JP6756441B2 - 制振装置、及び構造物の制振構造 - Google Patents

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Description

本発明は、制振装置、及び構造物の制振構造に関する。
地震などによって構造物に作用した振動エネルギーを減衰させて建物の応答を低減させる制振装置や、このような制振装置を用いた構造物の制振構造に関する技術がある。例えば、特許文献1には、建物の隣り合う柱と上下方向に隣り合う梁とによって囲まれる架構内に介装される慣性質量ダンパーを用いた制振装置であって、固定端が上階梁及び下階梁のいずれか一方の第1梁に固定されるとともに、摺動端が他方の第2梁に摺動可能に設けられた制振ダンパーの機能を有するブレースと、一端が第2梁に固定され、他端がブレースの摺動端に固定された慣性質量ダンパーと、を備え、ブレースと慣性質量ダンパーとが直列に接合されている制振装置が開示されている。
特開2012−122228号公報
構造物の制振構造の一例として、柱と梁との接合部に例えばV字型のブレースを設置する技術がある。このような従来の制振構造では、柱や梁の変形を低減するため、柱や梁に、RC(Reinforced−Concrete)ではなく鉄骨を用いることが多かった。また、履歴型ダンパーやオイルダンパーは、ハイテンションボルトを用いてガセットプレートに接続する方法や、ガセットプレートにピン接合する方法が一般的であった。
上記のような従来の制振構造は、V字型のブレースに設けた所謂履歴型ダンパーやオイルダンパーによって、地震等による振動エネルギーを減衰する構造である。柱や梁に変形が生じたり、履歴型ダンパーやオイルダンパーの接続部に緩みがあると、履歴型ダンパーやオイルダンパーの機能が損なわれる。そこで、上記のような従来の制振構造は、変形が生じにくいよう、柱や梁にRCではなく鉄骨を用いている。また、同様の理由により、履歴型ダンパーやオイルダンパーの接続部には、緩みや所謂がたつきが生じにくいように、ハイテンションボルトを用いたり、ピン結合を採用している。
一方で、柱や梁にRCを用いることができれば、構造物の設計の自由度を従来よりも向上することができる。また、履歴型ダンパーやオイルダンパーを省略したり、これらの性能を従来よりも低減し、かつ、従来の制振構造と同様に振動エネルギーを減衰することができれば、構造物の設計の自由度を従来よりも向上することができる。
本発明は、上記の問題に鑑み、地震などによって構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる新たな技術を提供することを課題とする。
本発明では、上記課題を解決するため、柱や梁とブレースとの接続部が積極的に変形し、変形が発生した際に履歴減衰を得られるようにした。換言すると、上記接続部の塑性化によるエネルギー吸収により、減衰効果を得られるようにした。
詳細には、本発明は、構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる制振装置であって
、前記構造物の柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に埋設され、前記構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる減衰部と、前記構造物の柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に埋設され、ブレースが接続される、前記柱と梁との接続部に一端部が接続され、他端部が前記減衰部に対して相対移動自在に接続される振動伝達部であって、前記構造物に振動エネルギーが作用した際、前記減衰部に対して相対移動しながら前記振動エネルギーを前記減衰部に伝達する棒状の振動伝達部と、を備える。
本発明に係る制振装置では、振動伝達部によって振動エネルギーが減衰部に伝達され、伝達された振動エネルギーが減衰部で減衰される。その結果、地震等による振動エネルギーを減衰することができ、構造物の制振性能を向上することができる。本発明に係る制振装置は、従来技術と異なり、柱や梁とブレースとの接続部を積極的に変形させるものであるため、柱や梁にRCを用いることができる。その結果、構造物の設計の自由度を従来よりも向上することができる。また、制振装置によって振動エネルギーを減衰できるため、従来ブレースに設けていた履歴型ダンバーやオイルダンパーは、その性能を従来よりも低減し、又は、省略することができる。その結果、構造物の設計の自由度を従来よりも向上することができる。また、本発明に係る制振装置は、構造物に埋設されることから、構造物の美観を向上することができる。
本発明に係る制振装置は、既存の構造物を制振補強する際は勿論の事、新規の構造物を構築する際にも制振性能を向上するために用いることができる。構造物には、マンション、ビル等の建物の他、橋脚等も含まれる。構造物の柱、梁、ブレースは、既存の構造物を制振補強する際に構築される、補強柱、補強梁、補強ブレース、新規の構造物の柱、梁、ブレースの何れでもよい。
ここで、前記減衰部は、粘弾性体と、当該粘弾性体を収容する筐体と、を含み、前記振動伝達部は、前記筐体を貫通する軸部と、当該軸部の他端部に設けられることで前記粘弾性体内に位置し、前記構造物に振動エネルギーが作用し当該振動伝達部が前記減衰部に対して相対移動する際に前記粘弾性体に対して抵抗する抵抗体と、を含むものでもよい。
筐体は、粘弾性体を収容するとともに、抵抗体の移動範囲、換言すると、振動伝達部が減衰部に対して相対移動する範囲を規制する。構造物に振動エネルギーが作用すると、振動エネルギーが、軸部、及び抵抗体を介して、粘弾性体に伝達される。粘弾性体の塑性化によるエネルギー吸収により、履歴減衰が得られる。
また、本発明に係る制振装置は、前記振動伝達部の前記減衰部に対する相対移動範囲を規制する規制部を更に備える構成としてもよい。振動伝達部の減衰部に対する相対移動範囲は、上記筐体によって規制することができる。但し、振動エネルギーが大きく、抵抗体が筐体の内壁面に直接接すると、粘弾性体によるエネルギーを吸収する機能が損なわれ、また、減衰部が破損することが懸念される。規制部を設けることで、振動伝達部の減衰部に対する相対移動範囲をより確実に規制することができ、粘弾性体によるエネルギーを吸収する機能を維持し、また、減衰部の破損を抑制できる。
また、本発明に係る制振装置は、前記振動伝達部の前記減衰部に対する相対移動範囲を規制する規制部を更に備え、前記規制部は、前記軸部のうち、前記一端部と前記他端部との間に設けられた、当該軸部よりも大きい外郭を有するストッパと、前記柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に形成された、前記ストッパを移動自在に収容するとともにストッパの移動範囲を規制する収容部と、を含むものでもよい。上記構成は、規制部の一例であるが、規制部を上記のように構成することで、ストッパは、収容部内において移動自在となる。換言すると、振動伝達部の減衰部に対する相対移動範囲が収容部内に制限される。
ここで、本発明は、上述した制振装置を含む、構造物の制振構造として特定してもよい。例えば、本発明は、構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる構造部の制振構造であって、前記構造物の柱と、構造物の柱に接続される構造物の梁と、構造物の柱と梁の接続部に接続されるブレースと、前記構造物の柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に埋設され、前記構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる減衰装置と、を備え、前記減衰装置は、前記構造物の柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に埋設され、前記構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる減衰部と、前記構造物の柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に埋設され、ブレースが接続される、前記柱と梁との接続部に一端部が接続され、他端部が前記減衰部に対して相対移動自在に接続される振動伝達部であって、前記構造物に振動エネルギーが作用した際、前記減衰部に対して相対移動しながら前記振動エネルギーを前記減衰部に伝達する棒状の振動伝達部と、を含むことを特徴とする。また、本発明は、制振構造の構築方法として特定してもよい。
本発明によれば、地震などによって構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる新たな技術を提供することができる。
図1は、実施形態に係る制振構造を有する建物の概略図を示す。 図2は、図1の部分拡大図を示す。 図3は、実施形態に係る制振構造の透視図を示す。 図4は、図3のA矢視図を示す。 図5は、実施形態に係る制振装置の断面図を示す。 図6は、実施形態に係る制振装置の部分斜視図を示す。 図7は、変形例に係る制振装置の部分斜視図を示す。 図8は、実施形態に係る制振構造の構築方法のフローを示す。
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、一例として、建物を制振補強する補強柱と補強梁とが接続される仕口部の制振構造について説明する。以下の説明は例示であり、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
<制振構造>
図1から図5に示すように、実施形態に係る制振構造1は、建物2(マンション)を制振補強する。この制振構造1は、RC外付けフレーム3、ブレース4、第1ガセットプレート5、第2ガセットプレート6、制振装置7を備える。
RC外付けフレーム3は、制振補強における補強材の一つであり、垂直方向に延びるRC(Reinforced−Concrete)の補強柱31、補強柱31と直交して連なるRCの補強梁32を含む。図示では省略するが、RC外付けフレーム3は、建物2の柱とスラブを介して接続されている。図1では、建物2の一面の一部に、制振構造1が設けられているが、制振構造1は、建物2の制振性能に応じて、例えば建物2の一面の全部に設けるようにしてもよい。また、制振構造1は、建物2の複数面に設けるようにしてもよい。
ブレース4は、制振補強における補強材の一つであり、一端が補強柱31と補強梁32との接続部(RC外付けフレーム3の角部)に設けられた第1ガセットプレート5に接続され、他端が補強梁32に設けられた第2ガセットプレート6に接続されている。実施形態に係るブレース4は、V字型になるように、2本のブレース4が、第1ガセットプレー
ト5と第2ガセットプレート6の夫々に接続されている。実施形態に係るブレース4には、C形鋼材が用いられているが、これに代えてH形鋼材やL形鋼材など、既存の各種鋼材を用いることができる。また、ブレース4は、X字型でもよい。
第1ガセットプレート5及び第2ガセットプレート6は、RC外付けフレーム3とブレース4とを接続する。第1ガセットプレート5は、補強柱31に接続される、第1ガセットプレートの第1接合部51、補強梁32に接続される、第1ガセットプレートの第2接合部52、ブレース4の一端が接続される、第1ガセットプレートの第3接合部53を備える。第1ガセットプレートの第1接合部51と第1ガセットプレートの第2接合部52は、何れも四角形のプレートであり、側面視においてL字型になるように、第1ガセットプレートの第1接合部51の一辺と第1ガセットプレートの第2接合部52の一辺が直角に連なっている。第1ガセットプレートの第3接合部53は、第1ガセットプレートの第1接合部51及び第1ガセットプレートの第2接合部52の内側面(補強柱31や補強梁32との接合面(外側面)と反対側の面)の幅方向の中心に、第1ガセットプレートの第1接合部51及び第1ガセットプレートの第2接合部52と直交して連なっている。第1ガセットプレートの第3接合部53は、第1ガセットプレートの第1接合部51と第1ガセットプレートの第2接合部52との角部の対角付近が切り欠かれた五角形である。この切り欠かれた部分に位置する辺にブレース4の一端が高力ボルトで接続されている。第1ガセットプレートの第1接合部51及び第1ガセットプレートの第2接合部52には、制振装置7を固定する際に用いる貫通孔54が複数形成されている。
第2ガセットプレート6は、補強梁32に接続される、第2ガセットプレートの第1接合部61、ブレース4の他端が接続される、第2ガセットプレートの第2接合部62を備える。第2ガセットプレート6は、何れも四角形のプレートであり、T字型になるように、第2ガセットプレートの第1接合部61と第2ガセットプレートの第2接合部62が連なっている。第2ガセットプレート6は、アンカーボルト(図示せず)によって補強梁32に接続されている。なお、アンカーボルトに代えて、第1ガセットプレート5と同じく、制振装置7を用いるようにしてもよい。
制振装置7は、補強柱31又は補強梁32に埋設され、建物2に作用した振動エネルギーを減衰させる。図5に示すように、制振装置7は、減衰部71、振動伝達部72、規制部73、固定部74を備える。減衰部71は、建物2に作用した振動エネルギーを減衰させる。実施形態に係る減衰部71は、粘弾性体711と、粘弾性体711を収容する筐体712とを含む。筐体712は、粘弾性体711を収容するとともに、抵抗体723の移動範囲、換言すると、振動伝達部72が減衰部71に対して相対移動する範囲を規制する。実施形態に係る筐体712は、直方体であり、内部に粘弾性体711を収容する空間を有している。筐体712の一面には、孔713が形成され、かつ、振動伝達部72が接続されている。孔713の内面には、粘弾性体711の漏れを抑制するためのシール材が形成されている。粘弾性体711は、粘性と弾性の両方を合わせた性質をもつものであり、高分子材料やカーボンナノチューブによるものが例示される。
振動伝達部72は、固定部74(実施形態では、ナット741)によって、一端が第1ガセットプレート5に固定され、他端が減衰部71に接続され、建物2に作用した振動エネルギーを減衰部71に伝達する。より詳細には、振動伝達部72は、筐体712の孔713を貫通する軸部721と、軸部721を収容する筒状の筒部722と、軸部721の他端側に設けられることで粘弾性体711内に位置する抵抗体723と、を含む。軸部721は、棒状であり、建物2に振動エネルギーが作用した際、軸方向に延びる筒部722内を、減衰部71に対して相対移動しながら、振動エネルギーを減衰部71に伝達する。抵抗体723は、建物2に振動エネルギーが作用し、軸部721が筒部722内を移動する際に粘弾性体711に対して抵抗する。図6に示すように、抵抗体723は、軸部72
1の軸方向と面が直交する円盤状であり、軸部721の移動に伴って粘弾性体711内を移動する際に抵抗が大きくなるように構成されている。これにより、振動エネルギーが効率よく粘弾性体711に伝達される。
ここで、図7は、変形例に係る制振装置の部分斜視図を示す。図7に示す変形例に係る制振装置7は、抵抗体723が円盤ではなく、上面視においてH形形状である。より詳細には、変形例に係る抵抗体723は、軸部721と直交して連なる四角形のプレート本体部723aと、プレート本体部723aの対向する両辺にプレート本体部723aと直交して連なる四角形のプレート付帯部723bとを備える。変形例に係る抵抗体723は、軸部721の移動に伴って粘弾性体711内を移動する際、プレート本体部723aに加えてプレート付帯部723bも抵抗する。したがって、変形例に係る抵抗体723は、実施形態に係る抵抗体723よりも、軸部721の移動に伴って粘弾性体711内を移動する際に抵抗が大きくなる。これにより、振動エネルギーが更に効率よく粘弾性体711に伝達される。なお、抵抗体723の形状は、これらに限定されない。例えば、抵抗体723は、円盤状の抵抗体を複数配置してもよく、また、実施形態に係る抵抗体723や変形例に係る抵抗体723の表面に凹凸を形成するようにしてもよい。また、抵抗体723は、球状、立方体、他の多角形状の立体でもよい。
規制部73は、振動伝達部72の減衰部71に対する相対移動範囲を規制する。規制部73は、筒部722の中間(軸部721の中間)に設けられた、円盤状のストッパ731と、ストッパ731を移動自在に収容するとともにストッパ731の移動範囲、換言すると軸部721の移動範囲を規制する収容部732とを備える。実施形態に係る規制部73は、ストッパ731が収容部732の内壁に先に接触し、抵抗体723が筐体712の内壁に直接接しないように構成されている。換言すると、規制部73が規制する相対移動範囲の方が、筐体712が規制する相対移動範囲よりも小さくなるように規制部73が設計されている。振動伝達部72の減衰部71に対する相対移動範囲は、筐体712によって規制することができる。但し、振動エネルギーが大きく、抵抗体723が筐体712の内壁面に直接接すると、粘弾性体によるエネルギーを吸収する機能が損なわれ、また、減衰部71が破損することが懸念される。規制部73を設けることで、振動伝達部72の減衰部71に対する相対移動範囲をより確実に規制することができ、粘弾性体711によるエネルギーを吸収する機能を維持し、また、減衰部71の破損を抑制できる。なお、規制部73を省略し、制振装置7は、より簡易な構成としてもよい。
固定部74は、振動伝達部72の軸部721の一端を第1ガセットプレート5に固定する。実施形態に係る固定部74は、2つのナット741によって構成されている。軸部721の一端側にねじ溝が形成されており、このねじ溝に螺合する2つのナット741は、第1ガセットプレートの第1接合部51又は第2接合部52を挟み込むようにして、軸部721の一端側に固定される。なお、振動伝達部72の軸部721の一端と第1ガセットプレート5とを固定できればよく、例えば、軸部721と第1ガセットプレート5とは、溶接により固定するようにしてもよい。
<<制振構造の構築方法>>
図8は、実施形態に係る制振構造の構築方法のフローを示す。ステップS01では、補強柱31又は補強梁32の型枠が組み立てられる(型枠の組立工程)。次に、ステップS02では、型枠内に制振装置7が設置される(制振装置の設置工程)。なお、制振装置7の設置は、型枠の組み立てとともに行ってもよい。制振装置7が設置されると、ステップS03では、補強柱31又は補強梁32のコンクリートが打設される(コンクリートの打設工程)。コンクリートの養生後、ステップS04では、補強柱31又は補強梁32の型枠が解体される(型枠の解体工程)。次に、ステップS05では、補強柱31と補強梁32との接続部に第1ガセットプレート5が設置され、補強梁32に第2ガセットプレート
が設置される(ガセットプレートの設置工程)。第1ガセットプレート5については、2つのナット741が、第1ガセットプレート5の第1接合部51又は第2接合部52を挟み込むようにして、軸部721の一端側に固定される。第2ガセットプレート6については、既存のアンカーボルトで固定される。次に、ステップS06では、ブレース4が第1ガセットプレート5、第2ガセットプレート6に接続される(ブレースの接続工程)。上記ステップ01から06の工程が適宜繰り返されることで、制振構造1が完成する。
<<作用効果>>
実施形態に係る制振構造1又は制振装置7では、振動伝達部72によって振動エネルギーが減衰部71に伝達され、伝達された振動エネルギーが減衰部71で減衰される。より詳細には、建物2に振動エネルギーが作用すると、振動エネルギーが振動伝達部72の軸部721及び抵抗体723を介して、減衰部71の粘弾性体711に伝達される。粘弾性体711の塑性化によるエネルギー吸収により、履歴減衰が得られる。その結果、地震等による振動エネルギーを減衰することができ、建物2の制振性能を向上することができる。実施形態に係る制振装置7は、従来技術と異なり、補強柱31や補強梁32とブレース4との接続部を積極的に変形させるものであるため、補強柱31や補強梁32にRCを用いることができる。その結果、建物2の設計の自由度を従来よりも向上することができる。また、制振装置7によって振動エネルギーを減衰できるため、従来ブレースに設けていた履歴型ダンバーやオイルダンパーの性能を従来よりも低減し、又は、省略することができる。その結果、建物の設計の自由度を従来よりも向上することができる。また、実施形態に係る制振装置7は、補強柱31や補強梁32に埋設されることから、建物2の美観を向上することができる。
ここで、制振装置7や制振構造1は、上述したように、既存の建物2を制振補強する際は勿論の事、新規の建物2を構築する際にも制振性能を向上するために用いることができる。また、建物2(マンション)を例に説明したが、制振装置7や制振構造1は、ビル等の建物の他、橋脚等の土木構造物に用いてもよい。
また、制振構造1は、実施形態に係る制振装置7の減衰部71に、履歴型ダンバーやオイルダンパーを用いるようにしてもよい。この場合、履歴型ダンパーやオイルダンパーのロッドが補強柱31や補強梁32の埋設された状態で移動できるよう、ロッドの周囲に筒部を設ける必要がある。そして、ロッドの端部を第1ガセットプレート5に固定することで、地震等による振動エネルギーを減衰することができ、建物2の制振性能を向上することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、可能な限り実施形態を組み合わせて実施することができる。
1・・・制振構造
2・・・建物
3・・・RC外付けフレーム
31・・・補強柱
32・・・補強梁
4・・・ブレース
5・・・第1ガセットプレート
51・・・第1ガセットプレートの第1接合部
52・・・第1ガセットプレートの第2接合部
53・・・第1ガセットプレートの第3接合部
54・・・貫通孔
6・・・第2ガセットプレート
7・・・制振装置
71・・・減衰部
72・・・振動伝達部
73・・・規制部
74・・・固定部

Claims (5)

  1. 構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる制振装置であって、
    前記構造物の柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に埋設され、前記構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる減衰部と、
    前記構造物の柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に埋設され、ブレースが接続される、前記柱と梁との接続部に一端部が接続され、他端部が前記減衰部に対して相対移動自在に接続される振動伝達部であって、前記構造物に振動エネルギーが作用した際、前記減衰部に対して相対移動しながら前記振動エネルギーを前記減衰部に伝達する棒状の振動伝達部と、
    を備える制振装置。
  2. 前記減衰部は、粘弾性体と、当該粘弾性体を収容する筐体と、を含み、
    前記振動伝達部は、前記筐体を貫通する軸部と、当該軸部の他端部に設けられることで前記粘弾性体内に位置し、前記構造物に振動エネルギーが作用し当該振動伝達部が前記減衰部に対して相対移動する際に前記粘弾性体に対して抵抗する抵抗体と、を含む、請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記振動伝達部の前記減衰部に対する相対移動範囲を規制する規制部を更に備える請求項1に記載の制振装置。
  4. 前記振動伝達部の前記減衰部に対する相対移動範囲を規制する規制部を更に備え、
    前記規制部は、
    前記軸部のうち、前記一端部と前記他端部との間に設けられた、当該軸部よりも大きい外郭を有するストッパと、
    前記柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に形成された、前記ストッパを移動自在に収容するとともにストッパの移動範囲を規制する収容部と、を含む、請求項2に記載の制振装置。
  5. 構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる構造部の制振構造であって、
    前記構造物の柱と、構造物の柱に接続される構造物の梁と、構造物の柱と梁の接続部に接続されるブレースと、
    前記構造物の柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に埋設され、前記構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる減衰装置と、を備え、
    前記減衰装置は、前記構造物の柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に埋設され、前記構造物に作用した振動エネルギーを減衰させる減衰部と、
    前記構造物の柱と梁とのうち、少なくとも何れか一方に埋設され、ブレースが接続される、前記柱と梁との接続部に一端部が接続され、他端部が前記減衰部に対して相対移動自在に接続される振動伝達部であって、前記構造物に振動エネルギーが作用した際、前記減衰部に対して相対移動しながら前記振動エネルギーを前記減衰部に伝達する棒状の振動伝達部と、を含む、
    構造物の制振構造。
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