JP2016031362A - 温度測定装置 - Google Patents

温度測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016031362A
JP2016031362A JP2014263088A JP2014263088A JP2016031362A JP 2016031362 A JP2016031362 A JP 2016031362A JP 2014263088 A JP2014263088 A JP 2014263088A JP 2014263088 A JP2014263088 A JP 2014263088A JP 2016031362 A JP2016031362 A JP 2016031362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reflector
temperature
wave
sound
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014263088A
Other languages
English (en)
Inventor
田中 正吉
Masayoshi Tanaka
正吉 田中
秀樹 堀内
Hideki Horiuchi
秀樹 堀内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Radio Co Ltd filed Critical Japan Radio Co Ltd
Priority to JP2014263088A priority Critical patent/JP2016031362A/ja
Publication of JP2016031362A publication Critical patent/JP2016031362A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Abstract

【課題】請求項1及び請求項2に記載の発明本発明によれば、広範囲にわたる水中の温度分布を短時間のうちに測定することができる温度測定装置を提供することができる。請求項3及び請求項4に記載の発明によれば、無侵襲で体内の温度を測定する温度測定装置を提供することができる。【解決手段】90?以内の俯角で第2の音波を送信し、前記反射体によって反射された反射波を受信する送受波器と、水面の温度を測定する感温素子と、前記第1の受波器及び第2の受波器の各受信信号に基づいて、自装置に対する反射体の相対速度を算出する相関検出部と、前記第2の音波と前記第2の音波の反射波との周波数差からなるドップラー周波数を算出するドップラー検出部と、前記水面の温度を測定するに基づいて前記水面の音速を算出し、算出した前記水面の音速と前記相対速度と前記ドップラー周波数とに基づいて、前記反射体の表面の水温を算出する演算部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、温度測定装置に関する。
従来、温度測定装置である水温計として、プローブと呼ばれる計測器を海中に沈めて海中の水温を取得する水温計が知られている(例えば、特許文献1参照)。例えばXCTD(eXpendable Conductivity Temperature and Depth)やXBT(eXpendable Bathy Thermograph)とよばれる投下式の水温計では、水温センサを内蔵したプローブを海中に自由落下させ、船舶の航行中に海中のプローブにより水温を検出する。この種の水温計では、一度使用したプロ−ブは海中に投棄している。
また、温度測定装置である体温計として、ハイパーサーミア等の癌温熱治療では、熱電対温度計や光ファイバー温度計を直接体内治療部位に刺入することで侵襲的に体内の温度を測定する方法が用いられている。(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−188030号公報 特開平11−262501号公報
しかしながら、上述した水温計では、局所的にしか測定ができず、例えば海洋観測、漁業資源調査などのように広範囲にわたる水中の温度分布を短時間のうちに測定することができない。また、測定の度にプロ−ブを海中に投棄するため、測定回数に応じた数のプローブを要するという問題がある。
また、上述した体温計の測定方法では、体外から体内の温度計測する部位にセンサを刺入して温度を測定するため、ハイパーサーミア等の癌温熱治療中も常に体内にセンサをつけたままの状態が続き、患者にとって不快な方法であった。
請求項1及び請求項2に記載の発明の目的は、広範囲にわたる水中の温度分布を短時間のうちに測定することができる温度測定装置を提供することである。
請求項3及び請求項4に記載の発明の目的は、無侵襲で体内の温度を測定する温度測定装置を提供することである。
本発明の一態様は、水底に向けて第1の音波を送信する送波器と、前記第1の音波が異なる水深に位置している反射体によって反射された反射波を受信する第1の受波器と、前記第1の音波が異なる水深に位置している前記反射体によって反射された反射波を受信し、前記第1の受波器と異なる位置に配置された第2の受波器と、90°以内の俯角で第2の音波を送信し、前記反射体によって反射された反射波を受信する送受波器と、水面の温度を測定する感温素子と、前記第1の受波器及び第2の受波器の各受信信号に基づいて、自装置に対する前記反射体の相対速度を算出する相関検出部と、前記第2の音波と前記第2の音波の反射波との周波数差からなるドップラー周波数を算出するドップラー検出部と、前記水面の温度を測定するに基づいて前記水面の音速を算出し、算出した前記水面の音速と前記相対速度と前記ドップラー周波数とに基づいて、前記反射体の表面の水温を算出する演算部とを有する温度測定装置である。
また、本発明の一態様は、上述した温度測定装置であって、前記演算部は、以下に示す式(実施形態における式(1))により前記反射体の表面の音速を算出し、音速と水温とを表す式によって、算出した前記音速から前記反射体の表面の水温を算出する。
また、本発明の一態様は、体内に第1の音波を入射させ、前記体内の血管内を移動する反射体から反射された反射波を検出して前記反射体の速度を算出する相関検出部と、90°以内の俯角で第2の音波を送信し、前記反射体によって反射された反射波を受信する送受波器と、前記第2の音波と前記第2の音波の反射波との周波数差からなるドップラー周波数を算出するドップラー検出部と、前記反射体の速度と前記ドップラー周波数とに基づいて、前記反射体の温度を算出する演算部とを有する温度測定装置である。
また、本発明の一態様は、上述した温度測定装置であって、前記演算部は、以下に示す式(実施形態における式(38))により前記反射体の表面の音速を算出し、前記算出した前記反射体の表面の音速に基づいて、音速と前記体内の温度とを関連付けたテーブルから前記反射体の表面の温度を算出する。
請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、広範囲にわたる水中の温度分布を短時間のうちに測定することができる水温計を提供することができる。
請求項3及び請求項4に記載の発明によれば、無侵襲で体内の温度を測定する体温計を提供することができる。
第1の実施形態における水温計1の構成を概念的に示した図である。 第1の実施形態における制御部5のブロック図である。 第1の実施形態における水温変化に対する音速変化を計算した結果を示した図である。 第1の実施形態における水温計1の動作を示すフローチャートである。 音源Sと反射体Tgが同一直線上を移動する場合のドップラーシフトについて説明する図である。 音源Sと反射体Tgが同一線上を遠ざかる場合のドップラーシフトをt−z座標系にて幾何学的に示した図である。 伝搬経路Pの伝搬経路差ΔZの近傍の座標をローカル座標に変換した図である。 伝搬経路Pの伝搬経路差ΔZの近傍をローカル座標に変換した図である。 伝搬経路Pの伝搬経路差ΔZの近傍(受波点近傍)の座標をローカル座標に変換した図である。 音源Sと反射体Tgが同一線上を近づく場合のドップラーシフトをt−z座標系にて幾何学的に示した図である。 第2の実施形態における体温計1aの構成を概念的に示した図である。 第2の実施形態における制御部5のブロック図である。 第2の実施形態における体温計1aの動作を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態として、温度測定装置の1つである水温計について図を用いて説明する。図1は、第1の実施形態における水温計の構成を概念的に示した図である。
図1に示すように、本実施形態における水温計1は、相関値検出用送受波器2、相関値検出用受波器3、ドップラー周波数送受波部4及び制御部5を有する。
相関値検出用送受波器2は、船舶9に搭載されており、船舶9の船底14に設けられている。相関値検出用送受波器2は、制御部5に接続されている。相関値検出用送受波器2は、真下方向に超音波Aを送信する。送信した超音波Aは、浮遊物反射体8で反射する。相関値検出用送受波器2は、浮遊物反射体8により反射した超音波Aのエコー信号を受信する。相関値検出用送受波器2は、超音波Aのエコー信号を受信すると、受信信号sb1を生成し、受信信号sb1を制御部5に出力する。浮遊物反射体8は、プランクトンやゴミなどの水中の微小浮遊物である。
相関値検出用受波器3は、船舶9に搭載されており、船舶9の船底14に設けられている。また、相関値検出用受波器3は、相関値検出用送受波器2から船舶9の前後方向に一定距離sを離した位置に設けられている。相関値検出用受波器3は、浮遊物反射体8により反射した超音波Aのエコー信号を受信する。相関値検出用受波器3は、超音波Aのエコー信号を受信すると、受信信号sb2を生成し、受信信号sb2を制御部5に出力する。
ドップラー周波数送受波部4は、船舶9に搭載されており、船舶9の船底14に設けられている。ドップラー周波数送受波部4は、ドップラー周波数検出用送受波器6及び感温素子7を有する。ドップラー周波数検出用送受波器6は、自装置の外殻ケースの内部に圧電素子(振動子)を収容しており、その圧電素子を振動させることで、超音波を送信している。また、ドップラー周波数検出用送受波器6は、超音波により圧電素子が振動することで発生する電圧を取得することで、超音波を受信する。また、ドップラー周波数検出用送受波器6は、制御部5に接続されている。
ドップラー周波数検出用送受波器6は、俯角θで周波数f1の超音波Bを送波するとともに、浮遊物反射体8で反射した超音波Bのエコー信号を検出する。ドップラー周波数検出用送受波器6は、周波数f1を示す信号を制御部5に出力する。また、ドップラー周波数検出用送受波器6は、超音波Bのエコー信号を受信すると、受信信号sb3を生成し、受信信号sb3を制御部5に出力する。
感温素子7は、ドップラー周波数検出用送受波器6の外殻ケース内に設けられており、ドップラー周波数検出用送受波器6内のモールド材の温度を検出する、例えばサーミスタである。モールド材は、圧電素子の輻射面に設けられている、例えば、ウレタンゴム、ネオプレンゴム、音響整合層材、音響レンズ等である。感温素子7は、制御部5に接続されている。感温素子7は、検出したモールド材の温度を制御部5に出力する。
制御部5は、自装置(船舶9)の速度vs及び浮遊物反射体8の速度vを算出する。制御部5は、航法装置、例えば船舶9に設けられたGPS(Global Positioning System)機能を用いて自装置(船舶9)の速度vsを算出する。算出方法は、例えば衛星電波のドップラー効果を利用する方法や単位時間当たりの現在位置の変化から算出する方法等がある。
また、制御部5は、受信信号sb1及び受信信号sb2に基づいて、船舶9と浮遊物反射体8との相対速度vtdを算出する。そして、制御部5は、算出した相対速度vtdから上記自装置(船舶9)の速度vsを差し引くことで、浮遊物反射体8の速度vを算出する。
制御部5は、周波数f1と受信信号sb3とに基づいて、超音波Bのドップラー周波数fを算出する。そして、制御部5は、自装置(船舶9)の速度vsと浮遊物反射体8の速度vとドップラー周波数fとに基づいて、式(1)より浮遊物反射体8周囲の音速c(Q)を算出し、その音速c(Q)から浮遊物反射体8周囲の水温T(z)を取得する。
Figure 2016031362
なお、c(P)は、モールド材を伝搬する音の音速、つまり水面の音速である。式(1)は、ドップラー周波数fが水深zの位置にある浮遊物反射体8周囲の音速c(z)の関数、つまり浮遊物反射体8周囲の音速c(Q)に依存して決定される値であること示している。よって、式(1)を式(2)に変形することにより、浮遊物反射体8周囲の音速c(Q)を算出することができる。
Figure 2016031362
なお、式(1)の詳細は、後述する。
図2は、本実施形態における制御部5のブロック図である。
制御部5は、相関検出部10、ドップラー検出部11、演算部12及びデータ出力部13を有する。
相関検出部10は、相関値検出用送受波器2及び相関値検出用受波器3から受信信号sb1及び受信信号sb2を取得する。相関検出部10は、受信信号sb1を受信してから受信信号sb2を受信するまで遅延時間τを算出することで、船舶9から観測する浮遊物反射体8の相対速度vtd(z)を求める。
例えば、船舶9が速度vで走航し、浮遊物反射体8が船舶9と同じ方向に速度vで動いている場合、相関値検出用送受波器2から水底に向けて超音波A(第1の音波)が送信されると、浮遊物反射体8近傍の入射音場は、浮遊物反射体8に対してvs−vで移動していることになる。この音場は、浮遊物反射体8で反射し、船底14にある相関値検出用送受波器2及び相関値検出用受波器3に戻る。これにより、船底14近傍の音場は、船底14に対して、2(vs−v)で移動している。よって、相関検出部10が算出する遅延時間τは、s/2(vs−v)となる。つまり、(vs−v)が相対速度vtd(z)であるため、遅延時間τは、式(3)で表すことができる。相関検出部10は、取得した相対速度vtd(z)を演算部12に出力する。
Figure 2016031362
相関検出部10は、距離sが既知であるため、遅延時間τを求めることで、式(3)の変形式である式(4)より相対速度vtd(z)を算出することができる。なお、この計測原理において水中の音速の情報を必要としない。
Figure 2016031362
ドップラー検出部11は、超音波B(第2の音波)の周波数f1及び受信信号sb3を受信する。そして、ドップラー検出部11は、受信した受信信号sb3から超音波Bのエコー信号の周波数f2を算出する。ドップラー検出部11は、周波数f2−周波数f1を求めることで、水深zの浮遊物反射体8で反射することによる超音波Bのドップラー周波数fを算出する。ドップラー検出部11は、算出したドップラー周波数fを演算部12に出力する。
演算部12は、相対速度vtd(z)及びドップラー周波数fを取得する。演算部12は、相対速度vtd(z)から航法装置を用いて算出した自装置(船舶9)の速度vsを差し引くことで、浮遊物反射体8の速度vを算出する。
また、演算部12は、感温素子7からモールド材の温度を取得する。演算部12は、感温素子7からのモールド材の温度よりモールド材の音速c(P)、つまり水面の音速を算出する。俯角θは既知であるため、演算部12は、式(2)に自装置(船舶9)の速度vsと浮遊物反射体8の速度vとドップラー周波数fdと音速c(P)と俯角θとを代入することで、水深zの浮遊物反射体8周囲の音速c(z)を算出する。そして、演算部12は、音速c(z)から水深zの温度T(z)を算出する。例えば、演算部12は、式(5)に示すMackenzieの式を用いることで、水深zの水温T(z)を算出する。
Figure 2016031362
ここで、sは塩分濃度を示す。式(5)を水温Tで整理し直すと次式で表せる。
Figure 2016031362
ここで、c、c、c、cは、以下に示す式とした。
Figure 2016031362
Figure 2016031362
Figure 2016031362
Figure 2016031362
式(6)は、水温Tに関する3次方程式であるため、3次方程式の解の公式を用いることで、水温Tを求めることができる。この時、塩分濃度sは、35(0/00)としても大きな計算誤差は生じない。また、浮遊物反射体8の水深zは、水面の音速c(P)と超音波Aの送信から受信までの時間の1/2の積から決定すればよい。
図3は、式(5)を使って、水温変化に対する音速変化を計算した結果を示した図である。なお、ここで、水深z=100m、塩分濃度s=35(0/00)とした。
データ出力部13は、求めた水温Tを不図示の表示部にデジタル出力する。
次に、本実施形態の水温計1の動作について図を用いて説明する。図4は、本実施形態の水温計の動作を示すフローチャートである。
ステップS101において、相関値検出用送受波器2は、真下方向に超音波Aを送信する。また、ドップラー周波数検出用送受波器6は、俯角θで周波数f1の超音波Bを送信する。
ステップS102において、相関値検出用送受波器2は、浮遊物反射体8により反射した超音波Aのエコー信号を受信すると、受信信号sb1を生成し、受信信号sb1を相関検出部10に出力する。同様に相関値検出用受波器3は、浮遊物反射体8により反射した超音波Aのエコー信号を受信する。相関値検出用受波器3は、超音波Aのエコー信号を受信すると、受信信号sb2を生成し、受信信号sb2を相関検出部10に出力する。また、ドップラー周波数検出用送受波器6は、浮遊物反射体8で反射した超音波Bのエコー信号を検出する。ドップラー周波数検出用送受波器6は、超音波Bの送信周波数f1をドップラー検出部11に出力する。ドップラー周波数検出用送受波器6は、浮遊物反射体8により反射した超音波Bのエコー信号を受信すると、受信信号sb3を生成し、受信信号sb3をドップラー検出部11に出力する。また、感温素子7は、検出したモールド材の温度を演算部12に出力する。
ステップS103において、相関検出部10は、受信信号sb1を受信してから受信信号sb2を受信するまで遅延時間τを算出する。相関検出部10は、遅延時間τを式(4)に代入することで相対速度vtd(z)を算出し、算出した相対速度vtd(z)を演算部12に出力する。
ステップS104において、ドップラー検出部11は、受信した受信信号sb3から超音波Bのエコー信号の周波数f2を算出する。ドップラー検出部11は、周波数f2−周波数f1を求めることで、超音波Bのドップラー周波数fを算出する。ドップラー検出部11は、算出したドップラー周波数fを演算部12に出力する。
ステップS105において、演算部12は、相対速度vtd(z)及びドップラー周波数fを取得する。演算部12は、相対速度vtd(z)から航法装置を用いて算出した自装置(船舶9)の速度vsを差し引くことで、浮遊物反射体8の速度vを算出する。
また、演算部12は、感温素子7からモールド材の温度を取得する。演算部12は、感温素子7からモールド材の温度より感温素子7からモールド材周囲の音速c(P)を算出する。そして、演算部12は、式(2)に相対速度vtd(z)とドップラー周波数fと音速c(P)と俯角θとを代入することで、浮遊物反射体8周囲の音速c(z)を算出する。
ステップS106において、演算部12は、算出した音速c(z)から式(5)を用いて水深zの温度T(z)を算出する。演算部12は、算出した水深zの温度T(z)をデータ出力部13に送信する。データ出力部13は、受信した水深zの温度T(z)を不図示の表示部にデジタル出力する。
<式(1)の導出>
次に、式(1)の導出について、図を用いて説明する。まず、音源Sと反射体Tgが同一直線上を移動する場合のドップラーシフトについて説明する。図5は、音源Sと反射体Tgが同一直線上を移動する場合のドップラーシフトについて説明する図である。
図5に示すように、音源(送受波器)Sは、P点に位置している。反射体Tgは、P点からz軸の正方向に距離d離れたQ点に位置している。音源Sの移動速度(P−Q方向成分)をvs、反射体Tgの移動速度(P−Q方向成分)をvt(>vs)とする。すなわち、反射体Tgは、音源Sから遠ざかるとする。なお、音速cは位置zの関数c(z)と考え、音源Sの周囲の音速をc(P)、反射体Tgの周囲の音速をc(Q)とする。同様に流速uも位置zの関数u(z)と考え、音源Sの周囲の流速(P−Q方向成分)をu(P)、反射体周囲の流速(P−Q方向成分)をu(Q)とする。
図6は、音源Sと反射体Tgが同一線上を遠ざかる場合のドップラーシフトをt−z座標系にて幾何学的に示した図である。
時間t=0において、音源Sから時間長Tのパルス波が反射体Tgに向けて送信されたとする。時間原点t=0に送信されたパルス波の先頭位置zは、次式で与えられる。
Figure 2016031362
式(11)は、c(z)とu(z)とが具体的に与えられれば、zの変数tに関する微分方程式と考えられ、それを解くことによって先頭位置zが確定する。
一方、反射体Tgの位置zは、次式で与えられる。
Figure 2016031362
また、送信波の後端の位置zeは、次式で与えられる。
Figure 2016031362
ここで、図6に示すように、パルス波の先頭位置zが反射体Tgに向かう往きの伝搬経路を経路P、パルス波の後端位置zeが反射体Tgに向かう往きの伝搬経路を経路Pとし、PとPとを比較すると、共通の伝搬経路と異なる伝搬経路差ΔZ及び伝搬経路差ΔZが存在することが分かる。また、パルス波の先頭位置zが反射体Tgで反射し、音源Sに向かう帰りの伝搬経路を経路P、パルス波の後端位置zeが反射体Tgで反射し、音源Sに向かう帰りの伝搬経路を経路Pとし、経路Pと経路Pとを比較すると、共通の伝搬経路と異なる伝搬経路差ΔZ及び伝搬経路差ΔZが存在する。この異なる伝搬経路によって発生する伝搬時間の増減は、パルス波形の時間幅の伸縮を引き起こす。そして、このパルス波形の時間幅の伸縮がドップラーシフトをもたらす。すなわち、このパルス波形の時間幅の伸縮を求めることで、ドップラー周波数fを算出することができる。以下に、パルス波形の時間幅の伸縮を求める。
まず、送信波が反射体Tgに到達したときのパルス時間幅Txを求める。
音源位置Sの近傍と反射体Tgの近傍とを除いた伝搬経路上(共通の伝搬経路)の位置座標zにおいて、往きのパルス時間幅(パルス波形の先端位置の時刻とパルス波形の後端位置の時刻との差)をTrとすると、Trは、次式で与えられる。
Figure 2016031362
また、図6に示すように、送信時のパルス波において、経路Pと経路Pとの伝搬経路差ΔZにおいて発生する先頭位置zと後端位置zとの間の伝搬時間差ΔTは、次式で与えられる。
Figure 2016031362
なお、Trは、音速c(z)と流速u(z)が位置座標zで変化している場合であっても位置座標zによらず一定であり変化しないと考えられる。これは、パルス波形の先頭と後端とが同じ伝搬経路を通過する場合、ある固定点を通過するパルス時間幅は不変と考えられるからである。
次に、図6に示すように、反射体Tgの位置zにおける経路Pと経路Pとの異なる伝搬経路によって生ずる伝搬時間差を伝搬時間差ΔT(往き)、伝搬経路差を伝搬経路差ΔZとする。後述するように、パルス波の往きと帰りとでは伝搬速度が異なるので、ΔTはΔT(往き)とΔT(帰り)を区別しなければならない。ここで、図7は、経路Pの伝搬経路差ΔZの近傍の座標を、式(12)とパルス波の先頭位置zとの交点を原点とするローカル座標に変換した図である。このローカル座標に変換することで、反射体Tgの位置zは、式(12)から式(16)に変換することができる。また、同様に、パルス波の後端位置zeは、式(13)から式(17)に変換することができる。
Figure 2016031362
Figure 2016031362
パルス波の後端位置zeが反射体Tgで反射した際のパルス時間幅Txを算出するために、反射体の位置zとパルス波の後端位置zeと等しいとすると、パルス時間幅Txを次式で表せる。
Figure 2016031362
式(18)に式(14)及び式(15)を代入すると、パルス時間幅Txは次式で表せる。
Figure 2016031362
次に、帰りの伝搬路、すなわちパルス波の先頭位置zの伝搬経路である経路Pとパルス波の後端位置zeの伝搬経路である経路Pとで発生するパルス波形の時間幅の伸縮を求める。
図6に示すように、帰りの共通伝搬経路上のある位置zの帰りのパルス時間幅(パルス波形先頭の観測時刻とパルス波形後端の観測時刻の差)をパルス時間幅Trrとする。ここで、図8は、経路Pの伝搬経路差ΔZの近傍の座標を、式(12)とパルス波の先頭位置zとの交点を原点としてローカル座標に変換した図である。
ここで、帰りの伝搬経路において、音速c(z)はスカラーであるが、流速u(z)は向きをもったベクトルである。すなわち、帰りのパルス波の伝搬速度はc(z)−u(z)となる。図8に示すように、反射体Tgの位置zとパルス波の後端位置zeは、(Tx、ΔZ)で交叉している。このとき、パルス波の後端位置zeとt軸との交点(Trr、0)を求める。経路Pは次式で与えられる。
Figure 2016031362
パルス波の後端位置ze=0として、式(20)をtについて解くと、パルス時間幅Trrが次式のように求まる。
Figure 2016031362
これより、伝搬経路差ΔT2(帰り)は、パルス時間幅Trrからパルス時間幅Txを減算することで求められるので、式(21)を用いて次式で与えられる。
Figure 2016031362
次に、受波点の近傍における異なる伝搬経路によって発生する時間の伸縮を求める。図9は、経路Pの伝搬経路差ΔZの近傍(受波点近傍)の座標をローカル座標に変換した図である。音源Sの位置zとパルス波の先頭位置zとの交点を求める。図9に示すように、伝搬時間差ΔTは、次式で与えられる。ここにTyは、パルス波が音源Sに再び戻って来たときの受信パルス時間幅である。なお、音源Sの位置zは、t軸とパルス時間幅Trrで交叉している。
Figure 2016031362
また、音源Sの位置z及びパルス波の先頭位置zは、次式で与えられる。
Figure 2016031362
Figure 2016031362
式(24)と式(25)とが等しいとして、tについて解くと、伝搬時間差ΔTが次式で与えられる。
Figure 2016031362
式(23)に式(21)及び式(26)を代入すると、パルス波を受信した際のパルス時間幅Tyが次式のように求まる。
Figure 2016031362
このように、パルス波の先頭と後端が伝搬する場合、異なる伝搬経路によって発生する伝搬時間の差が送信時と受信時とのパルス波形時間幅の変化をもたらす。そして、このパルス波形時間幅の変化がドップラーシフト(周波数変化)を発生させる。なお、上述したように、音源Sと反射体Tgの相対速度が遠ざかる場合(v<v)についてパルス時間幅Tyを算出したが、音源Sと反射体Tgの相対速度が近づく場合(v>v)についてパルス時間幅Tyを同様に求めることができる。導出の過程に現れる計算式は、音源Sと反射体Tgの相対速度が遠ざかる場合(v<v)と同じなので省略する。したがって、その結果も遠ざかる場合の式(27)と同一になる。ただし、この場合(v>v)は、パルス幅は減少する(縮む)ことになる。すなわち、周波数は上がる方向にシフトする。図10にt−z座標系にて音源Sが反射体Tgに近づく場合のドップラーシフトを幾何学的に示す。
また、式(27)を他の方法で導出することも可能である。パルス波の先頭位置zの経路P、経路Pとパルス波の後端位置zの経路P、経路Pにおいて、共通の伝搬路と異なる伝搬路を分離して表すと、経路P及び経路Pの所要伝搬時間は、次式のように表すことができる。
Figure 2016031362
また、経路P、経路Pの所要伝搬時間は次式のように表すことができる。
Figure 2016031362
式(28)及び式(29)からパルス時間幅Tyは、次式で表すことができる。
Figure 2016031362
式(30)に式(19)と式(22)と式(26)とを代入し整理すると、上述した式(27)を導出することができる。
次に、式(27)を用いて、ドップラーシフトfすなわち、式(1)を導出する。
反射体Tgが浮遊物反射体8であった場合、反射体Tgの移動速度vが流速u(Q)に等しい(vt=u(Q))ため、式(27)は次式で表せる。
Figure 2016031362
ここで、送信の周波数をfx、反射波(受信)の周波数をfyとすると、周波数は時間の逆数であるので、次式の関係が得られる。
Figure 2016031362
ここで、A、B及びCは、次式で示す式とした。
Figure 2016031362
c(P)及びc(Q)、すなわち海中の音速は1500m/s程度である。一方、v、v、u(P)、u(Q)は、10m/s程度である。よって、(c(P)、c(Q))≫(v、v、u(P)、u(Q))と仮定することができる。よって、例えば、テーラー展開を使って式(32)を近似する。まず、A、B及びCを近似すると、以下に示す式で表される。
Figure 2016031362
式(34)を式(32)に代入すると、式(32)は、以下に示す式で表される。
Figure 2016031362
よって、ドップラー周波数fは、次式で表せる。
Figure 2016031362
なお、音源Sのパルス波(超音波)が俯角θで出力される場合、ドップラーシフトが生じるθ方向の速度成分を考えればよい。つまり、式(36)において、vをv×cosθ、及びvをv×cosθとすればよい。これにより、式(1)を導出することができる。
上述したように、式(36)には流速u(P)、u(Q)が現れない。すなわち、流速u(P)、u(Q)、はドップラーシフトの発生に影響しない。したがって、船底に引っぱられて船と同じ方向に流れる伴流は、ドップラーシフトの発生には影響しない。
また、式(36)に示すとおり、vとc(P)、vとc(Q)はセットになって変化することが分かる。したがって、例えば音源Sの移動速度vが0ならば、音源Sの周囲の音速c(P)は式(36)中から除外される。同様に、反射体の移動速度vが0の時は、c(Q)が除外され反射体表面の音速は計測出来ないことになる。また、音源Sの周囲の音速c(P)は、音源Sの周囲の水の音速である。
上述したように、本実施形態によれば、超音波のドップラーシフトを利用し、対象物で発生する反射波の周波数シフトから、式(1)を用いて反射点における水温を計測することができる。これにより、広範囲の水中の温度分布を短時間のうちに測定することができる。
また、本実施形態の水温計を、航行する船舶にドップラーソナーの付加機能として搭載した場合、航行中である船舶の位置情報と水温データとを集約処理することで、世界規模の水温データ計測システムを構築することができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
上述した実施形態において、水温計が船舶9内に設けられた場合について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、水温計を曳航体に装備してもよい。これにより、船舶9の動揺の影響を防ぐことができる。
また、上述した実施形態において、感温素子7により測定したモールド材の温度を測定し、その測定した温度から音源Sの周囲の水の音速c(P)を算出したが、これに限定されない。すなわち、モールド材と水(例えば海水)の温度係数が異なる場合には、モールド材の外、すなわち音源Sの周囲の水の温度を測定し、その周囲の水の温度から音源Sの周囲の水の音速c(P)を算出する。
<第2の実施形態>
第1の実施形態については、温度測定装置が水温計である場合について説明したが、体温計に対しても第1の実施形態の内容をそのまま用いることができる。以下、第2の実施形態として、温度測定装置である体温計について図を用いて説明する。図11は、本実施形態における体温計の構成を概念的に示した図である。なお、図11において、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。以下、構成及び動作が第1の実施形態と異なる点を説明する。
体温計1aは、人体の表面(皮膚)に接触させることで、体内の温度を測定する。
図11に示すように、本実施形態における体温計1aは、相関値検出用送受波器2a、相関値検出用受波器3a、ドップラー周波数送受波部4a及び制御部5を有する。
相関値検出用送受波器2aは、人体の表面(皮膚)に接触するように設けられている。相関値検出用送受波器2aは、制御部5に接続されている。相関値検出用送受波器2aは、真下方向に超音波Aを送信する。送信した超音波Aは、体内の反射体8aで反射する。相関値検出用送受波器2aは、反射体8aにより反射した超音波Aのエコー信号を受信する。相関値検出用送受波器2aは、超音波Aのエコー信号を受信すると、受信信号sb1を生成し、受信信号sb1を制御部5に出力する。反射体8aは、体内の流体の流れ成分であり、例えば、人体の表面(皮膚)と平行に流れる血管内の血液である。
相関値検出用受波器3aは、人体の表面に接触するように設けられている。また、相関値検出用受波器3aは、相関値検出用送受波器2aから前後方向に一定距離sを離した位置に設けられている。前後方向とは、体温計1aが人体の表面に接触する接触面の法線ベクトルに対して垂直な方向である。
相関値検出用受波器3aは、反射体8aより反射した超音波Aのエコー信号を受信する。相関値検出用受波器3aは、超音波Aのエコー信号を受信すると、受信信号sb2を生成し、受信信号sb2を制御部5に出力する。
ドップラー周波数送受波部4aは、人体の表面に接触するように設けられている。ドップラー周波数送受波部4aは、ドップラー周波数検出用送受波器6を有する。ドップラー周波数検出用送受波器6は、自装置の外殻ケースの内部に圧電素子(振動子)を収容しており、その圧電素子を振動させることで、超音波を送信している。また、ドップラー周波数検出用送受波器6は、超音波により圧電素子が振動することで発生する電圧を取得することで、超音波を受信する。また、ドップラー周波数検出用送受波器6は、制御部5に接続されている。
ドップラー周波数検出用送受波器6は、俯角θで周波数f1の超音波Bを送波するとともに、反射体8で反射した超音波Bのエコー信号を検出する。ドップラー周波数検出用送受波器6は、周波数f1を示す信号を制御部5に出力する。また、ドップラー周波数検出用送受波器6は、超音波Bのエコー信号を受信すると、受信信号sb3を生成し、受信信号sb3を制御部5に出力する。
なお、相関値検出用送受波器2a、相関値検出用受波器3a及びドップラー周波数送受波部4aは、人体との音響接触性を良くするために、人体との間に音響カップリング剤を配してもよい。音響カップリング剤としては、水もしくは超音波ゲル等を使用できる。
制御部5は、体温計1aの速度v’s及び反射体8の速度v’(血流)を算出する。ただし、通常、体温計1aは、停止している人体に接触させて使用されるため、速度v’sは0(ゼロ)である。
また、制御部5は、受信信号sb1及び受信信号sb2に基づいて、体温計1aと反射体8aとの相対速度v’tdを算出する。そして、制御部5は、算出した相対速度v’tdから体温計1aの速度v’sを差し引くことで、反射体8aの速度v’を算出する。
制御部5は、周波数f1と受信信号sb3とに基づいて、超音波Bのドップラー周波数fを算出する。そして、制御部5は、体温計1aの速度v’sと反射体8aの速度v’とドップラー周波数fとに基づいて、式(37)より反射体8a周囲の音速c(z)を算出し、その音速c(z)から反射体8a周囲の血液の温度(以下、「体内温度」という。)T(z)を取得する。ここに体内位置zは、体表面からの体内の深さを示す。なお、c(P)は、体温計1aが接する体表面の音速である。
Figure 2016031362
なお、式(37)は、船舶9の速度vsを反射体8aの速度v’に、浮遊物反射体8の速度vを反射体8aの速度v’に、浮遊物反射体8周囲の音速c(Q)を反射体8a周囲の音速c(z)に置き換えただけで、実質的には、式(1)と同等の式である。したがって、式(37)の導出は、上述した式(1)と同様であるため、説明を省略する。
ここで、上述したように、本実施形態において体温計1aの速度v’sは、0(ゼロ)である。したがって、式(37)を式(38)に変形することができる。更に、反射体8aの速度v’が求まると、式(38)を使って、式(39)のように反射体8aの周囲の音速c(z)を逆算できる。
Figure 2016031362
Figure 2016031362
図12は、本実施形態における制御部5のブロック図である。なお、図12において、図2と同様の構成には同一の符号を付してある。以下、構成及び動作が第1の実施形態と異なる点を説明する。
制御部5は、相関検出部10、ドップラー検出部11、演算部12及びデータ出力部13を有する。
相関検出部10は、相関値検出用送受波器2a及び相関値検出用受波器3aから受信信号sb1及び受信信号sb2を取得する。相関検出部10は、受信信号sb1を受信してから受信信号sb2を受信するまで遅延時間τ’を算出することで、反射体8aの速度v’を求める。
例えば、体温計1aの速度v’sが0であり、反射体8aが体温計1aと同じ方向に速度v’で動いているとする。相関値検出用送受波器2aにより体内に向けて超音波A(第1の音波)を送信すると、反射体8a近傍の入射音場は、反射体8aで反射し、相関値検出用送受波器2a及び相関値検出用受波器3aに戻る。したがって、相関検出部10は、相関値検出用送受波器2aで生成された受信信号sb1と相関値検出用受波器3aで生成された受信信号sb2との相関を取ることによって、それらの信号の遅延時間τ’bを計測する。相関検出部10が算出する遅延時間τ’は、式(40)を用いて算出することができる。
Figure 2016031362
相関検出部10は、距離sが既知であるため、遅延時間τ’を求めることで、式(40)の変形式である式(41)より反射体8aの速度v’を算出することができる。なお、この計測原理において反射体8a周辺の音速の情報を必要としない。相関検出部10は、取得した反射体8aの速度v’を演算部12に出力する。
Figure 2016031362
ドップラー検出部11は、超音波B(第2の音波)の周波数f1及び受信信号sb3を受信する。そして、ドップラー検出部11は、受信した受信信号sb3から超音波Bのエコー信号の周波数f2を算出する。ドップラー検出部11は、周波数f2−周波数f1を求めることで、体表面からzの位置にある反射体8aで反射することによる超音波Bのドップラー周波数fを算出する。ドップラー検出部11は、算出したドップラー周波数fを演算部12に出力する。
演算部12は、反射体8aの速度v’及びドップラー周波数fを取得する。図1に示す俯角θは、既知であるため、演算部12は、反射体8aの速度v’、ドップラー周波数f、俯角θ及び超音波B(第2の音波)の周波数f1を式(39)に代入することで、体内の反射体8a周囲の音速c(z)を算出する。そして、演算部12は、音速c(z)から体内位置zの体内温度T(z)を算出する。例えば、演算部12は、不図示の記憶部から体内音速テーブルを参照し、音速c(z)に対応した体内温度T(z)を取得する。体内音速テーブルは、体内温度T(z)と音速c(z)との関係を別途実測したテーブルである。一般に血流等の高い含水率の生体組織では、その音速と温度との依存関係は、海水と殆ど同じと考えられる。
データ出力部13は、求めた体内温度T(z)を不図示の表示部にデジタル出力する。
また、体内における計測点位置(体内位置)は、通常の超音波診断装置の映像を用いることで特定できる。
次に、本実施形態の体温計1aの動作について図を用いて説明する。図13は、本実施形態の体温計の動作を示すフローチャートである。
ステップS201において、相関値検出用送受波器2aは、体表面から真下方向に超音波Aを送信する。また、ドップラー周波数検出用送受波器6は、俯角θで周波数f1の超音波Bを送信する。
ステップS202において、相関値検出用送受波器2aは、反射体8aにより反射した超音波Aのエコー信号を受信すると、受信信号sb1を生成し、受信信号sb1を相関検出部10に出力する。同様に相関値検出用受波器3aは、反射体8aにより反射した超音波Aのエコー信号を受信する。相関値検出用受波器3aは、超音波Aのエコー信号を受信すると、受信信号sb2を生成し、受信信号sb2を相関検出部10に出力する。また、ドップラー周波数検出用送受波器6は、反射体8aで反射した超音波Bのエコー信号を検出する。ドップラー周波数検出用送受波器6は、超音波Bの送信周波数f1をドップラー検出部11に出力する。ドップラー周波数検出用送受波器6は、反射体8aにより反射した超音波Bのエコー信号を受信すると、受信信号sb3を生成し、受信信号sb3をドップラー検出部11に出力する。
ステップS203において、相関検出部10は、受信信号sb1を受信してから受信信号sb2を受信するまでの遅延時間τ’を算出する。相関検出部10は、遅延時間τ’を式(41)に代入することで反射体8aの速度v’を算出し、算出した反射体8aの速度v’を演算部12に出力する。
ステップS204において、ドップラー検出部11は、受信した受信信号sb3から超音波Bのエコー信号の周波数f2を算出する。ドップラー検出部11は、周波数f2−周波数f1を求めることで、超音波Bのドップラー周波数fを算出する。ドップラー検出部11は、算出したドップラー周波数fを演算部12に出力する。
ステップS205において、演算部12は、反射体8aの速度v’及びドップラー周波数fを取得する。また、演算部12は、式(39)に反射体8aの速度v’、ドップラー周波数f、俯角θ及び周波数f1を代入することで、反射体8a周囲の音速c(z)を算出する。
ステップS206において、演算部12は、体内音速テーブルを参照し、算出した音速c(z)に対応する体内温度T(z)を算出する。演算部12は、算出した体内温度T(z)をデータ出力部13に送信する。データ出力部13は、受信した体内温度T(z)を不図示の表示部にデジタル出力する。
上述したように、本実施形態によれば、超音波のドップラーシフトを利用し、対象物で発生する反射波の周波数シフトから、式(38)を用いて反射点における体内の温度を計測することができる。これにより、体外から体内の温度計測する部位にセンサを刺入することなく、無侵襲で体内の温度を測定することができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。また、他の応用への実施形態として、地中やコンクリートの中に埋設された配管の中を流れる液体の温度を地表またはコンクリート表面から遠隔にて計測することができる。
1 水温計
1a 体温計
2、2a 相関値検出用送受波器
3、3a 相関値検出用受波器
4、4a ドップラー周波数送受波部
5 制御部
6 ドップラー周波数検出用送受波器
7 感温素子
8 浮遊物反射体
8a 反射体
9 船舶
10 相関検出部
11 ドップラー検出部
12 演算部
13 データ出力部

Claims (4)

  1. 水底に向けて第1の音波を送信する送波器と、
    前記第1の音波が異なる水深に位置している反射体によって反射された反射波を受信する第1の受波器と、
    前記第1の音波が異なる水深に位置している前記反射体によって反射された反射波を受信し、前記第1の受波器と異なる位置に配置された第2の受波器と、
    90°以内の俯角で第2の音波を送信し、前記反射体によって反射された反射波を受信する送受波器と、
    水面の温度を測定する感温素子と、
    前記第1の受波器及び第2の受波器の各受信信号に基づいて、自装置に対する前記反射体の相対速度を算出する相関検出部と、
    前記第2の音波と前記第2の音波の反射波との周波数差からなるドップラー周波数を算出するドップラー検出部と、
    前記水面の温度を測定するに基づいて前記水面の音速を算出し、算出した前記水面の音速と前記相対速度と前記ドップラー周波数とに基づいて、前記反射体の表面の水温を算出する演算部と
    を有する温度測定装置。
  2. 前記演算部は、以下に示す式により前記反射体の表面の音速を算出し、音速と水温とを表す式によって、算出した前記音速から前記反射体の表面の水温を算出する請求項1に記載の温度測定装置。
    Figure 2016031362
  3. 体内に第1の音波を入射させ、前記体内の血管内を移動する前記反射体から反射された反射波を検出して前記反射体の速度を算出する相関検出部と、
    90°以内の俯角で第2の音波を送信し、前記反射体によって反射された反射波を受信する送受波器と、
    前記第2の音波と前記第2の音波の反射波との周波数差からなるドップラー周波数を算出するドップラー検出部と、
    前記反射体の速度と前記ドップラー周波数とに基づいて、前記反射体の温度を算出する演算部と
    を有する温度測定装置。
  4. 前記演算部は、以下に示す式により前記反射体の表面の音速を算出し、前記算出した前記反射体の表面の音速に基づいて、音速と前記体内の温度とを関連付けたテーブルから前記反射体の表面の温度を算出する請求項3に記載の温度測定装置。
    Figure 2016031362
JP2014263088A 2014-07-25 2014-12-25 温度測定装置 Pending JP2016031362A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014263088A JP2016031362A (ja) 2014-07-25 2014-12-25 温度測定装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014152087 2014-07-25
JP2014152087 2014-07-25
JP2014263088A JP2016031362A (ja) 2014-07-25 2014-12-25 温度測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016031362A true JP2016031362A (ja) 2016-03-07

Family

ID=55441815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014263088A Pending JP2016031362A (ja) 2014-07-25 2014-12-25 温度測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016031362A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108692765A (zh) * 2018-05-03 2018-10-23 河海大学 野外船用大流速河流水温及流速分布测量装置及使用方法
DE112017000930T5 (de) 2016-02-22 2018-11-22 Denso Corporation Luftkonditioniereinheit für ein fahrzeug
JP2020128894A (ja) * 2019-02-07 2020-08-27 日本無線株式会社 水温測定装置、及び水温測定方法
WO2020218006A1 (ja) * 2019-04-24 2020-10-29 日本電信電話株式会社 内部温度測定装置および方法
WO2022113586A1 (ja) 2020-11-24 2022-06-02 古野電気株式会社 ドップラー装置、俯角推定方法およびプログラム

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6013233A (ja) * 1983-07-04 1985-01-23 Furuno Electric Co Ltd 水温測定装置
JPS60181625A (ja) * 1984-02-28 1985-09-17 Furuno Electric Co Ltd 水中の水温測定装置
JP2013528437A (ja) * 2010-05-17 2013-07-11 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 温度分布決定装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6013233A (ja) * 1983-07-04 1985-01-23 Furuno Electric Co Ltd 水温測定装置
JPS60181625A (ja) * 1984-02-28 1985-09-17 Furuno Electric Co Ltd 水中の水温測定装置
JP2013528437A (ja) * 2010-05-17 2013-07-11 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 温度分布決定装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112017000930T5 (de) 2016-02-22 2018-11-22 Denso Corporation Luftkonditioniereinheit für ein fahrzeug
DE112017000930B4 (de) 2016-02-22 2022-08-25 Denso Corporation Luftkonditioniereinheit für ein fahrzeug
CN108692765A (zh) * 2018-05-03 2018-10-23 河海大学 野外船用大流速河流水温及流速分布测量装置及使用方法
CN108692765B (zh) * 2018-05-03 2020-08-25 河海大学 野外船用大流速河流水温及流速分布测量装置及使用方法
JP2020128894A (ja) * 2019-02-07 2020-08-27 日本無線株式会社 水温測定装置、及び水温測定方法
WO2020218006A1 (ja) * 2019-04-24 2020-10-29 日本電信電話株式会社 内部温度測定装置および方法
JP2020180830A (ja) * 2019-04-24 2020-11-05 日本電信電話株式会社 内部温度測定装置および方法
JP7151609B2 (ja) 2019-04-24 2022-10-12 日本電信電話株式会社 内部温度測定装置および方法
WO2022113586A1 (ja) 2020-11-24 2022-06-02 古野電気株式会社 ドップラー装置、俯角推定方法およびプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016031362A (ja) 温度測定装置
JP5229500B2 (ja) 超音波による波浪計測方法および波浪計測システム
JP2017525948A (ja) 信号伝搬時間差式流量計
WO2016091208A1 (zh) 测量方法及系统
EP2766738B1 (en) Three dimensional (3d) transverse oscillation vector velocity ultrasound imaging
JP2019509852A5 (ja)
BR112014014416B1 (pt) método para determinar as propriedades elásticas de uma peça esférica
JP6516261B2 (ja) 計測システム
JP4500319B2 (ja) 温度補償機能及び/又は温度測定機能を有する超音波探触子を用いた計測システム及びこの計測システムに用いられる超音波探触子
RU2581416C1 (ru) Способ измерения скорости звука
KR100979286B1 (ko) 수중 거리 및 방위를 측정하는 장치 및 방법
CN103932737A (zh) 一种心血管血液流速传感器
RU153808U1 (ru) Параметрический эхоледомер
JP7166186B2 (ja) 水温測定装置、及び水温測定方法
JP2024525029A (ja) 超音波測定セル及び管内の液体の体積流量の測定方法
KR20080087408A (ko) 도플러 초음파 진단용 초음파 탐촉자 시스템
JP4687293B2 (ja) ドップラー式超音波流速分布計
JP2015128554A (ja) 超音波診断装置
RU2532143C1 (ru) Метод определения нелинейного акустического параметра жидкостей и устройство для его осуществления
JP2005241628A (ja) ドップラー式超音波流速分布計
JPS63111457A (ja) 超音波式塩分計
CN111337881B (zh) 一种利用螺旋桨噪声的水下目标探测方法
JP2017156199A (ja) 目標検出システムおよび目標検出方法
RU135117U1 (ru) Система измерения высот внутренних волн в море на ходу судна
KR102509623B1 (ko) 다공탄성물질 내에서의 유체 속도 측정을 위한 초음파 유량계 및 이를 이용한 유체 속도 측정 방법 및 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181017

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190604