JP2016035913A - 全固体二次電池、ならびに、無機固体電解質粒子、固体電解質組成物、電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】煩雑な製造工程や、特別な材料によらずに、改良されたイオン伝導性を示すことができる全固体二次電池、ならびに、無機固体電解質粒子、固体電解質組成物、電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】正極活物質層と、負極活物質層と、これらの正負極活物質層間の無機固体電解質層とを有する全固体二次電池であって、
上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくともいずれかの層に下記諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子が含まれる全固体二次電池。
<諸元A>
・無機固体電解質粒子の投影粒子の周囲長をLとする
・無機固体電解質粒子の投影粒子の断面積をAとする
・以下の式(1)で表される凹凸係数FUが0.85以上1以下の範囲にある
FU=4πA/L2・・・(1)
【選択図】図1
【解決手段】正極活物質層と、負極活物質層と、これらの正負極活物質層間の無機固体電解質層とを有する全固体二次電池であって、
上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくともいずれかの層に下記諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子が含まれる全固体二次電池。
<諸元A>
・無機固体電解質粒子の投影粒子の周囲長をLとする
・無機固体電解質粒子の投影粒子の断面積をAとする
・以下の式(1)で表される凹凸係数FUが0.85以上1以下の範囲にある
FU=4πA/L2・・・(1)
【選択図】図1
Description
本発明は、全固体二次電池、ならびに、無機固体電解質粒子、固体電解質組成物、電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法に関する。
現在、汎用されているリチウムイオン電池には、電解液が用いられているものが多い。この電解液を固体電解質に置き換え、構成材料を全て固体にする試みが進められている。なかでも、無機の固体電解質を利用する技術の利点として挙げられるのが使用時の信頼性および安定性である。リチウムイオン二次電池に用いられる電解液には、その媒体として、カーボネート系溶媒など、可燃性の材料が適用されている。そのため、様々な対策が採られているものの、過充電時などに備えたさらなる対応が望まれる。その解決手段として、電解質を不燃性の無機化合物とした全固体二次電池は位置づけられる。高分子電解質に比し、無機固体電解質は総じて高いイオン伝導性を示すのも利点である。
全固体二次電池のさらなる利点としては、電極のスタックによる高エネルギー密度化に適していることが挙げられる。具体的には、電極と電解質を直接並べて直列化した構造を持つ電池にすることができる。このとき、電池セルを封止する金属パッケージ、電池セルをつなぐ銅線やバスバーを省略することができるので、電池のエネルギー密度が大幅に高められる。また、高電位化が可能な正極材料との相性の良さなども利点として挙げられる。
全固体二次電池のさらなる利点としては、電極のスタックによる高エネルギー密度化に適していることが挙げられる。具体的には、電極と電解質を直接並べて直列化した構造を持つ電池にすることができる。このとき、電池セルを封止する金属パッケージ、電池セルをつなぐ銅線やバスバーを省略することができるので、電池のエネルギー密度が大幅に高められる。また、高電位化が可能な正極材料との相性の良さなども利点として挙げられる。
上記のような各利点から、次世代のリチウムイオン二次電池として、全固体二次電池の開発は精力的に進められている(非特許文献1)。全固体二次電池の中で、特に無機固体電解質層は、液体式の電池や高分子型の電池にはない部材であり、その開発に期待が高まっている。この固体電解質層は、通常、そこに適用される電解質材料がバインダーなどとともに加熱・加圧されることにより成形される。これにより、固体電解質層間の接合状態を、点接触から面接触へ代え、粒界抵抗を減少させ、インピーダンスを下げることができる。
電池性能の良化を目的として、固体電解質層等に含有させる無機固体電解質粒子の粒径を適宜調節した例がある。例えば、特許文献1では、Li2SとP2S5とからなる硫化物ガラスの平均粒径と累積90%の粒径を設定することで、塗布ムラや内部抵抗の低減を試みている。特許文献2では、Li2SとP2S5とからなる粗粒材料に、ジブチルエーテルを加えてミリングすることにより、高回収率とイオン伝導度の維持の両立を図っている。
NEDO技術開発機構,燃料電池・水素技術開発部,蓄電技術開発室「NEDO二次電池技術開発ロードマップ2013」(2013年8月)
無機固体電解質粒子の粒子径やミリング条件を調節することにより、全固体二次電池における性能を変化させることができる。しかし、上記の各文献に記載の技術で十分とは言えず、さらなる改良が望まれた。特に、上記の文献をはじめ、これまで全固体二次電池に適用される固体電解質に関する技術開発は、Li2S/P2S5系の材料について行われてきており、その他の酸化物系の無機固体電解質などについては、知見の蓄積は限られていた。
そこで本発明は、煩雑な製造工程や、特別な材料によらずに、改良されたイオン伝導性を示すことができる全固体二次電池、ならびに、無機固体電解質粒子、固体電解質組成物、電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記の課題を掲げ、製造技術を中心として、さまざま角度から無機固体電解質粒子に関する性能改良の検討を行った。特に、硫化物系の電解質材料のみならず、今後その開発の高まりが予想される酸化物系の電解質材料にも目を向け、材料分析や実験を通じ、物性の変化および電池性能への影響の確認を行った。その結果、既存のボールミル粉砕機を使用しながら、そのミリングの条件を好適化することで、比較的簡便に、表面の凹凸が抑制された粒子が得られることが分かった。この表面の凹凸が特定の範囲に抑制された無機固体電解質粒子を、全固体二次電池の構成材料として適用することで、全固体二次電池のイオン伝導が有意なレベルで改善されることを見い出した。本発明は、上記の知見に基づいて完成された。
〔1〕正極活物質層と、負極活物質層と、これらの正負極活物質層間の無機固体電解質層とを有する全固体二次電池であって、
上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくともいずれかの層に下記諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子が含まれる全固体二次電池。
<諸元A>
・無機固体電解質粒子の投影粒子の周囲長をLとする
・無機固体電解質粒子の投影粒子の断面積をAとする
・以下の式(1)で表される凹凸係数FUが0.85以上1以下の範囲にある
FU=4πA/L2・・・(1)
〔2〕上記無機固体電解質粒子の平均粒子径が1μm以上10μm以下である〔1〕に記載の全固体二次電池。
〔3〕上記無機固体電解質粒子のD90が2μm以上20μm以下である〔1〕または〔2〕に記載の全固体二次電池。
〔4〕上記無機固体電解質粒子のフェレ径で評価される扁平率が1.2以上1.76以下である〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔5〕上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の厚さがそれぞれ1μm以上1000μm以下である〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔6〕上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくとも1層がバインダーを含有する〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔7〕上記無機固体電解質粒子が酸化物系の無機固体電解質粒子である〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔8〕上記酸化物系の無機固体電解質粒子が下記式の化合物から選ばれる〔7〕に記載の全固体二次電池。
・LixcLayaTiO3
xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7
・Li7La3Zr2O12
・Li3.5Zn0.25GeO4
・LiTi2P3O12、
・Li1+xb+yb(Al,Ga)xb(Ti,Ge)2−xbSiybP3−ybO12
0≦xb≦1、0≦yb≦1
・Li3PO4
・LiPON
・LiPOD
Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、及びAu
から選ばれた少なくとも1種
・LiAON
Aは、Si、B、Ge、Al、C及びGaから選ばれた
少なくとも1種
〔9〕上記無機固体電解質粒子が硫化物系の無機固体電解質粒子である〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくともいずれかの層に下記諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子が含まれる全固体二次電池。
<諸元A>
・無機固体電解質粒子の投影粒子の周囲長をLとする
・無機固体電解質粒子の投影粒子の断面積をAとする
・以下の式(1)で表される凹凸係数FUが0.85以上1以下の範囲にある
FU=4πA/L2・・・(1)
〔2〕上記無機固体電解質粒子の平均粒子径が1μm以上10μm以下である〔1〕に記載の全固体二次電池。
〔3〕上記無機固体電解質粒子のD90が2μm以上20μm以下である〔1〕または〔2〕に記載の全固体二次電池。
〔4〕上記無機固体電解質粒子のフェレ径で評価される扁平率が1.2以上1.76以下である〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔5〕上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の厚さがそれぞれ1μm以上1000μm以下である〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔6〕上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくとも1層がバインダーを含有する〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔7〕上記無機固体電解質粒子が酸化物系の無機固体電解質粒子である〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔8〕上記酸化物系の無機固体電解質粒子が下記式の化合物から選ばれる〔7〕に記載の全固体二次電池。
・LixcLayaTiO3
xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7
・Li7La3Zr2O12
・Li3.5Zn0.25GeO4
・LiTi2P3O12、
・Li1+xb+yb(Al,Ga)xb(Ti,Ge)2−xbSiybP3−ybO12
0≦xb≦1、0≦yb≦1
・Li3PO4
・LiPON
・LiPOD
Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、及びAu
から選ばれた少なくとも1種
・LiAON
Aは、Si、B、Ge、Al、C及びGaから選ばれた
少なくとも1種
〔9〕上記無機固体電解質粒子が硫化物系の無機固体電解質粒子である〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
〔10〕上記無機固体電解質粒子を、粉砕機の混合槽内において、粉砕粒子を含有する粉砕媒体中で撹拌粉砕して調製するに当たり、
上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の100倍以上1500倍以下のものとし、混合槽における粉砕粒子の充填率を、下記式(2)の定義に従って60%超74%以下になるようした〔1〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
充填率α=ΣZ/V0×100 ・・・ (2)
V0:混合槽内の内容積
ΣZ:混合槽内に充填される粉砕粒子の体積の総和
〔11〕上記粉砕粒子が、メノー、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、クローム鋼、タングステンカーバイト、および窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1種の材料を含有する〔10〕に記載の全固体二次電池。
〔12〕無機固体電解質粒子の原材料を準備する工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料と、粉砕粒子と、粉砕媒体とを、粉砕機の混合槽内に容れる工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料、粉砕粒子、および粉砕媒体を、混合槽内で撹拌する工程とを有する無機固体電解質粒子の製造方法であって、
上記混合槽における粉砕粒子の充填率を、下記式(2)の定義に従って60%超74%以下にする無機固体電解質粒子の製造方法。
充填率α=ΣZ/V0×100 ・・・ (2)
V0:混合槽内の内容積
ΣZ:混合槽内に充填される粉砕粒子の体積の総和
〔13〕上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の100倍以上1500倍以下のものとする〔12〕に記載の無機固体電解質粒子の製造方法。
上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の100倍以上1500倍以下のものとし、混合槽における粉砕粒子の充填率を、下記式(2)の定義に従って60%超74%以下になるようした〔1〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
充填率α=ΣZ/V0×100 ・・・ (2)
V0:混合槽内の内容積
ΣZ:混合槽内に充填される粉砕粒子の体積の総和
〔11〕上記粉砕粒子が、メノー、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、クローム鋼、タングステンカーバイト、および窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1種の材料を含有する〔10〕に記載の全固体二次電池。
〔12〕無機固体電解質粒子の原材料を準備する工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料と、粉砕粒子と、粉砕媒体とを、粉砕機の混合槽内に容れる工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料、粉砕粒子、および粉砕媒体を、混合槽内で撹拌する工程とを有する無機固体電解質粒子の製造方法であって、
上記混合槽における粉砕粒子の充填率を、下記式(2)の定義に従って60%超74%以下にする無機固体電解質粒子の製造方法。
充填率α=ΣZ/V0×100 ・・・ (2)
V0:混合槽内の内容積
ΣZ:混合槽内に充填される粉砕粒子の体積の総和
〔13〕上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の100倍以上1500倍以下のものとする〔12〕に記載の無機固体電解質粒子の製造方法。
〔14〕上記硫化物系の無機固体電解質粒子を、粉砕機の混合槽内において、粉砕粒子を含有する粉砕媒体中で撹拌粉砕して調製するに当たり、
上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の1000倍以上10000倍以下のものとし、かつ上記粉砕粒子の密度を、0.9g/cm3以上2.4g/cm3以下のものとする〔9〕に記載の全固体二次電池。
〔15〕上記粉砕粒子が、熱硬化性プラスチック粒子、熱可塑性プラスチック粒子およびゴム粒子から選ばれる少なくとも1種の材料を含有する〔14〕に記載の全固体二次電池。
〔16〕無機固体電解質粒子の原材料として硫化物系無機固体電解質を準備する工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料と、粉砕粒子と、粉砕媒体とを、粉砕機の混合槽内に容れる工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料、粉砕粒子、および粉砕媒体を、混合槽内で撹拌する工程とを有する無機固体電解質粒子の製造方法であって、
上記粉砕粒子の密度を、0.9g/cm3以上2.4g/cm3以下のものとする無機固体電解質粒子の製造方法。
〔17〕上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の1000倍以上10000倍以下のものとする〔16〕に記載の無機固体電解質粒子の製造方法。
上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の1000倍以上10000倍以下のものとし、かつ上記粉砕粒子の密度を、0.9g/cm3以上2.4g/cm3以下のものとする〔9〕に記載の全固体二次電池。
〔15〕上記粉砕粒子が、熱硬化性プラスチック粒子、熱可塑性プラスチック粒子およびゴム粒子から選ばれる少なくとも1種の材料を含有する〔14〕に記載の全固体二次電池。
〔16〕無機固体電解質粒子の原材料として硫化物系無機固体電解質を準備する工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料と、粉砕粒子と、粉砕媒体とを、粉砕機の混合槽内に容れる工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料、粉砕粒子、および粉砕媒体を、混合槽内で撹拌する工程とを有する無機固体電解質粒子の製造方法であって、
上記粉砕粒子の密度を、0.9g/cm3以上2.4g/cm3以下のものとする無機固体電解質粒子の製造方法。
〔17〕上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の1000倍以上10000倍以下のものとする〔16〕に記載の無機固体電解質粒子の製造方法。
〔18〕 〔12〕、〔13〕、〔16〕および〔17〕のいずれか1つに記載の無機固体電解質粒子の製造方法を介して、全固体二次電池に用いる無機固体電解質粒子の組成物を調製する固体電解質組成物の製造方法。
〔19〕 〔18〕に記載の製造方法により得られる固体電解質組成物を、金属箔上に付与する工程を含む電池用電極シートの製造方法。
〔20〕 〔19〕に記載の電池用電極シートの製造方法を介して、全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
〔19〕 〔18〕に記載の製造方法により得られる固体電解質組成物を、金属箔上に付与する工程を含む電池用電極シートの製造方法。
〔20〕 〔19〕に記載の電池用電極シートの製造方法を介して、全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の全固体二次電池は、煩雑な製造工程や、特別な材料によらずに製造することができ、改良されたイオン伝導性を示す。また、本発明の固体電解質組成物、電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法によれば、上記の優れた性能を有する全固体二次電池を好適に製造することができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。本発明の全固体二次電池は、その構成材料として、特定の凹凸係数を有する無機固体電解質粒子を具備する。以下、その好ましい実施形態について説明するが、まずその好ましい応用形態である全固体二次電池の例について説明する。
<全固体二次電池>
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池(リチウムイオン二次電池)を模式化して示す縦断面図である。本実施形態の全固体二次電池10は、負極側からみて、負極集電体1、負極活物質層2、無機固体電解質層3、正極活物質層4、正極集電体5を、その順で有する。各層はそれぞれ接触しており、積層した構造をとっている。このような構造を採用することで、充電時には、負極側に電子(e−)が供給され、そこにリチウムイオン(Li+)が蓄積される。一方、放電時には、負極に蓄積されたリチウムイオン(Li+)が正極側に戻され、作動部位6に電子が供給される。図示した例では、作動部位6に電球を採用しており、放電によりこれが点灯するようにされている。本発明において固体電解質組成物は、上記負極活物質層、正極活物質層、無機固体電解質層の構成材料として用いることが好ましく、中でも、無機固体電解質層および正極活物質層、負極活物質層のすべての構成材料として、用いることが好ましい。なお、正極活物質層と負極活物質層とを総称して、活物質層ということがある。また、本発明に用いられる電極活物質は、正極活物質層に含有される正極活物質と、負極活物質層に含有される負極活物質があり、いずれかまたは両方を合わせて示すのに単に活物質または電極活物質と称することがある。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池(リチウムイオン二次電池)を模式化して示す縦断面図である。本実施形態の全固体二次電池10は、負極側からみて、負極集電体1、負極活物質層2、無機固体電解質層3、正極活物質層4、正極集電体5を、その順で有する。各層はそれぞれ接触しており、積層した構造をとっている。このような構造を採用することで、充電時には、負極側に電子(e−)が供給され、そこにリチウムイオン(Li+)が蓄積される。一方、放電時には、負極に蓄積されたリチウムイオン(Li+)が正極側に戻され、作動部位6に電子が供給される。図示した例では、作動部位6に電球を採用しており、放電によりこれが点灯するようにされている。本発明において固体電解質組成物は、上記負極活物質層、正極活物質層、無機固体電解質層の構成材料として用いることが好ましく、中でも、無機固体電解質層および正極活物質層、負極活物質層のすべての構成材料として、用いることが好ましい。なお、正極活物質層と負極活物質層とを総称して、活物質層ということがある。また、本発明に用いられる電極活物質は、正極活物質層に含有される正極活物質と、負極活物質層に含有される負極活物質があり、いずれかまたは両方を合わせて示すのに単に活物質または電極活物質と称することがある。
正極活物質層4、負極活物質層2の厚さは、目的とする電池容量に応じて定めることができる。一般的な素子の寸法を考慮すると、1μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることがさらに好ましく、5μm以上であることが特に好ましい。上限としては、1000μm以下であることが好ましく、600μm以下であることがより好ましく、400μm以下であることがさらに好ましく、200μm以下であることが特に好ましい。
一方、無機固体電解質層3は正負極の短絡を防止しつつ、できる限り薄いことが望ましい。さらに、本発明の効果が顕著に発現することが好ましく、具体的には、1μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることがさらに好ましく、5μm以上であることが特に好ましい。上限としては、1000μm以下であることが好ましく、600μm以下であることがより好ましく、400μm以下であることがさらに好ましく、200μm以下であることが特に好ましい。
図1では、上記のとおり、集電体、活物質層、および固体電解質層からなる積層体を「全固体二次電池」と称しているが、製品化する際には、この積層体を二次電池用電極シートとして、筐体(ケース)に収納して全固体二次電池(例えばコイン電池、ラミネート電池など)としてもよい。
なお、上記負極集電体1、負極活物質層2、無機固体電解質層3、正極活物質層4、正極集電体5の各層の間あるいはその外側には、多能機能性の層を適宜介在ないし配設してもよい。また、各層は単層で構成されていても、複層で構成されていてもよい。
一方、無機固体電解質層3は正負極の短絡を防止しつつ、できる限り薄いことが望ましい。さらに、本発明の効果が顕著に発現することが好ましく、具体的には、1μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることがさらに好ましく、5μm以上であることが特に好ましい。上限としては、1000μm以下であることが好ましく、600μm以下であることがより好ましく、400μm以下であることがさらに好ましく、200μm以下であることが特に好ましい。
図1では、上記のとおり、集電体、活物質層、および固体電解質層からなる積層体を「全固体二次電池」と称しているが、製品化する際には、この積層体を二次電池用電極シートとして、筐体(ケース)に収納して全固体二次電池(例えばコイン電池、ラミネート電池など)としてもよい。
なお、上記負極集電体1、負極活物質層2、無機固体電解質層3、正極活物質層4、正極集電体5の各層の間あるいはその外側には、多能機能性の層を適宜介在ないし配設してもよい。また、各層は単層で構成されていても、複層で構成されていてもよい。
本発明の全固体二次電池は、その正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくともいずれかの層に下記諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子が含まれる。
<諸元A>
・無機固体電解質粒子の投影粒子の周囲長をLとする
・無機固体電解質粒子の投影粒子の断面積をAとする
・以下の式(1)で表される凹凸係数FUが0.85以上1以下の範囲にある
FU=4πA/L2・・・(1)
<諸元A>
・無機固体電解質粒子の投影粒子の周囲長をLとする
・無機固体電解質粒子の投影粒子の断面積をAとする
・以下の式(1)で表される凹凸係数FUが0.85以上1以下の範囲にある
FU=4πA/L2・・・(1)
凹凸係数FUは上記の式から分かるとおり、粒子の表面の凹凸の程度を示している。その値が1に近いほど凹凸が少なく(小さく)、これより小さいと凹凸が多い(大きい)ことを示す。また、この凹凸係数FUには、粒子の全体的な形状の指標としての性質も加味されており、粒子が真球に近く、投影粒子が円に近くなるほど、その値は1に近づく。逆に、楕円形状になるほど、その値は小さくなる。
このことを模式的に示したのが図2である。図2の左側の円は真円である。そこには凹凸はなく、連続した円を描いている。このような場合、FUは「1」となる。これに対して真ん中の楕円になると、表面に凹凸はないが、FUは「1」を下回ることとなる。右側の図形は、真円を基調としているが、表面に顕著な凹凸が存在する。このような場合には、真円であってもFUは「1」を下回る。真円/楕円の変化によるFU値への影響と、表面凹凸の影響とは、その程度にもよるが、通常、表面凹凸の影響がFU値より大きく変化させる。
本発明において、FU値は0.85以上であり、0.88以上が好ましく、0.9以上がより好ましい。FU値の上限は1以下であるが、0.99以下が好ましく、0.98以下がより好ましい。FU値をこの範囲とすることで、全固体二次電池の構成層において、より高いイオン伝導度を示すため好ましい。
本発明において、粒子の投影形状における真円/楕円の設定は特に必須のものとして調整される項目ではないが、より高い性能を発揮する観点から、真円に近い方が好ましい。真円の程度を示す指標としては、例えば後記のフェレ径Fを用いることができる[添付図3参照](日本ゴム協会誌 第56巻第8号(1983)p525「分散度測定の技術と測定器」を参照)。
フェレ径F:一定方向の平行線で挟んだ長さFH
フェレ径Fの最大となる長さがMaxL
最小となる長さをMinL
上記の長軸をMaxL、短軸をMinLを定義したときにその扁平率(MaxL/MinL)[f1]は2以下が好ましく、1.8以下がより好ましく、1.76以下がより好ましく、1.75以下がより好ましく、1.74以下が特に好ましい。下限値としては、1超が実際的であり、1.2以上がより実際的である。
フェレ径F:一定方向の平行線で挟んだ長さFH
フェレ径Fの最大となる長さがMaxL
最小となる長さをMinL
上記の長軸をMaxL、短軸をMinLを定義したときにその扁平率(MaxL/MinL)[f1]は2以下が好ましく、1.8以下がより好ましく、1.76以下がより好ましく、1.75以下がより好ましく、1.74以下が特に好ましい。下限値としては、1超が実際的であり、1.2以上がより実際的である。
上記無機固体電解質粒子の平均粒子径(df)は0.5μm以上が好ましく、1μm以上がさらに好ましく、1.5μm以上がさらに好ましく、2μm以上が特に好ましい。上限としては、100μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、9.5μm以下がさらに好ましく、9μm以下が特に好ましい。
上記無機固体電解質粒子の最大粒子径(dfm)は1μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましく、2μm以上が特に好ましい。上限としては、500μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、80μm以下がさらに好ましく、70μm以下がさらに好ましく、60μm以下が特に好ましい。
上記無機固体電解質粒子のD90は1μm以上とすることが好ましく、1.5μm以上がより好ましく、2μm以上が特に好ましい。上限としては、300μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、80μm以下がさらに好ましく、70μm以下がさらに好ましく、60μm以下がさらに好ましく、40μm以下がさらに好ましく、20μm以下が特に好ましい。
本発明においては、上記の無機固体電解質粒子の粒子径に関する諸元を上記の範囲とすることで、粒子の凹凸係数を特定の範囲にした効果が一層顕著になるため好ましい。なお、無機固体電解質粒子の平均粒子径は、体積基準の算術平均を平均粒子径とする。無機固体電解質粒子の最大粒子径は、日機装製粒度分布測定機MT3000で測定して得られた粒度分布の最大粒子径(μm)とする。D90は、粒子径を積算%の分布曲線で示したとき、その90%の横軸と交差する点の粒子径を意味する。
本明細書において粒子径に関する数値は、特に断らない限り、後記実施例で測定した条件によるものとする。
上記無機固体電解質粒子の最大粒子径(dfm)は1μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましく、2μm以上が特に好ましい。上限としては、500μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、80μm以下がさらに好ましく、70μm以下がさらに好ましく、60μm以下が特に好ましい。
上記無機固体電解質粒子のD90は1μm以上とすることが好ましく、1.5μm以上がより好ましく、2μm以上が特に好ましい。上限としては、300μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、80μm以下がさらに好ましく、70μm以下がさらに好ましく、60μm以下がさらに好ましく、40μm以下がさらに好ましく、20μm以下が特に好ましい。
本発明においては、上記の無機固体電解質粒子の粒子径に関する諸元を上記の範囲とすることで、粒子の凹凸係数を特定の範囲にした効果が一層顕著になるため好ましい。なお、無機固体電解質粒子の平均粒子径は、体積基準の算術平均を平均粒子径とする。無機固体電解質粒子の最大粒子径は、日機装製粒度分布測定機MT3000で測定して得られた粒度分布の最大粒子径(μm)とする。D90は、粒子径を積算%の分布曲線で示したとき、その90%の横軸と交差する点の粒子径を意味する。
本明細書において粒子径に関する数値は、特に断らない限り、後記実施例で測定した条件によるものとする。
<粉砕方法>
本発明において、無機固体電解質粒子は上記の諸元Aを達成することができれば、どのような手法により製造してもよい。その好ましい調製方法として、各種の粉砕処理を挙げることができる。
なお、本発明における無機固体電解質粒子の製造方法は、(a)無機固体電解質粒子の原材料を準備する工程と、(b)無機固体電解質粒子の原材料と、粉砕粒子と、粉砕媒体とを、粉砕機の混合槽内に容れる工程と、(c)無機固体電解質粒子の原材料、粉砕粒子および粉砕媒体を、混合槽内で撹拌する工程とを有することが好ましい。
本発明において、無機固体電解質粒子は上記の諸元Aを達成することができれば、どのような手法により製造してもよい。その好ましい調製方法として、各種の粉砕処理を挙げることができる。
なお、本発明における無機固体電解質粒子の製造方法は、(a)無機固体電解質粒子の原材料を準備する工程と、(b)無機固体電解質粒子の原材料と、粉砕粒子と、粉砕媒体とを、粉砕機の混合槽内に容れる工程と、(c)無機固体電解質粒子の原材料、粉砕粒子および粉砕媒体を、混合槽内で撹拌する工程とを有することが好ましい。
・粉砕処理
粉砕処理の方法としては、例えば、ビーズミル、遊星型ボールミル等のメディア型粉砕、ジェット粉砕、キャビテーション粉砕等を挙げることができる。粉砕条件は、粗粒材料を所望の粒子径に粉砕することができるように設定することが好ましい。例えば、遊星型ボールミル等のメディア型粉砕機を用いる場合、無機固体電解質粒子の原材料(粗粒材料)、粉砕媒体、粉砕粒子(粉砕用ボール)を加え、所定の回転数および時間で処理を行う。
粉砕処理の方法としては、例えば、ビーズミル、遊星型ボールミル等のメディア型粉砕、ジェット粉砕、キャビテーション粉砕等を挙げることができる。粉砕条件は、粗粒材料を所望の粒子径に粉砕することができるように設定することが好ましい。例えば、遊星型ボールミル等のメディア型粉砕機を用いる場合、無機固体電解質粒子の原材料(粗粒材料)、粉砕媒体、粉砕粒子(粉砕用ボール)を加え、所定の回転数および時間で処理を行う。
・粉砕粒子
本発明に用いられる粉砕粒子として、(i)特定の充填率での粉砕(ii)低密度粉砕粒子での粉砕に用いられる粉砕粒子を代表例として記載する。いずれの粉砕粒子の粉砕条件も、無機固体電解質粒子を、粉砕機の混合槽内において、粉砕粒子を含有する粉砕媒体中で撹拌粉砕して調整する際に好ましく適用される。
(i)特定の充填率での粉砕
粉砕粒子の平均粒子径(φ)としては、例えば、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることがさらに好ましく、0.5mm以上であることが特に好ましい。上限としては、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることが特に好ましい。
この粉砕粒子の平均粒子径(φ)は、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径(df)との関係で設定することも好ましい。例えば、粉砕粒子の平均粒子径(φ)は、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径(df)の2500倍以下とすることが好ましく、2200倍以下とすることがより好ましく、1900倍以下とすることがさらに好ましく、1500倍以下とすることがさらに好ましく、1300倍以下とすることが特に好ましい。下限としては、100倍以上とすることが好ましく、200倍以上とすることがより好ましく、300倍以上とすることが特に好ましい。
粉砕粒子の平均粒子径(φ)と原料となる無機固体電解質粒子の平均粒子径(di)との比率としては、φ/diを1500以下とすることが好ましく、1000以下とすることがより好ましく、980以下とすることがさらに好ましく、960以下とすることがさらに好ましく、940以下とすることが特に好ましい。下限としては、100以上とすることが好ましく、200以上とすることがより好ましく、300以上とすることが特に好ましい。
粉砕粒子の粒子径を上記の範囲に設定することで、凹凸係数FUが特定の範囲にある無機固体電解質粒子をより効果的に調製することができ好ましい。
ここで、目的とする無機固体電解質粒子とは、前述の諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子であり、上記粉砕処理を行う場合には、粉砕処理後の無機固体電解質粒子を意味する。
本発明に用いられる粉砕粒子として、(i)特定の充填率での粉砕(ii)低密度粉砕粒子での粉砕に用いられる粉砕粒子を代表例として記載する。いずれの粉砕粒子の粉砕条件も、無機固体電解質粒子を、粉砕機の混合槽内において、粉砕粒子を含有する粉砕媒体中で撹拌粉砕して調整する際に好ましく適用される。
(i)特定の充填率での粉砕
粉砕粒子の平均粒子径(φ)としては、例えば、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることがさらに好ましく、0.5mm以上であることが特に好ましい。上限としては、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることが特に好ましい。
この粉砕粒子の平均粒子径(φ)は、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径(df)との関係で設定することも好ましい。例えば、粉砕粒子の平均粒子径(φ)は、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径(df)の2500倍以下とすることが好ましく、2200倍以下とすることがより好ましく、1900倍以下とすることがさらに好ましく、1500倍以下とすることがさらに好ましく、1300倍以下とすることが特に好ましい。下限としては、100倍以上とすることが好ましく、200倍以上とすることがより好ましく、300倍以上とすることが特に好ましい。
粉砕粒子の平均粒子径(φ)と原料となる無機固体電解質粒子の平均粒子径(di)との比率としては、φ/diを1500以下とすることが好ましく、1000以下とすることがより好ましく、980以下とすることがさらに好ましく、960以下とすることがさらに好ましく、940以下とすることが特に好ましい。下限としては、100以上とすることが好ましく、200以上とすることがより好ましく、300以上とすることが特に好ましい。
粉砕粒子の粒子径を上記の範囲に設定することで、凹凸係数FUが特定の範囲にある無機固体電解質粒子をより効果的に調製することができ好ましい。
ここで、目的とする無機固体電解質粒子とは、前述の諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子であり、上記粉砕処理を行う場合には、粉砕処理後の無機固体電解質粒子を意味する。
粉砕粒子の材質は特に限定されないが、市販のもので、メノー(2.65)、アルミナ(3.8)、ジルコニア(5.7)、ステンレス(7.8)、クローム鋼(7.9)、タングステンカーバイト(14.7)、窒化ケイ素(3.1)製のものなどが挙げられ、好ましい。カッコ内の数値は、カタログ上の密度(g/cm3)の一例である。粉砕粒子の密度は特に限定されないが、粉砕効率と入手性等を考慮して、3g/cm3以上のものを適用することが好ましく、4g/cm3以上のものを適用することがより好ましく、5g/cm3以上のものを適用することが特に好ましい。上限としては、10g/cm3以下のものが実際的である。
粉砕粒子は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
粉砕粒子は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明においては、上記の粉砕粒子の容器内での量を特定の範囲とすることが好ましい。特に、上記の凹凸係数の範囲とするためには、下記式(2)で定義される充填率(α)を、粉砕粒子の粉砕槽の内容積(V0)の60%超とすることが好ましく、61%以上とすることがより好ましく、62%以上とすることがさらに好ましく、64%以上とすることが特に好ましい。上限は特にないが、粉砕粒子を真球形状と仮定すると、最密充填であっても、その上限は74%となる。したがって、充填率(α)は74%以下が実際的である。
充填率α=ΣZ/V0×100 ・・・ (2)
V0:混合槽内の内容積
ΣZ:混合槽内に充填される粉砕粒子の体積の総和
充填率α=ΣZ/V0×100 ・・・ (2)
V0:混合槽内の内容積
ΣZ:混合槽内に充填される粉砕粒子の体積の総和
(ii)低密度粉砕粒子による粉砕
粉砕粒子の平均粒子径(φ)としては、例えば、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることがさらに好ましく、0.5mm以上であることが特に好ましい。上限としては、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることが特に好ましい。
この粉砕粒子の平均粒子径(φ)は、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径(df)との関係で設定することも好ましい。例えば、粉砕粒子の平均粒子径(φ)は、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径(df)の10000倍以下とすることが好ましく、5100倍以下とすることがより好ましく、4800倍以下とすることがさらに好ましく、4500倍以下とすることがさらに好ましく、4200倍以下とすることがさらに好ましく、3900倍以下とすることが特に好ましい。下限としては、100倍以上とすることが好ましく、200倍以上とすることがより好ましく、300倍以上とすることがさらに好ましく、1000倍以上とすることが特に好ましい。
粉砕粒子の平均粒子径(φ)と原料となる無機固体電解質粒子の平均粒子径(di)との比率としては、φ/diを10000以下とすることが好ましく、5100以下とすることがより好ましく、4800以下とすることがさらに好ましく、4500以下とすることがさらに好ましく、4200以下とすることがさらに好ましく、3900以下とすることが特に好ましい。下限としては、100以上とすることが好ましく、200以上とすることがより好ましく、300以上とすることがさらに好ましく、1000以上とすることが特に好ましい。
粉砕粒子の粒子径を上記の範囲に設定することで、凹凸係数FUが特定の範囲にある無機固体電解質粒子をより効果的に調製することができ好ましい。
粉砕粒子の平均粒子径(φ)としては、例えば、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることがさらに好ましく、0.5mm以上であることが特に好ましい。上限としては、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましく、5mm以下であることが特に好ましい。
この粉砕粒子の平均粒子径(φ)は、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径(df)との関係で設定することも好ましい。例えば、粉砕粒子の平均粒子径(φ)は、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径(df)の10000倍以下とすることが好ましく、5100倍以下とすることがより好ましく、4800倍以下とすることがさらに好ましく、4500倍以下とすることがさらに好ましく、4200倍以下とすることがさらに好ましく、3900倍以下とすることが特に好ましい。下限としては、100倍以上とすることが好ましく、200倍以上とすることがより好ましく、300倍以上とすることがさらに好ましく、1000倍以上とすることが特に好ましい。
粉砕粒子の平均粒子径(φ)と原料となる無機固体電解質粒子の平均粒子径(di)との比率としては、φ/diを10000以下とすることが好ましく、5100以下とすることがより好ましく、4800以下とすることがさらに好ましく、4500以下とすることがさらに好ましく、4200以下とすることがさらに好ましく、3900以下とすることが特に好ましい。下限としては、100以上とすることが好ましく、200以上とすることがより好ましく、300以上とすることがさらに好ましく、1000以上とすることが特に好ましい。
粉砕粒子の粒子径を上記の範囲に設定することで、凹凸係数FUが特定の範囲にある無機固体電解質粒子をより効果的に調製することができ好ましい。
本発明においては、低密度粉砕粒子を適用することが好ましい。粉砕効率と入手性等を考慮して、0.9g/cm3以上のものを適用することが好ましく、1.0g/cm3以上のものを適用することがより好ましく、1.1g/cm3以上のものを適用することが特に好ましい。上限としては、2.4g/cm3以下のものを適用することが好ましく、2.3g/cm3以下のものを適用することがより好ましく、2.2g/cm3以下のものを適用することが特に好ましい。
粉砕粒子の材料は特に限定されないが、例えば、樹脂粒子を用いることができる。
樹脂粒子を用いた場合、充填率を調整しなくても、凹凸係数を本発明の範囲内にすることができる。
樹脂粒子としては、熱硬化性プラスチック粒子、熱可塑性プラスチック粒子およびゴム粒子を好ましく例示できる。
樹脂粒子を用いた場合、充填率を調整しなくても、凹凸係数を本発明の範囲内にすることができる。
樹脂粒子としては、熱硬化性プラスチック粒子、熱可塑性プラスチック粒子およびゴム粒子を好ましく例示できる。
熱硬化性プラスチック粒子としては、フェノール樹脂粒子、ユリア樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、不飽和ポリエステル樹脂粒子、ジアリルフタレート樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子、ポリウレタン粒子等を使用できる。
熱可塑性プラスチック粒子としては、汎用プラスチック粒子、エンジニアプラスチック粒子、またはスーパーエンジニアリングプラスチック粒子を使用できる。
汎用プラスチック粒子としては、ポリエチレン粒子、高密度ポリエチレン粒子、中密度ポリエチレン粒子、低密度ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子(0.91)、ポリスチレン粒子、ABS樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、ポリ塩化ビニル粒子等を使用できる。
エンジニアプラスチック粒子としては、ポリアミド(ナイロン)粒子(1.14)、ポリアセタール粒子、ポリカーボネート粒子、ポリブチレンテレフタレート粒子、ポリエチレンテレフタレート粒子、ポリフェニレンエーテル粒子等を使用できる。
スーパーエンジニアリングプラスチック粒子としては、ポリイミド(ベスペル)粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリエーテルイミド粒子、ポリエーテルスルフォン粒子、ポリスルフォン粒子、ポリエーテルエーテルケトン粒子、ポリフェニレンスルフィド粒子、ポリメチルペンテン粒子、ポリテトラフルオロエチレン(2.17)粒子等を使用できる。
なお、カッコ内の数値は、カタログ上の密度(g/cm3)の一例である。
汎用プラスチック粒子としては、ポリエチレン粒子、高密度ポリエチレン粒子、中密度ポリエチレン粒子、低密度ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子(0.91)、ポリスチレン粒子、ABS樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、ポリ塩化ビニル粒子等を使用できる。
エンジニアプラスチック粒子としては、ポリアミド(ナイロン)粒子(1.14)、ポリアセタール粒子、ポリカーボネート粒子、ポリブチレンテレフタレート粒子、ポリエチレンテレフタレート粒子、ポリフェニレンエーテル粒子等を使用できる。
スーパーエンジニアリングプラスチック粒子としては、ポリイミド(ベスペル)粒子、ポリアミドイミド粒子、ポリエーテルイミド粒子、ポリエーテルスルフォン粒子、ポリスルフォン粒子、ポリエーテルエーテルケトン粒子、ポリフェニレンスルフィド粒子、ポリメチルペンテン粒子、ポリテトラフルオロエチレン(2.17)粒子等を使用できる。
なお、カッコ内の数値は、カタログ上の密度(g/cm3)の一例である。
ゴム粒子としては、天然ゴム粒子、ニトリルゴム粒子、エチレン・プロピレンゴム粒子、ウレタンゴム粒子、シリコーンゴム粒子、フッ素ゴム粒子、クロロプレンゴム粒子、ネオプレンゴム粒子、スチレンゴム粒子、ブチルゴム粒子、多硫化ゴム粒子等が使用できる。
また、これらの粒子は単一の素材からなる粒子である必要はなく、鉄芯入り樹脂粒子など複合化されたものでも使用できる。また、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明においては、上記式(2)で定義される充填率(α)が低くてもよい。具体的には、充填率を65%以下とすることが好ましく、60%以下とすることがより好ましく、45%以下とすることがさらに好ましく、30%以下とすることが特に好ましい。下限は特にないが、粉砕効率や経済性の点から、10%以上が実際的である。
本発明においては、(i)特定の充填率での粉砕では、粒子硬度が高く粉砕されにくい点から酸化物系無機固体電解質が好ましく適用され、(ii)低密度粉砕粒子での粉砕では、粒子硬度が低く粉砕されやすい点から硫化物系無機固体電解質が好ましく適用される。
・粉砕機
図4は、本発明において好ましく適用される粉砕機(粉砕槽)を模式的に示す縦断面図である。同図に示した形態においては、容器22に粉砕粒子23と無機固体電解質粒子の原材料(粗粒材料)(図示せず)を粉砕媒体に混合させた混合液24が入れられている。本実施形態においては、粉砕槽Vに空間25が保持された形で設定されている。容器22は、蓋体21を閉めて密閉することができる。この粉砕機20には、回転稼働部(図示せず)が設置されており、その上に上記の容器22を載置する。上記回転稼働部を稼働させることで、上記の容器22を自転および公転させ、内部の粗粒材料を粉砕することができる。
図4は、本発明において好ましく適用される粉砕機(粉砕槽)を模式的に示す縦断面図である。同図に示した形態においては、容器22に粉砕粒子23と無機固体電解質粒子の原材料(粗粒材料)(図示せず)を粉砕媒体に混合させた混合液24が入れられている。本実施形態においては、粉砕槽Vに空間25が保持された形で設定されている。容器22は、蓋体21を閉めて密閉することができる。この粉砕機20には、回転稼働部(図示せず)が設置されており、その上に上記の容器22を載置する。上記回転稼働部を稼働させることで、上記の容器22を自転および公転させ、内部の粗粒材料を粉砕することができる。
図5は、本発明において好ましく適用される別の粉砕機(粉砕槽)を模式的に示す縦断面図である。本実施形態においては、容器32(同図では容器の厚みを省略して粉砕槽Vと同じ形態で示している)に粉砕粒子23と無機固体電解質粒子の原材料(粗粒材料)(図示せず)を粉砕媒体に混合させた混合液が入れられている。粉砕粒子23の一部は図示を省略して示しているが、粉砕粒子23が、粉砕粒子の充填位置23aの破線までの量で容れられていることを意味する。混合液は、混合液の充填位置24aの破線まで満たされ、残部は空間35とされている。この粉砕機30の容器は横転した円柱状であり、回転稼働部(図示せず)がその両端または片方の端部に設置されている。上記回転稼働部を稼働させることで、上記の容器32を回転rさせ、内部の粗粒材料を粉砕することができる。
なお、通常の設定においては、粉砕粒子の充填率(α)は20%〜40%とされている。例えば、以下の粉砕機メーカーのホームページでは30%前後が推奨されている。
フリッチェ社 http://www.fritsch.co.jp/premiumlinep-7.html
ASADA社 http://www.asadatekko.co.jp/products/mill/ballmill.html
その他、上記特許文献2(特許第5445527号明細書)の実施例1では、40gのジルコニアビーズが45mLの容器に適用されており、充填率(α)はおよそ10〜20%と見積もられる。
フリッチェ社 http://www.fritsch.co.jp/premiumlinep-7.html
ASADA社 http://www.asadatekko.co.jp/products/mill/ballmill.html
その他、上記特許文献2(特許第5445527号明細書)の実施例1では、40gのジルコニアビーズが45mLの容器に適用されており、充填率(α)はおよそ10〜20%と見積もられる。
粉砕機の粉砕槽の内容積(V0)は特に限定されず、生産量に応じて適宜設定すればよい。生産効率と、特定の凹凸係数FUをもつ無機固体電解質粒子とする観点、あるいは市販の装置の設定等を考慮して、内容積(V0)を10cm3以上とすることが好ましく、11cm3以上とすることがより好ましく、12cm3以上とすることが特に好ましい。上限としては、2000cm3以下とすることが好ましく、1500cm3以下とすることがより好ましく、1000cm3以下とすることが特に好ましい。
・粗粒材料
無機固体電解質粒子の原材料(粗粒材料)の形状としては、例えば粒子状を挙げることができる。粗粒材料の平均粒子径(di)は、例えば、1μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましい。上限は特にないが、20μm以下であることが好ましく、10μm以下がより好ましい。粗粒材料の最大粒子径(dim)は1μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましく、2μm以上が特に好ましい。上限は500μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましく、80μm以下が特に好ましい。あるいは、粗粒材料は粒子形状でなくてもよい。
無機固体電解質粒子の原材料(粗粒材料)の形状としては、例えば粒子状を挙げることができる。粗粒材料の平均粒子径(di)は、例えば、1μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましい。上限は特にないが、20μm以下であることが好ましく、10μm以下がより好ましい。粗粒材料の最大粒子径(dim)は1μm以上が好ましく、1.5μm以上がより好ましく、2μm以上が特に好ましい。上限は500μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましく、80μm以下が特に好ましい。あるいは、粗粒材料は粒子形状でなくてもよい。
・粉砕媒体
粉砕媒体として各種の溶媒を添加してもよい。粉砕媒体を用いて湿式粉砕することで、粉砕時における電解質材料の造粒、および、メディアへの付着を防止することができる。その具体例としては、後記分散媒体の項で挙げたものを例示することができる。なかでも、ヘプタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族化合物溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物溶媒等を好ましいものとして挙げることができる。なお、粉砕媒体の添加量は、特に限定されるものではなく、目的とする無機固体電解質粒子を得ることができるよう調節することが好ましい。具体的には、無機固体電解質粒子の濃度が、1〜50質量%の範囲で適用することが実際的である。
粉砕媒体として各種の溶媒を添加してもよい。粉砕媒体を用いて湿式粉砕することで、粉砕時における電解質材料の造粒、および、メディアへの付着を防止することができる。その具体例としては、後記分散媒体の項で挙げたものを例示することができる。なかでも、ヘプタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族化合物溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物溶媒等を好ましいものとして挙げることができる。なお、粉砕媒体の添加量は、特に限定されるものではなく、目的とする無機固体電解質粒子を得ることができるよう調節することが好ましい。具体的には、無機固体電解質粒子の濃度が、1〜50質量%の範囲で適用することが実際的である。
・回転数等
遊星型ボールミル等のメディア型粉砕を行う際の台盤回転数としては、例えば、100rpm〜500rpmの範囲内であることが好ましく、150rpm〜400rpmの範囲内であることがより好ましい。処理時間は、例えば、0.5時間〜5時間の範囲内であることが好ましく、1時間〜4時間の範囲内であることがより好ましい。
遊星型ボールミル等のメディア型粉砕を行う際の台盤回転数としては、例えば、100rpm〜500rpmの範囲内であることが好ましく、150rpm〜400rpmの範囲内であることがより好ましい。処理時間は、例えば、0.5時間〜5時間の範囲内であることが好ましく、1時間〜4時間の範囲内であることがより好ましい。
・その他の工程
粉砕工程の後に、粉砕媒体を除去する乾燥処理を行ってもよい。それにより、例えば、無機固体電解質粒子のみを分離して取り出し、電池性能を考慮した分散媒体に切り替えることができる。乾燥温度は、特に限定されるものではないが、無機固体電解質粒子への影響を考慮して適宜設定することができる。粉砕工程の後に、微粒化した材料を、高温で加熱して焼成ないしガラス化してもよい。なお、乾燥処理を行わない場合、粉砕媒体をそのまま分散媒体または塗布溶媒として使用することもできる。
粉砕工程の後に、粉砕媒体を除去する乾燥処理を行ってもよい。それにより、例えば、無機固体電解質粒子のみを分離して取り出し、電池性能を考慮した分散媒体に切り替えることができる。乾燥温度は、特に限定されるものではないが、無機固体電解質粒子への影響を考慮して適宜設定することができる。粉砕工程の後に、微粒化した材料を、高温で加熱して焼成ないしガラス化してもよい。なお、乾燥処理を行わない場合、粉砕媒体をそのまま分散媒体または塗布溶媒として使用することもできる。
具体的な粉砕機としては、制限なく市販のものを使用することができる。具体例としては、フリッチェ社製 Micro mill Pulverisette 7(classic line)、ASADA社製 ボールミル 300L−SBM、600L−SBM、1000L−SBM、2000L−SBM、3000L−SBM、6000L−SBM、300L−PBM、600L−PBM、1000L−PBM、2000L−PBM、3000L−PBM、6000L−PBM(いずれも商品名)等が挙げられる。
なお、凹凸係数(FU)が1に近い粒子の製造方法は上記に限定されず、例えばビルドアップ法を利用したり、乾燥させる(溶媒を飛ばす)条件を調整することなどが挙げられる。
なお、凹凸係数(FU)が1に近い粒子の製造方法は上記に限定されず、例えばビルドアップ法を利用したり、乾燥させる(溶媒を飛ばす)条件を調整することなどが挙げられる。
以下、本発明の全固体二次電池の製造に好適に用いることができる、固体電解質組成物を説明する。
<固体電解質組成物>
(無機固体電解質)
無機固体電解質とは、無機の固体電解質のことである。本明細書において、固体電解質というときには、その内部においてイオンを移動させることができる固体状の電解質のことを意味する。この観点から、後記電解質塩(支持電解質)との区別を考慮し、無機固体電解質を、イオン伝導性無機固体電解質と呼ぶことがある。無機固体電解質のイオン伝導度は特に限定されないが、リチウムイオンにおいて、1×10−6S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましく、1×10−4S/cm以上であることがさらに好ましく、1×10−3S/cm以上とすることが特に好ましい。上限は特にないが、1S/cm以下が実際的である。イオン伝導度の測定は、特に断らない限り、後記実施例で測定した条件によるものとする。
(無機固体電解質)
無機固体電解質とは、無機の固体電解質のことである。本明細書において、固体電解質というときには、その内部においてイオンを移動させることができる固体状の電解質のことを意味する。この観点から、後記電解質塩(支持電解質)との区別を考慮し、無機固体電解質を、イオン伝導性無機固体電解質と呼ぶことがある。無機固体電解質のイオン伝導度は特に限定されないが、リチウムイオンにおいて、1×10−6S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましく、1×10−4S/cm以上であることがさらに好ましく、1×10−3S/cm以上とすることが特に好ましい。上限は特にないが、1S/cm以下が実際的である。イオン伝導度の測定は、特に断らない限り、後記実施例で測定した条件によるものとする。
無機固体電解質は、高分子化合物や錯塩などの有機物を電解質としては含まないことから、有機固体電解質(PEOなどに代表される高分子電解質、LiTFSIなどに代表される有機電解質塩)とは明確に区別される。また、無機固体電解質は定常状態で非解離性の固体であるため、液中でも、カチオンおよびアニオンに解離または遊離しない。この点で、電解液やポリマー中でカチオンおよびアニオンが解離または遊離する無機電解質塩(LiPF6、LiBF4,LiFSI,LiClなど)とも明確に区別される。無機固体電解質は周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン(好ましくはリチウムイオン)の伝導性を有する一方で、電子伝導性は有さないものが一般的である。
本発明においては、電解質層ないし活物質層に周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン(好ましくはリチウムイオン)伝導性の無機固体電解質を含有させる。上記無機固体電解質は、この種の製品に適用される固体電解質材料を適宜選定して用いることができる。無機固体電解質は(i)硫化物系無機固体電解質と(ii)酸化物系無機固体電解質が代表例として挙げられる。
(i)硫化物系無機固体電解質
硫化物固体電解質は、硫黄(S)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものが好ましい。例えば下記式(3)で示される組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質が挙げられる。
La1Mb1Pc1Sd1Ae1 (3)
(式中、LはLi、NaおよびKから選択される元素を示し、Liが好ましい。Mは、B、Zn、Sn、Si、Cu、Ga、Sb、Al及びGeから選択される元素を示す。なかでも、B、Sn、Si、Al、Geが好ましく、Sn、Al、Geがより好ましい。Aは、I、Br、Cl、Fを示し、I、Brが好ましく、Iが特に好ましい。a1〜e1は各元素の組成比を示し、a1:b1:c1:d1:e1は1〜12:0〜1:1:2〜12:0〜5を満たす。a1はさらに、1〜9が好ましく、1.5〜4がより好ましい。b1は0〜0.5が好ましい。d1はさらに、3〜7が好ましく、3.25〜4.5がより好ましい。e1はさらに、0〜3が好ましく、0〜1がより好ましい。)
硫化物固体電解質は、硫黄(S)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものが好ましい。例えば下記式(3)で示される組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質が挙げられる。
La1Mb1Pc1Sd1Ae1 (3)
(式中、LはLi、NaおよびKから選択される元素を示し、Liが好ましい。Mは、B、Zn、Sn、Si、Cu、Ga、Sb、Al及びGeから選択される元素を示す。なかでも、B、Sn、Si、Al、Geが好ましく、Sn、Al、Geがより好ましい。Aは、I、Br、Cl、Fを示し、I、Brが好ましく、Iが特に好ましい。a1〜e1は各元素の組成比を示し、a1:b1:c1:d1:e1は1〜12:0〜1:1:2〜12:0〜5を満たす。a1はさらに、1〜9が好ましく、1.5〜4がより好ましい。b1は0〜0.5が好ましい。d1はさらに、3〜7が好ましく、3.25〜4.5がより好ましい。e1はさらに、0〜3が好ましく、0〜1がより好ましい。)
式(3)において、L、M、P、S及びAの組成比は、好ましくはb1、e1が0であり、より好ましくはb1=0、e1=0で且つa1、c1及びd1の比(a1:c1:d1)がa1:c1:d1=1〜9:1:3〜7であり、さらに好ましくはb1=0、e1=0で且つa1:c1:d1=1.5〜4:1:3.25〜4.5である。各元素の組成比は、下記するように、硫化物系固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系固体電解質は、非結晶(ガラス)であっても結晶化(ガラスセラミックス化)していてもよく、一部のみが結晶化していてもよい。例えば、Li、PおよびSを含有するLi−P−S系ガラス、またはLi、PおよびSを含有するLi−P−S系ガラスセラミックスを用いることができる。
Li−P−S系ガラスおよびLi−P−S系ガラスセラミックスにおける、Li2SとP2S5との比率は、Li2S:P2S5のモル比で、好ましくは65:35〜85:15、より好ましくは68:32〜75:25である。Li2SとP2S5との比率をこの範囲にすることにより、リチウムイオン伝導度を高いものとすることができる。具体的には、リチウムイオン伝導度を好ましくは1×10−4S/cm以上、より好ましくは1×10−3S/cm以上とすることができる。
具体的な化合物例としては、例えばLi2Sと、第13族〜第15族の元素の硫化物とを含有する原料組成物を用いてなるものを挙げることができる。具体的には、Li2S−P2S5、Li2S−GeS2、Li2S−GeS2−ZnS、Li2S−Ga2S3、Li2S−GeS2−Ga2S3、Li2S−GeS2−P2S5、Li2S−GeS2−Sb2S5、Li2S−GeS2−Al2S3、Li2S−SiS2、Li2S−Al2S3、Li2S−SiS2−Al2S3、Li2S−SiS2−P2S5、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−Li4SiO4、Li2S−SiS2−Li3PO4、Li10GeP2S12などが挙げられる。その中でも、Li2S−P2S5、Li2S−GeS2−Ga2S3、Li2SGeS2−P2S5、Li2S−SiS2−P2S5、Li2S−SiS2−Li4SiO4、Li2S−SiS2−Li3PO4からなる結晶質およびまたは非晶質の原料組成物が高いリチウムイオン伝導性を有するので好ましい。このような原料組成物を用いて硫化物固体電解質材料を合成する方法としては、例えば非晶質化法を挙げることができる。非晶質化法としては、例えば、メカニカルミリング法および溶融急冷法を挙げることができ、中でもメカニカルミリング法が好ましい。常温での処理が可能になり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。
(ii)酸化物系無機固体電解質
酸化物系固体電解質は、酸素(O)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものが好ましい。
酸化物系固体電解質は、酸素(O)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものが好ましい。
具体的な化合物例としては、例えばLixaLayaTiO3〔xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7〕(LLT)、Li7La3Zr2O12(LLZ)、LISICON(Lithium super ionic conductor)型結晶構造を有するLi3.5Zn0.25GeO4、NASICON(Natrium super ionic conductor)型結晶構造を有するLiTi2P3O12、Li1+xb+yb(Al,Ga)xb(Ti,Ge)2−xbSiybP3−ybO12(ただし、0≦xb≦1、0≦yb≦1)、ガーネット型結晶構造を有する上記Li7La3Zr2O12等が挙げられる。またLi、P及びOを含むリン化合物も望ましい。例えばリン酸リチウム(Li3PO4)、リン酸リチウムの酸素の一部を窒素で置換したLiPON、LiPOD(Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、Au等から選ばれた少なくとも1種)等が挙げられる。また、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた少なくとも1種)等も好ましく用いることができる。
その中でも、Li1+xb+yb(Al,Ga)xb(Ti,Ge)2−xbSiybP3−ybO12(ただし、0≦xb≦1、0≦yb≦1)は、高いリチウムイオン伝導性を有し、化学的に安定して取り扱いが容易であり好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その中でも、Li1+xb+yb(Al,Ga)xb(Ti,Ge)2−xbSiybP3−ybO12(ただし、0≦xb≦1、0≦yb≦1)は、高いリチウムイオン伝導性を有し、化学的に安定して取り扱いが容易であり好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リチウムイオン伝導性の酸化物系無機固体電解質としてのイオン伝導度は、1×10−6S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましく、5×10−5S/cm以上であることが特に好ましい。
本発明においては、なかでも酸化物系の無機固体電解質を用いることが好ましい。酸化物系の無機固体電解質は総じてより硬度が高いため、全固体二次電池において界面抵抗の上昇を生じやすく、本発明を適用することにより、その対応として効果がより顕著になる。とくに、酸化物系の無機固体電解質は硬く成形性が劣る方向にあり、塗布後の活物質層と無機固体電解質層界面の粗さが成形後も残りやすい。そのため、塗布の段階で製造制御された本発明ないしその好ましい実施形態の適用が効果的である。
また、本発明においては、硫化物系の無機固体電解質を用いることも、イオン伝導度を向上できる観点から好ましい。硫化物系の無機固体電解質は、その粒子の硬度が低く粉砕されやすいため、密度の低い粉砕粒子により過粉砕を低減することができる。
上記無機固体電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明においては、硫化物系の無機固体電解質を用いることも、イオン伝導度を向上できる観点から好ましい。硫化物系の無機固体電解質は、その粒子の硬度が低く粉砕されやすいため、密度の低い粉砕粒子により過粉砕を低減することができる。
上記無機固体電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機固体電解質の固体電解質組成物中での濃度は、電池性能と界面抵抗の低減・維持効果の両立を考慮したとき、固形成分100質量%において、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、同様の観点から、99.9質量%以下であることが好ましく、99.5質量%以下であることがより好ましく、99質量%以下であることが特に好ましい。ただし、後記正極活物質または負極活物質とともに用いるときには、その総和が上記の濃度範囲であることが好ましい。
なお、本明細書において固形成分とは、100℃で乾燥処理を行ったときに、揮発ないし蒸発して消失しない成分を言う。典型的には、溶媒や分散媒体以外の成分を指す。
なお、本明細書において固形成分とは、100℃で乾燥処理を行ったときに、揮発ないし蒸発して消失しない成分を言う。典型的には、溶媒や分散媒体以外の成分を指す。
(バインダー)
本発明の固体電解質組成物には、バインダーを用いることができる。これにより、上記の無機固体電解質粒子を結着して、一層良好なイオン伝導性を実現することができる。バインダーの種類は特に限定されないが、スチレン−アクリル系の共重合体(例えば特開2013−008611号公報、国際公開第2011/105574号パンフレット参照)、水素化ブタジエン共重合体(例えば特開平11−086899号公報、国際公開第2013/001623号パンフレット等参照)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン系のポリマー(例えば特開2012−99315号公報参照)、ポリオキシエチレン鎖を有する化合物(特開2013−008611号公報)、ノルボルネン系ポリマー(特開2011−233422号公報)などを利用することができる。
本発明の固体電解質組成物には、バインダーを用いることができる。これにより、上記の無機固体電解質粒子を結着して、一層良好なイオン伝導性を実現することができる。バインダーの種類は特に限定されないが、スチレン−アクリル系の共重合体(例えば特開2013−008611号公報、国際公開第2011/105574号パンフレット参照)、水素化ブタジエン共重合体(例えば特開平11−086899号公報、国際公開第2013/001623号パンフレット等参照)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン系のポリマー(例えば特開2012−99315号公報参照)、ポリオキシエチレン鎖を有する化合物(特開2013−008611号公報)、ノルボルネン系ポリマー(特開2011−233422号公報)などを利用することができる。
バインダーを構成する高分子化合物の重量平均分子量は5,000以上であることが好ましく、10,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることが特に好ましい。上限としては、1,000,000以下であることが好ましく、400,000以下であることがより好ましい。分子量の測定方法は、特に断らない限り、後記実施例で測定した条件によるものとする。
バインダーポリマーのガラス転移温度(Tg)は100℃以下であることが結着性向上の上で好ましく、30℃以下がより好ましく、0℃以下が特に好ましい。下限は、製造適正や性能の安定性の点から−100℃以上が好ましく、−80℃以上がより好ましい。
バインダーポリマーは結晶性でも非晶性であってもよい。結晶性の場合、融点は200℃以下であることが好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下が特に好ましい。下限は特にないが、120℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。
バインダーポリマーは結晶性でも非晶性であってもよい。結晶性の場合、融点は200℃以下であることが好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下が特に好ましい。下限は特にないが、120℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。
バインダーポリマー粒子は平均粒子径は、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることが特に好ましい。上限としては、500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。
粒子径分布の標準偏差は0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.15以上であることが特に好ましい。上限としては、1以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.6以下であることが特に好ましい。
本発明においてポリマー粒子の平均粒子径や粒子分散度は、特に断らない限り、後記実施例で採用した条件(動的光散乱法)によるものとする。
粒子径分布の標準偏差は0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.15以上であることが特に好ましい。上限としては、1以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.6以下であることが特に好ましい。
本発明においてポリマー粒子の平均粒子径や粒子分散度は、特に断らない限り、後記実施例で採用した条件(動的光散乱法)によるものとする。
本発明においては、無機固体電解質粒子の平均粒子径より、上記バインダーポリマー粒子の粒子径が小さいことが好ましい。ポリマー粒子の大きさを上記の範囲とすることにより、無機固体電解質粒子を所定の粒度分布としたことと相まって、良好な密着性と界面抵抗の抑制とを実現することができる。なお、作成された全固体二次電池からの測定は、例えば、電池を分解し電極を水に入れてその材料を分散させた後、ろ過を行い、残った固体を収集しポリマーの各物性を測定することにより行うことができる。粒子径は、例えば、電池を分解し電極を剥がした後、その電極材料について測定を行い、あらかじめ測定していたポリマー以外の粒子の粒子径の測定値を排除することにより行うことができる。
バインダーの配合量は、上記無機固体電解質(活物質を用いる場合はこれを含む)100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが特に好ましい。上限としては、50質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが特に好ましい。
固体電解質組成物に対しては、その固形成分中、バインダーが0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
バインダーを上記の範囲で用いることにより、一層効果的に無機固体電解質の固着性と界面抵抗の抑制性とを両立して実現することができる。
固体電解質組成物に対しては、その固形成分中、バインダーが0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
バインダーを上記の範囲で用いることにより、一層効果的に無機固体電解質の固着性と界面抵抗の抑制性とを両立して実現することができる。
バインダーは一種を単独で用いても、複数の種類のものを組み合わせて用いてもよい。また、他の粒子と組み合わせて用いてもよい。
バインダー粒子はこれを構成する特定のポリマーのみからなっていてもよく、あるいは、別種の材料(ポリマーや低分子化合物、無機化合物など)を含む形で構成されていてもよい。
(リチウム塩[電解質塩])
本発明の全固体二次電池には、その固体電解質組成物にリチウム塩を含有させてもよい。リチウム塩としては、通常この種の製品に用いられるリチウム塩が好ましく、特に制限はないが、例えば、以下に述べるものが好ましい。
本発明の全固体二次電池には、その固体電解質組成物にリチウム塩を含有させてもよい。リチウム塩としては、通常この種の製品に用いられるリチウム塩が好ましく、特に制限はないが、例えば、以下に述べるものが好ましい。
(L−1)無機リチウム塩:LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6等の無機フッ化物塩;LiClO4、LiBrO4、LiIO4等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl4等の無機塩化物塩等。
(L−2)含フッ素有機リチウム塩:LiCF3SO3等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CF3SO2)2、LiN(CF3CF2SO2)2、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CF3SO2)3等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF5(CF2CF2CF3)]、Li[PF4(CF2CF2CF3)2]、Li[PF3(CF2CF2CF3)3]、Li[PF5(CF2CF2CF2CF3)]、Li[PF4(CF2CF2CF2CF3)2]、Li[PF3(CF2CF2CF2CF3)3]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩等。
(L−3)オキサラトボレート塩:リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等。
これらのなかで、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4、Li(Rf1SO3)、LiN(Rf1SO2)2、LiN(FSO2)2、及びLiN(Rf1SO2)(Rf2SO2)が好ましく、LiPF6、LiBF4、LiN(Rf1SO2)2、LiN(FSO2)2、及びLiN(Rf1SO2)(Rf2SO2)などのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、Rf1、Rf2はそれぞれパーフルオロアルキル基を示す。
これらのなかで、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4、Li(Rf1SO3)、LiN(Rf1SO2)2、LiN(FSO2)2、及びLiN(Rf1SO2)(Rf2SO2)が好ましく、LiPF6、LiBF4、LiN(Rf1SO2)2、LiN(FSO2)2、及びLiN(Rf1SO2)(Rf2SO2)などのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、Rf1、Rf2はそれぞれパーフルオロアルキル基を示す。
リチウム塩を用いる場合、その含有量は、無機固体電解質100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましい。上限としては、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。
なお、電解液に用いる電解質は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
なお、電解液に用いる電解質は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
(分散媒体)
本発明の固体電解質組成物においては、上記の各成分を分散させる分散媒体を用いてもよい。全固体二次電池を作製する際、固体電解質組成物を均一に塗布して製膜する観点から、固体電解質組成物に分散媒体を加えてペースト状にすることが好ましい。全固体二次電池の固体電解質層を形成する際には、分散媒体は乾燥によって除去される。
分散媒体としては、例えば、水溶性有機溶媒が挙げられる。具体例としては、下記のものが挙げられる。
・アルコール化合物溶媒
メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなど
・エーテル化合物溶媒(水酸基含有エーテル化合物を含む)
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)など
・アミド化合物溶媒
N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなど
・ケトン化合物溶媒
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど
・芳香族化合物溶媒
ベンゼン、トルエンなど
・脂肪族化合物溶媒
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ペンタン、シクロペンタンなど
・ニトリル化合物溶媒
アセトニトリル、イソブチロニトリル
本発明の固体電解質組成物においては、上記の各成分を分散させる分散媒体を用いてもよい。全固体二次電池を作製する際、固体電解質組成物を均一に塗布して製膜する観点から、固体電解質組成物に分散媒体を加えてペースト状にすることが好ましい。全固体二次電池の固体電解質層を形成する際には、分散媒体は乾燥によって除去される。
分散媒体としては、例えば、水溶性有機溶媒が挙げられる。具体例としては、下記のものが挙げられる。
・アルコール化合物溶媒
メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなど
・エーテル化合物溶媒(水酸基含有エーテル化合物を含む)
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)など
・アミド化合物溶媒
N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなど
・ケトン化合物溶媒
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど
・芳香族化合物溶媒
ベンゼン、トルエンなど
・脂肪族化合物溶媒
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ペンタン、シクロペンタンなど
・ニトリル化合物溶媒
アセトニトリル、イソブチロニトリル
本発明においては、なかでも、エーテル化合物溶媒、ケトン化合物溶媒、芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒を用いることが好ましい。分散媒体は常圧(1気圧)での沸点が80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがさらに好ましい。上限は220℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがさらに好ましい。分散媒体に対するバインダーの溶解性は、20℃において20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが特に好ましい。下限は0.01質量%以上が実際的である。
上記分散媒体は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記分散媒体は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において組成物の粘度は、1mPa・s以上であることが好ましく、2mPa・s以上であることがより好ましく、5mPa・s以上であることが特に好ましい。上限としては、100000mPa・s以下であることが好ましく、10000mPa・s以下であることがより好ましく、5000mPa・s以下であることが特に好ましい。
粘度の測定方法は特に断らない限り、後記実施例で測定した条件によるものとする。
本発明において、固体電解質組成物における分散媒体の量は、固体電解質組成物の粘度と乾燥負荷とのバランスで任意の量とすることが出来る。一般的に、固体電解質組成物中、20〜99質量%であることが好ましい。
粘度の測定方法は特に断らない限り、後記実施例で測定した条件によるものとする。
本発明において、固体電解質組成物における分散媒体の量は、固体電解質組成物の粘度と乾燥負荷とのバランスで任意の量とすることが出来る。一般的に、固体電解質組成物中、20〜99質量%であることが好ましい。
(固体電解質組成物の調製方法)
本発明の固体電解質組成物は常法により調製すればよいが、上記無機固体電解質粒子を湿式分散方法あるいは乾式分散方法で処理する方法が挙げられる。湿式分散方法としては、ボールミル、ビーズミル、サンドミルなどが挙げられる。乾式分散方法としては、同様に、ボールミル、ビーズミル、サンドミルなどが挙げられる。この分散後は、ろ過を適宜施すことより、所定の粒子径以外の粒子や凝集体は取り除くことができる。
また、上記無機固体電解質粒子を湿式あるいは乾式で分散させるには、各種の分散ボール、分散ビーズなどの分散メディアが使用できる。中でも高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、アルミナビーズ、スチールビーズが適している。
本発明の固体電解質組成物は常法により調製すればよいが、上記無機固体電解質粒子を湿式分散方法あるいは乾式分散方法で処理する方法が挙げられる。湿式分散方法としては、ボールミル、ビーズミル、サンドミルなどが挙げられる。乾式分散方法としては、同様に、ボールミル、ビーズミル、サンドミルなどが挙げられる。この分散後は、ろ過を適宜施すことより、所定の粒子径以外の粒子や凝集体は取り除くことができる。
また、上記無機固体電解質粒子を湿式あるいは乾式で分散させるには、各種の分散ボール、分散ビーズなどの分散メディアが使用できる。中でも高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、アルミナビーズ、スチールビーズが適している。
(正極活物質)
次に、本発明の全固体二次電池の正極活物質層を形成するための固体電解質組成物(以下、正極用組成物とも称す。)に用いられる正極活物質について説明する。
正極活物質は、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましい。その材料は、特に制限はなく、遷移金属酸化物や、硫黄などのLiと複合化できる元素などでもよい。中でも、遷移金属酸化物を用いることが好ましく、遷移金属元素としてCo、Ni、Fe、Mn、CuおよびVから選択される1種以上の元素を有することがより好ましい。
遷移金属酸化物の具体例としては、(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物、(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物、(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物、(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物、(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物等が挙げられる。
次に、本発明の全固体二次電池の正極活物質層を形成するための固体電解質組成物(以下、正極用組成物とも称す。)に用いられる正極活物質について説明する。
正極活物質は、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましい。その材料は、特に制限はなく、遷移金属酸化物や、硫黄などのLiと複合化できる元素などでもよい。中でも、遷移金属酸化物を用いることが好ましく、遷移金属元素としてCo、Ni、Fe、Mn、CuおよびVから選択される1種以上の元素を有することがより好ましい。
遷移金属酸化物の具体例としては、(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物、(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物、(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物、(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物、(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物等が挙げられる。
(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiCoO2(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi2O2(ニッケル酸リチウム)LiNi0.85Co0.10Al0.05O2(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、LiNi0.5Mn0.5O2(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiMn2O4(マンガン酸リチウム[LMO])、LiCoMnO4、Li2FeMn3O8、Li2CuMn3O8、Li2CrMn3O8、Li2NiMn3O8が挙げられる。
(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物としては、例えば、LiFePO4、Li3Fe2(PO4)3等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP2O7等のピロリン酸鉄類、LiCoPO4等のリン酸コバルト類、Li3V2(PO4)3(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物としては、例えば、Li2FePO4F等のフッ化リン酸鉄塩、Li2MnPO4F等のフッ化リン酸マンガン塩、Li2CoPO4F等のフッ化リン酸コバルト類が挙げられる。
(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物としては、例えば、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4、Li2CoSiO4等が挙げられる。
(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiMn2O4(マンガン酸リチウム[LMO])、LiCoMnO4、Li2FeMn3O8、Li2CuMn3O8、Li2CrMn3O8、Li2NiMn3O8が挙げられる。
(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物としては、例えば、LiFePO4、Li3Fe2(PO4)3等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP2O7等のピロリン酸鉄類、LiCoPO4等のリン酸コバルト類、Li3V2(PO4)3(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物としては、例えば、Li2FePO4F等のフッ化リン酸鉄塩、Li2MnPO4F等のフッ化リン酸マンガン塩、Li2CoPO4F等のフッ化リン酸コバルト類が挙げられる。
(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物としては、例えば、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4、Li2CoSiO4等が挙げられる。
本発明の固体電解質組成物に使用することができる正極活物質の体積平均粒子径(球換算平均粒子径)は特に限定されない。なお、0.1μm〜50μmが好ましい。正極活物質を所定の粒子径にするには、通常の粉砕機や分級機を用いればよい。焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。正極活物質の体積平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて測定することができる。
正極活物質の濃度は特に限定されないが、正極用組成物中、固形成分100質量%において、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
上記正極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(負極活物質)
本発明の固体電解質組成物には、負極活物質を含有させてもよい。それにより、負極材料用の組成物とすることができる。負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましい。その材料は、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が信頼性の点から好ましく用いられる。また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であることが好ましい。その材料は、特には制限されないが、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
本発明の固体電解質組成物には、負極活物質を含有させてもよい。それにより、負極材料用の組成物とすることができる。負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましい。その材料は、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が信頼性の点から好ましく用いられる。また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であることが好ましい。その材料は、特には制限されないが、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、及びPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度により難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることもできる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。炭素質材料は、単一の材料である必要はなく、特開平5−90844号公報記載の天然黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報記載の被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
負極活物質として適用される金属酸化物及び金属複合酸化物としては、特に非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイトも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であるのが好ましく、5倍以下であるのがより好ましく、結晶性の回折線を有さないことが特に好ましい。
上記非晶質酸化物及びカルコゲナイドからなる化合物群のなかでも、半金属元素の非晶質酸化物、及びカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの一種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、及びカルコゲナイドが特に好ましい。好ましい非晶質酸化物及びカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga2O3、SiO、GeO、SnO、SnO2、PbO、PbO2、Pb2O3、Pb2O4、Pb3O4、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、Bi2O3、Bi2O4、SnSiO3、GeS、SnS、SnS2、PbS、PbS2、Sb2S3、Sb2S5、SnSiS3などが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、Li2SnO2であってもよい。
負極活物質の平均粒子径は、活物質層/無機固体電解質層の界面粗さへ影響を考慮し、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましく、1μm以上が特に好ましい。上限としては100μm以下が好ましく、50以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、5μm以下が特に好ましい。所定の粒子径にするには、よく知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒子径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。
上記焼成法により得られた化合物の化学式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
Sn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極活物質に併せて用いることができる負極活物質としては、リチウムイオン又はリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金可能な金属が好適に挙げられる。
負極活物質はチタン原子を含有することが好ましい。より具体的にはLi4Ti5O12がリチウムイオンの吸蔵放出時の体積変動が小さいことから急速充放電特性に優れ、電極の劣化が抑制されリチウムイオン二次電池の寿命向上が可能となる点で好ましい。特定の負極と更に特定の電解液を組合せることにより、様々な使用条件においても二次電池の安定性が向上する。
負極活物質の濃度は特に限定されないが、固体電解質組成物中、固形成分100質量%において、10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましい。
なお、上記の実施形態では、本発明に係る固体電解質組成物に正極活物質ないし負極活物質を含有させる例を示したが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。例えば、無機固体電解質粒子を含まない組成物として正極活物質ないし負極活物質を含むペーストを調製してもよい。また、正極および負極の活物質層には、適宜必要に応じて導電助剤を含有させてもよい。一般的な電子伝導性材料として、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどの炭素繊維や金属粉、金属繊維、ポリフェニレン誘導体などを含ませることができる。
上記負極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記負極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<集電体(金属箔)>
正・負極の集電体としては、化学変化を起こさない電子伝導体が用いられることが好ましい。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体としては、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
正・負極の集電体としては、化学変化を起こさない電子伝導体が用いられることが好ましい。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体としては、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
上記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。上記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1μm〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
<全固体二次電池の作製>
全固体二次電池の作製は常法によればよい。具体的には、上記固体電解質組成物を集電体となる金属箔上に塗布し膜を形成した電池用電極シートとする方法が挙げられる。例えば、金属箔上に正極材料となる組成物を塗布し、膜形成する。次いでその電池用電極シートの正極活物質層の上面に無機固体電解質の組成物を塗布し、膜形成する。さらに、同様にして負極の活物質の膜を形成して負極側の集電体(金属箔)を付与することで、所望の全固体二次電池の構造を得ることができる。なお、上記の各組成物の塗布方法は常法によればよい。このとき、正極活物質層をなす組成物、無機固体電解質層をなす組成物、及び負極活物質層をなす組成物のそれぞれの塗布の後に、加熱処理を施すことが好ましい。加熱温度は特に限定されないが、30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。上限は、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。このような温度範囲で加熱することで、バインダーを好適に軟化させることができる。これにより、全固体二次電池において、良好な結着性と非加圧でのイオン伝導性を得ることができる。
全固体二次電池の作製は常法によればよい。具体的には、上記固体電解質組成物を集電体となる金属箔上に塗布し膜を形成した電池用電極シートとする方法が挙げられる。例えば、金属箔上に正極材料となる組成物を塗布し、膜形成する。次いでその電池用電極シートの正極活物質層の上面に無機固体電解質の組成物を塗布し、膜形成する。さらに、同様にして負極の活物質の膜を形成して負極側の集電体(金属箔)を付与することで、所望の全固体二次電池の構造を得ることができる。なお、上記の各組成物の塗布方法は常法によればよい。このとき、正極活物質層をなす組成物、無機固体電解質層をなす組成物、及び負極活物質層をなす組成物のそれぞれの塗布の後に、加熱処理を施すことが好ましい。加熱温度は特に限定されないが、30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。上限は、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。このような温度範囲で加熱することで、バインダーを好適に軟化させることができる。これにより、全固体二次電池において、良好な結着性と非加圧でのイオン伝導性を得ることができる。
以下に、固体電解質組成物の製造方法を、全固体電池作製プロセスの一例を示すことで、より詳細に説明する。なお、以下では、固体電解質組成物の分散に関して記載するが、無機固体電解質の粉砕処理については、前述の無機固体電解質粒子の粉砕処理での記載が好ましく適用される。
(分散)
本発明の固体電解質組成物は、機械分散または粉砕処理を行ってもよい。固体電解質組成物中の無機固体電解質を粉砕する方法としては、例えば機械分散法が挙げられる。機械分散法としては、ボールミル、ビーズミル、プラネタリミキサ―、ブレードミキサ―、ロールミル、ニーダー、ディスクミル等が用いられる。
本発明の固体電解質組成物は、機械分散または粉砕処理を行ってもよい。固体電解質組成物中の無機固体電解質を粉砕する方法としては、例えば機械分散法が挙げられる。機械分散法としては、ボールミル、ビーズミル、プラネタリミキサ―、ブレードミキサ―、ロールミル、ニーダー、ディスクミル等が用いられる。
ボールミルによる分散の場合、ボールミルのボールの材質は、メノー、シンタードアルミナ、タングステンカーバイト、クローム鋼、ステンレンススチール、ジルコニア、プラスチックポリアミド、ナイロン、窒化珪素、テフロン(登録商標)等が挙げられる。ボールミルの分散中、使用するボールは同一のものを用いてもよいし、異なるボールを2種以上用いてもよい。また、分散の途中で、ボールを追加することや、形状・大きさ・材質の異なるボールに変更してもよい。容器に対する好ましいボールの量は特に指定されず、満充填してもよい。固体電解質組成物の分散物中には、機械分散による衝撃で発生するボールや装置由来のコンタミの量は特に指定されない。コンタミ量は10ppm以下に抑えることもできる。
機械分散または粉砕処理において、無機固体電解質は単一または2種以上を同時に分散することもできる。分散は1段階であっても2段階以上であってもよい。また、各段階の間で正極もしくは負極活物質、無機固体電解質、バインダー、分散剤、分散媒体、導電助剤、リチウム塩等の添加をすることもできる。分散を多段階で行う場合、各段階での分散に係る装置のパラメータ(分散時間、分散スピード、分散基材等)を変えることもできる。
分散方法は分散媒体を含有する湿式分散であっても、分散媒体を有さない乾式分散であってもよいが、本発明では湿式分散である。
分散方法は分散媒体を含有する湿式分散であっても、分散媒体を有さない乾式分散であってもよいが、本発明では湿式分散である。
一般に、分散媒体は分散中に無機固体電解質の一部を溶かすものであってもよい。この場合、溶解部は乾燥時に加熱することで元の無機固体電解質に再生することもできる。ままた、分散媒体が含水溶媒(水分100ppm以上)の場合においても、分散後に加熱乾燥または真空加熱乾燥して無機固体電解質を再生させることもできる。
分散時間は特に指定されないが一般的には10秒から10日である。分散温度も特に指定されないが一般的には−50℃から100℃の範囲である。
上記のように分散された無機固体電解質の体積平均粒子径は、特に制限されるものではないが、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。上限としては、500μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μmがさらに好ましく、10μm以下が特に好ましく、5μm以下が最も好ましい。体積平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて測定することができる。
無機固体電解質は分散工程の前後で元の形状を維持していてもよいし、形状が変化していてもよい。
無機固体電解質は分散工程の前後で元の形状を維持していてもよいし、形状が変化していてもよい。
本発明の固体電解質分散物を使用して、電池用電極シート、固体電解質シートなどの電池用シート、さらには全固体二次電池を製造する場合、上記の本発明の固体電解質組成物の製造方法における乾燥は、直ちに乾燥させるのではなく、塗布後に、塗布膜を形成した後に乾燥させるのが好ましい。乾燥方法は、送風乾燥、加熱乾燥、真空乾燥などいずれの方法も用いることができる。
以下に、本発明の固体電解質分散物を使用した全固体電池作製プロセスをさらに説明する。
(塗布)
塗布する固体電解質組成物は、上記で調製した固体電解質組成物の分散物をそのまま使用してもよいが、上記分散操作で用いた分散媒体またはこれとは異なる溶媒を追加したり、一度乾燥させた後、上記分散操作で用いた分散媒体とは異なる分散媒体で再分散させてもよい。
塗布に使用する固体電解質組成物は、分散過程の違いにより、粒子の分散度や体積平均粒子径の異なる2種類以上のスラリーを混合して調整してもよい。
塗布に使用する固体電解質組成物は、無機固体電解質と分散媒体のみを分散させた後、正極もしくは負極活物質を後添加してもよいし、正極もしくは負極活物質と無機固体電解質および分散媒体を一括で分散してもよい。ここで、バインダー等の添加剤を使用する場合、バインダー等の添加剤の添加は、無機固体電解質の分散前でもよいし、後でもよい。
塗布する固体電解質組成物は、上記で調製した固体電解質組成物の分散物をそのまま使用してもよいが、上記分散操作で用いた分散媒体またはこれとは異なる溶媒を追加したり、一度乾燥させた後、上記分散操作で用いた分散媒体とは異なる分散媒体で再分散させてもよい。
塗布に使用する固体電解質組成物は、分散過程の違いにより、粒子の分散度や体積平均粒子径の異なる2種類以上のスラリーを混合して調整してもよい。
塗布に使用する固体電解質組成物は、無機固体電解質と分散媒体のみを分散させた後、正極もしくは負極活物質を後添加してもよいし、正極もしくは負極活物質と無機固体電解質および分散媒体を一括で分散してもよい。ここで、バインダー等の添加剤を使用する場合、バインダー等の添加剤の添加は、無機固体電解質の分散前でもよいし、後でもよい。
塗布は湿式塗布および乾式塗布のいずれでもよい。ロッドバーコーティング(バーコート法)、リバースロールコーティング、ダイレクトロールコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、エクストルージョンコーティング、カーテンコーティング、グラビアコーティング、ディップコーティング、スクイーズコーティングなどを用いることができる。
塗布のスピードは無機固体電解質組成物の粘度によって変更することができる。
塗布膜は塗布の始まりから終わりまで均一な膜厚であることが望ましい。バーコート法を用いた塗布の場合、一般的には塗布の最初は厚く終わりになるに従って薄くなる。また中心部よりも周辺部に従って薄くなる傾向がある。これらを防ぐためにバーコートと塗布台のクリアランスが塗り始めよりも塗り終わりにしたがって大きくなるように設計することもできる。具体的には、塗布台にスリットが彫られており、塗布初期に比べ後期においてスリット溝が深くなるような設計が考えられる。ここで、スリット上に被塗布支持体を設置する。塗布バーは塗布台に対して水平を維持する。このようにすることで徐々にクリアランスを広くすることができる。また、塗膜が乾燥しきらないうちに振動を与え、塗膜の膜厚バラつきを均質化する方法もある。
正極活物質層、無機固体電解層および負極活物質層を乾燥させながら段階的に塗布したり、複数の異なる層を湿式のまま重層塗布を行うこともできる。異なる層を塗布する場合には隣接する層とは異なる溶媒または分散媒体で塗布することもできる。
塗布のスピードは無機固体電解質組成物の粘度によって変更することができる。
塗布膜は塗布の始まりから終わりまで均一な膜厚であることが望ましい。バーコート法を用いた塗布の場合、一般的には塗布の最初は厚く終わりになるに従って薄くなる。また中心部よりも周辺部に従って薄くなる傾向がある。これらを防ぐためにバーコートと塗布台のクリアランスが塗り始めよりも塗り終わりにしたがって大きくなるように設計することもできる。具体的には、塗布台にスリットが彫られており、塗布初期に比べ後期においてスリット溝が深くなるような設計が考えられる。ここで、スリット上に被塗布支持体を設置する。塗布バーは塗布台に対して水平を維持する。このようにすることで徐々にクリアランスを広くすることができる。また、塗膜が乾燥しきらないうちに振動を与え、塗膜の膜厚バラつきを均質化する方法もある。
正極活物質層、無機固体電解層および負極活物質層を乾燥させながら段階的に塗布したり、複数の異なる層を湿式のまま重層塗布を行うこともできる。異なる層を塗布する場合には隣接する層とは異なる溶媒または分散媒体で塗布することもできる。
無機固体電解質層で使用する無機固体電解質は、前述の硫化物系無機固体電解質と酸化物系無機固体電解質、元素組成および結晶構造において、1種であっても2種以上であってもよい。また、電極層(正極もしくは負極活物質層)に接する部分と無機固体電解質層内部で異なる無機固体電解質を用いてもよい。
(乾燥)
塗布により作製した電池用電極シート、固体電解質シート、それらを組み合わせた2層以上のシートおよび電池シートは塗布溶媒または分散媒体を乾燥させる。乾燥方法は、送風乾燥、加熱乾燥、真空乾燥などいずれの方法も用いることができる。
塗布により作製した電池用電極シート、固体電解質シート、それらを組み合わせた2層以上のシートおよび電池シートは塗布溶媒または分散媒体を乾燥させる。乾燥方法は、送風乾燥、加熱乾燥、真空乾燥などいずれの方法も用いることができる。
(プレス)
塗布して電池用電極シートを形成または全固体二次電池を作製した後に加圧してもよい。加圧方法としては油圧シリンダープレス機等が挙げられる。加圧の圧力としては一般的には50MPa〜1500MPaの範囲である。加圧と同時に加熱を行ってもよい。加熱温度としては一般的には30℃〜300℃の範囲である。
また、無機固体電解質のガラス転移温度よりも高い温度でプレスすることもできる。一方、無機固体電解質とバインダーが共存する場合、バインダーのガラス転移温度よりも高い温度でプレスすることもできる。ただし、一般的にはバインダーの融点を越えない温度である。
加圧は塗布溶媒または分散媒体をあらかじめ乾燥させた状態で行ってもよいし、溶媒または分散媒体が残存している状態で行ってもよい。
塗布して電池用電極シートを形成または全固体二次電池を作製した後に加圧してもよい。加圧方法としては油圧シリンダープレス機等が挙げられる。加圧の圧力としては一般的には50MPa〜1500MPaの範囲である。加圧と同時に加熱を行ってもよい。加熱温度としては一般的には30℃〜300℃の範囲である。
また、無機固体電解質のガラス転移温度よりも高い温度でプレスすることもできる。一方、無機固体電解質とバインダーが共存する場合、バインダーのガラス転移温度よりも高い温度でプレスすることもできる。ただし、一般的にはバインダーの融点を越えない温度である。
加圧は塗布溶媒または分散媒体をあらかじめ乾燥させた状態で行ってもよいし、溶媒または分散媒体が残存している状態で行ってもよい。
加圧中の雰囲気としては大気下、乾燥空気下(露点−20℃以下)、不活性ガス中(たとえばアルゴン、ヘリウム、窒素)などいずれでもよい。
プレス時間は短時間(例えば数時間以内)で高い圧力をかけてもよいし、長時間(1日以上)かけて中程度の圧力をかけてもよい。電池用電極シートまたは固体電解質シート以外、例えば全固体二次電池の場合には、中程度の圧力をかけ続けるために、全固体二次電池の拘束具(ネジ締め圧等)を用いることもできる。
プレス圧は塗布シート面に対して均一であっても異なる圧であってもよい。
プレス圧は被圧部の面積や膜厚に応じて変化させることができる。また同一部位を段階的に異なる圧力で変えることもできる。
プレス面は平滑であっても粗面化されていてもよい。
プレス時間は短時間(例えば数時間以内)で高い圧力をかけてもよいし、長時間(1日以上)かけて中程度の圧力をかけてもよい。電池用電極シートまたは固体電解質シート以外、例えば全固体二次電池の場合には、中程度の圧力をかけ続けるために、全固体二次電池の拘束具(ネジ締め圧等)を用いることもできる。
プレス圧は塗布シート面に対して均一であっても異なる圧であってもよい。
プレス圧は被圧部の面積や膜厚に応じて変化させることができる。また同一部位を段階的に異なる圧力で変えることもできる。
プレス面は平滑であっても粗面化されていてもよい。
(貼り合わせ)
異なる層を貼り合わせる際には双方の接する面が有機溶剤および有機物等により濡れていることも好ましい。電極間の貼り合わせにおいては、固体電解質層を両方の層もしくは片方の層に塗布し、それらが乾く前に貼り合わせてもよい。
貼り合わせ時の温度は、室温でもそれ以上の温度として無機固体電解質のガラス転移温度に近くてもよい。
異なる層を貼り合わせる際には双方の接する面が有機溶剤および有機物等により濡れていることも好ましい。電極間の貼り合わせにおいては、固体電解質層を両方の層もしくは片方の層に塗布し、それらが乾く前に貼り合わせてもよい。
貼り合わせ時の温度は、室温でもそれ以上の温度として無機固体電解質のガラス転移温度に近くてもよい。
(初期化)
プレス圧を高めた状態で初充放電を行い、その後、全固体二次電池の一般使用圧力になるまで圧力を開放する。
プレス圧を高めた状態で初充放電を行い、その後、全固体二次電池の一般使用圧力になるまで圧力を開放する。
<筐体>
上記の各部材を配置して全固体二次電池の基本構造を有する電極シートを作製することができる。用途によってはこのまま全固体二次電池として使用してもよいが、乾電池の形態とするためにはさらに適当な筐体に封入して用いる。筐体は、金属性もものであっても、樹脂(プラスチック)製のものであってもよい。金属性のものを用いる場合には、例えば、アルミニウム合金や、ステンレス製のものを挙げることができる。金属性の筐体は、正極側の筐体と負極側の筐体に分けて、それぞれ正極集電体および負極集電体と電気的に接続させる。正極側の筐体と負極側の筐体とは、短絡防止用のガスケットを介して接合され、一体化される。
上記の各部材を配置して全固体二次電池の基本構造を有する電極シートを作製することができる。用途によってはこのまま全固体二次電池として使用してもよいが、乾電池の形態とするためにはさらに適当な筐体に封入して用いる。筐体は、金属性もものであっても、樹脂(プラスチック)製のものであってもよい。金属性のものを用いる場合には、例えば、アルミニウム合金や、ステンレス製のものを挙げることができる。金属性の筐体は、正極側の筐体と負極側の筐体に分けて、それぞれ正極集電体および負極集電体と電気的に接続させる。正極側の筐体と負極側の筐体とは、短絡防止用のガスケットを介して接合され、一体化される。
<全固体二次電池の用途>
本発明に係る全固体二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様は特に限定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
本発明に係る全固体二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様は特に限定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
なかでも、高容量且つ高レート放電特性が要求されるアプリケーションに適用されることが好ましい。例えば、今後大容量化が予想される蓄電設備等においては高い信頼性が必要となりさらに電池性能の両立が要求される。また、電気自動車などは高容量の二次電池を搭載し、家庭で日々充電が行われる用途が想定され、過充電時に対して一層の信頼性が求められる。本発明によれば、このような使用形態に好適に対応してその優れた効果を発揮することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、以下のような各応用形態が導かれる。
・周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの挿入放出が可能な活物質を含んでいる固体電解質組成物(正極または負極の電極用組成物)。
・上記固体電解質組成物を金属箔上に製膜した電池用電極シート。
・正極活物質層と負極活物質層と無機固体電解質層とを具備する電池用電極シートであって、上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくともいずれかが、前述の諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子を含む電池用電極シート。
・正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくとも1層がバインダーを含有する全固体二次電池。
・正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくとも1層に含まれる、前述の諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子が、酸化物系の無機固体電解質粒子である全固体二次電池。
・無機固体電解質粒子の製造方法を介して、全固体二次電池に用いる無機固体電解質粒子の組成物を調製する固体電解質組成物の製造方法。
・上記製造方法により得られる固体電解質組成物を金属箔上に配置し、これを製膜する(金属箔上に付与する)工程を含む電池用電極シートの製造方法。
・上記電池用電極シートの製造方法を介して、全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
・周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの挿入放出が可能な活物質を含んでいる固体電解質組成物(正極または負極の電極用組成物)。
・上記固体電解質組成物を金属箔上に製膜した電池用電極シート。
・正極活物質層と負極活物質層と無機固体電解質層とを具備する電池用電極シートであって、上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくともいずれかが、前述の諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子を含む電池用電極シート。
・正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくとも1層がバインダーを含有する全固体二次電池。
・正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくとも1層に含まれる、前述の諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子が、酸化物系の無機固体電解質粒子である全固体二次電池。
・無機固体電解質粒子の製造方法を介して、全固体二次電池に用いる無機固体電解質粒子の組成物を調製する固体電解質組成物の製造方法。
・上記製造方法により得られる固体電解質組成物を金属箔上に配置し、これを製膜する(金属箔上に付与する)工程を含む電池用電極シートの製造方法。
・上記電池用電極シートの製造方法を介して、全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
全固体二次電池とは、正極、負極、電解質がともに固体で構成された二次電池を言う。換言すれば、電解質としてカーボネート系の溶媒を用いるような電解液型の二次電池とは区別される。このなかで、本発明は無機全固体二次電池を前提とする。全固体二次電池には、電解質としてポリエチレンオキサイド等の高分子化合物を用いる高分子全固体二次電池と、上記のLLTやLLZ等を用いる無機全固体二次電池とに区分される。なお、無機全固体二次電池に高分子化合物を適用することは妨げられず、正極活物質、負極活物質、無機固体電解質粒子のバインダーとして高分子化合物を適用することができる。
無機固体電解質とは、上述した高分子化合物をイオン伝導媒体とする電解質(高分子電解質)とは区別されるものであり、無機化合物がイオン伝導媒体となるものである。具体例としては、上記のLLTやLLZが挙げられる。無機固体電解質は、それ自体が陽イオン(Liイオン)を放出するものではなく、イオンの輸送機能を示すものである。これに対して、電解液ないし固体電解質層に添加して陽イオン(Liイオン)を放出するイオンの供給源となる材料を電解質と呼ぶことがあるが、上記のイオン輸送材料としての電解質と区別するときにはこれを「電解質塩」または「支持電解質」と呼ぶ。電解質塩としては例えばLiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド)が挙げられる。
本発明において「組成物」というときには、2種以上の成分が均一に混合された混合物を意味する。ただし、実質的に均一性が維持されていればよく、所望の効果を奏する範囲で、一部において凝集や偏在が生じていてもよい。また、特に固体電解質組成物というときには、基本的に電解質層を形成するための材料となる組成物(典型的にはペースト状)を指し、この組成物を硬化して形成した電解質層はこれに含まれないものとする。
無機固体電解質とは、上述した高分子化合物をイオン伝導媒体とする電解質(高分子電解質)とは区別されるものであり、無機化合物がイオン伝導媒体となるものである。具体例としては、上記のLLTやLLZが挙げられる。無機固体電解質は、それ自体が陽イオン(Liイオン)を放出するものではなく、イオンの輸送機能を示すものである。これに対して、電解液ないし固体電解質層に添加して陽イオン(Liイオン)を放出するイオンの供給源となる材料を電解質と呼ぶことがあるが、上記のイオン輸送材料としての電解質と区別するときにはこれを「電解質塩」または「支持電解質」と呼ぶ。電解質塩としては例えばLiTFSI(リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド)が挙げられる。
本発明において「組成物」というときには、2種以上の成分が均一に混合された混合物を意味する。ただし、実質的に均一性が維持されていればよく、所望の効果を奏する範囲で、一部において凝集や偏在が生じていてもよい。また、特に固体電解質組成物というときには、基本的に電解質層を形成するための材料となる組成物(典型的にはペースト状)を指し、この組成物を硬化して形成した電解質層はこれに含まれないものとする。
以下に、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。以下の実施例において「部」および「%」というときには、特に断らない限り質量基準である。
固体電解質組成物の調製例
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製遊星ボールミルP−7)の粉砕槽に、表1に記載の粉砕粒子をその条件で投入し、表1に記載の無機固体電解質LLTもしくはLLZ(いずれも豊島製作所製)または硫化物(S−1)9.0g、結着剤(バインダー)としてHSBR(水添スチレンブタジエンラバー、JSR社製、商品名「ダイナロン1321P」)0.3g、粉砕媒体(分散媒体)としてトルエン15.0gを添加した。その後、装置のふたを閉め、表1に記載の回転数で90分湿式分散を行い、固体電解質組成物を得た。無機固体電解質粒子の平均粒子径は表に記載のとおりであった。粘度は、540mPa・s(25℃)であった。
なお、上記HSBRの重量分子量は200,000であり、Tgは−50℃であった。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製遊星ボールミルP−7)の粉砕槽に、表1に記載の粉砕粒子をその条件で投入し、表1に記載の無機固体電解質LLTもしくはLLZ(いずれも豊島製作所製)または硫化物(S−1)9.0g、結着剤(バインダー)としてHSBR(水添スチレンブタジエンラバー、JSR社製、商品名「ダイナロン1321P」)0.3g、粉砕媒体(分散媒体)としてトルエン15.0gを添加した。その後、装置のふたを閉め、表1に記載の回転数で90分湿式分散を行い、固体電解質組成物を得た。無機固体電解質粒子の平均粒子径は表に記載のとおりであった。粘度は、540mPa・s(25℃)であった。
なお、上記HSBRの重量分子量は200,000であり、Tgは−50℃であった。
二次電池正極用組成物の調製
プラネタリーミキサー(TKハイビスミックス、PRIMIX社製)に、コバルト酸リチウム100部、アセチレンブラック5部、上記で得られた固体電解質組成物 75部、N−メチルピロリドン270部を加え、40rpmで1時間撹拌を行なった。粘度は、120mPa・s(25℃)であった。
プラネタリーミキサー(TKハイビスミックス、PRIMIX社製)に、コバルト酸リチウム100部、アセチレンブラック5部、上記で得られた固体電解質組成物 75部、N−メチルピロリドン270部を加え、40rpmで1時間撹拌を行なった。粘度は、120mPa・s(25℃)であった。
二次電池負極用組成物の調製
プラネタリーミキサー(TKハイビスミックス、PRIMIX社製)に、グラファイト(日本黒鉛工業製の球状化黒鉛粉末)100部、アセチレンブラック5部、上記で得られた固体電解質組成物 75部、N−メチルピロリドン270部を加え、40rpmで1時間撹拌を行なった。粘度は、110mPa・s(25℃)であった。
プラネタリーミキサー(TKハイビスミックス、PRIMIX社製)に、グラファイト(日本黒鉛工業製の球状化黒鉛粉末)100部、アセチレンブラック5部、上記で得られた固体電解質組成物 75部、N−メチルピロリドン270部を加え、40rpmで1時間撹拌を行なった。粘度は、110mPa・s(25℃)であった。
二次電池用正極の作製
上記で得られた二次電池正極用組成物を厚み20μmのステンレス(SUS316L)箔上に、任意のクリアランスを有するアプリケーターにより塗布し、80℃1時間とさらに110℃1時間加熱し、塗布溶媒(分散媒体)を乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱および加圧し、二次電池用正極を得た。
上記で得られた二次電池正極用組成物を厚み20μmのステンレス(SUS316L)箔上に、任意のクリアランスを有するアプリケーターにより塗布し、80℃1時間とさらに110℃1時間加熱し、塗布溶媒(分散媒体)を乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱および加圧し、二次電池用正極を得た。
二次電池用電極シートの作製
上記で得られた二次電池用正極上に、上記で得られた固体電解質組成物を、任意のクリアランスを有するアプリケーターにより塗布し、80℃1時間とさらに110℃1時間加熱し、無機固体電解質層を形成した。その後、上記で得られた二次電池負極用組成物を無機固体電解質層上にさらに塗布し、80℃1時間とさらに110℃1時間加熱し、負極層を形成した。負極層上に厚み20μmのステンレス(SUS316L)箔を合わせ、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱および加圧し、二次電池用電極シートを得た。
得られた二次電池用電極シートは図1の構成を有し、ステンレス箔/負極活物質層/無機固体電解質層/二次電池用正極(正極活物質層/ステンレス箔)の積層構造を有する。正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の厚さは、それぞれ200μmであった。
上記で得られた二次電池用正極上に、上記で得られた固体電解質組成物を、任意のクリアランスを有するアプリケーターにより塗布し、80℃1時間とさらに110℃1時間加熱し、無機固体電解質層を形成した。その後、上記で得られた二次電池負極用組成物を無機固体電解質層上にさらに塗布し、80℃1時間とさらに110℃1時間加熱し、負極層を形成した。負極層上に厚み20μmのステンレス(SUS316L)箔を合わせ、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱および加圧し、二次電池用電極シートを得た。
得られた二次電池用電極シートは図1の構成を有し、ステンレス箔/負極活物質層/無機固体電解質層/二次電池用正極(正極活物質層/ステンレス箔)の積層構造を有する。正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の厚さは、それぞれ200μmであった。
<表の注釈>
LLT :Li0.33La0.55TiO3
LLZ :Li7La3Zr2O12
S−1 :下記で合成した硫化物系無機固体電解質(S−1)
LLT :Li0.33La0.55TiO3
LLZ :Li7La3Zr2O12
S−1 :下記で合成した硫化物系無機固体電解質(S−1)
<硫化物系無機固体電解質(S−1)の合成>
アルゴン雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、硫化リチウム(Li2S、Aldrich社製、純度>99.98%)2.42g、五硫化二リン(P2S5、Aldrich社製、純度>99%)3.90gをそれぞれ秤量し、メノウ製乳鉢に投入し、メノウ製乳棒を用いて、5分間混合した。Li2S及びP2S5はモル比でLi2S:P2S5=75:25とした。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを66個投入し、上記混合物全量を投入し、アルゴン雰囲気下で容器を完全に密閉した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、25℃、回転数510rpmで20時間メカニカルミリングを行うことで、Li−P−S系ガラスである、黄色粉体の硫化物固体電解質(S−1)6.20gを得た。
アルゴン雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、硫化リチウム(Li2S、Aldrich社製、純度>99.98%)2.42g、五硫化二リン(P2S5、Aldrich社製、純度>99%)3.90gをそれぞれ秤量し、メノウ製乳鉢に投入し、メノウ製乳棒を用いて、5分間混合した。Li2S及びP2S5はモル比でLi2S:P2S5=75:25とした。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを66個投入し、上記混合物全量を投入し、アルゴン雰囲気下で容器を完全に密閉した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、25℃、回転数510rpmで20時間メカニカルミリングを行うことで、Li−P−S系ガラスである、黄色粉体の硫化物固体電解質(S−1)6.20gを得た。
上記の結果から、本発明によれば、全固体二次電池において、改良された高いイオン伝導度を示すことが分かる。なお、比較例c03で0.20mS/cmという比較的高めの伝導度を示しているが、これは、電解質材料としてLLZを利用したためである。LLT、LLZ同士の対比により、本発明の効果は明確になる。
各パラメータの測定方法は下記のとおりである。
<粒子径の測定方法>
粒子径の測定は、レーザー回折/散乱式粒径分布測定装置(日機装製、マイクロトラックMT3000[商品名])を用いて行った。手順は以下のとおりである。無機固体電解質粒子分散物を20mlサンプル瓶に分取し、トルエンにより固形成分濃度が0.2質量%になるように希釈調整した。温度25℃で2mlの測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、得られた体積基準の算術平均を平均粒子径とした。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8825:2013「粒子径解析レーザー回折・散乱法」の記載を参照した。1水準につき5つの試料を作製しその平均値を採用した。
<粒子径の測定方法>
粒子径の測定は、レーザー回折/散乱式粒径分布測定装置(日機装製、マイクロトラックMT3000[商品名])を用いて行った。手順は以下のとおりである。無機固体電解質粒子分散物を20mlサンプル瓶に分取し、トルエンにより固形成分濃度が0.2質量%になるように希釈調整した。温度25℃で2mlの測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、得られた体積基準の算術平均を平均粒子径とした。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8825:2013「粒子径解析レーザー回折・散乱法」の記載を参照した。1水準につき5つの試料を作製しその平均値を採用した。
<イオン伝導度の測定>
上記で得られた二次電池用電極シートを直径14.5mmの円板状に切り出し、スペーサーとワッシャーを組み込んだステンレス製の2032型コインケースに入れて、コイン電池を作製した。図6に示すように、コイン電池の外部より、電極間に圧力をかけることができるジグに挟み、電極間の圧力は500kgf/cm2となるように拘束圧をかけ、コイン電池を作製した。
なお、図6において、11が上部支持板、12が下部支持板、13がコイン電池、14がコインケース、15が電極シート(二次電池用電極シート)、Sがネジである。
上記で得られた二次電池用電極シートを直径14.5mmの円板状に切り出し、スペーサーとワッシャーを組み込んだステンレス製の2032型コインケースに入れて、コイン電池を作製した。図6に示すように、コイン電池の外部より、電極間に圧力をかけることができるジグに挟み、電極間の圧力は500kgf/cm2となるように拘束圧をかけ、コイン電池を作製した。
なお、図6において、11が上部支持板、12が下部支持板、13がコイン電池、14がコインケース、15が電極シート(二次電池用電極シート)、Sがネジである。
上記で得られたコイン電池を用いて、30℃の恒温槽中、SOLARTRON社製 1255B FREQUENCY RESPONSE ANALYZER(商品名)を用いて電圧振幅5mV、周波数1MHz〜1Hzまで交流インピーダンス測定した。これにより試料の膜厚方向の抵抗を求め、下記式(4)により計算して求めた。
イオン伝導度(mS/cm)=
1000×試料膜厚(cm)/(抵抗(Ω)×試料面積(cm2))・・・式(4)
1000×試料膜厚(cm)/(抵抗(Ω)×試料面積(cm2))・・・式(4)
<分子量>
本発明において高分子化合物(ポリマー)の分子量については、特に断らない限り、重量平均分子量をいい、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって下記の標準試料換算で計測した値を採用する。測定装置および測定条件としては、下記条件1によることを基本とし、試料の溶解性等により条件2とすることを許容する。ただし、ポリマー種によっては、さらに適宜適切なキャリア(溶離液)およびそれに適合したカラムを選定して用いてもよい。
(条件1)
測定機器:EcoSEC HLC−8320(商品名、東ソー社製)
カラム:TOSOH TSKgel Super HZM−H、
TOSOH TSKgel Super HZ4000、
TOSOH TSKgel Super HZ2000
をつないだカラムを用いる
キャリア:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0ml/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
標準試料:ポリスチレン
(条件2)
測定機器:EcoSEC HLC−8320(商品名、東ソー社製)
カラム:TOSOH TSKgel Super AWM−Hを2本つなげる
キャリア:10mM LiBr/N−メチルピロリドン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0ml/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
標準試料:ポリスチレン
本発明において高分子化合物(ポリマー)の分子量については、特に断らない限り、重量平均分子量をいい、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって下記の標準試料換算で計測した値を採用する。測定装置および測定条件としては、下記条件1によることを基本とし、試料の溶解性等により条件2とすることを許容する。ただし、ポリマー種によっては、さらに適宜適切なキャリア(溶離液)およびそれに適合したカラムを選定して用いてもよい。
(条件1)
測定機器:EcoSEC HLC−8320(商品名、東ソー社製)
カラム:TOSOH TSKgel Super HZM−H、
TOSOH TSKgel Super HZ4000、
TOSOH TSKgel Super HZ2000
をつないだカラムを用いる
キャリア:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0ml/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
標準試料:ポリスチレン
(条件2)
測定機器:EcoSEC HLC−8320(商品名、東ソー社製)
カラム:TOSOH TSKgel Super AWM−Hを2本つなげる
キャリア:10mM LiBr/N−メチルピロリドン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0ml/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
標準試料:ポリスチレン
<粘度の測定>
試料組成物 1mLを用い、その粘度を、東京計器社製のB型粘度計BL2(商品名)で測定した。サンプルは予め測定開始温度にて温度が一定となるまで保温しておき、測定はその後に開始した。測定温度は25℃とした。詳細な測定条件等は、JISZ8803:2011 9 「単一円筒形回転粘度計による粘度測定方法」の記載を参照した。1水準につき5回測定し、その平均値を採用した。
試料組成物 1mLを用い、その粘度を、東京計器社製のB型粘度計BL2(商品名)で測定した。サンプルは予め測定開始温度にて温度が一定となるまで保温しておき、測定はその後に開始した。測定温度は25℃とした。詳細な測定条件等は、JISZ8803:2011 9 「単一円筒形回転粘度計による粘度測定方法」の記載を参照した。1水準につき5回測定し、その平均値を採用した。
<膜厚の測定>
JISK5600−1−7:2014に準じて、試験片(固体電解質層、活物質層)の膜厚を、塗布厚みとしてセイコーEM製の計太郎(商品名)で測定した。なお、電池を分解した場合は走査型顕微鏡か日立製卓上顕微鏡MiniscopeTM1000(商品名)で破断面を出して計測することができる。1水準につき5つの試験片を作製し、各2点、合計10点の計測を行い、その平均値を採用した。
JISK5600−1−7:2014に準じて、試験片(固体電解質層、活物質層)の膜厚を、塗布厚みとしてセイコーEM製の計太郎(商品名)で測定した。なお、電池を分解した場合は走査型顕微鏡か日立製卓上顕微鏡MiniscopeTM1000(商品名)で破断面を出して計測することができる。1水準につき5つの試験片を作製し、各2点、合計10点の計測を行い、その平均値を採用した。
1 負極集電体
2 負極活物質層
3 無機固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 作動部位
10 全固体二次電池
11 上部支持板
12 下部支持板
13 コイン電池
14 コインケース
15 電極シート
S ネジ
21 蓋体
20、30 粉砕機
22、32 容器
23 粉砕粒子
24 混合液
23a 粉砕粒子の充填位置
24a 混合液の充填位置
25、35 空間
V 粉砕槽
r 回転
2 負極活物質層
3 無機固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 作動部位
10 全固体二次電池
11 上部支持板
12 下部支持板
13 コイン電池
14 コインケース
15 電極シート
S ネジ
21 蓋体
20、30 粉砕機
22、32 容器
23 粉砕粒子
24 混合液
23a 粉砕粒子の充填位置
24a 混合液の充填位置
25、35 空間
V 粉砕槽
r 回転
Claims (20)
- 正極活物質層と、負極活物質層と、これらの正負極活物質層間の無機固体電解質層とを有する全固体二次電池であって、
上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくともいずれかの層に下記諸元Aを全て満たす無機固体電解質粒子が含まれる全固体二次電池。
<諸元A>
・無機固体電解質粒子の投影粒子の周囲長をLとする
・無機固体電解質粒子の投影粒子の断面積をAとする
・以下の式(1)で表される凹凸係数FUが0.85以上1以下の範囲にある
FU=4πA/L2・・・(1) - 上記無機固体電解質粒子の平均粒子径が1μm以上10μm以下である請求項1に記載の全固体二次電池。
- 上記無機固体電解質粒子のD90が2μm以上20μm以下である請求項1または2に記載の全固体二次電池。
- 上記無機固体電解質粒子のフェレ径で評価される扁平率が1.2以上1.76以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
- 上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の厚さがそれぞれ1μm以上1000μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
- 上記正極活物質層、負極活物質層、および無機固体電解質層の少なくとも1層がバインダーを含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
- 上記無機固体電解質粒子が酸化物系の無機固体電解質粒子である請求項1〜6のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
- 上記酸化物系の無機固体電解質粒子が下記式の化合物から選ばれる請求項7に記載の全固体二次電池。
・LixcLayaTiO3
xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7
・Li7La3Zr2O12
・Li3.5Zn0.25GeO4
・LiTi2P3O12、
・Li1+xb+yb(Al,Ga)xb(Ti,Ge)2−xbSiybP3−ybO12
0≦xb≦1、0≦yb≦1
・Li3PO4
・LiPON
・LiPOD
Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、及びAu
から選ばれた少なくとも1種
・LiAON
Aは、Si、B、Ge、Al、C及びGaから選ばれた
少なくとも1種 - 上記無機固体電解質粒子が硫化物系の無機固体電解質粒子である請求項1〜6のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
- 上記無機固体電解質粒子を、粉砕機の混合槽内において、粉砕粒子を含有する粉砕媒体中で撹拌粉砕して調製するに当たり、
上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の100倍以上1500倍以下のものとし、混合槽における粉砕粒子の充填率を、下記式(2)の定義に従って60%超74%以下になるようした請求項1〜9のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
充填率α=ΣZ/V0×100 ・・・ (2)
V0:混合槽内の内容積
ΣZ:混合槽内に充填される粉砕粒子の体積の総和 - 上記粉砕粒子が、メノー、アルミナ、ジルコニア、ステンレス、クローム鋼、タングステンカーバイト、および窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1種の材料を含有する請求項10に記載の全固体二次電池。
- 無機固体電解質粒子の原材料を準備する工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料と、粉砕粒子と、粉砕媒体とを、粉砕機の混合槽内に容れる工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料、粉砕粒子、および粉砕媒体を、混合槽内で撹拌する工程とを有する無機固体電解質粒子の製造方法であって、
上記混合槽における粉砕粒子の充填率を、下記式(2)の定義に従って60%超74%以下にする無機固体電解質粒子の製造方法。
充填率α=ΣZ/V0×100 ・・・ (2)
V0:混合槽内の内容積
ΣZ:混合槽内に充填される粉砕粒子の体積の総和 - 上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の100倍以上1500倍以下のものとする請求項12に記載の無機固体電解質粒子の製造方法。
- 上記硫化物系の無機固体電解質粒子を、粉砕機の混合槽内において、粉砕粒子を含有する粉砕媒体中で撹拌粉砕して調製するに当たり、
上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の1000倍以上10000倍以下のものとし、かつ上記粉砕粒子の密度を、0.9g/cm3以上2.4g/cm3以下のものとする請求項9に記載の全固体二次電池。 - 上記粉砕粒子が、熱硬化性プラスチック粒子、熱可塑性プラスチック粒子およびゴム粒子から選ばれる少なくとも1種の材料を含有する請求項14に記載の全固体二次電池。
- 無機固体電解質粒子の原材料として硫化物系無機固体電解質を準備する工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料と、粉砕粒子と、粉砕媒体とを、粉砕機の混合槽内に容れる工程と、
上記無機固体電解質粒子の原材料、粉砕粒子、および粉砕媒体を、混合槽内で撹拌する工程とを有する無機固体電解質粒子の製造方法であって、
上記粉砕粒子の密度を、0.9g/cm3以上2.4g/cm3以下のものとする無機固体電解質粒子の製造方法。 - 上記粉砕粒子の平均粒子径を、目的とする無機固体電解質粒子の平均粒子径の1000倍以上10000倍以下のものとする請求項16に記載の無機固体電解質粒子の製造方法。
- 請求項12、13、16および17のいずれか1項に記載の無機固体電解質粒子の製造方法を介して、全固体二次電池に用いる無機固体電解質粒子の組成物を調製する固体電解質組成物の製造方法。
- 請求項18に記載の製造方法により得られる固体電解質組成物を、金属箔上に付与する工程を含む電池用電極シートの製造方法。
- 請求項19に記載の電池用電極シートの製造方法を介して、全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
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