JP2020027138A - 微粒子の捕集装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この発明(A3)の微粒子の捕集装置は、上記発明A2の捕集装置において、前記通気管は、前記回転体よりも気流の上流側の位置に前記流路空間が相対的に狭められた狭小部分を有しているものである。
この発明(A4)の微粒子の捕集装置は、上記発明A2の捕集装置において、前記回転体は、回転軸に羽根が設けられた羽根車であり、前記羽根に前記捕集手段が設けられているものである。
この発明(A5)の微粒子の捕集装置は、上記発明A1からA4のいずれかの捕集装置において、前記通気管の流路空間内に気流を発生させる回転する羽根を有した送風手段を備え、前記回転体は、前記通気管の流路空間内のうち前記送風手段よりも気流の上流側の位置に配置されているものである。
この発明(A7)の微粒子の捕集装置は、上記発明A6の捕集装置において、前記回転体は、回転軸に羽根が設けられた羽根車であり、前記羽根に前記捕集手段が設けられているものである。
この発明(A8)の微粒子の捕集装置は、上記発明A6の捕集装置において、前記通気管の流路空間内に気流を発生させる回転する羽根を有した送風手段を備え、前記回転体は、前記駆動手段により前記送風手段の回転数よりも少ない回転数で回転させられるものである。
この発明(A9)の微粒子の捕集装置は、上記発明A6からA8のいずれかの捕集装置において、前記回転体は、前記駆動手段により一方向への回転とその反対方向への回転とを組み合わせて回転させられるものである。
この発明(A10)の微粒子の捕集装置は、上記発明A6の捕集装置において、前記回転体は、前記通気管の流路空間内に気流を発生させる回転する羽根を有した送風手段であり、前記送風手段の羽根に前記捕集手段が設けられているものである。
この発明(A11)の微粒子の捕集装置は、上記発明A10の捕集装置において、前記送風手段からなる回転体は、相対的に少ない回転数で回転する時期を有しているものである。
この発明(B2)の画像形成装置は、上記発明B1の画像形成装置において、未定着像を保持する記録媒体を通過させて未定着像を定着させる定着手段を備え、
前記捕集装置は、前記通気管の流路空間内に気流を発生させる回転する羽根を有した送風手段を備え、前記通気管の一端が前記定着手段に接続されており、前記回転体が駆動手段の動力を受けて回転するよう構成されており、かつ、前記回転体は、前記記録媒体が前記定着手段を通過するごとに前記駆動手段により互いに異なる方向に切り替えるように回転させられるものである。
この発明(B3)の画像形成装置は、上記発明B1の画像形成装置において、未定着像を保持する記録媒体を通過させて未定着像を定着させる定着手段を備え、
前記捕集装置は、前記通気管の流路空間内に気流を発生させる回転する羽根を有した送風手段を備え、前記通気管の一端が前記定着手段に接続されており、前記回転体が前記羽根の表面に前記捕集手段を設けた送風手段で構成されており、かつ、前記送風手段からなる回転体は、前記定着手段において微粒子が発生しやすい時期に相対的に少ない回転数で回転させられる時期を有するものである。
上記発明A2の捕集装置によれば、回転体を駆動手段の動力により回転させる場合に比べて、捕集装置を安価に提供できる。
上記発明A3の捕集装置によれば、通気管が回転体よりも気流の上流側の位置に狭小部分を有していない場合に比べて、回転体を効率よく回転させて捕集手段の微粒子との接触頻度を高めることができる。
上記発明A4の捕集装置によれば、回転体が羽根車でない場合に比べて、微粒子の捕集手段との接触する機会を増やすことができる。
上記発明A5の捕集装置によれば、回転体が送風手段よりも気流の下流側の位置に配置されている場合に比べて、微粒子を整流の気流に乗せて回転体まで片寄りが少なく運んで捕集手段に接触させることができる。
上記発明A7の捕集装置によれば、回転体が羽根車でない場合に比べて、微粒子の捕集手段との接触する機会を増やすことができる。
上記発明A8の捕集装置によれば、回転体を送風手段の回転数と同等以上の回転数で回転させる場合に比べて、微粒子を効率よく捕集することができる。
上記発明A9の捕集装置によれば、回転体を一方向のみに回転させる場合に比べて、微粒子を効率よく長期にわたり捕集することができる。
上記発明A10の捕集装置によれば、回転体が送風手段とは別体である場合に比べて、構成部品を減らすことができる。
上記発明A11の捕集装置によれば、回転体が相対的に少ない回転数で回転する時期を有していない場合に比べて、相対的に少ない回転数で回転する時期に微粒子を効率よく捕集することができる。
上記発明B2の画像形成装置によれば、定着手段における記録媒体の通過にかかわらず回転体を一方向のみに回転させる場合に比べて、定着手段において発生する微粒子を効率よく長期にわたり捕集することができる。
上記発明B3の画像形成装置によれば、定着手段において微粒子が発生しやすい時期に回転体を相対的に少ない回転数で回転させる時期を有しない場合に比べて、定着手段において発生する微粒子を効率よく長期にわたり捕集することができる。
図1から図3は、この発明の実施の形態1を示すものである。図1は実施の形態1に係る画像形成装置1の全体の構成を示し、図2は画像形成装置1における定着手段の一部と実施の形態1に係る微粒子の捕集装置の構成を示し、図3は図2の捕集装置の詳細な構成を示している。
各図面中に符号X,Y,Zで示す矢印は、各図面において想定した3次元空間の幅、高さおよび奥行の各方向を示す。また図1においてX,Yの方向の矢印が交わる部分の丸印は、Zの方向が図面の垂直下方に向いていることを示している。
画像形成装置1は、画像を電子写真方式により記録媒体の一例である用紙9に形成する装置である。実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えば、情報端末機等の外部機器から取得される画像情報に対応する画像の形成を行うプリンタとして構成されている。画像情報は、文字、図形、模様、写真等の画像を構成する情報である。
また、筐体10の外部には、操作手段13が配置されている。操作手段13は、例えば各種の情報を表示する表示部や、選択操作、入力作業を行う入力部等を備えている。さらに、筐体10の内部には、制御手段14が配置されている。制御手段14は、画像形成装置1における各種の動作を総合的に制御する機能を有する手段である。この制御手段14は、例えば、演算処理回路、記憶手段、入出力手段、これらを制御する制御部等で構成されている。
露光装置23は、感光ドラム21の帯電後の外周面に画像情報から生成される光を照射して各色成分の静電潜像を形成する装置である。この露光装置23は、外部から入力される画像情報が図示しない画像処理手段等で所要の画像処理がなされた後の画像信号を受けて作動する。
転写装置25は、感光ドラム21に形成されたトナー像を用紙9に転写させる装置である。この転写装置25は、例えば感光ドラム21の外周面に接触するとともに転写電流が供給されるロール等の転写部材を備えて構成されている。
清掃装置26は、感光ドラム21の外周面に付着しているトナー等の不要物を除去して清掃する装置である。
定着手段5では、加熱用回転体52と加圧用回転体53が接触する部位を、トナー像が転写された用紙9を通過させて加熱、加圧等の定着処理を行う定着処理部(定着ニップ部)FNとしている。
さらに、定着手段5と排出収容部11の間には、定着終了後の用紙9を排出収容部11に排出させるよう搬送する排出搬送路Rt2が設けられている。排出搬送路Rt2は、筐体10の排出収容部11の一部を構成する壁面に形成された排紙口12の手前において用紙9を挟持して搬送する一対の排出ロール46や、用紙9の搬送空間を確保して用紙9の搬送を案内する図示しない案内部材等を配置して構成されている。
上記微粒子の捕集装置6は、画像形成装置1における定着手段5から発生する微粒子を捕集する装置である。
この捕集装置6により捕集する微粒子は、例えば、トナーに含まれるワックス等の成分が定着処理時の加熱により揮発した後に冷却されて生成される、粒径が1μm以下の微粒子(粉じん)が対象である。また、このときの微粒子は、望ましくは、粒径が0.1μm以下又は未満のいわゆる超微粒子(UFP:Ultra Fine Particle)を含む微粒子になる。
実施の形態1における通気管61は、図2や図3に示されるように、断面が矩形状からなりかつ一方向に連続して延びる形状からなる流路空間60が設けられた管材である。また、通気管61は、その一端部61aが定着手段5における筐体51の一部(例えば筐体51の奥側の端部)に接続され、その他端部61bが画像形成装置1における筐体10の奥側の内壁部に設けられた排気口15(図2)に接続された状態で配置されている。図2等における符号16は、排気口15に設けられて排気口15における通風の状態を調節するルーバーを示す。また、図2等における符号55は、筐体51内に設けられる支持板、隔壁等の内部構造部を示す。
実施の形態1における回転体63は、図3に示されるように、回転軸631とその回転軸631の外周に設けられる円柱状又は円筒状のロール本体632とからなるロール63Aにて構成されている。
このロール63Aは、その回転軸631が通気管61の流路空間60を横断して、その回転軸の両端部631a,631bが通気管61の側壁部に軸受633を介して回転可能になるよう配置される。また、ロール63Aは、図3(C)に示されるように、そのロール本体632(捕集手段62を含む)が流路空間60の横断面をほぼ遮断する状態になるよう配置される。
実施の形態1では、捕集手段62を、回転体63のロール63Aにおけるロール本体632の外周面の全域に設けている。
また、実施の形態1では、捕集手段62として、空気中に含まれる微粒子を捕集することができる性能、さらには超微粒子をも捕集することができる性能を備えたものが適用される。具体的には、捕集手段62として、ポリエステル等の材質からなる不織布等の素材を適用している。
また、捕集手段62は、回転体63の回転の支障にならない厚さや重さのものを選定したり又は設定したものとし、例えば接着剤等の固定手段により固定した状態で取り付けられる。
この送風手段64は、定着手段5およびその周辺部に発生する微粒子を空気と共に通気管61の一端部61aから流路空間60内に流入させて回転体63における捕集手段62に接触させる気流を発生させることができる性能を有する送風手段であることが好ましい。
また、送風手段64は、通気管61の流路空間60内のうち回転体63よりも気流の下流側の位置に存在するよう配置される。
さらに、送風手段64は、画像形成装置1の少なくともプリント動作等の動作に連動して作動する。このときの送風手段64の動作は、例えば、画像形成装置1の制御手段14により制御される。なお、このときの送風手段64の回転は、定着手段5の筐体51内における冷却等を行うために必要な回転数や駆動時間の条件下で行われる。
送風手段64としての軸流ファンは、例えば、図3や図11(C)等に示されるように、断面円形の貫通部643aが形成された枠部643と、枠部643の貫通部643aに存在して回転可能に支持されるとともに駆動モータ645が内蔵された軸部641と、軸部641の周囲に林立するよう設けられ、枠部643の貫通部643a内に収まる程度の大きさおよび形状からなる複数枚の羽根部642とで構成されている。
また、このときのロール63Aは、図3に示されるように、外周面に捕集手段62を設けたロール本体632が、通気管61の流路空間60を構成する内壁面とわずかな隙間S1,S2,S3,S4をあけた状態で配置されている。
この隙間S1,S2,S3,S4については、例えば、隙間S3,S4が微粒子を含む空気の捕集手段62との接触なしの素通りを減らす等の観点からロール63Aの回転を損なわない程度に限りなく小さい値に設定され、隙間S1,S2が送風手段64の回転負荷の増大を回避する等の観点から隙間S3,S4よりも少し大きい程度の値に設定される。
また、捕集手段62については、ロール63Aの回転に支障にならなければ、隙間S3,S4を通過する気流に含まれる微粒子の捕集を可能にする等の観点から、ロール63Aにおけるロール本体632の側面部に存在するように設けてもよい。
この遮断構造部61Mは、流路空間60の下部側に通気部を形成するよう、通気管61の上面部61dから下面部61cにむけて途中まで延びる板状の部材や突起成形部にて形成されている。遮断構造部61Mの断面形状や寸法については、ロール63Aの回転を促進する気流を形成する等の観点から、必要に応じて種々変更することが可能である。
また、実施の形態1における狭小部分60Cは、図3(A)に示されるように、通気管61における流路空間60の高さHよりも相対的に低い高さ寸法H1(下面部61cからの高さ)からなる通気部として構成されており、しかも、ロール63Aから気流の上流側に所要の距離L2だけ離した位置に存在するよう配置されている。
以上の構成からなる微粒子の捕集装置6Aは、例えば、以下のように作動する。
これにより、捕集装置6Aでは、図4に示されるように、送風手段64の送風作用を受けて、定着手段5で発生する微粒子を含む空気が図中の矢印E1a,E1bで例示されるように筐体51から通気管61の一端部61aを通して流路空間60内に移動するように流入する。このとき流路空間60内に流入する空気(E1a,E1b)が送風手段64にむけて移動する気流となる。
これにより、ロール63Aは、図4に示されるように、流路空間60の下部側を流れる気流(E2)によって押されるような作用を受け、回転軸631を中心にして矢印Aで示す方向に回転する。
これにより、その空気(E2)に含まれる微粒子は、捕集手段62に接触して捕集される。
ちなみに、このときロール63Aに接触した空気(E2)は、気流で回転するロール63Aの外周面の移動に伴って一時的に保持されるように運ばれる状態になり、この結果、そのロール63Aの外周面にある捕集手段62と通気管61の下面部61cとの間の隙間S1をすり抜けるように通過する。
この際、排気口15から排出される空気(E4)は、微粒子が捕集手段62との接触により捕集されるので、微粒子のない浄化された空気になる。
したがって、この捕集装置6Aによれば、例えば捕集手段を通気管61の流路空間60内にその流路を塞ぐような状態で固定して配置する構成の捕集装置に比べると、圧力損失が低減されたうえで、気流の空気に含まれている定着手段で発生した微粒子がその気流で回転するロール63Aに設けられた捕集手段62により捕集される。
このため、この捕集装置6Aによれば、捕集手段62が動くにもかかわらず、気流の空気に含まれる微粒子が捕集手段62と接触するときの速度(接触速度)が相対的に遅くなった状態で接触し、その微粒子が捕集手段62によって捕集されやすくなる。
この微粒子が捕集手段62と接触するときの接触速度が遅くなると微粒子が捕集されやすくなる点は、後述する実施の形態3で行った試験1の結果(図13(A))からも見ても明らかである。
このため、この捕集装置6Aによれば、その狭小部分60Cを有しない通気管を適用した場合に比べて、ロール63Aが狭小部分60Cを通過させた気流により効率よく回転させられ、しかも、そのロール63Aの外周面に設けられた捕集手段62の微粒子との接触頻度が高められる。
実施の形態1に係る捕集装置6Aは、図5(A)に示されるように、送風手段64の配置を省略して構成することも可能である。
この変形例1の捕集装置6A1は、送風手段64を設ける捕集装置の場合に比べて、より安価に提供される。
この変形例2の捕集装置6A2は、図5(B)に矢印E2cで例示されるように狭小部分60Cの通気部を通過した気流の空気がロール63Aの回転軸631とロール本体632の最下端より少し上方の位置までの部分に接触するよう流れるので、その空気に含まれる微粒子が捕集手段62に接触せずに隙間S1を単に通過することが抑制され、捕集手段62に確実に接触するようになる。
この外周面が凹凸面からなるロール63Aを適用する場合は、その凹凸面に設けられる捕集手段62もその表面が凹凸面になる。
このように表面が凹凸面からなる捕集手段62が設けられたロール63Aを適用した捕集装置6Aにあっては、ロール63Aが捕集気流の作用を受けて回転しやすくなり、しかも、捕集手段62の気流との接触面積が増えて気流に含まれる微粒子が捕集されやすくなる。
図6は、実施の形態2に係る微粒子の捕集装置6Bを示している。
このため、捕集装置6Bにおいては、捕集装置6Aと同じ構成の部分に対して同じ符号を付し、これ以降において必要な場合以外はその同じ構成の部分の説明を省略する。
実施の形態2では、8枚の羽根634を設けているが、羽根車63Bが気流の作用を受けて回転することが可能であれば、その数については特に限定されない。また、複数の羽根634については、回転軸631を挟んで対向する2枚の羽根634で流路空間60内を一時的に遮断する状態を形成して気流が捕集手段62に接触せずにすり抜けることを抑制する等の観点から、回転軸631の中心に対して点対称となるように配置するとよい。
この羽根車63Bは、上記ロール63Aの場合と同様に、その回転軸631が通気管61の流路空間60を横断して、その回転軸の両端部631a,631bが通気管61の側壁部に軸受633を介して回転可能になるよう配置される。
また、この羽根車63Bは、図6(C)に示されるように、その羽根634(捕集手段62を含む)が少なくとも回転軸631を挟んでその上下の位置に存在して流路空間60の横断面をほぼ遮断する状態になるよう配置される。
このときの捕集手段62は、羽根車63Bの回転に支障にならなければ、隙間S3,S4を通過する気流に含まれる微粒子の捕集を可能にする等の観点から、羽根634の左右側端の端面に存在するように設けてもよい。
この羽根車63Bの羽根634に設ける場合の捕集手段62は、実施の形態1におけるロール63Aの外周面に捕集手段62を設ける場合に比べて、表面積が広くなり、微粒子との接触面積が増加して捕集量の増加が図れる。
この捕集装置6Bは、捕集装置6Aと同様に、画像形成装置1のプリント動作等の動作に連動して送風手段64が作動すると、その送風手段64の動作に連動して作動する。
これにより、捕集装置6Bにおいても、図7(B)に示されるように、送風手段64の送風作用を受けて、定着手段5で発生する微粒子を含む空気(図4)が矢印E1a,E1bで例示されるように通気管61の一端部61aを通して流路空間60内に移動するように流入する。このとき流路空間60内に流入した空気(E1a,E1b)が送風手段64にむけて流れる気流となる。
これにより、羽根車63Bは、図7(B)に示されるように、流路空間60の下部側を流れる気流によって押されるような作用を受け、回転軸631を中心にして矢印Aで示す方向に回転する。
これにより、その空気(E2)に含まれる微粒子は、捕集手段62に接触して捕集される。
ちなみに、このとき羽根車63Bに接触した空気(E2)は、気流で回転する羽根車63Bにおける複数の羽根634の移動に伴って順送りされるかのように運ばれる状態になり、この結果、羽根車63Bの回転軸631よりも下側の領域に存在するときの羽根634(捕集手段62を含む)又は隣り合う羽根634どうしの間と通気管61の下面部61cとの間における隙間S1をすり抜けるように通過する。
したがって、この捕集装置6Bによれば、例えば捕集手段を通気管61の流路空間60内にその流路を塞ぐような状態で固定して配置する構成の捕集装置に比べると、圧力損失が低減されたうえで、気流の空気に含まれている定着手段5で発生した微粒子がその気流の作用で回転する羽根車63Bに設けられた捕集手段62により捕集される。
このため、この捕集装置6Bによれば、回転体63が羽根車63Bでない場合に比べると、気流の空気に含まれる微粒子が羽根634の表裏面や先端面にある捕集手段62に接触する機会(確率)が増え、その微粒子が捕集手段62により捕集されやすくなる。
またこの際、気流が羽根車63Bの隣り合う羽根634どうしの間の空間で一時的に滞留する状態になるので、気流の空気に含まれる微粒子が捕集手段62と接触するときの接触速度が遅くなり、微粒子の捕集効率が増加する。
実施の形態2に係る捕集装置6Bにおいては、図8(A)に示されるように、捕集手段62を羽根車63Bの羽根634の表裏面の片面に設けるように構成してもよい。
このため、この捕集装置6B1においても、上記捕集装置6Bの場合と同様に、圧力損失が低減されたうえで、その気流の空気に含まれている微粒子が気流で回転する羽根車63Bにおける捕集手段62により捕集される。
またこの際、気流が羽根車63Bの隣り合う羽根634どうしの間の空間で一時的に滞留する状態になるので、気流の空気に含まれる微粒子が捕集手段62と接触するときの接触速度が遅くなり、微粒子の捕集効率が増加する。
この図9に示す変形例2では、4枚の羽根636を設けているが、羽根車63Cが気流の作用を受けて回転することが可能であれば、その数については特に限定されない。また、羽根636については、気流の作用を受けて羽根車63Cが回転しやすくなる等の観点から、気流に対して斜めに交差する状態で配置される平面状の羽根にするか、あるいは気流を受け入れて流すように曲げられた曲面の羽根にするとよい。さらに、複数の羽根636については、隣り合う羽根636どうしの間の空間から気流が捕集手段62に接触せずにすり抜けることを抑制する等の観点から、隣り合う羽根636どうしが回転軸635の端部側から見たときに一部重複するように存在する形状や枚数や配置の仕方を採用するとよい。
また、この捕集装置6B2では、通気管61として、狭小部分60Cを有しない通気管を適用している。通気管61については、必要であれば、狭小部分60Cを有する通気管を適用しても構わない。
このため、この変形例の捕集装置6B2においても、上記捕集装置6B1の場合と同様に、圧力損失が低減されたうえで、その気流の空気に含まれている微粒子が気流で回転する羽根車63Cにおける捕集手段62により捕集される。
この変形例3の捕集装置6B3は、実施の形態2の変形例1,2である捕集装置6B1,6B2を適用して構成することも可能である。
図11は、実施の形態3に係る微粒子の捕集装置6Dを示している。
このため、捕集装置6Dにおいては、捕集装置6Aと同じ構成の部分に対して同じ符号を付し、これ以降において必要な場合以外はその同じ構成の部分の説明を省略する。
送風手段64としての軸流ファンは、実施の形態1において説明したとおり、図11に示されるように、貫通部643aが形成された枠部643と、駆動モータ645が内蔵された軸部641と、複数枚の羽根部642とで構成されている。
この第1駆動制御手段68は、画像形成装置1における制御手段14と同じ構成からなるものであるが、その制御手段14とは独立した制御系統として構成されるか、あるいはその制御手段14の一部の機能として作動するよう構成される。
また、第1駆動制御手段68は、送風手段64の回転動作の開始および終了やその回転数について制御する。第1駆動制御手段68は、制御動作に必要な情報が入力される。その入力情報としては、例えば、プリント動作の開始および終了の情報や送風手段64の動作に関する情報が含まれる。このときの制御内容の詳細については後述する。
この捕集装置6Dは、捕集装置6Aとほぼ同様に、画像形成装置1のプリント動作等の動作に連動して回転体63Dとしての送風手段64が作動する。
これにより、そのときの空気(E5)に含まれている微粒子は、捕集手段62に接触して捕集される。
したがって、この捕集装置6Dによれば、例えば捕集手段を通気管61の流路空間60内にその流路を塞ぐような状態で固定して配置する構成の捕集装置に比べると、圧力損失が低減されたうえで、その気流の空気に含まれている定着手段5で発生した微粒子が駆動手段(645)の動力で回転する回転体63Dに設けられた捕集手段62により捕集される。
また、この捕集装置6Dによれば、回転体63Dとして送風手段64と別体のものを適用する構成の捕集装置に比べると、構成部品が少なくなる(減る)。
次に、実施の形態3に係る捕集装置6Dを用いて行った試験1について説明する。
また、試験1では、通気管61の一端部61aから超微粒子(UFP)がほぼ一定の含有量で含まれる空気を流入させるとともに、送風手段64としての軸流ファンの回転数を図13(A)に示すような値に変更したうえで軸流ファンを同じ時間だけ作動させることにより、UFPの捕集をそれぞれ行った。
そして、試験1では、その各回転数で作動させたときの捕集手段62としての不織布に付着しているUFPの付着量をそれぞれ測定した。UFPの付着量の測定は、微粒子測定装置を用いて行った。
また、試験1の結果に照らしてみると、実施の形態1,2で例示したような気流の作用により回転する回転体63A、63B,63Cに捕集手段62を設けた場合には、その回転体63A、63B,63Cが比較的少ない回転数(例えば上記回転数よりも少ない回転数)で回転するため、その各回転体63A、63B,63Cにそれぞれ設けた捕集手段62による微粒子の捕集は良好に行われることが認められる。
次に、実施の形態3に係る捕集装置6Dを用いて行った試験2について説明する。
ここで、画像形成装置1における定着手段5は、図14(A)に例示されるように、加熱用回転体52の加熱温度の制御が行われている。
この定着手段の加熱温度に関する制御は、例えば画像形成装置1の制御手段14により行われる。
第1制御は、待機状態においてプリント動作の要求を受けたときに加熱用回転体52の温度を待機時の温度から定着温度としての適正温度に素早く移行させるために、その適正温度の上限温度を超える少し高めの温度に達するまで高速で加熱する制御である。
第2制御は、第1制御の加熱温度まで達した後に最初のプリント動作における定着動作が実行されたときに、加熱し始めた直後の加熱用回転体52の温度が用紙9による熱吸収により低下することを見込んで定着温度の適正温度の上限温度より少し高めの温度で所要の時間だけ加熱する制御である。
第3制御は、第2制御が終了した後に後続のプリント動作における定着動作が実行されたときに、加熱用回転体52の温度が用紙9による熱吸収により低下する傾向にあることを見込んで定着温度の適正温度の上限温度に近い温度で所要の時間(例えば100秒間)だけ加熱する制御である。
第4制御は、加熱用回転体52の温度が十分に加熱された状態になったとみなし、定着温度の適正温度に保つために加熱する制御である。
上記定着手段5の加熱温度の制御内容と上記試験2の結果から、画像形成装置1においては定着手段5が「Cold」の状態から始動して加熱される時期があり、しかも、その時期にUFPを含む微粒子が比較的多く発生してしまう傾向にあることが判明した。
つまり、このとき開始される後続のプリント動作は、先行のプリント動作が終了してから比較的短い経過時間(具体的には30分未満の経過時間)内で開始されることから、定着手段5が比較的高温の「Hot」の状態に保たれている段階で再び始動することになる。このため、このときの定着手段5から発生するUFPを含む微粒子の発生量は、試験2の結果から「Cold」の状態から始動する場合に比べて、少ないとみなされる。
なお、上記通常時の回転数は、例えば、2400rpmに設定される。また、後続のプリント動作は、その開始後には先行のプリント動作の扱いになり、その動作の終了が確認される(S10)。
この経過時間が30分を経過した場合には、定着手段5の加熱温度の制御が待機制御の段階になり、定着手段5そのものも「Cold」の状態になったものとみなされる。
この際、後続のプリント動作がある場合には、第1駆動制御手段68において回転体63Dの送風手段64における駆動モータ645の回転数が通常時の回転数という設定から少ない回転数という設定に変更され(S16)、その後続のプリント動作が開始される(S17)。上記少ない回転数は、例えば、2400rpmよりも少ない回転数に設定される。
この際、第3制御が終了したと判断されると、第1駆動制御手段68において回転体63Dの送風手段64における駆動モータ645の回転数が少ない回転数という設定から通常時の回転数という設定に戻されるように変更される(S19)。
しかし、この制御は、その少ない回転数という設定に変更するときの判断を、例えば、定着手段5における加熱用回転体52の温度が「Cold」の状態に相当するときの温度まで低下したか否かを判断することで行うように構成しても構わない。
図16は、実施の形態4に係る微粒子の捕集装置6Eを示している。
このため、捕集装置6Eにおいては、捕集装置6Bと同じ構成の部分に対して同じ符号を付し、これ以降において必要な場合以外はその同じ構成の部分の説明を省略する。
また、回転体63Eの羽根車63Bは、図16(A)に示されるように、駆動手段66により例えば矢印D1,D2で示す異なる方向にそれぞれ回転させられることが可能になるよう構成されている。駆動手段66としては、電動の駆動モータ単独が適用されるか、あるいは駆動モータに減速機構を組み合わせたものが適用される。
この第2駆動制御手段69は、実施の形態3における第1駆動制御手段68とほぼ同じ構成からなるものである。また、第2駆動制御手段69は、駆動手段66(ひいては回転体63E)の回転動作の開始および終了やその回転数や回転方向について制御する。さらに、第2駆動制御手段69は、制御動作に必要な情報が入力される。その入力情報としては、例えば、用紙9の1枚が定着装置5を通過した検出情報などが含まれる。
また、実施の形態4では、捕集手段62が回転体63Eの羽根車63Bにおける複数の羽根634の少なくとも表裏面に設けられていることから、第2駆動制御手段69が回転体63Eを矢印D1,D2で示す2方向のいずれか一方の方向に回転させるよう制御するよう構成されている。以下の動作説明では、矢印D1で示す方向に回転させるように制御している。
この捕集装置6Eは、画像形成装置1のプリント動作等の動作に連動して送風手段64が回転するとともに回転体63Eとしての羽根車63Bが回転することにより作動する。
そして、捕集装置6Eは、この回転体63Eの回転動作と送風手段64の回転動作とに連動して作動する。
これにより、そのときの空気(E2a、E2b)に含まれている微粒子は、羽根車63Bにおける捕集手段62に接触して捕集される。
ちなみに、このときの矢印D1で示す方向に少ない回転数で回転する羽根車63Bの周りには、図17(A)に矢印E8a,E8bで例示するような羽根車63Bの回転方向に合わせて移動するように流れる回転気流が発生するが、この回転気流は送風手段64の送風作用で発生する気流よりも弱い気流である。
したがって、この捕集装置6Eによれば、例えば捕集手段を通気管61の流路空間60内にその流路を塞ぐような状態で固定して配置する構成の捕集装置に比べると、圧力損失が低減されたうえで、その気流の空気に含まれている定着手段5で発生した微粒子が駆動手段66の動力で回転する回転体63Eに設けられた捕集手段62により捕集される。
このため、この捕集装置6Eによれば、例えば回転体63Eとしての羽根車63Bを送風手段64の回転数と同等以上の回転数で回転させるように構成した場合に比べると、微粒子が羽根車63Bにおける捕集手段62により効率よく捕集される。
また、この捕集装置6Eは、図18に示されるように、プリント動作時に用紙9が定着手段5を定着処理後に通過するごとに、回転体63Eの羽根車63Bを一方向(ここでは矢印D1で示す方向とする)にN回、回転させる制御を行うように構成している。
また、この捕集装置6Eでは、羽根車63Bが回転しないで停止している間も、気流が羽根車63Bにおける捕集手段62に接触して隙間S1などを通して通過する。この結果、この場合でも、気流の空気に含まれる微粒子が捕集手段62により捕集される。
この発明は、実施の形態1−4(実施の形態1,2の変形例を含む)で例示した内容に何ら限定されるものではなく特許請求の範囲に記載された発明の技術思想の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、以下に挙げるような変形例も含むものである。
5 …定着手段
6 …微粒子の捕集装置
9 …用紙(記録媒体の一例)
60…流路空間
60C…狭小部分
61…通気管
62…捕集手段
63…回転体
63B…羽根車
64…送風手段(回転体の一例でもある)
66…駆動手段
642…羽根(送風手段の羽根)
D1…回転方向(一方向の一例)
D2…回転方向(反対方向の一例)
E …気流(空気)
Claims (14)
- 微粒子を含む空気の気流が生じる流路空間を有する通気管と、
前記通気管の流路空間内に回転可能に配置され、表面に前記微粒子を捕集する捕集手段が設けられた回転体と、
を備えている微粒子の捕集装置。 - 前記回転体は、前記流路空間内に生じる気流の作用により回転する請求項1に記載の捕集装置。
- 前記通気管は、前記回転体よりも気流の上流側の位置に前記流路空間が相対的に狭められた狭小部分を有している請求項2に記載の捕集装置。
- 前記回転体は、回転軸に羽根が設けられた羽根車であり、前記羽根に前記捕集手段が設けられている請求項2に記載の捕集装置。
- 前記通気管の流路空間内に気流を発生させる回転する羽根を有した送風手段を備え、
前記回転体は、前記通気管の流路空間内のうち前記送風手段よりも気流の上流側の位置に配置されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の捕集装置。 - 前記回転体は、駆動手段の動力により回転する請求項1に記載の捕集装置。
- 前記回転体は、回転軸に羽根が設けられた羽根車であり、前記羽根に前記捕集手段が設けられている請求項6に記載の捕集装置。
- 前記通気管の流路空間内に気流を発生させる回転する羽根を有した送風手段を備え、
前記回転体は、前記駆動手段により前記送風手段の回転数よりも少ない回転数で回転させられる請求項6に記載の捕集装置。 - 前記回転体は、前記駆動手段により一方向への回転とその反対方向への回転とを組み合わせて回転させられる請求項6乃至8のいずれか1項に記載の捕集装置。
- 前記回転体は、前記通気管の流路空間内に気流を発生させる回転する羽根を有した送風手段であり、前記送風手段の羽根に前記捕集手段が設けられている請求項6に記載の捕集装置。
- 前記送風手段からなる回転体は、相対的に少ない回転数で回転する時期を有している請求項10に記載の捕集装置。
- 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の微粒子の捕集装置を備えた画像形成装置。
- 未定着像を保持する記録媒体を通過させて未定着像を定着させる定着手段を備え、
前記捕集装置は、前記通気管の流路空間内に気流を発生させる回転する羽根を有した送風手段を備え、前記通気管の一端が前記定着手段に接続されており、前記回転体が駆動手段の動力を受けて回転するよう構成されており、
かつ、前記回転体は、前記記録媒体が前記定着手段を通過するごとに前記駆動手段により互いに異なる方向に切り替えるように回転させられる請求項12に記載の画像形成装置。 - 未定着像を保持する記録媒体を通過させて未定着像を定着させる定着手段を備え、
前記捕集装置は、前記通気管の流路空間内に気流を発生させる回転する羽根を有した送風手段を備え、前記通気管の一端が前記定着手段に接続されており、前記回転体が前記羽根の表面に前記捕集手段を設けた送風手段で構成されており、
かつ、前記送風手段からなる回転体は、前記定着手段において微粒子が発生しやすい時期に相対的に少ない回転数で回転させられる時期を有する請求項12に記載の画像形成装置。
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