JP6590205B2 - 三次元免震装置 - Google Patents

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本発明は、水平方向および上下方向の振動を抑制する三次元免震装置に関し、特に、地震時の上下動を抑制し、上下方向の振動加速度を低減することが必要なオフィス、精密機械製作工場、コンピュータセンター等の建屋用の免震装置として好適な三次元免震装置に関するものである。
通常の建物は、地盤に構築された基礎の上に直接建設されるので、地震時の地盤の上下動および水平動はそのまま建物に作用する。この地震動のうち水平動に対して免震効果を発揮するものは従来技術として既に利用されており、例えば複数の免震装置の上に建物を建設することで実現できる。
このような水平動を緩和する免震装置としては、例えば水平な金属板と水平なゴム板を交互に積層した免震部材を用いたものが知られている。
ところで、地震動には上述のような水平動だけでなく上下動もある。
例えば、非特許文献1に示された水平方向免震装置を有する6階建て免震建物(柱SRC造・梁S造)の地震動の実測例では、基礎面の加速度波形に比べて、1階および6階床面の加速度波形を見ると、東西および南北方向の水平地震動は免震装置によって緩和されているものの、上下方向の地震動は緩和されていないことがわかる。
上下動は建物を損傷する原因となる場合も懸念されるし、特に建物内部に大型コンピュータのような精密機械を多く設置してある場合には設備機械の損傷による損失あるいはコンピュータ内に蓄積されていたデータが喪失することが懸念される。
上下動に有効な免震装置として、例えば下記の特許文献1〜7に示すようなものが知られている。このうち特許文献4〜7は、ゴム板と鋼板を交互に積層した水平動免震ユニットと、ゴム板と鋼板を交互に同心状に積層した上下動免震ユニットを上下に連結したものである。また、上下動免震ユニットの構造に類似したものとして、弾性材料と延伸不能材料を同心状に交互に積層した積層軸受が知られている(例えば、特許文献8、9を参照)。
また、実際に適用された事例として非特許文献2に示すようなものが知られている。しかし、実際に適用された上下動免震装置はガススプリング機構を利用しているものの、上下動免震ユニットの転倒挙動の懸念があることがデメリットであった。また、使用するガス圧を大きくすることが困難なため、多数の免震装置を必要とすることも経済的なデメリットであった。また、ゴム製の耐圧袋を使った装置では耐圧性能を大きくするために、ゴムを鋼線補強することになり、装置の柔軟性や組み立てやすさに支障があることがデメリットであった。
長田勝幸、川田公裕、「免震建物の兵庫県南部地震による効果(郵政省WESTビル)」、日本建築学会学術講演梗概集、No.21316、pp.631−632、1995年8月 高橋治ほか、「3次元免震システムの開発と共同受託へ採用した設計事例」、鉄構技術、pp.40−47、2010年10月
特許第3097006号公報 特開2002−106630号公報 特開2001−082542号公報 特開2002−13572号公報 特開平9−144808号公報 特開2000−130506号公報 特開平3−244766号公報 特開昭54−132043号公報 特開昭48−1641号公報
このため、上下動免震ユニットの転倒のおそれをなくし、設置数を減らせる三次元免震装置の開発が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、上下動免震ユニットの転倒のおそれをなくし、設置数を減らせる三次元免震装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る三次元免震装置は、水平動に対して免震効果を発揮する水平動免震ユニットと、上下動に対して免震効果を発揮する上下動免震ユニットとを上下に連結した構造を有する三次元免震装置であって、水平動免震ユニットは、平板状の剛性部材と弾性部材を上下方向に積層した構造からなり、上下動免震ユニットは、上下方向の軸線を中心とする円筒状の剛性部材と弾性部材を同心円状に積層した構造からなり、上下動免震ユニットの同心円の中心部と外枠部の少なくとも一方に、上下方向にスライド可能な上下一対の剛性上下部材を上下動免震ユニットの上面および下面にそれぞれ設けられる上板および下板に固定した態様で配置し、上下一対の剛性上下部材を中心部に配置する場合には、一方の剛性上下部材は円柱状の心棒もしくは円筒状の形態であり、他方の剛性上下部材は一方の剛性上下部材の外側に接近配置され、一方の剛性上下部材の上下の動きを妨げることなくその周囲を円筒管状に囲うシリンダー型の形態であり、上下一対の剛性上下部材を外枠部に配置する場合には、一方の剛性上下部材は円筒状の形態であり、他方の剛性上下部材は一方の剛性上下部材の外側に接近配置され、一方の剛性上下部材の上下の動きを妨げることなくその周囲を円筒管状に囲うシリンダー型の形態であり、上下動免震ユニットに作用する水平力を、上下一対の剛性上下部材の側部間の接触によって、水平動免震ユニットに伝達することを特徴とする。
また、本発明に係る他の三次元免震装置は、上述した発明において、上下動免震ユニットの弾性部材の円筒の厚さは、同心円の半径方向内側は薄くなっており、外側にいくにしたがって次第に厚くなっていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の三次元免震装置は、上述した発明において、上下動免震ユニットが所定の高さまで縮小変形した時点で、一方の剛性上下部材の上端または下端と、他方の剛性上下部材またはこれが固定される上板もしくは下板とが当接するか、あるいは、他方の剛性上下部材の上端または下端と、一方の剛性上下部材またはこれが固定される上板もしくは下板とが当接することによって、それ以上高さを縮小変形できないようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る他の三次元免震装置は、上述した発明において、上下動免震ユニットは、円筒状の剛性部材と弾性部材を同心円状に積層した構造の周囲に密着し、この構造を収容する円筒容器を有しており、この構造と円筒容器とで密閉された空間には、ガスまたはエアーが所定の圧力で封入されていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の三次元免震装置は、上述した発明において、上下動免震ユニットは、ガスまたはエアーの出入可能な出入口を有し、この出入口を介して密閉された空間に所定の圧力のガスまたはエアーが常に出入可能であることを特徴とする。
また、本発明に係る他の三次元免震装置は、上述した発明において、円筒状の剛性部材は、上下動免震ユニットが所定の高さまで変形した時点で、隣接する弾性部材の上下端に接触する突起部を有することを特徴とする。
また、本発明に係る他の三次元免震装置は、上述した発明において、円筒状の剛性部材の突起部の突起高さは隣接する弾性部材の厚さよりも小さいことを特徴とする。
また、本発明に係る他の三次元免震装置は、上述した発明において、上下動免震ユニットの同心円の中心部と外枠部の少なくとも一方において上下一対の剛性上下部材を有する代わりに、上下動免震ユニットの同心円の中心部において互いに上下方向に対向配置される剛性貫入部材と粘弾性部材とを有し、剛性貫入部材は、上下方向にスライド可能な円柱状の心棒からなり、下端または上端にいくにしたがって縮径する貫入体を有し、上下動免震ユニットの上面に設けられる上板または下面に設けられる下板に固定され、粘弾性部材は、上下動免震ユニットの高さよりも若干低い柱状体からなり、剛性貫入部材の貫入体が貫入する管状の凹部を有し、この凹部は奥にいくにしたがって縮径しており、上下動免震ユニットの下板または上板に固定されることを特徴とする。
また、本発明に係る他の三次元免震装置は、水平動に対して免震効果を発揮する水平動免震ユニットと、上下動に対して免震効果を発揮する上下動免震ユニットとを上下に連結した構造を有する三次元免震装置であって、水平動免震ユニットは、平板状の剛性部材と弾性部材を上下方向に積層した構造からなり、上下動免震ユニットは、上下方向の軸線を共通の中心とする上下2つの円筒型容器からなり、上側の円筒型容器の上面には上蓋が、下側の円筒型容器の下面には下蓋が設けられており、いずれか一方の円筒型容器の内径は他方の円筒型容器の外径よりも若干大きく、一方の円筒型容器の内側に他方の円筒型容器が上下方向に相対的にスライド可能に嵌合しており、双方の円筒状側壁の間の高さの異なる位置に2つ以上のオーリングが設けられており、2つの円筒型容器により囲まれた内部空間にはガスまたはエアーが封入され、このガスまたはエアーは2つの円筒型容器の壁とオーリングによって外部に漏れないようにされており、円筒型容器が上下方向に相対的にスライドすることで、上下動免震ユニットの全体高さが変化することを特徴とする。
また、本発明に係る他の三次元免震装置は、上述した発明において、上下動免震ユニットを構成する上下2つの円筒型容器の中に、上下動に対して免震効果を発揮する上記の段落[0012]〜[0014]に記載の上下動免震ユニットからなる上下免震部材を設けたことを特徴とする。
本発明に係る三次元免震装置によれば、水平動に対して免震効果を発揮する水平動免震ユニットと、上下動に対して免震効果を発揮する上下動免震ユニットとを上下に連結した構造を有する三次元免震装置であって、水平動免震ユニットは、平板状の剛性部材と弾性部材を上下方向に積層した構造からなり、上下動免震ユニットは、上下方向の軸線を中心とする円筒状の剛性部材と弾性部材を同心円状に積層した構造からなり、上下動免震ユニットの同心円の中心部と外枠部の少なくとも一方に、上下方向にスライド可能な上下一対の剛性上下部材を上下動免震ユニットの上面および下面にそれぞれ設けられる上板および下板に固定した態様で配置し、上下一対の剛性上下部材を中心部に配置する場合には、一方の剛性上下部材は円柱状の心棒もしくは円筒状の形態であり、他方の剛性上下部材は一方の剛性上下部材の外側に接近配置され、一方の剛性上下部材の上下の動きを妨げることなくその周囲を円筒管状に囲うシリンダー型の形態であり、上下一対の剛性上下部材を外枠部に配置する場合には、一方の剛性上下部材は円筒状の形態であり、他方の剛性上下部材は一方の剛性上下部材の外側に接近配置され、一方の剛性上下部材の上下の動きを妨げることなくその周囲を円筒管状に囲うシリンダー型の形態であり、上下動免震ユニットに作用する水平力を、上下一対の剛性上下部材の側部間の接触によって、水平動免震ユニットに伝達する。上下動免震ユニットの転倒挙動に対して円筒状の弾性部材の水平方向の剛性が効果的に作用するため、上下動免震ユニットの転倒のおそれを低減することができる。また、三次元免震装置に作用する建物荷重を支持する力として、円筒状の弾性部材のせん断力を利用することで、三次元免震装置の設置数を節減することができるという効果を奏する。
図1−1は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態1を示す常時の鉛直断面図である。 図1−2は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態1を示す地震時の鉛直断面図である。 図1−3は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態1を示す地震時の鉛直断面図である。 図1−4は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態1を示す地震時の鉛直断面図である。 図2は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態1の上下動免震ユニットの水平力作用時の図である。 図3−1は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態2の上下動免震ユニットの概略鉛直断面図である。 図3−2は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態2の上下動免震ユニットの水平断面図である。 図4は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態3の上下動免震ユニットの概略鉛直断面図である。 図5−1は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態4を示す常時の鉛直断面図である。 図5−2は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態4を示す地震時の鉛直断面図である。 図6−1は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態5を示す常時の鉛直断面図である。 図6−2は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態5を示す地震時の鉛直断面図である。 図6−3は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態5を示す地震時の鉛直断面図である。 図7−1は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態5の変形例を示す常時の鉛直断面図である。 図7−2は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態5の変形例を示す地震時の鉛直断面図である。 図8は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態6を示す鉛直断面図である。 図9は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態6の変形例を示す鉛直断面図である。 図10−1は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態7を示す常時の鉛直断面図である。 図10−2は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態7を示す地震時の鉛直断面図である。 図11は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態8を示す常時の鉛直断面図である。 図12は、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態8の変形例を示す常時の鉛直断面図である。 図13は、本発明に係る三次元免震装置を配置した建物の実施の形態を示す正面断面図である。
以下に、本発明に係る三次元免震装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態では、建物基礎の上部と下部の間に三次元免震装置が設けられる場合を例にとり説明するが、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
本実施の形態1は、同心円積層ゴム方式についてのものである。
図1−1に示すように、本発明の実施の形態1に係る三次元免震装置100は、水平動に対して免震効果を発揮する水平動免震ユニット10と、上下動に対して免震効果を発揮する上下動免震ユニット12とを上下に連結した構造を有する。水平動免震ユニット10は下面の固定板14を介して建物の基礎の下部16にアンカーボルト18で固定され、上下動免震ユニット12は上面の固定板20を介して基礎の上部22にアンカーボルト18で固定される。なお、図1−1は、建物の常時荷重が三次元免震装置100に作用している状態の図であり、後述の円筒状のゴム板のせん断力に見合った支持力が発揮されている。
水平動免震ユニット10は、平板状の金属板24(剛性部材)とゴム板26(弾性部材)を上下方向に交互に積層した積層ゴム免震構造からなる。上下動免震ユニット12は、上下方向の軸線を中心とする円筒状の金属板28(剛性部材)とゴム板30(弾性部材)を同心円状に交互に積層した同心円積層ゴム構造からなる。円筒状のゴム板30の厚さは均等の厚さとなっている。
図1−1〜図1−3において、上下動免震ユニット12の上面および下面には、それぞれ金属製の円盤状の上板32および下板34が設けられている。上板32は固定板20に固定され、下板34は水平動免震ユニット10の上面に固定される。
上下動免震ユニット12の同心円の中心部には、上下方向にスライド可能な上下一対の金属製の金属上下部材36、38(剛性上下部材)が配置されている。上側の金属上下部材36は、上板32から下方に向けて突き出た円柱状の心棒からなる。下側の金属上下部材38は、下板34から上方に向けて突き出た円筒管状のシリンダー型の部材である。この下側の金属上下部材38は、上側の金属上下部材36の上下の動きを妨げることなくその周囲を囲うように上側の金属上下部材36の外側に接近配置される。
また、上板32の外縁から下方に向けて円筒状の内側壁40が配置され、下板34の外縁から上方に向けて円筒状の外側壁42が配置される。内側壁40は、下側の金属上下部材38の半径方向外側に配置される。内側壁40と外側壁42との間に、円筒状の金属板28とゴム板30とが交互に同心円状に積層配置される。
上記構成において、上下動免震ユニット12に水平力が作用すると、図2に示すように、上側の金属上下部材36と下側の金属上下部材38の側部間が水平方向に近づき接触することで、上側の金属上下部材36から下側の金属上下部材38および下板34を介して図外の水平動免震ユニット10に水平力が確実に伝達することになる。
上記構成の動作および作用について説明する。
図1−1に示すように、建物の静的荷重が三次元免震装置100に作用している常時の状態では、三次元免震装置100の高さは安定している。このとき、上下動免震ユニット12では円筒状のゴム板30からなる積層ゴムのせん断変形が生じており、せん断力に見合った支持力を発揮する。
図1−2に示すように、地震時に地盤が上方向に変形したときには、建物はあたかも沈み込むような変形となる。上下動免震ユニット12のゴム板30のせん断力が増加して上下動免震ユニット12の高さは小さくなる。一方、図1−3に示すように、地盤が下方向に変形したときには、建物はあたかも浮き上がったような状態になる。上下動免震ユニット12のゴム板30には逆方向のせん断力が発生する。他方、図1−4に示すように、地震時に水平方向に地盤が変形したときには、上下動免震ユニット12のゴム板30に水平力が発生し、この水平力は水平動免震ユニット10に伝達し、水平動免震ユニット10が水平変形する。
このように、地震発生時には、上下動免震ユニット12の円筒状のゴム板30からなる積層ゴムのせん断剛性バネによって上下動変形量は抑制される。さらに、この積層ゴムが粘弾性挙動をするので、上下動を抑制できる。本実施の形態では、円筒状のゴム板30の厚さは均等になっている。上下動に応じてせん断変形する積層ゴムは、中心側のゴム板30の面積(周長×高さ)に比べて、半径方向外側に配置されているゴム板30の面積が大きくなっている。したがって、各層のゴム板30の発揮するせん断抵抗力は外側に配置されているゴム板30の方が大きい。小規模な地震においては外側のゴム板30に比して、中心側のゴム板30の方が大きく変形して比較的剛性の小さい抵抗力を発揮するのに対し、大規模な地震においては外側のゴム板30も大きく変形するので、上下の変形量が大きくなるにしたがって、せん断剛性が大きくなる。このように上下変形量の大きさに応じて、せん断剛性が変化するので、より免震効果が有効になる。
このように、本実施の形態によれば、上下動の免震に対して積層ゴム構造を採用し、上下動免震ユニット12の転倒挙動に対して円筒状のゴム板30の水平方向の剛性が効果的に作用するため、上下動免震ユニット12の転倒のおそれを低減することができる。また、三次元免震装置100に作用する建物荷重を支持する力として、円筒状のゴム板30のせん断力を利用することで、三次元免震装置100の設置数を節減することができる。
なお、上記の実施の形態では、水平動免震ユニット10の上に上下動免震ユニット12を連結配置した場合を例にとり説明したが、上下動免震ユニット12の上に水平動免震ユニット10を連結配置してもよい。このようにしても本実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
なお、図3−1および図3−2はゴム板26(弾性部材)の厚さを説明する図であり、中心軸部に図1−1〜図1−4に示す金属上下部材36、38がない状態の図となっている。
図3−1および図3−2に示すように、本実施の形態2に係る三次元免震装置200は、上記の実施の形態1において、上下動免震ユニット12Aの円筒状のゴム板30の厚さを、半径方向内側のものは薄く、外側になるにしたがって次第に厚くなるようにしたものである。
建物の静的荷重が三次元免震装置200に作用している常時の状態では、上下動免震ユニット12Aの積層ゴムのせん断変形量をゴム厚さで除した値はせん断ひずみに相当する。周面積が小さい内側のゴム板30には大きなせん断応力が生じ、周面積が大きい外側のゴム板30には小さいせん断応力が作用する。このときゴム板30の厚さが前者では小さくて、後者では大きいので、せん断変形量はいずれのゴム板30も同等になる。その結果、積層ゴムをなす各ゴム板30の上下移動量を均一にすることができるため、上下動はバランスよく緩衝される。地震発生時には積層ゴムのせん断剛性バネによって上下動変形量は抑制される。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図4に示すように、本実施の形態3に係る三次元免震装置300は、上記の実施の形態1において、上下一対の金属上下部材を上下動免震ユニット12Bの外枠部に配置したものである。
より具体的には、上側の金属上下部材は、上板32の中心部から下方に向けて突き出た金属上下部材44と、上板32の外縁から下方に延びる円筒状の外側壁46とからなる。一方、下側の金属上下部材は、下板34の外縁から上方に延びる円筒状の内側壁48からなる。
内側壁48は外側壁46の半径方向内側に接近配置される。内側壁48と金属上下部材44との間に、円筒状の金属板28とゴム板30とが交互に同心円状に積層配置される。
上記構成において、上下動免震ユニット12Aに水平力が作用すると、図4に示すように、内側壁48と外側壁46が水平方向に近づき接触することで、上側の金属上下部材から下側の金属上下部材および下板34を介して図外の水平動免震ユニット10に水平力が確実に伝達することになる。したがって、上記の実施の形態1と同様の作用効果を奏することが可能である。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
本実施の形態4は、上下動免震ユニット12の過大な上下動を防止する構造例である。
図5−1に示すように、本実施の形態4に係る三次元免震装置400は、上記の実施の形態1において、上下動免震ユニット12Cが所定の高さまで縮小変形した時点で、金属上下部材36の下端と、金属上下部材38が固定される下板34とが当接することによって、それ以上高さを縮小変形できないようにしたものである。
建物荷重が作用している常時は、図5−1に示すような状態となっている。地震発生時には、上下動免震ユニット12Cは沈み込み変形する。地震動が過大となり、上下動変位量が予め設定した一定値以上となった場合には、図5−2に示すように、金属上下部材36は下限まで沈下してその下端が下板34に当接する。当接してから後は、それ以上の沈み込みをしないようにブロックされるので、建物は一定高さ以上に沈み込むことはない。また、ゴム板30からなる積層ゴムは限界以上のせん断変形を起こさないので、積層ゴムが破断する懸念をなくすことができる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。
図6−1に示すように、本実施の形態5に係る三次元免震装置500は、上記の実施の形態4において、上下動免震ユニット12Dの円筒状の金属板28のそれぞれの上下端側に突起部50を設けたものである。この突起部50は、上下動免震ユニット12Dが所定の高さまで変形した時点で、隣接するゴム板30の上下端に接触するようになっている。
建物荷重が作用している常時は、図6−1に示すような状態となっている。地震発生時には、図6−2に示すように、上下動免震ユニット12Dは沈み込み変形する。地震動が過大となり、上下動変位量が予め設定した一定値以上となった場合には、図6−3に示すように、金属上下部材36は下限まで沈下してその下端が下板34に当接する。
上下動免震ユニット12Dにおいて、ゴム板30からなる積層ゴムの付着に不具合が生じた場合であっても、積層ゴムの上下にストッパーとなる突起部50を設けることにより、所定の沈み込み変形が生じた時点で、積層ゴムに作用する上下方向のせん断力は積層ゴムに圧縮力として作用する。その結果、上下動免震ユニット12Dは上下動に対する粘弾性特性が減じて弾性変形にシフトするものの、若干の上下動抑制効果は作用する。この機構を有することで、ゴムの接着力喪失や破断によるせん断抵抗力の低下を防ぐので、上下動免震ユニット12Dの不具合発生時のフェイルセーフ機能が発揮される。
(実施の形態5の変形例)
次に、本発明の実施の形態5の変形例について説明する。
図7−1に示すように、本実施の形態5の変形例に係る三次元免震装置501は、上下動免震ユニット12Dの突起部50Aの突起高さを、隣接するゴム板30の厚さよりも小さくしたものである。
上下動免震ユニット12Dにおいて、ゴム板30からなる積層ゴムの付着に不具合が生じた場合であっても、積層ゴムの上下にストッパーとなる突起部50Aを設けることにより、所定の沈み込み変形が生じた時点で、積層ゴムに作用する上下方向のせん断力は積層ゴムに圧縮力として作用する。その結果、上下動免震ユニット12Dは上下動に対する粘弾性特性が減じて弾性変形にシフトするものの、若干の上下動抑制効果は作用する。この機構を有することで、ゴムの接着力喪失や破断によるせん断抵抗力の低下を防ぐので、上下動免震ユニット12Dの不具合発生時のフェイルセーフ機能が発揮される。
さらに、本実施の形態では、突起部50Aの突起高さを、隣接するゴム板30の厚さよりも小さくしてあるので、図7−2に示すように、突起部50Aがゴム板30の上下端に当接した後も、ゴム板30は、突起部50Aからはみ出すような若干のせん断変形が可能である。また、ゴム板30のせん断剛性は大きくなるので、上下動が大きい地震では制震効果の発揮も期待することができる。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について説明する。
図8に示すように、本実施の形態6に係る三次元免震装置600は、上記の実施の形態1において、上下動免震ユニット12Eを採用したものである。上下動免震ユニット12Eは、円筒状の金属板28とゴム板30を同心円状に積層した構造の周囲に密着し、この構造を収容する円筒容器を有しており、この構造と円筒容器とで密閉された内部空間56には、ガスまたはエアーが所定の圧力で封入されている。
円筒容器の側壁(実施の形態1の外側壁42)には、ガスまたはエアーの出入可能な出入口52が設けられており、開閉装置54で閉塞されている。
内部空間56のガスまたはエアー圧によって建物荷重の一部は支持されるので、ゴム板30からなる積層ゴムのせん断力の負担を低減することができる。また、ガススプリングによる上下動の緩衝効果による免震を期待できる。
(実施の形態6の変形例)
次に、本発明の実施の形態6の変形例について説明する。
図9に示すように、本実施の形態6の変形例に係る三次元免震装置601は、出入口52を介して内部空間56に所定の圧力のガスまたはエアーが常に出入可能としたものである。
常時において、ガスまたはエアー圧は一定となり、万一微量の漏れによりガスまたはエアー圧が減少しても、常時一定圧のガスまたはエアーが供給されるので、建物のガスまたはエアー圧による支持力を一定に維持できる。
なお、一定高さに上昇した場合には、別途設けてあるストッパー機構によって三次元免震装置601の高さが過大にならないようにしてある。例えば、ガスまたはエアー圧による支持力の値を当該三次元免震装置601に作用する建物荷重の8割に設定し、残る2割の支持力をゴム板30からなる積層ゴムのせん断力に負担させるならば、積層ゴムが所要のせん断変形を生じた時点で三次元免震装置601の高さは一定となる。
ガスまたはエアーの供給口のガスまたはエアー通過流量を十分大きくしておくならば、地震発生時に三次元免震装置601の高さが変化しても、常に一定のガスまたはエアー圧による支持力が建物に付与される。上下地震動に伴う上下動はゴム板30からなる積層ゴムのせん断剛性による緩衝を受けて免震効果が有効に発揮される。
一方、ガスまたはエアーの供給口の流量を適宜調整することによって、強大な地震発生時に三次元免震装置601の高さの変化に伴う三次元免震装置601内のガスまたはエアー室の容積変形量に比べて、出入口52から出入りするガスまたはエアーの出入り量を小さくすることも可能であり、この場合には地震時においてガスまたはエアー圧は建物の上下動に応じて上下し、ガススプリングによる上下動の緩衝効果による免震を期待できる。
(実施の形態6の変形例)
次に、本発明の実施の形態6の変形例について説明する。
本実施の形態6の変形例は、密閉された内部空間56のガスまたはエアー圧を常時監視し、ガスまたはエアー圧の漏れを発見した場合には、発見したガスまたはエアー漏れの不具合をただちに修復し、あるいは新規の三次元免震装置に交換することにより、常に水平動および上下動の免震効果を維持するようにした維持管理方法である。
常時は、図13に示されるように、本発明の三次元免震装置(符号100を符号600または601と読み替える)を、ガスまたはエアー圧で一定高さに維持し、各上下動免震ユニットのガスまたはエアー圧を監視している。このため、ガスまたはエアー漏れを即時検知して上下動免震ユニットの不具合を復旧し、あるいは新規なものに交換できる。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7について説明する。
図10−1に示すように、本実施の形態7に係る三次元免震装置700は、上記の実施の形態1において、上下一対の金属上下部材36、38の代わりに、上下動免震ユニット12Fの同心円の中心部において互いに上下方向に対向配置される金属製の剛性貫入部材58と、鉛材などからなる粘弾性部材60とを有するようにしたものである。
剛性貫入部材58は、上板32から下方に延びる上下方向にスライド可能な円柱状の心棒からなり、下端にいくにしたがって縮径する貫入体58Aを有する。
粘弾性部材60は、上下動免震ユニット12Fの高さよりも若干低い柱状体からなり、剛性貫入部材58の貫入体58Aが貫入する管状の凹部60Aを有し、この凹部60Aは奥にいくにしたがって縮径している。
建物荷重が作用している常時は、図10−1に示すような状態となっている。地震発生時には、上下動免震ユニット12Fは沈み込み変形する。このとき、貫入体58Aは粘弾性部材60の凹部60Aに貫入し、粘弾性部材60は建物の下方向への動きを抑制する。
さらに建物が下方に沈み込み変形すると、図10−2に示すように、貫入体58Aは、粘弾性部材60の凹部60Aにより深く貫入し、粘弾性部材60は建物の下方向への動きを抑制する。地震動がさらに過大になると、貫入体58Aは予め設定した貫入限界まで貫入し、それ以上の沈み込みをしないようにブロックされるので、建物は一定高さ以上に沈み込むことはない。また、ゴム板30からなる積層ゴムは限界以上のせん断変形を起こさないので、積層ゴムが破断する懸念をなくすことができる。
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8について説明する。
本実施の形態8は、高圧ガス封入方式についてのものである。
図11に示すように、本実施の形態8に係る三次元免震装置800は、上記の実施の形態1の同心円積層ゴム方式の上下動免震ユニット12の代わりに、高圧ガス封入方式の上下動免震ユニット12Gを用いたものである。
上下動免震ユニット12Gは、上下方向の軸線を共通の中心とする上下2つの円筒型容器62、64からなる。上側の円筒型容器62の上面には上蓋66が設けられており、固定板20に固定されている。また、下側の円筒型容器64の下面には下蓋68が設けられており、水平動免震ユニット10の上面に固定されている。
下側の円筒型容器64の内径は上側の円筒型容器62の外径よりも若干大きく、円筒型容器64の内側に円筒型容器62が上下方向に相対的にスライド可能に嵌合しており、双方の円筒状側壁70、72の間の高さの異なる位置に2つのオーリング74が設けられている。オーリング74は、外側の円筒状側壁72の内周に沿って環状に設けた凹部76に収容固定されている。
2つの円筒型容器62、64により囲まれた内部空間78にはガスが封入され、このガスは2つの円筒型容器62、64の側壁70、72とオーリング74によって外部に漏れないようにされている。円筒型容器62、64は水平変形抑制体を兼ねる高圧ガス支持体である。円筒型容器62、64が上下方向に相対的にスライドすることで、上下動免震ユニット12Gの全体高さが変化するようになっている。
なお、図11の例では、小径の円筒型容器62が大径の円筒型容器64の上に配置されているが、上下逆でもよい。また、オーリング74が上下2つ設けられているが、これは水平方向の地震動によって円筒型容器62、64が傾斜変形することを防ぐ効果を期待しているためである。よって、オーリング74は異なる高さ位置に3個でもあるいはそれ以上の数であってもよい。
建物の静的荷重が三次元免震装置800に作用している常時の状態では、図11に示すように三次元免震装置800のガス圧力による支持力が建物の重量とバランスした状態の高さで維持される。
地震発生時には、地盤の上下動に応じて上下動免震ユニット12Gの高さが変化し、それに応じてガス圧が変化するガス圧バネによって上下動変形量が抑制される。
一方、地盤の水平方向の動きが生じたときに、上下動免震ユニット12Gを構成する円筒型容器62、64は水平変位や傾斜変位を生じないので、上下動免震ユニット12Gの下に存在する水平動免震ユニット10がスムースに機能することができる。
(実施の形態8の変形例)
次に、本発明の実施の形態8の変形例について説明する。
図12に示すように、本発明の実施の形態8の変形例に係る三次元免震装置802は、上下2つの円筒型容器62、64からなる上下動免震ユニット12Gの中に、上下動に対して免震効果を発揮する上下免震部材を設けたものである。上下免震部材としては、上記の実施の形態1で説明した上下動免震ユニット12を用いる。つまり、本実施の形態では、上下動免震ユニット12Gの中に上下動免震ユニット12を内蔵してなる上下動免震ユニット12Iを採用する。もちろん、上下動免震ユニット12の代わりに別の上下免震部材を内蔵した構成としてもよい。
建物荷重が作用している常時は、図12に示すような状態となる。本実施の形態では、上下動免震ユニット12Gのガス圧スプリングによる免震と、上下動免震ユニット12による積層ゴムのせん断剛性バネの両者によって上下動変形量は抑制されるので、免震効果はより増強される。さらに、上下動免震ユニット12の同心円状に積層させたゴム板30が粘弾性挙動をするので、上下動を抑制できる。
以上説明したように、本発明に係る三次元免震装置によれば、水平動に対して免震効果を発揮する水平動免震ユニットと、上下動に対して免震効果を発揮する上下動免震ユニットとを上下に連結した構造を有する三次元免震装置であって、水平動免震ユニットは、平板状の剛性部材と弾性部材を上下方向に積層した構造からなり、上下動免震ユニットは、上下方向の軸線を中心とする円筒状の剛性部材と弾性部材を同心円状に積層した構造からなり、上下動免震ユニットの同心円の中心部と外枠部の少なくとも一方に、上下方向にスライド可能な上下一対の剛性上下部材を上下動免震ユニットの上面および下面にそれぞれ設けられる上板および下板に固定した態様で配置し、上下一対の剛性上下部材を中心部に配置する場合には、一方の剛性上下部材は円柱状の心棒もしくは円筒状の形態であり、他方の剛性上下部材は一方の剛性上下部材の外側に接近配置され、一方の剛性上下部材の上下の動きを妨げることなくその周囲を円筒管状に囲うシリンダー型の形態であり、上下一対の剛性上下部材を外枠部に配置する場合には、一方の剛性上下部材は円筒状の形態であり、他方の剛性上下部材は一方の剛性上下部材の外側に接近配置され、一方の剛性上下部材の上下の動きを妨げることなくその周囲を円筒管状に囲うシリンダー型の形態であり、上下動免震ユニットに作用する水平力を、上下一対の剛性上下部材の側部間の接触によって、水平動免震ユニットに伝達する。上下動免震ユニットの転倒挙動に対して円筒状の弾性部材の水平方向の剛性が効果的に作用するため、上下動免震ユニットの転倒のおそれを低減することができる。また、三次元免震装置に作用する建物荷重を支持する力として、円筒状の弾性部材のせん断力を利用することで、三次元免震装置の設置数を節減することができる。
以上のように、本発明に係る三次元免震装置は、水平方向および上下方向の振動を抑制するのに有用であり、特に、地震時の上下動を抑制し、上下方向の振動加速度を低減することが必要なオフィス、精密機械製作工場、コンピュータセンター等の建屋用の免震装置に適している。
10 水平動免震ユニット
12,12A〜12J 上下動免震ユニット
14,20 固定板
16 基礎の下部
18 アンカーボルト
22 基礎の上部
24 金属板(平板状の剛性部材)
26 ゴム板(平板状の弾性部材)
28 金属板(円筒状の剛性部材)
30 ゴム板(円筒状の弾性部材)
32 上板
34 下板
36,38,44 金属上下部材(剛性上下部材)
40,44 内側壁
42,46 外側壁
50,50A 突起部
52 出入口
54 開閉装置
56 内部空間
58 剛性貫入部材
58A 貫入体
60 粘弾性部材
60A 凹部
62,64 円筒型容器
66 上蓋
68 下蓋
70,72 側壁
74 オーリング
76 凹部
78 内部空間
100,200,300,400,500,501,600,601,700,800 三次元免震装置

Claims (8)

  1. 水平動に対して免震効果を発揮する水平動免震ユニットと、上下動に対して免震効果を発揮する上下動免震ユニットとを上下に連結した構造を有する三次元免震装置であって、
    水平動免震ユニットは、平板状の剛性部材と弾性部材を上下方向に積層した構造からなり、
    上下動免震ユニットは、上下方向の軸線を中心とする円筒状の剛性部材と弾性部材を同心円状に積層した構造からなり、
    上下動免震ユニットの同心円の中心部と外枠部の少なくとも一方に、上下方向にスライド可能な上下一対の剛性上下部材を上下動免震ユニットの上面および下面にそれぞれ設けられる上板および下板に固定した態様で配置し、
    上下一対の剛性上下部材を中心部に配置する場合には、一方の剛性上下部材は円柱状の心棒もしくは円筒状の形態であり、他方の剛性上下部材は一方の剛性上下部材の外側に接近配置され、一方の剛性上下部材の上下の動きを妨げることなくその周囲を円筒管状に囲うシリンダー型の形態であり、
    上下一対の剛性上下部材を外枠部に配置する場合には、一方の剛性上下部材は円筒状の形態であり、他方の剛性上下部材は一方の剛性上下部材の外側に接近配置され、一方の剛性上下部材の上下の動きを妨げることなくその周囲を円筒管状に囲うシリンダー型の形態であり、
    上下動免震ユニットに作用する水平力を、上下一対の剛性上下部材の側部間の接触によって、水平動免震ユニットに伝達するものであり、
    上下動免震ユニットの弾性部材の円筒の厚さは、同心円の半径方向内側は薄くなっており、外側にいくにしたがって次第に厚くなっていることを特徴とする三次元免震装置。
  2. 請求項1に記載の三次元免震装置において、
    上下動免震ユニットが所定の高さまで縮小変形した時点で、一方の剛性上下部材の上端または下端と、他方の剛性上下部材またはこれが固定される上板もしくは下板とが当接するか、あるいは、他方の剛性上下部材の上端または下端と、一方の剛性上下部材またはこれが固定される上板もしくは下板とが当接することによって、それ以上高さを縮小変形できないようにしたことを特徴とする三次元免震装置。
  3. 請求項1または2に記載の三次元免震装置において、
    上下動免震ユニットは、円筒状の剛性部材と弾性部材を同心円状に積層した構造の周囲に密着し、この構造を収容する円筒容器を有しており、この構造と円筒容器とで密閉された空間には、ガスまたはエアーが所定の圧力で封入されていることを特徴とする三次元免震装置。
  4. 請求項に記載の三次元免震装置において、
    上下動免震ユニットは、ガスまたはエアーの出入可能な出入口を有し、この出入口を介して密閉された空間に所定の圧力のガスまたはエアーが常に出入可能であることを特徴とする三次元免震装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一つに記載の三次元免震装置において、
    円筒状の剛性部材は、上下動免震ユニットが所定の高さまで変形した時点で、隣接する弾性部材の上下端に接触する突起部を有することを特徴とする三次元免震装置。
  6. 請求項に記載の三次元免震装置において、
    円筒状の剛性部材の突起部の突起高さは隣接する弾性部材の厚さよりも小さいことを特徴とする三次元免震装置。
  7. 請求項1〜のいずれか一つに記載の三次元免震装置において、
    上下動免震ユニットの同心円の中心部と外枠部の少なくとも一方において上下一対の剛性上下部材を有する代わりに、
    上下動免震ユニットの同心円の中心部において互いに上下方向に対向配置される剛性貫入部材と粘弾性部材とを有し、
    剛性貫入部材は、上下方向にスライド可能な円柱状の心棒からなり、下端または上端にいくにしたがって縮径する貫入体を有し、上下動免震ユニットの上面に設けられる上板または下面に設けられる下板に固定され、
    粘弾性部材は、上下動免震ユニットの高さよりも若干低い柱状体からなり、剛性貫入部材の貫入体が貫入する管状の凹部を有し、この凹部は奥にいくにしたがって縮径しており、上下動免震ユニットの下板または上板に固定されることを特徴とする三次元免震装置。
  8. 水平動に対して免震効果を発揮する水平動免震ユニットと、上下動に対して免震効果を発揮する上下動免震ユニットとを上下に連結した構造を有する三次元免震装置であって、
    水平動免震ユニットは、平板状の剛性部材と弾性部材を上下方向に積層した構造からなり、
    上下動免震ユニットは、上下方向の軸線を共通の中心とする上下2つの円筒型容器からなり、
    上側の円筒型容器の上面には上蓋が、下側の円筒型容器の下面には下蓋が設けられており、
    いずれか一方の円筒型容器の内径は他方の円筒型容器の外径よりも若干大きく、一方の円筒型容器の内側に他方の円筒型容器が上下方向に相対的にスライド可能に嵌合しており、双方の円筒状側壁の間の高さの異なる位置に2つ以上のオーリングが設けられており、
    2つの円筒型容器により囲まれた内部空間にはガスまたはエアーが封入され、このガスまたはエアーは2つの円筒型容器の壁とオーリングによって外部に漏れないようにされており、
    円筒型容器が上下方向に相対的にスライドすることで、上下動免震ユニットの全体高さが変化するものであり、
    上下動免震ユニットを構成する上下2つの円筒型容器の中に、上下動に対して免震効果を発揮する請求項1または2に記載の上下動免震ユニットからなる上下免震部材を設けたことを特徴とする三次元免震装置。
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