JP2016079420A - 有機薄膜形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回収した有機材料を簡単に使用できる技術を提供する。
【解決手段】各蒸発ユニット20a〜20eに、加熱装置31又は32と冷却装置41又は42の両方を有する二台の蒸発槽161、162をそれぞれ設け、一方の蒸発槽161又は162を放出装置15に接続して加熱によって有機材料の蒸気を生成して放出装置15から放出させているときに、他方の蒸発槽161又は162では、蒸発槽161又は162の槽壁を冷却しておき、放出装置15からの蒸気の放出を停止するときは、蒸発槽161、162同士を接続し、一方の蒸発槽161又は162で生成された蒸気を他方の蒸発槽161又は162に移動させ、冷却して有機材料を析出させる。析出した蒸発槽161又は162を加熱すると、析出した有機材料の蒸気が生成されるので、その蒸気を放出装置15から放出させることができる。
【選択図】図2
【解決手段】各蒸発ユニット20a〜20eに、加熱装置31又は32と冷却装置41又は42の両方を有する二台の蒸発槽161、162をそれぞれ設け、一方の蒸発槽161又は162を放出装置15に接続して加熱によって有機材料の蒸気を生成して放出装置15から放出させているときに、他方の蒸発槽161又は162では、蒸発槽161又は162の槽壁を冷却しておき、放出装置15からの蒸気の放出を停止するときは、蒸発槽161、162同士を接続し、一方の蒸発槽161又は162で生成された蒸気を他方の蒸発槽161又は162に移動させ、冷却して有機材料を析出させる。析出した蒸発槽161又は162を加熱すると、析出した有機材料の蒸気が生成されるので、その蒸気を放出装置15から放出させることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、有機薄膜を形成する有機薄膜形成装置に係り、特に、有機材料の無駄な消費を無くす有機薄膜形成装置に関する。
真空雰囲気中で有機材料を蒸発させて形成する有機薄膜は、有機EL表示装置や、有機太陽電池等の電子機器に広く用いられるようになっており、大面積の基板に低価格で高速成膜する技術が求められている。
図5の符号110は、従来技術の有機薄膜形成装置であり、真空槽111を有している。
真空槽111の内部には、蒸発装置112と放出装置115とが配置されており、蒸発装置112の内部には、粉体の有機化合物から成る有機材料が配置されている。
真空槽111の内部には、蒸発装置112と放出装置115とが配置されており、蒸発装置112の内部には、粉体の有機化合物から成る有機材料が配置されている。
蒸発装置112には、加熱装置113が設けられており、真空排気装置122によって真空槽111の内部を真空排気して真空雰囲気にし、加熱装置113に通電して発熱させ、蒸発装置112を加熱すると、蒸発装置112の内部の有機材料が加熱され、蒸発温度以上に昇温すると有機材料の蒸気が生成される。
生成された有機材料の蒸気は、配管122の内部を通って、蒸発装置112から放出装置115に移動し、放出装置115の分配容器126の内部に充満し、放出口127から真空槽111の内部に放出される。
真空槽111の内部には、成膜対象である基板120が放出口127の真上を通過しており、真空槽111の内部に放出された有機材料の蒸気が基板120の表面に到達すると、基板120の表面に有機材料の薄膜が形成される。
有機薄膜が所定膜厚に形成された基板120は、真空槽111の外部に搬出される。真空槽111には新たに未成膜の基板が搬入され、未成膜の基板が放出口127の真上を通過し、その表面に有機材料の蒸気が到達して有機薄膜が形成される。
しかしながら、トラブルやメンテナンスの為に、放出装置115からの有機材料の蒸気の放出を停止させたい場合がある。
このとき、有機材料を急冷することが出来れば、有機材料の蒸気の生成を停止させることができるが、有機材料は真空雰囲気に置かれており、急冷することは困難であり、有機材料の蒸気の生成を急停止させることはできない。
このとき、有機材料を急冷することが出来れば、有機材料の蒸気の生成を停止させることができるが、有機材料は真空雰囲気に置かれており、急冷することは困難であり、有機材料の蒸気の生成を急停止させることはできない。
また、有機材料を冷却しているときの蒸発速度は一定ではなく、成膜用として基板表面に到達させることはできない。従って、蒸発が停止するまでの間は、基板を放出口127上に配置しない状態にして、放出装置115から有機材料の蒸気を放出させると、有機材料が無駄に消費されるし、真空槽111の壁面に有機薄膜が付着する。
そこで、この有機薄膜形成装置110では対策が採られており、真空槽111の内部にトラップ装置117が配置され、配管122に設けられた三方弁116により、基板120の表面に有機薄膜を形成する場合は蒸発装置112を放出装置115に接続し、有機材料の蒸気の放出を停止させる場合には、蒸発装置112をトラップ装置117に接続し、蒸発を停止させるまでに蒸発装置112の内部で発生した有機材料の蒸気をトラップ装置117に移動させ、冷却されたトラップ装置117の内部表面に析出させ、蒸発を停止するまでに発生した有機材料の蒸気は真空槽111の内部に放出させず、トラップ装置117から析出した有機材料を回収することが出来るようになっている。
なお、有機材料の蒸気が、配管122内をキャリアガスと共に移動する場合は、キャリアガスは、トラップ装置117の排出口118から、真空槽111の内部に放出される。
しかしながら、トラップ装置117から析出した有機材料を回収するためには、真空槽111の内部に大気を導入し、真空槽111を開けてトラップ装置117を大気中に取り出して回収作業を行うため、回収後、真空槽111の内部を真空排気する時間が必要になる。
しかしながら、トラップ装置117から析出した有機材料を回収するためには、真空槽111の内部に大気を導入し、真空槽111を開けてトラップ装置117を大気中に取り出して回収作業を行うため、回収後、真空槽111の内部を真空排気する時間が必要になる。
また、トラップ装置117から回収した有機材料は、蒸発装置112の内部に配置すると、有機材料の蒸気を生成することができるから、有機材料を無駄なく使用できるが、回収した有機材料は大気に曝され、劣化しやすいという難点がある。
また、トラップ装置117からの回収は、人手で行う作業であるため、手間を要するという問題もある。
また、トラップ装置117からの回収は、人手で行う作業であるため、手間を要するという問題もある。
本発明は上記従来技術の問題点を解決するために創作されたものであり、本発明は従来技術の問題点を解決し、装置の使用効率を低下させず、回収した有機材料を簡単に使用することができる技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、真空槽と、蒸発ユニットとを有する有機薄膜形成装置であって、前記蒸発ユニットは、第一、第二の蒸発槽と、前記第一の蒸発槽に設けられ、前記第一の蒸発槽の側面の上部と下部とを加熱し、前記第一の蒸発槽内に位置する有機材料の蒸気を生成する第一の加熱装置と、前記第二の蒸発槽に設けられ、前記第二の蒸発槽の側面の上部と下部とを加熱し、前記第二の蒸発槽内に位置する前記有機材料の前記蒸気を生成する第二の加熱装置と、前記蒸気が導入されると、前記蒸気を真空槽内に放出する放出装置と、前記第一の蒸発槽と前記放出装置とを接続する第一の接続と、前記第二の蒸発槽と前記放出装置とを接続する第二の接続と、又は、前記第一の蒸発槽と前記第二の蒸発槽とを接続する第三の接続とのうち、いずれかの接続で前記蒸気を通過させる切替装置と、前記第一の蒸発槽の前記下部に接触して設けられ、前記第一の蒸発槽の前記下部を冷却する第一の冷却装置と、前記第二の蒸発槽の前記下部に接触して設けられ、前記第二の蒸発槽の前記下部を冷却する第二の冷却装置と、を有し、前記真空槽内に位置する成膜対象物の表面に前記放出装置から放出された前記蒸気を到達させ、前記成膜対象物の表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成装置である。
本発明は、真空槽と、蒸発ユニットとを有する有機薄膜形成装置であって、前記蒸発ユニットは、第一の蒸発槽と、前記第一の蒸発槽の容積の半分以下の容積を有する第二の蒸発槽と、前記第一の蒸発槽に設けられ、前記第一の蒸発槽を加熱し、前記第一の蒸発槽内に位置する有機材料の蒸気を生成する第一の加熱装置と、前記第二の蒸発槽に設けられ、前記第二の蒸発槽を加熱し、前記第二の蒸発槽内に位置する前記有機材料の前記蒸気を生成する第二の加熱装置と、前記蒸気が導入されると、前記蒸気を真空槽内に放出する放出装置と、前記第一の蒸発槽と前記放出装置とを接続する第一の接続と、前記第二の蒸発槽と前記放出装置とを接続する第二の接続と、又は、前記第一の蒸発槽と前記第二の蒸発槽とを接続する第三の接続とのうち、いずれかの接続で前記蒸気を通過させる切替装置と、前記第二の蒸発槽を冷却する第二の冷却装置と、を有し、前記真空槽内に位置する成膜対象物の表面に前記放出装置から放出された前記蒸気を到達させ、前記成膜対象物の表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成装置である。
本発明は、有機薄膜形成装置であって、前記蒸発ユニットを複数有する有機薄膜形成装置である。
本発明は、有機薄膜形成装置であって、前記第一の蒸発槽と、前記第二の蒸発槽とは、前記真空槽の内部に配置された有機薄膜形成装置である。
本発明は、真空槽と、蒸発ユニットとを有する有機薄膜形成装置であって、前記蒸発ユニットは、第一の蒸発槽と、前記第一の蒸発槽の容積の半分以下の容積を有する第二の蒸発槽と、前記第一の蒸発槽に設けられ、前記第一の蒸発槽を加熱し、前記第一の蒸発槽内に位置する有機材料の蒸気を生成する第一の加熱装置と、前記第二の蒸発槽に設けられ、前記第二の蒸発槽を加熱し、前記第二の蒸発槽内に位置する前記有機材料の前記蒸気を生成する第二の加熱装置と、前記蒸気が導入されると、前記蒸気を真空槽内に放出する放出装置と、前記第一の蒸発槽と前記放出装置とを接続する第一の接続と、前記第二の蒸発槽と前記放出装置とを接続する第二の接続と、又は、前記第一の蒸発槽と前記第二の蒸発槽とを接続する第三の接続とのうち、いずれかの接続で前記蒸気を通過させる切替装置と、前記第二の蒸発槽を冷却する第二の冷却装置と、を有し、前記真空槽内に位置する成膜対象物の表面に前記放出装置から放出された前記蒸気を到達させ、前記成膜対象物の表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成装置である。
本発明は、有機薄膜形成装置であって、前記蒸発ユニットを複数有する有機薄膜形成装置である。
本発明は、有機薄膜形成装置であって、前記第一の蒸発槽と、前記第二の蒸発槽とは、前記真空槽の内部に配置された有機薄膜形成装置である。
有機材料の蒸気の放出を停止する間にトラップした有機材料を、移動させずに蒸発させ、蒸気を利用することができるので、有機材料の無駄が無く、再利用に要する手間も無い。
<有機薄膜形成装置>
図1の符号10aは、本発明の第一例の有機薄膜形成装置を示している。
この第一例の有機薄膜形成装置10aは、真空槽11と、一又は複数の蒸発ユニット20a〜20eとを有している。この第一例の有機薄膜形成装置10aでは、複数個の蒸発ユニット20a〜20eを有している。
図1の符号10aは、本発明の第一例の有機薄膜形成装置を示している。
この第一例の有機薄膜形成装置10aは、真空槽11と、一又は複数の蒸発ユニット20a〜20eとを有している。この第一例の有機薄膜形成装置10aでは、複数個の蒸発ユニット20a〜20eを有している。
各蒸発ユニット20a〜20eの構成は同じであり、その外形を図2に示す。
各蒸発ユニット20a〜20eは、放出装置15と、第一、第二の蒸発槽161、162と、切替装置17とを有しており、放出装置15は真空槽11の内部に配置されている。ここでは、第一、第二の蒸発槽161、162と切替装置17とも真空槽11の内部に配置されている。
各蒸発ユニット20a〜20eは、放出装置15と、第一、第二の蒸発槽161、162と、切替装置17とを有しており、放出装置15は真空槽11の内部に配置されている。ここでは、第一、第二の蒸発槽161、162と切替装置17とも真空槽11の内部に配置されている。
第一、第二の蒸発槽161、162と放出装置15とは、第一〜第三の配管221〜223によって、切替装置17にそれぞれ接続されており、切替装置17は、第一の配管221と第三の配管223とを接続する第一の接続と、第二の配管222と第三の配管223とを接続する第二の接続と、第一の配管221と第二の配管222とを接続する第三の接続のうち、いずれかの接続が可能なように構成されていて、第一の接続では第一の蒸発槽161と放出装置15とが接続され、第二の接続では第二の蒸発槽162と放出装置15とが接続され、第三の接続では、第一の蒸発槽161と第二の蒸発槽162とが接続されるようになっている。
切替装置17は、第一の接続と、第二の接続と、第三の接続とのいずれかの接続ができるようになっている。
真空槽11の外部には、制御装置13が配置されており、各蒸発ユニット20a〜20eの切替装置17は、制御装置13によって、それぞれ独立して制御され、第一、第二、又は第三の接続のいずれかの接続が選択される。なお、各蒸発ユニット20a〜20eの切替装置17は、第一〜第三の配管221〜223を互いに接続しない状態にしてもよい。
真空槽11の外部には、制御装置13が配置されており、各蒸発ユニット20a〜20eの切替装置17は、制御装置13によって、それぞれ独立して制御され、第一、第二、又は第三の接続のいずれかの接続が選択される。なお、各蒸発ユニット20a〜20eの切替装置17は、第一〜第三の配管221〜223を互いに接続しない状態にしてもよい。
各蒸発ユニット20a〜20eの第一、第二の蒸発槽161、162のうち、第一の蒸発槽161には、第一の加熱装置31が設けられており、第二の蒸発槽162には、第二の加熱装置32が設けられている(図1及び図3,4では、加熱装置は黒丸(●)で表されている)。
第一、第二の加熱装置31、32は、第一、第二の蒸発槽161、162の底面と、側面全部とに設けられている。また、天井にも設け、第一、第二の蒸発槽161、162の底面と、側面と、天井と、を加熱して昇温させるようにすることができる。
第一又は第二の蒸発槽161、162の内部に有機材料が位置する場合は、第一又は第二の加熱装置31、32が電源271、272によって通電されて発熱すると、発熱する第一又は第二の加熱装置31、32が設けられた第一又は第二の蒸発槽161、162の内部の有機材料が加熱される。
有機材料が昇温し、蒸発温度又は昇華温度以上の温度になると、蒸気が生成される。
有機材料が昇温し、蒸発温度又は昇華温度以上の温度になると、蒸気が生成される。
切替装置17によって、蒸気が生成される第一又は第二の蒸発槽161、162を放出装置15に接続しておくと、生成された蒸気は切替装置17を通過して放出装置15に移動する。
放出装置15は、分配容器26と、一又は複数個の放出口27とを有している。ここでは、分配容器26は細長であり、複数の放出口27は、分配容器26の長手方向に沿って、分配容器26の上部に並んで設けられており、切替装置17を通過した蒸気は分配容器26の内部に導入され、分配容器26の内部に充満した後、各放出口27から真空槽11の内部に放出される。
各蒸発ユニット20a〜20eの放出装置15は、分配容器26の長手方向を互いに平行にして、放出口27を上方に向けて一列に並べられている。真空槽11の内部には、搬送装置25が設けられており、真空槽11内に搬入された成膜対象物24は、搬送装置25によって、各分配容器26が並べられた方向に沿った方向に移動される。
その方向は、各分配容器26の長手方向とは垂直な方向であり、各分配容器26の放出口27と順番に対面し、一台の分配容器26の放出口27から放出された蒸気は、成膜対象物24が放出口27と対面しながら移動することで、成膜対象物24には、その移動方向の先端から最後尾まで蒸気が到達するようになっている。
第一〜第三の配管221〜223と、切替装置17と、分配容器26とには、加熱装置が設けられており(不図示)、第一〜第三の配管221〜223と、切替装置17と、分配容器26とは加熱され、内部を通過する蒸気が析出しないようにされている。
第一、第二の加熱装置31、32に加え、各蒸発ユニット20a〜20eの第一、第二の蒸発槽161、162には、第一、第二の冷却装置41、42がそれぞれ設けられている。
第一、第二の冷却装置41、42は配管と、配管内部を流れる冷却媒体によって構成されており、第一、第二の冷却装置41、42の配管は、真空槽11の外部に配置された循環装置281、282にそれぞれ接続されており、第一、第二の冷却装置41、42には、循環装置281、282で冷却された冷却媒体が供給され、第一、第二の蒸発槽161、162の熱を吸収して昇温した冷却媒体は循環装置281、282に戻り、循環装置281、282で冷却されて第一、第二の冷却装置41、42に供給されるようになっている。
第一、第二の冷却装置41、42は配管と、配管内部を流れる冷却媒体によって構成されており、第一、第二の冷却装置41、42の配管は、真空槽11の外部に配置された循環装置281、282にそれぞれ接続されており、第一、第二の冷却装置41、42には、循環装置281、282で冷却された冷却媒体が供給され、第一、第二の蒸発槽161、162の熱を吸収して昇温した冷却媒体は循環装置281、282に戻り、循環装置281、282で冷却されて第一、第二の冷却装置41、42に供給されるようになっている。
循環装置281、282は制御装置13によって制御されており、制御装置13は、第一、第二の冷却装置41、42のいずれか一方又は両方を動作させ、第一、第二の蒸発槽161、162を所望温度に冷却することができる。
第一、第二の蒸発槽161、162のうち、一方の蒸発槽161又は162に有機材料を配置して放出装置15と接続し、蒸気を生成して放出装置15から蒸気を放出させるときに、他方の蒸発槽161又は162を冷却しておき、放出装置15からの蒸気の放出を停止する際に、切替装置17によって、第一又は第二の接続を第三の接続に変更して第一の蒸発槽161と第二の蒸発槽162とを直ちに接続し、一方の蒸発槽161又は162で生成された蒸気を、冷却された他方の蒸発槽161又は162に移動させることができる。
第一、第二の冷却装置41、42は、第一、第二の蒸発槽161、162の側壁の下側の部分である側壁下部351、352(図2)と底面とに密着されており、側壁下部351、352の上側に位置する側壁上部361、362(図2)には密着されず、側壁上部361、362を冷却しないように配置されている。
冷却された第一又は第二の蒸発槽161、162は、有機材料の蒸発温度(昇華温度を含む)よりも低温に冷却されており、従って、有機材料の蒸気が冷却された第一又は第二の蒸発槽161、162の内部に入ると、第一又は第二の蒸発槽161、162の側壁下部351、352と底面とに接触した蒸気が有機材料として析出する。
他方、第一、第二の配管221、222は、第一、第二の蒸発槽161、162の天井に設けられた孔に接続されており、蒸気放出の際には、天井と側壁上部361、362は加熱されて温度が上昇されているから、天井、孔、または、側壁上部361、362に蒸気が接触しても、壁面には有機材料は析出せず、また、第一、第二の配管221、222と天井とが接続された部分でも析出物は発生しない。
また、第一、第二の蒸発槽161、162の一方から他方に蒸気が導入される際にも、第一、第二の冷却装置41、42が配置されていない部分では蒸気は凝縮しないので、配管221、222や配管221、222が接続された天井の孔の部分は、析出物で閉塞されないようになっている。
なお、側壁上部361、362と天井には、第一、第二の冷却装置41、42は設けず、第一、第二の加熱装置31、32を設けるようにすればよい。
なお、側壁上部361、362と天井には、第一、第二の冷却装置41、42は設けず、第一、第二の加熱装置31、32を設けるようにすればよい。
第一、第二の加熱装置31、32は、第一、第二の冷却装置41、42が密着された第一、第二の蒸発槽161、162の側壁下部351、352と底面と、第一、第二の冷却装置41、42が密着されない側壁上部361、362とを加熱するように配置されている。
第一又は第二の蒸発槽161、162の内部で析出された有機材料を使用する際には、有機材料が析出された第一又は第二の蒸発槽161、162に設けられた第一又は第二の冷却装置41、42を停止させると共に、その蒸発槽161又は162に設けられた第一又は第二の加熱装置31、32を発熱させ、析出した有機材料が昇温して蒸発(昇華を含む)し、蒸気が生成される。
析出した有機材料の蒸気を生成する第一又は第二の蒸発槽161、162は、切替装置17を切り替えて放出装置15に接続し、生成された蒸気を放出装置15から放出させる。
蒸気が生成された第一又は第二の蒸発槽161、162の側壁上部361、362は加熱されているので、生成された蒸気は第一又は第二の蒸発槽161、162の側壁上部361、362では冷却されず、側壁上部には有機材料は析出しない。
蒸気が生成された第一又は第二の蒸発槽161、162の側壁上部361、362は加熱されているので、生成された蒸気は第一又は第二の蒸発槽161、162の側壁上部361、362では冷却されず、側壁上部には有機材料は析出しない。
なお、第一又は第二の接続を第三の接続に切り替えて放出装置15からの蒸気の放出を停止させる際には、蒸気を生成していた第一又は第二の加熱装置31、32の発熱を停止させてもよいし、更に、発熱の停止と共に、第一又は第二の冷却装置41、42を動作させ、加熱されていた第一又は第二の蒸発槽161、162を第一又は第二の冷却装置41、42によって冷却することもできる。
他方、短時間で放出を再開させることが分かっていれば、第一又は第二の加熱装置31、32を継続して発熱させてもよい。
他方、短時間で放出を再開させることが分かっていれば、第一又は第二の加熱装置31、32を継続して発熱させてもよい。
<有機薄膜形成手順>
この第一例の有機薄膜形成装置10aを用いて処理対象物上に有機薄膜を形成する手順を説明する。複数の蒸発ユニット20a〜20eでは、第一の蒸発槽161に有機材料が配置されているものとする。有機材料は全部の蒸発ユニット20a〜20eに同じ化合物が配置されている場合や、一台又は複数台の蒸発ユニット20a〜20eに異なる化合物が配置される場合であってもよい。
この第一例の有機薄膜形成装置10aを用いて処理対象物上に有機薄膜を形成する手順を説明する。複数の蒸発ユニット20a〜20eでは、第一の蒸発槽161に有機材料が配置されているものとする。有機材料は全部の蒸発ユニット20a〜20eに同じ化合物が配置されている場合や、一台又は複数台の蒸発ユニット20a〜20eに異なる化合物が配置される場合であってもよい。
図3(a)〜(d)は、一台の蒸発ユニット20a内の有機材料の変化を説明するための図であり、この蒸発ユニット20aでは、第一の蒸発槽161内に有機材料51が配置され、第二の蒸発槽162は空になっている(図3(a))。
図1の符号31は、この第一例の有機薄膜形成装置10aの前工程の真空装置の真空槽を示している。符号32は、後工程の真空装置の真空槽を示しており、第一例の有機薄膜形成装置10aの真空槽11と前工程の真空装置の真空槽31との間と、後工程の真空装置の真空槽32の間には、真空バルブ33、34がそれぞれ設けられており、真空バルブ33、34を開けると、成膜対象物24を真空槽11の内部に搬出入できるようになっている。
真空槽11には、真空排気装置19が接続されており、真空排気装置19によって、真空槽11の内部を真空排気できるようにされている。真空槽11が真空排気され、真空雰囲気が形成されている際には、前工程と後工程の真空装置の真空槽31、32も真空雰囲気にされており、真空バルブ33、34が開けられても、真空槽11の内部の真空雰囲気は維持されるようになっている。
切替装置17には、第一の真空槽161と、第二の真空槽162と、放出装置15とを接続する全接続の状態があり、切替装置17が全接続にされて真空槽11の内部が真空排気されると、第一、第二の真空槽161,162は、放出装置15を介して真空排気される。
有機薄膜を形成するためには、先ず、真空排気装置19によって真空槽11の内部と各蒸発ユニット20a〜20eの第一、第二の蒸発装置161、162の内部とを真空排気し、真空雰囲気を形成する。
次に、各蒸発ユニット20a〜20eの切替装置17を、第三の接続にして第一の蒸発槽161と第二の蒸発槽162とを接続し、真空槽11の内部に成膜対象物24を搬入しない状態で、第一の加熱装置31と第二の冷却装置42とを動作させ、第一の蒸発槽161に配置された有機材料51を加熱し、第二の蒸発槽162は冷却する。切替装置17や放出装置15や配管221〜223は加熱しておく。
第一の蒸発槽161に配置された有機材料51が昇温して蒸気が生成されると、蒸気は、同じ蒸発ユニット20a〜20eの第二の蒸発槽162に移動し、有機材料52が析出する(図3(b))。
全部の蒸発ユニット20a〜20eの第一の蒸発槽161の温度が所定温度範囲に安定したところで、切替装置17を第一の接続に切り替えて第一の蒸発槽161を放出装置15に接続し、各蒸発ユニット20a〜20eの放出装置15から真空槽11の内部に蒸気を放出させる。
真空槽11の内部の、各蒸発ユニット20a〜20eの放出装置15に面する位置には膜厚センサが設けられており、膜厚センサによって、各放出装置15から放出される蒸気の放出速度(=放出量/時間)を測定する。
放出速度が所定の範囲内になったところで、真空バルブ33を開け、前工程の処理が終了した成膜対象物24の真空槽11内への搬入を開始する。
放出速度が所定の範囲内になったところで、真空バルブ33を開け、前工程の処理が終了した成膜対象物24の真空槽11内への搬入を開始する。
各放出装置15から蒸気を放出させながら成膜対象物24を真空槽11内で移動させ、各蒸発ユニット20a〜20eの放出装置15と順番に対面させると、成膜対象物24の表面に有機薄膜が形成される。成膜対象物24に有機薄膜を形成している間も、膜厚センサによって、放出速度を測定し、放出速度が一定になるように、第一の加熱装置31の発熱が制御されている。
所定の有機薄膜が形成された成膜対象物24は、真空バルブ34を開け、後工程の真空装置の真空槽32の内部に搬出する。
真空槽11の内部には、成膜対象物24の搬入と搬出が繰り返し行われており、各蒸発ユニット20a〜20eの第一の蒸発槽161の内部では、蒸気が継続して生成されている。従って、第一の蒸発槽161の内部の有機材料51は、時間経過に従って次第に減少する。
真空槽11の内部には、成膜対象物24の搬入と搬出が繰り返し行われており、各蒸発ユニット20a〜20eの第一の蒸発槽161の内部では、蒸気が継続して生成されている。従って、第一の蒸発槽161の内部の有機材料51は、時間経過に従って次第に減少する。
その間、第二の蒸発槽162は、第二の冷却装置42によって冷却しておき、放出装置15からの蒸気の放出を停止させる際には、切替装置17を第三の接続に切り替えて第一の蒸発槽161と第二の蒸発槽162とを接続し、第一の蒸発槽161で生成された蒸気を、第二の蒸発槽162の内部に移動させて有機材料52を析出させる(図3(c))。この結果、第二の蒸発槽162の内部には、固体もしくは粉体の有機材料が蓄積される。
析出した有機材料52は、上述したように、第二の加熱装置32を発熱させ、蒸気を形成してから切替装置17を第二の接続に切り替えて、有機材料52が析出した第二の蒸発槽162を放出装置15に接続して成膜対象物24の表面に到達させればよい。
このとき、上述したように、第一の加熱装置31の発熱を終了させ、また、終了させると共に、第一の冷却装置41による第一の蒸発槽161の冷却を開始してもよいが、放出装置15からの蒸気の放出の停止が短時間であることが分かっている場合は、第一の加熱装置31の発熱を終了させずに第一の蒸発槽161の内部での蒸気の生成を維持し、放出を再開させる際には、第三の接続を第一の接続に戻し、第一の蒸発槽161を放出装置15に接続させればよい。
ところで、第一の蒸発槽161で蒸気を生成しているときに、第一の蒸発槽161の内部の有機材料51が無くなった場合には、放出装置15からの蒸気放出は停止する。
そのような蒸気放出の停止を防止するためには、第一の蒸発槽161の加熱時間から、および、膜厚測定装置による放出速度の測定結果から、第一の蒸発槽161の内部の有機材料51の残量を検出し、無くなる前に第二の蒸発槽162を昇温させ(図3(d))、第一の蒸発槽161の内部で有機材料51の蒸気が生成されているときに、第二の蒸発槽162の内部で有機材料52の蒸気が生成されるようにし、第一の蒸発槽161内の有機材料51が所定量まで減少したときに、第一の接続を第二の接続に替え、放出装置15に第二の蒸発槽162から蒸気が供給されるようにすればよい。
そのような蒸気放出の停止を防止するためには、第一の蒸発槽161の加熱時間から、および、膜厚測定装置による放出速度の測定結果から、第一の蒸発槽161の内部の有機材料51の残量を検出し、無くなる前に第二の蒸発槽162を昇温させ(図3(d))、第一の蒸発槽161の内部で有機材料51の蒸気が生成されているときに、第二の蒸発槽162の内部で有機材料52の蒸気が生成されるようにし、第一の蒸発槽161内の有機材料51が所定量まで減少したときに、第一の接続を第二の接続に替え、放出装置15に第二の蒸発槽162から蒸気が供給されるようにすればよい。
切り換えは、放出装置15に成膜対象物24が対面しないときに行えばよい。
なお、上記蒸発ユニット20a〜20eでは、第一、第二の蒸発槽161、162を真空槽11の内部に配置したが、それに限定されるものではなく、真空槽11の外部に配置しても良い。
なお、上記蒸発ユニット20a〜20eでは、第一、第二の蒸発槽161、162を真空槽11の内部に配置したが、それに限定されるものではなく、真空槽11の外部に配置しても良い。
次に、図4の符号10bは、本発明の第二例の有機薄膜形成装置である。
この第二例の有機薄膜形成装置10bは、第一例の有機薄膜形成装置10aと同じく、真空槽11と、一又は複数の蒸発ユニット21a〜21eとを有している。ここでは複数個の蒸発ユニット21a〜21eを有している。
この第二例の有機薄膜形成装置10bは、第一例の有機薄膜形成装置10aと同じく、真空槽11と、一又は複数の蒸発ユニット21a〜21eとを有している。ここでは複数個の蒸発ユニット21a〜21eを有している。
第二例の有機薄膜形成装置10bの各蒸発ユニット21a〜21eは、容量が大きな第一の蒸発槽141と、第一の蒸発槽141の容量の半分未満の容量である第二の蒸発槽142とを有している点で、第一例の有機薄膜形成装置10aとは異なっている。
第一、第二の蒸発槽141、142には、少なくとも、底面と、側面の全部とに第一、第二の加熱装置31,32がそれぞれ配置されており、第一、第二の蒸発槽141、142の底面と側面全部を加熱して、第一、第二の蒸発槽141、142全体を昇温させることができるようになっている。
この第二例の有機薄膜形成装置10bでは、第二の蒸発槽142に第二の冷却装置42が設けられているのに対し、第一の蒸発槽141では冷却装置は使用せずに済むので、設けても設けなくてもよい。ここでは設けられていない。
他の構成は第一例の有機薄膜形成装置10aと同じであり、第二の冷却装置42は、第二の蒸発槽162の側壁の下側の部分である側壁下部352に密着されており、側壁下部352の上側に位置する側壁上部362には密着されず、側壁上部362を冷却しないように配置されている。第二の冷却装置42は第二の蒸発槽162の底面にも密着していてもよい。
第二例の有機薄膜形成装置10bによって有機薄膜を形成するときには、第一の蒸発槽141に有機材料51を配置し、第二の蒸発槽142には配置しないでおく。
有機材料51が配置されていない状態で、第二の蒸発槽142を冷却装置42で冷却して蒸発温度よりも低い温度にし、切替装置17を第三の接続にして、第一の蒸発槽141と第二の蒸発槽142とを接続した後、第一の蒸発槽141を第一の加熱装置31によって加熱して昇温させ、第一の蒸発槽141内で有機材料51の蒸気の生成を開始する。
有機材料51が配置されていない状態で、第二の蒸発槽142を冷却装置42で冷却して蒸発温度よりも低い温度にし、切替装置17を第三の接続にして、第一の蒸発槽141と第二の蒸発槽142とを接続した後、第一の蒸発槽141を第一の加熱装置31によって加熱して昇温させ、第一の蒸発槽141内で有機材料51の蒸気の生成を開始する。
第三の接続では、第一の蒸発槽141内で生成された蒸気は、第二の蒸発槽142に移動して冷却され、有機材料が析出されており、第二の蒸発槽142の内部には、固体(粉体を含む)の有機材料が蓄積される。
第一の加熱装置31によって有機材料51を加熱し続け、第一の蒸発槽141内で、有機材料51の蒸気が安定して生成されるようになった後、成膜対象物24を真空槽11の内部に搬入し、放出口27付近に到達したところで、切替装置17を第三の接続から第一の接続に切り替え、第一の蒸発槽141と分配容器26とを接続し、並んだ放出口27から蒸気を放出させた状態で、成膜対象物24を、蒸気が到達する位置を通過させる。
成膜対象物24が通過した後、切替装置17を、第一の接続から第三の接続へ切り替え、第一の蒸発槽141で生成された蒸気を第二の蒸発槽142に移動させ、第二の蒸発槽142内で冷却して有機材料を析出させる。
そして、次の成膜対象物24が放出口27付近に到達したところで、切替装置17を第三の接続から第一の接続に切り替え、第一の蒸発槽141で生成された蒸気を放出口27から放出させ、成膜対象物24を通過させ、成膜対象物24の表面に薄膜を形成する。
このように、第一の加熱装置31による第一の蒸発槽141内の有機材料51の加熱は中断せず、第一の蒸発槽141の内部での蒸気は生成し続けながら、第一の接続と第三の接続を繰り返し切り替えして複数の成膜対象物24へ有機薄膜を形成する際には、第一の蒸発槽141の内部で生成された有機材料51の蒸気のうち、成膜対象物24に到達し、有機薄膜の形成に寄与した有機材料51の蒸気と、成膜対象物24に到達できず、有機薄膜の形成に寄与できない有機材料51の蒸気とが存在し、生成された蒸気のうち、三分の二が成膜対象物24に到達して有機薄膜を形成し、残りの三分の一が、成膜対象物24に到達できず、成膜に寄与できないと言われている。
第二例の有機薄膜形成装置10bでは、第二の蒸発槽142は第二の冷却装置42によって冷却され続けており、成膜に寄与できない蒸気は第二の蒸発槽142に導入され、析出された固体の有機材料となって蓄積されている。
第一の蒸発槽141には、最大で、第一の蒸発槽141の容積と同じ値の体積の有機材料51が配置され、その三分の一の体積の有機材料が第二の冷却装置42で析出されるものと考えると、有機材料を析出させる第二の蒸発槽142は、第一の蒸発槽141の容積の三分の一の容積で済むことになる。
ただし、複数の成膜対象物24の間が離間すると、成膜に寄与できない蒸気の量が多くなり、最大で、生成された蒸気の量の二分の一になるものとすると、成膜に寄与できない蒸気から有機材料を析出させるためには、第二の蒸発槽142の容積は、第一の蒸発槽141の容積の二分の一(半分)が必要になる。
従って、第二の蒸発槽142の容積は、最大でも、第一の蒸発槽141の容積の二分の一(半分)で済むことになる。
従って、第二の蒸発槽142の容積は、最大でも、第一の蒸発槽141の容積の二分の一(半分)で済むことになる。
第一、第二の蒸発槽141,142の容積比をこのように設定しておき、第一の蒸発槽141内の有機材料51が蒸発して減少し、第二の蒸発槽142に蓄積された有機材料が増加した場合には、第二の冷却装置42を停止させ、第二の加熱装置32による加熱を開始させ、次いで、第一の加熱装置31による加熱を停止し、第一の蒸発槽141内での蒸気の生成を停止させ、第一の蒸発槽141による有機薄膜の形成を終了させる。
第二の蒸発槽142内に蓄積された有機材料が蒸発温度以上の温度に昇温され、蒸気生成が開始され、安定して蒸気が生成されるようになった後、切替装置17を第二の接続に切り替え、第二の蒸発槽142と分配装置26とを接続し、第二の蒸発槽142内で生成された蒸気を放出口27から放出させ、成膜対象物24に到達させて有機薄膜形成を開始する。
このように、第一の蒸発槽141を冷却する時間を必要とすることなく第二の蒸発槽142による有機薄膜形成を開始することができるので、待ち時間が無い。
このように、第一の蒸発槽141を冷却する時間を必要とすることなく第二の蒸発槽142による有機薄膜形成を開始することができるので、待ち時間が無い。
また、第一の加熱装置31による加熱を停止する前に、第二の冷却装置42を停止させ、第二の加熱装置32によって第二の蒸発槽142内の有機材料を蒸発温度以上の温度に昇温させておくと、第一の蒸発槽141による有機薄膜形成を終了させた後、短時間で第二の蒸発槽142による有機薄膜の形成を開始することができるので、有機薄膜を形成することができない時間を短くすることができる。
そして、上述したように、生成された蒸気のうち、三分の一が有機薄膜の形成に寄与できないものとした場合は、この第二例の有機薄膜形成装置10bでは、有機薄膜に寄与できない蒸気は、九分の一(=1/3×1/3)になるから、有機薄膜形成に寄与できない蒸気は真空排気によって廃棄、もしくは、真空槽11の壁面に付着していた従来の装置に比較して、第二例の有機薄膜形成装置10bの有機材料の廃棄量は従来の三分の一になる。
なお、上記例では、放出口27を多数配置し、成膜対象物24を静止させて、有機薄膜を形成してもよい。
また、有機材料の蒸気を生成する際に、第一又は第二の蒸発槽161、162の内部に、キャリアガスを導入することもできる。その場合は、第一、第二の蒸発槽161、162が第三の接続によって接続されているときには、加熱された第一又は第二の蒸発槽161、162から冷却された第一又は第二の蒸発槽161、162にキャリアガスが導入されることになるから、第一、第二の蒸発槽161、162の両方にキャリアガスの放出口を設け、第一又は第二の蒸発槽161、162が冷却される際に、他方の蒸発槽161又は162から導入されるキャリアガスを真空槽11の内部に放出するようにしてもよい。
また、有機材料の蒸気を生成する際に、第一又は第二の蒸発槽161、162の内部に、キャリアガスを導入することもできる。その場合は、第一、第二の蒸発槽161、162が第三の接続によって接続されているときには、加熱された第一又は第二の蒸発槽161、162から冷却された第一又は第二の蒸発槽161、162にキャリアガスが導入されることになるから、第一、第二の蒸発槽161、162の両方にキャリアガスの放出口を設け、第一又は第二の蒸発槽161、162が冷却される際に、他方の蒸発槽161又は162から導入されるキャリアガスを真空槽11の内部に放出するようにしてもよい。
31……第一の加熱装置
32……第二の加熱装置
41……第一の冷却装置
42……第二の冷却装置
10a、10b……有機薄膜形成装置
11……真空槽
15……放出装置
161……第一の蒸発槽
162……第二の蒸発槽
17……切替装置
20a〜20e……蒸発ユニット
32……第二の加熱装置
41……第一の冷却装置
42……第二の冷却装置
10a、10b……有機薄膜形成装置
11……真空槽
15……放出装置
161……第一の蒸発槽
162……第二の蒸発槽
17……切替装置
20a〜20e……蒸発ユニット
Claims (4)
- 真空槽と、蒸発ユニットとを有する有機薄膜形成装置であって、
前記蒸発ユニットは、
第一、第二の蒸発槽と、
前記第一の蒸発槽に設けられ、前記第一の蒸発槽の側面の上部と下部とを加熱し、前記第一の蒸発槽内に位置する有機材料の蒸気を生成する第一の加熱装置と、
前記第二の蒸発槽に設けられ、前記第二の蒸発槽の側面の上部と下部とを加熱し、前記第二の蒸発槽内に位置する前記有機材料の前記蒸気を生成する第二の加熱装置と、
前記蒸気が導入されると、前記蒸気を真空槽内に放出する放出装置と、
前記第一の蒸発槽と前記放出装置とを接続する第一の接続と、前記第二の蒸発槽と前記放出装置とを接続する第二の接続と、又は、前記第一の蒸発槽と前記第二の蒸発槽とを接続する第三の接続とのうち、いずれかの接続で前記蒸気を通過させる切替装置と、
前記第一の蒸発槽の前記下部に接触して設けられ、前記第一の蒸発槽の前記下部を冷却する第一の冷却装置と、
前記第二の蒸発槽の前記下部に接触して設けられ、前記第二の蒸発槽の前記下部を冷却する第二の冷却装置と、
を有し、
前記真空槽内に位置する成膜対象物の表面に前記放出装置から放出された前記蒸気を到達させ、前記成膜対象物の表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成装置。 - 真空槽と、蒸発ユニットとを有する有機薄膜形成装置であって、
前記蒸発ユニットは、
第一の蒸発槽と、前記第一の蒸発槽の容積の半分以下の容積を有する第二の蒸発槽と、
前記第一の蒸発槽に設けられ、前記第一の蒸発槽を加熱し、前記第一の蒸発槽内に位置する有機材料の蒸気を生成する第一の加熱装置と、
前記第二の蒸発槽に設けられ、前記第二の蒸発槽を加熱し、前記第二の蒸発槽内に位置する前記有機材料の前記蒸気を生成する第二の加熱装置と、
前記蒸気が導入されると、前記蒸気を真空槽内に放出する放出装置と、
前記第一の蒸発槽と前記放出装置とを接続する第一の接続と、前記第二の蒸発槽と前記放出装置とを接続する第二の接続と、又は、前記第一の蒸発槽と前記第二の蒸発槽とを接続する第三の接続とのうち、いずれかの接続で前記蒸気を通過させる切替装置と、
前記第二の蒸発槽を冷却する第二の冷却装置と、
を有し、
前記真空槽内に位置する成膜対象物の表面に前記放出装置から放出された前記蒸気を到達させ、前記成膜対象物の表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成装置。 - 前記蒸発ユニットを複数有する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の有機薄膜形成装置。
- 前記第一の蒸発槽と、前記第二の蒸発槽とは、前記真空槽の内部に配置された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の有機薄膜形成装置。
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KR20200002559A (ko) | 2018-06-29 | 2020-01-08 | 캐논 톡키 가부시키가이샤 | 증발원 및 증착 장치 |
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JP2005060757A (ja) * | 2003-08-11 | 2005-03-10 | Ulvac Japan Ltd | 成膜装置、及び成膜方法 |
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JP2011117073A (ja) * | 2009-11-30 | 2011-06-16 | Samsung Mobile Display Co Ltd | 蒸着源、それを備えた蒸着装置及び薄膜形成方法 |
-
2014
- 2014-10-10 JP JP2014208954A patent/JP2016079420A/ja active Pending
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