JP2016059588A - ショーケース用扉 - Google Patents

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Shinya Sakano
慎哉 坂野
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Abstract

【課題】ショーケース用扉の断熱性を高めつつ必要な強度を持たせるため、庫内側を樹脂部材、庫外側を金属部材で構成した2部材構造の枠を備えたショーケース用扉について、製造作業の負荷軽減、扉構造の安定化、断熱性の向上を図る。【解決手段】庫内側に位置し、板状ガラスを挟持する庫内側挟持部61および庫外側挟持部62を備えた弾性変形可能な樹脂製の第一枠材60に、鉤型に突出する撓み変形可能な第一係止片66と、前記第一係止片に対し垂直な方向に鉤型に突出する撓み変形可能な第二係止片67と、を設ける一方、庫外側に位置して、前記第一枠材を係合保持する第二枠材70には、第一係止受部76および第二係止受部77を設け、前記第一枠材と前記第二枠材とを対向させて、前記第一係止片および第二係止片を撓み変形させつつ、前記第一係止受部および前記第二係止受部に係合させる。【選択図】図4

Description

本明細書によって開示される技術は、内方に画成される貯蔵庫の温度が所定温度範囲に維持されるようなショーケースに取付けるためのショーケース用扉に関する。
コンビニエンスストアやスーパーマーケット等では、食品や飲料品等を冷蔵もしくは冷凍保管しつつ展示するショーケースが設置されていることが多いが、このショーケース用の扉には、板状ガラスの周縁を枠で保持したものが広く使用されている。このようなショーケース用扉として、従来、断熱性を高めて庫外側表面の結露を防止しつつ、扉として必要な強度を持たせるため、庫内側を樹脂部材、庫外側を金属部材で構成した2部材構造の枠を備えたものが知られている。そして、このような2部材構造の枠について、2つの部材をガタツキなく組み合わせるために、一方の部材がT字型断面の突起部を有し、他方の部材が前記突起部を囲繞保持する突起保持部を有する構造が提案されている(特許文献1)。
特許第5027382号
上記特許文献1に記載の構造によれば、ショーケース用扉の製造にあたり、長尺状に形成された2つの枠材の一方を他方の枠材の長手方向上端または下端からスライドさせて、一方に設けられた突起部を他方に設けられた突起保持部内に挿入嵌合する必要がある。しかしながら、突起部と突起保持部との間のクリアランスは枠材間のガタツキ低減を目的として非常に小さく設定されるため、特に扉が大きく枠材が長尺である場合、挿入作業が非常に困難となる。枠のガタツキを低減しつつ、スムーズな挿入作業を可能にするためには、部品レベルで高い寸法精度が要求され、長手方向の反りに関する管理も必要となる。また、温度変化による収縮率が2つの枠材(樹脂製と金属製)間で異なるため、たとえ常温において高い精度で枠が作製されたとしても、冷却時にはガタツキが生じる懸念があった。
本明細書は、上記事情に鑑み、製作が容易で、ガタツキがなく耐久性の高い枠構造を備え、良好な断熱性能を有するショーケース用扉を提供する技術を開示する。
本明細書によって開示されるショーケース用扉は、内方に貯蔵庫を有するショーケースに取付けられ、少なくとも一部がガラスで構成されたショーケース用扉であって、 板状ガラスと前記板状ガラスの周縁部を保持する枠とを備える。前記枠は、当該ショーケース用扉が前記ショーケースに取付けられ閉じられた状態において庫内側に位置する弾性樹脂製の第一枠材と、当該ショーケース用扉が前記ショーケースに取付けられ閉じられた状態において庫外側に位置する金属製の第二枠材とを含む。ここで、前記第一枠材は、前記板状ガラスの庫内面側周縁部と当接する庫内側当接面を備えた庫内側挟持部と、前記板状ガラスの庫外面側周縁部と当接する庫外側当接面を備えた庫外側挟持部とを有して、前記板状ガラスの端面を全周に亘って覆いつつ、当該板状ガラスを挟持しているとともに、相対的に庫内側に位置し、横断面において鉤型をなすように突出する撓み変形可能な第一係止片と、前記第一係止片よりも庫外側に位置し、横断面において鉤型の断面をなすように前記第一係止片に対し垂直な方向に突出する撓み変形可能な第二係止片とを有する。一方、前記第二枠材は、前記第一係止片と係合可能な第一係止受部と、前記第二係止片と係合可能な第二係止受部とを有する。前記第一枠材と前記第二枠材とは、前記第一係止片および第二係止片を撓み変形させつつ前記第一係止受部および前記第二係止受部に係合させることにより、係合固定される。
上記構成によれば、ショーケース用扉の2つの枠材は、第一枠材(樹脂部材)の弾性を利用して、第一枠材と第二枠材との間に、これらの相対変位を規制するようなテンションをかけることで固定される。よって、特許文献1のように緊密な嵌入構造によって固定させる構造と比較して、係合構造を形成する枠材部品の要求寸法精度が緩和されて型の精度や部品の反りに対する許容度を増やすことができ、管理も容易となる。
ここで、扉を構成する2つの枠材間には、扉の使用によって様々な方向に相対的に変位しようとする応力が働くことが推定される。上記構成によれば、第一枠材の2つの鉤型係止片が横断面において互いに垂直な方向に突出するように設けられ、第二枠材の2つの係合受部を互いに垂直な方向(各係止片の突出方向とは逆方向)に付勢した状態で、第一枠材と第二枠材とが係合するものとされている。よって、枠の横断面内における様々な方向への相対変位が効果的に規制される。
さらに、係合箇所を相対的に庫内側と庫外側に配置することにより、2つの枠材間の係合の安定性を向上させることができる。
また、上記構成によれば、ショーケース用扉に組み付けられる板状ガラスは、庫内側および庫外側の両面に樹脂製の第一枠材が当接した状態で保持される。よって、特許文献1のように板状ガラスの庫外側には金属製の枠材が当接して保持される構造と比較して、板状ガラスを介した庫内側から第二枠材への熱の伝導が軽減され、第二枠材(金属部材)における結露の発生を一層効果的に防止することができる。また、摩擦係数の高い弾性の樹脂部材が庫内側および庫外側の両側から面で当接して板状ガラスを挟持することで、板状ガラスを安定的に保持可能となっている。さらに、端面および角部を含む板状ガラスの端部全体が弾性の樹脂部材で覆われることになるため、樹脂部材の衝撃緩衝作用により保護され、ガラスの破損を回避することができる。
上記構成においてショーケース用扉に取り付けられる板状ガラスは、単層のガラス板であってもよく、複数枚のガラス板を互いに離間するように平行に配置した複層ガラスであってもよい。複数枚のガラス板を周縁部にスペーサを介在させつつ平行配置して、各ガラス板間に中間層を形成した複層ガラスを用いることで、扉の断熱性を向上させることができる。
本明細書によって開示されるショーケース用扉は、以下のような構成としてもよい。
(1) 第一係止受部および第二係止受部が、第一係止片および第二係止片が鉤型の断面をなすように屈曲された先端部を、それぞれ少なくとも3方向から取り囲むように形成されている構成。
上記(1)の構成によれば、それぞれ少なくとも3方向への2つの枠材間の相対変位が規制され、2つの枠材間の係合構造が安定化する。
さらに、前記第一係止受部又は前記第二係止受部のうち少なくとも何れか一方が、前記第一係止片又は前記第二係止片を囲繞保持するように形成されていてもよい。このようにすれば、少なくとも1つの係合箇所において、2つの枠材の4方向への相対変位が規制され、2つの枠材間の係合構造を一層安定化することができる。
(2)前記第二枠材が、前記板状ガラスの庫外側表面に沿って延出して前記庫外側挟持部の庫外側表面と当接する庫外側補強面を備えた挟持補強部を有する構成。
上記(2)の構成によれば、板状ガラスの周縁部が樹脂部材に加えて金属部材でも面支持されるため、板状ガラスの挟持構造を一層安定化できる。また、第一枠材と第二枠材とが当該部分において面で当接することにより、これら2つの枠材間の係合構造も一層安定化される。
(3)前記庫外側挟持部の先端が、横断面において片矢印形状をなすように形成されており、前記挟持補強部が、横断面において、前記庫外面側挟持部先端の前記片矢印形状の矢軸部分に沿って矢じり部分の基部まで延出し、前記挟持補強部の庫外側表面と前記矢じり部分の表面とが無段状に連続している構成。
上記(3)の構成によれば、挟持補強部の先端が庫外側挟持部の矢じり部分に当接して第一枠材に対する第二枠材の相対変位が規制されることとなるため、枠材係合構造の安定性および板状ガラス挟持構造の安定性が向上する。また、2つの枠材の接合箇所は、扉がショーケースに取付けられた場合に使用者の正面側に位置する最も視認性が高い部分であるが、この接合箇所の外観が整えられ、扉全体の意匠性が向上する。
(4)前記第二枠材は、前記第一枠材との間に空隙を形成するように対向配置されるとともに、前記第一枠材と前記第二枠材との間に形成された前記空隙内に、前記第一枠材又は前記第二枠材の一方或いは双方から、他方に向けて突出して他方と当接する、少なくとも一つの突支片が設けられている構成。
上記(4)の構成によれば、2つの枠材間に空隙を設けることにより、第一枠材から第二枠材への熱伝導が抑制されて第二枠材の結露を一層低減できるとともに、枠の軽量化も図られる。ここで、2つの枠材間に空隙が介在することによる第一枠材の変形や強度低下が懸念されるが、突支片を設けることで、ガラス板面に平行な方向にかかる荷重を第一枠材から第二枠材に伝えて分散支持可能となって、かかる問題を回避することができる。
(5)前記第二枠材にヒータが取り付けられている構成。
特に庫内温度が低い冷凍ショーケースでは、枠を2部材で構成して断熱性能を上げてもなお、枠の庫外側(第二枠材)表面に結露が生じうる。上記(5)の構成によれば、必要に応じてヒータに通電することで、結露防止性能をさらに向上させることができる。ヒータを取り付けるため、第二枠材にヒータを保持可能なくぼみを設けるとよい。
本明細書によって開示される技術によれば、製作が容易で、ガタツキがなく耐久性の高い枠構造を備え、良好な断熱性能を有するショーケース用扉を得ることができる。
一実施形態に係るショーケース用扉が取り付けられた、冷蔵ショーケースの外観正面図 貯蔵庫本体2の右側壁を取り除いた状態の、冷蔵ショーケースの右側面図 ショーケース用扉の外観斜視図 扉の構造を示す要部横断面図
<実施形態>
以下、好ましい実施形態について、図1から図4を参照しながら説明する。本実施形態では、縦型のスイング開閉式冷蔵ショーケース1に取り付けるためのショーケース用扉10を例示する。なお、以下の説明では、図1における手前側を前側、奥側を後側もしくは背面側、左側を左側、右側を右側とする。
まず、本実施形態に係る扉10が取り付けられるショーケース1の全体構造について、図1および図2を参照しながら以下に説明する。
図1に示すように、ショーケース1は、前面開口の縦長の断熱箱体から構成される貯蔵庫本体2と、貯蔵庫本体2の下方に配設される機械室30とを備える。
図2に示すように、貯蔵庫本体2の内方が貯蔵室20とされており、この貯蔵室20の内部に、食品や飲料品を冷蔵陳列するための複数の棚板22が、上下に離間して並ぶように配設される。そして、貯蔵室20の前面に開設された前方に開放する矩形状の開口部21に、一対のショーケース用扉10が観音開き形式にスイング開閉するように装着される。
貯蔵庫本体2の下方に配設される機械室30内には、少なくとも圧縮機と、凝縮器ファンを備えた凝縮器と、を含む図示しない冷凍装置が収容されている。機械室30は、底面四隅に設けられた脚31によって支持されており、前面パネル32には外気を機械室30内に取り込むための吸気口33が、背面パネルには上記冷凍装置を冷却した後の排熱を排出するための排気口(図示しない)が設けられている。
他方、ショーケース1における貯蔵室20の天井部における後側には、ドレンパンを兼ねたエアダクト41が張設されることで冷却器室40が画成されており、この冷却器室内に冷却器42および冷気循環ファン43が収容されている。また、冷却器室40における前側には吸込口44が、後側には吹出口45が設けられて、冷却器室40と貯蔵室20とが連通した構造とされている。そして、この冷却器室内に収容された冷却器42と、上記機械室30内の冷凍装置とが冷媒配管によって循環接続されて、周知の冷凍回路が形成されている。
ショーケース1の冷却運転は、上記冷凍装置および冷気循環ファン43が駆動されることで行われる。冷気循環ファン43が駆動され、貯蔵室20内の庫内空気が、吸込口44から吸い込まれて冷却器室40内に導かれると、吸い込まれた庫内空気が冷却器42を流通する間に熱交換されて、冷気が生成される。このように生成された冷気が、吹出口45等から貯蔵室20内に吹出されて、貯蔵室20内が冷却される。
この間、冷凍装置等と併せて、機械室30内に設置された凝縮器ファンも駆動される。凝縮器ファンにより、機械室30の前面パネル32に設けられた吸気口33から外気が吸い込まれて機械室30内に導かれると、吸い込まれた外気は、凝縮器や圧縮機の間を流れることでこれらを冷却する。熱交換により温められた空気は、図示しない背面パネルに設けられた排気口から排気されて、排熱が行われるようになっている。
次に、貯蔵室20前面の開口部21にスイング開閉可能に装着される観音開き形式の扉10の構造について、図3および図4を参照しながら説明する。
図3は、図1のショーケース1の左側に取り付けられる扉10の斜視図である。この図に示すように、扉10は、大まかには、板状ガラス90の上下左右の周縁部が、全周に亘って枠50で挟持された構造であり、板状ガラス90を通してショーケース1内方の貯蔵室20内を視認可能とされている。
枠50は、1つの板状ガラス90について、板状ガラス90の左右両側端部を挟持する2つの比較的長尺な縦枠51A、51Bと、上端部および下端部を挟持する2つの比較的短尺な横枠52A、52Bと、の計4つ枠から構成されている。これら4つの枠は、先端が45°に傾斜するように切断された形状とされ、板状ガラス90の四隅において傾斜部を突き合わせるようにネジ等を介して連結される。
以下、上下方向に延びる縦枠のうち、扉10が貯蔵室20の開口部21に取り付けられた状態において中央寄りに配置される枠51Aを中央枠、開口側端寄りに配置される枠51Bを側枠とする。中央枠51Aの庫外側中央部には、取手53が突設される。
一方、左右方向に延びる横枠については、扉10が貯蔵室20の開口部21に取り付けられた状態において上側に配置される枠52Aを上枠、同状態において下側に配置される枠52Bを下枠とする。上枠52Aおよび下枠52Bにおける側枠51B寄りの部位には、貯蔵室20の開口部21の上下にそれぞれ設けられたヒンジ(図示しない)を嵌合可能なヒンジ穴54が設けられて、扉10を、側端部を回転支点としてスイング開閉できるように開口部21に軸支可能とされている。
枠50を構成する中央枠51A、側枠51B、上枠52A、下枠52Bは、それぞれポリプロピレン等の樹脂からなる適度な弾性を備えた第一枠材60と、スチール等の金属からなる第二枠材70の2つの枠材から形成されている(図4)。
また、中央枠51A、側枠51B、上枠52A、下枠52Bの長手方向に沿って、扉10の全周に亘るように切れ目なくマグネットガスケット80が取り付けられる。このマグネットガスケット80は、扉10が閉鎖された状態において、貯蔵庫本体2の開口部21を画成する壁前面に吸着して、扉10と貯蔵庫本体2との間を密閉する機能を有する。
なお、枠50を構成する中央枠51A、側枠51B、上枠52A、下枠52Bの断面構造は基本的に同じであるため、以下においては、図1におけるA−A横断面を表した図4に基づき、貯蔵室20の開口部21左側に取り付けられる側枠51Bを例として、枠等の構造について説明する。なお、前述のように、図4における下側(図1における手前側)を前側、上側(図1における奥側)を後側もしくは背面側、左側を左側、右側を右側とする。図4では、右上部が貯蔵室20の庫内側となっている。
図4に断面形状を示すように、マグネットガスケット80は、側枠51Bの後側面と当接する前壁81を備え、マグネット収容室82と、複数の空気室83、84とを画成するように中空状に形成された本体部85を有する。本体部85の前壁81における庫外寄り(左寄り)の位置からは、被保持部89が両矢印状に突出形成されるとともに、同じく庫内寄り(右寄り)の位置からは、突部86が中空の直角三角形状に突出形成されている。突部86の突出端右側面からは、ヒレ部86Bが右後方に向けて傾斜しつつ延出している。マグネットガスケット80としては、ウレタンフォーム等の柔軟な樹脂を押出成形したものを用いることができる。
マグネットガスケット80は、被保持部89が後述する第二枠材70の保持部79に嵌入係合されることによって第二枠材70に保持され、側枠51Bに取付けられる。マグネットガスケット80の側枠51Bへの取付手順および取付状態については、後に詳述する。
本実施形態では、板状ガラス90として複層ガラスを用いる。具体的には、同サイズの2枚の透明な矩形のガラス板91A、91Bの周縁部に、全周に亘って樹脂製のスペーサ92を介在させつつ、ガラス板91A、91Bの板面が互いに平行になるように配置したものである。
以下、扉10が貯蔵室20の開口部21に取り付けられた状態において、庫内側(後側)に配置されるガラス板91Aを庫内側ガラス板、同状態において庫外側(前側)に配置されるガラス板91Bを庫外側ガラス板とする。上記構成により、庫内側ガラス板91Aの庫外側の板面と、庫外側ガラス板91Bの庫内側の板面との間には、スペーサ92の厚さに相当する隙間93が形成されている。
第一枠材60は、上記複層ガラス90の庫内面周縁部を保持する庫内側挟持部61を有する。庫内側挟持部61は、第一枠材60の庫内側において長手方向全長に亘って設けられており、複層ガラス90の端面側から、庫内側ガラス板91Aの板面に沿って略平行となるように延出して、庫内側ガラス板91Aの庫内面側周縁部と当接する庫内側当接面61Aを備えている。
本実施形態では、庫内側挟持部61の延出長(庫内側当接面61Aの幅)は、複層ガラス90のスペーサ92の幅とほぼ同じ長さとされている。また、庫内側当接面61Aには、庫内側ガラス板91Aに向けて突出する弾性変形可能な突起61B、61Cが形成されている。突起61B、61Cは、先端が鋭角又は円形をなすように形成され、突出量は何れも庫内側ガラス板91Aの厚みの1/5〜1/6程度とされている。複層ガラス90が組み付けられると、突起61B、61Cは庫内側ガラス板91Aの庫内側表面に押し当てられて変形し、庫内側当接面61Aが庫内側ガラス板91Aの庫内側表面に当接した状態となる。
第一枠材60はまた、上記複層ガラス90の庫外面側周縁部を保持する庫外側挟持部62を有する。庫外側挟持部62は、第一枠材60の庫外側において長手方向全長に亘って設けられており、複層ガラス90の端面側から、庫外側ガラス板91Bの板面に沿って略平行となるように延出して、庫外側ガラス板91Bの庫外面側周縁部と当接する庫外側当接面62Aを備えている。
本実施形態では、庫外側挟持部62の先端は、横断面において片矢印形状をなすように形成されている。また、庫外側挟持部62の延出長(庫外側当接面62Aの幅)は、庫内側挟持部61の延出長とほぼ同じ、すなわち複層ガラス90のスペーサ92の幅とほぼ同じ長さとされている。さらに、この庫外側当接面62Aにも、上記突起61B、61Cとほぼ同様の寸法形状の弾性変形可能な突起62B、62Cが形成されている。複層ガラス90が組み付けられると、上記庫内側挟持部61についてと同様、突起62B、62Cが庫外側ガラス板91Bの庫内側表面に押し当てられて変形し、庫外側当接面62Aが庫外側ガラス板91Bの庫外側表面に当接した状態となる。
第一枠材60はさらに、上記複層ガラス90の端面に対向する端面対向部63を有する。端面対向部63は、上記庫内側挟持部61と上記庫外側挟持部62との間に、複層ガラス90を形成する庫内側ガラス板91Aおよび庫外側ガラス板91B、ならびにスペーサ92の端面と略平行となるように設けられる。すなわち、第一枠材60には、庫外側から庫外側挟持部62、端面対向部63、庫内側挟持部61が順に連接して、複層ガラス90に向けて開口するコの字型断面部分が形成されている。
本実施形態では、端面対向部63におけるスペーサ92端面と対向する位置に、互いに向けて湾曲しつつスペーサ92端面に向けて突出する2本の爪部63A、63Bが設けられ、スペーサ92中に嵌入固着されている。なお、爪部63A、63Bは、何れも上下方向に延在する突条として形成されている。
本実施形態において、上記庫内側挟持部61の端面対向部63とは反対側の端からは、後方に向けて端面対向部63と略平行に延出する庫内壁部64、庫内側挟持部61および庫外側挟持部62と略平行に延出する後壁部65が順に連接されており、第一枠材60は全体として逆S字型の概形断面をなすように形成されている。
第一枠材60は、横断面において鉤型をなすように突出する撓み変形可能な第一係止片66を有する。本実施形態では、第一係止片66は、上記後壁部65の先端が、端面対向部63とほぼ同一平面上において前方に直角曲げされた後さらに右方に回曲されることで、先端部が右方に屈曲した鉤型断面を呈するように形成されている。すなわち、第一係止片66は、第一枠材60における最も庫内側に、前方に突出するように設けられていると言える。また、本実施形態では、この第一係止片66の基部に、突片66Bが突設されている。
第一枠材60はまた、上記第一係止片66よりも庫外側に位置し、横断面において鉤型をなすように、第一係止片66に対し垂直な方向に突出する撓み変形可能な第二係止片67を有する。本実施形態では、第二係止片67は、庫外側ガラス板91Bとほぼ同一平面上において、端面対向部63から左方に突出するように設けられた突出部がさらに前方に直角曲げされることで、先端部が前方に屈曲した鉤型断面を呈するように形成されている。すなわち、第二係止片67は、第一枠材60における最も庫外側に、左方(第一係止片66の突出方向とは垂直な方向)に突出するように設けられていると言える。
本実施形態において、第一枠材60は、後述する第二枠材70との間に空隙を形成するように対向配置されるとともに、第二枠材70に向けて突出してこれと当接する突支片68をさらに有する。本実施形態では、突支片68は、庫内側ガラス板91Aとほぼ同一平面上において、端面対向部63から左方に突出するように設けられている。突支片68の突出長は、第二係止片67の突出長とほぼ同じとされている。
他方、本実施形態において、第二枠材70は、第一枠材60よりも薄肉な壁で構成された中空構造を有する。大まかには、前壁71、側端壁72、後壁73および中央壁74が略方形断面の空気室75を形成し、前壁71および後壁73が中央壁74よりも第一枠材60側に延出するとともに、後壁73からは上記マグネットガスケット80の被保持部89と係合する保持部79が突出形成された断面形状を呈するものとされている。側枠51Bにおいて、第二枠材70は、マグネットガスケット80の左前方、第一枠材60の左方に係合配置される。
第二枠材70は、第一係止片66と係合可能な第一係止受部76を有する。本実施形態において、第一係止受部76は、上記後壁73の延出部先端を後方に直角曲げした後に左方に回曲させることで、その先端部に左方に開口したコの字型断面の受部を有するように形成されている。このコの字型断面の受部内に、上記第一係止片66の右方に屈曲した先端部がほぼ緊密に嵌合される。
第二枠材70はまた、第二係止片67と係合可能な第二係止受部77を有する。本実施形態において、第二係止受部77は、上記前壁71と上記中央壁74とによって空気室75の外方(右方)に画成される角部77Cと、前壁71から後方に向けて突出する突壁77Aと、中央壁74から右方に向けて突出する突壁77Bと、によって形成されており、この略方形に形成された空間内に、上記第二係止片67の前方に屈曲した先端部が囲繞保持される。
本実施形態において、第二枠材70は、上記マグネットガスケット80の被保持部89を嵌合保持する保持部79を有する。保持部79は、第二枠材70庫外側(左側)の側端壁72が後壁73よりも後方に延出した後に右方に屈曲されて形成された保持片79Aと、後壁73の左寄りの位置から後方に突出した後に左方に屈曲された保持片79Bと、から構成される。保持片79A、79Bの先端同士の間に形成されるスリット79Cから、両矢印状に形成された被保持部89の先端部分を挿入し、被保持部89の首部が保持片79A、79Bの先端で挟持され、前壁81に保持片79A、79Bの後面を当接させた状態で、マグネットガスケット80が第二枠材70に保持される。
本実施形態においては、第二枠材70はさらに、ヒータ取付部78を有する。ヒータ取付部78は、中央壁74における複層ガラス90のスペーサ92と対向する位置を変形させ、ヒータの外径に合わせた窪みを設けることによって形成されている。
続いて、側枠51Bの製造手順の一例について、図を参照しながら説明する。
第一枠材60と第二枠材70とを係合させるには、まず、第一枠材60の長手方向の一端部において、第二係止片67の前方に屈曲した先端部を、第二枠材70の第二係止受部77の突壁77A、突壁77A、および角部77Cで画成される空間内に挿入する。しかる後に、第一枠材60と第二枠材70とを互いにスライドさせて、第二係止片67を第二係止受部77内に全長にわたって嵌合させる。次いで、第一係止片66を撓み変形させつつ第一係止受部76と係合させる。この際、第一枠材60の弾性を利用し、庫内壁部64および後壁部65を変形させて押し広げるようにして、スライドないし係合させるとよい。このようにして、第一枠材60の弾性により2つの係合箇所にテンションがかかった状態で、第一枠材60と第二枠材70とが係合されて、側枠51Bが作製される。
複層ガラス90は、側枠51Bを予め作製した後に、これに組み付けることができる。第一枠材60のうちの右方に向けたコの字型断面部分の開口に対して、庫内側挟持部61の突起61B、61C、並びに、庫外側挟持部62の突起62B、62Cを変形させつつ、複層ガラス90が入り込んだ状態とする。このとき、予めスペーサ92端面の適当な位置に上下方向への切込みを2本設け、端面対向部63に設けられた突条の2本の爪部63A、63Bをスペーサ92の端面に食い込ませた状態で、第一枠材60のコの字型断面部分と複層ガラス90との隙間にゴム等の接着封止材等を流し込んで固着させるとよい。
マグネットガスケット80は、上記のように側枠51Bに複層ガラス90を組み付けた後に、側枠51Bに取り付けることができる。側枠51Bの後側にマグネットガスケット80を配置し、柔軟な樹脂からなる被保持部89を弾性変形させつつ、この先端に形成された頭部を第二枠材70のスリット79Cから保持部79内に押し込み嵌合させ、首部を左右両側から保持片79A、79Bで挟み込んで保持させる。同時に、突部86の先端に形成されたヒレ部86Bを第一係止片66の基部に形成された突片66Bの前方に押し込み、ヒレ部86Bと前壁81の間に突片66Bを保持しつつ、右後方に向けて斜めに延出するヒレ部86Bの先端を第一係止片66左側面に当接させる。これにより、第一枠材60がヒレ部86Bによって右後方へ付勢され、第一枠材60の後壁部65、並びに、第二枠材70の保持片79A、79Bに前壁81が密着した状態となって、マグネットガスケット80が側枠51Bに取り付けられる。
本実施形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
本実施形態では、扉10の枠を構成する第一枠材60と第二枠材70とを、容易に係合させることができる。具体的には、まず、第二係止片67を第二係止受部77中に嵌合させるにあたり、後述するように要求寸法精度が緩和されることによって、第二係止片67を第二係止受部77との間に十分なクリアランスを確保することができるため、スライド作業が極めて容易となる。次に、第一枠材60の弾性を利用して、第一係止片66を撓み変形させつつ、第一係止受部76に押し嵌め係合させることで、2つの枠材を2つの係合箇所で確実に固定することができる。
本実施形態では、第一枠材(樹脂部材)60の弾性に基づいて、第一枠材と第二枠材との相対変位を規制するようなテンションがかけられることで、第一枠材60と第二枠材70とが係合固定される。具体的には、これら2つの枠材を係合するにあたり、第二係止片67と第二係止受部77とを係合させた後に、第一枠材60の弾性を利用して押し広げて第一係止片66を撓み変形させつつ、第一係止受部76に係合させるため、これら2つの係合箇所で第一枠材と第二枠材との相対変位を規制するようなテンションがかかった状態となって2つの枠材が固定される。よって、緊密な嵌入構造によって固定させる構造と比較して、係合構造を形成する枠材部品の要求寸法精度が緩和されて型の精度や部品の反りに対する許容量を増やすことができ、管理も容易となる。
本実施形態では、2つの係合受部が互いに垂直な方向に付勢された状態で、第一枠材60と第二枠材70とが係合固定される。具体的には、本実施形態では、第一係止片66が前方に向けて突出した後に右方に屈曲する鉤型を形成するように、第二係止片67が前方に向けて突出した後に右方に屈曲する鉤型を形成するように設けられており、2つの係合受け部を互いに垂直な方向(各係止片の突出方向とは逆方向)に付勢した状態で、第一枠材60と第二枠材70とが係合されるようになっている。よって、枠50の横断面内における様々な方向への第一枠材60および第二枠材70間の相対変位が効果的に規制され、耐久性が向上する。
本実施形態では、第一係止受部76および第二係止受部77が、第一係止片66および第二係止片67の先端部を、それぞれ少なくとも3方向から取り囲むように形成されている。よって、枠50の横断面内における様々な方向への第一枠材60および第二枠材70間の相対変位が効果的に規制され、耐久性が向上する。具体的には、第一係止受部76は左方に開口するコの字断面をなすように形成され、この開口内に、右方に屈曲した第一係止片66の先端部が嵌合されることで、前方、後方、および右方の3方向への第二枠材70に対する第一枠材60の相対変位が規制されている。一方、第二係止受部77は突壁77A、77B、およびこれらの間に位置する角部77Cによって形成されて、この内部に前方に屈曲した第二係止片67の先端部が囲繞保持されることで、前方、後方、左方および右方の4方向への第二枠材70に対する第一枠材60の相対的線形変位が規制されている。なお、2つの枠材を係合させる際の作業性を考慮すれば、2つの係合箇所のうち一方のみを囲繞保持構造とすることが好ましい。
本実施形態では、第一係止片66が側枠51B内における最も庫内寄りの位置に、第二係止片67が側枠51B内における最も庫外寄りの位置に、それぞれ設けられている。よって、2つの枠材間の相対変位が効果的に規制されて、安定的な係合が実現される。
本実施形態では、第二枠材70が第一枠材60との間に空隙を形成するように対向配置されることにより、第一枠材から第二枠材への熱伝導が抑制されて第二枠材の結露を一層低減されるとともに、枠の軽量化が図られている。
また、第一枠材60の端面対向部63から第二枠材70の中央壁74に向けて突出して当接する突支片68が設けられていることにより、複層ガラス90の板面に平行な方向にかかる荷重が、第一枠材60から第二枠材70に伝えられて分散支持される。この結果、第一枠材60に過度な応力がかかって不可逆的な変形が生じる事態等が回避される。さらに、突支片68が設けられていることにより、第一枠材60の第二枠材70に対する回転変位が規制される。特に、突支片68が複層ガラス90の延長厚み範囲内に設けられていることで、複層ガラス90の回動によって生じる応力が第一枠材60内を伝播する前に、これを受け止めて対抗できるようにされている。
さらに本実施形態では、複層ガラス90を用いることで、扉10の断熱性を高いものとしている。また、複層ガラス90は、第一枠材60によって庫内側および庫外側から挟持されるのみならず、第一枠材60の爪部63A、63Bが複層ガラス90のスペーサ92内に深く差し込まれることによっても保持され、複層ガラス90の第一枠材60、ひいては側枠51Bへの組み付け構造が一層強固なものとされている。
本実施形態では、複層ガラス90が枠50に組み付けられた状態において、複層ガラス90の庫内側のみならず庫外側にも、樹脂製の第一枠材60が当接する。よって、複層ガラス90を介した庫内側から第二枠材70への熱伝導が軽減され、第二枠材(金属部材)70の結露を一層効果的に防止できる。
また、複層ガラス90に庫内側および庫外側の両側から面で当接して挟持する第一枠材60は、摩擦係数の高い弾性の樹脂部材であるため、複層ガラス90の保持性が向上する。さらに本実施形態では、複層ガラス90が側枠51Bに挟持された状態において、庫内側挟持部61の突起61B、61Cが庫内側ガラス板91Aの庫内側表面に、庫外側挟持部62の突起62B、62Cが庫内側ガラス板91Aの庫内側表面に、弾性変形しつつ押し付けられることで、複層ガラス90の把持性が一層高いものとなっている。
さらに、端面および角部を含む複層ガラス90の端部全体が、衝撃緩衝作用を有する弾性樹脂で形成された第一枠材60で覆われ保護されるため、複層ガラス90の破損の危険性が低くなり安全性が高いものとなっている。
本実施形態では、複層ガラス90が枠50に組み付けられた状態において、樹脂製の庫外側挟持部62の庫外側に、金属製の挟持補強部71Aが当接する構成となっている。よって、複層ガラス90の周縁部が、樹脂部材に加えて金属部材でも面支持されることとなり、枠50による複層ガラス90の挟持構造が一層安定化されている。さらに、複層ガラス90を通じて第一枠材60を回転変位させようとする応力が働いた場合にも、金属製の挟持補強部71Aで庫外側挟持部62が面支持されていることにより、第一枠材60の第二枠材70に対する回転変位が規制される。すなわち、第一枠材60の第二枠材70に対する回転変位は、前方が挟持補強部71Aとの面当接により、中央部が突支片68の当接により規制されて、耐久性にも優れたものとなっている。
本実施形態では、樹脂製の庫外側挟持部62の先端が、横断面において片矢印形状をなすように形成されており、金属製の挟持補強部71Aが、庫外面側挟持部62の横断面における矢軸部分に沿って面で当接しつつ、矢じり部分の基部まで延出している。よって、庫外側挟持部62先端方向(側枠51Bにおける右方)への第二枠材70の相対変位が規制され、第一枠材60および第二枠材70間の係合構造の安定性、並びに、複層ガラス90の挟持構造の安定性が向上している。
また、挟持補強部71Aの庫外側表面と、庫外側挟持部62の矢じり部分の基端表面とが無段状に連続しているため、扉10がショーケース1に取付けられた場合に使用者の正面側に位置することとなり最も視認性が高い部分である2つの枠材の接合箇所の外観が整えられ、扉10全体の意匠性が向上している。
本実施形態では、第二枠材70に、ヒータ取付部78が設けられている。特に庫内温度が低い冷凍ショーケースでは、枠材を2部材化して断熱性能を上げてもなお、第二枠材に結露が生じうるが、必要に応じてヒータ取付部78にヒータを取り付けて通電することで、結露防止性能をさらに向上させることが可能となっている。
<その他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は、上記記載および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)本明細書で開示される技術は、冷蔵ショーケースや冷凍ショーケースに限らず、恒温ショーケースや保温ショーケースにも適用できる。断熱性が高く、耐久性にも優れたショーケース用扉を得ることができるため、内方に画成された貯蔵庫の温度を所定の温度範囲に保つ上で省エネルギー化を図りつつ、実用性の高い構造とすることができる。
(2)上記実施形態では、扉10は観音開き式に取り付けられるスイング開閉式のものとしたが、このような使用態様の扉に限定されるものではない。ショーケースに取付けられる扉は、1枚であっても、複数枚であってもよく、スライド開閉式に取り付けられる扉に適用することもできる。
(3)上記実施形態では、庫外寄りに設けた第二係止片67を第二係止受部77とスライド係合させた後に、庫内寄りに設けた第一係止片66を第一係止受部76に押し嵌め係合させることとしたが、これに限定されるものではなく、第一係止片および第二係止片が撓み変形しつつ係合され、第一枠材と第二枠材との相対変位が規制されるようなテンションがかけられた状態で固定されていればよい。例えば、第一枠材と第二枠材との係合面を正対させた状態から、第一係止片を第一係止受部に、第二係止片を第二係止受部に、それぞれ押し嵌め係合することとしてもよい。このようにして係合すれば、スライド作業そのものが不要となって組立が格段に容易となり、組立に要するスペースも縮小される。
(4)上記実施形態では、第一係止片66を第一枠材60における最も庫内寄りの位置に、第二係止片67を最も庫外寄りの位置に設けたが、これに限定されるものではなく、2つの係止片が相対的に庫内側と庫外側に位置するように設けられていればよい。2つの係止片は、互いに離間して配置されているほど枠材間の係合構造が安定化するため、好ましい。
(5)上記実施形態では、第一係止片66も、第二係止片67も、先端部が直角曲げされた形状としたが、このような形状に限定されるものではない。突出基部と先端部との間の角が鋭角となるように、先端部が90°よりも大きな角度で屈曲されていてもよい。また、2つの係止片の基部の突出方向は垂直となるように形成されていれば特に限定されるものではなく、先端部の屈曲方向も特に限定されるものではない。
1…ショーケース、2…貯蔵庫本体、10…扉、20…貯蔵室、21…開口部、22…棚板、30…機械室、31…脚、32…前面パネル、33…吸気口、40…冷却器室、41…エアダクト、42…冷却器、43…冷気循環ファン、44…吸込口、45…吹出口、50…枠、51A、51B…縦枠、51A…中央枠、51B…側枠、52A、52B…横枠、52A…上枠、52B…下枠、53…取手、54…ヒンジ穴、60…第一枠材、61…庫内側挟持部、61A…庫内側当接面、61B、61C…突起、62…庫外側挟持部、62…庫外面側挟持部、62A…庫外側当接面、62B、62C…突起、63…端面対向部、63A、63B…爪部、64…庫内壁部、65…後壁部、66…第一係止片、66B…突片、67…第二係止片、68…突支片、70…第二枠材、71…前壁、71A…挟持補強部、72…側端壁、73…後壁、74…中央壁、75…空気室、76…第一係止受部、77…第二係止受部、77A、77B…突壁、77C…角部、78…ヒータ取付部、79…保持部、79A、79B…保持片、79C…スリット、80…マグネットガスケット、81…前壁、82…マグネット収容室、83、84…空気室、85…本体部、86…突部、86B…ヒレ部、89…被保持部、90…複層ガラス、91A、91B…ガラス板、91A…庫内側ガラス板、91B…庫外側ガラス板、92…スペーサ、93…隙間

Claims (6)

  1. 内方に貯蔵庫を有するショーケースに取付けられ、少なくとも一部がガラスで構成されたショーケース用扉であって、
    板状ガラスと、前記板状ガラスの周縁部を保持する枠と、を備え、
    前記枠は、当該ショーケース用扉が前記ショーケースに取付けられ閉じられた状態において庫内側に位置する弾性樹脂製の第一枠材と、当該ショーケース用扉が前記ショーケースに取付けられ閉じられた状態において庫外側に位置する金属製の第二枠材とを含み、
    前記第一枠材は、前記板状ガラスの庫内面側周縁部と当接する庫内側当接面を備えた庫内側挟持部と、前記板状ガラスの庫外面側周縁部と当接する庫外側当接面を備えた庫外側挟持部と、を有して、前記板状ガラスの端面を全周に亘って覆いつつ、当該板状ガラスを挟持しているとともに、
    前記第一枠材は、相対的に庫内側に位置し、横断面において鉤型をなすように突出する撓み変形可能な第一係止片と、前記第一係止片よりも庫外側に位置し、横断面において鉤型の断面をなすように前記第一係止片に対し垂直な方向に突出する撓み変形可能な第二係止片と、を有する一方、
    前記第二枠材は、前記第一係止片と係合可能な第一係止受部と、前記第二係止片と係合可能な第二係止受部とを有しており、
    前記第一枠材と前記第二枠材とは、前記第一係止片および第二係止片を撓み変形させつつ前記第一係止受部および前記第二係止受部に係合させることにより、係合固定されるショーケース用扉。
  2. 前記第一係止受部および前記第二係止受部が、前記第一係止片および前記第二係止片が鉤型の断面をなすように屈曲された先端部を、それぞれ少なくとも3方向から取り囲むように形成されている請求項1に記載のショーケース用扉。
  3. 前記第二枠材が、前記庫外側挟持部の庫外側表面と当接する庫外側補強面を備えた挟持補強部を有する請求項1または請求項2に記載のショーケース用扉。
  4. 前記庫外側挟持部の先端が、横断面において片矢印形状をなすように形成されており、
    前記挟持補強部が、横断面において、前記庫外側挟持部の先端の前記片矢印形状の矢軸部分に沿って矢じり部分の基部まで延出し、前記挟持補強部の庫外側表面と前記矢じり部分の表面とが無段状に連続している請求項3に記載のショーケース用扉。
  5. 前記第二枠材は、前記第一枠材との間に空隙を形成するように対向配置されるとともに、前記第一枠材と前記第二枠材との間に形成された前記空隙内に、前記第一枠材又は前記第二枠材の一方或いは双方から、他方に向けて突出して他方と当接する、少なくとも一つの突支片が設けられている請求項1から請求項4の何れか一項に記載のショーケース用扉。
  6. 前記第二枠材にヒータが取り付けられている請求項1から請求項5の何れか一項に記載のショーケース用扉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019122418A (ja) * 2018-01-11 2019-07-25 福島工業株式会社 ショーケース用ガラス扉

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