JP6695151B2 - ショーケース用扉 - Google Patents
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Description
このような構成によれば、適度な弾性を有するシール材を用いることにより、前記板状ガラスの前記他方の板面が前記凹部の内面に圧着され、板状ガラスを枠体の凹部内に一定の挟持力をもって挟持させることができる。この結果、板状ガラスを枠体に固着するための接着剤が不要となり、板状ガラスへの枠体の取付け作業が格段に容易になる。
このような構成によれば、板状ガラスの庫内側板面に沿ってシール材が配されることで、庫外側板面が枠体の凹部の内面に圧着される。この結果、板状ガラスの庫外側表面に結露した水が枠体の凹部内に浸入する事態を抑制できる。
シール材は、板状ガラスの全周縁部に配される枠体に配することができ、このようにすれば、確実に板状ガラスのガタツキを抑制し、気密性および断熱性を高めることができる。ここで、ショーケース用扉が筐体に取り付けられ使用される状態では、板状ガラスは上下方向にガタツキを生じることが多く、特に上縁および下縁から冷気や暖気が流出入し易い。よって、シール材を分割して、板状ガラスの上縁および下縁のみに配する構成としてもよい。このようにすれば、板状ガラスの全周縁部に亘ってシール材を配した場合と比較して、シール材の使用量を削減して部材の増加によるコスト上昇を抑制しつつ、遜色のない構造安定性向上効果および冷却効率向上効果を得ることができる。
このような構成によれば、第一枠材として弾性変形可能な樹脂部材を用いることにより、その弾性を利用して板状ガラスを安定的に挟持させることができる。また、第一枠材として熱伝導率の低い樹脂部材を用いることにより、板状ガラスおよび枠体を介した熱の放散を抑制できる。この結果、高い構造安定性向上効果および冷却効率向上効果を得ることができる。
このような構成によれば、枠体を樹脂部材だけで構成した場合と比較して、枠体ひいてはショーケース用扉の強度を向上させることができる。さらに、第二枠材が凹部の外側から第一枠材を支持することで、板状ガラスの他方の板面を枠体凹部の内面に強く圧着させることができ、板状ガラスを枠体内に一層安定的に挟持させることができる。この結果、構造安定性および冷却効率のさらなる向上を図ることができる。
以下、好ましい実施形態について、図1から図4を参照しながら説明する。本実施形態では、縦型のスイング開閉式冷蔵ショーケースS1に取り付けるための扉(ショーケース用扉)1を例示する。なお、以下の説明では、図1における上側を上側U、手前側を前側F(奥側を後側もしくは背面側)、左側を左側Lとする。
図1に示すように、ショーケースS1は、前面開口の縦長の断熱箱体から構成される貯蔵庫本体(筐体)2と、貯蔵庫本体2の下方に配設される機械室30とを備える。
図2に示すように、貯蔵庫本体2は、内方が貯蔵室20とされており、貯蔵室20の内部には、食品や飲料品を冷蔵陳列するための複数の棚板22が上下に離間して並ぶように配設される。そして、貯蔵室20の前面に開設された前方に開放する矩形状の開口21に、一対の扉1が観音開き形式にスイング開閉するように装着される。
この間、冷凍装置等と併せて、機械室30内に設置された凝縮器ファンも駆動される。凝縮器ファンにより、機械室30の前面パネル32に設けられた吸気口33から外気が吸い込まれて機械室30内に導かれると、吸い込まれた外気は、凝縮器や圧縮機の間を流れることでこれらを冷却する。熱交換により温められた空気は、図示しない背面パネルに設けられた排気口から排気されて、排熱が行われるようになっている。
図3は、図1のショーケースS1の右側に取り付けられる扉1の斜視図である。ショーケースS1の開口21左右に取付けられる扉1,1は、互いに左右対称である以外は同様の構造であるため、以下では、右側の扉1について説明する。図3に示すように、扉1は、大まかには、板状ガラス90の上下左右の周縁部が、全周に亘って枠体50で挟持された構造であり、板状ガラス90を通してショーケースS1内方の貯蔵室20内を視認可能とされている。
一方、左右方向に延びる2本の横枠52,52における右側の縦枠51寄りの位置には、貯蔵庫本体2の開口21の上下にそれぞれ設けられたヒンジ(図示しない)を嵌合可能なヒンジ穴54が設けられ、右側端部を回転支点として扉1をスイング開閉できるように開口21に軸支可能とされている。
図4に示すように、第一枠材60は、板状ガラス90に向けて下向きに開口する断面視コの字状の凹部61を有し、この凹部61の後側(貯蔵庫本体2側)に断面視略矩形枠状の部分が連設された概形をなす。
図4に示すように、第二枠材70は、断面視略L字状の概形をなす。
具体的には、断面視で、上下に延びる支持前壁71と前後に延びる外壁72とが略直角をなすように連結され、この角部の内方に、支持前壁71の略中央付近から後側(貯蔵庫本体2側)に向けて延設された係止壁74と、係止壁74の略中央部と外壁72との間を連結する連結壁73によって、略矩形状の第二中空部79が画成されている。
また、外壁72の後端部は、第一枠材60の後壁部65に向けて屈曲されて角部72Aを形成し、この先端が、後述する主中空部59の開口部58の一部を画成する。なお、外壁72において、連結壁73との連結部分よりも後側の位置には、円形断面のヒータ等を嵌合支持可能なヒータ保持部72Bが下側に突設されている。
第一枠材60には、端面壁部63において、外側挟持壁部62との結合部分に、上側に後向きの鉤状に突出する第一係止片63Aが、中壁部66寄りの位置に、上側に突出する係止突起63Bが、形成されている。また、中壁部66において、端面壁部63寄りの位置には、上側に前向きの鉤状に突出する第二係止片66Aが形成されている。他方、第二枠材70には、係止壁74において、支持前壁71寄りの位置に第一被係止片74Aが、後端部に第二被係止片74Bが、第一枠材60側(下側)に向けて段差状に形成されている。
図4に示すように、マグネットガスケット80は、横枠52の後面(貯蔵庫本体2側の面)に画成された開口部58を塞ぐように配される基部81と、基部81の前側(横枠52側)に形成された挿入部82と、基部81の後側(貯蔵庫本体2側)に形成された本体部86と、を有する。
本体部86は、基部81および挿入部82よりも肉薄な樹脂層によって中空状に形成されており、この内部には、磁石が収容されるマグネット収容室83と、2つの空気室84、85が画成されている。本体部86は、扉1が閉止された状態において、マグネット収容室83内に保持された磁石によって貯蔵庫本体2の開口21周囲の前壁に密着し、空気室84、85を適宜変形させながら開口21の周縁を封止して、貯蔵室20内の気密性を維持する。横枠52の主中空部59内に挿入係止される挿入部82は、基部81の上寄りの位置の前側(横枠52側)に、内部に2つの空洞89を有する断面視矢印形状に突出形成されており、ヒレ状の片部87A,87Bが上下に延出している。なお、樹脂製の第一枠材60側(下側)に延出する片部87Bは、金属製の第二枠材70側(上側)に延出する片部87Aより長く延びるように形成されている。
シール材10は、板面当接部11と端面当接部12とが断面視L字のアングル材状に連設された長尺な部材であり、板面当接部11を板状ガラス90の庫内側板面90Aに当接させ、端面当接部12を板状ガラス90の端面90Tに当接させた状態で、板状ガラス90の上縁部に貼り付けられる。シール材10が貼付された板状ガラス90は、第一枠材60の凹部61内において、板面当接部11が内側挟持面64Fに、端面当接部12が端面対向面63Fに、それぞれ当接するように配設される。これにより、庫内側板面90Aと内側挟持面64F、並びに、端面90Tと端面対向面63Fとの間にシール材10が配され、これらの間の隙間が封止される。ここで、板状ガラス90の板厚と、自然状態におけるシール材10の板面当接部11の厚みとの和は、外側挟持面62Fと内側挟持面64Fとの間隔よりも若干大きくなるように設定されている。よって、シール材10は、板面当接部11が弾性変形した状態で内側挟持面64Fと庫内側板面90Aの間に配され、その復元力によって板状ガラス90が庫外側に付勢されて、庫外側板面90Bが外側挟持面62Fに形成された外側挟持突起62Aに押し付けられた状態で、凹部61内に挟持される。
本実施形態の扉1によれば、板状ガラス90と、この周縁部を挟持する第一枠材60の凹部61との間に、シール材10が配される。よって、板状ガラス90と第一枠材60との接合部分におけるガタツキを抑制し、構造安定性を向上させることができる。また、シール材10によって、板状ガラス90と第一枠材60との接合部分における断熱性、気密性、および防水性を向上させることができる。この結果、冷気漏れ等が抑制されてショーケースS1の冷却効率が向上し、運転コストを削減できる。
本明細書によって開示される技術は、上記記載および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(3)板状ガラス90として、複層ガラスを用いてもよい。
Claims (5)
- 貯蔵室を有する筐体に形成された開口を開閉するためのショーケース用扉であって、
板状ガラスと、
前記板状ガラスの周縁部に配される枠体と、を備え、
前記枠体は、前記板状ガラスの外面のうち一方の板面から一の端面を挟んで他方の板面に至る領域に対向する内面を備えた凹部を有し、
前記枠体および前記板状ガラスの間には、前記凹部の内面および前記板状ガラスの外面に当接するシール材が配され、
前記シール材は、複数に分割されて、前記枠体のうち、前記板状ガラスの上縁及び下縁に配される横枠の全長と、前記上縁と前記下縁とをつなぐ両側縁に配される縦枠の上端部及び下端部のみに配されているショーケース用扉。 - 前記シール材は、前記板状ガラスの前記一の端面および前記一方の板面に当接するように配されて、前記板状ガラスの前記他方の板面が前記凹部の内面に圧着されている請求項1に記載のショーケース用扉。
- 前記一方の板面は、当該ショーケース用扉が前記筐体に取り付けられ前記開口が閉止された状態にあるときに、庫内側に位置する請求項2に記載のショーケース用扉。
- 前記枠体は、樹脂製の第一枠材を備え、前記凹部は、前記第一枠材に形成されている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のショーケース用扉。
- 前記枠体は、さらに金属製の第二枠材を備え、前記第二枠材は、前記凹部の前記他方の板面に対向する内面を備えた部分に外側から当接して前記第一枠材を支持する支持面を備えている請求項4に記載のショーケース用扉。
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