JP2018010006A - 音響測深装置、音響測深方法及びマルチビーム音響測深装置 - Google Patents

音響測深装置、音響測深方法及びマルチビーム音響測深装置 Download PDF

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豊喜 笹倉
行雄 松尾
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行雄 松尾
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【課題】加速度センサを使用しないで船舶に対する波浪によって生じるような動揺を補正することができる。【解決手段】船などの移動体に設置され、上下方向の動揺によって深度が変化する音響測深装置において、疑似雑音系列信号によって搬送波信号を変調する送信信号形成部と、送信信号を周期的に超音波として移動体の下方に位置する測定対象に向けて送出する送信部と、送信部から送出された超音波のエコーを受信する受信部と、エコーを疑似雑音系列信号によって相関処理を行うことによって判別し、送信信号及びエコーの時間差に基づいて深度生データを取得する相関器と、深度生データに対して動揺補正を行う動揺補正部とを備え、送信信号の周期は、水中の音波の速度をVuとし、深度をDとする場合に、(2D/Vu)以下とされ、且つ動揺成分の周期に比べてサンプリング定理を満足するものとなされた音響測深装置である。【選択図】図33

Description

本発明は、水中を伝搬する超音波を使用して深度を測定する音響測深装置、音響測深方法、及びマルチビーム音響測深装置に関する。
海洋での音響測深技術は古くから行われており、図1に示すように超音波振動子から超音波パルスを発射し、その音波が対象(海底)から反射してくるエコーをとらえて、水中の音波の伝搬速度(約1500m/s)を用いてその深度を計測するものである。この原理を用いた音響測深装置は50年以上も前から製品化されており、今日でもこの原理を用いて海底の深度測量が行われている。このエコーロケーションと呼ばれる技術はこれまで変わることなく、言い換えれば発展することなく使用され続けてきた。
原理は、超音波パルス(例えば1msパルス幅)を発射し、500mの海底だと往復距離1000mを音波の水中速度Vuを1500m/sとすれば、1000/Vu=1000/1500=0.667秒かかって帰ってくるので、そのエコーを受信した後、再び超音波パルスを発射し、同時に船が進んだ分異なった場所の海底深度を計測するわけである。このように船の航行に伴って順次海底の深度を計測し、それを記録紙や画像として液晶画面に表示するのが音響測深装置と呼ばれるものである(例えば特許文献1参照)。
これまでの音響測深装置は、超音波の水中での音速を考慮し、受信エコーより前に次の送信をしないように発信間隔をコントロールして、測深を行ってきた。図2に示すように、1つのビームだけを備えた測深装置をシングルビーム測深装置といい、近年登場した扇型に複数のビームが拡がるものをマルチビーム測深装置という(例えば特許文献2参照)。マルチビーム測深装置は一度に広い範囲の深度を比較的高密度で計測できる。
深度をD、送信パルスの送信間隔をTとし、(2D/1500)<Tの場合では、図3Aに示すように、送信パルスと受信エコーの時間差が(2D/1500)に対応したものとなり、この時間差から深度を測定できる。しかしながら、(2D/1500)≧Tの場合では、図3Bに示すように、次の送信パルスの送出後に受信エコーが到来するので、受信エコーがどちらの送信パルスに対応したものかが分からなくなり、時間差FDに基づいて誤った深度を計測することになる。したがって、従来では(2D/1500)<Tの条件が必要であった。
送信周期を短くできないことは、測深の水平方向分解能を小さくできないことになる。図4を参照して船の進行方向(水平方向)の計測の分解能について説明する。船速V(m/s)で深度D(m)の測深を行う場合の水平方向の分解能ΔH(m)は次式で表される。
ΔH=VT>2DV/1500
例えば船が10kt(時速10×1.852km)で航行し、送信の周期が1秒の場合、約5m毎にしか測深データは得られない。深度1,000mの海底を計測するには、送信周期Tを(1,000×2)/1,500=1.33秒以上にしないと計測できないが、船が10ktで航行すれば1.33秒後には6.7m進んでいるので、計測の分解能ΔHは6.67mということになる。マルチビーム測深装置は一度に広い範囲の深度を計測できるが、船の進行方向の計測の分解能はシングルビームと同様である。
従来の音響測深装置では、計測の分解能を高くするためには船の速度を低下させる以外に方法がなかった。したがって、従来の音響測深装置は、測深の分解能を高くする場合に測深に要する時間が長くなる問題があった。
さらに、図5に示すように、海底を音波によって測量する場合、基準海面に対して波の動揺を受けて計測する深度は真の海底よりも深くなったり浅くなったりする。計測によって得られる海底深度は図6に示すようになり、真の海底までの距離を測定することができない。この問題を解決するために、動揺の成分を検出し、動揺補正することが必要とされる。
上述したように、従来の音響測深機では送信周期を短くすることができず、送信周期が波による動揺の周期に比べて長いか、又はほぼ等しいので、波の影響による動揺を検出して動揺補正することが困難であった。サンプリング定理から、動揺の周波数成分の最大値の2倍以上の周波数でサンプリングしなければ動揺成分を検出することは不可能である。したがって、動揺の補正をする場合、従来は特許文献3に示されるように、3軸の回転角及び変位量を検出し、検出結果によって動揺補正行うのが通常であった。
特開2001−083247号公報 特開2006−220436号公報 特開2010−025739号公報
動揺の変位量の検出のためには、加速度センサが使用される。加速度を1回積分することによって速度を求め、さらに、速度を積分することによって変位量が求められる。このような加速度センサを使用する動揺検出は、誤差が発生し、誤差の補正が必要となる問題があった。さらに、加速度センサを必要とし、コストの増加を招く問題があった。
したがって、本発明の目的は、加速度センサを使用しないで受信信号を使用して動揺補正を行うことができる音響測深装置、音響測深方法、及びマルチビーム音響測深装置を提供することにある。
本発明の第1の発明は、船などの移動体に設置され、水中の測定対象を探知し、上下方向の動揺によって深度が変化する音響測深装置において、
疑似雑音系列信号を生成する疑似雑音系列発生回路及び送信タイミングの疑似雑音系列信号によって搬送波信号を変調して送信信号を形成する変調回路を有する送信信号形成部と、
送信信号を周期的に超音波として移動体の下方に位置する測定対象に向けて送出する送信部と、
送信部から送出された超音波のエコーを受信する受信部と、
エコーを疑似雑音系列信号によって相関処理を行うことによって、送信信号と対応するエコーを判別し、送信信号及びエコーの時間差に基づいて深度生データを取得する相関器と、
深度生データに対して動揺補正を行うことによって動揺成分を抑圧する動揺補正部とを備え、
送信信号の周期は、水中の音波の速度をVuとし、深度をDとする場合に、(2D/Vu)以下とされ、且つ動揺成分の周期に比べてサンプリング定理を満足するものとなされた音響測深装置である。
本発明の第2の発明は、船などの移動体に設置された音響測深装置によって水中の測定対象を探知し、上下方向の動揺によって深度が変化する音響測深方法において、
疑似雑音系列信号を生成し、送信タイミングの疑似雑音系列信号によって搬送波信号を変調して送信信号を形成し、
送信信号を周期的に超音波として移動体の下方に位置する測定対象に向けて送出し、
送信部から送出された超音波のエコーをを受信し、
エコーを相関器によって相関処理を行うことによって、送信信号と対応するエコーを判別し、送信信号及びエコーの時間差に基づいて深度生データを取得し、
動揺補正部によって深度生データに対して動揺補正を行うことによって動揺成分を抑圧し、
送信信号の周期は、水中の音波の速度をVuとし、深度をDとする場合に、(2D/Vu)以下とされ、且つ動揺成分の周期に比べてサンプリング定理を満足するものとなされた音響測深方法である。
本発明の第3の発明は、船などの移動体に設置され、水中の測定対象を探知し、上下方向の動揺によって深度が変化するマルチビーム音響測深装置において、
疑似雑音系列信号を生成する疑似雑音系列発生回路及び送信タイミングの疑似雑音系列信号によって搬送波信号を変調して送信信号を形成する変調回路を有する送信信号形成部と、
送信信号を周期的に超音波として移動体の下方に位置する測定対象に向けて送出する送信部と、
送信部から送出された超音波のエコーを受信する受信部と、
エコーを疑似雑音系列信号によって相関処理を行うことによって、送信信号と対応するエコーを判別し、送信信号及びエコーの時間差に基づいて深度生データを取得する相関器と、
深度生データに対して動揺補正を行うことによって動揺成分を抑圧する動揺補正部とを備え、
送信信号の周期は、水中の音波の速度をVuとし、深度をDとする場合に、(2D/Vu)以下とされ、且つ動揺成分の周期に比べてサンプリング定理を満足するものとなされ、
送信部によって扇状に多数の超音波ビームを送出する
マルチビーム音響測深装置である。
本発明によれば、送信周期を短くすることができるので、水平方向の分解能を高くすることができ、例えば波による動揺成分を正確に検出することができ、検出された動揺成分を使用して動揺補正を行うことができる。加速度センサを使用しないので、コストの増加を防止でき、誤差の影響を少なくできる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であっても良い。
音響測深の原理を示す略線図である。 シングルビーム測深とマルチビーム測深を説明するための略線図である。 従来の音響測深装置の説明に用いる波形図である。 従来の音響測深装置の水平方向分解能の説明に用いる略線図である。 波による動揺を説明するための略線図である。 波による動揺の影響を説明するための略線図である。 音響測深装置の一例の構成を示すブロック図である。 音響測深装置における相関器の説明に用いるブロック図である。 相関器の出力の説明に用いる波形図である。 受信信号を表示する場合を説明する略線図である。 送信信号の変調方法の一例を示す波形図である。 音響測深装置の説明に用いる波形図である。 音響測深装置の水平方向分解能の説明に用いる略線図である。 音響測深装置の説明に用いる波形図である。 音響測深装置の水平方向分解能の説明に用いる略線図である。 音響測深装置のシミュレーションの結果を説明に用いる略線図である。 改良された音響測深装置のシミュレーションの結果を説明に用いる略線図である。 従来の音響測深装置による表示画像と改良された音響測深装置による表示画像を比較して示す略線図である。 音響測深装置の送信信号の一例の波形図である。 音響測深装置において二つのゴールドコード信号が重なった場合の説明に用いる波形図である。 開口合成サイドスキャンソナーの原理を説明するための略線図である。 開口合成の指向特性を説明するための略線図である。 開口合成の原理を説明するための略線図である。 点ターゲットの一例を示す略線図である。 点ターゲットの一例の画像を示す略線図である。 点ターゲットの一例の開口合成前の画像と開口合成後の画像を示す略線図である。 点ターゲットの一例の開口合成前の画像と開口合成後の画像を示す略線図である。 2点ターゲットの一例の開口合成前の画像と開口合成後の画像を示す略線図である。 マルチビーム音響測深機の説明に用いる略線図である。 マルチビーム音響測深機の構成を示すブロック図である。 波浪による動揺の説明に使用する略線図である。 動揺補正された海底を示す略線図である。 本発明の一実施の形態における動揺補正の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施の形態における動揺補正の一例を説明するための略線図である。 本発明の一実施の形態における動揺補正の他の例を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施の形態における動揺補正の他の例を説明するためのブロック図である。 動揺補正前のデータと動揺補正後のデータを示す略線図である。 本発明の一実施の形態における動揺補正のさらに他の例を説明するためのブロック図である。 本発明の他の実施の形態を説明するための略線図である。 本発明の他の実施の形態を説明するためのブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
本発明の説明は、以下の順序にしたがってなされる。
<1.改良された音響測深装置>
<2.開口合成>
<3.マルチビーム音響測深機>
<4.一実施の形態>
<5.他の実施の形態>
<6.応用例>
<7.変形例>
<1.改良された音響測深装置>
波に対して動揺補正を行う場合、海上で船を静止させ、波により船が上下動することによる水深の変化を検出することによって、動揺成分を検出することができる。そして、測深の測定結果から検出した動揺成分をキャンセルすることによって動揺補正を行うことができる。このように、動揺成分の検出は、音響測深によってできるので、以下の説明では、最初に短い送信周期でもって深度を測定することを可能とする改良された音響測深装置について説明し、その後に動揺補正について説明する。
図7は、改良された音響測深装置の電気的構成を示す。一定周期のパルス信号の送信トリガパルスを発生する送信トリガ発生器1が設けられており、送信トリガパルスがPN系列発生器としてのゴールドコード発生器2及び表示又は記録装置10に供給される。表示及び/又は記録装置10は、液晶等の表示装置及び/又は半導体メモリ等の記録装置と表示又は記録のための演算装置とを含んでいる。
ゴールドコード発生器2は、送信トリガパルスと同期してゴールドコードを発生する。ゴールドコード以外のM系列等のPN(Pseudorandom Noise)系列を使用しても良い。ゴールドコードがパルス変調器3に供給され、ゴールドコードが例えばBPSK(Binary Phase Shift Keying)によってデジタル変調される。搬送波の周波数は数kHz〜数百kH zとされる。
パルス変調器3の出力信号が送信アンプ4に供給され、送信アンプ4において増幅等の処理がなされる。送信アンプ4の出力信号が送波器5に供給される。送波器5から水中に対して超音波が送出される。発射された水中超音波のエコーが受波器6によって受波される。送波器5及び受波器6としては一体型の構成を使用してもよい。
受波器6からの受波データが受信アンプ7に供給され、増幅等の処理を受けて後、相関器8に供給される。相関器8の出力が検波回路9に供給される。相関器8によって送信パルスに対応する受信エコーが取り出される。検波回路9は表示のための演算(例えばA/D変換)を行う。検波回路9の出力が表示及び/又は記録装置8に供給され、送信パルスに対してエコーが受信されるまでの時間がそれぞれ表示及び/又は記録される。
図8は、相関検出の処理を示している。受信エコー信号が4064ステップのシフトレジスタSRに直列に入力される。なお、シフトレジスタSRに対して前後の複数の受信エコー信号を加算するなどしてSN比を向上させることが好ましい。加算処理によってノイズが低減でき、低い送信出力とすることが可能になり、装置の小型化や省電力設計が可能になる。シフトレジスタSRを動作させるシフトクロックが(20×8=1,600kHz=1.6MHz)とされている。この周波数は一例であって搬送波周波数(20kHz)の2倍以上の周波数のシフトクロックを使用できる。受信エコー信号がシフトレジスタSRに供給されることによって搬送波信号の8倍の周波数でもってサンプリングされる。
シフトレジスタSRに対して並列に演算回路EXA1〜EX127が設けられている。演算回路EXA1〜EX127のそれぞれは、排他的論理和回路と加算回路(4064回路)とから構成されている。演算回路EXA1〜EX127のそれぞれの排他的論理和回路に対して共通にシフトレジスタSRの4064ビットが供給される。
一方、演算回路EXA1〜EX127のそれぞれの排他的論理和回路に対してゴールドコードのコードG1のレプリカ(レプリカは4064ビット)、コードG2のレプリカ、・・・、コードG127のレプリカがそれぞれ供給される。排他的論理和回路は、2つの入力のビットが同じ値であれば、出力が"0"となり、2つの入力のビットが異なる値であ
れば、出力が"1"となる。各排他的論理和回路の4064ビットの出力が加算される。加
算は、"1" の個数がNであれば、Nの値の振幅の信号を出力するものである。否定論理をとることによって、2つの入力が一致するほど大きな値の出力が得られる。演算回路EXA1〜EX127の加算出力は図9に示すものとなる。大きな振幅の出力が送信パルスのゴールドコードと一致する受信エコー信号を示している。
図10は、表示及び/又は記録装置10において表示を行う場合を説明するものである。表示及び/又は記録装置10に対しては送信トリガパルスが供給されており、送信トリガパルスのタイミングが画面の上側の発信線(0m)として表示される。送信トリガパルスに対する検波回路9からの検波信号を例えば色を付けて表示する。送信トリガパルスは数Hzから数十Hzの速い繰り返し信号であるので、相関器8からの送信トリガパルスのそれぞれに対応した検波信号を順次並べるように表示することによって、従来の音響測深装置と比較して数倍から数十倍の速さで測深画像が現れることになる。
図11は、パルス変調の一例を説明するものである。例えば200kHzの搬送波の4周期(4波)毎にゴールドコードのビットの"0"及び"1"と対応して位相を0及びπに切り替える。搬送波の周波数は一例であり、他の周波数であってもよく、BPSK以外のQPSK等の変調方式を使用してもよい。さらに、位相変調に限らず、振幅変調を使用してもよい。
相関器8においてデジタル信号処理で相関検出がなされる。1ビットが4周期で構成されており、各周期が8サンプルでデジタル化される。したがって、ゴールドコードのコードが127ビットの場合、一つの受信エコー信号は、(127×4×8=4064ビット)となる。
上述した改良された音響測定装置では、送信信号及び受信エコー信号(海底エコー)を識別することができる。図12に示すように、送信信号Aと送信信号Bとが異なるゴールドコードとされている。送信信号Aと対応する受信エコー信号が送信信号Bの後に受信されてその受信エコー信号が送信Aに対応するものであることを識別できる。したがって、従来のような送信周期Tに関する制限((2D/1500)<T)をなくすことができる。
改良された音響測定装置では水平方向の分解能が次式に示すものとなる。
ΔH=VT
例えば船が10kt(時速10×1.852km)で航行し、送信の周期が0.1秒の場合、ΔH=0.5mとなり、測深深度とは無関係に水平方向の分解能(計測間隔)を決めることができる。図13に示すように、深度にかかわらず、送信周期Tと船速Vのみから水平方向の分解能ΔHが決められる。さらに、6種類の送信信号を識別することができる場合を図14及び図15に模式的に示す。このように、送信周期Tを短いものとでき、深度とは関係なく測深が可能となり、高い水平の計測分解能を得ることができる。
なお、送信信号の識別は周波数などによっても行うことができるが、周波数弁別方式では使用する周波数範囲を広くすると、水中の伝搬損失が周波数によって異なるので、探知距離に周波数差が出るなど好ましくない。改良された音響測定装置では1つの周波数によって送信信号を識別するので、かかる問題が生じない。すなわち、送信信号を識別できるので、送信周期は従来のように海底のエコーが帰ってきてから次の送信信号を発射するという制約がなくなり、短い送信周期で測深が可能なり、水平方向の分解能を飛躍的に向上させることができる。
図16、図17及び図18を参照してシミュレーションの結果と実測の例とを説明する。図16は、従来の音響測深装置で得られる送信信号と受信エコー信号(海底エコー)である。送信周期は0.1sec で海底のエコーが0.07sec のあたりに現れている。送信信号はエコーが受信されてから次の送信を行い、送信を行ってから受信するまでの時間を計測することにより深度を知ることができる。この場合、水中音速を1500/sec とすれば、(0.07×1,500/2=52.5m)の深度を得ることができる。
一方、改良された音響測定装置による音響測深装置は、送信周期は深度に関わりなく決めることができ、図17の例では送信周期が0.05sec である。送信信号の間に海底の受信エコー信号が得られるが、送信信号には識別可能なコード番号A,B,C,・・・が付加されているので相関器を通過後には受信信号を識別できる。この例よりももっと短い送信周期でも識別可能となる。また、送信信号と受信信号が重なっても識別可能である。
実際の受信エコー信号について従来方式の音響測深装置の画像と改良された音響測定装置による音響測深装置の画像を比較してみる。図18A及び図18Bは、従来の音響測深装置の画像である。図18は、従来方式の音響測深機の画像と改良された音響測定装置による音響測深機の画像とを比較したものである。図18Aは、従来方式の画像で横軸が30秒の画像で、図18Bは、横軸が3秒の画像である。この例では1秒間に4回の送信を行った画像で、横軸はかなり粗い画像となる。
これに対して図18Cは、改良された音響測定装置の方式を適用し送信周期を0.05sec とし、1秒間に20回の送信を行ったときの画像である。図18Dは、図18Cの一部を拡大したものである。図18Bと比較してかなり細かい横軸方向の分解能があることがわかる。送信周期を1秒間に50回にしたときの実際の送信信号は図19のようになる。200kHzの信号を5次127ビットのゴールドコードで4波を1ビットとして位相変調し、20ms毎に異なるゴールドコードで変調したパルス信号を並べて送信を行う。
1つのパルス幅Pdは、搬送波の周波数をfc、1ビットに使用する波の数をNサイクル、ゴールドコードの長さをMビットとすると、次の式で表すものとなる。
Pd=(1/fc)×N×M
搬送波周波数fc=200kHz、1ビットに使用する波の数N=4、ゴールドコードの長さM=127の場合にはパルス幅Pdは次に示すものとなる。
Pd=1/200000×4×127=0.00254=2.54msec
さらに送信周期を短くして、2つの送信パルスが重なるように送信しても、相関処理後は分離できる。図20は、2つのゴールドコード信号(GC1及びGC2)を重ねて送信又は受信しても、それら2つのゴールドコード信号を分離して検出できることを示すものである。
<2.開口合成>
次に開口合成について説明する。開口合成とは、1つの送受波器を動かすことによって長い開口の送受波器と等価となる指向性を形成し分解能を上げる手法である。図21に示すように長さdの送受波器を移動させながら送受信を繰り返し、長さLの送受波器と等価となる水平方向の分解能を得る手法のことで、開口合成ソナーとして利用されている。簡単な説明をすれば、図22に示すように送受波器の長さdによる指向角に比べ、開口合成後の送受波器の長さLの指向角はその比d/Lだけ鋭くなるので分解能が向上するというものである。
図23に示す座標系で、P(x,y)の位置からの反射信号の合成信号S(x,y)は次式で表すことができる。
ここでAnは指向性関数、tn はターゲットPまでの往復に要する時間で、水中音速をcとすると、次式で表すことができる。
開口合成で分解能が向上することを計算機シミュレーションを用いて説明する。図24のような位置に点ターゲットがあったとすると、従来方式の音響測深装置又はソナーでは、このターゲットのエコーは図25で示すように円弧状の画像になる。図26Aはわかりやすいように一部分を拡大した画像となっているが、この画像は既に改良された音響測定装置による方式を採用しており、1秒間に20回の送信、すなわちこの画像の上では100回分のエコーのシミュレーション画像である。
この画像から開口合成の手法を用いて処理すれば、図26Bに示すような画像になる。図26Cは図26Bの一部を拡大して示している。図26B及び図26Cから分かるように、点ターゲットが0.1m程度の分解能で探知できていることがわかる。開口合成の条件として、送信周期を0.05sec (20回/秒)、送受波器の移動速度を2m/sec 、開口長を10mとした。
同様に従来方式で開口合成手法を採用した場合の画像が図27Aのように、送信周期が1秒間に1回の場合、移動速度を2m/sec 、開口長を10mとしたとき、5回の送信しかできないので受信エコーも5回分しかない。したがって開口合成を行っても図27Bに示すような低分解能の画像しか得られない。
図28は、2つの点ターゲットを0.2m離して配置した場合の画像で、開口合成前(図28A)は2つの点ターゲットは分離できないが、開口合成後(図28B)は2つの点ターゲットを分離できている。図28Cは図28Bの一部を拡大して示している。
開口合成の手法は既存の技術であるが、改良された音響測定装置の手法を用いて送信周期を早めることにより開口合成の手法を有効に利用できる。すなわち、従来の開口合成方法では、従来の音響測深と同様、受信エコーが戻ってきてから次の送信を行うので、最大探知距離をRとしたときの送信周期Tは、上述したように(2R/1500<T)の関係を満たす必要がある。したがって、最大探知距離をR=500mとしたとき、(T>2×500/1500=0.67sec )にしなければならないので、通常1回/秒の送信周期となる。これに対し、改良された音響測定装置の手法を用いれば、送信周期は最大探知距離の制約を受けずに設定できるので、20回/秒が可能になり、開口合成を有効に使用することができる。
上述した改良された音響測定装置の利点は次の通りである。
従来の音響測深装置等は、水中での音波の速度に制約を受けていたが、改良された音響測定装置ではこの制約が解消される。水中での音波の速度の制約とは、従来の音響測深装置等は送信信号を送出してから海底などのエコー信号を受信してから次の送信信号を送出していたことをいう。
従来の音響測深装置等で開口合成処理を行う場合、かかる制約から送信周期を早くできないので、開口内での受信データを増やすためには船速を遅くする方法しか取り得なかった。改良された音響測定装置の技術を採用すれば、従来の音響測深装置等に比べて数倍から数十倍の送信周期で送信信号を送出できるので、開口合成を行う場合、従来の技術に比べ圧倒的に有利である。
音波の速度の制約により送信周期を短くできないので、受信信号は前の受信信号との相関がない場合が多いので複数の受信信号を加算するなどしてSN比を向上させることは困難である。一方改良された音響測定装置では、送信周期を飛躍的に短くできるので、前後の信号に相関がある。したがって、前後の受信信号を加算するなどしてSN比を向上できるので、低い送信出力でも受信信号を加算処理することが可能になり、装置の小型化や省電力設計が可能になる。
なお、魚群探知機とよく似た技術としてレーダーが知られている。レーダーは空中で使用する機器のため電波を利用している。電波の速度は300,000km/sec であり、水中の音波の速度1.5km/sec と比較して200,000倍ものスピードがある。このため、レーダーの探知範囲を例えば100kmとしても、100kmの電波の往復時間は0.00067sec =0.67msとなり、送信周期は1msが可能となる。すなわち1秒間に1,000回の送信を行っても受信エコーと重なることはない。一方、水中で1,000mの海底を探知しようとすると、受信エコー信号は1,000×2/1500=1.33秒後に返ってくるので送信周期は1.5秒程度になる。レーダーと音響測深装置では、現実的な探知距離100kmと1,000mに対して1.5秒/1ms=1,500倍もの比が有り、音波の速度がいかに音響測深装置等の水中音響機器の送信周期に制約を与えているかわかる。改良された音響測定装置を使用すれば、この制約は解消され、送信周期を飛躍的に早くできるので、画期的な音響測深装置等を設計できることが可能となる。
<3.マルチビーム音響測深機>
改良された音響測定装置の他の例としてマルチビーム音響測深機について述べる。図29に示すように、マルチビーム音響測深機は、船の進行方向に狭く、左右方向に広いファンビームと言われる指向性を持ち一つの送信機から送信信号が送信される。送信ビームとクロスするように、船の前後方向には広く、左右方向には狭いビームを複数有するので、マルチビーム音響測深機と称されるのである。図30は改良された音響測定装置の他の例のマルチビーム音響測深機の構成を示している。
上述したのと同様に、送信側の構成として、送信トリガ発生器1、ゴールドコード発生器2、パルス変調器3、送信アンプ4及び送波器5が設けられている。送波器5から水中超音波が送出される。送信信号は、数Hzから数十Hzの送信周期を持つ信号である。
マルチビーム音響測深機の受信部は、シングルビーム音響測深機の受信部と異なり、複数の受波器61 〜6N を有する。受波器61 〜6N に対して受信アンプ71 〜7N が接続され、受信アンプ71 〜7N に対して相関器81 〜8N が接続される。相関器81 〜8N
からの出力信号がゴールドコード毎の出力をビームフォーミング回路11に入力し、ビームフォーミングを行い、複数の受波ビームを形成する。
ビームフォーミング回路11は、例えば米国特許第4,159,462号明細書に記載されているように、各相関器81 〜8N の出力がそれぞれ供給されるアナログ遅延回路とアナログ遅延回路の遅延素子を選択することによって所定の遅延を与える遅延選択マトリクスとアナログ遅延回路の出力を加算する加算回路とを含む回路である。ビームフォーミング回路11の出力が表示及び/又は記録装置8に供給され、送信パルスに対してエコーが受信されるまでの時間がそれぞれ表示及び/又は記録される。かかるマルチビーム音響測深機に対して改良された音響測定装置を適用した場合も上述と同様の作用効果を得ることができる。
<4.一実施の形態>
本発明による動揺補正装置の一実施の形態について説明する。図5及び図6を参照して説明したように、海底(海底面を意味する)を超音波によって計測する場合、基準海面に対して波の動揺を受けて計測する深度は真の海底よりも深くなったり浅くなったりする。図31は、波による船の動揺の周期が1Hzで、上下動が+/−1mを想定した場合の実際の海底に対して計測によって得られる海底計測値を示したものである。音響測深機による海底の計測値は動揺の影響を受けて変化する。船が波で持ち上げられたときには計測値は実際の海底の深度(破線で示す)よりも深く出るし、船が沈んだときは浅く出る。図31の例では真の海底(破線)に対して計測による深度データ(実線)が動揺の影響を受けていることがわかる。動揺補正を行った結果を図32に示す。図32に示すように、波による動揺成分を取り除いた結果、真の海底をほぼ検出することができる。海底が比較的平坦な場合、波による動揺は深度の変化としてとらえることができる。上述した音響測深装置は、送信信号の周期を短いものとできるので、波による動揺成分を検出することが可能である。鉛直方向の変化(深度の変化)以外にも揺れの成分が存在するが、検出され動揺成分には、揺れの成分も含まれているので、揺れの成分を別に扱う必要がない。このような点から本発明においては、送信信号の周期は、水中の音波の速度をVuとし、深度をDとする場合に、(2D/Vu)以下とされ、且つ動揺成分の周期に比べてサンプリング定理を満足するものとなされる。
本発明の一実施の形態では、対象物(例えば海底)の真の深度の変化に比して動揺成分(例えば波)の変化がより激しいことに基づいて、周波数分離によって動揺成分を計測データから除去することによって動揺補正を行うものである。動揺成分の変化に比して深度変化が激しいような場合では、本発明の一実施の形態によって動揺補正が困難である。実際には、極端に起伏が激しい岩礁地帯を除いて多くの場合に本発明の一実施の形態による動揺補正を適用することができる。
周波数分離の方法の一例は、海底の深度データをフーリエ変換し、動揺成分と考えられる周波数領域を除去するようなフィルタを用いて動揺成分を除去した後、逆フーリエ変換を行えば真の海底に近い成分のみが再生される。図33は、この処理の流れを示すフローチャートである。
ステップST1:海底深度データをフーリエ変換する。フーリエ変換の結果、例えば図34に示すように、動揺成分を含むフーリエ変換データが得られる。図3の中心のピークが真の海底の周波数成分であり、1Hz付近の小さな山が波による動揺の周波数成分を示している。
ステップST2:フーリエ変換データをフィルタリングする。すなわち、図34において破線で示すように、0.5Hz以上の成分を除く処理を行い、1Hz付近の小さな山の成分を除去する。
ステップST3:フィルタリング後のデータを逆フーリエ変換する。この結果、図32において実線で示すように、真の海底の起伏に近い海底のデータが得られる。実際の応用時には、あらかじめ波の成分を予測又は測定し、その周波数成分を除去することによって真の海底深度を求めることができる。
周波数分離の方法の他の例は、図35に示すように、海底深度生データをローパスフィルタ(又はバンドパスフィルタ)21に供給し、動揺成分を除去するものである。海底深度生データは、動揺成分を含み、動揺補正前のデータを意味する。ローパスフィルタ(又はバンドパスフィルタ)21として、図36に示すように、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタの構成を使用できる。IIR(Infinite Impulse Response)の構成のデジタルフィルタを使用してもよい。図36において、単位遅延素子Zの直列接続に対して入力データが供給され、直列接続の段間からそれぞれ取り出された複数のサンプルに対して乗算器M1 〜Mn によって係数a0 〜an をそれぞれ乗算する。乗算器M1 〜Mn の出力が加算器ADによって加算されることによって出力データyn が得られる。係数a0
〜an によって所望の周波数特性のデジタルフィルタを構成することができる。
図37A及び図37Bは、1秒間に100回の送信周期で得られた海底深度生データをローパスフィルタ(又はバンドパスフィルタ)21に対して入力し、ローパスフィルタ(又はバンドパスフィルタ)21の出力に動揺補正がなされた海底深度データを得る例を示している。図37A及び図37Bにおいて、実線22が海底深度生データを示し、破線23が動揺補正後の海底深度データを示す。動揺補正によって真の海底深度を示すデータが得られる。
図38を参照して本発明の一実施の形態の動揺補正のさらに他の例について説明する。図7で示す本発明の音響測深機を用いて深度データを収録する。収録された深度データは図38に示すような時刻と深度値のデータである。この例では、1秒間に20回の送信を行って得られた深度データである。もちろん1秒間に100回送信すればさらに細かい深度データを得ることができる。
得られたこの深度データを図33に示すバッチ処理フローに入力することによって動揺補正処理を行うことができる。
<5.他の実施の形態>
本発明の他の実施の形態は、動揺成分を海面に静止して浮かんでいる船(浮標でもよい)によって検出して検出した動揺成分によって準リアルタイムに動揺補正を行うものである。図39に示すように、深度観測の調査船31が所定のコースと速度で航行する場合、調査船とほぼ同一の波の影響を受ける海域に、動揺成分を検出するための船32を静止して浮かべるようにする。船32によって検出された動揺成分が無線で調査船31に対して送信される。調査船31において、船32から受信した動揺成分によって動揺補正がなされる。
図40に示すように、船32には、海底に対して超音波を送出する送波器41と、海底からのエコーを受信する受波器42が設けられている。送波器41及び受波器42に対して動揺検出部43が接続されている。動揺検出部43は、図7に示し、上述した深度測定と同様の構成及び信号処理によって深度データを得る。この深度データは、船32が同じ場所に静止しているので、深度は一定であるはずであるが、波により上下動を行うので動揺成分のみのデータとなる。動揺データが無線通信部44に供給され、動揺データを含む送信データが調査船31に対して送信される。
調査船31には、図7に示し、上述した深度測定と同様の音響測深装置が備えられている。図40では動揺補正と関連する一部の構成のみが示されている。受波器6で受信され、受信アンプ7から出力される深度生データがローパスフィルタ又はバンドパスフィルタ48に供給される。船32からの動揺データが受信され、無線通信部45から動揺データが出力される。動揺データが調整回路46に供給される。
調整回路46は、送られてきた動揺データをフーリエ変換し、波による動揺の周波数成分を検出し、検出結果に基づいて制御信号を形成する。制御信号は、動揺成分の周波数成分を除去するようにローパスフィルタ又はバンドパスフィルタ48のカットオフ周波数を制御するものである。この制御信号がローパスフィルタ又はバンドパスフィルタ48のカットオフ周波数の制御信号として供給される。これにより、準リアルタイムで動揺補正を行うことができる。
本発明の他の実施の形態は、実際に検出された動揺データを使用して動揺補正を行うので、精度を高くすることができる。調査船以外に検出のための船、浮標等が必要となるが、複数の調査船で検出用の船、浮標等を共用することによってコストの削減を図ることができる。また、動揺検出のための船の音響測深装置は、調査船の音響測深装置と同様の構成であり、動揺検出のための船と調査船の役割を交代させることが簡単であり、運用面の工夫によってコストの削減が可能である。
<6.応用例>
本発明は、超音波振動子アレイにより構成されるトランスデューサを用いて超音波の送受信を行なうものがある。船舶から海底に向けて扇状に送信ビームを照射し、受信ビームを通して海底を見るようになされる。この結果、送信ビーム範囲と受信ビーム範囲が重なる部分の海底が調べられる。マルチビーム法では、方位ごとにその方位にメインビームが向くような所定のビームパターンを持つ受信ビームを形成することで、方位ごとの超音波エコーの強さを推定することができる。かかるマルチビーム法における動揺補正に対してこの発明を適用できる。
<7.変形例>
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料及び数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料及び数値などを用いてもよい。例えば相関検出を行う場合、受信エコー信号をコードに復調してから相関を検出することも可能である。さらに、以上の説明では音響測深装置について述べたが、マルチビーム音響測深装置、サイドスキャンソナー、魚群探知機、スキャニングソナー等の音響測深技術を使用する装置に対して本発明を適用することができる。さらに、海上の波浪に限らず、淡水における音響測深装置の動揺補正に対しても本発明を適用することができる。
なお、上述した実施の形態における処理装置の機能は、磁気ディスク、光磁気ディスク、ROM等の記録媒体にプログラムとして記録することができる。したがって、この記録媒体をコンピュータで読み取ってMPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等で実行することにより音響測定装置の機能を実現することができる。
1 送信トリガパルス発生器
2 ゴールドコード発生器
3 パルス変調器
5 送波器
6 受波器
8 相関器
10 表示及び/又は記録装置
21 ローパスフィルタ又はバンドパスフィルタ
SR シフトレジスタ
EXA1〜EX127 演算回路

Claims (5)

  1. 船などの移動体に設置され、水中の測定対象を探知し、上下方向の動揺によって深度が変化する音響測深装置において、
    疑似雑音系列信号を生成する疑似雑音系列発生回路及び送信タイミングの前記疑似雑音系列信号によって搬送波信号を変調して送信信号を形成する変調回路を有する送信信号形成部と、
    前記送信信号を周期的に超音波として移動体の下方に位置する測定対象に向けて送出する送信部と、
    前記送信部から送出された超音波のエコーを受信する受信部と、
    前記エコーを前記疑似雑音系列信号によって相関処理を行うことによって、前記送信信号と対応する前記エコーを判別し、前記送信信号及び前記エコーの時間差に基づいて深度生データを取得する相関器と、
    前記深度生データに対して動揺補正を行うことによって動揺成分を抑圧する動揺補正部とを備え、
    前記送信信号の周期は、水中の音波の速度をVuとし、深度をDとする場合に、(2D/Vu)以下とされ、且つ前記動揺成分の周期に比べてサンプリング定理を満足するものとなされた音響測深装置。
  2. 前記疑似雑音系列によって搬送波を位相変調することによって前記送信信号を形成する請求項1に記載の音響測深装置。
  3. 前記エコーを搬送波周波数の2倍以上の周波数でサンプリングしてなるデータと前記疑似雑音系列によって相関を検出するようにした請求項1又は2に記載の音響測深装置。
  4. 船などの移動体に設置された音響測深装置によって水中の測定対象を探知し、上下方向の動揺によって深度が変化する音響測深方法において、
    疑似雑音系列信号を生成し、送信タイミングの前記疑似雑音系列信号によって搬送波信号を変調して送信信号を形成し、
    前記送信信号を周期的に超音波として移動体の下方に位置する測定対象に向けて送出し、
    前記送信部から送出された超音波のエコーをを受信し、
    前記エコーを相関器によって相関処理を行うことによって、前記送信信号と対応する前記エコーを判別し、前記送信信号及び前記エコーの時間差に基づいて深度生データを取得し、
    動揺補正部によって前記深度生データに対して動揺補正を行うことによって動揺成分を抑圧し、
    前記送信信号の周期は、水中の音波の速度をVuとし、深度をDとする場合に、(2D/Vu)以下とされ、且つ前記動揺成分の周期に比べてサンプリング定理を満足するものとなされた音響測深方法。
  5. 船などの移動体に設置され、水中の測定対象を探知し、上下方向の動揺によって深度が変化するマルチビーム音響測深装置において、
    疑似雑音系列信号を生成する疑似雑音系列発生回路及び送信タイミングの前記疑似雑音系列信号によって搬送波信号を変調して送信信号を形成する変調回路を有する送信信号形成部と、
    前記送信信号を周期的に超音波として移動体の下方に位置する測定対象に向けて送出する送信部と、
    前記送信部から送出された超音波のエコーを受信する受信部と、
    前記エコーを前記疑似雑音系列信号によって相関処理を行うことによって、前記送信信号と対応する前記エコーを判別し、前記送信信号及び前記エコーの時間差に基づいて深度生データを取得する相関器と、
    前記深度生データに対して動揺補正を行うことによって動揺成分を抑圧する動揺補正部とを備え、
    前記送信信号の周期は、水中の音波の速度をVuとし、深度をDとする場合に、(2D/Vu)以下とされ、且つ前記動揺成分の周期に比べてサンプリング定理を満足するものとなされ、
    前記送信部によって扇状に多数の超音波ビームを送出する
    マルチビーム音響測深装置。
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