JP4432361B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機などの画像形成装置に係り、より詳しくは、電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を利用したプリンタや複写機等の画像形成装置においては、例えばドラム状に構成された感光体を帯電器によって一様に帯電し、この感光体を画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像を現像器によってトナー像とし、さらにこのトナー像を記録紙に転写し、これを定着することによって画像形成している。
【0003】
このような画像形成装置に用いられる帯電器としては、特にプロセススピードの速い高速機やカラー機においては、高速で回転する感光体に対し十分な電荷を付与することができるコロナ放電方式のコロトロンやスコロトロンが用いられる場合が多い。コロトロンやスコロトロンは帯電能力が大きい反面、コロナ放電流を感光体に放射するものであるためオゾンが発生し易い。このオゾンが感光体周囲に滞留すると感光体にダメージを与えることから、コロトロンやスコロトロンの近傍にはダクトが配置され、このダクトからコロトロンやスコロトロンの近傍のエアーを排気ファンで吸引することで滞留したオゾンを機外に排出するように構成されている。
【0004】
また、現像器においても、高速で回転する感光体上の静電潜像を現像するために現像剤担持体である現像ロールを高速で回転させるのでトナーが機内に飛散し易い。この飛散したトナーが帯電器に付着すると帯電不良の原因になったり、用紙搬送系や用紙自体に付着して画像汚れを引き起こしたりする場合があることから、現像器の近傍にもダクトが配置され、現像器から飛散したトナークライドを機外に排出するように構成されている。
【0005】
このようなダクトは、帯電器や現像器から発生したオゾンやトナークライドを機外に排出するものであるが、帯電器や現像器の近傍から吸引されたオゾンやトナークライドを含んだエアーを直接機外に排出すると周辺の環境を汚染するため、排気経路中にサクションフィルタやオゾンフィルタを配置して、吸引されるエアーからオゾンやトナークライドを除去した後で機外に排出するように構成されている。
【0006】
ここで、従来技術として、装置本体内の空気を排出する排気ファンの上流位置に、排出する空気中のオゾンを除去するオゾンフィルタを設け、さらにそのオゾンフィルタの上流位置に、排出する空気中の粉塵を除去する集塵フィルタを設けた構成とする。そしてこの集塵フィルタを複数枚着脱増減可能に取り付け、その取り付け位置も変更可能に構成することにより、厚い集塵フィルタを1枚用いるよりも静圧を下げて排気速度を速め、集塵性能を高めるとともにオゾンを除去するという技術が存在する(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−194967号公報(第4-5頁、図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年オゾンフィルタとして、オゾンを分解する機能を有する触媒型オゾンフィルタがオゾン除去性能を長期に亘って維持できることから、画像形成装置にも用いられることが多くなっている。しかしながら、触媒型オゾンフィルタはオゾンを分解する性能に優れているが、同時に雰囲気中からの臭い成分、例えばタバコや化粧品等に含まれる化学物質や低級脂肪酸等を吸着し、さらにこれを放出する性質を有する。そのために、画像形成装置の画像形成動作中に触媒型オゾンフィルタに溜め込まれた臭い成分が、しばらくの動作停止後の次の画像形成動作時に周辺環境に一気に放出されて異臭となり、ユーザに不快感を生じさせるという問題があった。
なお、上述した特許文献1には、複数の集塵フィルタとオゾンフィルタとを組み合わせて飛散トナーやオゾンを除去する技術が記載されているが、オゾンフィルタを通過したエアーは直接外部に排出されるので、オゾンフィルタに溜め込まれた臭い成分は周辺環境にそのまま放出されることとなり、上述した技術的課題を解決することはできない。
【0009】
本発明は以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、オゾンの排出を長期に亘って抑制すると共に、異臭の排出をも抑制することができる画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、触媒型オゾン除去手段によりオゾンを除去した後、触媒型オゾン除去手段の下流側に脱臭手段を配置し、触媒型オゾン除去手段を通過した空気を脱臭することを特徴としている。ここで、触媒型オゾン除去手段は、静電潜像が形成される潜像担持体の周囲から排気された空気に含まれるオゾンを除去することを特徴とすることができる。また、脱臭手段は、触媒型オゾン除去手段とは5〜20mm離れて配置されたことを特徴とすることもできる。また、触媒型オゾン除去手段には、加熱手段を配設することができる。加えて、触媒型オゾン除去手段の上流側に粉塵濾過手段をさらに備えた構成とすることも可能である。
【0011】
また、本発明の画像形成装置では、静電潜像が形成される潜像担持体の周囲の空気を排気ダクトにより外部に排気するに際し、排気ダクトから排気される空気に含まれるオゾンを触媒型オゾンフィルタによって分解するとともに、触媒型オゾンフィルタを通過した空気を脱臭フィルタによって脱臭することを特徴としている。さらに、触媒型オゾンフィルタの上流側に粉塵フィルタをさらに備え、排気ダクトから排気される空気に含まれる粉塵を濾過するように構成することもできる。
【0012】
また、本発明をフィルタ装置として捉え、触媒型オゾンフィルタによりオゾンを除去した後、触媒型オゾンフィルタの下流側に脱臭フィルタを配置し、触媒型オゾンフィルタを通過した空気を脱臭することを特徴としている。特に、脱臭フィルタは、触媒型オゾンフィルタとは5〜20mm離れて配置されたことを特徴とすることもできる。加えて、触媒型オゾンフィルタの上流側に粉塵フィルタをさらに備えた構成とすることも可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。図1に示す画像形成装置は、画像読取部1および画像形成部2で構成されている。
画像読取部1は、図示しない原稿を載置する透明なプラテンガラス12、原稿を照射する光源14および原稿から反射した光を反射する第1の反射ミラー15で構成され、図中水平方向に移動自在な原稿照明ユニット13、原稿照明ユニット13からの光を反射する第2の反射ミラー17および第3の反射ミラー18を備えたミラーユニット16、ミラーユニット16による反射光の光路上に配置された結像レンズ19、ミラーユニット16による反射光を受光する撮像部CCD(Charge Coupled Device)を備えている。
【0014】
原稿照明ユニット13は、図中水平方向に移動しながらプラテンガラス12の下方から原稿に光を照射する。そして原稿からの反射光はミラーユニット16を介して結像レンズ19により撮像部CCDに結像される。
撮像部CCDは、原稿からの反射光をレッド(R)、グリーン (G)、ブルー (B)のアナログ信号として読み取る。撮像部CCDには、後述する制御部100によって制御される画像処理部IPS(Image Processing System)が接続されている。画像処理部IPSは、撮像部CCDから入力された読取画像信号をAD変換する画像読取データ出力部21と、画像読取データ出力部21から出力されたデータ(デジタルデータ)をイエロー (Y)、マゼンタ (M)、シアン (C)、黒 (K)の画像データに変換して濃度補正、拡大縮小補正等のデータ処理を施すとともに、書込用画像データ(レーザ駆動データ)として出力する画像データ出力部22とを有している。また、画像処理部IPSにはレーザ駆動信号出力装置24が接続され、レーザ駆動信号出力装置24では、画像処理部IPSから出力された書込用画像データに応じたレーザ駆動信号を所定のタイミングで光走査装置ROS(Raster Output Scanner)に出力する。
【0015】
画像形成部2は、矢印A方向に向かって回転する像担持体としての感光体ドラム31、この感光体ドラム31の周囲に、感光体ドラム31を一様にマイナス極性に帯電する帯電器32、レーザ駆動信号により変調されたレーザビームLを感光体ドラム31に照射する光走査装置ROS、Y、M、C、Kの各色トナーが収容された現像器33Y、33M、33C、33Kを搭載し回転軸33aを中心に回動するロータリー現像器33、感光体ドラム31上に残留したトナーを除去するドラムクリーナ34、後述する一次転写部T1での一次転写後に感光体ドラム31をマイナス極性に帯電する一次転写後帯電器35、帯電器32による帯電前に感光体ドラム31を除電する除電ランプ36が配設されている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部100を有している。なお、本実施の形態では、感光体ドラム31の感光層はOPC(Organic Photoconductor)等のマイナス極性に帯電するもので構成され、また、現像は反転現像方式にて行われる。したがって、使用されるトナーはマイナス極性に帯電し易い特性を有している。
【0016】
ここで、感光体ドラム31を帯電する帯電器32は、アルミニウム等の金属で形成されたコの字形状のシールドと、タングステンやSUS等の直径が0.08〜0.5mmのワイヤに金メッキが施された帯電ワイヤとからなるコロトロンで構成されている。そしてシールドは接地され、帯電ワイヤには−5〜−8kVの電圧を印加することでコロナ放電を発生させて、感光体ドラム31の表面を−400〜−700Vに帯電する。
一方、一次転写後帯電器35も帯電器32と同様にコロトロンで構成され、一次転写でプラス極性に帯電された感光体ドラム31表面を0V乃至マイナス極性に帯電する。
【0017】
さらに画像形成部2には、ロータリー現像器33によって現像されたトナー像を中間的に担持する中間転写ベルト41が、一次転写部T1において感光体ドラム31の表面と当接するように配設されている。中間転写ベルト41は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂からなる厚みが例えば0.1mm程度のフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして中間転写ベルト41にはカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させ、その体積抵抗率が106〜1014Ωcmとなるように形成されている。中間転写ベルト41は、複数のロール46、47、48a〜48c、49によって張架され、矢印B方向に回動するように構成されている。これらのロールのうち、ロール46は中間転写ベルト41を回動させるための駆動ロール、ロール47は中間転写ベルト41にかかる張力を一定とするためのテンションロール、ロール48a〜48cは従動回転するアイドラロール、ロール49は後述する二次転写用のバックアップロールである。
【0018】
また、中間転写ベルト41が感光体ドラム31と当接する一次転写部T1には、中間転写ベルト41の裏面側に中間転写ベルト41を介して感光体ドラム31に圧接するように一次転写ロール42が配設されている。一次転写ロール42は、中間転写ベルト41の回動に伴って従動回転するように構成されている。
一次転写ロール42は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で形成されている。またスポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107〜109Ωcmの円筒ロールである。そして、一次転写ロール42は中間転写ベルト41を挟んで感光体ドラム31に圧接配置され、さらに一次転写ロール42にはトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性のプラス電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、感光体ドラム31上に形成されたトナー像が中間転写ベルト41に順次、静電吸引され、中間転写ベルト41上には重畳されたトナー像が形成される。
【0019】
さらに、用紙Sの搬送経路に面した中間転写ベルト41の二次転写部T2には、中間転写ベルト41のトナー担持面側(外側)に中間転写ベルト41と接離自在に配設された二次転写ロール50と、中間転写ベルト41の裏面側(内側)に配設されて二次転写ロール50の対向電極をなし給電されるバックアップロール49とが配設されている。バックアップロール49は、導電性の金属ロールに半導電性の弾性体を巻き付けて構成したものであり、例えばその体積抵抗率は106〜108Ωcmに調整されている。
【0020】
一方、二次転写ロール50は、金属ロールの表面をカーボン分散発泡ウレタンで包み、その外側に半導電性の弾性体を巻き付けて構成したものであり、例えばその体積抵抗率は107〜109Ωcmに調整されている。二次転写ロール50は、カラートナー像が形成される場合には、最終色前までのトナー像、すなわちY、M、Cの各色トナー像が二次転写ロール50との対向部を通過するまでは、中間転写ベルト41から離間する位置に退避するようになっている。そして、最終色を含めたトナー像、すなわちY、M、CにKを重ねた各色トナー像が一次転写され、二次転写部T2に搬送されるのとタイミングを合わせて、二次転写ロール50は中間転写ベルト41に当接するように構成されている。二次転写時には、二次転写ロール50は中間転写ベルト41を挟んでバックアップロール49に圧接され、さらに二次転写ロール50は接地されてバックアップロール49との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部T2に搬送される用紙S上にトナー像を二次転写する。
【0021】
また、中間転写ベルト41における二次転写部T2の下流側には、中間転写ベルト41を挟んでアイドラロール48aと対向する位置にベルトクリーナ60が配設されている。このベルトクリーナ60は、中間転写ベルト41に対して接離自在に配置されており、カラートナー像が形成される場合には、最終色前までのトナー像、すなわちY、M、Cの各色トナー像がベルトクリーナ60との対向部を通過するまでは、中間転写ベルト41から離間する位置に退避するようになっている。そして、Y、M、Cの各色トナー像がベルトクリーナ60との対向部を通過した後、ベルトクリーナ60は中間転写ベルト41に当接するように構成され、最終色を含めたトナー像、すなわちY、M、CにKを重ねた各色トナー像が二次転写部T2において二次転写された後の転写残トナーを除去する。
【0022】
さらにまた、中間転写ベルト41の表面には位置検出用のマークMKが形成されており、ベルトクリーナ60の下流側にはこのマークMKを検出するベルト位置検知センサSNが取り付けられている。この画像形成装置では、ベルト位置検知センサSNから出力される精度の高い中間転写ベルト41の位置検出信号に基づいて、制御部100により感光体ドラム31に対する潜像書込タイミングの制御が行われる。
【0023】
さらに、用紙搬送系として、用紙Sが載置される用紙トレイ71と、用紙トレイ71に載置された用紙Sを取り出すピックアップロール72と、ピックアップロール72にて繰り出された用紙Sを搬送する搬送ロール73と、用紙Sを一時的にせき止めてタイミングあわせをするレジストロール74と、二次転写部T2に用紙Sを案内する搬送シュート75と、二次転写後の用紙Sを案内するガイド76および用紙搬送ベルト77とを有している。また、用紙搬送ベルト77の用紙搬送方向下流側には、定着ロールと加圧ロールとで構成され、用紙Sに転写されたトナーを加熱および加圧して定着する定着器80が設けられている。そして、定着器80の用紙搬送方向下流側には、外部に排出された用紙Sを堆積させる排紙トレイ90が設けられている。
【0024】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置による画像形成動作について説明する。図示しないユーザインターフェースのコピースタートキーがオンに操作されると、所定の作像プロセスが実行される。まず、プラテンガラス12に置かれた原稿が原稿照明ユニット13の光源により照射される。原稿から反射した原稿反射光は、原稿照明ユニット13の第1の反射ミラー15およびミラーユニット16の第2の反射ミラー17および第3の反射ミラー18で反射し、結像レンズ19を通って撮像部CCDによりR、G、Bのアナログ信号として読み取られる。撮像部CCDの読取画像信号は画像処理部IPSに入力される。そして、画像処理部IPSから出力された書込用画像データに応じて、レーザ駆動信号出力装置24がレーザ駆動信号を送出し、光走査装置ROSからレーザビームLが感光体ドラム31に照射される。
【0025】
感光体ドラム31は矢印A方向に回転駆動され、その表面が帯電器32によって−400〜−700Vに帯電される。その後感光体ドラム31表面に光走査装置ROSからレーザビームLが照射されることによって潜像が書き込まれる。このとき、感光体ドラム31に書き込まれた静電潜像がイエロー(Y)の画像情報に対応したものであれば、この静電潜像はYのトナーが収容されるYの現像器33Yで現像され、感光体ドラム31にはYのトナー像が形成される。そして、感光体ドラム31上に形成されたトナー像は、感光体ドラム31と中間転写ベルト41とが対向する一次転写部T1で一次転写ロール42に印加される一次転写バイアスによって中間転写ベルト41上に転写される。
【0026】
単色画像(例えば白黒画像)を形成する場合は、中間転写ベルト41に一次転写されたトナー像を直ちに用紙Sに二次転写するが、複数色のトナー像からなるカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム31上でのトナー像の形成並びにこのトナー像の一次転写の工程が色数分だけ繰り返される。例えば、4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム31上には順次イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および黒(K)のトナー像が形成され、これらトナー像は順次中間転写ベルト41上に一次転写されていく。一方の中間転写ベルト41では、感光体ドラム31と同一の周速で回動しながら、その一回転毎にY、M、CおよびKのトナー像が中間転写ベルト41上の所定の位置に位置合わせされて順次重ねられる。
【0027】
このようにして中間転写ベルト41上に一次転写されたトナー像は、中間転写ベルト41の回動に伴って二次転写部T2へと搬送される。一方、用紙Sはピックアップロール72により用紙トレイ71から取り出され、搬送ロール73によって一枚ずつに搬送された後レジストロール74の位置まで搬送される。その後、用紙Sは中間転写ベルト41上のトナー像が二次転写部T2に到達するタイミングに合わせるように二次転写部T2へと供給され、中間転写ベルト41を介してバックアップロール49と二次転写ロール50との間に用紙Sが挟持される。その際に、二次転写部T2では、バックアップロール49に印加される二次転写バイアスにより二次転写ロール50とバックアップロール49との間に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト41上に担持されたトナー像が用紙Sに二次転写(一括転写)される。その後、トナー像が転写された用紙Sは、ガイド76および用紙搬送ベルト77によって定着器80へと搬送されて用紙S上のトナー像を加熱および加圧して定着した後、排紙トレイ90に排出される。また、二次転写後に中間転写ベルト41に付着したトナー(転写残トナー)は、ベルトクリーナ60によって除去される。
【0028】
一方、一次転写部T1を通過した後の感光体ドラム31においては、一次転写において感光体ドラム31にはプラスの一次転写バイアスが印加されたことから、感光体ドラム31の表面はプラス電位に帯電されている。そこで、帯電器32による次のサイクルにおける帯電電位を安定させるため、一次転写後帯電器35によりマイナス帯電を行って、感光体ドラム31の表面電位を0電位乃至マイナス電位に反転させる。
一次転写後帯電器35を通過した後、ドラムクリーナ34は感光体ドラム31上に残留したトナー (転写残トナー)を除去する。ドラムクリーナ34によるクリーニング後には、帯電器32による帯電前に除電ランプ36による光照射を行って、感光体ドラム31の表面電位を略0Vに除電する。これによって、帯電器32による次のサイクルにおける帯電電位は所定の電位に安定して帯電させることができる。
【0029】
次に、画像形成装置内の排気について説明する。
図1に示すように、本実施の形態の画像形成装置では、帯電器32とロータリー現像器33との間に配置された第1ダクト201、一次転写後帯電器35の背後に配置された第2ダクト202、用紙搬送ベルト77の内部に配置された第3ダクト203を用いて、画像形成装置内のエアーを排気している。
第1ダクト201は、帯電器32から発生するオゾンとロータリー現像器33から飛散するトナークラウドとを含んだ感光体ドラム31周辺のエアーを吸引する。また、第2ダクト202は一次転写後帯電器35から発生するオゾンを含んだ感光体ドラム31周辺のエアーを吸引する。さらに、第3ダクト203は用紙搬送ベルト77に用紙Sを吸着するために、用紙搬送ベルト77内部のエアーを吸引する。
【0030】
ここで、図2は第1ダクト201と第2ダクト202の配置を説明する斜視図である。図2は画像形成装置を前方斜め上方から眺めた図である。図2に示すように、第1ダクト201と第2ダクト202とは、帯電器32やロータリー現像器33(図1参照)、さらには一次転写後帯電器35の設置方向と平行に配設され、感光体ドラム31の長手方向全体に亘って周辺のエアーを吸引している。図2には図示していないが、第3ダクト203も同様に用紙搬送ベルト77(図1参照)の幅方向全体に亘って用紙搬送ベルト77内部のエアーを吸引するように配設されている。
【0031】
図3は、本実施の形態の画像形成装置の背面部におけるダクトの構成を説明する斜視図である。図3は画像形成装置を後方斜め上方から眺めた図である。図3に示すように、第1ダクト201と第2ダクト202とは合流ダクト211に連結されている。合流ダクト211はフィルタ装置220の入口部に連結されている。また、第3ダクト203も合流ダクト211とは並列にフィルタ装置220の入口部に連結されている。
フィルタ装置220の出口部は排出ダクト212に連結され、排出ダクト212にはシロッコファンやクロスフローファン等で構成される送風装置213が設置されている。送風装置213は、第1ダクト201と第2ダクト202、さらには第3ダクト203からエアーを吸引し、フィルタ装置220を通過させた後、排出ダクト212の排出口214からエアーを機外に排気する。
【0032】
次に、合流ダクト211や第3ダクト203からのエアーを浄化するフィルタ装置220について述べる。
図4は、フィルタ装置220の構造を説明する断面図である。フィルタ装置220は、合流ダクト211からのエアーが流入する第1フィルタ部220aと第3ダクト203からのエアーが流入する第2フィルタ部220bとが一体的に構成されており、第1フィルタ部220aと第2フィルタ部220bとは隔壁220cによって隔絶されている。そしてフィルタ装置220は、合流ダクト211および第3ダクト203と、排出ダクト212との間に設置したガイド225(図3も併せて参照)に対してスライド自在に構成され、着脱が可能に構成されている。
第1フィルタ部220aには、入口側から順に、主にトナー粒子を除去する粉塵濾過手段の一例としての粉塵フィルタ221と、主にオゾンを除去する触媒型オゾン除去手段の一例としての触媒型オゾンフィルタ222と、主に臭いを除去する脱臭手段の一例としての活性炭フィルタ223とが直列に配設されている。一方、第2フィルタ部220bには主に紙粉を除去する粉塵フィルタ224が配設されている。
【0033】
第1フィルタ部220aと第2フィルタ部220bとに配設されている粉塵フィルタ221、224は、例えばポリオレフィン系、ポリエステル系の合成繊維またはガラス繊維等の不織布から成り、ジグザグに折り畳んだ蛇腹状に形成されている。粉塵フィルタ221、224では、計数法(DOP法)による0.8μmの微細な粉塵の捕集率が80%以上、好ましくは90%を実現することが可能なように構成している。また粉塵フィルタ221、224として、計数法(DOP法)による0.3μmの微細な粉塵の捕集率が99%以上である高性能フィルタである、HEPAフィルタ(High Efficiency Particle Air Filter)を用いることもできる。
【0034】
第1フィルタ部220aの粉塵フィルタ221の下流側に配置される触媒型オゾンフィルタ222は、例えば板厚20mm、開口部60mm×120mmのハニカム状で、MnO2を触媒成分とするセラミック触媒である。第1ダクト201と第2ダクト202から吸引されたエアーに含まれるオゾンは、この触媒型オゾンフィルタ222と接する際に、O2に分解される。ここで触媒成分としては、本実施の形態では、ポーラス状で表面積比が大きく、比較的オゾン分解性能の高いMnO2を用いているが、MnO2に代えてNiO、Fe23、TiO2、ZnOなどの金属酸化物を用いることもできる。なお、触媒型オゾンフィルタでは、少なくとも触媒型オゾンフィルタの表面に金属酸化物が塗布されていればよいが、全体をMnO2等の金属酸化物で構成してもよい。
ところで、オゾンを分解する性能は、触媒型オゾンフィルタ222とエアーとの接触の機会が多く、かつ時間が長いほど高くなるため、触媒型オゾンフィルタ222のセルは小さく、かつセル数が多いほど分解反応が増加する。その反面、セル数を多くすることは、送風装置213による吸引流量を低下させることになる。したがって、触媒型オゾンフィルタ222のセル数は、装置内のエアーを滞留させることなくスムーズに排気させると共に、オゾンを効率よく分解処理するという観点から、1平方インチ当たり100〜300セルに形成するのが好ましい。
また、触媒成分のオゾン分解性能を向上させるため、触媒型オゾンフィルタ222にヒータ等の加熱手段を設置することもできる。例えば、MnO2では40〜50℃、TiO2では120〜150℃に加熱することで比較的高濃度のオゾンに対する分解除去性能を確保することができる。
【0035】
本実施の形態では、第1フィルタ部220aの触媒型オゾンフィルタ222の下流側に脱臭手段の一例としての活性炭フィルタ223を配置している。活性炭フィルタ223は、例えば厚さ20mm、面積60mm×120mmで形成され、2つの合成繊維不織布層とこの合成繊維不織布層の間に挟まれるように充填された活性炭層とから構成されている。合成繊維不織布としては、例えば厚さ2〜5mmのポリエステル、レーヨン、ポリプロピレン等からなる不織布を用いることができる。また活性炭としては、平均粒径が例えば1〜5mmの粒子状のものを用いることができる。さらに、粒子状の活性炭の他に、繊維状の活性炭を用いることもできる。さらに、コルゲート状の基材に活性炭成分を塗布したフィルタを用いることもできる。また、活性炭層の厚さとしては、3〜20mmに構成することができる。
【0036】
このように、触媒型オゾンフィルタ222の下流側に活性炭フィルタ223を配置することで、触媒型オゾンフィルタ222に蓄積された臭い成分が機外に放出されることを抑制することができる。すなわち、触媒型オゾンフィルタ222はオゾンを分解する性能に優れ、長期に亘ってその性能を維持することができるが、同時に雰囲気中から臭い成分、例えばタバコや化粧品等に含まれる化学物質や低級脂肪酸等を吸着し、さらにこれを放出する性質を有する。そのために、触媒型オゾンフィルタ222から直接エアーを機外に放出するように構成すると、画像形成装置の画像形成動作中に触媒型オゾンフィルタ222に溜め込まれた臭い成分が、しばらくの動作停止後の次の画像形成動作時に周辺環境に一気に放出されて異臭となり、ユーザに不快感を生じさせる場合が生じる。
そのため、触媒型オゾンフィルタ222の下流側に活性炭フィルタ223を配置し、触媒型オゾンフィルタ222に蓄積された臭い成分を活性炭フィルタ223に吸着させて機外に放出されることを抑制するように構成したものである。その結果、触媒型オゾンフィルタ222による長期に亘る優れたオゾン分解性能を活用できると共に、触媒型オゾンフィルタ222に蓄積された臭い成分が機外に排出されるのが抑制されるので、ユーザは長期に亘って不快感を感じることがない。
【0037】
また、上述したように、触媒型オゾンフィルタ222にヒータ等の加熱手段を設置して加熱することにより、触媒成分のオゾン分解性能を向上させることができるが、触媒型オゾンフィルタ222を加熱すると触媒型オゾンフィルタ222に溜め込まれた臭い成分の放出量も増加して臭いも強くなる。これに対し、本実施の形態では触媒型オゾンフィルタ222の下流側に活性炭フィルタ223を配置した構成としたことから、これらの臭い成分も活性炭フィルタ223に吸着させて機外に放出されることを抑制することができるので、異臭による不快感を生じさせることなく、オゾンの分解性能も向上させることができる。
【0038】
ここで活性炭フィルタ223の配置位置としては、触媒型オゾンフィルタ222との間隔dを5〜20mmだけ離して配置するのが好ましい。触媒型オゾンフィルタ222との間隔dを5mm以下に配置すると、活性炭フィルタ223と触媒型オゾンフィルタ222との間の空間で気圧が高くなりすぎて、フィルタ装置220を通過するエアーの流れが滞り、フィルタ装置220本来の機能である感光体ドラム31周辺からオゾンとトナークラウドとを除去する能力が低下するからである。一方、触媒型オゾンフィルタ222との間隔dを20mm以上に配置すると、活性炭フィルタ223と触媒型オゾンフィルタ222との間の空間でエアーの滞留が殆ど生じず、触媒型オゾンフィルタ222においてエアーの通過時間が短くなってオゾン分解効率を低下させ、活性炭フィルタ223においてエアーの通過時間が短くなって臭い成分の吸着効率を低下させるからである。
【0039】
ところで、本実施の形態のフィルタ装置220では、触媒型オゾンフィルタ222と活性炭フィルタ223とは第1フィルタ部220aのみに配設され、第2フィルタ部220bには粉塵フィルタ224のみが配設されている。これは第1フィルタ部220aには、帯電器32から発生するオゾンとロータリー現像器33から飛散するトナークラウドとを含んだ感光体ドラム31周辺のエアーを吸引する第1ダクト201と、一次転写後帯電器35から発生するオゾンを含んだ感光体ドラム31周辺のエアーを吸引する第2ダクト202からのエアーが流入するため、粉塵フィルタ221に加えて触媒型オゾンフィルタ222と、上述したように触媒型オゾンフィルタ222からの臭い成分を除去する活性炭フィルタ223とを配設する必要があるが、第2フィルタ部220bでは用紙搬送ベルト77が搬送する用紙Sの紙粉を含んだ用紙搬送ベルト77周辺のエアーを吸引する第3ダクト203からのエアーのみを吸引するため、少なくともオゾンは殆ど含まれず、粉塵フィルタ221だけで充分だからである。
【0040】
このように本実施の形態では、触媒型オゾンフィルタ222の下流側に活性炭フィルタ223を配置することにより、触媒型オゾンフィルタ222に吸着された雰囲気中からの臭い成分、例えばタバコや化粧品等に含まれる化学物質や低級脂肪酸等が触媒型オゾンフィルタ222から放出された際に、放出された臭い成分を活性炭フィルタ223によって吸着することができる。そのため、画像形成装置の画像形成動作中に触媒型オゾンフィルタ222に溜め込まれた臭い成分が、しばらくの動作停止後の次の画像形成動作時に周辺環境に一気に放出される際に活性炭フィルタ223によって吸着される。その結果、触媒型オゾンフィルタ222による長期に亘る優れたオゾン分解性能を活用できると共に、触媒型オゾンフィルタ222に溜め込まれた臭い成分が異臭となってユーザに不快感を生じさせることを抑制することができる。
【0041】
なお、本実施の形態では、触媒型オゾンフィルタ222の下流側に配置する脱臭手段の一例として活性炭フィルタ223を用いたが、臭いを除去する機能を有するものであれば如何なるものでも用いることができる。例えば、特殊ジェルとの化学反応によって臭い分子を吸着して無臭化するグラフト重合法を用いたものや、繊維、不織布、活性炭、シリカゲル等に担持加工したリン酸エステルと銅化合物による化学反応型消臭剤、さらには光を照射することで励起して炭化水素を分解するTiO2等を用いた光触媒型フィルタを用いることもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、オゾンの排出を長期に亘って抑制すると共に、異臭の排出をも抑制することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。
【図2】 第1ダクトと第2ダクトの配置を説明する斜視図である。
【図3】 本実施の形態の画像形成装置の背面部におけるダクトの構成を説明する斜視図である。
【図4】 フィルタ装置の構造を説明する断面図である。
【符号の説明】
1…画像読取部、2…画像形成部、31…感光体ドラム、32…帯電器、33…ロータリー現像器、35…一次転写後帯電器、41…中間転写ベルト、42…一次転写ロール、49…バックアップロール、50…二次転写ロール、201…第1ダクト、202…第2ダクト、203…第3ダクト、211…合流ダクト、212…排出ダクト、213…送風装置、214…排出口、220…フィルタ装置、220a…第1フィルタ部、220b…第2フィルタ部、220c…隔壁、221,224…粉塵フィルタ、222…触媒型オゾンフィルタ、223…活性炭フィルタ、225…ガイド

Claims (8)

  1. オゾンを除去する触媒型オゾン除去手段と、
    前記触媒型オゾン除去手段とは5〜20mm離れて配置され、当該触媒型オゾン除去手段を通過した空気を脱臭する脱臭手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記触媒型オゾン除去手段は、静電潜像が形成される潜像担持体の周囲から排気された空気に含まれるオゾンを除去することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記触媒型オゾン除去手段は、加熱手段が配設されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記触媒型オゾン除去手段の上流側に粉塵濾過手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 静電潜像が形成される潜像担持体と、
    前記潜像担持体の周囲の空気を外部に排気する排気ダクトと、
    前記排気ダクトから排気される前記空気に含まれるオゾンを分解する触媒型オゾンフィルタと、
    前記触媒型オゾンフィルタとは5〜20mm離れて配置され、当該触媒型オゾンフィルタを通過した空気を脱臭する脱臭フィルタと
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記触媒型オゾンフィルタの上流側に前記空気に含まれる粉塵を濾過する粉塵フィルタをさらに備えたことを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  7. オゾンを分解する触媒型オゾンフィルタと、
    前記触媒型オゾンフィルタとは5〜20mm離れて配置され、当該触媒型オゾンフィルタを通過した空気を脱臭する脱臭フィルタと
    を備えたことを特徴とするフィルタ装置。
  8. 前記触媒型オゾンフィルタの上流側に粉塵フィルタをさらに備えたことを特徴とする請求項記載のフィルタ装置。
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