナノインプリント用モールドを押し付けて、この状態で硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線硬化させる工程と、その後モールドを剥離することを特徴とするパターン形成方法について詳細に記述する。
フィルム状に成膜する方法としては、押し出し法、あるいは仮支持フィルム上に塗布し乾燥させ、必要に応じて、形成されたナノインプリント用硬化性組成物層表面を被覆フィルムで覆った、処理対象となる表面に加熱圧着し積層するものであってもよい。この時使用する仮支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。その際、それらのフィルムが塗膜の作製時に必要な耐溶剤性や耐熱性等を有しているものであるときは、それらの仮支持フィルム上に直接に本発明のナノインプリント用硬化性組成物を塗布し乾燥させて塗膜を作製することができ、また、それらのフィルムが耐溶剤性や耐熱性等の低いものであっても、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルムや離型フィルム等の離型性を有するフィルム上に先ず本発明のナノインプリント用硬化性組成物を形成した後、その層上に耐溶剤性や耐熱性等の低い仮支持フィルムを積層し、しかる後、離型性を有するフィルムを剥離することにより、塗膜を作製することもできる。
本発明における積層体で使用する基材は、本発明のナノインプリント硬化物の使用目的に応じて適宜選択される。
例えば石英、サファイア、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Al、Ni、Cu、Cr、Fe、ステンレス等の金属基材、スクリーンメッシュ、紙、木材、シリコン等の合成樹脂、SOG(Spin On Glass)、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基材、TFTアレイ基材、サファイアやGaN等の発光ダイオード(LED)基材、ガラスや透明プラスチック基材、インジウム錫オキサイド(ITO)や金属等の導電性基材、絶縁性基材、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコーン、酸化シリコン、アモルファスシリコン等の半導体作製基材等が挙げられる。これらのものは光透過性でも非光透過性であってもよい。
また、基材の形状も特に限定はなく、平板、シート状、あるいは3次元形状全面にまたは一部に曲率を有するもの等目的に応じた任意の形状であってよい。また基材の硬度、厚み等にも特に制限はない。
膜厚は所望する凹凸の深さに大きく依存するが、0.001〜300μm以下であることが好ましい。
マスターモールドは前述の通り平面状、ベルト状、ロール状、ロールベルト状等の任意の形態のものを選択できる。浮遊ゴミ等による原版の汚染防止等の目的で、転写面に従来公知の離型処理を施すことは好ましい。
硬化の方法は、マスターモールドが光を透過する材質の場合はマスターモールド側から光を照射する方法や、基材が光を透過する材質の場合は基材側から光を照射する方法が挙げられ、モールド・基材共に光透過性の場合には、両側から光を照射してもかまわない。光照射に用いる光としては、光重合開始剤が反応する光であればよく、中でも、光重合開始剤が容易に反応し、より低温で硬化させることができる面から、450nm以下の波長の光(紫外線、X線、γ線等の活性エネルギー線)が好ましい。操作性の面から200から450nmの波長の光が特に好ましい。具体的には、前述の紫外線硬化させる際に使用する光を使用することができる。
上記のいずれの方式についても、大面積の成形体を効率よく製造する方法として、ロールプロセスに適合するように反応機内を搬送する方法で硬化する方法も好ましい。
硬化工程後、成形体をマスターモールドから剥離することにより、マスターモールドの凹凸パターンを転写した凸凹パターンが前記硬化性樹脂組成物層の硬化物の表面に形成されたレジスト膜が得られる。基材の反り等の変形を抑えたり、凸凹パターンの精度を高めたりする面で、剥離工程の温度としては、ナノインプリント成形体の温度が常温(25℃)付近まで冷却した後に実施する方法や、ナノインプリント成形体がまだ加熱状態の時に剥離する場合であっても、ナノインプリント成形体に一定の張力を与えた状態で常温(25℃)付近まで冷却する方法が好ましい。
上記方法によりパターンが形成されたレジスト膜を有する積層体をドライエッチングすることで、パターンを基板に良好に形成することが可能であり、ドライエッチングにより基板にパターンが形成されたパターン形成物を得ることができる。
本発明のドライエッチングレジスト材料からなるレジスト膜は、ドライエッチング耐性に優れるため、該エッチングの際にもパターン等が崩れることがなく、微細なエッチングパターンを供することができる。それにより、レジストに形成されたパターンを精度良く基板に転写できることから、得られるパターン形成物はパターン再現性に優れたパターン形成物を得ることができる。
これらのエッチングガスを用いてエッチングすることにより、基材上に所望のパターンを形成することができる。
上記方法によりパターンが形成されたレジスト膜を有する積層体をウエットエッチングすることによっても、パターンを基板に良好に形成することが可能であり、ウエットエッチングにより、基板にパターンが形成されたパターン形成物を得ることができる。
また、本発明のナノインプリント用硬化性樹脂組成物において、ビニル系重合体セグメント(a2)に酸価を導入し、複合樹脂(A)の全体の酸価を30〜400KOHmg/gの範囲となるように調整することによって、アルカリ洗浄を行うことができる。
アルカリ洗浄に用いるアルカリ洗浄液は、本発明の発明を損なわない範囲であれば、公知慣用のアルカリ洗浄液から、用途と基板の種類によって適時選択すればよい。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の水溶液が挙げられる。
攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルトリメトキシシラン(MTMS) 415部、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)756部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「PhoslexA−3」〔堺化学(株)製のiso−プロピルアシッドホスフェート〕 0.1部と脱イオン水 121部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。
得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%であるポリシロキサン(a1−1) 1000部を得た。
尚、「有効成分」とは、使用したシランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)を、加水分解縮合反応後の実収量(重量部)で除した値、即ち、〔シランモノマーのメトキシ基が全て加水分解縮合反応した場合の理論収量(重量部)/加水分解縮合反応後の実収量(重量部)〕の式により算出したものである。
合成例1と同様の反応容器に、MTMS 442部、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(APTS) 760部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、60℃まで昇温した。次いで、「PhoslexA−3」 0.1部と脱イオン水 129部からなる混合物を5分間で滴下した。滴下終了後、反応容器中を80℃まで昇温し、4時間攪拌することにより加水分解縮合反応を行い、反応生成物を得た。得られた反応生成物中に含まれるメタノールおよび水を、1〜30キロパスカル(kPa)の減圧下、40〜60℃の条件で除去することにより、数平均分子量が1000で、有効成分が75.0%であるポリシロキサン(a1−2) 1000部を得た。
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 15部、n−ブチルメタクリレート(BMA) 45部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA) 39部、アクリル酸(AA) 1.5部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 45部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「PhoslexA−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物であるビニル系重合体(a2−1)が得られた。
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 15部、n−ブチルメタクリレート(BMA) 45部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA) 39部、アクリル酸(AA) 1.5部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 45部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「PhoslexA−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物であるビニル系重合体(a2−2)が得られた。
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 15部、n−ブチルメタクリレート(BMA) 45部、2−エチルヘキシルメタクリレート(EHMA) 39部、アクリル酸(AA) 1.5部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 45部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「PhoslexA−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、MMA 15部、BMA 45部、EHMA 39部、AA 1.5部、MPTS 4.5部、HEMA 45部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「PhoslexA−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、MMA 15部、BMA 45部、EHMA 39部、AA 1.5部、MPTS 4.5部、HEMA 45部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「PhoslexA−3」 0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 17.6部、DMDMS 21.3部、酢酸n−ブチル 129.0部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、80℃まで昇温した。次いで、MMA 21部、BMA 63部、EHMA 54.6部、AA 2.1部、MPTS 6.3部、HEMA 63部、酢酸n−ブチル 21部、TBPEH 21部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「PhoslexA−3」 0.04部と脱イオン水 11.2部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するトリメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
前記合成例3得たビニル系重合体(a2−1)346部に、n−ブチルメタクリレートを148部添加、そして合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、不揮発分が72%であるポリシロキサンセグメント(a1−1)とビニル系重合体セグメント(a2−1)とを有する複合樹脂(A−5) 400部を得た。
(合成例10〔複合樹脂(A−6)の調製例〕)
前記合成例4で得たビニル系重合体(a2−2)307部に、合成例1で得られたポリシロキサン(a1−1) 162.5部を添加して、5分間攪拌したのち、脱イオン水 27.5部を加え、80℃で4時間攪拌を行い、前記反応生成物とポリシロキサンの加水分解縮合反応を行った。得られた反応生成物を、10〜300kPaの減圧下で、40〜60℃の条件で2時間蒸留することにより、生成したメタノール及び水を除去し、次いで、メチルエチルケトン(MEK) 150部、酢酸n−ブチル 27.3部を添加し、不揮発分が50.0%であるポリシロキサンセグメント(a1−1)とビニル系重合体セグメント(a2−2)とを有する複合樹脂(A−6) 600部を得た。
合成例1と同様の反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(PTMS) 20.1部、ジメチルジメトキシシラン(DMDMS) 24.4部、酢酸n−ブチル 106.4部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、メチルメタクリレート(MMA) 105.8部、n−ブチルアクリレート(BA) 19.7部、アクリル酸(AA) 19.3部、MPTS 4.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA) 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(TBPEH) 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
合成例1と同様の反応容器に、PTMS 20.1部、DMDMS 24.4部、酢酸n−ブチル 107.7部を仕込んで、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、95℃まで昇温した。次いで、MMA 66.4部、BA 1.2部、AA 77.1部、MPTS 4.5部、HEMA 0.8部、酢酸n−ブチル 15部、TBPEH 15部を含有する混合物を、同温度で、窒素ガスの通気下、攪拌しながら、前記反応容器中へ4時間で滴下した。さらに同温度で2時間撹拌したのち、前記反応容器中に、「Phoslex A−3」0.05部と脱イオン水 12.8部の混合物を、5分間をかけて滴下し、同温度で4時間攪拌することにより、PTMS、DMDMS、MPTSの加水分解縮合反応を進行させた。反応生成物を、1H−NMRで分析したところ、前記反応容器中のシランモノマーが有するメトキシシリル基のほぼ100%が加水分解していた。次いで、同温度にて10時間攪拌することにより、TBPEHの残存量が0.1%以下の反応生成物が得られた。尚、TBPEHの残存量は、ヨウ素滴定法により測定した。
合成例1で得られた複合樹脂(A−1) 40.0部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 7.0部、イルガキュア184[光重合開始剤 チバ・ジャパン株式会社製] 1.08部、チヌビン400[ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 チバ・ジャパン株式会社製] 0.67部、チヌビン123[ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS) チバ・ジャパン株式会社製] 0.34部を混合することによってナノインプリント用硬化性組成物(以下、組成物と称する)−1を得た。
第1表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法でナノインプリント用硬化性組成物として、(組成物−2)〜(組成物−5)を得た。
実施例1と同様にして、ラインアンドスペース状のパターンを有するレジスト膜(2)〜(5)を得た。
第2表に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で比較用ナノインプリント用硬化性組成物(比組成物−1)を得た。実施例1と同様にして、ラインアンドスペース状のパターンを有する比較レジスト膜(H1)を得た。
前記実施例1〜5及び比較例1で得た、レジスト膜(1)〜(5)、比較レジスト膜
(H1)の評価は次の通り行った。
得られたレジスト膜のパターンを、走査顕微鏡(日本電子(株)製:JSM−7500F)にて10万倍の倍率で観察し、以下のように評価した。
○:パターン上部に丸み等の欠けがなく、モールドに忠実な凹凸パターンが得られている。
△:パターン上部に若干の丸み等の欠けがあるが、モールドに忠実な凹凸パターンが得られている。
×:パターン上部に丸み等の欠けがあり、モールドに忠実な凹凸パターンが得られずカマボコ状のラインパターンになっている。
得られたレジスト膜に酸素プラズマで残膜を除去した後のパターンの形状保持性を、走査型顕微鏡(日本電子(株)製:JSM−7500F)にて10万倍の倍率で観察し以下のように評価した。
○:モールド幅200nmに対する残膜除去後のパターン幅の比が0.8以上
△:モールド幅200nmに対する残膜除去後のパターン幅の比が0.5以上0.8未満
×:モールド幅200nmに対する残膜除去後のパターン幅の比が0.5未満
(a1)はポリシロキサンセグメント(a1)の略である。
※1 硬化性樹脂組成物の全固形分量(添加剤も含む)に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率(%)である。
※2 複合樹脂(A)の全固形分量に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率である。
17−813:ユニディック17−813[ウレタンアクリレート DIC株式会社製]である。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレートである。
I−184:イルガキュア184[光重合開始剤 チバ・ジャパン株式会社製]である。
I−127:イルガキュア127[光重合開始剤 チバ・ジャパン株式会社製]である。
チヌビン479:[ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤 チバ・ジャパン株式会社製]である。
チヌビン123:[ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS) チバ・ジャパン株式会社製]である。
チヌビン152:[ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS) チバ・ジャパン株式会社製]である。
比較例1で得た比較レジスト膜(H1)は複合樹脂(A)を含まない例であるが、パターン形状保持性が劣っていた。
(ウエットエッチングレジスト膜の調製例)
合成例12で得られた複合樹脂(A−8) 40.0部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 14.7部、イルガキュア184(光重合開始剤 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製) 1.39部を混合することによってウエットエッチングレジスト膜用ナノインプリント硬化性組成物−6(組成物−6)を得た。
組成物−6を石英ガラス基材上にスピンコーターで塗布し、ホットプレート上で80℃、1分間加熱した後、フォトレジスト組成物側からピーク波長375nm±5のLED光源(株式会社イマック製)により、1000mJ/cm2の光量で光照射してレジスト膜を硬化させ、基材面上に0.5μmの均一な厚みのウエットエッチング用レジスト膜(6−1)を得た。
組成物−6を50mm×50mm×0.7mmの石英ガラス基材上にスピンコーターで塗布し、ホットプレート上で80℃、1分間加熱した後、表面に幅200nm、ピッチ200nm、高さ200nmのラインアンドスペース構造を有する石英ガラス製の平板状のモールドを押し付けて、ピーク波長375nm±5のLED光源(株式会社イマック製)により、この状態でマスターモールド側から1000mJ/cm2の光量で光照射して硬化させ、その後モールドと石英ガラス基材を剥離し、ラインアンドスペース状のパターンを有するウエットエッチング用レジスト膜(6−2)を得た。
第3表に示した配合に基づき、実施例6と同様の方法で、それぞれウエットエッチングレジスト膜用ナノインプリント硬化性組成物−7(組成物−7)、ウエットエッチングレジスト膜用ナノインプリント硬化性組成物−8(組成物−8)及び比較用ナノインプリント硬化性組成物−2(比組成物−2)を調製した。
実施例6と同様にして、ウエットエッチング用レジスト膜7−1、ウエットエッチング用レジスト膜7−2、ウエットエッチング用レジスト膜8−1、ウエットエッチング用レジスト膜8−2、及び比較用ウエットエッチング用レジスト膜H2−1、ウエットエッチング用レジスト膜H2−2を得た。
前記実施例6〜8及び比較例2で得られるウエットエッチング用レジスト膜の評価は次の通り行った。
<エッチング耐性>
ウエットエッチング用レジスト膜に対し、エッチャントとしてBHF(バッファードフッ酸)を使用し、ウェットエッチングをすることにより、基板である石英ガラス基材上に円柱状の凹凸構造を形成させ、微細構造が形成された石英ガラスであるパターン形成物を作成した。エッチング処理をしたレジスト膜に対し、目視外観により以下のように評価を行った。
ここでは、レジスト膜外観に曇りや剥がれ、クラック等の異常が無いものを◎、レジスト膜外観に微細なクラック等が見られるものの、パターン形成物には問題がないものを○、レジスト膜外観に剥がれやクラック等の異常があり、パターン形成物に対するパターン転写が正常に行えないものを×とした。
評価用ウエットエッチング用レジスト膜に対し、それぞれ5wt%の水酸化カリウム水溶液をシャワー圧0.2MPaで60秒噴霧し、レジスト膜の残存率が1重量%未満のものを◎とし、レジスト膜の残存率が1重量%〜3重量%のものを○、3重量%より多く残存しているものを×とした。
(a1)はポリシロキサンセグメント(a1)の略である。
※1 硬化性樹脂組成物の全固形分量(添加剤も含む)に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率(%)である。
※2 複合樹脂(A)の全固形分量に対するポリシロキサンセグメント(a1)の含有率である。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレートである。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
DN−902S:バーノック 902S[イソシアネート化合物 DIC株式会社製]である。
17−806:バーノック 17−806[ウレタンアクリレート DIC株式会社製]である。
I−184:イルガキュア184である。
Claims (11)
- 一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位と、シラノール基および/または加水分解性シリル基とを有するポリシロキサンセグメント(a1)と、ビニル系重合体セグメント(a2)とが、一般式(3)で表される結合により結合された複合樹脂(A)と、光重合開始剤を含有することを特徴とするナノインプリント用硬化性組成物。
(2)
(一般式(1)及び(2)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、−R4−CH=CH2、−R4−C(CH3)=CH2、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2からなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しR4は単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)、炭素原子数が1〜6のアルキル基、炭素原子数が3〜8のシクロアルキル基、アリール基、または炭素原子数が7〜12のアラルキル基を表し、R1、R2及びR3の少なくとも1つは前記重合性二重結合を有する基である)
(3)
(一般式(3)中、炭素原子は前記ビニル系重合体セグメント(a2)の一部分を構成し、酸素原子のみに結合したケイ素原子は、前記ポリシロキサンセグメント(a1)の一部分を構成するものとする) - 前記ポリシロキサンセグメント(a1)の含有率が、前記複合樹脂(A)に対して10〜90重量%である請求項1に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
- 前記ポリシロキサンセグメント(a1)中の重合性二重結合の含有率が、3〜20重量%である請求項1又は2に記載のナノインプリント用硬化性組成物。
- 前記重合性二重結合を有する基が、−R4−O−CO−C(CH3)=CH2、及び−R4−O−CO−CH=CH2らなる群から選ばれる1つの重合性二重結合を有する基(但しR4は単結合又は炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す)である請求項1〜3のいずれかに記載のナノインプリント用硬化性組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のナノインプリント用硬化性組成物を硬化して得られる、ナノインプリント成形体。
- 請求項5のナノインプリント成形体が、基板に積層されていることを特徴とする、ナノインプリント積層物。
- レジスト膜である、請求項5に記載のナノインプリント成形体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のナノインプリント用硬化性組成物を基材に塗布して膜を形成する工程と、凹凸構造を有するマスターモールドを押し付けて、この状態でナノインプリント用硬化性組成物に活性エネルギー線硬化させる工程と、その後モールドを剥離する工程とを有することを特徴とするパターン形成方法。
- 請求項6に記載の積層体に積層されたナノインプリント成形体をレジスト膜とし、該レジスト膜に形成されたパターンをマスクとして、基板をドライエッチングすることにより基板にパターンを形成することを特徴とする、パターン形成方法。
- 請求項6に記載の積層体に積層されたナノインプリント成形体をレジスト膜とし、該レジスト膜に形成されたパターンをマスクとして、基板をウエットエッチングすることにより基板にパターンを形成することを特徴とする、パターン形成方法。
- 請求項9又は10に記載のパターン形成方法により基板にパターンが形成されたことを特徴とする、パターン形成物。
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