JP2018136000A - 免震装置 - Google Patents

免震装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018136000A
JP2018136000A JP2017032487A JP2017032487A JP2018136000A JP 2018136000 A JP2018136000 A JP 2018136000A JP 2017032487 A JP2017032487 A JP 2017032487A JP 2017032487 A JP2017032487 A JP 2017032487A JP 2018136000 A JP2018136000 A JP 2018136000A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic isolation
stopper pin
sliding
laminated rubber
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017032487A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6752166B2 (ja
Inventor
滋夫 福田
Shigeo Fukuda
滋夫 福田
加藤 直樹
Naoki Kato
直樹 加藤
三須 基規
Motoki Misu
基規 三須
聡史 山下
Satoshi Yamashita
聡史 山下
友秀 谷川
Tomohide Tanigawa
友秀 谷川
吉田 聡
Satoshi Yoshida
聡 吉田
伊藤 敦
Atsushi Ito
敦 伊藤
靖彦 田代
Yasuhiko Tashiro
靖彦 田代
幹夫 吉澤
Mikio Yoshizawa
幹夫 吉澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikken Sekkei Ltd
SWCC Corp
Original Assignee
Nikken Sekkei Ltd
SWCC Showa Cable Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikken Sekkei Ltd, SWCC Showa Cable Systems Co Ltd filed Critical Nikken Sekkei Ltd
Priority to JP2017032487A priority Critical patent/JP6752166B2/ja
Publication of JP2018136000A publication Critical patent/JP2018136000A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6752166B2 publication Critical patent/JP6752166B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)

Abstract

【課題】免震性能を低下させることなく免震層における変形を抑制でき、中小規模の地震とともに、長周期地震動や断層直下型地震等の巨大な規模の地震にも対応できるコンパクトな免震装置を実現すること。【解決手段】下部構造物に固定されるすべり板部上に、水平方向にせん断変形可能で且つ水平方向に移動可能な積層ゴム支承体を備える。積層ゴム支承体の端部摺動部は、一方の構造物側の面で開口する凹状の開口部を有し、ストッパピンの突出部分が開口部の内部に水平方向で間隔を空けて収容され、開口部の内周壁には、前記ストッパピンとの相対的な水平方向への移動を規制する水平移動規制部が設けられる。【選択図】図2

Description

本発明は、建築物や機械装置等の免震構造に用いられる免震装置に関する。
構造物への地震力を低減する免震装置として、ゴム状弾性板と硬質板を交互に積層した積層ゴム支承体が知られている。積層ゴム支承体は、鉛直方向に高い(硬い)剛性、水平方向に低い(軟らかい)剛性を有し、構造物の基礎部分や中間階層等の免震層に配置される。
積層ゴム支承体は、鉛直方向の硬い剛性で上部の構造物を支え、水平方向の柔らかい剛性でせん断変形し、上部の構造物の荷重を支えながら地震による揺れをゆっくりした周期で伝達するようにして構造物への地震力を低減している。
積層ゴム支承体は、想定される地震動に基づいて、当該地震動を受けても支承する構造物が耐えうるよう設計されている。
長周期地震動や断層直下型地震などの研究が進むにつれ、建物設計で想定される地震動が大型化している。地震動の大型化は、免震建物の場合には免震層変位の大型化につながり、免震層を構成する積層ゴム支承体の大型化を招き、それに伴う免震性能の低下とクリアランスが大型化するという問題が生じる。
具体的には、積層ゴム支承体を大型化させると、ばね定数が増大し、固有周期が短くなることで免震性能が低下してしまう。
一方、免震層において、上述した積層ゴム支承体と、当該積層ゴム支承体をすべり板上に配置して、積層ゴム支承体の変形と、積層ゴム支承体をすべり板上で滑らせる弾性すべり支承が知られている。この弾性すべり支承では、積層ゴム支承体を大型化せずに、すべり板を大型化することで比較的容易に、免震層の大変形に追従させて免震性能を向上できる構造であるが、すべり板の大型化により製造、輸送、施工の各工程で大きなコストアップを招くデメリットもある。
このような背景の中、従来よりも更に大きな変形に追従でき、免震性能を低下させることなく免震層の変形を抑制でき、かつ従来よりもコンパクトな装置が求められている。
大変形に追従して免震性能を向上させる構成としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に示す免震システムに用いられる変位抑制免震装置が知られている。
特許文献1の変位抑制免震装置では、上下構造物間に配置する積層ゴムの上下面に、せん断キーが設けられ、積層ゴムが配置される上構造物の下面及び下構造物の上面のそれぞれに、せん断キーを囲むように所定間隔を空けてロック部材が設けられている。変位抑制免震装置は、建物荷重を支承しておらず、地震発生の際に建物が水平移動すると、建物側のロック部材がせん断キーに当接して、建物の水平方向への移動が規制され、その後、積層ゴムがせん断変形することにより大変形することで、免震性能を向上させている。
また、特許文献2の変位抑制免震装置は、基礎と建築物との間で、基礎に固定される積層ゴムの上面にせん断キーを設け、構造物の下面に、せん断キーを囲むようにロック部材を取り付けている。建物が基礎に対して所定範囲以上の水平変形が生じると、ロック部材とせん断キーとが当接して水平方向への移動が規制されて、積層ゴムがせん断変形することにより復元力を発揮しながら大変形する。なお、この変位抑制免震装置は建物荷重を支承していない。
特開2016−176576号公報 特開2016−17574号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に示す従来の装置においては、従来よりも大きな変形に追従できるものの、単独で建物荷重を支承することはできない。また、従来の弾性すべり支承の構成では、大きな変形に追従させるために、弾性すべり支承を構成するすべり板が大型化してしまうという問題がある。なお、従来の一般的な構成の弾性すべり支承を、大変形対応に形成する場合、大きなすべり板を配置する必要があり、大きなすべり板を、建築物の四隅等と基礎との間に配置しようとすると、より大きなスペースが必要になってしまうため、配置しにくい。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、免震性能を低下させることなく免震層における変形を抑制でき、中小規模の地震とともに、長周期地震動や断層直下型地震等の巨大な規模の地震にも対応できるコンパクトな免震装置を提供することを目的とする。
本発明の免震装置の一つの態様は、
上部構造物と下部構造物の間に配置されて前記上部構造物を免震支承する免震装置であって、
前記上部構造物と前記下部構造物の一方の構造物に固定されるすべり板部と、
前記上部構造物と前記下部構造物の他方の構造物に固定され、且つ、複数の弾性板と硬質板とを交互に積層して形成され、水平方向にせん断変形可能な積層体及び前記積層体において前記一方の構造物側で固定され、前記一方の構造物側の面で前記すべり板部に摺動可能に当接する端部摺動部を有する積層ゴム支承体と、
を備え、
前記すべり板部には、前記積層ゴム支承体の前記端部摺動部側に突出するストッパピンが設けられ、
前記端部摺動部は、前記一方の構造物側の面で開口する凹状の開口部を有し、前記ストッパピンの突出部分が前記開口部の内部に水平方向で間隔を空けて収容され、前記開口部の内周壁には、前記ストッパピンとの相対的な水平方向への移動を規制する水平移動規制部が設けられる構成を採る。
本発明によれば、免震性能を低下させることなく免震層における変形を抑制でき、中小規模の地震とともに、長周期地震動や断層直下型地震等の巨大な規模の地震にも対応できるコンパクトな免震装置を実現できる。
本発明の一実施の形態の免震装置を適用した免震システムを模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態の免震装置を示す縦断面図である。 本発明の一実施の形態の免震装置の積層ゴム支承体の平面図である。 図2に示す免震装置の一側部を示す部分拡大図である。 本発明の一実施の形態の免震装置の動作を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態の免震装置の荷重と変位の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態の変形例である免震装置を示す縦断面図である。 本発明の一実施の形態の変形例である免震装置の動作を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態の変形例である免震装置の要部構成を示す部分断面図である。 本発明の一実施の形態の変形例である免震装置の荷重と変位の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の免震装置を適用した免震システム1を模式的に示す図である。
図1に示す免震システム1は、上部構造物としての建築物20と下部構造物としての基礎30との間に配置される免震部材としての複数の積層ゴム支承体5と、建築物20と基礎30との間に配置される免震装置10とを有する。免震システム1は、積層ゴム支承体5及び免震装置10等により建築物20を免震させる。また、免震システム10の外周には擁壁33が設けられている。
免震システム1の免震部材としては、図1に示す積層ゴム支承体5の他、例えば、プラグ入り積層ゴム、高減衰積層ゴム、弾性すべり支承、転がり支承やダンパ、或いは、荷重支承機能が無く水平変位の抑制機能のみ有する変位抑制装置等の他免震装置を用いてもよい。
図2は、本発明の一実施の形態の免震装置を示す縦断面図である。図3は、本発明の一実施の形態の免震装置の積層ゴム支承体の平面図である。
図2及び図3に示す免震装置10は、上部構造物としての建築物20と下部構造物としての基礎30との間の免震層に配置される。免震装置10は、免震機能とともに、建築物20を常時支持しており、所謂、建築物20の荷重を支承する荷重支承機能を有する。
免震装置10は、建築物20及び基礎30のうちの一方の構造物に固定されるストッパピン60及びすべり板部70と、建築物20と基礎30のうちの他方の構造物に固定される積層ゴム支承体40と、を有する。
免震装置10は、建築物(上部構造物)20の柱の直下と基礎30の間、或いは、建築物20の四隅等と基礎30との間に配置されてもよい。免震装置10は、建築物20の鉛直荷重を支持しつつ、建築物20を基礎(下部構造物)30に対して相対的に水平方向(図2の左右方向)へ移動可能とする。
<積層ゴム支承体40の構成>
積層ゴム支承体40は、複数の弾性板41及び硬質板(ここでは中間鋼板)42を交互に積層して一体化した積層体43と、この積層体43の上下両端部に固定される連結鋼板44、45と、フランジ48と、端部鋼板(端部摺動部)50とを、有する。なお、連結鋼板44とフランジ48、並びに連結鋼板45と端部鋼板50とは、一体としたフランジ構成としてもよい。
弾性板41としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム等のゴム材が挙げられるが、これらに特に限定されず、合成樹脂、ゴムと合成樹脂との混合物等で形成してもよい。弾性板41と硬質板42同士と、弾性板41と硬質板42からなる積層体43の上下端部に配した連結鋼板44、45とは接着して一体化されている。なお、硬質板42は、鋼板の他、セラミック、プラスチック、繊維強化プラスチック等、金属製板であっても非金属製板であっても構わない。
この積層体(弾性板41及び硬質板42)43の中央部に、必要に応じて上下に貫通して製造時に使用される位置決め孔43aを設けてもよい。位置決め孔43aは、空孔のままであっても、弾性体で充填しても、鉛プラグ等の減衰プラグを挿入してもよい。また、積層体43の中央部の下端部には、連結鋼板45と端部鋼板50とを固定するせん断キー45aが設けられている。
また、連結鋼板44とフランジ48はボルト46により固定され、端部鋼板50と連結鋼板45はボルト47により固定されている。
積層体43の外周面(弾性板41及び硬質板42の外周面)には、耐候性に優れたゴム材料等からなる保護層49が被覆される。積層体43は、保護層49により外部環境から保護されている。なお、保護層49と積層体43との関係は、積層体43の外周面に接着剤を塗布して貼り合わせても、自己融着型のテープを巻いても、弾性板41と保護層49のゴム材を同時に加硫接着することで一体化してもよい。
連結鋼板44、45は、それぞれ金属板であり、積層体43を挟持した状態で配置される。連結鋼板44、45が、積層体43を、フランジ48と、端部鋼板50とに固定する。
フランジ48は、矩形状、円盤状、楕円状或いは多角形状等のどのような平断面形状で構成されてもよいが、ここでは円盤状に形成され、連結鋼板44、45とともに積層体43よりも外径が大きい例として説明する。フランジ48は、建築物(上部構造物)20及び基礎(下部構造物)30の他方の構造物(建築物20)に、連結鋼板44、45とともに積層体43を固定する。フランジ48には、外周側にボルト孔48aが周方向に所定間隔を空けて穿孔され、内周側に周方向で所定間隔を空けて上面側にざぐりを有するボルト孔48bが周方向に沿って形成されている。フランジ48は、ボルト孔48bに、上面側から挿入されるボルト46により、連結鋼板44に止着され一体的に形成されている。
端部鋼板50は、建築物(上部構造物)20及び基礎(下部構造物)30のうちの一方側に対して摺動可能に配置される。
端部鋼板50は、上下方向の一方の端面で、上部構造物(建築物20)及び下部構造物(基礎30)のうちの一方の構造物(基礎30)に固定されるすべり板部70に低摩擦材であるすべり材(一方の構造物側の面に相当)51で当接して摺動可能に配置される。また、端部鋼板50は、上下方向の他方の端面で連結鋼板を介して、上部構造物(建築物20)及び下部構造物(基礎30)の他方に固定される積層体43に固定される。
本実施の形態では、端部鋼板50は、上面で連結鋼板45を介して積層体43に固定されるとともに、下面を形成するすべり材51がすべり板部70に当接し、すべり板部70上で摺動可能に配置されている。すなわち、端部鋼板50は、凹状の開口部53を囲む外周部(開口部53の開口の周縁部)に一体的に設けられたすべり材(低摩擦材)51で、すべり板部70のすべり面部72に常時当接し、建物荷重を支承している。
端部鋼板50は、すべり材51と、ストッパピン60に当接して積層ゴム支承体40の水平移動を規制する移動規制部54とを有する。なお、以下では、すべり材51及び移動規制部54を端部鋼板50の下側に向けたものとして説明するが、これに限らず、すべり材51及び移動規制部54を端部鋼板50の上側に向けて配置するようにしてもよい。すなわち、すべり板51が端部鋼板50の上面を形成し、すべり板51が滑るすべり面部72を上部構造物に設けた構成としてもよい。
水平移動規制部54は、端部鋼板50の下面に下方に開口する凹状に形成される。本実施の形態では、端部鋼板50において、水平移動規制部54は、円状の下面の中央部に円形状に開口して形成された開口部53を囲む内周壁部分(具体的には内周面)に形成されている。開口部53は、内周壁の下端側で中心位置に位置させたストッパピン60が当接しないように収容し、開口部53を囲む内周面に設けられる水平移動規制部54が、ストッパピン60と水平方向で対向して配置される。なお、水平移動規制部54の内側に収容されるストッパピン60は、水平移動規制部54により囲まれる開口部53とは水平方向及び上下方向のうち少なくとも水平方向に常時離間している。
水平移動規制部54が面でストッパピン60に当接することにより、ストッパピン60との相対的な水平方向への移動を規制する。水平移動規制部54は、開口部53を囲む内周壁部分において、内周壁における内周面の上端部が下端部よりも外周側に後退させた形状部分(図4に示す逃げ部542)に連続して設けられている。すなわち、開口部53の内周壁は、開口部53の奥側の端部に、半径方向外方向に凹む凹部である逃げ部542を有する。また、水平移動規制部54は、内周壁において凹部である逃げ部542より開口部53の開口側に、逃げ部542に連接して形成されている。
逃げ部542は、内周壁において、一方の構造物である建築物20側の端部に、半径方向外方向に凹むように形成された凹部である。水平移動規制部54は、内周壁において凹部である逃げ部542より開口端側で且つ、開口部53の中心側に突出して形成されている。また、逃げ部542は、上方に向かって半径方向に傾斜するテーパ541を有し、テーパ541は、逃げ部542の奥側に向かって拡径するテーパ面である。具体的には、テーパ541は、水平移動規制部54の上部で凹部である逃げ部542の底部に至る一面であって、凹部である逃げ部542が一方の構造物である建築物20側、つまり、開口部53の奥側に向かって拡径することで、建築物20側に向かって開口部53の外周方向に傾斜するテーパ面である。
これにより、水平移動規制部54は、ストッパピン60の根元側に当接し、且つ、テーパ541があるので、水平移動規制部54及びストッパピン60の相対的な水平移動の際に、ストッパピン60を開口部53から抜けにくくしている。なお、水平移動規制部54は、逃げ部542を有していなくてもよく、逃げ部542を有する構成であっても、逃げ部542はテーパ541を有していなくてもよい。
図4は、図2に示す免震装置の一側部を示す部分拡大図である。
図2〜図4に示すように、端部鋼板50には、端部鋼板50の外部、つまり、積層ゴム支承体40の周囲から、端部鋼板50の内部に位置する水平移動規制部54の内側の開口部53内を確認できるように、貫通孔55が形成されている。
貫通孔55は、本実施の形態では、図4に示すように、開口部53の周囲で、水平方向で、且つ、半径方向に延在して、水平移動規制部54の内側の開口部53と、端部鋼板50の外部とを連通するように形成される。この貫通孔55を介して、水平移動規制部54内部に配置されるストッパピン60の状態が確認される。確認方法は、貫通孔55を介して外部から視認しても良いし、貫通孔55に端部鋼板50の外部からファイバースコープを挿入して確認してもよい。また、貫通孔55を点検用として述べたが、これに限らず、貫通孔55を介して油等を注入したりしてもよい。本実施の形態では、積層ゴム支承体40に対して平面視して放射方向に等間隔を空けて4つ形成しているが、一つ以上であればよい。
端部鋼板50の下面では、開口部53の開口縁を囲むようにすべり材51が水平面となるように配置されている。
端部鋼板50には、当該端部鋼板50を連結鋼板45に固定するボルト47、47が挿通するボルト孔57、58が形成されている。
ボルト孔57,58は、端部鋼板50にすべり材51側である下面側から挿入可能に形成されている。
ボルト孔57,58は、それぞれ端部鋼板50の下面側に開口し、挿入されるボルト47の頭部を収容するざぐり部571、581を有する。ボルト孔57、58に挿入されたボルト47,47は、頭部を、ざぐり部571,581の底面に当接させつつ、軸部を端部鋼板50の上面から突出させて連結鋼板45のボルト孔と螺合して固定させつつ、頭部をざぐり部571、581内に収容されている。
端部鋼板50の下面で、且つ、すべり材51の配設領域に形成されたボルト孔57は、図4に示すように、開口縁部に、端部鋼板50の下面と面一になるように設けられた蓋部573により閉塞されている。
これにより、端部鋼板50の下面のボルト孔57は、すべり材51により完全に閉塞され、端部鋼板50は、その下面のすべり材51により、すべり板部70に対して円滑に摺動しやすい円滑平面となっている。
すべり材51は、板状であり、本実施の形態では、PTFE(polytetrafluoroethylene)といったフッ素樹脂等の樹脂により形成されるが、これに限らない。すべり材51が当接して摺動する際に、摩擦係数が小さく、好適に摺動可能にする部材であれば、どのように形成されてもよい。すべり材51は一枚で形成されてもいし、複数の小さい板状材を端部鋼板50の底面に貼着してもよい。本実施の形態では、端部鋼板50の底面は円環状であるので、すべり材51を円環状に形成して取り付けてもよいし、複数の小さい円状あるいは角状面材を円環状に貼着してもよい。
<すべり板部70>
すべり板部70は、基礎30に固定され、建築物20に固定される積層ゴム支承体40が摺動自在に当接する。
すべり板部70は、積層ゴム支承体40が摺動可能に当接するすべり面部72を有し、すべり面部72となる面側に突出するストッパピン60が設けられている。
すべり板部70には、すべり面部72上に積層ゴム支承体40の下面、つまり、端部鋼板50の下面のすべり材51が載置される。
すべり面部72は、積層ゴム支承体40の外径よりも大きい外径を有する。
本実施の形態では、すべり板部70は、ベースプレート71を有し、ベースプレート71の上面にすべり面部72となるすべり材が布設されるとともに、ベースプレート71にストッパピン60が、すべり面部72の中央部を挿通して突設されている。
すべり面部72としてのすべり材は、例えば、表面が円滑平面である金属板(ステンレス鋼)であり、ベースプレート71は、すべり面部72を補強する補強板として機能する。
ベースプレート71は、本実施の形態では、矩形状に形成されているが、これに限らず、円盤状、楕円形状、或いは、多角形板状でもよい。
ベースプレート71は、フランジ48が固定される上部構造物及び下部構造物の一方の構造物(ここでは、基礎30)の上面に固定される。ベースプレート71は本実施の形態では、矩形状、詳細には、正方形状に形成されており、図3に示すように、すべり面部72が配設されていない四隅に形成されたボルト孔75に、図示しないボルトにより基礎30に一体的に固定されている。
ベースプレート71及びすべり面部72は、積層ゴム支承体40の変形を含む免震層での可動範囲量よりも小さい。
<ストッパピン60>
ストッパピン60は、水平移動規制部54内に収容される。ストッパピン60の外周面は、水平移動規制部54の内周面に水平方向で対向する。ここでは、ストッパピン60の外周面は、その全周に渡って水平移動規制部54の内周面と対向しており、ストッパピン60は、水平移動規制部54と相対的に移動した際に、水平移動規制部54の内周面に当接して端部鋼板50、つまり、積層ゴム支承体40の水平方向の移動を規制する。ストッパピン60は、例えば、クロムモリブデン鋼材等の部材により形成される。
ストッパピン60の水平断面は、本実施の形態では、水平移動規制部54と同心円状に形成されている。
なお、ストッパピン60の形状は特に限定されず、円柱状以外に多角形形状、筒状としてもよいが、全方位へ水平移動した際に、水平移動規制部54に均等に当接させる場合には、水平移動規制部54の開口形状とともに円形にすることが好ましい。
また、ストッパピン60は、水平移動規制部54内では、水平移動規制部54の天面から互いに離間する突出長さであることが好ましい。
このように構成される積層ゴム支承体40は、本実施の形態では、建築物20の柱の真下と、基礎30との間にすべり板部70とともに配置されている。積層ゴム支承体40は、上下端面の一方の面で、建築物20及び基礎30の一方側に当接し、上下端面の他方の面で建築物20及び基礎30の他方側に固定される。本実施の形態では、積層ゴム支承体40は、基礎30に固定されるすべり板部70上に載置されるとともに、建築物20に、フランジ48の周縁部のボルト孔48aに挿通されたボルト81により固定されている。
積層ゴム支承体40では、積層体43とフランジ48、端部鋼板50とで、鉛直方向の硬い剛性で建築物20を支え、つまり、荷重支承機能を有するとともに、水平方向の柔らかい剛性でせん断変形する、つまり免震機能を有することによって、建築物20の荷重を支えながら地震による揺れをゆっくりした周期で伝達するようにしている。
すべり面部72は、端部鋼板50側のすべり材51とともに、低摩擦化処理を施して、摺動抵抗の低いコーティング層で構成してもよい。コーティング層は、研磨により形成されても良く、また、PTFEといったフッ素樹脂等のすべり材としてもよい。
<免震装置10の動作>
図5は、本発明の一実施の形態の免震装置の動作を模式的に示す図である。
免震装置10では、図5Aに示す状態において、地震動がある場合、図5Bに示すように、積層ゴム支承体40と、基礎30(具体的には、基礎30に固定されたすべり板部70)とが相対的に水平変位する。具体的には、例えば矢印−A方向に移動する基礎30に対して積層ゴム支承体40が、例えば、矢印A方向(図5A参照)に移動する(図5B参照)。
地震動による積層ゴム支承体40と基礎30の相対移動が、水平移動規制部54が囲む開口部53内の移動であれば、基礎30に対して積層ゴム支承体40が摺動し、建築物20とともに水平変位することになる。この積層ゴム支承体40のすべり水平変位により、建築物20に対して水平方向に摺動する。
加えて、この地震動が、長周期パルス性地震動や長周期・長時間地震動等のような想定外の巨大な地震動である場合、積層ゴム支承体40が、基礎30に対して、水平移動規制部54とストッパピン60とにより規制される移動範囲以上に相対的に水平変位しようとする。ここで、移動範囲は、開口部53の直径に相当し、実際にはストッパピン60は開口部53の中心を基準位置とするので、基準位置を中心とした水平な全方向の開口部53の半径に相当する。次いで、ストッパピン60が相対的にA方向に移動する積層ゴム支承体40の水平規制部54の内周面に当接して、積層ゴム支承体40に水平力が働く。すると、図5Cに示すように、積層ゴム支承体40では、端部鋼板50の水平移動規制部54の内周面にストッパピン60が当接した状態で、積層体43に水平力(せん断力)が働き、積層体43が曲げ変形することなく、せん断変形する。すなわち、積層体43は、建築物(上部構造物)20に対する基礎(下部構造物)30の水平変位が、水平移動規制部54が囲む開口部における水平変位量(ストッパピン60と、水平移動規制部54の内周面との間のクリアランス)を超えた際に、ストッパピン60と水平移動規制部54とにより水平方向の移動が規制されて、水平方向にせん断変形する。これにより、積層ゴム支承体40に反力が発生することになり、免震装置10の水平剛性が増加する。
このように、免震装置10は、地震などの外力により水平変位を受けると、免震装置10本体部分である積層ゴム支承体40がすべり板部70上を摺動する。さらに、水平変位が大きくなり、端部鋼板50の開口部53を囲む水平移動規制部54がストッパピン60に当接すると、積層体43がせん断変形し復元力を生じて変位を抑制することが可能になる。
なお、本実施の形態では、ストッパピン60は、水平移動規制部54が囲む開口部53内で、開口部53の水平方向の長さの中心位置、つまり、円環状に配置される内周面の中心を基準位置として配置されるので、ストッパピン60を中心として全方位での相対移動に対応している。
さらに、免震装置10では、ストッパピン60が、平面視して端部鋼板50、具体的には、水平移動規制部54が囲む開口部53の中心(中央部)に設けられているので、地震により構造物に対してねじれるような過大変位が生じても、確実に積層体43にせん断力を伝達して、免震層全体に設計通りの復元力を付加できる。
図6は、本発明の一実施の形態の免震装置の荷重と変位の関係を示す図である。
図6に示すように、地震動により、積層ゴム支承体40とすべり板部70とが相対的に水平変位すると、ストッパピン60が水平移動規制部54に当接するまでの範囲R1では、積層ゴム支承体40がすべり板部70に対して摺動するのみであり、積層体43に荷重を掛けず、中・小規模の地震動に対応できる。
そして、大規模の地震動により積層ゴム支承体40とすべり板部70とが相対的に水平変位すると、ストッパピン60が水平移動規制部54に当接して端部鋼板50の移動が規制されて、R2の範囲で積層体43がせん断変形する。免震装置10では、小さなすべり板部70上で大きく変形できるとともに、大きく変形したい場合、積層体43の復元力が働くことで、免震装置10における変形を小さくしようとする力が働く。
このように、中・小規模の地震動に対応する大きさ(例えば、800φ)の積層ゴムである積層体43の構成に、すべり機構を取り込むことで、免震層における限界変形を伸ばしながら、免震装置10の設置面積を最小に抑制することが可能となっている。
本実施の形態の免震装置10は、上部構造物である建築物20と下部構造物である基礎30の間に配置されて建築物20を免震支承する免震装置である。免震装置10は、上部構造物と下部構造物の一方の構造物(基礎30)に固定されるすべり板部70と、積層ゴム支承体40とを有する。積層ゴム支承体40は、上部構造物と下部構造物の他方の構造物(建築物20)に固定され、且つ、複数の弾性板41と硬質板42とを交互に積層して形成され、水平方向にせん断変形可能な積層体43と、積層体43において一方の構造物(基礎30)側で固定され、一方の構造物(基礎)側の面(すべり材51)ですべり板部70に摺動可能に当接する端部摺動部である端部鋼板50と、を有する。すべり板部70には、積層ゴム支承体40の端部摺動部である端部鋼板50側に突出するストッパピン60が設けられている。端部摺動部である端部鋼板50は、一方の構造物である基礎30側の面で開口し、内部にストッパピン60を水平方向と上下方向のうち少なくとも水平方向で間隔を空けて収容する凹状の開口部53を有する。また、端部鋼板50において、開口部53を囲み、且つ、ストッパピン60と水平方向で離間して対向配置される内周壁には、ストッパピン60との相対的な水平方向への移動を規制する水平移動規制部54が設けられる。すなわち、端部摺動部である端部鋼板50は、一方の構造物(基礎30)側の面で開口する凹状の開口部53を有し、ストッパピン60の突出部分が開口部53の内部に水平方向と上下方向のうち少なくとも水平方向で間隔を空けて収容される。また、水平移動規制部54は、開口部53の内周壁に設けられ、水平移動規制部54は、ストッパピン60Aとの相対的な水平方向への移動を規制する。積層体43は、ストッパピン60と水平移動規制部54とが相対的に水平方向に移動して当接した後で、水平移動規制部54の移動方向にせん断変形する。
免震装置10によれば、想定内の中・小規模の地震に対しては、積層ゴム支承体40の積層体43が機能すること無く、積層ゴム支承体40とすべり板部70との摺動と、水平移動規制部54とストッパピン60との当接とにより免震効果を発揮する。
加えて、想定外の巨大地震による過大変位時には、ストッパピン60と水平移動規制部54の内周面が当接することで積層ゴム支承体40に水平力(せん断力)に対する反力(せん断力相当の反力)がストッパピン60に発生する。このように、積層ゴム支承体40の水平剛性が加わることで免震装置10の水平剛性が増加し、建築物20の変位を抑制できる。
本実施の形態によれば、免震効果と荷重支承能力を維持したまま積層体43やすべり板部70を大型にすることなく大変形に追従できる。また、大変形中であっても、積層体43には、変形を戻そうとする復元力が働く。これにより、積層ゴム支承体40及びすべり板部70の相対的なすべりで対応できる想定内の中・小規模の地震に加えて、想定外の大地震に対して免震することができる。
また、すべり板上に積層ゴムが載置された従来の弾性すべり支承の構成において、大地震に対応するために、免震層における積層ゴムの変形量よりもすべり板も大きくする必要があるが、このような構成の従来の弾性すべり支承と比較して、本実施の形態では、免震層での変形量よりもすべり板を大きくすることが無い。
また、上下構造物(本実施の形態では、建築物20と基礎30)間に積層ゴムを配置し、積層ゴムの上下端面を、それぞれ上下構造物に固定した免震構造において、積層ゴムを大変形可能にする場合、積層ゴム自体の外径を大きくする必要がある。また、積層ゴムを大きくすると、剛性も硬くなり、柔らかい弾性で受ける免震では、中・小規模の地震には効果を発揮しないことになる。これに対し、本実施の形態の免震装置10は、積層体43及びすべり板部70を大きくすることなく、すべり板部70上を、積層ゴム支承体40全体がすべる第1段階で中・小規模の地震を免震し、次いで、積層ゴム支承体40の積層体43のせん断変形により、大規模地震を免震する。
これにより、中・小規模さらには大規模の巨大地震を免震できる免震装置10全体のコンパクト化、ひいては、設置スペースのコンパクト化を図ることができる。また、免震装置10全体のコンパクト化により、免震装置10自体の現場への輸送作業や免震装置10の設置作業も容易となる。
また、従来の弾性すべり支承と異なり、一定変位でストッパピン60によるストッパーが機能するので、巨大地震が来てもすべり板部70からすべり支承としての積層ゴム支承体がはみ出さすことがない。
このように、本実施の形態によれば、免震性能を低下させることなく免震層における変形を抑制でき、中小規模の地震とともに、長周期地震動や断層直下型地震等の巨大な規模の地震にも対応できるコンパクトな免震装置を実現できる。
免震装置10では、水平移動規制部54の凹状の開口部の中心にストッパピン60を配置しているため、ストッパピン60の外径及び凹状の開口部53を変更することにより、水平移動規制部54との当接タイミングの変更を自由に設定できる。
なお、本実施の形態では、地震発生後に、ストッパピン60が、円周状に配置される水平移動規制部54から等間隔で離れた基準位置、つまり、ストッパピン60が開口部53の中心位置、に位置していない場合、積層ゴム支承体40の変形を元に戻し、積層ゴム支承体40を基準位置に位置させるための復元ばねまたは積層ゴムを別途設けておく。これにより、地震がおさまったら免震装置10を元の基準位置に戻すようにしてもよい。
<変形例>
図7は、本発明の一実施の形態の変形例である免震装置を示す縦断面図であり、図8は、同変形例である免震装置の動作を模式的に示す図であり、図9は、本発明の一実施の形態の変形例の要部構成を示す部分断面図である。なお、図9は、移動中の水平移動規制部54Aとストッパピン60Aとを示す。
なお、図7〜図9に示す免震装置10Aは、図2〜図5に示す実施の形態1に対応する免震装置10の変形例であって、免震装置10と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
免震装置10Aでは、免震装置10と比較して、ノッチ62が形成されているストッパピン60Aの形状が異なり、その他の構成は同様である。
免震装置10Aは、免震装置10と比較して、ストッパピン60Aによる水平方向への移動を開放することにより、ストッパピン60Aの破断後のすべりが可能となり、免震装置10で免震する巨大地震よりもさらに大きな地震動を有する超巨大地震の免震を可能としている。
免震装置10Aは、建築物20及び基礎30のうちの一方に固定されるストッパピン60A及びすべり板部70Aと、建築物20と基礎30のうちの他方に固定される積層ゴム支承体40Aと、を有する。
免震装置10Aは、免震装置10と同様に、建築物(上部構造物)20の柱の直下と基礎30の間、或いは、建築物20の四隅等と基礎30との間に配置されてもよい。その際、積層ゴム支承体5(図1参照)とともに配置されてもよい。免震装置10Aは、建築物20の鉛直荷重を支持しつつ、建築物20を基礎(下部構造物)30に対して相対的に水平方向(例えば、図7の左右方向)へ移動可能とする。
<積層ゴム支承体40Aの構成>
積層ゴム支承体40Aは、複数の弾性板41及び硬質板(ここでは中間鋼板)42を交互に積層して一体化した積層体43と、この積層体43の上下両端部に固定される連結鋼板44、45と、フランジ48と、端部鋼板50Aとを、有する。なお、連結鋼板44とフランジ48、並びに連結鋼板45と端部鋼板50Aとは、一体としたフランジ構成としてもよい。
端部鋼板50Aは、建築物(上部構造物)20及び基礎(下部構造物)30の一方側に対して摺動可能に配置される。
具体的には、端部鋼板50Aは、端部鋼板50と同様に、上下方向の他方の端面で、連結鋼板を介して、上部構造物(建築物20)及び下部構造物(基礎30)の他方に固定される積層体43に固定される。また、端部鋼板50Aは、上下方向の一方の端面で、上部構造物(建築物20)及び下部構造物(基礎30)の一方に固定されるすべり板部70Aに低摩擦材であるすべり材51で当接して摺動可能に配置される。
本実施の形態では、端部鋼板50Aは、上面で連結鋼板45を介して積層体43に固定されるとともに、下面を形成するすべり材51がすべり板部70Aに当接し、すべり板部70A上で摺動可能に配置されている。
端部鋼板50Aは、すべり材51と、ストッパピン60Aに当接して積層ゴム支承体40Aの水平移動を規制する水平移動規制部54Aとを有する。
水平移動規制部54Aは、端部鋼板50Aの下面に下方に開口して凹状に形成される。本実施の形態では、水平移動規制部54Aは、端部鋼板50Aは円状の下面の中央部に円形状に開口して形成された開口部53Aを囲む内周面に設けられている。開口部53Aは、内部にストッパピン60Aを収容し、開口部53Aを囲む内周面の水平移動規制部54Aが、ストッパピン60Aと水平方向で対向して配置される。なお、水平移動規制部54Aの内側に収容されるストッパピン60Aは、水平移動規制部54Aにより囲まれる開口部53Aとは水平方向及び上下方向のうち少なくとも水平方向に常時離間している。
水平移動規制部54Aは、開口部53Aを囲む内周壁部分において、内周壁における内周面の上端部が下端部よりも外周側に後退させた形状部分(逃げ部542)に連続して設けられている。すなわち、開口部53Aを囲む内周壁(具体的には内周面)は、開口部53と同様に、開口部53Aの奥側の端部に、半径方向外方向に凹む凹部である逃げ部542を有している。逃げ部542は、水平移動規制部54Aに連設され、上方に向かって半径方向に傾斜するテーパ541を有する。逃げ部542のテーパ541は、逃げ部542の奥側に向かって拡径するテーパ面である。
これにより、開口部53Aを囲む水平移動規制部54Aは、開口部53Aを囲む内周壁において、上端側よりも開口部53A側に突出した下側部分であり、ストッパピン60Aの突出部分60bにおいて先端よりも先に根元側の当接部64に当接するようになっている。なお、水平移動規制部54Aは、逃げ部542を有していなくてもよい。また、端部鋼板50Aは端部鋼板50と同様に、貫通孔55、ボルト孔57、58等を有する。
<すべり板部70A>
すべり板部70Aは、上部構造物(建築物20)及び下部構造物(基礎30)の一方に固定され、上部構造物(建築物20)及び下部構造物(基礎30)の他方に固定される積層ゴム支承体40Aが摺動自在に当接する。なお、すべり板部70Aはすべり板部70と同様に形成される。
すべり板部70Aは、積層ゴム支承体40Aが摺動可能に当接するすべり面部72を有し、すべり面部72となる面側に突出するストッパピン60Aが設けられている。
<ストッパピン60A>
ストッパピン60Aにおいてすべり面部72から突出した部位が、水平移動規制部54A内に収容される。ストッパピン60Aは、ストッパピン60と同様の構成において、外周面に周方向で延在する凹状のノッチ62を有し、その他の構成は、ストッパピン60と同様の構成である。
ノッチ62は、ストッパピン60Aが水平移動規制部54Aを押圧した際に、すべり面部72の表面から突出部分60bを無くすように好適に破断させるものである。ノッチ62は、ストッパピン60Aの外周面において、すべり板部70Aの上面から突出する突出部分60bと、すべり板部70Aの上面より下方もしくは上面と同じ位置より下方の根元側部分60aと、の間に形成される(図9参照)。ノッチ62は、突出部分60bにおいてストッパピン60Aの根元側部分60aに近い当接部64の下辺に沿って形成される。なお、ノッチ62は、その最深部を、すべり面部72の表面より下方に位置するように形成される。
これにより、当接部64が、水平移動規制部54Aを押圧し、所定の反力を受けると、つまり、積層体43がせん断変形した後、ノッチ62を起点に亀裂を入れてストッパピン60Aは破断される。
本実施の形態では、ノッチ62は、ストッパピン60Aの外周面の全周に渡って周方向に形成したが、これに限らず、ストッパピン60Aが水平移動規制部54Aに所定の変位量で当接した際に、ストッパピン60Aが破断して突出部分60bが外れる構成であれば、どのように形成されてもよい。
<免震装置10Aの動作>
免震装置10Aでは、図8Aに示す状態において、地震動がある場合、図8Bに示すように、積層ゴム支承体40Aと、基礎30(具体的には、基礎30に固定されたすべり板部70A)とが相対的に水平変位する。具体的には、振動により、例えば矢印−A方向に移動する基礎30に対して積層ゴム支承体40Aが、例えば、矢印A方向(図8A参照)に移動する(図8B参照)。
水平移動規制部54Aの開口部53A内の移動であれば、基礎30に対して積層ゴム支承体40Aが摺動して、建築物20とともに水平変位することになる。この積層ゴム支承体40Aのすべり水平変位により、建築物20に対する中・小規模の地震動を免震する。
この地震動が、長周期パルス性地震動や長周期・長時間地震動等のような想定外の巨大な地震動である場合、積層ゴム支承体40Aは、積層ゴム支承体40と同様に、基礎30に対して、水平移動規制部54Aとストッパピン60Aとにより規制される移動範囲以上に相対的に水平変位しようとする。なお、移動範囲は、開口部53Aの直径に相当し、実際にはストッパピン60Aは開口部53Aの中心を基準位置とするので、移動範囲は、基準位置を中心とした水平な全方向の開口部53Aの半径に相当する。
これにより、ストッパピン60Aは更に、矢印−A方向に移動し、相対的に矢印A方向に移動する積層ゴム支承体40Aの水平規制部54Aに当接する。これより、積層ゴム支承体40Aに水平力が働く。すると、図8Cに示すように、積層ゴム支承体40Aでは、端部鋼板50Aにおいて開口部53Aの内周面を形成する水平移動規制部54Aに、ストッパピン60Aが当接した状態で、積層体43に水平力(せん断力)が働き、積層体43が曲げ変形することなく、せん断変形する。すなわち、積層体43は、建物(上部構造物)20に対する基礎(下部構造物)30の水平変位が、水平移動規制部54Aにおける水平変位量(ストッパピン60Aと、開口部53Aを囲む周壁面との間のクリアランス)を超えた際に、ストッパピン60Aと水平移動規制部54Aとにより水平方向の移動が規制されて、水平方向にせん断変形する。これにより、積層ゴム支承体40Aに反力が発生することになり、免震装置10Aの水平剛性が増加する。この積層体43の変形により巨大地震の地震動を免震する。
さらに、大きな地震動により、基礎30が矢印−A方向に水平移動すると、その水平力をストッパピン60Aで受けた後、当接する内周壁の下側部分である水平移動規制部54Aにより反力を受けて、矢印A方向に押圧される。すると、ストッパピン60Aは、ノッチ62部分で破断する。ストッパピン60Aにおいて、ストッパピン60Aを破断させるためのノッチ62は、破断後の下側部材(ベースプレート71に埋設された根元側部分60a)の破断面がすべり面部72より上方に突出しないように形成される。具体的には、ノッチ62において亀裂の起点となる最深部がすべり面部72の表面より下方に位置するように形成されている。これにより、このストッパピン60Aの破断は、図9で示すように水平規制部54Aが当接部64に当接して押圧した際に、すべり面部72よりも下方で生じる。破断後の根元側部分60aの上面である破断面が、すべり面部72とすべり板51との摺動面よりも下方に位置し、すべり面部72よりも突出することがない。
そして、図8Dに示すように、ストッパピン60Aは、水平移動規制部54Aにより、埋設部分60aと突出部分60bとに破断されて、端部鋼板50Aのすべり面部72上での規制が解除される。これにより、再び、端部鋼板50Aは、すべり板部70Aに対して矢印A方向に摺動する。この端部鋼板50Aの摺動、つまり、すべりによって、建築物20に対する超巨大地震の地震動を免震できる。
図10は、本発明の一実施の形態の変形例である免震装置の荷重と変位の関係を示す図である。図10において、μ:端部鋼板50A側のすべり材51の摩擦係数、K:積層体43のせん断ばね定数であり、Fはストッパピン60Aの破断荷重であり、δはすべりのストロークであり、δは積層体のせん断変形であり、δはストッパピン破断後のすべり変形である。なお、図10では、免震装置の荷重と変位の関係とともに、免震装置の受ける荷重の例と、受けた荷重に対応する免震装置における各部の変位する範囲とを示している。
図10に示すように、免震装置10Aは、地震動により、すべり板部70Aと、積層ゴム支承体40Aとが相対的に水平変位する際に、積層ゴム支承体40Aは荷重を受ける。
まず、免震装置10Aは、すべり板部70Aと、積層ゴム支承体40Aとが相対的に水平変位するまで(0〜δ)、つまり、積層体43にかかる荷重がせん断ばね定数となるまで、風或いは交通振動等による微振動による荷重を受けて免震する。
免震装置10Aに微振動より大きな荷重、例えば、中・小規模の地震(中小地震)による荷重がかかると、免震装置10Aでは、積層ゴム支承体40Aが基礎に対して摺動、つまり、すべり、ストッパピン60Aに当接するまでのすべりストローク範囲(δ〜δ)で摺動し、これにより中小地震を免震する。次いで、免震装置10Aに中小地震よりも大きな荷重、つまり、大地震(例えばM(Magnitude)7以上M8未満)による荷重がかかると、免震装置10Aでは、積層ゴム支承体40Aがストッパピン60Aに当接して、ストッパピン60Aが破断するまでの間の積層体43がせん断変形する範囲(δ〜δ)で大地震を免震する。免震装置10Aに大地震よりも大きな超巨大地震(例えばM(マグニチュード)8以上)の荷重がかかると、免震装置10Aでは、積層ゴム支承体40Aの変形に伴い、ストッパピン60Aの破断後のすべりストローク範囲(δ〜δ)で、超巨大地震を免震する。
すなわち、変形例の免震装置10Aは、ストッパピン60Aにノッチ62を入れておき、この部分を先行して破断させていることで、再びすべり支承として機能する特性を示すものである。これにより積層体43の破断を防ぐとともに、さらなる大変形(δ2−δ3に相当)を可能としている。
図10に示すように変形例としての免震装置10Aによれば、免震装置10と同様の効果を得ることができる。すなわち、この免震装置10Aによれば、免震効果と荷重支承能力を維持したまま積層ゴム支承体40Aやすべり板部70Aを大型にすることなく大変形に追従でき、これに伴い、材料費、輸送費、施工費を低廉化できる。また、従来のすべり支承と異なり、積層ゴム支承体40Aの一定変位でストッパピン60Aが機能するので、巨大地震が来てもすべり板部70Aから積層ゴム支承体40Aがはみ出すことがない。また、ストッパピン60Aが機能すると、積層体43が変形を始める。中・小規模の地震では、弾性すべりによる柔らかな免震効果を発揮し、巨大地震では積層体43の復元力で過大変位を抑制する。
このように、免震装置10Aは、風、交通振動等による微振動に対して機能することにより、免震対象物(建築物20)における居住性を損なうことがないとともに、中小地震、大地震及び超巨大地震に対して機能して、地震規模の大小にかかわらず免震できる。更にすべり板部等、免震装置10Aの外径となる部材の径を従来よりも小径に形成しても従来と比較して大きな変形能力を有している。
加えて、すべりの変位+積層体43のせん断変形を上回る変形を受けたとき、すなわち想定外の超巨大地震の地震動を受けたときは、ストッパピン60Aを破断させてすべり変形を行い、積層体43の破断を防ぐことができる。なお、本変形例では、復元ばねまたは積層ゴムを別途設けておき、地震がおさまったら免震装置10Aを元の位置に戻す。図1に示す免震システム1に適用すると、積層ゴム支承体5が、復元ばねまたは積層ゴムとして機能し、地震がおさまったら免震装置10Aを元の位置に復元させる。
本実施の形態の免震装置10及び変形例の免震装置10Aは、上下構造物間に設置される免震システム1に適用されているが、これに限らず、振動に同調する重り等の質量体に接続して、同調質量ダンパ(TMD:Tuned Mass Damper)等の動吸振器に適用しても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記免震装置10、10Aの構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
本発明に係る免震装置は、弾性すべり支承の機能を備えるとともに、想定外の大地震より更に大きな地震動に対して免震効果でき、巨大地震動が発生する恐れがあり、設置スペースが小さい免震層に配置可能な免震装置として有用である。
10、10A 免震装置
20 建築物
30 基礎
40、40A 積層ゴム支承体
41 弾性板
42 硬質板
43 積層体
44、45 連結鋼板
45a せん断キー
46、47、81 ボルト
48 フランジ
48a、48b、57、58、75 ボルト孔
49 保護層
50、50A 端部鋼板(端部摺動部)
51 すべり材
53、53A 開口部
54、54A 水平移動規制部
55 貫通孔
60、60A ストッパピン
70、70A すべり板部
71 ベースプレート
72 すべり面部
43a 位置決め孔
571,581 ざぐり部
573 蓋部

Claims (3)

  1. 上部構造物と下部構造物の間に配置されて前記上部構造物を免震支承する免震装置であって、
    前記上部構造物と前記下部構造物の一方の構造物に固定されるすべり板部と、
    前記上部構造物と前記下部構造物の他方の構造物に固定され、且つ、複数の弾性板と硬質板とを交互に積層して形成され、水平方向にせん断変形可能な積層体及び前記積層体において前記一方の構造物側で固定され、前記一方の構造物側の面で前記すべり板部に摺動可能に当接する端部摺動部を有する積層ゴム支承体と、
    を備え、
    前記すべり板部には、前記積層ゴム支承体の前記端部摺動部側に突出するストッパピンが設けられ、
    前記端部摺動部は、前記一方の構造物側の面で開口する凹状の開口部を有し、前記ストッパピンの突出部分が前記開口部の内部に水平方向で間隔を空けて収容され、前記開口部の内周壁には、前記ストッパピンとの相対的な水平方向への移動を規制する水平移動規制部が設けられる、
    免震装置。
  2. 前記内周壁は、前記開口部の奥側の端部に、半径方向外方向に凹む凹部を有し、
    前記水平移動規制部は、前記内周壁において前記凹部より前記開口部の開口側に前記凹部に連接して形成されている、
    請求項1記載の免震装置。
  3. 前記凹部は、前記開口部の奥側に向かって拡径するテーパ面を有する、
    請求項2記載の免震装置。
JP2017032487A 2017-02-23 2017-02-23 免震装置 Active JP6752166B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017032487A JP6752166B2 (ja) 2017-02-23 2017-02-23 免震装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017032487A JP6752166B2 (ja) 2017-02-23 2017-02-23 免震装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018136000A true JP2018136000A (ja) 2018-08-30
JP6752166B2 JP6752166B2 (ja) 2020-09-09

Family

ID=63365456

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017032487A Active JP6752166B2 (ja) 2017-02-23 2017-02-23 免震装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6752166B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6490862B1 (ja) * 2018-09-04 2019-03-27 株式会社三菱地所設計 制震構造物
CN111173156A (zh) * 2020-01-10 2020-05-19 上海大学 一种竖向板式电涡流调谐质量阻尼器
JP2021019932A (ja) * 2019-07-29 2021-02-18 大和ハウス工業株式会社 トレッドミルの防振機構

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61192941A (ja) * 1985-02-20 1986-08-27 Toshiba Corp 構造物の免震装置
JP2016017574A (ja) * 2014-07-08 2016-02-01 昭和電線デバイステクノロジー株式会社 変位抑制免震装置及び免震システム
JP2016176576A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 昭和電線デバイステクノロジー株式会社 変位抑制免震装置及び免震システム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61192941A (ja) * 1985-02-20 1986-08-27 Toshiba Corp 構造物の免震装置
JP2016017574A (ja) * 2014-07-08 2016-02-01 昭和電線デバイステクノロジー株式会社 変位抑制免震装置及び免震システム
JP2016176576A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 昭和電線デバイステクノロジー株式会社 変位抑制免震装置及び免震システム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6490862B1 (ja) * 2018-09-04 2019-03-27 株式会社三菱地所設計 制震構造物
JP2020037804A (ja) * 2018-09-04 2020-03-12 株式会社三菱地所設計 制震構造物
JP2021019932A (ja) * 2019-07-29 2021-02-18 大和ハウス工業株式会社 トレッドミルの防振機構
JP7312640B2 (ja) 2019-07-29 2023-07-21 大和ハウス工業株式会社 トレッドミルの防振機構
CN111173156A (zh) * 2020-01-10 2020-05-19 上海大学 一种竖向板式电涡流调谐质量阻尼器

Also Published As

Publication number Publication date
JP6752166B2 (ja) 2020-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6484474B2 (ja) 変位抑制免震装置及び免震システム
EP3412929B1 (en) Seismic isolation device
KR100731210B1 (ko) 형상기억합금을 이용한 교량용 면진교좌장치
JP4330171B2 (ja) アイソレータ保護装置、免震装置
JP2018136000A (ja) 免震装置
JP6646351B2 (ja) 免震システム
JP6590205B2 (ja) 三次元免震装置
JPH11210827A (ja) 免震装置
JP7102249B2 (ja) 構造物用多面スライド支承装置
JP4622663B2 (ja) 免震支承
JP2013148106A (ja) 構造物用薄型滑り支承装置
JP6987606B2 (ja) 免震装置及び免震装置の施工方法
JP7455682B2 (ja) 緩衝構造、及び、緩衝材
JPH11293685A (ja) 構造物の免震構造
JP6051325B1 (ja) 同心円積層型減衰材を備えた免震装置
JP2021179087A (ja) 耐風装置
JP3503712B2 (ja) 鉛封入積層ゴム
JP4188347B2 (ja) 免震構造物
JP2022142988A (ja) 変位抑制装置
JP3018288B2 (ja) 構造物用スライド式弾性支承装置
JP5390583B2 (ja) 支承構造
JP7320474B2 (ja) 免震装置
JP4588909B2 (ja) 浮き上がり許容の制震構造
JP6982350B1 (ja) 構造物用免震支承装置
JP2013019167A (ja) 支承装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170627

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20170714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170718

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190830

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190902

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191031

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6752166

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350