JP2016070474A - すべり支承免震装置及び積層ゴム免震装置とすべり支承免震装置とを併用した構造物の免震構造 - Google Patents

すべり支承免震装置及び積層ゴム免震装置とすべり支承免震装置とを併用した構造物の免震構造 Download PDF

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【課題】作動時に沈下が発生するようにすることで、積層ゴム免震装置と良好に併用し得るようにしたすべり支承免震装置を提供する。【解決手段】構造物の上部構造体12と下部構造体14との間に配設されるすべり支承免震装置10は、下部構造体の側に連結されて略々水平に延展するすべり板20と、上部構造体の側に連結されるすべり材34とを備え、すべり板20はその上面がすべり面24を画成しており、すべり材34はその下面がこのすべり面に摺接する摺接面36を画成している。すべり材34がすべり板20のすべり面24上を滑動することで上部構造体12の下部構造体14に対する水平方向の相対移動が許容される。すべり板20のすべり面24は略々部分球面形状を成す凸面形状に形成されており、それによって、すべり材34がすべり板20に対して相対的に水平方向に偏位して中立位置から離れるにつれて、すべり材34が鉛直下方へ偏位するようにした。【選択図】図1

Description

本発明はすべり支承免震装置に関し、また、積層ゴム免震装置とすべり支承免震装置とを併用した構造物の免震構造に関する。
コンクリート造建物などの構造物の免震構造として、構造物の上部構造体と下部構造体との間の複数の支持箇所の各々に免震装置を介装し、それら免震装置によって上部構造体を支持するようにした免震構造が広く採用されている。また、そのための免震装置としては、積層ゴム免震装置、すべり支承免震装置、転がり支承免震装置、それに、それらのうちの2種類以上を組合せて構成した複合免震装置などが用いられている。
積層ゴム免震装置を使用する免震構造では、水平方向ダンパや、作動した免震装置を中立位置へ復帰させる復帰機構などを省略または簡易化することができ、ひいては免震構造の全体を簡明なものとすることができる。その一方で、積層ゴム免震装置は、その他の免震装置と比べて水平剛性が比較的大きいため、地震振動の遮断性能に関しては、やや劣りがちである。
そこで、かかる免震構造における複数の支持箇所のうちの、幾つかの支持箇所では積層ゴム免震装置を使用し、その他の支持箇所ではすべり支承免震装置を使用するようにすれば、構造の簡明性と地震振動の遮断性能との双方に優れた免震構造を設計し得る可能性があるが、ただしその場合には、それら免震装置の作動時における沈下量が問題になる。
即ち、従来のすべり支承免震装置は、例えば特許文献1、特許文献2などに示されているように、水平方向に延在する平面形状のすべり面上をすべり材が滑動する構成であるため、その作動時にすべり支承免震装置の上端が沈下することはない。これに対して積層ボム免震装置は、水平方向に大きな変形を生じたときに、免震装置の上端が明瞭に沈下し、場合によってはその沈下量が数mmにも達することがある。そのため、上述したように、幾つかの支持箇所では積層ゴム免震装置を使用し、その他の支持箇所ではすべり支承免震装置を使用するようにして、積層ゴム免震装置とすべり支承免震装置とを併用した免震構造では、地震発生時に積層ゴム免震装置を設置した支持箇所だけが鉛直方向に沈下することになる。
これを図示したのが図8である。図中、免震構造90を備えた構造物は上部構造体92と下部構造体94とに分割して構築されており、上部構造体92は例えば建物躯体、下部構造体94は例えばその建物の基礎を成すフーチングなどである。構造物90の上部構造体92と下部構造体94との間の複数の支持箇所の各々に免震装置92、94が介装されており、そら免震装置92、94によって上部構造体92が支持されている。複数の支持箇所のうちの幾つかの支持箇所では積層ゴム免震装置92が使用され、その他の支持箇所では従来のすべり支承免震装置94が使用され、これによって、積層ゴム免震装置とすべり支承免震装置とを併用した免震構造が構成されている。そして、積層ゴム免震装置92が作動時に沈下を発生するのに対して、すべり支承免震装置94は作動時に沈下を発生しないことから、地震発生時には、図示したように、それら免震装置92、94によって支持された上部構造の梁に曲げ応力が作用し、そのスパン間に変位角が生じている。
特開2010−54050 特開2010−203143
したがって、幾つかの支持箇所では積層ゴム免震装置を使用し、その他の支持箇所ではすべり支承免震装置を使用する免震構造を、従来のすべり支承免震装置を用いて構成したならば、地震発生時に、それまで積層ゴム免震装置が負担していた鉛直荷重の一部がすべり支承免震装置に転嫁され、すべり支承免震装置に過大な鉛直荷重が作用するという不都合をきたすおそれがある。また、積層ゴム免震装置の設置箇所とすべり支承免震装置の設置箇所との間で鉛直方向の変位差を生じることから、図8に示したように、各免震装置に支持された上部構造の梁に有害な応力およびスパン間の変位角が生じるという不都合もきたしかねない。
本発明はかかる事情に鑑み成されたものであり、本発明の第1の目的は、作動時に沈下が発生するようにすることで、積層ゴム免震装置と良好に併用し得るようにしたすべり支承免震装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、構造物の上部構造体と下部構造体との間の複数の支持箇所の各々に免震装置を介装し、そら免震装置によって上部構造体を支持するようにした免震構造において、前記複数の支持箇所のうちの幾つかの支持箇所では積層ゴム免震装置を使用し、その他の支持箇所では上記すべり支承免震装置を使用することにより、積層ゴム免震装置とすべり支承免震装置とを併用した構成とする場合に、地震発生時の各免震装置の設置箇所における鉛直変位差を解消ないし抑制して、各免震装置に支持された上部構造の梁に生じる応力およびスパン間の変位角を緩和することのできる免震構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るすべり支承免震装置は、構造物の上部構造体と下部構造体との間に配設されるすべり支承免震装置において、前記下部構造体の側に連結されて略々水平に延展するすべり板と、前記上部構造体の側に連結されるすべり材とを備え、前記すべり板はその上面がすべり面を画成しており、前記すべり材はその下面が前記すべり面に摺接する摺接面を画成しており、前記すべり材が前記すべり板の前記すべり面上を滑動することで前記上部構造体の前記下部構造体に対する水平方向の相対移動が許容されるようにしてあり、前記すべり板の前記すべり面は略々部分球面形状を成す凸面形状に形成されており、それによって、前記すべり材が前記すべり板に対して相対的に水平方向に偏位して中立位置から離れるにつれて前記すべり材が鉛直下方へ偏位するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係るすべり支承免震装置は、構造物の上部構造体と下部構造体との間に配設されるすべり支承免震装置において、前記下部構造体の側に連結されて略々水平に延展する第1すべり板と、前記上部構造体の側に連結されて略々水平に延展する第2すべり板と、前記第1すべり板と前記第2すべり板との間に配設されるすべり材とを備え、前記第1すべり板はその上面が第1すべり面を画成しており、前記第2すべり板はその下面が第2すべり面を画成しており、前記すべり材はその下面が前記第1すべり面に摺接する第1摺接面を画成し、その上面が前記第2すべり面に摺接する第2摺接面を画成しており、前記すべり材が前記第1及び第2すべり板の前記第1及び第2すべり面上を滑動することで前記上部構造体の前記下部構造体に対する水平方向の相対移動が許容されるようにしてあり、前記第1及び第2すべり板の前記第1及び第2すべり面は略々部分球面形状を成す凸面形状に形成されており、それによって、前記第2すべり板が前記第1すべり板に対して相対的に水平方向に偏位して中立位置から離れるにつれて前記第2すべり材が鉛直下方へ偏位するようにしてあることを特徴とする。
また、本発明に係る構築物の免震構造は、構造物の上部構造体と下部構造体との間の複数の支持箇所の各々に免震装置を介装し、それら免震装置によって上部構造体を支持するようにした構造物の免震構造において、前記複数の支持箇所のうちの幾つかの支持箇所では積層ゴム免震装置を使用し、その他の支持箇所では上記すべり支承免震装置を使用することにより、積層ゴム免震装置とすべり支承免震装置とを併用しており、前記積層ゴム免震装置の作動時の沈下量と前記すべり支承免震装置の作動時の沈下量とを実質的に等しくしてあることを特徴とする。
本発明に係るすべり支承免震装置によれば、構造物の上部構造体と下部構造体との間に配設されるすべり支承免震装置が作動時に適切な沈下量を発生することから、積層ゴム免震装置と良好に併用することができる。また、本発明に係る免震構造によれば、積層ゴム免震装置とすべり支承免震装置とを併用した免震構造において、地震発生時の各免震装置の支持箇所における鉛直変位差を解消ないし抑制し、各免震装置に支持された上部構造の梁に生じる応力およびスパン間の変位角を緩和することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るすべり支承免震装置の断面側面図であり、すべり支承免震装置が中立位置にある状態を示した図である。 図1に示した本発明の第1の実施の形態に係るすべり支承免震装置の断面側面図であり、すべり支承免震装置が作動して中立位置から偏位した状態を示した図である。 本発明の第2の実施の形態に係るすべり支承免震装置の断面側面図であり、すべり支承免震装置が作動して中立位置から偏位した状態を示した図である。 本発明の第3の実施の形態に係るすべり支承免震装置の断面側面図であり、すべり支承免震装置が作動して中立位置から偏位した状態を示した図である。 本発明の第4の実施の形態に係るすべり支承免震装置の断面側面図であり、すべり支承免震装置が作動して中立位置から偏位した状態を示した図である。 図1に示した本発明の第1の実施の形態に係るすべり支承免震装置を並列して使用した構成を示した断面側面図であり、すべり支承免震装置が中立位置にある状態を示した図である。 本発明の実施の形態に係る免震構造を備えた構造物を示した模式的側面図である。 従来例に係る免震構造を備えた構造物を示した模式的側面図である。
図1及び図2に示したのは本発明の第1の実施の形態に係るすべり支承免震装置10の断面側面図であり、図1はすべり支承免震装置10が中立位置にある状態を示しており、図2はすべり支承免震装置10が作動して中立位置から偏位した状態を示している。すべり支承免震装置10は、構造物の上部構造体12と下部構造体14との間に介装されており、上部構造体12は例えば建物躯体、下部構造体14は例えばその建物の基礎を成すフーチングなどである。
図1に示すように、すべり支承免震装置10は、いずれも鋼板製の上フランジプレート16と下フランジプレート18とを備えている。下フランジプレート18の上面に、適宜の金属板などで製作されるすべり板20が固定結合されており、それら下フランジプレート18及びすべり板20はアンカーボルト22によって下部構造体14の側に固定連結されている。すべり板20は略々水平に延展しており、その上面がすべり面24を画成している。ただし、このすべり面24は平面ではなく、略々部分球面形状を成す凸面形状に形成されている。
上フランジプレート14はアンカーボルト26によって上部構造体12の側に固定連結されている。上フランジプレート14には、ボールジョイント機構28を介して、円板形状の厚手鋼板から成る支持板30が揺動可能に連結されている。この支持板30の下面にすべり材ホルダ32が固定連結され、このすべり材ホルダ32によって例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂の板材などから成るすべり材34が固定保持されている。以上の構成により、すべり材34は上部構造体12の側に揺動可能に連結されている。
すべり材34は円板形状であって略々水平に延展しており、その下面がすべり板20のすべり面24に摺接する摺接面36を画成している。この摺接面36は、略々部分球面形状を成す凹面形状に形成されている。すべり支承免震装置10の作動時にはすべり材34がすべり板20のすべり面24上を滑動することで、上部構造体12の下部構造体14に対する水平方向の相対移動が許容される。
以上の構成によれば、すべり板20のすべり面24が略々部分球面形状を成す凸面形状に形成されているため、このすべり支承免震装置10の作動時には、すべり材34がすべり板20に対して相対的に水平方向に偏位して中立位置から離れるにつれてすべり材34が鉛直下方へ偏位する。そのため、図2に示すように、上部構造体12の下部構造体14に対する相対的な水平方向の偏位量δに応じて、すべり支承免震装置10が沈下量δの沈下を発生し、この水平方向の偏位量δと沈下量δとの関係は、すべり板20のすべり面24の曲率半径の大きさを適宜に定めることで、所望の関係とすることができる。それゆえ、積層ゴム免震装置とこのすべり支承免震装置10とを併用した免震構造を設計する際に、両者の沈下量を揃えることで、即ち、積層ゴム免震装置の作動時の沈下量とこのすべり支承免震装置10の作動時の沈下量とを実質的に等しくすることで、良好な免震構造が得られる。
尚、すべり材34がすべり板20に対して相対的に水平方向に偏位して中立位置から離れるにつれてすべり材34は次第に水平方向から傾斜して行く。この水平方向の偏位に伴うすべり材34の傾動を吸収するために、すべり材34を上部構造体12の側に揺動可能に連結してあり、この揺動可能な連結のための手段として、第1の実施の形態に係るすべり支承免震装置10では、支持板30と上部構造体12とをボールジョイント機構28を介して連結している。
次に、図3及び図4を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るすべり支承免震装置40及び第3の実施の形態に係るすべり支承免震装置50について説明する。尚、第1の実施の形態に係るすべり支承免震装置10と同一構成の部分については同一の参照番号を付して説明を省略する。
図3に示した第2の実施の形態に係るすべり支承免震装置40では、すべり材34を上部構造体12の側に揺動可能に連結するための手段として、上フランジプレート16に固設したリング部材42の内壁面と、上フランジプレート16の下面と、支持板30の上面とで画成される円筒形空間に、その円筒空間合わせた寸法及び形状に形成した円筒形のエラストマーブロック44を収容してあり、このエラストマーブロック44の弾性変形によってすべり材34の傾動を吸収するようにしたものである。その他の部分は第1の実施の形態と同一構成であり、作用効果も同様である。
図4に示した第2の実施の形態に係るすべり支承免震装置50では、すべり材34を上部構造体12の側に揺動可能に連結するための手段として、積層ゴム52を介して上フランジプレート16とすべり材ホルダ32とを連結し、この積層ゴム52の弾性変形によってすべり材34の傾動を吸収するようにしたものである。その他の部分は第1の実施の形態と同一構成であり、作用効果も同様である。
次に、図5を参照して、本発明の第4の実施の形態に係るすべり支承免震装置60について説明する。すべり支承免震装置60は構造物の上部構造体12と下部構造体14との間に介装されており、上部構造体12は例えば建物躯体、下部構造体14は例えばその建物の基礎を成すフーチングなどである。
すべり支承免震装置60は、いずれも鋼板製の上フランジプレート62と下フランジプレート64とを備えている。上フランジプレート62の下面と、下フランジプレート64の上面とに、適宜の金属板などで製作される上すべり板66と、下すべり板68とが固定結合されており、上フランジプレート62及び上すべり板66は上部構造体12の側に、また、下フランジプレート64及び下すべり板68は下部構造体14の側に、夫々不図示のアンカーボルトによって固定連結されている。上下のすべり板66、68は、いずれも略々水平に延展しており、上すべり板66の下面と、下すべり板68の上面とは、夫々にすべり面70とすべり面72とを画成している。ただし、それらすべり面70、72は平面ではなく、第1の実施の形態に係るすべり支承免震装置10のすべり面24と同様に、略々部分球面形状を成す凸面形状に形成されており、また、それら2つのすべり面70、72は互いに同一の寸法形状とされている。
上下のすべり板66、68の間に例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂などから成るすべり材74が挟持されている。すべり材74は円板形状であって略々水平に延展しており、その上面が上すべり板66のすべり面70に摺接する上摺接面76を画成し、その下面が下すべり板68のすべり面70に摺接する下摺接面78を画成している。それら摺接面76、78は、略々部分球面形状を成す凹面形状に形成されている。すべり支承免震装置60の作動時にはすべり材74が上下のすべり板66、68のすべり面70、72上を滑動することで、上部構造体12の下部構造体14に対する水平方向の相対移動が許容される。
以上の構成によれば、上下のすべり板66、68のすべり面70、72が略々部分球面形状を成す凸面形状に形成されているため、このすべり支承免震装置60の作動時には、すべり材74が上下のすべり板66、68に対して相対的に水平方向に偏位して中立位置から離れるにつれてすべり材74が鉛直下方へ偏位し、また更に大きな偏位量をもって上すべり板66が鉛直下方へ偏位する。そのため、上部構造体12の下部構造体14に対する相対的な水平方向の偏位量に応じて、すべり支承免震装置60が沈下を発生し、この水平方向の偏位量と沈下量との関係は、上下のすべり板66、68のすべり面70、72の曲率半径の大きさを適宜に定めることで、所望の関係とすることができる。それゆえ、積層ゴム免震装置とこのすべり支承免震装置60とを併用した免震構造を設計する際に、両者の沈下量を揃えることで、即ち、積層ゴム免震装置の作動時の沈下量とこのすべり支承免震装置70の作動時の沈下量とを実質的に等しくすることで、良好な免震構造が得られる。
尚、すべり材74が上下のすべり板20に対して相対的に水平方向に偏位して中立位置から離れるにつれてすべり材74は次第に水平方向から傾斜して行くが、すべり材74を挟持している上下のすべり面70、72が互いに同一の寸法形状であるため、その傾斜によって、すべり材74の上下の摺接面76、78とそれらすべり面70、72との当接状態が損なわれることはない。
以上に説明した第1〜第4の実施の形態に係るすべり支承免震装置はいずれも、免震構造の1つの支持箇所において支持する鉛直荷重が大きい場合には、複数のすべり支承免震装置を1つの支持箇所に配列して使用するとよい。そのようにした場合の具体例を示したのが図6であり、この具体例は、図1に示した第1の実施の形態に係るすべり支承免震装置10を2基並列したものである。
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態に係る免震構造80について説明する。同図に示したのは、この免震構造80を備えた構造物の模式的側面図である。構造物は上部構造体12と下部構造体14とに分割して構築されており、上部構造体12は例えば建物躯体、下部構造体14は例えばその建物の基礎を成すフーチングなどである。構造物の上部構造体12と下部構造体14との間の複数の支持箇所の各々に免震装置82、84を介装し、そら免震装置82、84によって上部構造体12を支持している。複数の支持箇所のうちの幾つかの支持箇所では積層ゴム免震装置82を使用し、その他の支持箇所では、上で説明した実施の形態の如き、本発明に係るすべり支承免震装置84を使用しており、これによって、積層ゴム免震装置とすべり支承免震装置とを併用した免震構造が構成されている。そして、積層ゴム免震装置82の作動時の沈下量と、すべり支承免震装置84の作動時の沈下量とが実質的に等しくなるように、それら免震装置82、84を設計してあり、それによって、地震発生時の各免震装置82、84の支持箇所における鉛直変位差を解消ないし抑制し、各免震装置82、84に支持された上部構造の梁に生じる応力およびスパン間の変位角を緩和することができる。またかかる免震構造において、その1つの支持箇所において支持する鉛直荷重が大きい場合には、例えば図6に示したように、本発明に係るすべり支承免震装置を複数並列するとよい。
10 すべり支承免震装置
12 上部構造体
14 下部構造体
16 上フランジプレート
18 下フランジプレート
20 すべり板
24 すべり面
28 ボールジョイント機構
34 すべり材
40 すべり支承免震装置
42 リング部材
44 エラストマーブロック
50 すべり支承免震装置
52 積層ゴム
60 すべり支承免震装置
62 上フランジプレート
64 下フランジプレート
66 上すべり板
68 下すべり板
70 すべり面
72 すべり面
74 すべり材
80 すべり支承免震装置
82 積層ゴム免震装置
84 すべり支承免震装置

Claims (8)

  1. 構造物の上部構造体と下部構造体との間に配設されるすべり支承免震装置において、
    前記下部構造体の側に連結されて略々水平に延展するすべり板と、前記上部構造体の側に連結されるすべり材とを備え、
    前記すべり板はその上面がすべり面を画成しており、前記すべり材はその下面が前記すべり面に摺接する摺接面を画成しており、前記すべり材が前記すべり板の前記すべり面上を滑動することで前記上部構造体の前記下部構造体に対する水平方向の相対移動が許容されるようにしてあり、
    前記すべり板の前記すべり面は略々部分球面形状を成す凸面形状に形成されており、それによって、前記すべり材が前記すべり板に対して相対的に水平方向に偏位して中立位置から離れるにつれて前記すべり材が鉛直下方へ偏位するようにしてある、
    ことを特徴とするすべり支承免震装置。
  2. 前記すべり材を前記上部構造体の側に揺動可能に連結してあることを特徴とする請求項1記載のすべり支承免震装置。
  3. 前記すべり材を、ボールジョイント機構を介して前記上部構造体の側に揺動可能に連結してあることを特徴とする請求項2記載のすべり支承免震装置。
  4. 前記すべり材を、エラストマーブロックを介して前記上部構造体の側に揺動可能に連結してあることを特徴とする請求項2記載のすべり支承免震装置。
  5. 前記すべり材を、積層ゴムを介して前記上部構造体の側に揺動可能に連結してあることを特徴とする請求項2記載のすべり支承免震装置。
  6. 構造物の上部構造体と下部構造体との間に配設されるすべり支承免震装置において、
    前記下部構造体の側に連結されて略々水平に延展する第1すべり板と、前記上部構造体の側に連結されて略々水平に延展する第2すべり板と、前記第1すべり板と前記第2すべり板との間に配設されるすべり材とを備え、
    前記第1すべり板はその上面が第1すべり面を画成しており、前記第2すべり板はその下面が第2すべり面を画成しており、
    前記すべり材はその下面が前記第1すべり面に摺接する第1摺接面を画成し、その上面が前記第2すべり面に摺接する第2摺接面を画成しており、
    前記すべり材が前記第1及び第2すべり板の前記第1及び第2すべり面上を滑動することで前記上部構造体の前記下部構造体に対する水平方向の相対移動が許容されるようにしてあり、
    前記第1及び第2すべり板の前記第1及び第2すべり面は略々部分球面形状を成す凸面形状に形成されており、それによって、前記第2すべり板が前記第1すべり板に対して相対的に水平方向に偏位して中立位置から離れるにつれて前記第2すべり材が鉛直下方へ偏位するようにしてある、
    ことを特徴とするすべり支承免震装置。
  7. 構造物の上部構造体と下部構造体との間の複数の支持箇所の各々に免震装置を介装し、それら免震装置によって上部構造体を支持するようにした構造物の免震構造において、
    前記複数の支持箇所のうちの幾つかの支持箇所では積層ゴム免震装置を使用し、その他の支持箇所では請求項1乃至6の何れか1項記載のすべり支承免震装置を使用することにより、積層ゴム免震装置とすべり支承免震装置とを併用しており、前記積層ゴム免震装置の作動時の沈下量と前記すべり支承免震装置の作動時の沈下量とを実質的に等しくしてある、
    ことを特徴とする構造物の免震構造。
  8. 前記複数の支持箇所のうちの少なくとも1つの支持箇所に前記すべり支承免震装置を複数並列してあることを特徴とする請求項7記載の構造物の免震構造。
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