JP2004240270A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】主たる目的は、極めて簡単な構成を有し、効率よくVOCガスを除去することができる構成の画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】装置内で発生する揮発性有機化合物を含む空気を、ガス除去手段を介して装置外部に排出する構成の画像形成装置において、前記ガス除去手段は、排気ファンと、当該排気ファンの下流位置に近接して設けた、粉末活性炭入り、かつ、複数の管状排風路を有する構造のフィルタとを含むことを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図2
【解決手段】装置内で発生する揮発性有機化合物を含む空気を、ガス除去手段を介して装置外部に排出する構成の画像形成装置において、前記ガス除去手段は、排気ファンと、当該排気ファンの下流位置に近接して設けた、粉末活性炭入り、かつ、複数の管状排風路を有する構造のフィルタとを含むことを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真方式からなる複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいは、インクジェットプリンタや銀塩フィルム等を扱う自動現像装置等の画像形成装置に関し、特に、熱あるいは常温で気化しやすい揮発性有機化合物(VOCガスの原因物質)を含む空気(以下、VOCガスという)に対する処理機能を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
帯電手段を用いて感光体の表面を一様に帯電し、露光手段を用いて原稿または画像データに従った露光を前記感光体表面に付与することにより、原稿または画像データに対応した静電荷潜像を形成し、次いで、現像手段を用いて前記静電荷潜像を現像してトナー像(可視像)となした後、転写手段を用いて前記トナー像を転写材上に転写せしめ、加熱手段を用いて前記トナー像を前記転写材上に定着してから、前記転写材を機外に設けたトレイに排出する構成の画像形成装置は広く知られている。
【0003】
また、前記加熱手段は、一般的に、可回転の加熱ローラと、当該加熱ローラと圧着しながら回転する圧着ローラとを備えた基本的構成を有する。
【0004】
しかしながら、このような加熱手段によりトナー像を加熱定着すると、トナー中に含まれる低分子量の微量成分が大気中に放出され、異臭が撒き散らされる不具合が生ずることがある。
【0005】
換言すれば、トナー用樹脂は、例えば、加熱ローラ等に対する高温オフセット防止のために高分子量成分を必要とし、また、転写材に対する接着性を向上するために低分子量成分を必要とし、斯様に相反する機能を樹脂で満足するために分子量分布を拡大することが必要となる。
【0006】
そして、分子量分布の制御のために連鎖移動剤を使用して低分子量化を図ることも必要となり、そのために、例えば、メルカプタン系、特に、ドデシルメルカプタン系の有機化合物が使用される。
【0007】
前記有機化合物は特有の臭気を有し、加熱定着時においてトナー用樹脂中に残存している連鎖移動剤が揮発する結果、上述の如くの不具合を発生させる。
【0008】
この臭気の問題は、樹脂と着色剤とを溶融混練、粉砕して作る粉砕法トナーでは問題視されなかったものの、重合法トナーでは大きな問題となっている。
【0009】
前記揮発性有機化合物が気化したVOCガスは環境保護の観点から望ましいものではなく、人体にとっても有害であり、画像形成装置外に出ないようにすることが好ましいことは言うまでもない。
【0010】
このような問題の対策として、バインダ樹脂中の不純物を軽減させることによりVOCガスの発生を抑制する方法と、放出されたVOCガスを除去した後に、画像形成装置外に排気する方法
(構成)とが考えられる。
【0011】
本発明は後者に属する。ところで、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置において、環境並びに人体に悪影響を及ぼす悪臭原因の1つとして、コロナ放電によるオゾン発生があるが、オゾンあるいはオゾン臭は活性炭混入のフィルタにより効率よく吸着除去することが知られている。
【0012】
このオゾンフィルタは上述したVOCガス除去手段として有効に利用することができるので、VOCガスの除去を対象とするものではないが、以下に、オゾンフィルタおよびオゾンフィルタを搭載した画像形成装置について簡単に公知技術を考察する。
【0013】
簡易な構造のオゾンフィルタとして、粉末活性炭を添加したフィルタ部材を波状断面あるいはハニカム状断面をなすように積層させてブロック体とし、当該ブロック体の内部に形成された多数の通気孔の少なくとも一部に対して、異なる方向からの切り込みによる空間部を形成し、一連の各通気孔を不連続状に複数分割した構成のフィルタや、前記空間部に同一メッシュの通気孔を有するブロック体を位相をずらせて埋設した構成のフィルタ等が提案され、また、組み立て体として、フィルタ部材を通気管内の一方に装着させ、他方にファンを配置させて構成したフィルタ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0014】
また、オゾン分解フィルタに対してトナー捕集フィルタを上流に設けるとともに両フィルタをフィルタ装置に対して着脱自在とし、かつ、その下流側に排気ファンを設けるた構成の画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0015】
【特許文献1】
実開平5−56224号公報(段落番号0019、0022、0027 図1、図2)
【0016】
【特許文献2】
特開平11−161121号公報(段落番号0035、0036、図1)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されたフィルタは、その内部において対象気体の流れに乱流、乃至渦流を生じさせ、もって、気体の滞留時間を長くして除去効率を高める効果を奏することができる有用なものである。
【0018】
しかしながら、ブロック体に切り込みを入れて空間部を作製したり、あるいは、その空間部に位相をずらせた状態でブロック体を埋設したりしなければならないので効率的な生産は困難である。
【0019】
また、組み立て体として、フィルタ部材を通気管内の一方に装着させ、他方にファンを配置させて構成したフィルタ装置は、上記の如く有用ではあるものの、フィルタを通過する気体の速度を遅くすることを前提としており、従って、大量にVOCガスが発生するような装置におけるフィルタ装置としては処理速度が追いつかず、使用される装置内から臭気が漏れてしまう結果を招きかねない。
【0020】
このことは、特許文献2に開示された画像形成装置におけるオゾンフィルタが特許文献1開示されたフィルタと同じとした場合にもいえることである。
【0021】
本発明は上述のような問題点に鑑みてなされたもので、主たる目的は、極めて簡単な構成を有し、効率よくVOCガスを除去することができる構成の画像形成装置を提供することにある。
【0022】
他の目的は、多種発生するVOCガスを冷却パネルとフィルタとを通してVOCガス全体の濃度を低減させる構成の画像形成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかわる目的は下記の構成によって達成することができる。
【0024】
(1)装置内で発生する揮発性有機化合物を含む空気を、ガス除去手段を介して装置外部に排出する構成の画像形成装置において、
前記ガス除去手段は、排気ファンと、当該排気ファンの下流位置に近接して設けた、粉末活性炭入り、かつ、複数の管状排風路を有する構造のフィルタとを含む、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0025】
(2)前記管状排風路の一部は、排出される空気流が当接する斜面を有することを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
【0026】
(3)前記フィルタは複数個のフィルタを直列に連設したことからなり、かつ、少なくとも1つのフィルタの管状排風路は、隣接するフィルタの管状排風路と位相がずれた関係に位置づけてあることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
【0027】
(4)管状排風路は、前記排気ファンの側から遠ざかるに従って小径に構成してあることを特徴とする前記(1)乃至前記(3)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0028】
(5)前記フィルタとフィルタとの間にじゃま板を有することを特徴とする前記(3)に記載の画像形成装置。
【0029】
(6)装置内で発生する揮発性有機化合物を含む空気を、ガス除去手段を介して装置外部に排出する構成の画像形成装置において、
前記ガス除去手段は、
排気ファンと、
当該排気ファンの下流位置に近接して設けた冷却パネルと、
前記冷却パネルの下流位置に近接して設けた、粉末活性炭入り、かつ、複数の管状排風路を有する構造のフィルタとを有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0030】
(7)前記冷却パネル内の冷媒温度は、発生比率の最も高い揮発性有機化合物の沸点に対して80℃以上低いことを特徴とする前記(6)に記載の画像形成装置。
【0031】
(8)帯電後の感光体上に原稿または画像データに従った露光を行って静電荷潜像を形成し、現像手段によりトナー像となした後、当該トナー像を転写材上に転写し、しかる後、加熱手段により前記トナー像を定着する構成の画像形成装置において、
冷却パネルを含むガス除去手段を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0032】
なお、冷却装置の効果は、冷却パネルを用いてVOCガスを液化するとともに、液化できなかったVOCガスのフィルタによる除去を容易にする。
【0033】
即ち、排風の温度を下げることにより空気中のガス濃度低減と高沸点VOCガスの除去を可能とし、それが、結果として、フィルタの活性炭の高寿命化、高捕集性を達成することができる。
【0034】
また、フィルタよりも上流側(空気の流れ方向において)に排気ファンを設置したのは、フィルタに設けた活性炭あるいは触媒に空気が浸透しやすいようにするためであり、VOCガスを吸着、分解するために、上述のようにフィルタに対してやや圧力付加構成とすることが重要であることが確認されたからである。
【0035】
効果的にVOCガスを吸着、分解させる方法としては、フィルタに対する通過時間を多くとること、および、吸着効率を向上させるためにフィルタ層内部までガスが浸透する構成とし、フィルタ壁にガスを接触させることによって達成できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる実施の形態の一例を、以下、図面に基づいて説明する。
【0037】
図1はデジタル式複写機からなる画像形成装置の構成を示す模式図である。
本実施の形態の画像形成装置は、電子写真方式を利用して像担持体上に形成したトナー画像を普通紙等の転写材上に形成するもので、自動原稿送り装置1、画像読取装置2、画像形成部3、転写材収納部4、給紙部5、反転排紙・再給紙部6、および反転搬送部8を備えている。
【0038】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を載置する原稿載置台11、原稿載置台11上に載置された原稿を分離する原稿分離手段12、原稿分離手段12で分離された原稿を搬送する複数のローラを含む原稿搬送手段13、原稿搬送手段13で搬送された原稿を排紙する原稿排紙手段14、原稿排紙手段14によって排紙された原稿を載置する原稿排紙台15、および、両面複写モードにおいて原稿の表裏を反転させるためのローラ対からなる原稿反転手段16を有している。
【0039】
装置本体上部の100は操作部で、110は画像形成を開始させるスタートボタン、120は電源スイッチを示す。
【0040】
前記原稿載置台11上に載置された複数枚の原稿(不図示)は、原稿分離手段12によって1枚づつ分離され、前記原稿搬送手段13によって画像読取位置に向けて搬送される。
【0041】
原稿読取位置は前記原稿搬送手段13の下方部に設けられており、画像読み取り装置2のスリット21を通して原稿の画像が読み取られるようになっている。
【0042】
一方、原稿の両面の画像を読み取る際には、一度片面の画像が読み取られた原稿を原稿反転手段16に導き、原稿の後端が前記原稿反転手段16を構成する反転ローラ対に挟持された状態において当該反転ローラ対を停止させ、逆回転させて原稿の表裏を反転し、再度、前記原稿搬送手段13で搬送することにより、前記原稿読取位置において他の面(第2面)の画像を読み取ることができる。
【0043】
また、前記自動原稿送り装置1は可倒式に構成されており、この自動原稿送り装置1を起こしてプラテンガラス22上を開放し、当該プラテンガラス22上に原稿を直接載置して複写を行うこともできるように構成してある。
【0044】
画像読取装置2は、原稿の画像を読み取って画像データを得るための装置であり、前記スリット21を介して原稿を照射するランプ231と原稿からの反射光を反射させる第1ミラー232とを一体化してなる第1ミラーユニット23と、前記第1ミラー232からの光を反射させる第2ミラー241と第3ミラー242とを一体化してなる第2ミラーユニット24と、当該第2ミラーユニット24からの反射光を、撮像素子であるCCDに結像させる結像レンズ25、および、当該結像レンズ25によって結像された光像を光電変換するライン状のCCD26を有する。
【0045】
光電変換されたアナログ信号は、アナログ処理後にA/D変換され、適宜の画像処理を施された後、画像データとして制御手段C内のメモリに蓄積される。
【0046】
前記制御手段CはCPUからなり、装置全体をマルチタスクで制御する。
換言すれば、装置本体に設けた電源スイッチ120のONの信号入力により、定着装置の加熱源の通電制御を行わせたり、装置のイニシャライズのために、プログラムフローに従って関係する各手段を駆動制御する。
【0047】
また、装置のイニシャライズが終了した後、アイドリング状態を維持し、画像形成のためのスタートボタン110の押下に従って、選択指示された画像形成モードに応じた動作を各駆動手段の駆動制御を介して実行させる。
【0048】
なお、前記自動原稿送り装置1によって送られる原稿を前記画像読取装置2で読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23、および、前記第2ミラーユニット24は、図示位置に固定される。
【0049】
また、前記プラテンガラス22上に載置された原稿の画像の読み取りは、前記第1ミラーユニット23と前記第2ミラーユニット24とを、光路長を保ちながら、プラテンガラス22に沿って移動させることにより行う。
【0050】
画像形成部3は、像担持体としての光導電性感光層を表面に有する感光体ドラム31、当該感光体ドラム31の表面を一様帯電させる帯電電極を含む帯電手段(以下、帯電器という)32、画像処理後の画像データに基いて作動され、前記感光体ドラム31上を露光して静電荷潜像を形成するための露光手段であるレーザ書込手段33、前記感光体ドラム31上に形成される静電荷潜像を反転現像してトナー像となすローラ状の現像剤担持体(以下、現像スリーブという)300を有する現像ユニット(以下、現像器という)34、前記トナー像を普通紙等からなる転写材(以下、用紙という)上に転写せしめる転写電極を含む転写手段(以下、転写器という)35、トナー像が転写された用紙の裏面から、例えば、ACまたはACとDCを重畳させた電圧によるコロナ放電を行い、前記感光体ドラム31上からの用紙の分離を促進する分離手段36、および、転写工程終了後の前記感光体ドラム31を清掃するためのブレードを含むクリーニングユニット37等を有する。
【0051】
本実施の形態においては、前記感光体ドラム31、現像器34、および、クリーニングユニット37はプロセスカートリッジ3Aとして構成してある。
【0052】
本実施の形態における前記帯電電極、転写電極および分離手段の分離電極は、酸化被膜したタングステンワイヤからなり、また、前記現像器34に収納されている現像剤は、粒子状のフェライトにスチレンアクリル樹脂やシリコン樹脂をコーティングしたことからなる、所謂、コーティングキャリアと、重合法により製造した重合トナーとを主要成分とする二成分現像剤からなる。
【0053】
38は分離後の用紙を、定着装置、例えば、加熱ローラ型の定着装置9に向けて搬送する搬送ベルト、63は排紙ローラである。
【0054】
前記定着装置9は、加熱源Hを内蔵し、その周囲を独立回転する定着上ローラ900と、前記定着上ローラ900と圧接しながら回転する定着下ローラ903からなる定着処理手段を主要素とし、定着排出ローラ61、用紙の搬送路を選択的に切り替える切替手段62等を一体的に有している。
【0055】
参照符号Wはクリーニングウェブで、その一部が前記定着上ローラ900の表面に接触して設けられ、例えば、装置作動中における適宜の時間間隔で図の左側に示す巻き取り芯上に少しづつ巻き取られるようになっている。
【0056】
なお、前記定着装置9の下流側であって、用紙の搬送路上に近接して設けてあるのは、粉末活性炭を添加して基材としたシートで形成したフィルタと、排気ファンとを主要素とするガス除去手段7であるが、詳細な構成は後述する。
【0057】
上記構成による画像形成は、適宜の駆動手段によって矢示の方向に回転する感光体ドラム31を帯電器32により順次帯電した後、レーザ書込手段33によるドット露光で原稿画像に対応した静電荷潜像を形成し、現像器34を用いて接触現像もしくは非接触現像により前記静電荷潜像をトナー像となし、その後、第2給紙手段としてのレジストローラ56の回転開始により給送される用紙上に、前記転写器35の作用を介して転写させることで達成される。
【0058】
実際には、前記レジストローラ56に用紙が到達している状態で、当該レジストローラ56の回転開始に伴う給紙にタイミングを合わせて、前記感光体ドラム31上にトナー像を形成するためのプロセスを開始するようになっている。
【0059】
転写後の用紙は分離手段36の作用により前記感光体ドラム31上から分離され、前記定着装置9の加熱・加圧作用を受けた後、機外に排出される。
【0060】
この際、トナー中に残留している微量の有機化合物が揮発することにより発生したVOCガスは前記ガス除去手段7により除去される。
【0061】
一方、転写領域を通過した感光体ドラム31は更に回転を続け、クリーニングユニット37を構成するブレードによって残留トナーを除去され、次の画像形成への準備がなされる。
【0062】
構成の説明に戻って、用紙収納部4には、用紙Pを積層状態で収納する給紙トレイ400、410、420が上下方向に配列してあり(用紙Pは給紙トレイ400においてのみ図示)、また、それぞれの給紙トレイは、給紙ローラ401、411、421と一対の分離ローラ403、413、423とを有する。
【0063】
給紙部5には、前記給紙トレイ400、410、420のそれぞれから前記画像形成部3へと用紙Pを搬送するための搬送手段として、搬送ローラ対(以下、搬送ローラともいう)R1、R2、R3、R4、R5、R6を設けてある。
【0064】
55は前記用紙Pの搬送方向にみて前記搬送ローラR6の下流に設けた搬送ローラで、反転搬送部8を介して送り出される用紙の搬送路と、例えば、給紙トレイ400から給紙される用紙の搬送路との合流部に設けてある。
【0065】
反転排紙・再給紙部6は、転写・定着後の用紙Pを反転排紙したり、両面画像形成モードに従って用紙Pを再給紙するための領域であり、前記定着排出ローラ61により排出された用紙Pをそのまま機外へ排出する場合と、表裏反転させた後に排出する場合、および、用紙Pの裏面(第2面)に画像形成するために当該用紙Pを前記レジストローラ56に向けて再給紙する場合とにおいて搬送路を切り替える切替手段(既述)62を有している。
【0066】
画像形成された用紙Pをそのまま、即ち、今、転写した画像面を上側にしたまま排出する場合は、前記切替手段62を図において一点鎖線で示す位置に保持させ、また、画像形成された用紙Pの表裏を反転させて排出する場合は、前記切替手段62を図において実線で示す位置に保持させて、前記定着排出ローラ61により搬送される用紙Pを搬送ローラ600、610が付設されている搬送路中に送り込み、後端が前記搬送ローラ600の手前位置に到達するタイミングで前記ローラ群の作動を停止させ、しかる後、前記搬送ローラ600の回転方向を前記と逆方向に回転せしめることにより、前記切替手段62の左側を通過せしめ、排紙ローラ63を介して、機外の排紙トレイ64へと排出する。
【0067】
更に、第1面に引き続き用紙Pの第2面に画像を形成する両面画像形成モードの場合は、前記切替手段62を図において実線で示す位置に保持させ、定着排出ローラ61により搬送される用紙を、排紙モータで駆動される反転排紙・再給紙部6の各搬送ローラ600、610を介して反転搬送部8に送り込み、当該反転搬送部8において用紙Pの表裏を反転させた後、前記レジストローラ56に向けて送り出すことになる。
【0068】
前記用紙Pの第2面に転写画像を得るまでのプロセスは前述と同じであり、また、定着処理後の用紙Pの排紙については、前記したいずれかの形態による。
【0069】
搬送ローラ対800を含む803、805、807、809、811は、前記反転搬送部8の搬送路上に設けた複数の搬送ローラ対(以下、単に、搬送ローラという)である。
【0070】
次に、本発明に係わるガス除去手段と、その近傍を模式的に示した図2を用いて、ガス除去手段の構成を説明する。
【0071】
なお、図2以降の図において既出の部材(手段)と同じ部材(手段)については同一の参照符号を付してある。
【0072】
本実施の形態におけるガス除去手段7はダクト700を有し、当該ダクトの下部には、用紙の搬送路(一点鎖線で示される)に対向する開口701が形成してある。
【0073】
前記開口701を形成するダクト部は、用紙の搬送方向にみて、順次、上方に傾けた形態を有する。
【0074】
703は排気手段を構成する排気ファンで、作動時、前記開口701を介してVOCガスを含む周囲の空気を前記ダクト700の内部に吸引し、フィルタFを介して装置の外部に排気する。
【0075】
705および707は、前記ダクト700に内蔵され、直列に連接して設けられた第1フィルタおよび第2フィルタで、前記排気ファン703の下流位置にあり、フィルタ手段Fを構成する。
【0076】
前記第2フィルタ707は、装置の外装に設けた排気口Hに近接している。
前記第1フィルタ705、および、第2フィルタ707は粉末活性炭(以下、便宜上、単に活性炭という)を添加(含むの意)して基材としたシートを図3に示すようにハニカム構造に形成したフィルタであり、両フィルタは同一の構造を有する。
【0077】
ハニカム構造を形成する個々の通気孔(貫通孔)を、以後、管状排風路710(図3参照)と呼称するが、前記した2つのフィルタは、互いの管状排風路の位相がずれた関係となるように位置づけてある。
【0078】
また、前記管状排風路710が水平になるようにフィルタを位置づけてもよいが、VOCガスの活性炭による吸着効率を上げるために、本実施の形態においては適宜の角度を持たせてある。
【0079】
換言すれば、前記排気ファン703により排出(排気ファンを対象として、その上流側が吸入または吸引領域、下流側が排気または排出領域である)される空気流に対して管状排風路710の内面一部が逆らう状態、即ち、空気流が強制的に当接する領域となるように、排気ファンから遠ざかるに従って左斜め上方に前記管状排風路710が位置するように構成してある。
【0080】
また、フィルタの周囲をフレームで保護するとともに、前記ダクト700に適宜のガイドを設け、脱着容易に構成することが望ましく、更に、必要に応じて、フィルタの両外側面を不織布等で保護することができる。
【0081】
なお、図中のGはガイド部材で、定着排出ローラ61の付近から前記開口701の下流端部にわたって上下に対向配設してあるが、上側のガイド部材Gは、排気ファン703の吸引空気流による用紙の搬送トラブルを防止するためである。
【0082】
同時に、上側のガイド部材Gは、排気ファン703による吸引作用を不必要に妨げることがないように適宜の形状の開口を適宜の数設けてあるが、別の構成であってもよく、排気ファン703の能力との関係により取り除くこともできる。
【0083】
上述の如く、前記排気ファン703の下流側にフィルタを設け、かつ、フィルタを構成する複数の管状排風路710を、ダクト内面で規制されながら排出される空気流の流れ方向に対して傾けて設けたので、排気ファン703の作動に伴う排出空気流は前記管状排風路710に加圧拡散され、管状排風路の表面のみならずその内層の活性炭との接触を図ることが期待できる。
【0084】
換言すれば、トナー像を有する用紙の定着時に発生するVOCガスを含む空気は前記排気ファン703によってダクト700内に吸引された後、前記第1フィルタ705、および、第2フィルタ707の管状排風路710内において活性炭との十分な接触が得られ、VOCガスは短時間で効率よく活性炭に吸着されるので、画像形成装置外には清浄な空気が排出されることになる。
【0085】
なお、本実施の形態においては2つのフィルタを直列に連接したが、本発明はこれに拘束されるものではなく、例えば、1つまたは3つとすることもできる。
【0086】
次に、図4を用いて第2の実施の形態を説明する。図4は、排気ファンとフィルタとの間に冷却パネルを介在せしめた構成のガス除去手段を模式的に示す図である。
【0087】
図に示すガス除去手段7は、排気ファン703と、当該排気ファンの下流位置に近接して設けた冷却パネル750と、前記冷却パネルの下流位置に近接して設けた、粉末活性炭入り、かつ、複数の管状排風路を有する構造のフィルタ手段Fとを有し、当該フィルタ手段Fは1つのフィルタ709からなる。
【0088】
前記冷却パネル750は、パイプ760、761を介してポンプ760と接続しており、ポンプPの作動時、適宜の冷媒(例えば、水、ポリエチレングリコール)がパイプおよび冷却パネル内で循環され、前記排気ファン703で排出される空気流を冷却パネルを介して冷却する。
【0089】
前記冷媒の温度は、装置内で発生する最大VOCガス(発生比率の最も高い揮発性有機化合物と同義)の沸点に対して80℃以上低い温度に保たれている。
【0090】
前記冷却パネル750による排出空気流の冷却は、当該排出空気流に含まれる高濃度のVOCガスを効果的に低減させることができ、当該冷却パネル750を通過した後の前記フィルタ709に含まれる活性炭との接触を介して、更に、VOCガスの吸着除去効率を高めることができる。
【0091】
即ち、前記フィルタ709の管状排風路710を、入り口側の径d1に比して出口側の径d2を小さく構成した円錐形状なので、流入した空気流により排風路の内圧が高められ、VOCガスと活性炭との接触の強さを図ることができるので効率的なVOCガスの除去が可能となる。
【0092】
前記フィルタ709は、図2に示した第1の実施の形態におけるフィルタ手段Fに代えて使用しても有効であり、また図2の形態のフィルタ手段Fを前記フィルタ709に代替使用しても有効である。
【0093】
なお、管状排風路の入り口側の径d1と出口側の径d2は、排風路の数、フィルタ手段の大きさ等とともに適宜決定できる。
【0094】
また、排風路の形状は、例えば断面が半丸、丸以外の他の曲線形状や、更に、矩形を含む多角形でもよく、入り口から出口間での全体形状は、円錐形状のみならず四角錐等他の形状でもよい。
【0095】
更に、本発明に係わるガス除去手段は、電子写真方式により重合トナーを用いて画像形成する装置の他に、例えば、ブチルアルコール、プロピルアルコールのような揮発性有機化合物を用いて作製したインクを使用するインクジェットプリンタ、あるいは、ベンジルアルコール、エチレングリコールのような揮発性有機化合物を処理液中に含む銀塩フィルム処理のための画像形成装置(自動現像装置)等にも有効に使用できる。
【0096】
次に本発明の実施結果を示す。基本的に図1に示す構成において、現像剤およびトナーとしてKonica Sitios 7020用の現像剤およびトナーを用い、定着装置の定着温度を200℃に設定し、黒化率10%のA4原稿の画出しを55枚/分で連続的に2000枚行った。
【0097】
このときの実写中および実写後、測定質の2回換気時間までの吸着量、および、このときのコピー枚数から単位コピー当たりのVOC量を求めた。
【0098】
フィルタとしてはアルミ基板に粉末活性炭を塗布したものとし、管状排風路の入り口側および出口側の断面面積は、入り口側が0.03cm2、出口側が0.02cm、フィルタ面積は排気ファン側からみて縦横各10cmの100cm2とした。
【0099】
また、直径8cm、3枚羽根の排気ファンを空気の流れ方向において前記フィルタよりも上流側に配置し、当該排気ファンをフィルタの下流側に配置した場合を比較例とした。
【0100】
平均VOC濃度を吸着量/吸引エア量から求めた結果、本発明に係わる構成においては総排気量TVOCが5.7μg/コピーであったが、比較のTVOCは10.3μg/コピーであった。
【0101】
なお、TVOCはGS−MScでC6〜C16迄のピークの間で検出されたピークの総和をスチレン換算で算出した。
【0102】
このことから、本発明によれば効果的にVOCガスを吸着除去できることがわかる。
【0103】
【発明の効果】
極めて簡単な構成のガス除去手段により、画像形成装置内に発生するVOCガスを効率よく除去することができ、人体保護並びに環境保全に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル式複写機からなる画像形成装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係わるガス除去手段と、その近傍を模式的に示した図である。
【図3】ハニカム構造に形成したフィルタを示す模式図である。
【図4】排気ファンとフィルタとの間に冷却パネルを介在せしめた構成のガス除去手段を模式的に示す図である。
【符号の説明】
7 ガス除去手段
700 ダクト
701 開口
703 排気ファン
705 第1フィルタ
707 第2フィルタ
709 フィルタ
710 管状排風路
9 定着装置
F フィルタ手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真方式からなる複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいは、インクジェットプリンタや銀塩フィルム等を扱う自動現像装置等の画像形成装置に関し、特に、熱あるいは常温で気化しやすい揮発性有機化合物(VOCガスの原因物質)を含む空気(以下、VOCガスという)に対する処理機能を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
帯電手段を用いて感光体の表面を一様に帯電し、露光手段を用いて原稿または画像データに従った露光を前記感光体表面に付与することにより、原稿または画像データに対応した静電荷潜像を形成し、次いで、現像手段を用いて前記静電荷潜像を現像してトナー像(可視像)となした後、転写手段を用いて前記トナー像を転写材上に転写せしめ、加熱手段を用いて前記トナー像を前記転写材上に定着してから、前記転写材を機外に設けたトレイに排出する構成の画像形成装置は広く知られている。
【0003】
また、前記加熱手段は、一般的に、可回転の加熱ローラと、当該加熱ローラと圧着しながら回転する圧着ローラとを備えた基本的構成を有する。
【0004】
しかしながら、このような加熱手段によりトナー像を加熱定着すると、トナー中に含まれる低分子量の微量成分が大気中に放出され、異臭が撒き散らされる不具合が生ずることがある。
【0005】
換言すれば、トナー用樹脂は、例えば、加熱ローラ等に対する高温オフセット防止のために高分子量成分を必要とし、また、転写材に対する接着性を向上するために低分子量成分を必要とし、斯様に相反する機能を樹脂で満足するために分子量分布を拡大することが必要となる。
【0006】
そして、分子量分布の制御のために連鎖移動剤を使用して低分子量化を図ることも必要となり、そのために、例えば、メルカプタン系、特に、ドデシルメルカプタン系の有機化合物が使用される。
【0007】
前記有機化合物は特有の臭気を有し、加熱定着時においてトナー用樹脂中に残存している連鎖移動剤が揮発する結果、上述の如くの不具合を発生させる。
【0008】
この臭気の問題は、樹脂と着色剤とを溶融混練、粉砕して作る粉砕法トナーでは問題視されなかったものの、重合法トナーでは大きな問題となっている。
【0009】
前記揮発性有機化合物が気化したVOCガスは環境保護の観点から望ましいものではなく、人体にとっても有害であり、画像形成装置外に出ないようにすることが好ましいことは言うまでもない。
【0010】
このような問題の対策として、バインダ樹脂中の不純物を軽減させることによりVOCガスの発生を抑制する方法と、放出されたVOCガスを除去した後に、画像形成装置外に排気する方法
(構成)とが考えられる。
【0011】
本発明は後者に属する。ところで、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置において、環境並びに人体に悪影響を及ぼす悪臭原因の1つとして、コロナ放電によるオゾン発生があるが、オゾンあるいはオゾン臭は活性炭混入のフィルタにより効率よく吸着除去することが知られている。
【0012】
このオゾンフィルタは上述したVOCガス除去手段として有効に利用することができるので、VOCガスの除去を対象とするものではないが、以下に、オゾンフィルタおよびオゾンフィルタを搭載した画像形成装置について簡単に公知技術を考察する。
【0013】
簡易な構造のオゾンフィルタとして、粉末活性炭を添加したフィルタ部材を波状断面あるいはハニカム状断面をなすように積層させてブロック体とし、当該ブロック体の内部に形成された多数の通気孔の少なくとも一部に対して、異なる方向からの切り込みによる空間部を形成し、一連の各通気孔を不連続状に複数分割した構成のフィルタや、前記空間部に同一メッシュの通気孔を有するブロック体を位相をずらせて埋設した構成のフィルタ等が提案され、また、組み立て体として、フィルタ部材を通気管内の一方に装着させ、他方にファンを配置させて構成したフィルタ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0014】
また、オゾン分解フィルタに対してトナー捕集フィルタを上流に設けるとともに両フィルタをフィルタ装置に対して着脱自在とし、かつ、その下流側に排気ファンを設けるた構成の画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0015】
【特許文献1】
実開平5−56224号公報(段落番号0019、0022、0027 図1、図2)
【0016】
【特許文献2】
特開平11−161121号公報(段落番号0035、0036、図1)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されたフィルタは、その内部において対象気体の流れに乱流、乃至渦流を生じさせ、もって、気体の滞留時間を長くして除去効率を高める効果を奏することができる有用なものである。
【0018】
しかしながら、ブロック体に切り込みを入れて空間部を作製したり、あるいは、その空間部に位相をずらせた状態でブロック体を埋設したりしなければならないので効率的な生産は困難である。
【0019】
また、組み立て体として、フィルタ部材を通気管内の一方に装着させ、他方にファンを配置させて構成したフィルタ装置は、上記の如く有用ではあるものの、フィルタを通過する気体の速度を遅くすることを前提としており、従って、大量にVOCガスが発生するような装置におけるフィルタ装置としては処理速度が追いつかず、使用される装置内から臭気が漏れてしまう結果を招きかねない。
【0020】
このことは、特許文献2に開示された画像形成装置におけるオゾンフィルタが特許文献1開示されたフィルタと同じとした場合にもいえることである。
【0021】
本発明は上述のような問題点に鑑みてなされたもので、主たる目的は、極めて簡単な構成を有し、効率よくVOCガスを除去することができる構成の画像形成装置を提供することにある。
【0022】
他の目的は、多種発生するVOCガスを冷却パネルとフィルタとを通してVOCガス全体の濃度を低減させる構成の画像形成装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかわる目的は下記の構成によって達成することができる。
【0024】
(1)装置内で発生する揮発性有機化合物を含む空気を、ガス除去手段を介して装置外部に排出する構成の画像形成装置において、
前記ガス除去手段は、排気ファンと、当該排気ファンの下流位置に近接して設けた、粉末活性炭入り、かつ、複数の管状排風路を有する構造のフィルタとを含む、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0025】
(2)前記管状排風路の一部は、排出される空気流が当接する斜面を有することを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
【0026】
(3)前記フィルタは複数個のフィルタを直列に連設したことからなり、かつ、少なくとも1つのフィルタの管状排風路は、隣接するフィルタの管状排風路と位相がずれた関係に位置づけてあることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
【0027】
(4)管状排風路は、前記排気ファンの側から遠ざかるに従って小径に構成してあることを特徴とする前記(1)乃至前記(3)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0028】
(5)前記フィルタとフィルタとの間にじゃま板を有することを特徴とする前記(3)に記載の画像形成装置。
【0029】
(6)装置内で発生する揮発性有機化合物を含む空気を、ガス除去手段を介して装置外部に排出する構成の画像形成装置において、
前記ガス除去手段は、
排気ファンと、
当該排気ファンの下流位置に近接して設けた冷却パネルと、
前記冷却パネルの下流位置に近接して設けた、粉末活性炭入り、かつ、複数の管状排風路を有する構造のフィルタとを有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0030】
(7)前記冷却パネル内の冷媒温度は、発生比率の最も高い揮発性有機化合物の沸点に対して80℃以上低いことを特徴とする前記(6)に記載の画像形成装置。
【0031】
(8)帯電後の感光体上に原稿または画像データに従った露光を行って静電荷潜像を形成し、現像手段によりトナー像となした後、当該トナー像を転写材上に転写し、しかる後、加熱手段により前記トナー像を定着する構成の画像形成装置において、
冷却パネルを含むガス除去手段を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【0032】
なお、冷却装置の効果は、冷却パネルを用いてVOCガスを液化するとともに、液化できなかったVOCガスのフィルタによる除去を容易にする。
【0033】
即ち、排風の温度を下げることにより空気中のガス濃度低減と高沸点VOCガスの除去を可能とし、それが、結果として、フィルタの活性炭の高寿命化、高捕集性を達成することができる。
【0034】
また、フィルタよりも上流側(空気の流れ方向において)に排気ファンを設置したのは、フィルタに設けた活性炭あるいは触媒に空気が浸透しやすいようにするためであり、VOCガスを吸着、分解するために、上述のようにフィルタに対してやや圧力付加構成とすることが重要であることが確認されたからである。
【0035】
効果的にVOCガスを吸着、分解させる方法としては、フィルタに対する通過時間を多くとること、および、吸着効率を向上させるためにフィルタ層内部までガスが浸透する構成とし、フィルタ壁にガスを接触させることによって達成できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる実施の形態の一例を、以下、図面に基づいて説明する。
【0037】
図1はデジタル式複写機からなる画像形成装置の構成を示す模式図である。
本実施の形態の画像形成装置は、電子写真方式を利用して像担持体上に形成したトナー画像を普通紙等の転写材上に形成するもので、自動原稿送り装置1、画像読取装置2、画像形成部3、転写材収納部4、給紙部5、反転排紙・再給紙部6、および反転搬送部8を備えている。
【0038】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を載置する原稿載置台11、原稿載置台11上に載置された原稿を分離する原稿分離手段12、原稿分離手段12で分離された原稿を搬送する複数のローラを含む原稿搬送手段13、原稿搬送手段13で搬送された原稿を排紙する原稿排紙手段14、原稿排紙手段14によって排紙された原稿を載置する原稿排紙台15、および、両面複写モードにおいて原稿の表裏を反転させるためのローラ対からなる原稿反転手段16を有している。
【0039】
装置本体上部の100は操作部で、110は画像形成を開始させるスタートボタン、120は電源スイッチを示す。
【0040】
前記原稿載置台11上に載置された複数枚の原稿(不図示)は、原稿分離手段12によって1枚づつ分離され、前記原稿搬送手段13によって画像読取位置に向けて搬送される。
【0041】
原稿読取位置は前記原稿搬送手段13の下方部に設けられており、画像読み取り装置2のスリット21を通して原稿の画像が読み取られるようになっている。
【0042】
一方、原稿の両面の画像を読み取る際には、一度片面の画像が読み取られた原稿を原稿反転手段16に導き、原稿の後端が前記原稿反転手段16を構成する反転ローラ対に挟持された状態において当該反転ローラ対を停止させ、逆回転させて原稿の表裏を反転し、再度、前記原稿搬送手段13で搬送することにより、前記原稿読取位置において他の面(第2面)の画像を読み取ることができる。
【0043】
また、前記自動原稿送り装置1は可倒式に構成されており、この自動原稿送り装置1を起こしてプラテンガラス22上を開放し、当該プラテンガラス22上に原稿を直接載置して複写を行うこともできるように構成してある。
【0044】
画像読取装置2は、原稿の画像を読み取って画像データを得るための装置であり、前記スリット21を介して原稿を照射するランプ231と原稿からの反射光を反射させる第1ミラー232とを一体化してなる第1ミラーユニット23と、前記第1ミラー232からの光を反射させる第2ミラー241と第3ミラー242とを一体化してなる第2ミラーユニット24と、当該第2ミラーユニット24からの反射光を、撮像素子であるCCDに結像させる結像レンズ25、および、当該結像レンズ25によって結像された光像を光電変換するライン状のCCD26を有する。
【0045】
光電変換されたアナログ信号は、アナログ処理後にA/D変換され、適宜の画像処理を施された後、画像データとして制御手段C内のメモリに蓄積される。
【0046】
前記制御手段CはCPUからなり、装置全体をマルチタスクで制御する。
換言すれば、装置本体に設けた電源スイッチ120のONの信号入力により、定着装置の加熱源の通電制御を行わせたり、装置のイニシャライズのために、プログラムフローに従って関係する各手段を駆動制御する。
【0047】
また、装置のイニシャライズが終了した後、アイドリング状態を維持し、画像形成のためのスタートボタン110の押下に従って、選択指示された画像形成モードに応じた動作を各駆動手段の駆動制御を介して実行させる。
【0048】
なお、前記自動原稿送り装置1によって送られる原稿を前記画像読取装置2で読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23、および、前記第2ミラーユニット24は、図示位置に固定される。
【0049】
また、前記プラテンガラス22上に載置された原稿の画像の読み取りは、前記第1ミラーユニット23と前記第2ミラーユニット24とを、光路長を保ちながら、プラテンガラス22に沿って移動させることにより行う。
【0050】
画像形成部3は、像担持体としての光導電性感光層を表面に有する感光体ドラム31、当該感光体ドラム31の表面を一様帯電させる帯電電極を含む帯電手段(以下、帯電器という)32、画像処理後の画像データに基いて作動され、前記感光体ドラム31上を露光して静電荷潜像を形成するための露光手段であるレーザ書込手段33、前記感光体ドラム31上に形成される静電荷潜像を反転現像してトナー像となすローラ状の現像剤担持体(以下、現像スリーブという)300を有する現像ユニット(以下、現像器という)34、前記トナー像を普通紙等からなる転写材(以下、用紙という)上に転写せしめる転写電極を含む転写手段(以下、転写器という)35、トナー像が転写された用紙の裏面から、例えば、ACまたはACとDCを重畳させた電圧によるコロナ放電を行い、前記感光体ドラム31上からの用紙の分離を促進する分離手段36、および、転写工程終了後の前記感光体ドラム31を清掃するためのブレードを含むクリーニングユニット37等を有する。
【0051】
本実施の形態においては、前記感光体ドラム31、現像器34、および、クリーニングユニット37はプロセスカートリッジ3Aとして構成してある。
【0052】
本実施の形態における前記帯電電極、転写電極および分離手段の分離電極は、酸化被膜したタングステンワイヤからなり、また、前記現像器34に収納されている現像剤は、粒子状のフェライトにスチレンアクリル樹脂やシリコン樹脂をコーティングしたことからなる、所謂、コーティングキャリアと、重合法により製造した重合トナーとを主要成分とする二成分現像剤からなる。
【0053】
38は分離後の用紙を、定着装置、例えば、加熱ローラ型の定着装置9に向けて搬送する搬送ベルト、63は排紙ローラである。
【0054】
前記定着装置9は、加熱源Hを内蔵し、その周囲を独立回転する定着上ローラ900と、前記定着上ローラ900と圧接しながら回転する定着下ローラ903からなる定着処理手段を主要素とし、定着排出ローラ61、用紙の搬送路を選択的に切り替える切替手段62等を一体的に有している。
【0055】
参照符号Wはクリーニングウェブで、その一部が前記定着上ローラ900の表面に接触して設けられ、例えば、装置作動中における適宜の時間間隔で図の左側に示す巻き取り芯上に少しづつ巻き取られるようになっている。
【0056】
なお、前記定着装置9の下流側であって、用紙の搬送路上に近接して設けてあるのは、粉末活性炭を添加して基材としたシートで形成したフィルタと、排気ファンとを主要素とするガス除去手段7であるが、詳細な構成は後述する。
【0057】
上記構成による画像形成は、適宜の駆動手段によって矢示の方向に回転する感光体ドラム31を帯電器32により順次帯電した後、レーザ書込手段33によるドット露光で原稿画像に対応した静電荷潜像を形成し、現像器34を用いて接触現像もしくは非接触現像により前記静電荷潜像をトナー像となし、その後、第2給紙手段としてのレジストローラ56の回転開始により給送される用紙上に、前記転写器35の作用を介して転写させることで達成される。
【0058】
実際には、前記レジストローラ56に用紙が到達している状態で、当該レジストローラ56の回転開始に伴う給紙にタイミングを合わせて、前記感光体ドラム31上にトナー像を形成するためのプロセスを開始するようになっている。
【0059】
転写後の用紙は分離手段36の作用により前記感光体ドラム31上から分離され、前記定着装置9の加熱・加圧作用を受けた後、機外に排出される。
【0060】
この際、トナー中に残留している微量の有機化合物が揮発することにより発生したVOCガスは前記ガス除去手段7により除去される。
【0061】
一方、転写領域を通過した感光体ドラム31は更に回転を続け、クリーニングユニット37を構成するブレードによって残留トナーを除去され、次の画像形成への準備がなされる。
【0062】
構成の説明に戻って、用紙収納部4には、用紙Pを積層状態で収納する給紙トレイ400、410、420が上下方向に配列してあり(用紙Pは給紙トレイ400においてのみ図示)、また、それぞれの給紙トレイは、給紙ローラ401、411、421と一対の分離ローラ403、413、423とを有する。
【0063】
給紙部5には、前記給紙トレイ400、410、420のそれぞれから前記画像形成部3へと用紙Pを搬送するための搬送手段として、搬送ローラ対(以下、搬送ローラともいう)R1、R2、R3、R4、R5、R6を設けてある。
【0064】
55は前記用紙Pの搬送方向にみて前記搬送ローラR6の下流に設けた搬送ローラで、反転搬送部8を介して送り出される用紙の搬送路と、例えば、給紙トレイ400から給紙される用紙の搬送路との合流部に設けてある。
【0065】
反転排紙・再給紙部6は、転写・定着後の用紙Pを反転排紙したり、両面画像形成モードに従って用紙Pを再給紙するための領域であり、前記定着排出ローラ61により排出された用紙Pをそのまま機外へ排出する場合と、表裏反転させた後に排出する場合、および、用紙Pの裏面(第2面)に画像形成するために当該用紙Pを前記レジストローラ56に向けて再給紙する場合とにおいて搬送路を切り替える切替手段(既述)62を有している。
【0066】
画像形成された用紙Pをそのまま、即ち、今、転写した画像面を上側にしたまま排出する場合は、前記切替手段62を図において一点鎖線で示す位置に保持させ、また、画像形成された用紙Pの表裏を反転させて排出する場合は、前記切替手段62を図において実線で示す位置に保持させて、前記定着排出ローラ61により搬送される用紙Pを搬送ローラ600、610が付設されている搬送路中に送り込み、後端が前記搬送ローラ600の手前位置に到達するタイミングで前記ローラ群の作動を停止させ、しかる後、前記搬送ローラ600の回転方向を前記と逆方向に回転せしめることにより、前記切替手段62の左側を通過せしめ、排紙ローラ63を介して、機外の排紙トレイ64へと排出する。
【0067】
更に、第1面に引き続き用紙Pの第2面に画像を形成する両面画像形成モードの場合は、前記切替手段62を図において実線で示す位置に保持させ、定着排出ローラ61により搬送される用紙を、排紙モータで駆動される反転排紙・再給紙部6の各搬送ローラ600、610を介して反転搬送部8に送り込み、当該反転搬送部8において用紙Pの表裏を反転させた後、前記レジストローラ56に向けて送り出すことになる。
【0068】
前記用紙Pの第2面に転写画像を得るまでのプロセスは前述と同じであり、また、定着処理後の用紙Pの排紙については、前記したいずれかの形態による。
【0069】
搬送ローラ対800を含む803、805、807、809、811は、前記反転搬送部8の搬送路上に設けた複数の搬送ローラ対(以下、単に、搬送ローラという)である。
【0070】
次に、本発明に係わるガス除去手段と、その近傍を模式的に示した図2を用いて、ガス除去手段の構成を説明する。
【0071】
なお、図2以降の図において既出の部材(手段)と同じ部材(手段)については同一の参照符号を付してある。
【0072】
本実施の形態におけるガス除去手段7はダクト700を有し、当該ダクトの下部には、用紙の搬送路(一点鎖線で示される)に対向する開口701が形成してある。
【0073】
前記開口701を形成するダクト部は、用紙の搬送方向にみて、順次、上方に傾けた形態を有する。
【0074】
703は排気手段を構成する排気ファンで、作動時、前記開口701を介してVOCガスを含む周囲の空気を前記ダクト700の内部に吸引し、フィルタFを介して装置の外部に排気する。
【0075】
705および707は、前記ダクト700に内蔵され、直列に連接して設けられた第1フィルタおよび第2フィルタで、前記排気ファン703の下流位置にあり、フィルタ手段Fを構成する。
【0076】
前記第2フィルタ707は、装置の外装に設けた排気口Hに近接している。
前記第1フィルタ705、および、第2フィルタ707は粉末活性炭(以下、便宜上、単に活性炭という)を添加(含むの意)して基材としたシートを図3に示すようにハニカム構造に形成したフィルタであり、両フィルタは同一の構造を有する。
【0077】
ハニカム構造を形成する個々の通気孔(貫通孔)を、以後、管状排風路710(図3参照)と呼称するが、前記した2つのフィルタは、互いの管状排風路の位相がずれた関係となるように位置づけてある。
【0078】
また、前記管状排風路710が水平になるようにフィルタを位置づけてもよいが、VOCガスの活性炭による吸着効率を上げるために、本実施の形態においては適宜の角度を持たせてある。
【0079】
換言すれば、前記排気ファン703により排出(排気ファンを対象として、その上流側が吸入または吸引領域、下流側が排気または排出領域である)される空気流に対して管状排風路710の内面一部が逆らう状態、即ち、空気流が強制的に当接する領域となるように、排気ファンから遠ざかるに従って左斜め上方に前記管状排風路710が位置するように構成してある。
【0080】
また、フィルタの周囲をフレームで保護するとともに、前記ダクト700に適宜のガイドを設け、脱着容易に構成することが望ましく、更に、必要に応じて、フィルタの両外側面を不織布等で保護することができる。
【0081】
なお、図中のGはガイド部材で、定着排出ローラ61の付近から前記開口701の下流端部にわたって上下に対向配設してあるが、上側のガイド部材Gは、排気ファン703の吸引空気流による用紙の搬送トラブルを防止するためである。
【0082】
同時に、上側のガイド部材Gは、排気ファン703による吸引作用を不必要に妨げることがないように適宜の形状の開口を適宜の数設けてあるが、別の構成であってもよく、排気ファン703の能力との関係により取り除くこともできる。
【0083】
上述の如く、前記排気ファン703の下流側にフィルタを設け、かつ、フィルタを構成する複数の管状排風路710を、ダクト内面で規制されながら排出される空気流の流れ方向に対して傾けて設けたので、排気ファン703の作動に伴う排出空気流は前記管状排風路710に加圧拡散され、管状排風路の表面のみならずその内層の活性炭との接触を図ることが期待できる。
【0084】
換言すれば、トナー像を有する用紙の定着時に発生するVOCガスを含む空気は前記排気ファン703によってダクト700内に吸引された後、前記第1フィルタ705、および、第2フィルタ707の管状排風路710内において活性炭との十分な接触が得られ、VOCガスは短時間で効率よく活性炭に吸着されるので、画像形成装置外には清浄な空気が排出されることになる。
【0085】
なお、本実施の形態においては2つのフィルタを直列に連接したが、本発明はこれに拘束されるものではなく、例えば、1つまたは3つとすることもできる。
【0086】
次に、図4を用いて第2の実施の形態を説明する。図4は、排気ファンとフィルタとの間に冷却パネルを介在せしめた構成のガス除去手段を模式的に示す図である。
【0087】
図に示すガス除去手段7は、排気ファン703と、当該排気ファンの下流位置に近接して設けた冷却パネル750と、前記冷却パネルの下流位置に近接して設けた、粉末活性炭入り、かつ、複数の管状排風路を有する構造のフィルタ手段Fとを有し、当該フィルタ手段Fは1つのフィルタ709からなる。
【0088】
前記冷却パネル750は、パイプ760、761を介してポンプ760と接続しており、ポンプPの作動時、適宜の冷媒(例えば、水、ポリエチレングリコール)がパイプおよび冷却パネル内で循環され、前記排気ファン703で排出される空気流を冷却パネルを介して冷却する。
【0089】
前記冷媒の温度は、装置内で発生する最大VOCガス(発生比率の最も高い揮発性有機化合物と同義)の沸点に対して80℃以上低い温度に保たれている。
【0090】
前記冷却パネル750による排出空気流の冷却は、当該排出空気流に含まれる高濃度のVOCガスを効果的に低減させることができ、当該冷却パネル750を通過した後の前記フィルタ709に含まれる活性炭との接触を介して、更に、VOCガスの吸着除去効率を高めることができる。
【0091】
即ち、前記フィルタ709の管状排風路710を、入り口側の径d1に比して出口側の径d2を小さく構成した円錐形状なので、流入した空気流により排風路の内圧が高められ、VOCガスと活性炭との接触の強さを図ることができるので効率的なVOCガスの除去が可能となる。
【0092】
前記フィルタ709は、図2に示した第1の実施の形態におけるフィルタ手段Fに代えて使用しても有効であり、また図2の形態のフィルタ手段Fを前記フィルタ709に代替使用しても有効である。
【0093】
なお、管状排風路の入り口側の径d1と出口側の径d2は、排風路の数、フィルタ手段の大きさ等とともに適宜決定できる。
【0094】
また、排風路の形状は、例えば断面が半丸、丸以外の他の曲線形状や、更に、矩形を含む多角形でもよく、入り口から出口間での全体形状は、円錐形状のみならず四角錐等他の形状でもよい。
【0095】
更に、本発明に係わるガス除去手段は、電子写真方式により重合トナーを用いて画像形成する装置の他に、例えば、ブチルアルコール、プロピルアルコールのような揮発性有機化合物を用いて作製したインクを使用するインクジェットプリンタ、あるいは、ベンジルアルコール、エチレングリコールのような揮発性有機化合物を処理液中に含む銀塩フィルム処理のための画像形成装置(自動現像装置)等にも有効に使用できる。
【0096】
次に本発明の実施結果を示す。基本的に図1に示す構成において、現像剤およびトナーとしてKonica Sitios 7020用の現像剤およびトナーを用い、定着装置の定着温度を200℃に設定し、黒化率10%のA4原稿の画出しを55枚/分で連続的に2000枚行った。
【0097】
このときの実写中および実写後、測定質の2回換気時間までの吸着量、および、このときのコピー枚数から単位コピー当たりのVOC量を求めた。
【0098】
フィルタとしてはアルミ基板に粉末活性炭を塗布したものとし、管状排風路の入り口側および出口側の断面面積は、入り口側が0.03cm2、出口側が0.02cm、フィルタ面積は排気ファン側からみて縦横各10cmの100cm2とした。
【0099】
また、直径8cm、3枚羽根の排気ファンを空気の流れ方向において前記フィルタよりも上流側に配置し、当該排気ファンをフィルタの下流側に配置した場合を比較例とした。
【0100】
平均VOC濃度を吸着量/吸引エア量から求めた結果、本発明に係わる構成においては総排気量TVOCが5.7μg/コピーであったが、比較のTVOCは10.3μg/コピーであった。
【0101】
なお、TVOCはGS−MScでC6〜C16迄のピークの間で検出されたピークの総和をスチレン換算で算出した。
【0102】
このことから、本発明によれば効果的にVOCガスを吸着除去できることがわかる。
【0103】
【発明の効果】
極めて簡単な構成のガス除去手段により、画像形成装置内に発生するVOCガスを効率よく除去することができ、人体保護並びに環境保全に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル式複写機からなる画像形成装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係わるガス除去手段と、その近傍を模式的に示した図である。
【図3】ハニカム構造に形成したフィルタを示す模式図である。
【図4】排気ファンとフィルタとの間に冷却パネルを介在せしめた構成のガス除去手段を模式的に示す図である。
【符号の説明】
7 ガス除去手段
700 ダクト
701 開口
703 排気ファン
705 第1フィルタ
707 第2フィルタ
709 フィルタ
710 管状排風路
9 定着装置
F フィルタ手段
Claims (8)
- 装置内で発生する揮発性有機化合物を含む空気を、ガス除去手段を介して装置外部に排出する構成の画像形成装置において、
前記ガス除去手段は、排気ファンと、当該排気ファンの下流位置に近接して設けた、粉末活性炭入り、かつ、複数の管状排風路を有する構造のフィルタとを含む、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記管状排風路の一部は、排出される空気流が当接する斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記フィルタは複数個のフィルタを直列に連設したことからなり、かつ、少なくとも1つのフィルタの管状排風路は、隣接するフィルタの管状排風路と位相がずれた関係に位置づけてあることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 管状排風路は、前記排気ファンの側から遠ざかるに従って小径に構成してあることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記フィルタとフィルタとの間にじゃま板を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 装置内で発生する揮発性有機化合物を含む空気を、ガス除去手段を介して装置外部に排出する構成の画像形成装置において、
前記ガス除去手段は、
排気ファンと、
当該排気ファンの下流位置に近接して設けた冷却パネルと、
前記冷却パネルの下流位置に近接して設けた、粉末活性炭入り、かつ、複数の管状排風路を有する構造のフィルタと、を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記冷却パネル内の冷媒温度は、発生比率の最も高い揮発性有機化合物の沸点に対して80℃以上低いことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 帯電後の感光体上に原稿または画像データに従った露光を行って静電荷潜像を形成し、現像手段によりトナー像となした後、当該トナー像を転写材上に転写し、しかる後、加熱手段により前記トナー像を定着する構成の画像形成装置において、
冷却パネルを含むガス除去手段を有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
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