JP2016040969A - プロテクタ及び電線モジュール - Google Patents

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裕司 山口
英昭 伊藤
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Abstract

【課題】板材を曲げることによって形成されたプロテクタに対して、車両固定部品をより確実に一定位置に取付けられるようにすることを目的とする。
【解決手段】板材が曲げられることによって電線を収容可能な形状に形成され、少なくとも一つの取付用孔32hが形成されたたプロテクタ本体部21と、車両に固定される車両固定部52と、車両固定部52と一体的に形成された板状部56とを含む車両固定部品50とを備える。車両固定部52を取付用孔32hに通すと共に板状部56をプロテクタ本体部21の主面に沿って配設した状態で、板状部56がプロテクタ本体部21に溶着され、又は、プロテクタ本体部21との間に板状部56を挟込んだ挟込み部材60がプロテクタ本体部21に溶着されている。
【選択図】図6

Description

この発明は、電線を保護する技術に関する。
特許文献1は、電線束を収容保護するべく、プレス成形された平板状の基板を折り曲げ形成して略箱形に組立てられたプロテクタを開示している。
特許文献2は、不織部材が電線を覆った状態でホットプレスされることにより形成された電線用保護部材に、固定用部品のバンドを巻付ける技術を開示している。
特許文献3は、被取付体に対する所定の配索形態に布線されたワイヤーハーネスを片面粘着シートで挟んで外装することにより、前記配索形態を保持する構成を開示している。この特許文献3では、片面粘着シートにシート穴が形成されており、このシート穴によってクランプが保持されている。
特許文献4は、シート状部にクランプ部が一体に形成されたクランプ一体型組付用ワイヤーハーネス保護部を開示している。
特開平08−196016号公報 特開2012−110101号公報 特開2012−161234号公報 特開2013−201802号公報
特許文献1に開示のように、板材を折曲げてプロテクタを形成する場合、当該プロテクタに車両固定のための部品を取付ける必要がある。
特許文献2〜4は、プロテクタに対して車両固定部品を取付けるための構成を開示している。
しかしながら、特許文献2のように、固定用部品のバンドを巻付けると、板材を折曲げて形成したプロテクタ自体が容易に変形してしまう。このため、バンドが位置ずれし易いという問題がある。
特許文献3に開示の技術は、片面粘着シートを用いることを前提とする技術であるため、板材を折曲げて形成したプロテクタに対して適用することは困難である。
特許文献4は、シート状部にクランプ部が一体に形成された構成を開示しているが、プロテクタを形成する板材として不織部材等を用いた場合には、そのような板材にクランプ部を一体形成することは難しい。
そこで、本発明は、板材を曲げることによって形成されたプロテクタに対して、車両固定部品をより確実に一定位置に取付けられるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るプロテクタは、板材が曲げられることによって電線を収容可能な形状に形成され、少なくとも一つの取付用孔が形成されたプロテクタ本体部と、車両に固定される車両固定部と、前記車両固定部と一体的に形成された板状部とを含む車両固定部品とを備え、前記車両固定部を前記取付用孔に通すと共に前記板状部を前記プロテクタ本体部の主面に沿って配設した状態で、前記板状部が前記プロテクタ本体部に溶着され、又は、前記プロテクタ本体部との間に前記板状部を挟込んだ挟込み部材が前記プロテクタ本体部に溶着されているものである。
第2の態様は、第1の態様に係るプロテクタであって、前記プロテクタ本体部との間に前記板状部を挟込んだ前記挟込み部材が前記プロテクタ本体部に溶着されており、前記プロテクタ本体部を形成するための板材及び前記挟込み部材は、不織部材製とされている。
第3の態様は、第1の態様に係るプロテクタであって、前記プロテクタ本体部との間に前記板状部を挟込んだ前記挟込み部材が前記プロテクタ本体部に溶着されており、前記プロテクタ本体部を形成するための板材に、前記板状部に応じた凹み及びスリットのうちの少なくとも一方が形成されており、前記板状部が前記凹み及び前記スリットのうちの少なくとも一方に係止した状態で、前記プロテクタ本体部の主面に沿って配設されているものである。
第4の態様に係る電線モジュールは、第1〜第3のいずれか1つの態様に係るプロテクタと、前記プロテクタ内に収容された電線とを備える。
第1〜第4の態様によると、車両固定部を取付用孔に通すと共に板状部をプロテクタ本体部の主面に沿って配設した状態で、板状部がプロテクタ本体部に溶着され、又は、プロテクタ本体部との間に板状部を挟込んだ挟込み部材がプロテクタ本体部に溶着されているため、板材を曲げることによって形成されたプロテクタ本体部に対して、車両固定部品をより確実に一定位置に取付けることができる。
第2の態様によると、プロテクタ本体部を形成するための板材及び前記挟込み部材を容易に溶着することができる。また、プロテクタ本体部を形成するための板材及び前記挟込み部材は、不織部材製であるため、車両固定部品の板状部の形状に応じて凹む。このため、車両固定部品をより確実に一定位置に支持することができる。
第3の態様によると、板状部が凹み及びスリットのうちの少なくとも一方に係止した状態で、プロテクタ本体部の主面に沿って配設されているため、車両固定部品をより確実に一定位置に支持することができる。
実施形態に係る電線モジュールを示す概略斜視図である。 同上の電線モジュールを異なる方向から見た概略部分斜視図である。 板材に対する車両固定部品の取付作業手順を示す説明図である。 板材に対する車両固定部品の取付作業手順を示す説明図である。 板材に対する車両固定部品の取付作業手順を示す説明図である。 板材に対する車両固定部品の取付作業手順を示す説明図である。 変形例に係る車両固定部品の取付構造を示す概略説明図である。 中空構造を有する板材を示す一部破断斜視図である。 他の変形例に係る車両固定部品の取付構造を示す概略断面図である。 同上の変形例において車両固定部品の取付前の状態を示す概略断面図である。 同上の変形例において底部分を示す概略斜視図である。
以下、実施形態に係る電線モジュール及びプロテクタについて説明する。図1は電線モジュール10を示す概略斜視図であり、図2は電線モジュール10を異なる方向から見た概略部分斜視図である。
電線モジュール10は、車両に組込まれる配線材であり、プロテクタ本体部21と、プロテクタ本体部21内に収容された電線12とを備える。
ここでは、電線モジュール10は、複数の電線12を備える。電線12は、芯線の周囲に絶縁被覆が形成されたものである。複数の電線12は、束ねられている。各図では、複数の電線12が束ねられた外形を示している。本プロテクタ本体部21による保護箇所又は本プロテクタ本体部21による保護箇所以外の箇所で、複数の電線12が分岐していてもよい。複数の電線12がプロテクタ本体部21による保護箇所で分岐する場合、プロテクタ本体部21に分岐線部分を延出させるための分岐用開口を形成しておくとよい。電線12に沿って光ファイバーケーブル等が配設されていてもよい。
プロテクタ本体部21は、曲げ可能な板材30を曲げることによって電線12を収容可能な形状に形成されたプロテクタ本体部21と、車両固定部品50とを備える。
曲げ可能な板材30によって形成されたプロテクタ本体部21は、板材30の曲げライン、折曲げの程度を適宜変更することで、種々形状に加工することが可能となる。このため、板材30によって形成されたプロテクタ本体部21を用いることで、電線12或は電線12の束を多様な経路で規制することを、比較的安価に実現することが可能となる。
曲げ可能な板材30としては、電線12を覆った状態で当該電線12を保護可能な程度の剛性(好ましくは電線12の経路規制が可能な程度の剛性)を有し、かつ、曲げ可能な性質(好ましくは折曲げ可能な性質)を有するものを用いるとよい。
かかる板材30としては、不織部材をホットプレスして固めた不織部材製の板材、複数の板状部分の間に中空構造が形成された板材(後述する)、樹脂製の板材、紙製の板材等を用いることもできる。本実施形態では、板材30として、不織部材製の板材を用いた例で説明する。
不織部材は、複数の繊維が織られずに絡み合った繊維材料であって、柔軟性を有している。このような不織部材を加熱状態で圧縮すれば、繊維の少なくとも一部が溶融し、この溶融した繊維が他の繊維同士を結合した状態で固化する。この際の加熱温度、圧縮の程度等を調整することによって、不織部材を、好ましい剛性を有する板材に加工することができる。
具体的は、不織部材としては、絡み合う基本繊維と、接着樹脂(「バインダ」とも呼ばれる)とを含む柔軟性を有するものを用いることができる。接着樹脂は、基本繊維の融点よりも低い融点を有する樹脂である。そして、この不織部材を、基本繊維の融点よりも低くかつ接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱することで、接着樹脂が溶融して基本繊維間に染みこむ。この後、不織部材が接着樹脂の融点よりも低い温度になると、基本繊維同士を結合した状態で接着樹脂が固化する。これより、不織部材が硬化して、加熱前の状態よりも硬くなり、好ましい剛性を有する板材に加工される。
このように、不織部材として、基本繊維と接着樹脂とを含むものを用いれば、上記ホットプレス後においても、基本繊維は繊維状態のまま残存することができる。このため、上記不織部材をホットプレスすることによって形成された板材30は、ある程度の柔軟性を有する。このため、当該板材30によって形成されたプロテクタ本体部21が周囲の部材にあたったとしても接触音等を発生させ難いという利点がある。
プロテクタ本体部21は、板材30が、電線12を収容可能な筒形状をなすように曲げることによって形成されている。
ここでは、プロテクタ本体部21は、複数(ここでは3つ)の直線部20a、20c、20eと、傾斜部20b、20dとを備える。直線部20a、20cの間に傾斜部20bが設けられており、直線部20c、20eの間に傾斜部20dが設けられている。傾斜部20b、20dは、両端側の直線部20a、20eに対して同じ側に向くように傾斜しており、それらの間に直線部20cが設けられている。従って、本プロテクタ本体部21では、延在方向中間部の直線部20cが、延在方向両端側の直線部20a、20eに対して側方にシフトするように配設されている。このプロテクタ本体部21によって、電線12を曲げた状態に維持して経路規制することができる。
このプロテクタ本体部21は、例えば、図3に示すような形状の板材30を折曲げることにより形成される。
板材30は、例えば、不織部材製の板材を所定の平面形状に切断することにより形成されている。板材30は、底部32と、一対の側壁部34、36と、蓋部38とを備える。
底部32は、上記直線部20a、20c、20eの底となる底部分32a、32c、32eと、傾斜部20b、20dの底となる底部分32b、32dとを備え、これらはそれぞれ細長板状に形成されている。
また、底部32は、直線部20a、20c、20eと傾斜部20b、20dとの各間で底となる三角形状の底部分32pを含む。すなわち、直線部20a、20c、20eと傾斜部20b、20dとの各底を、細長板状の底部分32a、32c、32e、32b、32dで塞ぐと、それらの各間に三角形状の隙間が形成されるため、当該各隙間が三角形状の底部分32pで塞がれる。
側壁部34、36は、底部分32a、32b、32c、32d、32eの両側に連設された側壁部分34a、34b、34c、34d、34e又は側壁部分36a、36b、36c、36d、36eを含む。
側壁部分34a、34b、34c、34d、34eの各間のうち、直線部20a、20c、20eと傾斜部20b、20dとの間の曲げ部分で外向き角部となる部分(側壁部分34b、34cの間、及び、側壁部分34c、34dの間)に追加側壁部分34pが設けられている。また、側壁部分34a、34b、34c、34d、34eの各間のうち、直線部20a、20c、20eと傾斜部20b、20dとの間の曲げ部分で内向き角部となる部分(側壁部分34a、34bの間、及び、側壁部分34d、34eの間)には、隙間が設けられている。
側壁部分36a、36b、36c、36d、36eの各間のうち、直線部20a、20c、20eと傾斜部20b、20dとの間の曲げ部分で外向き角部となる部分(側壁部分36a、36bの間、及び、側壁部分36d、36eの間)に追加側壁部分36pが設けられている。また、側壁部分36a、36b、36c、36d、36eの各間のうち、直線部20a、20c、20eと傾斜部20b、20dとの間の曲げ部分で内向き角部となる部分(側壁部分36b、36cの間、及び、側壁部分36c、36dの間)には、隙間が設けられている。
上記三角形状の底部分32pは、追加側壁部分34p、36pの底側部分に連設されている。
また、蓋部38は、プロテクタ本体部21を平面視した状態で、その曲げ形状に応じて曲る細長板状部材に形成されている。この蓋部38は、上記側壁部分34cの先端側縁部に連設されている。
また、上記側壁部分36a、36b、36c、36d、36eには、延出片37a、37b、37c、37d、37eが延設されている。
延出片37a、37b、37c、37d、37eの先端部には、係止片37rが延出形成されている。また、側壁部分34a、34b、34c、34d、34eの先端部には、係止片37rを嵌め込み可能な係止スリット34Sが形成されている。
さらに、上記側壁部分36a、36b、36c、36d、36eと延出片37a、37b、37c、37d、37eとの各間には、係止スリット37Sが形成されている。また、蓋部38の一側部には、各係止スリット37Sに嵌め込み可能な係止片38rが延出形成されている。
この板材30は、次のように折曲げられて、電線12を収容可能なプロテクタ本体部21に組立てられる。
すなわち、底部32に対して側壁部34、36を折曲げると共に、側壁部34に対して蓋部38を折曲げ、さらに、側壁部36に対して延出片37a、37b、37c、37d、37eを折曲げる。
そして、底部32と側壁部34、36との間に電線12を収容しつつ、延出片37a、37b、37c、37d、37eの先端部の係止片37rを、側壁部34の先端部の係止スリット34Sに嵌め込む。この状態では、直線部20a、20c、20eと傾斜部20b、20dの各間部分において、外周囲の一部(側壁部34側又は36側)に隙間が形成された状態となる。
次に、上記隙間を閉じるようにして、直線部20a、20c、20eと傾斜部20b、20dとの各間を、プロテクタ本体部21の目的形状となるように曲げる。
そして、側壁部34に対して蓋部38を曲げて、当該蓋部38を延出片37a、37b、37c、37d、37e上に重ね合せる。そして、蓋部38の各係止片38rを各係止スリット37Sに嵌め込むと、プロテクタ本体部21が電線12を収容可能な筒形状に形作られ、電線モジュール10が製造される。なお、このプロテクタ本体部21では、主として蓋部38によって、目的形状に曲げられた状態に維持されている。なお、このプロテクタ本体部21の外周囲に、粘着テープ等が巻付けられてもよい。
このようにして、屈曲されたプロテクタ本体部21を製造することも可能となり、これにより、内部の電線12を曲げた形状に維持することができる。
なお、蓋部とは反対側の部分に隙間を形成し、一対の側壁部に当該隙間に向けて徐々に拡がる三角形状の隙間を形成し、それらの隙間を閉じるようにプロテクタを曲げれば、プロテクタをその高さ方向に曲げることができる。この構造を上下逆にすれば、プロテクタを部分的に上方に曲げることもできる。このように、プロテクタの周囲の一部に隙間が形成されていれば、当該隙間を閉じるようにしてプロテクタを各種方向に曲げることができる。
なお、プロテクタは直線形状に形成されていてもよい。また、蓋部38は省略されてもよい。
上記プロテクタ本体部21に対して次の構成によって車両固定部品50が取付けられている。図3〜図6を参照して、プロテクタ本体部21に対する車両固定部品50の取付手順及び取付構造について説明する。
すなわち、上記プロテクタ本体部21のうち底部分32a、32c、32eのそれぞれに取付用孔32hが形成されている。取付用孔32hは、車両固定部品50が取付られる位置及び数に応じて、プロテクタ本体部21に形成される。プロテクタには、少なくとも1つの取付用孔が形成されていればよい。また、プロテクタの側壁部、天井部等に取付用孔が形成されていてもよい。
また、車両固定部品50は、車両固定部52と、板状部56とを備え、樹脂によって金型一体成形された部品である。
板状部56は、細長板状に形成されている。板状部56の幅寸法は、底部分32a、32c、32eの幅寸法と同じかこれよりも小さく設定されている。また、板状部56の長さ寸法は、底部分32a、32c、32eの長さ寸法と同じかこれよりも小さく設定されている。
また、板状部56の両端部であって車両固定部52が形成された側の面に、位置決め突部57が形成されている。位置決め突部57は、板状部56の幅方向全体に亘って延在する細長い突状部分である。この位置決め突部57によって、底部分32a、32c、32eへの位置決めがなされる。
車両固定部52は、板状部56の一方の主面の延在方向中間部より突出するように一体形成されている。この車両固定部52は、車体に固定可能に形成されている。
ここでは、車両固定部52は、皿状部53と係止ロック部54とを備えている。従って、板状部56は、車両固定部52の両側方に延出している。皿状部53は、係止ロック部54側に向けて順次広がる皿状に形成されており、皿バネとして用いられる部分である。また、係止ロック部54は、皿状部53の内側の中央部に突出形成された部分であり、柱部55aと一対の弾性片55bとを備える。柱部55aは、皿状部53の中央部から外方に突出する形状に形成されている。また、一対の弾性片55bは、柱部55aの先端部から基端部に向けて外方に広がるように延在する形状に形成されている。一対の弾性片55bは、柱部55aに対して近づく方向及び遠ざかる方向に弾性変形可能に構成されている。
この車両固定部52は、車体に形成された固定孔に挿入されることで当該車体に固定される部分である。すなわち、本車両固定部52を固定孔に挿入すると、一対の弾性片55bが固定孔の周縁部に接触し、内向きに弾性変形する。そして、車両固定部52がさらに押込まれ、一対の弾性片55bが固定孔の周縁部を乗越えると、一対の弾性片55bは弾性力によって元形状に戻るように変形しようとする。すると、一対の弾性片55bの先端部が固定孔の周縁部に対して車両固定部52の挿入方向反対側から係止し、固定孔の周縁部が、皿状部53と一対の弾性片55bの先端部との間で挟込まれる。これにより、車両固定部52が車体に対して固定される。
このような板状部56及び車両固定部52を備えた車両固定部品50は、袖形クランプとも呼ばれる。なお、車両固定部に対して両側に取付板が延出しているものを両袖クランプといい、車両固定部に対して一方側にのみ取付板が延出しているものを片袖クランプということがある。
もっとも、車両固定部は、車体に対して固定可能な構成であればよく、上記構成である必要はない。例えば、車体の板状部分を一対の歯形状部分で挟込んで固定する構成、車体より突設されたスタッドボルトが挿通された状態でナット締めされることで固定される構成、車体より突設された細長板状のブラケット板が挿入されて係止固定される構成等であってもよい。
プロテクタ本体部21の底部分32a、32c、32eに形成された取付用孔32hは、車両固定部52を挿入可能な形状に形成されている。ここでは、取付用孔32hは、円形又は楕円形状に形成されている。一対の弾性片55bは内側にたわみ変形できるため、取付用孔32hの最大幅が、一対の弾性片55bの最大幅よりも大きいことは必須ではない。ここでは、取付用孔32hは、底部分32a、32c、32eの幅方向中央部及び延在方向中央部に形成されている。
そして、図3に示すように、底部分32a、32c、32eの内面側から車両固定部品50を取付用孔32hに通し、板状部56を底部分32a、32c、32eの内面側の主面に沿って配設した状態とする。この状態では、車両固定部52は底部分32a、32c、32eの外面側に突出した状態となる。
この後、図4に示すように、挟込み部材60を、板状部56上に重ねる。この挟込み部材60は、シート状の不織部材によって形成されている。挟込み部材60の長さ寸法及び幅寸法の少なくとも一方は、板状部56の長さ寸法及び幅寸法よりも大きい。ここでは、挟込み部材60の長さ寸法及び幅寸法の両方が、板状部56の長さ寸法及び幅寸法よりも大きい。挟込み部材60は、板材30と同様に不織部材製であるが、事前に加熱、圧縮により高剛性となるように加工されている必要はない。
この挟込み部材60とプロテクタ本体部21の底部分32a、32c、32eとの間に板状部56を挟込んだ状態で、挟込み部材60を底部分32a、32c、32eの内面側の主面に溶着する。溶着は、例えば、底部分32a、32c、32eの外面側に下型64を配設すると共に、底部分32a、32c、32eの内面側に上型66を配設し、少なくとも上型66を加熱した状態で、下型64と上型66との間で、底部分32a、32c、32eと挟込み部材60との重ね合せ部分を加熱及び加圧することによって行うことができる。プロテクタ本体部21を構成する板材30及び挟込み部材60として、バインダが混入された不織部材を用いることで、両者をより確実に溶着することができる。
なお、底部分32a、32c、32eと挟込み部材60は不織部材によって構成されているため、ある程度柔軟であり、また、両者を加熱によって接合する際にある程度柔らかくなる。このため、底部分32a、32c、32eと挟込み部材60との間で板状部56を挟込んだ状態で、底部分32a、32c、32eと挟込み部材60は、板状部56の外形状及び位置決め突部57の外形状に応じた形状に凹む。このため、板状部56がより確実に一定位置で底部分32a、32c、32eと挟込み部材60との間で挟込んで保持される。
これにより、車両固定部52を底部分32a、32c、32eの外面側に突出させた状態で、板状部56が底部分32a、32c、32eと挟込み部材との間に挟込まれ、車両固定部品50がプロテクタ本体部21に対して固定される。
このように構成されたプロテクタ20及び電線モジュール10によると、車両固定部52を取付用孔32hに通すと共に板状部56をプロテクタ本体部21の底部分32a、32c、32eの主面に沿って配設した状態で、底部分32a、32c、32eとの間に板状部56を挟込んだ挟込み部材60がプロテクタ本体部21の底部分32a、32c、32eに溶着されることによって、車両固定部品50がプロテクタ本体部21に取付固定されている。このため、板材30を曲げることによって形成されたプロテクタ本体部21に対して車両固定部品50をより容易にかつ確実に一定位置に取付けることができる。特に、板状部分56が底部分32a、32c、32eの内面側に配設されているため、車両固定部品50がプロテクタ本体部21から脱落し難い。
また、上記のような車両固定部品50としては、従来より一般的に用いられている袖形クランプを用いることができるため、新規な専用部品を設計及び製造しなくてもよいというメリットもある。
また、板材30及び挟込み部材60は、不織部材製であるため、それらが板状部56の外形状に応じて凹む。このため、車両固定部品50をより確実に一定位置に支持することができる。
また、板材30に対する取付用孔32hの位置を適宜位置に設定し、そこに車両固定部品50を配設した状態で、挟込み部材60を板材30に溶着すればよいため、その位置の変更にも比較的自由に対応できる。
さらに、プロテクタ本体部21を形成する板材30に対して予め車両固定部品50を取付けたものを準備しておいたものを、電線外装用の部品として準備しておけば、複数の電線を分岐等させつつ束ねたワイヤーハーネスを製造する際には、電線に対してプロテクタ本体部21を組付ければ、車両への取付構造の組付けも同時に行わせることになる。このため、ワイヤーハーネスの製造作業が簡易化される。
{変形例}
上記実施形態では、底部分32a、32c、32eと挟込み部材60との間に板状部56を挟込み固定した構成としたが、図7に示すように、挟込み部材を省略し、板状部56を直接底部分32a、32c、32eに溶着するようにしてもよい。この溶着は、例えば、車両固定部52を取付用孔32hに通して板状部56を底部分32a、32c、32eの内面側の主面に接触させた状態で、加熱用ヘッド70を板状部56に押付けること等によって実現することができる。
また、上記実施形態では、板材30として、不織部材製のものを用いた例で説明したが、図8に示すように、板材130として中空構造を有する板材を用いてもよい。
すなわち、板材130は、複数の板状部分の間に中空構造が形成された中空板材である。かかる中空構造を有する板材130であれば、軽量かつ強度的にも優れたプロテクタを得ることができるからである。
図8に示す例では、板材130は、複数(ここでは2つ)の板状部130aと、複数の板状部30aに挟込まれた介在部130bとを備える。
複数の板状部130a及び介在部130bを形成する材質は特に限定されない。複数の板状部130a及び介在部130bは、紙によって形成されていてもよいし、樹脂によって形成されていてもよいし、また、これらの組合わせによって構成されていてもよい。複数の板状部130a及び介在部130bの少なくとも1つを紙によって形成する場合には、その表面に撥水処理等を施すことが好ましい。
板状部130aは、平板状に形成されている。複数の板状部130aが介在部130bを介して間隔をあけた状態で連結されている。
ここでは、複数の板状部130aの間に、複数の介在部130bが相互間に間隔をあけた並列状態で設けられている。
各介在部130bは、細長い板状に形成されており、両側の板状部130aに対して直交する姿勢で、当該板状部130aに対して繋がっている。
このため、板材130を、介在部130bの延在方向に対して直交する面で切断すると、一対の板状部130aの間に複数の介在部130bが並列状に存在するはしご状断面を示す。
このような板材130は、例えば、前記はしご状断面に応じた押出孔から樹脂を押出す押出成型装置によって、連続的に製造することができ、これにより、板材を容易に低コストで製造することができる。或は、並列状態に配設される複数の介在部130bの両側部に、2つ板状部130aを熱溶着、接着剤等で接合することによっても、板材130を製造することができる。
中空構造を有する板材の例は上記例に限られない。例えば、板材は、複数の板状部の間に、山部と谷部とが波状に連続する介在部が挟込まれた構成であってもよい。或は、板材は、複数の板状部の間に存在する介在部は、三角柱等の多角柱状の中空形状を形成するものであってもよく、特に、ハニカム構造を形成するものであってもよい。
これらの中空構造を有する板材のうち樹脂によって形成されたものは、プラスチック段ボールと呼ばれることもある。
図9は、上記中空板材130を用いたプロテクタ本体部121と、車両固定部品50との固定構造を示す概略断面図であり、図10は同固定構造の組付け前の状態を示す概略断面図であり、図11はプロテクタ本体部121の底部分132aを示す概略斜視図である。
この例では、底部分132aと挟込み部材160との間に、車両固定部品50の板状部56が挟込まれて固定されている。底部分132aと挟込み部材160は、溶着によって固定されている。
この例では、底部分132a及び挟込み部材160の双方が中空板材130によって構成されている。この例では、底部分132a及び挟込み部材160に、板状部56の外形状に応じた凹み133g、160g及びスリット133Sが形成されている。より具体的には、底部分132aには、板状部56の平面視の形状及び大きさに応じた方形状の凹み133gが形成され、挟込み部材160には板状部56の平面視の形状及び大きさに応じた方形状の凹み160gが形成されている。このような凹み133g、160gは、例えば、凹み133g、160gを形成するための金型を、中空板材130を軟化可能な温度に加熱し、この金型を底部分132a及び挟込み部材160に押し当てることによって形成することができる。また、底部分132aには、板状部56の位置決め突部57に応じたスリット133Sが形成されている。スリット133Sは、中空板材130をプロテクタ本体部121に応じた外形状に打抜く際に同時に形成することができる。なお、凹み133g、160g及びスリット133Sの少なくとも1つが形成されていれば、板状部56を位置決めすることができるため、これらの全てが形成されていることは必須ではない。
そして、板状部56が凹み133g、160g及びスリット133Sに係止した状態で、底部分132aと挟込み部材160との間に挟み込まれて固定されている。ここでは、板状部56が凹み133g、160gに嵌り込むと共に、位置決め突部57が上記スリット133Sに嵌り込んでいる。
この例によると、中空板材130を用いてプロテクタ本体部121を構成することができる。そして、この場合においても、板状部56をより確実に位置決め保持することが可能となる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 電線モジュール
12 電線
20 プロテクタ
21,121 プロテクタ本体部
30,130 板材
32 底部
32a,32b,32c 底部分
32h 取付用孔
50 車両固定部品
52 車両固定部
56 板状部
60,160 挟込み部材
133g,160g 凹み
133S スリット

Claims (4)

  1. 板材が曲げられることによって電線を収容可能な形状に形成され、少なくとも一つの取付用孔が形成されたプロテクタ本体部と、
    車両に固定される車両固定部と、前記車両固定部と一体的に形成された板状部とを含む車両固定部品と、
    を備え、
    前記車両固定部を前記取付用孔に通すと共に前記板状部を前記プロテクタ本体部の主面に沿って配設した状態で、前記板状部が前記プロテクタ本体部に溶着され、又は、前記プロテクタ本体部との間に前記板状部を挟込んだ挟込み部材が前記プロテクタ本体部に溶着されている、プロテクタ。
  2. 請求項1に記載のプロテクタであって、
    前記プロテクタ本体部との間に前記板状部を挟込んだ前記挟込み部材が前記プロテクタ本体部に溶着されており、
    前記プロテクタ本体部を形成するための板材及び前記挟込み部材は、不織部材製である、プロテクタ。
  3. 請求項1に記載のプロテクタであって、
    前記プロテクタ本体部との間に前記板状部を挟込んだ前記挟込み部材が前記プロテクタ本体部に溶着されており、
    前記プロテクタ本体部を形成するための板材に、前記板状部に応じた凹み及びスリットのうちの少なくとも一方が形成されており、前記板状部が前記凹み及び前記スリットのうちの少なくとも一方に係止した状態で、前記プロテクタ本体部の主面に沿って配設されている、プロテクタ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプロテクタと、
    前記プロテクタ内に収容された電線と、
    を備える電線モジュール。
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