JP7166186B2 - 水温測定装置、及び水温測定方法 - Google Patents

水温測定装置、及び水温測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、水温測定装置、及び水温測定方法に関する。
従来、海洋の温度測定装置である水温計として、プローブと呼ばれる計測器を海中に沈めて海中の水温を取得する水温計が知られている(例えば、特許文献1参照)。例えばXCTD(eXpendable Conductivity Temperature and Depth)やXBT(eXpendable Bathy Thermograph)とよばれる投下式の水温計では、水温センサを内蔵したプローブが海中に投下されることにより水温を検出する。
特開平5-188030号公報
しかしながら、上述した水温計では、局所的にしか測定ができず、例えば海洋観測、漁業資源調査などのように広範囲にわたる水中の温度分布を効率よく短時間で測定することができない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、水深に対する広範囲にわたる水中の温度を、遠隔にて測定することができる水温測定装置、及び水温測定方法を提供することである。
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、水底に向けて第1の音波を送信し、前記第1の音波が送信された位置とは異なる水深に位置している反射体により反射された前記第1の音波の反射波を受信するドップラ送受波器と、前記ドップラ送受波器と異なる位置に配置され、前記反射体に向けて第2の音波を送信するコリレーション送波器と、前記反射体により反射された前記第2の音波の反射波を受信し、前記コリレーション送波器と異なる位置に互いに空間的に離間して配置された複数のコリレーション受波器群と、前記ドップラ送受波器により送信された前記第1の音波の送信信号、及び前記ドップラ送受波器により受信された前記第1の音波の受信信号に基づいて、ドップラ周波数を算出するドップラ算出部と、前記コリレーション送波器により送信された前記第2の音波の送信信号、及び前記複数のコリレーション受波器群のそれぞれにより受信された前記第2の音波の各受信信号に基づいて、前記反射体の鉛直方向における速度を算出するコリレーション算出部と、前記ドップラ算出部により算出されたドップラ周波数、前記コリレーション算出部により算出された前記反射体の速度、及び水面の音速に基づいて、前記反射体が位置する場所の音速を算出し、算出した音速に基づいて前記反射体が位置する場所の水温を算出する水温算出部とを備える水温測定装置である。
また、本発明の一態様は、ドップラ送受波器が水底に向けて第1の音波を送信し、前記第1の音波が送信された位置とは異なる水深に位置している反射体により反射された前記第1の音波の反射波を受信する工程と、コリレーション送波器が前記ドップラ送受波器と異なる位置に配置され、前記反射体に向けて第2の音波を送信する工程と、前記コリレーション送波器と異なる位置に互いに空間的に離間して配置された複数のコリレーション受波器群が前記第2の音波の前記反射体により反射された反射波を受信する工程と、ドップラ算出部が前記ドップラ送受波器により送信された前記第1の音波の送信信号、及び前記ドップラ送受波器により受信された前記第1の音波の受信信号に基づいて、ドップラ周波数を算出する工程と、コリレーション算出部が前記コリレーション送波器により送信された前記第2の音波の送信信号、及び前記複数のコリレーション受波器群のそれぞれにより受信された前記第2の音波の各受信信号に基づいて、前記反射体の鉛直方向における速度を算出する工程と、水温算出部が前記ドップラ算出部により算出されたドップラ周波数、前記コリレーション算出部により算出された前記反射体の速度、及び水面の音速に基づいて、前記反射体が位置する場所の音速を算出し、算出した音速に基づいて前記反射体が位置する場所の水温を算出する工程とを有する水温測定方法である。
本発明によれば、水深に対する広範囲にわたる水中の温度を遠隔にて効率よく測定することができる。
第1の実施形態の水温測定装置1が適用される例を示す図である。 第1の実施形態の水温測定装置1の構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態のセンサ部10に配置されるコリレーション送波器12および受波器群の配置の例を示す第1の図である。 第1の実施形態のセンサ部10に配置されるコリレーション送波器12および受波器群の配置の例を示す第2の図である。 第1の実施形態のコリレーション算出部43が行う処理を説明する図である。 第1の実施形態の水温測定装置1の動作の例を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるセンサ部10Aに配置される送受波器および受波器群の配置の例を示す図である。 第1の実施形態の変形例のセンサ部10Aに配置される送受波器および受波器群の配置の例を示す図である。
以下、実施形態の水温測定装置、及び水温測定方法を、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態の水温測定装置1が適用される例を示す図である。
図1に示すように、水温測定装置1は、例えば、船舶2の船底に設けられる。水温測定装置1は、例えば、海洋5において船舶2の船底から海洋5の海底6の方向に二種類の超音波Q1、Q2を送信する。また、水温測定装置1は、送信した超音波Q1、Q2が海洋5にある湧昇流3(鉛直方向の海流)の中に存在する浮遊物により反射された(以下、湧昇流3にある浮遊物により反射された、などと記載する)反射波(エコーともいう)を受信する。また、水温測定装置1は、海洋5の海面4の水温を検出する。また、水温測定装置1は、船舶2のZ軸方向(鉛直方向)の速度v(例えば、上下に揺れる速度)を検出する。そして、水温測定装置1は、受信した反射波、検出した海面4の水温および速度vに基づいて、湧昇流3の反射点の水温を算出する。
ここで、湧昇流3は、海洋5に存在するZ軸方向に速度v(以下、速度vを、潮流速度、流速、湧昇流の速度、ともいう)で移動する海水の流れ(潮流)である。また、ここでの浮遊物とは、例えば、プランクトンやマリンスノーなど水中を漂う微小浮遊物である。これらの浮遊物は湧昇流3の移動に伴いZ軸方向に速度vで移動する。つまり、湧昇流3の速度と湧昇流3にある浮遊物の速度とは同じ速度で移動しているということができる。以下の説明においては、湧昇流3にある浮遊物に反射した超音波の反射等の状況に応じて導出される湧昇流3にある浮遊物の速度のことを、単に湧昇流3の速度という。
また、超音波Q1は、送信波と反射波との周波数の差分(ドップラ周波数)を算出するために用いられる。超音波Q2は、コリレーション方式(相関方式)により湧昇流3がZ軸方向に移動する速度(潮流速度)vを算出するために用いられる。
本実施形態においては、水温測定装置1は、超音波Q1、Q2を、Z軸方向に送信する。
ここで、海底6は「水底」の一例である。また、湧昇流3にある浮遊物は「反射体」の一例である。
超音波Q1と超音波Q2とは、その用途に応じて互いに異なる特性(例えば、ビーム径や周波数、強度等)を持つものであってもよいし、同じ特性を持つものであってもよい。例えば、超音波Q1は、ドップラ周波数を算出するために用いられることからビーム径を比較的細く設定されたペンシルビームであってよい。また、例えば超音波Q2は、コリレーション方式の用途に用いられることから超音波Q1よりも太いビーム径に設定された超音波であってよい。
なお、本実施形態においては、水中における超音波Q1、Q2の伝達速度(以下、音速という)は一定ではなく、伝達媒体である水の深さ(水深)、温度(水温)及び塩分濃度に依存して変化する。海域や季節にもよるが、例えば、海面4における音速は1500[m/s]程度であるが、水深1000[m]における音速は1450[m/s]程度である。
ここで、水温測定装置1の構成について図2を参照して説明する。
図2は、第1の実施形態の水温測定装置1の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、水温測定装置1は、センサ部10と、水面温度検出部20と、移動速度検出部30と、制御部40とを備える。そして、センサ部10は、ドップラ送受波器11と、コリレーション送波器12と、コリレーション第1受波器群13と、コリレーション第2受波器群14と、コリレーション第3受波器群15とを備える。
なお、コリレーション第1受波器群13と、コリレーション第2受波器群14と、コリレーション第3受波器群15とのそれぞれは、水温測定装置1において設置される位置がそれぞれ異なるが、同じ機能を有するコリレーション受波器の集合から成る機能部である。以下の説明において、コリレーション第1受波器群13と、コリレーション第2受波器群14と、コリレーション第3受波器群15とを互いに区別しない場合には、コリレーション受波器群13(14、15)と記載する。
ドップラ送受波器11は、制御部40からの制御に基づいて、ドップラ送受波器11の圧電素子(不図示)に対して所定の電気信号を出力し、圧電素子に電気信号の振幅に応じた振動を行わせることにより超音波Q1を送信する。ドップラ送受波器11に用いられる圧電素子は、例えば、円板形状の圧電セラミック振動子である。
また、ドップラ送受波器11は、超音波Q1の反射波が伝達されることにより生じる、海水などの超音波伝達媒体の膨張または圧縮に基づく振動を圧電素子が受けることで超音波Q1の反射波を受信する。ドップラ送受波器11は、受信した超音波Q1の反射波に対応する信号を制御部40に出力する。
コリレーション送波器12は、制御部40からの制御に基づいて、コリレーション送波器12の圧電素子(不図示)を振動させることにより超音波Q2を送信する。コリレーション送波器12に用いられる圧電素子は、例えば、円板形状の圧電セラミック振動子である。
コリレーション受波器群13(14、15)は、超音波Q2の反射波が伝達されることにより生じる振動をコリレーション第1受波器群13の圧電素子(不図示)が受けることで超音波Q2の反射波を受信する。コリレーション受波器群13(14、15)に用いられる圧電素子は、例えば、円板形状の圧電セラミック振動子である。
水面温度検出部20は、ドップラ送受波器11が設けられた箇所の周囲(例えば、水面)における水温(以下、水面の温度と称する)を検出する。水面温度検出部20は、例えば、サーミスタである。水面温度検出部20は、検出した温度を示す信号を制御部40に出力する。
移動速度検出部30は、船舶2がZ軸方向に移動する速度vを検出する。「船舶2がZ軸方向に移動する」とは、例えば、船舶2が波などにより上下鉛直方向(Z軸方向)に揺れ動くことである。移動速度検出部30は、例えば、GPS(Global Positioning System)あるいは加速度センサを用いて速度vを検出する。移動速度検出部30により検出された速度vは、船舶2に設けられたドップラ送受波器11、コリレーション送波器12、およびコリレーション受波器群13(14、15)がZ軸方向に移動する速度である。換言すると、移動速度検出部30により検出された速度vは、ドップラ送受波器11により送信される超音波Q1、およびコリレーション送波器12により送信される超音波Q2それぞれにおける音源がZ軸方向に移動する速度である。移動速度検出部30は、検出した船舶2の速度vを示す信号を制御部40に出力する。
制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、水温測定装置1を統括的に制御する。制御部40は、センサ制御部41と、ドップラ算出部42と、コリレーション算出部43と、水温算出部44と、水温出力部45とを備える。
センサ制御部41は、センサ部10を制御する。センサ制御部41は、ドップラ送受波器11を制御し、ドップラ送受波器11から超音波Q1を送信させたり、送信させた超音波Q1の送信を停止させたりする。また、センサ制御部41は、ドップラ送受波器11からの超音波Q1の反射波に対応する信号をドップラ算出部42に出力する。
また、センサ制御部41は、コリレーション送波器12を制御し、コリレーション送波器12に超音波Q2を送信させたり、送信させた超音波Q2の送信を停止させたりする。
また、センサ制御部41は、コリレーション受波器群13(14、15)からの超音波Q2の反射波に対応する信号をコリレーション算出部43に出力する。
ドップラ算出部42は、ドップラ送受波器11により送信された超音波Q1の周波数F1と、ドップラ送受波器11により受信された超音波Q1の反射波の周波数F2とに基づいて、ドップラ周波数Δf(=F2-F1)を算出する。ドップラ算出部42は、算出したドップラ周波数Δfを示す信号を、水温算出部44に出力する。
コリレーション算出部43は、コリレーション送波器12により送信された超音波Q2、および、コリレーション受波器群13(14、15)によりそれぞれ受信された超音波Q2の反射波に基づいて、コリレーション方式により、船舶2と湧昇流3とのZ軸方向の潮流速度vを算出する。コリレーション算出部43は、例えば、コリレーションソナー(correlation sonar)として機能する。コリレーションソナーは、コリレーション方式(相関方式)により水中の潮流の状態(例えば、潮流速度)を取得する装置である。
コリレーション算出部43は、複数の受波器(コリレーション受波器群13(14、15))にそれぞれ受信された超音波の反射波の相関関係に基づいて、流速(潮流速度)vを算出する。
コリレーション算出部43は、算出した湧昇流3の流速vを示す信号を、水温算出部44に出力する。
水温算出部44は、水面温度検出部20により検出された水面の温度、移動速度検出部30により検出された船舶2の速度v、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数Δf、およびコリレーション算出部43により算出された湧昇流3が存在する場所における海水の流速vに基づいて、水中の湧昇流3が存在する場所における音速cを算出する。
また、水温算出部44は、音速cが水温Tに関係することから、算出した音速cを用いて水温Tを算出する。
水温出力部45は、例えば、液晶ディスプレイを含んで構成され、水温算出部44により算出された水温Tを表示する。また、水温出力部45は、例えば、プリンタを含んで構成され、水温算出部44により算出された水温Tを印刷するようにしてもよい。
ここで、センサ部10に配置されるドップラ送受波器11、コリレーション送波器12、およびコリレーション受波器群13(14、15)について図3を参照して説明する。
まず、コリレーション受波器群13(14、15)が水温測定装置1において設置される位置について説明する。
図3は、第1の実施形態のセンサ部10に配置されるコリレーション送波器12およびコリレーション受波器群13(14、15)の配置の例を示す第1の図である。図3のXYZ座標軸は互いに直交しており、X軸が水平面上において紙面に向かって左右方向、Y軸が水平面上において紙面に向かって奥行き方向、Z軸が鉛直方向をそれぞれ示す。また、xyz座標軸は、XYX座標軸を、まずY軸の周りに、-35.26°、次にX軸の周りに+45°の角度で回転させたものである。ここで、軸の正方向から見て反時計回りの回転を+(プラス)、時計回りの回転を-(マイナス)とする。上述のように回転させると、鉛直方向であるZ軸は、xyz座標系から見ると、x、y、z軸のそれぞれから、ちょうど等角度になる。
図3に示すように、ドップラ送受波器11とコリレーション送波器12とは、X軸上に距離d離れた位置に設けられる。また、コリレーション第1受波器群13は、x軸上に設けられる2つのコリレーション第1受波器130-1、130-2により構成される。同様に、コリレーション第2受波器群14は、y軸上に設けられる2つのコリレーション第2受波器140-1、140-2により、コリレーション第3受波器群15は、z軸上に設けられる2つのコリレーション第3受波器150-1、150-2により構成される。
図3の例では、コリレーション送波器12は座標原点に、コリレーション第1受波器130-1、130-2はx軸上で互いに距離s1離れた位置にそれぞれ配置される。コリレーション第2受波器140-1、140-2はy軸上で互いに距離s1離れた位置に、コリレーション第3受波器150-1、150-2はz軸上で互いに距離s1離れた位置にそれぞれ配置される。
ここで、水温測定装置1が水温Tを算出する方法について説明する。
まず、コリレーション算出部43が湧昇流3の流速vを算出する方法について説明する。コリレーション算出部43は、湧昇流3の流速vを算出する。以下、コリレーション算出部43が湧昇流3の流速vを算出する過程を順に説明する。
xyz座標系から見た反射点(湧昇流3に含まれる浮遊物の位置)における任意の方向の潮流速度ベクトルをvとすると、潮流速度ベクトルvは式(1)で示される。ここで、vはx軸方向の速度成分、vはy軸方向の速度成分、vはz軸方向の速度成分、をそれぞれ示す。
Figure 0007166186000001
一方、コリレーション送波器12により送信された送信波のビーム方向(XYZ座標軸のZ軸方向)の単位ベクトルeは、式(2)で与えられる。
Figure 0007166186000002
図4は、第1の実施形態のセンサ部10に配置されるコリレーション送波器12およびx軸上に設けられるコリレーション第1受波器群13の配置の例を示す図である。図4の例では、コリレーション第1受波器群13として4個のコリレーション第1受波器130-1~130-4をx軸に沿って設ける。この例では、コリレーション第1受波器130-1とコリレーション第1受波器130-2との間は距離s1、コリレーション第1受波器130-2とコリレーション第1受波器130-3との間は距離s2、コリレーション第1受波器130-3とコリレーション第1受波器130-4との間は距離s3である場合を示している。
なお、この図では省略しているが、y軸及びz軸方向にも、x軸方向と同様に、4個のコリレーション受波器群を設ける。つまり、y軸に沿ってコリレーション第2受波器140-1~140-4を設ける。また、z軸に沿ってコリレーション第3受波器150-1~150-4を設ける。
また、コリレーション送波器12は、図4に示すように、所定の時間間隔Tで超音波パルスP1、P2を送信する。
この場合、潮流速度ベクトルvのx軸方向の成分vは、式(3)で示される。また、潮流速度ベクトルvのy軸方向の成分vは、式(4)で示される。この場合、潮流速度ベクトルvのz軸方向の成分vは、式(5)で示される。
Figure 0007166186000003
Figure 0007166186000004
Figure 0007166186000005
ここで、Tは送波器によりパルス波が送信される間隔である。また、式(3)のsmxは、基準とする位置から、その基準とする位置で受信される受信波形との相関値が最大(ピーク)となると推定されるx軸上の位置までの距離である。式(4)のsmyは、基準とする位置から、その基準とする位置で受信される受信波形との相関値が最大(ピーク)となると推定されるy軸上の位置までの距離である。式(5)のsmzは、基準とする位置から、その基準とする位置で受信される受信波形との相関値が最大(ピーク)となると推定されるz軸上の位置までの距離である。以下では、距離smxは、の算出方法を説明する。距離smy及び距離smzについても同様な方法で算出することが可能である。ここでは、コリレーション算出部43により距離smxが算出される場合を例に説明するが、距離smxの算出は他の機能部により行われてもよい。
まず、コリレーション算出部43は、x軸上のコリレーション第1受波器130-1により受信された一番目のパルス波P1の反射波の波形と、他のx軸上のコリレーション第1受波器130-2、130-3、130-4により受信された二番目のパルス波P2の反射波の波形との相関を算出する。ここで、コリレーション算出部43は、同一の受波器により受信された一番目のパルス波P1の反射波と、二番目のパルス波P2の反射波とを相関値の算出対象としない。つまり、コリレーション算出部43は、同一の受波器(例えば、コリレーション第1受波器130-1)が受信した一番目のパルス波P1の反射波と二番目のパルス波P2の反射波との相関値を算出せず、互いに異なる受波器(例えば、コリレーション第1受波器130-1とコリレーション第1受波器130-2)の各々が受信した一番目のパルス波P1の反射波と二番目のパルス波P2の反射波との相関値を算出する。
次に、コリレーション算出部43が行う処理について図5を参照して説明する。図5は、第1の実施形態のコリレーション算出部43が行う処理を説明する図である。
コリレーション算出部43は、図5に示すように、算出した相関値と、その相関値を算出する対象とした二つ受波器間の距離との関係を示す分布曲線を求める。具体的には、コリレーション算出部43は、例えば、横軸に受波器間の距離、縦軸に算出した相関値がプロットされ、プロットされた点群の近似曲線を分布曲線とする。
そして、コリレーション算出部43は、分布曲線に基づいて、相関値が最も高くなる距離を推定する。コリレーション算出部43は、推定した距離を距離smxとする。
式(1)~式(5)を用いて、式(6)ように鉛直方向の流速度vを求めることができる。
Figure 0007166186000006
式(6)に示すように、コリレーション算出部43により算出される鉛直方向の流速度vは、伝達媒体(例えば、水)における音速が含まれず、その影響を受けない。
次に、水温算出部44が水温Tを算出する方法について説明する。
水温算出部44は、以下の式(7)を用いて反射体(湧昇流3)の位置における音速cを算出する。ここで、Δfはドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数、vは移動速度検出部30により算出された船舶2の速度、cは水面における音速、vtは鉛直方向の流速度、F1はドップラ送受波器11により送信された超音波Q1の周波数、をそれぞれ示す。
Figure 0007166186000007
ここで、水温算出部44は、水面温度検出部20により検出された水面の温度に基づいて水面の音速cを決定する。水温算出部44は、例えば、実測した水面の温度と、その温度である場合の水面の音速を対応付けたテーブルを図示しない記憶部に記憶させ、記憶部を参照することにより、水面温度検出部20により検出された水面の温度に対応する水面の音速cを決定する。あるいは、後述の式(10)を用いて、水温Tを測定された水面の温度、水深hをセンサ部10の設置水深、塩分濃度Sを海洋の平均的な濃度35(0/00)、または塩分濃度測定センサを使って測定した値とし、計算することによって決定しても良い。
水温算出部44は、式(7)にドップラ周波数Δf、船舶2の速度v、湧昇流3の(相対的な)速度v、および水面の音速cを代入し、式(7)を音速cについて解くことにより、反射体(湧昇流3)の位置における音速cを算出する。
具体的には、音速cは、以下の式(8)で示される。ここで、F1はドップラ送受波器11により送信された超音波Q1の周波数、vは移動速度検出部30により算出された船舶2の速度、Δfはドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数、cは水面における音速、vは鉛直方向の流速度、をそれぞれ示す。ただし、vがゼロのとき(鉛直方向の流速度が存在しないとき)は、音速cの測定ができないので除く。
Figure 0007166186000008
また、船舶2のZ軸方向(鉛直方向)の速度vが0(ゼロ)のときは、反射体(湧昇流3)の位置における音速ctは以下の式(9)で与えられる。ここで、Δfはドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数、F1はドップラ送受波器11により送信された超音波Q1の周波数、vは鉛直方向の流速度、をそれぞれ示す。ただし、vがゼロのとき(鉛直方向の流速度が存在しないとき)は、音速cの測定ができないので除く。
Figure 0007166186000009
また、水温算出部44は、以下の式(10)を用いて水温Tを算出する。ここで、cは音速、Tは水温、hは水深、Sは塩分濃度、をそれぞれ示す。
Figure 0007166186000010
ここで、水温算出部44は、例えば、ドップラ送受波器11により超音波Q1が送信されてから湧昇流3にある浮遊物により反射された反射波がドップラ送受波器11に受信されるまでの間の時間Tz、および水面の音速cに基づいて、水深hを決定する。水温算出部44は、例えば、時間Tzと音速cとの積を1/2にした値を水深hとする。また、水温算出部44は、例えば、海洋の平均的な塩分濃度に基づいて塩分濃度Sを決定する。水温算出部44は、例えば、塩分濃度Sを35(0/00)、または塩分濃度測定センサを使って測定した値とする。塩分濃度Sを35とする場合、式(10)における第5項と第8項が0(ゼロ)となる。
水温算出部44は、式(10)の音速、水深、塩分濃度の各々に反射体(湧昇流3)の位置における音速c、水深h、および塩分濃度Sをそれぞれ代入し、式(10)に示す水温Tに関する3次式を水温Tについて解くことにより、水温Tを算出する。
ここで、水温測定装置1の動作について図6を用いて説明する。図6は、第1の実施形態の水温測定装置1の動作の例を示すフローチャートである。
まず、水温測定装置1は、ドップラ送受波器11により超音波Q1を送信させる。また、水温測定装置1は、コリレーション送波器12により超音波Q2を送信させる(ステップS101)。ドップラ送受波器11は、海面4から海底6に向かって鉛直方向に超音波Q1を送信する。また、コリレーション送波器12は、海面4から海底6に向かって鉛直方向に超音波Q2を送信する。
次に、水温測定装置1は、ドップラ送受波器11により湧昇流3にある浮遊物により反射された超音波Q1の反射波を受信させる(ステップS102)。
次に、水温測定装置1は、コリレーション算出部43により湧昇流3の速度vを算出させる(ステップS103)。コリレーション算出部43は、コリレーション送波器12により送信された超音波Q2を示す信号、およびコリレーション受波器群13(14、15)のそれぞれにより受信された超音波Q2の反射波を示す信号のそれぞれの相関度合に基づいて、速度vを算出する。
次に、水温測定装置1は、ドップラ算出部42によりドップラ周波数Δfを算出させる(ステップS104)。ドップラ算出部42は、ドップラ送受波器11により送信された超音波Q1を示す信号(送信信号)、およびドップラ送受波器11により受信された超音波Q1の反射波を示す信号(受信信号)に基づいて、ドップラ周波数Δfを算出する。
次に、水温測定装置1は、水温算出部44により湧昇流3が位置する場所の音速cを算出させる(ステップS105)。水温算出部44は、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数Δf、コリレーション算出部43により算出された湧昇流3の速度v、および水温算出部44により算出された水面の音速cに基づいて、湧昇流3が位置する場所の音速cを算出する。
そして、水温測定装置1は、水温算出部44により湧昇流3が位置する場所の水温Tを算出させる(ステップS106)。水温算出部44は、水温算出部44により算出された音速c、水温算出部44により決定された水深h、および水温算出部44により決定された塩分濃度Sに基づいて、湧昇流3が位置する場所の水温Tを算出する。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、水温測定装置1は、海底に向けて超音波Q1を送信し、超音波Q1が送信された位置とは異なる水深に位置している湧昇流3にある浮遊物により反射された超音波Q1の反射波を受信するドップラ送受波器11と、海底に向けて超音波Q2を送信するコリレーション送波器12と、湧昇流3にある浮遊物により反射された超音波Q2の反射波を受信し、コリレーション送波器12と異なる位置に配置された複数のコリレーション受波器群13(14、15)と、ドップラ送受波器11により送信された送信信号、およびドップラ送受波器11により受信された受信信号に基づいて、ドップラ周波数を算出するドップラ算出部42と、コリレーション送波器12により送信された送信信号、および複数のコリレーション受波器群13(14、15)のそれぞれにより受信された各受信信号に基づいて、水温測定装置1に対する湧昇流3の鉛直方向における流速vを算出するコリレーション算出部43と、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数Δf、コリレーション算出部43により算出された湧昇流3の流速v、および水面の音速cに基づいて、湧昇流3が位置する場所の音速cを算出し、算出した音速cに基づいて湧昇流3が位置する場所の水温Tを算出する水温算出部44とを備える。
これにより、第1の実施形態の水温測定装置1は、水深に対する広範囲に渡る水中の温度を遠隔にて測定することができる。水温測定装置1では、水温算出部44が、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数Δfと、コリレーション算出部43により算出された湧昇流3の流速v、および水面の温度から決定される水面の音速cを式(8)又は式(9)に代入することにより、湧昇流3が位置する場所の音速cを算出することができ、算出した音速c、および超音波が送信されてから受信されるまでの時間から決定される水深h、予め定めた塩分濃度Sを式(10)に代入することにより湧昇流3が位置する場所の水温Tを算出することができ、船舶2が航行して移動する度に船舶2が位置する場所における鉛直方向(Z軸方向)にある湧昇流3の水温Tを算出することにより、水温を広範囲に渡って算出することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
図7は、第2の実施形態におけるセンサ部10Aに配置される送受波器および受波器群の配置の例を示す図である。
第2の実施形態においては、センサ部10Aは、ドップラ送受波器11Aと、コリレーション送波器12Aと、コリレーション第1受波器群13Aとを備える。図7のXYZ座標軸は図3と同様に互いに直交しており、X軸がZ軸に水平な面上において紙面に向かって左右方向、Y軸がZ軸に水平な面上において紙面に向かって上下方向、Z軸が鉛直方向をそれぞれ示す。
図7に示すように、本実施形態では、ドップラ送受波器11Aは、図3と同様に海洋5において船舶2の船底から海底6の方向に超音波Q1を送信する。また、ドップラ送受波器11Aは、海洋5における鉛直方向に速度vで移動する海流3Aにある浮遊物により反射された超音波Q1の反射波を受信する。一方、コリレーション送波器12Aは、ドップラ送受波器11Aから水平方向に(図7の例ではX軸上に)距離d離れた位置に設けられる。
また、図7に示すようにコリレーション送波器12Aは、海洋5に対して水平面(図7の例では、XY平面)に対して俯角θで超音波Q2を送信し、ドップラ送受波器11Aから送信された超音波Q1と交叉するようにする。また、コリレーション第1受波器群13A(コリレーション第1受波器130A-1、130A-2、130A-3、130A-4)は、図7に示すように、コリレーション送波器12Aの位置から離間して鉛直方向(Z軸方向)に設けられ、それらのビーム方向はコリレーション送波器12Aと同様に水平面に対して俯角θの方向に指向させ、ドップラ送受波器11Aから送信された超音波Q1と交差する位置の海流3Aにある浮遊物により反射された超音波Q2の反射波を受信する。
コリレーション第1受波器130A-1、130A-2は、鉛直方向に互いに距離s1離れた位置に配置される。コリレーション第1受波器130A-2、130A-3は、鉛直方向に互いに距離s2離れた位置に配置される。コリレーション第1受波器130A-3、130A-4は、鉛直方向に互いに距離s3離れた位置に配置される。また、コリレーション送波器12Aとコリレーション第1受波器群13Aのビーム方向である俯角θを、機械的または電子的(フェイズドアレイ方式)に変化させ、海流3Aにある浮遊物の位置(Q1とQ2の交差点)を変化させる。
第2の実施形態では、コリレーション算出部43は、コリレーション送波器12Aにより送信された超音波Q2、および、コリレーション第1受波器群13Aにより受信された超音波Q2の反射波に基づいて、コリレーション方式により、海流3AのZ軸方向の流速vを算出する。その他は図3の第1の実施形態と同様で、移動速度検出部30は、船舶2がZ軸方向に移動する速度vを検出する。また、水温算出部44は、水面温度検出部20により検出された水面の温度、移動速度検出部30により検出された船舶2の速度v、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数Δf、およびコリレーション算出部43により算出された海流3AのZ軸方向の流速vtに基づいて、海流3Aが存在する場所における音速ctを算出する。また、水温算出部44は、式(10)の音速ct、塩分濃度S、および水深に相当する船舶2から海流3Aにある浮遊物までの水平距離hをそれぞれ代入し、式(10)を水温Tについて解くことにより、水温Tを算出する。
以上説明したように、第2の実施形態においては、水温測定装置1は、水中の鉛直方向に向けて超音波Q1を送信し、超音波Q1が送信された位置とは異なる水中の鉛直方向に位置している海流3Aにある浮遊物により反射された超音波Q1の反射波を受信するドップラ送受波器11Aと、水中の水平面に対して俯角θに向けて超音波Q2を送信するコリレーション送波器12Aと、コリレーション送波器12Aと異なる位置に、互いに鉛直方向に離間して配置されたコリレーション第1受波器群13Aと、ドップラ送受波器11Aにより送信された送信信号、及びドップラ送受波器11Aにより受信された受信信号に基づいて、ドップラ周波数を算出するドップラ算出部42と、コリレーション送波器12Aにより送信された送信信号、及びコリレーション受波器群13Aとのそれぞれにより受信された各受信信号に基づいて、海流3Aにある浮遊物の鉛直方向における流速を算出するコリレーション算出部43と、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数、コリレーション算出部43により算出された海流3Aにある浮遊物の流速、及び水面の音速に基づいて、海流3Aにある浮遊物が位置する場所の音速を算出し、算出した音速に基づいて海流3Aにある浮遊物が位置する場所の水温を算出する水温算出部44とを備える。
これにより、本第2の実施形態の水温測定装置1は、鉛直距離hに対する広範囲に渡る水中の温度を遠隔にて測定することができる。水温測定装置1では、水温算出部44が、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数Δfと、コリレーション算出部43により算出された流速v、および水面の温度から決定される水面の音速csを式(8)に代入することにより、海流3Aが位置する場所の音速cを算出することができ、算出した音速c、予め定めた塩分濃度S、および水深hとして船舶2から海流3Aにある浮遊物までの鉛直距離h、を式(10)に代入することにより海流3Aにある浮遊物が位置する場所の水温Tを算出することができ、船舶2が航行して移動する度に船舶2が位置する場所におけるZ軸方向にある海流3Aの水温Tを算出することにより、水温を広範囲に渡って算出することができる。
<実施形態の変形例>
次に、実施形態の変形例について図8を参照して説明する。
図8は、実施形態の変形例におけるセンサ部10Bに配置される送受波器および受波器群の配置の例を示す図である。
実施形態の変形例においては、水温測定装置1が水深(鉛直方向)に対して水平方向の水温分布を計測することを可能とする点において、上述した実施形態のうち少なくとも一つの実施形態と相違する。
実施形態の変形例においては、センサ部10Bは、例えば、ドップラ送受波器11Bと、コリレーション送波器12Bと、コリレーション第1受波器群13Bと、コリレーション第2受波器群14Bと、コリレーション第3受波器群15Bとを備える。図8のXYZ座標軸は互いに直交しており、X軸がZ軸に水平な面上において紙面に向かって左右方向、Y軸がZ軸に水平な面上において紙面に向かって上下方向、Z軸が鉛直方向をそれぞれ示す。xyz座標軸は、図3と同様に、XYX座標軸を、初めにYの周りに-35.26°、次にX軸の周りに45°角度変換したものである。
ドップラ送受波器11B、コリレーション送波器12B、コリレーション第1受波器群13B、コリレーション第2受波器群14B、及びコリレーション第3受波器群15Bは、図3の例と同様な位置に設けられる。
図8に示すように、本変形例では、ドップラ送受波器11Bは、海洋5に対して水平方向(図8の例では、XZ平面におけるZ軸方向)に超音波Q1を送信する。また、ドップラ送受波器11Bは、海洋5における水平方向に速度vで移動する波などの海流3Bにある浮遊物により反射された超音波Q1の反射波を受信する。また、コリレーション送波器12Bは、ドップラ送受波器11Bと同様に、海洋5に対して水平方向(図8の例では、XZ平面におけるZ軸方向)に超音波Q2を送信する。コリレーション送波器12Bは、海流3Bにある浮遊物により反射された超音波Q2の反射波を受信する。
移動速度検出部30は、船舶2がZ軸方向に移動する速度vを検出する。また、コリレーション算出部43は、コリレーション送波器12Bにより送信された超音波Q2、および、コリレーション第1受波器群13Bと、コリレーション第2受波器群14Bと、コリレーション第3受波器群15Bとによりそれぞれ受信された超音波Q2の反射波に基づいて、コリレーション方式により、海流3AのZ軸方向の流速vを算出する。また、水温算出部44は、水面温度検出部20により検出された水面の温度、移動速度検出部30により検出された船舶2の速度v、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数Δf、およびコリレーション算出部43により算出された海流3BのZ軸方向の流速vに基づいて、海流3Aが存在する場所における音速cを算出する。ここで、海流は、海洋において主に水平方向に移動する海水の流れである。
また、水温算出部44は、式(10)の音速c、塩分濃度S、および水深に相当する船舶2から海流3Bにある浮遊物までの水平距離h#をそれぞれ代入し、式(10)を水温Tについて解くことにより、水温Tを算出する。
以上説明したように、実施形態の変形例においては、水温測定装置1は、水中の水平方向に向けて超音波Q1を送信し、超音波Q1が送信された位置とは異なる水中の水平方向に位置している海流3Bにある浮遊物により反射された超音波Q1の反射波を受信するドップラ送受波器11Bと、水中の水平方向に向けて超音波Q2を送信し、海流3Aにある浮遊物により反射された超音波Q2の反射波を受信するコリレーション送波器12Bと、海流3Bにある浮遊物により反射された超音波Q2の反射波を受信し、コリレーション送波器12Bと異なる位置に、互いに距離的に離間して配置されたコリレーション第1受波器群13B、コリレーション第2受波器群14B及びコリレーション第3受波器群15Bと、ドップラ送受波器11Bにより送信された送信信号、及びドップラ送受波器11Bにより受信された受信信号に基づいて、ドップラ周波数を算出するドップラ算出部42と、コリレーション送波器12Bにより送信された送信信号、及びコリレーション送波器12Bとコリレーション受波器群13B、コリレーション第2受波器群14B及びコリレーション第3受波器群15Bとのそれぞれにより受信された各受信信号に基づいて、海流3Bにある浮遊物の水平方向における流速を算出するコリレーション算出部43と、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数、コリレーション算出部43により算出された海流3Bにある浮遊物の流速、及び水面の音速に基づいて、海流3Bにある浮遊物が位置する場所の音速を算出し、算出した音速に基づいて海流3Bにある浮遊物が位置する場所の水温を算出する水温算出部とを備える。
これにより、実施形態の変形例の水温測定装置1は、水平距離h#に対する広範囲に渡る水中の温度を遠隔にて測定することができる。水温測定装置1では、水温算出部44が、ドップラ算出部42により算出されたドップラ周波数Δfと、コリレーション算出部43により算出された流速v、および水面の温度から決定される水面の音速cを式(8)に代入することにより、海流3Bが位置する場所の音速cを算出することができ、算出した音速c、予め定めた塩分濃度S、および水深hとしてセンサ部10Bの設置水深、を式(10)に代入することにより海流3Bにある浮遊物が位置する場所の水温Tを算出することができ、船舶2が航行して移動する度に船舶2が位置する場所におけるZ軸方向にある海流3Bの水温Tを算出することにより、水温を広範囲に渡って算出することができる。
実施形態の変形例の水温測定装置1を用いることにより、例えば、原子力発電所の排水口周辺における水温を測定することができるため、当該排水口周辺における水温の分布状況を測定することができる。このとき、センサ部10を海底に固定すれば、式(9)を使って海流3Bが位置する場所の音速cを算出することができる。
なお、本発明における水温測定装置1の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行することにより処理を行なってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、第1の実施形態において、ドップラ送受波器とコリレーション送波器を共用しても良い。人体の内部における血流を、海洋における海流に対応させることにより、体温分布を体外から遠隔にて測定する形態にも適用できる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 水温測定装置
2 船舶
3 湧昇流
3A、3B 海流
4 海面
5 海洋
6 海底
10、10A、10B センサ部
11、11A、11B ドップラ送受波器
12、12A、12B コリレーション送波器
13、13A、13B コリレーション第1受波器群
130、130A コリレーション第1受波器
14、14A、14B コリレーション第2受波器群
140、140A コリレーション第2受波器
15、15A、15B コリレーション第3受波器群
150、150A コリレーション第3受波器
20 水面温度検出部
30 移動速度検出部
40 制御部
41 センサ制御部
42 ドップラ算出部
43 コリレーション算出部
44 水温算出部
45 水温出力部

Claims (4)

  1. 水底に向けて第1の音波を送信し、前記第1の音波が送信された位置とは異なる水深に位置している反射体により反射された前記第1の音波の反射波を受信するドップラ送受波器と、
    前記ドップラ送受波器と異なる位置に配置され、前記反射体に向けて第2の音波を送信するコリレーション送波器と、
    前記反射体により反射された前記第2の音波の反射波を受信し、前記コリレーション送波器と異なる位置に、互いに空間的に離間して配置された複数のコリレーション受波器群と、
    前記ドップラ送受波器により送信された送信信号、及び前記ドップラ送受波器により受信された受信信号に基づいて、ドップラ周波数を算出するドップラ算出部と、
    前記コリレーション送波器により送信された送信信号、及び前記複数のコリレーション受波器群のそれぞれにより受信された各受信信号に基づいて、前記反射体の鉛直方向における速度を算出するコリレーション算出部と、
    前記ドップラ算出部により算出されたドップラ周波数、前記コリレーション算出部により算出された前記反射体の速度、及び水面の音速に基づいて、前記反射体が位置する場所の音速を算出し、算出した音速に基づいて前記反射体が位置する場所の水温を算出する水温算出部と
    を備える水温測定装置。
  2. 前記ドップラ送受波器は、鉛直方向に第1の音波を送受信する
    請求項1に記載の水温測定装置。
  3. 前記コリレーション送波器は、鉛直方向に前記第2の音波を送信し、
    前記複数のコリレーション受波器は、空間的に互いに離間した位置に設けられ、前記複数のコリレーション受波器それぞれに入射される前記第2の音波の反射波を受信する
    請求項1に記載の水温測定装置。
  4. ドップラ送受波器が水底に向けて第1の音波を送信し、前記第1の音波が送信された位置とは異なる水深に位置している反射体により反射された前記第1の音波の反射波を受信する工程と、
    コリレーション送波器が前記ドップラ送受波器と異なる位置に配置され、前記反射体に向けて第2の音波を送信する工程と、
    前記コリレーション送波器と異なる位置に、互いに空間的に離間して配置された複数のコリレーション受波器群が前記反射体により反射された反射波を受信する工程と、
    ドップラ算出部が前記ドップラ送受波器により送信された送信信号、及び前記ドップラ送受波器により受信された受信信号に基づいて、ドップラ周波数を算出する工程と、
    コリレーション算出部が前記コリレーション送波器により送信された送信信号、及び前記複数のコリレーション受波器群とのそれぞれにより受信された各受信信号に基づいて、前記反射体の鉛直方向における速度を算出する工程と、
    水温算出部が前記ドップラ算出部により算出されたドップラ周波数、前記コリレーション算出部により算出された前記反射体の速度、及び水面の音速に基づいて、前記反射体が位置する場所の音速を算出し、算出した音速に基づいて前記反射体が位置する場所の水温を算出する工程と
    を有する水温測定方法。
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