JP2016085407A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】取込口と出口とを有するダクトと、定着装置の駆動中に発生する超微粒子を含む空気を前記取込口から取り込み、当該空気を前記取込口から前記出口へ通過させて機外へ排気する排気ファンと、ダクト内の流路方向における異なる位置に配置され、何れか1つのみが超微粒子を捕集可能な状態と全てのフィルターが超微粒子を捕集不可能な状態とに切り替え可能な複数のフィルターと、自装置が、イニシャルバースト期間にあるか否かを推定し(S604,S608)、イニシャルバースト期間にない場合には、ダクト内の複数のフィルターの内、何れか1つのみを、前記捕集可能な状態に切り替え(S609)、イニシャルバースト期間にある場合には、前記ダクト内の複数のフィルターを全て、前記捕集可能な状態に切り替える(S605)切替部とを備える画像形成装置。
【選択図】図6
Description
このUFPの排出を防止するための技術として、例えば、特許文献1には、主電源の投入直後のように、定着部材が低温状態にある時に定着装置の駆動が開始されてUFPの発生量が急激に増加した場合に、画像形成装置内に充満したUFPが、適正な排気経路からではなく、装置の隙間などから意図せずに機外に漏れ出さないように、定着装置の排気ファンを通常時より高速に駆動させて発生したUFPを確実にダクト内に取り込んだ後、フィルターに導いてUFPを捕集させる技術が開示されている。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、排気ファンを高速に駆動した場合にも、高い捕集効率でUFPを捕集することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
自装置が、前記超微粒子の発生量が急激に増加するイニシャルバーストの期間にあるか否かを推定する推定手段と、
自装置がイニシャルバースト期間にない場合には、前記ダクト内の複数のフィルターの内、何れか1つのみを、前記捕集可能な状態に切り替え、
自装置がイニシャルバースト期間にある場合には、前記ダクト内の複数のフィルターを全て、前記捕集可能な状態に切り替える切替手段と、
を備える。
又、前記画像形成装置は、前記定着部材の温度を監視する温度監視手段を備え、前記推定手段は、監視温度が上昇し、前記超微粒子の発生量が急上昇し始める温度に相当する閾値温度に達してから所定時間以内である場合に、自装置がイニシャルバースト期間にあると推定し、それ以外の場合にはイニシャルバースト期間にないと推定することとすることができる。
又、前記複数のフィルターの内、第1フィルターは、前記流路方向の最下流の位置に配置され、イニシャルバースト期間にある場合に、前記空気が最後に通過するフィルターであり、前記切替手段は、イニシャルバースト期間にない場合に、前記第1フィルターを前記捕集可能な状態に切り換えることとすることができる。
又、前記複数のフィルターは、JIS9908形式1での捕集効率が70%以上90%以下のフィルターであることとすることができる。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例にして説明する。
[1]プリンターの構成
先ず、本実施の形態に係るプリンター1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るプリンター1の構成を示す図である。同図に示すように、このプリンター1は、電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部10、給紙部30、定着装置40、制御部50を備えている。
作像部10Yは、感光体ドラム11と、その周囲に配設された帯電器12、露光部13、現像器14、感光体ドラム11を清掃するためのクリーナー15などを有しており、感光体ドラム11上にY色のトナー像を作像する。帯電器12は、矢印Aで示す方向に回転する感光体ドラム11の周面を帯電させる。
現像器14は、感光体ドラム11に対向するように配置され、感光体ドラム11に帯電トナーを搬送する。中間転写ベルト21は、無端状のベルトであり、駆動ローラー24と従動ローラー25に張架されて矢印B方向に周回駆動される。各感光体ドラム上に形成された静電潜像は、作像部10Y、10M、10C、10Kの各現像器により現像されて各感光体ドラム上に対応する色のトナー像(未定着画像)が形成される。
定着装置40は、定着ローラー41(ここでは、例えば、加熱方式がハロゲンヒーターによる加熱方式の定着ローラーを用いることとする。)と定着ローラー41を押圧する加圧ローラー42から構成され、トナー像が二次転写された記録シートを加熱及び加圧してトナー像を記録シートに熱定着する。加圧ローラー42が、図示しない加圧ローラー駆動モーターにより回転駆動されることにより、定着ローラー41が従動回転する。
同図において、曲線401は、UFP発生量の時間変化を示し、曲線402は、定着ローラー41の表面温度の時間変化を示し、温度Tsは、後述するイニシャルバースト発生開始温度を示す。
図5は、制御部50の構成と、制御部50による制御対象となる構成要素との関係を示す。制御部50は、CPU501、通信インターフェース(I/F)部502、ROM(Read Only Memory)503、RAM(Random Access Memory)504、画像データ記憶部505などを備える。
画像データ記憶部505は、通信I/F部502を介して入力された、印刷用の画像データを記憶している。CPU501は、ROM503に格納されている各種プログラムを実行することにより、画像プロセス部10、給紙部30、定着装置40、操作パネル8、温度センサー71、フィルター回動部80、排気ファン90等を制御する。又、CPU501は、後述するUFP捕集フィルター切替制御処理を実行する。
フィルター回動部80は、駆動モーター、ギア等から構成され、制御部50の制御により、駆動モーターの回転量、回転方向を制御して、フィルター81を回動させて、フィルター81の姿勢を、縦姿勢又は横姿勢に切り替える。
ダクト60内を通過する雰囲気気体の圧力損失は、1つのフィルターを通過する場合(フィルター81の姿勢が横姿勢の場合)よりも、2つのフィルターを通過する場合(フィルター81の姿勢が縦姿勢の場合)の方が大きくなるので、両者の場合において、排気ファン90に供給する電力を一定のまま雰囲気気体を排気させた場合には、後者の場合の方がダクト60の出口60Cの風量(m3/分)が小さくなる。この風量(m3/分)の低下を防ぐため、排気ファン90の回転速度は、前者の場合よりも後者の場合の方が速くなるように制御される。ここでは、両者の場合において、ダクト60の出口の風量(m3/分)が同じになるように当該回転速度が制御されるものとする。
以下、後者の2つのフィルター(フィルター81、82)を通過する場合において、制御部50によって制御される排気ファンの回転速度を「高速回転速度(H)」と呼び、前者の1つのフィルター(フィルター82)を通過する場合において、制御部50によって制御される排気ファンの回転速度を「デフォルト回転速度(D)」と呼ぶこととする(H>D)。
[2]UFP捕集フィルター切替制御処理
図6は、制御部50が行うUFP捕集フィルター切替制御処理の動作を示すフローチャートである。プリンター1の電源がオンされると(ステップS601)、制御部50は、フィルター回動部80を制御して、フィルター81の姿勢を横姿勢にしてフィルター82にのみ、ダクト60内の雰囲気気体を通過させる通過状態(以下、「第1通過状態」という。)、すなわち、1つのフィルター(フィルター82)のみがUFPを捕集可能な状態に制御し、排気ファン90をデフォルト回転速度で駆動させ、定着装置40の定着ローラー41のハロゲンヒーターの加熱を開始させて定着ローラー41のウォームアップを開始させる(ステップS602)とともに、ウォームアップ開始時からの経過時間(t1)の計測を開始する(ステップS603)。
ここで、「イニシャルバースト発生開始時間」とは、ウォームアップ開始時からイニシャルバースト期間に突入するまでに要する最短時間のことをいう。イニシャルバースト期間に突入するまでに要する時間(以下、「突入時間」という。)は、ウォームアップ開始時の定着ローラー41の温度によって変動し得るので、突入時間の最短時間は、予めプリンター1の製造者側によって、ウォームアップ時の定着ローラー41の温度がイニシャルバースト発生開始温度より低い所定の温度範囲(例えば、0℃〜140℃の範囲)の各異なる温度で、突入時間が予め出荷時等に計測されており、計測された突入時間の内の最短時間が、「イニシャルバースト発生開始時間」として決定される。
ここで、「イニシャルバースト発生終了時間」とは、ウォームアップ開始時からイニシャルバースト期間の終了時までに要する最長時間のことをいう。ウォームアップ開始時からイニシャルバースト期間の終了時までに要する時間(以下、「終了時間」という。)は、ウォームアップ開始時の定着ローラー41の温度によって変動し得るので、終了時間の最長時間は、予めプリンター1の製造者側によって、出荷時等にウォームアップ開始時の定着ローラー41の温度がイニシャルバースト発生開始温度より低い所定の温度範囲(例えば、0℃〜140℃の範囲)の各異なる温度で、終了時間が予め出荷時等に計測されており、計測された終了時間の内の最長時間が、「イニシャルバースト発生終了時間」として決定される。
その後、印刷指示を受け付けると(ステップS612:YES)、制御部50は、ステップS602の処理に移行し、ステップS603〜ステップS611の処理を繰り返し、ステップS613で電源オフ指示を受け付けると(ステップS613:YES)、UFP捕集フィルター切替制御処理を終了する。
これに対し、本実施の形態では、上記のように高いコストの高捕集効率のフィルターを使用しなくても、イニシャルバースト期間において発生するUFPを高い捕集効率で捕集することができ、コストに見合うフィルターのパーフォーマンスを得ることができる。
(変形例)
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上記実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
図7は、本変形例のUFP捕集フィルター切替制御処理の動作を示すフローチャートである。同図において、図6に示す上記実施の形態のUFP捕集フィルター切替制御処理と同一の処理内容については、同一のステップ番号を付与して説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
ここで、「イニシャルバースト開始閾値温度」とは、ウォームアップ開始時からイニシャルバースト期間に突入し、UFP発生量が急上昇し始めるイニシャルバースト発生開始温度の内、最低温度に相当する温度のことをいう。イニシャルバースト発生開始温度は、ウォームアップ開始時の定着ローラー41の温度によって変動し得るので、上記の最低温度は、予めプリンター1の製造者側によって、ウォームアップ開始時の定着ローラー41の温度がイニシャルバースト発生開始温度より低い所定の温度範囲(例えば、0℃〜140℃の範囲)の各異なる温度で、イニシャルバースト発生開始温度が予め出荷時等に測定されており、測定されたイニシャルバースト発生開始温度の内の最低温度が、イニシャルバースト開始閾値温度として決定される。
ステップS702の判定結果が否定的である場合には(ステップS702:NO)、制御部50は、ステップS613の処理に移行する。そして、制御部50は、ステップS613の判定結果が否定的である場合には(ステップS613:NO)、
ステップS702の処理に移行する。
例えば、図9(a)、(b)に示すように、フィルター81A、82Aの断面積を、フィルター60の下流部60Bの内部断面積よりも小さくして、紙面垂直方向は、フィルターとダクト60の内壁との間の隙間が塞がれた状態で、かつ、紙面上下方向は、フィルターとダクト60の内壁との間に隙間が形成された状態で、当該隙間をシャッターで塞いだり、開放したりすることができるように構成することとしてもよい。
又、上記の切替機構以外にも、例えば、ダクト60の下流部60Bにおけるフィルター81より下流側で、フィルター82よりも上流側にダクト60の開口部を形成し、当該開口部をシャッターで開閉することにより、上記のダクト60内の雰囲気気体のフィルターへの通過状態の切替制御を行うこととしてもよい。
フィルターの数が3以上の場合には、複数のフィルターの内の何れか1つのフィルター(例えば、ダクト60内の流路方向の最下流側に配置されるフィルター)以外のフィルターに上記実施の形態のフィルター81に設けたフィルターを回動する機構と同様の回動機構を設けることにより、フィルターの横姿勢と縦姿勢を切り替えて、横姿勢時には、回動機構を有しないフィルターにのみ、雰囲気気体を通過させ、縦姿勢時には、各フィルターに雰囲気気体を順次通過させることができる。(2)の変形例の場合についても同様に適用することができる。
上記の高捕集効率のフィルターとしては、例えば、HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)、すなわち、JIS Z8122 4114によって、定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ、初期圧力損失が245Pa[25mmH2O]以下の性能をもつエアフィルターやULPAフィルター(Ultra Low Penetration Air Filter)、すなわち、JIS Z8122 4115によって、定格流量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、かつ、初期圧力損失が245Pa以下の性能をもつエアフィルターや粒子捕集効率が99.9999%以上の超ULPAフィルターを用いることができる。
フィルターのUFPの捕集性能及びフィルターコストのバランスを考慮すると、本実施の形態及び(1)〜(3)の変形例において、用いるフィルターの捕集効率としては、JIS9908形式1での捕集効率が70%以上90%以下であることが望ましい。
又、定着装置の加熱方式もハロゲンヒーターによる加熱方式の定着装置に限定されず、他の加熱方式であってもよい。例えば、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよいし、抵抗発熱体による加熱方式の定着装置であってもよい。
又、ダクト60内において、排気ファン90をフィルター81及び82の配置の上流側に配設してもかまわない。
10 画像プロセス部
30 給紙部
40 定着装置
41 定着ローラー
42 加圧ローラー
43 フレーム
50 制御部
60 ダクト
71 温度センサー
80 フィルター回動部
81、82 フィルター
90 排気ファン
Claims (7)
- 定着部材を目標温度まで加熱した後、トナー像を形成した記録シートを前記定着部材に圧接させてトナー像を熱定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、
取込口と出口とを有するダクトと、
前記定着装置の駆動中に発生する超微粒子を含む空気を前記取込口から取り込み、当該空気を前記取込口から前記出口へ通過させて機外へ排気する排気手段と、
前記ダクト内の流路方向における異なる位置に配置され、何れか1つのみが前記超微粒子を捕集可能な状態と、全てのフィルターが前記超微粒子を捕集可能な状態とに切り替え可能な複数のフィルターと、
自装置が、前記超微粒子の発生量が急激に増加するイニシャルバーストの期間にあるか否かを推定する推定手段と、
自装置がイニシャルバースト期間にない場合には、前記ダクト内の複数のフィルターの内、何れか1つのみを、前記捕集可能な状態に切り替え、
自装置がイニシャルバースト期間にある場合には、前記ダクト内の複数のフィルターを全て、前記捕集可能な状態に切り替える切替手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記推定手段は、電源オン時又は前記定着部材の温度が前記目標温度よりも低い待機状態からの復帰時からの経過時間が、所定範囲の時間内である場合に、イニシャルバースト期間にあると推定し、前記経過時間が、前記所定範囲の時間外である場合に、イニシャルバースト期間にないと推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記定着部材の温度を監視する温度監視手段を備え、
前記推定手段は、監視温度が上昇し、前記超微粒子の発生量が急上昇し始める温度に相当する閾値温度に達してから所定時間以内である場合に、自装置がイニシャルバースト期間にあると推定し、それ以外の場合にはイニシャルバースト期間にないと推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記排気手段は、イニシャルバースト期間にある場合に通過させる前記空気の風量が、イニシャルバースト期間にない場合の当該風量よりも大きくなるようにする
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。 - 前記複数のフィルターの内、第1フィルターは、前記流路方向の最下流の位置に配置され、イニシャルバースト期間にある場合に、前記空気が最後に通過するフィルターであり、
前記切替手段は、イニシャルバースト期間にない場合に、前記第1フィルターを前記捕集可能な状態に切り換える
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。 - 前記複数のフィルターは、捕集性能が同一のフィルターである
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。 - 前記複数のフィルターは、JIS9908形式1での捕集効率が70%以上90%以下のフィルターである
ことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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