JP2020128894A - 水温測定装置、及び水温測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態の水温測定装置1が適用される例を示す図である。
図1に示すように、水温測定装置1は、例えば、船舶2の船底に設けられる。水温測定装置1は、例えば、海洋5において船舶2の船底から海洋5の海底6の方向に二種類の超音波Q1、Q2を送信する。また、水温測定装置1は、送信した超音波Q1、Q2が海洋5にある湧昇流3(鉛直方向の海流)の中に存在する浮遊物により反射された(以下、湧昇流3にある浮遊物により反射された、などと記載する)反射波(エコーともいう)を受信する。また、水温測定装置1は、海洋5の海面4の水温を検出する。また、水温測定装置1は、船舶2のZ軸方向(鉛直方向)の速度vs(例えば、上下に揺れる速度)を検出する。そして、水温測定装置1は、受信した反射波、検出した海面4の水温および速度vsに基づいて、湧昇流3の反射点の水温を算出する。
本実施形態においては、水温測定装置1は、超音波Q1、Q2を、Z軸方向に送信する。
図2は、第1の実施形態の水温測定装置1の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、水温測定装置1は、センサ部10と、水面温度検出部20と、移動速度検出部30と、制御部40とを備える。そして、センサ部10は、ドップラ送受波器11と、コリレーション送波器12と、コリレーション第1受波器群13と、コリレーション第2受波器群14と、コリレーション第3受波器群15とを備える。
また、ドップラ送受波器11は、超音波Q1の反射波が伝達されることにより生じる、海水などの超音波伝達媒体の膨張または圧縮に基づく振動を圧電素子が受けることで超音波Q1の反射波を受信する。ドップラ送受波器11は、受信した超音波Q1の反射波に対応する信号を制御部40に出力する。
また、センサ制御部41は、コリレーション送波器12を制御し、コリレーション送波器12に超音波Q2を送信させたり、送信させた超音波Q2の送信を停止させたりする。
また、センサ制御部41は、コリレーション受波器群13(14、15)からの超音波Q2の反射波に対応する信号をコリレーション算出部43に出力する。
コリレーション算出部43は、複数の受波器(コリレーション受波器群13(14、15))にそれぞれ受信された超音波の反射波の相関関係に基づいて、流速(潮流速度)vtを算出する。
コリレーション算出部43は、算出した湧昇流3の流速vtを示す信号を、水温算出部44に出力する。
また、水温算出部44は、音速ctが水温Tに関係することから、算出した音速ctを用いて水温Tを算出する。
まず、コリレーション受波器群13(14、15)が水温測定装置1において設置される位置について説明する。
図3は、第1の実施形態のセンサ部10に配置されるコリレーション送波器12およびコリレーション受波器群13(14、15)の配置の例を示す第1の図である。図3のXYZ座標軸は互いに直交しており、X軸が水平面上において紙面に向かって左右方向、Y軸が水平面上において紙面に向かって奥行き方向、Z軸が鉛直方向をそれぞれ示す。また、xyz座標軸は、XYX座標軸を、まずY軸の周りに、−35.26°、次にX軸の周りに+45°の角度で回転させたものである。ここで、軸の正方向から見て反時計回りの回転を+(プラス)、時計回りの回転を−(マイナス)とする。上述のように回転させると、鉛直方向であるZ軸は、xyz座標系から見ると、x、y、z軸のそれぞれから、ちょうど等角度になる。
図3に示すように、ドップラ送受波器11とコリレーション送波器12とは、X軸上に距離d離れた位置に設けられる。また、コリレーション第1受波器群13は、x軸上に設けられる2つのコリレーション第1受波器130−1、130−2により構成される。同様に、コリレーション第2受波器群14は、y軸上に設けられる2つのコリレーション第2受波器140−1、140−2により、コリレーション第3受波器群15は、z軸上に設けられる2つのコリレーション第3受波器150−1、150−2により構成される。
図3の例では、コリレーション送波器12は座標原点に、コリレーション第1受波器130−1、130−2はx軸上で互いに距離s1離れた位置にそれぞれ配置される。コリレーション第2受波器140−1、140−2はy軸上で互いに距離s1離れた位置に、コリレーション第3受波器150−1、150−2はz軸上で互いに距離s1離れた位置にそれぞれ配置される。
まず、コリレーション算出部43が湧昇流3の流速vtを算出する方法について説明する。コリレーション算出部43は、湧昇流3の流速vtを算出する。以下、コリレーション算出部43が湧昇流3の流速vtを算出する過程を順に説明する。
なお、この図では省略しているが、y軸及びz軸方向にも、x軸方向と同様に、4個のコリレーション受波器群を設ける。つまり、y軸に沿ってコリレーション第2受波器140−1〜140−4を設ける。また、z軸に沿ってコリレーション第3受波器150−1〜150−4を設ける。
また、コリレーション送波器12は、図4に示すように、所定の時間間隔Tbで超音波パルスP1、P2を送信する。
次に、コリレーション算出部43が行う処理について図5を参照して説明する。図5は、第1の実施形態のコリレーション算出部43が行う処理を説明する図である。
コリレーション算出部43は、図5に示すように、算出した相関値と、その相関値を算出する対象とした二つ受波器間の距離との関係を示す分布曲線を求める。具体的には、コリレーション算出部43は、例えば、横軸に受波器間の距離、縦軸に算出した相関値がプロットされ、プロットされた点群の近似曲線を分布曲線とする。
そして、コリレーション算出部43は、分布曲線に基づいて、相関値が最も高くなる距離を推定する。コリレーション算出部43は、推定した距離を距離smxとする。
水温算出部44は、以下の式(7)を用いて反射体(湧昇流3)の位置における音速ctを算出する。ここで、Δfはドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数、vsは移動速度検出部30により算出された船舶2の速度、csは水面における音速、vtは鉛直方向の流速度、F1はドップラ送受波器11により送信された超音波Q1の周波数、をそれぞれ示す。
水温算出部44は、式(7)にドップラ周波数Δf、船舶2の速度vs、湧昇流3の(相対的な)速度vt、および水面の音速csを代入し、式(7)を音速ctについて解くことにより、反射体(湧昇流3)の位置における音速ctを算出する。
具体的には、音速ctは、以下の式(8)で示される。ここで、F1はドップラ送受波器11により送信された超音波Q1の周波数、vsは移動速度検出部30により算出された船舶2の速度、Δfはドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数、csは水面における音速、vtは鉛直方向の流速度、をそれぞれ示す。ただし、vtがゼロのとき(鉛直方向の流速度が存在しないとき)は、音速ctの測定ができないので除く。
水温算出部44は、式(10)の音速、水深、塩分濃度の各々に反射体(湧昇流3)の位置における音速ct、水深h、および塩分濃度Sをそれぞれ代入し、式(10)に示す水温Tに関する3次式を水温Tについて解くことにより、水温Tを算出する。
まず、水温測定装置1は、ドップラ送受波器11により超音波Q1を送信させる。また、水温測定装置1は、コリレーション送波器12により超音波Q2を送信させる(ステップS101)。ドップラ送受波器11は、海面4から海底6に向かって鉛直方向に超音波Q1を送信する。また、コリレーション送波器12は、海面4から海底6に向かって鉛直方向に超音波Q2を送信する。
次に、水温測定装置1は、コリレーション算出部43により湧昇流3の速度vtを算出させる(ステップS103)。コリレーション算出部43は、コリレーション送波器12により送信された超音波Q2を示す信号、およびコリレーション受波器群13(14、15)のそれぞれにより受信された超音波Q2の反射波を示す信号のそれぞれの相関度合に基づいて、速度vtを算出する。
次に、水温測定装置1は、水温算出部44により湧昇流3が位置する場所の音速ctを算出させる(ステップS105)。水温算出部44は、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数Δf、コリレーション算出部43により算出された湧昇流3の速度vt、および水温算出部44により算出された水面の音速csに基づいて、湧昇流3が位置する場所の音速ctを算出する。
次に、第2の実施形態について説明する。
図7は、第2の実施形態におけるセンサ部10Aに配置される送受波器および受波器群の配置の例を示す図である。
次に、実施形態の変形例について図8を参照して説明する。
図8は、実施形態の変形例におけるセンサ部10Bに配置される送受波器および受波器群の配置の例を示す図である。
実施形態の変形例においては、水温測定装置1が水深(鉛直方向)に対して水平方向の水温分布を計測することを可能とする点において、上述した実施形態のうち少なくとも一つの実施形態と相違する。
ドップラ送受波器11B、コリレーション送波器12B、コリレーション第1受波器群13B、コリレーション第2受波器群14B、及びコリレーション第3受波器群15Bは、図3の例と同様な位置に設けられる。
また、水温算出部44は、式(10)の音速ct、塩分濃度S、および水深に相当する船舶2から海流3Bにある浮遊物までの水平距離h#をそれぞれ代入し、式(10)を水温Tについて解くことにより、水温Tを算出する。
実施形態の変形例の水温測定装置1を用いることにより、例えば、原子力発電所の排水口周辺における水温を測定することができるため、当該排水口周辺における水温の分布状況を測定することができる。このとき、センサ部10を海底に固定すれば、式(9)を使って海流3Bが位置する場所の音速ctを算出することができる。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
2 船舶
3 湧昇流
3A、3B 海流
4 海面
5 海洋
6 海底
10、10A、10B センサ部
11、11A、11B ドップラ送受波器
12、12A、12B コリレーション送波器
13、13A、13B コリレーション第1受波器群
130、130A コリレーション第1受波器
14、14A、14B コリレーション第2受波器群
140、140A コリレーション第2受波器
15、15A、15B コリレーション第3受波器群
150、150A コリレーション第3受波器
20 水面温度検出部
30 移動速度検出部
40 制御部
41 センサ制御部
42 ドップラ算出部
43 コリレーション算出部
44 水温算出部
45 水温出力部
Claims (4)
- 水底に向けて第1の音波を送信し、前記第1の音波が送信された位置とは異なる水深に位置している反射体により反射された前記第1の音波の反射波を受信するドップラ送受波器と、
前記ドップラ送受波器と異なる位置に配置され、前記反射体に向けて第2の音波を送信するコリレーション送波器と、
前記反射体により反射された前記第2の音波の反射波を受信し、前記コリレーション送波器と異なる位置に、互いに空間的に離間して配置された複数のコリレーション受波器群と、
前記ドップラ送受波器により送信された送信信号、及び前記ドップラ送受波器により受信された受信信号に基づいて、ドップラ周波数を算出するドップラ算出部と、
前記コリレーション送波器により送信された送信信号、及び前記複数のコリレーション受波器群のそれぞれにより受信された各受信信号に基づいて、前記反射体の鉛直方向における速度を算出するコリレーション算出部と、
前記ドップラ算出部により算出されたドップラ周波数、前記コリレーション算出部により算出された前記反射体の速度、及び水面の音速に基づいて、前記反射体が位置する場所の音速を算出し、算出した音速に基づいて前記反射体が位置する場所の水温を算出する水温算出部と
を備える水温測定装置。 - 前記ドップラ送受波器は、鉛直方向に第1の音波を送受信する
請求項1に記載の水温測定装置。 - 前記コリレーション送波器は、鉛直方向に前記第2の音波を送信し、
前記複数のコリレーション受波器は、空間的に互いに離間した位置に設けられ、前記複数のコリレーション受波器それぞれに入射される前記第2の音波の反射波を受信する
請求項1に記載の水温測定装置。 - ドップラ送受波器が水底に向けて第1の音波を送信し、前記第1の音波が送信された位置とは異なる水深に位置している反射体により反射された前記第1の音波の反射波を受信する工程と、
コリレーション送波器が前記ドップラ送受波器と異なる位置に配置され、前記反射体に向けて第2の音波を送信する工程と、
前記コリレーション送波器と異なる位置に、互いに空間的に離間して配置された複数のコリレーション受波器群が前記反射体により反射された反射波を受信する工程と、
ドップラ算出部が前記ドップラ送受波器により送信された送信信号、及び前記ドップラ送受波器により受信された受信信号に基づいて、ドップラ周波数を算出する工程と、
コリレーション算出部が前記コリレーション送波器により送信された送信信号、及び前記複数のコリレーション受波器群とのそれぞれにより受信された各受信信号に基づいて、前記反射体の鉛直方向における速度を算出する工程と、
水温算出部が前記ドップラ算出部により算出されたドップラ周波数、前記コリレーション算出部により算出された前記反射体の速度、及び水面の音速に基づいて、前記反射体が位置する場所の音速を算出し、算出した音速に基づいて前記反射体が位置する場所の水温を算出する工程と
を有する水温測定方法。
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