JP2020037804A - 制震構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震の際のストロークが大きい減衰装置を備えた制震構造物を提供する。【解決手段】制震構造物は、内側に空間が形成されるよう基礎の上に位置する下側部分と、空間を覆うよう下側部分の上に位置する上側部分と、を含む建物と、空間において上下方向に延びる芯棒であって、建物の上側部分に連結された上端と、基礎よりも上方に位置する下端と、を有する芯棒と、建物の下側部分の側面に対して連結された一端と、芯棒の側面に対して連結された他端と、を有する減衰装置と、芯棒の下端と基礎との間に位置する免震ゴムと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、減衰装置を用いて建物の揺れのエネルギーを吸収する制震構造物に関する。
例えば特許文献1に開示されているように、ダンパーなどの減衰装置を用いて建物の揺れのエネルギーを吸収する制震構造物が知られている。特許文献1に開示されている例においては、建物の各階にダンパーが配置されている。ダンパーの一端は、各階の上方の梁に連結されたV字状のブレース(すじかい)に固定され、ダンパーの他端は、下方の梁に連結された固定ブロックに固定されている。
水平方向における建物の揺れ量は、建物の上の階ほど大きい。例えば、上方の梁の水平方向の揺れ量は、下方の梁の水平方向の揺れ量よりも大きい。特許文献1に開示されている例において、ダンパーは、上方の梁の水平方向の揺れ量と下方の梁の水平方向の揺れ量の差の分だけ伸縮する。この場合、ダンパーのストロークは、建物の階高に比例し、例えば3〜4cm程度である。
特開平10−133736号公報
本発明は、地震の際の減衰装置のストロークを増加させることにより、1つの減衰装置が吸収できる建物の揺れのエネルギーを増加させることができる制震構造物を提供することを目的とする。
本発明は、内側に空間が形成されるよう基礎の上に位置する下側部分と、前記空間を覆うよう前記下側部分の上に位置する上側部分と、を含む建物と、前記空間において上下方向に延びる芯棒であって、前記建物の前記上側部分に連結された上端と、前記基礎よりも上方に位置する下端と、を有する芯棒と、前記建物の前記下側部分に対して連結された一端と、前記芯棒に対して連結された他端と、を有する減衰装置と、前記芯棒の前記下端と前記基礎との間に位置する免震ゴムと、を備える、制震構造物である。
本発明による制震構造物において、前記芯棒の高さが、15m以上60m以下であってもよい。
本発明による制震構造物において、前記芯棒の高さが、前記建物の高さの1/6以上1/2以下であってもよい。
本発明による制震構造物において、前記芯棒の前記上端から前記減衰装置までの上下方向における最大距離が、前記芯棒の高さの6/10以上であってもよい。
本発明による制震構造物において、前記建物の前記下側部分の側面と前記芯棒の側面との間に複数の前記減衰装置が上下方向に並んでいてもよい。
本発明による制震構造物において、前記減衰装置の数が、前記免震ゴムの数よりも多くてもよい。
本発明による制震構造物において、前記減衰装置のリリーフ減衰力に前記減衰装置の数を掛けた値が、前記免震ゴムの復元力に前記免震ゴムの数を掛けた値よりも大きくてもよい。
本発明による制震構造物において、前記免震ゴムは、水平方向において前記芯棒を元の位置に戻すための復元機能と、水平方向における前記芯棒の揺れを減衰させるための減衰機能と、を備えていてもよい。この場合、前記免震ゴムは、上側フランジ及び下側フランジと、前記上側フランジと前記下側フランジとの間に位置し、前記復元機能を備える積層ゴムと、前記積層ゴムに封入され、前記上側フランジから前記下側フランジまで延び、前記減衰機能を備える金属プラグと、を有していてもよい。若しくは、前記免震ゴムは、上側フランジ及び下側フランジと、前記上側フランジと前記下側フランジとの間に位置し、前記復元機能及び前記減衰機能を備える積層ゴムを有していてもよい。若しくは、前記免震ゴムは、すべり板と、前記すべり板上に位置するすべり材と、すべり材よりも上方に位置する上側フランジと、前記上側フランジと前記すべり材との間に位置し、前記復元機能を備える積層ゴムと、を有し、水平方向において前記免震ゴムに加わる力が所定の閾値を超えると、前記すべり材が前記積層ゴム、前記上側フランジ及び前記芯棒とともに前記すべり板に対して変位し、前記減衰機能が呈されてもよい。
本発明による制震構造物は、前記建物の前記上側部分に設けられたすじかいと、すじかいに対して連結された上側減衰装置と、を更に備えていてもよい。
本発明によれば、地震の際の減衰装置のストロークを増加させることにより、1つの減衰装置が吸収できる建物の揺れのエネルギーを増加させることができる。
本発明の実施の形態による制震構造物を示す図である。 制震構造物の減衰装置及びその周囲の構成要素を拡大して示す図。 制震構造物の免震ゴムの一例を示す縦断面図。 制震構造物の免震ゴムの一例を示す縦断面図。 制震構造物の免震ゴムの一例を示す縦断面図。 図1の制震構造物のA−A’線断面図の一例を示す図。 図1の制震構造物のA−A’線断面図のその他の例を示す図。 制震構造物の建物が揺れる様子を示す図。 制震構造物の建物が揺れる様子を示す図。 本発明の実施の形態の一変形例による制震構造物を示す図である。
図1乃至図7を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
制震構造物
図1は、本実施の形態による制震構造物1を示す図である。制震構造物1は、建物10、芯棒20、減衰装置30及び免震ゴム40を備える。
(建物)
図1に示すように、建物10は、基礎2の上に位置する下側部分11と、下側部分11の上に位置する上側部分12と、を含む。下側部分11の内側には空間13が形成されている。上側部分12は、下側部分11の内側の空間13を上方から覆うよう上側部分12の上に設けられている。
下側部分11及び上側部分12は、上下方向に延びる複数の柱14と、柱14に連結され、水平方向に延びる複数の梁15と、を有する。柱14及び梁15としては、鉄骨、鉄筋コンクリートなど公知の構造体を用いることができる。
(芯棒)
芯棒20は、建物10の下側部分11の内部の空間13において上下方向に延びている。芯棒20は、建物10の上側部分12に下方から連結された上端21と、基礎2よりも上方に位置する下端22と、を有する。芯棒20の上端21は、例えば、建物10の上側部分12のうち最も下方に位置する梁15に固定されている。芯棒20の下端22は、免震ゴム40に固定されている。
芯棒20は、上下方向に延びる複数の柱24と、柱24に連結され、水平方向に延びる複数の梁25と、を有する。柱24及び梁25としては、鉄骨、鉄筋コンクリートなど公知の構造体を用いることができる。例えば、芯棒20は、鉄筋コンクリートを含むコアウォールである。
芯棒20は、建物10よりも高い剛性を有するよう構成されている。このため、地震の際に芯棒20に生じる変形は、建物10に生じる変形よりも小さい。
上述のように、芯棒20の上端21は、建物10の上側部分12に連結されている。このため、地震によって建物10が、建物10に生じる変形に起因して水平方向において揺れる際、芯棒20にも、上側部分12に連結されている上端21を介して水平方向の力が加わる。芯棒20の剛性は建物10の剛性よりも高いので、水平方向において芯棒20に加わる力は、芯棒20を変形させるための力ではなく、水平方向において芯棒20の位置を変化させるための力として主に作用する。この際、免震ゴム40は、水平方向において芯棒20を元の位置に戻すための復元機能を呈する。
(減衰装置)
減衰装置30は、例えば、オイルダンパーなどのダンパーである。図2は、減衰装置30及びその周囲の構成要素を拡大して示す図である。図2に示すように、減衰装置30は、建物10の下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間において水平方向に延びている。減衰装置30は、下側部分11の側面111に対して固定された一端31と、芯棒20の側面23に対して固定された他端32と、を有する。
地震によって下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間の間隔D1が変化すると、減衰装置30が伸縮するので、建物10の揺れのエネルギーが減衰装置30によって吸収される。
地震の際に減衰装置30が吸収するエネルギーは、減衰装置30のストロークが長いほど大きくなる。減衰装置30のストロークは、減衰装置30が設けられている位置における、下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間の間隔D2の変化量に比例する。従って、減衰装置30に効率的に建物10の揺れのエネルギーを吸収させるためには、間隔D1の変化量が大きいことが好ましい。
上述のように、芯棒20は地震の際、上端21を介して上側部分12から受ける力に基づいて、水平方向において変位する。この場合、建物10に対する芯棒20の水平方向における変位量は、芯棒20の下端22において最大になる。このため、下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間の間隔D1の、地震の際の変化量も、芯棒20の下端22において最大になる。従って、好ましくは、減衰装置30は、芯棒20の下端22の近傍に設けられる。これによって、地震の際の減衰装置30のストロークを長くし、減衰装置30により多くのエネルギーを吸収させることができる。
以下、上下方向における減衰装置30の位置について詳細に説明する。図1において、符号H1は、芯棒20の高さを表し、符号H2は、芯棒20の上端21から減衰装置30までの上下方向における最大距離を表す。最大距離H2は、(6/10)×H1以上であることが好ましく、(7/10)×H1以上であることが好ましく、(8/10)×H1以上であることが更に好ましい。
なお、図1に示すように、建物10の下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間に複数の減衰装置30が上下方向に並んでいてもよい。この場合、芯棒20の上端21から最も上方に位置する減衰装置30までの上下方向における距離H3は、0.5×H1以上であることが好ましい。
芯棒20の揺れ量は、芯棒20の高さH1が大きくなるほど増加する。従って、地震の際の減衰装置30のストロークを長くするためには、芯棒20の高さH1を大きくすることも有効である。芯棒20の高さH1は、15m以上であることが好ましく、20m以上であることがより好ましく、25m以上であることが更に好ましい。また、建物10全体の高さをH4とする場合、芯棒20の高さH1は、H4(1/6)×H4以上であることが好ましく、(1/5)×H4以上であることがより好ましく、(1/4)×H4以上であることが更に好ましい。
一方、芯棒20の高さH1が大きくなるほど、建物10の下側部分11の高さも大きくなる。下側部分11の面積は上側部分12の面積よりも小さいので、下側部分11の剛性も、上側部分12の剛性よりも低い。このため、芯棒20の高さH1が大きくなり過ぎ、これによって下側部分11の高さが大きくなり過ぎると、下側部分11の耐久性が不足してしまう。この点を考慮すると、芯棒20の高さH1は、60m以上であることが好ましく、50m以上であることがより好ましく、40m以上であることが更に好ましい。また、芯棒20の高さH1は、(1/2)×H4以下であることが好ましい。
下側部分11と芯棒20との間には、地震の際に芯棒20が下側部分11に衝突することを防ぐための隙間が形成されている。図2に示すように、隙間D2は、水平方向における減衰装置30の寸法よりも小さくてもよい。隙間D2は、例えば10cm以上80cm以下であり、20cm以上60cm以下であってもよい。
(免震ゴム)
次に、免震ゴム40について説明する。免震ゴム40は、図1に示すように、芯棒20の下端22と基礎2との間に位置している。免震ゴム40は、水平方向において芯棒20を元の位置に戻すための復元機能を備える。図3Aは、免震ゴム40の一例を示す縦断面図である。
図3Aに示す免震ゴム40は、上側フランジ41及び下側フランジ42と、上側フランジ41と下側フランジ42との間に位置する積層ゴム43と、を少なくとも有する。上側フランジ41は芯棒20の下端22に対して固定されており、下側フランジ42は基礎2に対して固定されている。このような免震ゴム40の積層ゴム43は、水平方向において芯棒20が変位する際、芯棒20を元の位置に戻すための復元機能を呈することができる。免震ゴム40を設けることにより、芯棒20が過剰に変位して芯棒20が建物10の下側部分11に衝突してしまうことを抑制することができる。また、上側部分12と基礎2との間で芯棒20と免震ゴム40とが直列に接続されているので、上側部分12から芯棒20に加えられる力を、免震ゴム40の復元力により制御することができる。これにより、芯棒20に過剰に大きな力が加わることを防ぐことができる。また、芯棒20が耐えなくてはならない力の上限値を緩和することができる。
好ましくは、免震ゴム40は、水平方向における芯棒20の揺れを減衰させるための減衰機能を更に備える。例えば図3Aに示すように、免震ゴム40は、積層ゴム43に封入され、上側フランジ41から下側フランジ42まで延びる金属プラグ44を更に有していてもよい。金属プラグ44は、例えば、鉛を含む鉛プラグである。金属プラグ44は、地震の際に変形することによって減衰機能を呈することができる。このため、減衰装置30だけでなく免震ゴム40も、建物10の揺れのエネルギーを吸収することに寄与し得る。
なお、復元機能及び減衰機能を備える免震ゴム40の構成が、図3Aに示す構成に限られることはない。例えば図3Bに示すように、免震ゴム40は、上側フランジ41、下側フランジ42及び積層ゴム43は有するが、金属プラグ44は有していなくてもよい。この場合であっても、積層ゴム43を構成するゴムとして高い減衰性を有するものを用いることにより、積層ゴム43が復元機能及び減衰機能の両方を呈することができる。
また、図3Cに示すように、免震ゴム40は、すべり板46と、すべり板46上に位置するすべり材45と、すべり材45よりも上方に位置する上側フランジ41と、上側フランジ41とすべり材45との間に位置する積層ゴム43と、を有していてもよい。
すべり材45は、積層ゴム43の表面のうちすべり板46側の表面を覆う部材である。すべり材45は、すべり板46に対して摺動可能であるよう構成されている。例えば、すべり材45は、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂を含む。すべり板46は、ステンレス鋼などからなる板状の部材である。すべり板46は、基礎2に対して固定されている。
図3Cに示す免震ゴム40を備える制震構造物1において地震が生じると、芯棒20が水平方向において変位し、芯棒20に固定されている上側フランジ41及び上側フランジ41に固定されている積層ゴム43も変位する。この際、積層ゴム43は、芯棒20を元の位置に戻すための復元機能を呈することができる。また、水平方向において芯棒20から免震ゴム40に加わる力が所定の閾値を超えると、すべり材45が積層ゴム43、上側フランジ41及び芯棒20とともに水平方向においてすべり板46に対して変位する。この際、すべり材45とすべり板46との間に摩擦力が生じ、芯棒20のエネルギーが吸収される。すなわち、減衰機能が呈される。このように、図3Cに示す免震ゴム40も、復元機能及び減衰機能を備えることができる。
図4は、図1の制震構造物1のA−A’線断面図の一例を示す図である。また、図5は、図1の制震構造物1のA−A’線断面図のその他の例を示す図である。芯棒20の横断面は、図4に示すように矩形であってもよく、図5に示すようにH型であってもよい。なお、免震ゴム40が芯棒20の下端22及び基礎2に対して固定され得る限り、免震ゴム40の配置は任意である。
なお、本実施の形態においては、減衰装置30が建物10の揺れのエネルギーの大半を吸収し、免震ゴム40が補助的な役割を果たすことを想定している。従って、好ましくは、減衰装置30の数が、免震ゴム40の数よりも多くなっている(条件1)。また、好ましくは、減衰装置30のリリーフ減衰力に減衰装置30の数を掛けた値が、免震ゴム40の復元力に免震ゴム40の数を掛けた値よりも大きくなっている(条件2)。条件1及び条件2は、両方が成立していてもよく、いずれか一方のみが成立していてもよい。免震ゴム40の復元力とは、免震ゴム40の切片荷重である。
条件1,2について詳細に説明する。減衰装置30の数及びリリーフ減衰力、並びに免震ゴム40の数及び復元力の一例を以下に示す。
(例1)
・減衰装置30の数:10個
・減衰装置30のリリーフ減衰力:800kN
・免震ゴム40の数:8個
・免震ゴム40の復元力:500kN
この場合、減衰装置30の数が免震ゴム40の数よりも多いので、条件1が成立している。また、減衰装置30のリリーフ減衰力に減衰装置30の数を掛けた値は8000kNであり、免震ゴム40の復元力に免震ゴム40の数を掛けた値は4000kNであるので、条件2も成立している。
ところで、複数の減衰装置30は、異なる方向において設けられることがある。図4に示す例においては、2つの減衰装置30がx方向に設けられ、2つの減衰装置30が、x方向に直交するy方向において設けられている。この場合、上述の条件1、2は、x方向又はy方向のいずれかに設けられている減衰装置30と免震ゴム40との比較において成立していてもよく、x方向及びy方向に設けられている減衰装置30の合計と免震ゴム40との比較において成立していてもよい。以下、いくつかの例について説明する。
(例2)
・x方向における減衰装置30の数:10個
・y方向における減衰装置30の数:8個
・減衰装置30のリリーフ減衰力:800kN
・免震ゴム40の数:10個
・免震ゴム40の復元力:500kN
この場合、条件1は、x方向及びy方向に設けられている減衰装置30に関しては成立しているが、x方向又はy方向のいずれかに設けられている減衰装置30に関しては成立していない。条件2は、x方向及びy方向に設けられている減衰装置30の合計、x方向に設けられている減衰装置30、及び、y方向に設けられている減衰装置30のいずれに関しても成立している。
(例3)
・x方向における減衰装置30の数:10個
・y方向における減衰装置30の数:8個
・減衰装置30のリリーフ減衰力:800kN
・免震ゴム40の数:10個
・免震ゴム40の復元力:700kN
この場合、条件1は、x方向及びy方向に設けられている減衰装置30に関しては成立しているが、x方向又はy方向のいずれかに設けられている減衰装置30に関しては成立していない。条件2は、x方向及びy方向に設けられている減衰装置30の合計、及び、x方向に設けられている減衰装置30に関しては成立しているが、y方向に設けられている減衰装置30に関しては成立していない。
(例4)
・x方向における減衰装置30の数:10個
・y方向における減衰装置30の数:8個
・減衰装置30のリリーフ減衰力:800kN
・免震ゴム40の数:10個
・免震ゴム40の復元力:1000kN
この場合、条件1は、x方向及びy方向に設けられている減衰装置30に関しては成立しているが、x方向又はy方向のいずれかに設けられている減衰装置30に関しては成立していない。条件2は、x方向及びy方向に設けられている減衰装置30の合計に関しては成立しているが、x方向に設けられている減衰装置30、及び、y方向に設けられている減衰装置30に関しては成立していない。
本願において、特に断らない限り、「減衰装置30の数が免震ゴム40の数よりも多い」とは、x方向及びy方向に設けられている減衰装置30の合計数が、免震ゴム40の数よりも多いことを意味する。また、「減衰装置30のリリーフ減衰力に減衰装置30の数を掛けた値が、免震ゴム40の復元力に免震ゴム40の数を掛けた値よりも大きい」とは、減衰装置30のリリーフ減衰力に、x方向及びy方向に設けられている減衰装置30の合計数を掛けた値が、免震ゴム40の復元力に免震ゴム40の数を掛けた値よりも大きいことを意味している。
(制震構造物の作用)
次に、地震の際の制震構造物1の作用について説明する。図6、7は、地震の際に制震構造物1の建物10が揺れる様子を示す図である。
地震に起因して建物10が揺れると、芯棒20にも、建物10の上側部分12に連結されている上端21を介して力が加わり、水平方向において芯棒20の位置が変化する。この結果、建物10の下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間の間隔が変化する。例えば、建物10の揺れの周期と芯棒20の揺れの周期とが同一である場合、図6に示すように建物10の上側部分12が右側に揺れると、建物10の右側の下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間の間隔が狭まり、建物10の左側の下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間の間隔が広がる。一方、図7に示すように建物10の上側部分12が左側に揺れると、建物10の左側の下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間の間隔が狭まり、建物10の右側の下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間の間隔が広がる。
なお、建物10の揺れの周期と芯棒20の揺れの周期とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。周期が異なる場合、建物10の揺れの周期が芯棒20の揺れの周期に比べて長くてもよく、短くてもよい。
建物10の下側部分11の側面111と芯棒20の側面23との間の間隔が変化すると、減衰装置30に収縮又は伸長が生じ、これによって建物10の揺れのエネルギーが減衰装置30によって吸収される。減衰装置30が吸収するエネルギーは、減衰装置30に生じる収縮又は伸長のストロークが長いほど大きくなる。ここで本実施の形態においては、建物10の上側部分12に連結されている上端21を介して力が加わり、水平方向において芯棒20の位置が変化する。このため、従来のように建物の各階のすじかいに減衰装置を固定する場合に比べて、地震の際の減衰装置30のストロークを長くすることができる。この結果、1つの減衰装置30が吸収できる建物の揺れのエネルギーを増加させることができる。これにより、例えば、建物10に設けられる減衰装置30の数を少なくすることができる。また、減衰装置30を設置するためのスペースを小さくすることができる。
また、本実施の形態においては、芯棒20の下端22と基礎2との間に免震ゴム40が設けられている。このため、芯棒20が過剰に変位して芯棒20が建物10の下側部分11に衝突してしまうことを抑制することができる。また、免震ゴム40が金属プラグ44を有する場合、減衰装置30だけでなく免震ゴム40も、建物10の揺れのエネルギーを吸収することに寄与し得る。これにより、制震構造物1の制震性を更に高めることができる。また、上側部分12から芯棒20に加えられる力を、免震ゴム40の復元力により制御することができるので、芯棒20に過剰に大きな力が加わることを防ぐことができる。また、芯棒20が耐えなくてはならない力の上限値を緩和することができる。
(変形例)
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
図8は、変形例に係る制震構造物1を示す図である。図8に示すように、制震構造物1は、建物10の上側部分12に設けられた複数のすじかい51及び複数の減衰装置52を更に備えていてもよい。すじかい51は、例えば、上側部分12の各階の上方の梁15に連結されている。また、減衰装置52の一端は、すじかい51に対して固定され、減衰装置52の他端は、各階の上方の梁15に対して固定されている。以下の説明において、建物10の上側部分12に位置する減衰装置52のことを、上側減衰装置52とも称する。
図8に示す制震構造物1も、上述の実施の形態の場合と同様に、建物10の下側部分11の空間13に位置する芯棒20、減衰装置30及び免震ゴム40を備えている。このため、従来の場合に比べて、上側部分12の各階に設けられる上側減衰装置52の数を少なくすることができる。また、上側減衰装置52を設置するためのスペースを小さくすることができる。
また、上述の実施の形態及び変形例においては、減衰装置30の一端31及び他端32が、建物10の下側部分11の側面111及び芯棒20の側面23に固定される例を示した。しかしながら、建物10の上側部分12の揺れのエネルギーを、芯棒20を介して減衰装置30が吸収することができるよう、減衰装置30が下側部分11及び芯棒20に連結されている限りにおいて、減衰装置30の具体的な固定位置は特には限られない。例えば、図1において芯棒20の下方に符号30’で示すように、減衰装置30’の一端が、建物10の下側部分11が固定されている基礎2に対して固定されている構造物に対して固定されていてもよい。また、減衰装置30’の他端が、芯棒20に対して固定されている構造物に対して固定されていてもよい。
1 制震構造物
2 基礎
10 建物
11 下側部分
111 側面
12 上側部分
13 空間
14 柱
15 梁
20 芯棒
21 上端
22 下端
23 側面
24 柱
25 梁
30 減衰装置
31 一端
32 他端
40 免震ゴム
41 上側フランジ
42 下側フランジ
43 積層ゴム
44 金属プラグ
45 すべり材
46 すべり板

Claims (12)

  1. 内側に空間が形成されるよう基礎の上に位置する下側部分と、前記空間を覆うよう前記下側部分の上に位置する上側部分と、を含む建物と、
    前記空間において上下方向に延びる芯棒であって、前記建物の前記上側部分に連結された上端と、前記基礎よりも上方に位置する下端と、を有する芯棒と、
    前記建物の前記下側部分に対して連結された一端と、前記芯棒に対して連結された他端と、を有する減衰装置と、
    前記芯棒の前記下端と前記基礎との間に位置する免震ゴムと、
    を備える、制震構造物。
  2. 前記芯棒の高さが、15m以上60m以下である、請求項1に記載の制震構造物。
  3. 前記芯棒の高さが、前記建物の高さの1/6以上1/2以下である、請求項1又は2に記載の制震構造物。
  4. 前記芯棒の前記上端から前記減衰装置までの上下方向における最大距離が、前記芯棒の高さの6/10以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制震構造物。
  5. 前記建物の前記下側部分の側面と前記芯棒の側面との間に複数の前記減衰装置が上下方向に並んでいる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の制震構造物。
  6. 前記減衰装置の数が、前記免震ゴムの数よりも多い、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の制震構造物。
  7. 前記減衰装置のリリーフ減衰力に前記減衰装置の数を掛けた値が、前記免震ゴムの復元力に前記免震ゴムの数を掛けた値よりも大きい、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制震構造物。
  8. 前記免震ゴムは、水平方向において前記芯棒を元の位置に戻すための復元機能と、水平方向における前記芯棒の揺れを減衰させるための減衰機能と、を備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の制震構造物。
  9. 前記免震ゴムは、上側フランジ及び下側フランジと、前記上側フランジと前記下側フランジとの間に位置し、前記復元機能を備える積層ゴムと、前記積層ゴムに封入され、前記上側フランジから前記下側フランジまで延び、前記減衰機能を備える金属プラグと、を有する、請求項8に記載の制震構造物。
  10. 前記免震ゴムは、上側フランジ及び下側フランジと、前記上側フランジと前記下側フランジとの間に位置し、前記復元機能及び前記減衰機能を備える積層ゴムを有する、請求項8に記載の制震構造物。
  11. 前記免震ゴムは、すべり板と、前記すべり板上に位置するすべり材と、すべり材よりも上方に位置する上側フランジと、前記上側フランジと前記すべり材との間に位置し、前記復元機能を備える積層ゴムと、を有し、
    水平方向において前記免震ゴムに加わる力が所定の閾値を超えると、前記すべり材が前記積層ゴム、前記上側フランジ及び前記芯棒とともに前記すべり板に対して変位し、前記減衰機能が呈される、請求項8に記載の制震構造物。
  12. 前記建物の前記上側部分に設けられたすじかいと、すじかいに対して固定された上側減衰装置と、を更に備える、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の制震構造物。
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