JP2016030749A - 錠剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】胃への副作用が軽減され、かつ、体内での崩壊性に優れた錠剤を提供すること。
【解決手段】非ステロイド系水難溶性薬物(A)を含む粒子群と、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素マグネシウム及び炭酸水素カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種(B)の粒子群と、の混合物を含む(α)層と、前記(B)成分以外のアルミニウム系制酸剤及びマグネシウム系制酸剤からなる群より選ばれる少なくとも一種(C)を含む(β)層と、を有し、(α)層における(B)成分/(A)成分で表される質量比が0.15以上である、錠剤及びその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、錠剤及びその製造方法に関する。
非ステロイド性抗炎症剤の中でもイブプロフェンやアスピリン等は、優れた解熱、鎮痛等の作用を有することから、解熱鎮痛成分として広く用いられている。
イブプロフェンやアスピリン等は、水に溶解しにくい水難溶性の薬物である。このため、イブプロフェンやアスピリン等を含有する内服固形錠剤(イブプロフェン等含有錠剤)は、水溶性高分子化合物等の賦形剤と共に湿式造粒されて造粒粒子群とされ、この造粒粒子群が打錠されて錠剤とされるのが一般的である。
イブプロフェン等含有錠剤は、頓服薬として服用されることが多く、即効性が求められる。錠剤の解熱鎮痛作用等の即効性を良くするには、体内での錠剤の崩壊性を高め、体内における薬物の溶出性を向上させる必要がある。しかし、イブプロフェン等含有錠剤は、薬物固有の物理化学的性質などから、体内での崩壊性が悪い傾向にある。
一方、非ステロイド系解熱鎮痛成分は、胃への副作用が知られている。胃への副作用を軽減する方法としては、非ステロイド系解熱鎮痛成分とともに、アルミニウム系制酸剤又はマグネシウム系制酸剤を併用する方法が知られている。ところが、非ステロイド系解熱鎮痛成分と前記制酸剤とを併用した場合、両者が反応して非ステロイド系解熱鎮痛成分の安定性が悪化する。このため、錠剤の形態を、非ステロイド系解熱鎮痛成分と前記制酸剤とがそれぞれ異なる層に含まれる積層錠、に成形する必要があった。
従来、このような積層錠として、プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症剤及びカルシウム塩を含む第1層と、塩基性無機金属塩(水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等)を含む第2層と、を有する積層錠が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−87061号公報
しかしながら、特許文献1に記載された積層錠においては、体内での錠剤の崩壊性が不充分であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、胃への副作用が軽減され、かつ、体内での崩壊性に優れた錠剤、を課題とする。
非ステロイド系解熱鎮痛成分と前記制酸剤とがそれぞれ異なる層に含まれる積層錠の製造においては、非ステロイド系解熱鎮痛成分が含まれる層の結合力と、制酸剤が含まれる層の結合力と、に大きな差が生じ、打錠の際、両方の層に均一に打錠圧が伝わりにくい。そして、製造される錠剤は、体内での崩壊が遅く、即効性に劣る。このように、従来、非ステロイド系解熱鎮痛成分を薬効成分とする錠剤において、胃への副作用の軽減と、高い崩壊性と、を両立させることは非常に困難であった。
本発明者らは鋭意検討した結果、非ステロイド系解熱鎮痛成分を含む層に、ナトリウム、マグネシウム、カリウムの炭酸塩又は炭酸水素塩の粒子群を、特定の含有割合で、非ステロイド系解熱鎮痛成分を含む粒子群と共存させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の錠剤は、非ステロイド系水難溶性薬物(A)を含む粒子群と、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素マグネシウム及び炭酸水素カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種(B)の粒子群と、の混合物を含む(α)層と、前記(B)成分以外のアルミニウム系制酸剤及びマグネシウム系制酸剤からなる群より選ばれる少なくとも一種(C)を含む(β)層と、を有し、前記(α)層における(B)成分/(A)成分で表される質量比が0.15以上であることを特徴とする。
本発明の錠剤の製造方法は、前記(A)成分を含む粒子群と前記(B)成分の粒子群との混合物と、前記(C)成分と、を打錠する、上記本発明の錠剤の製造方法であって、前記(A)成分を含む粒子群と前記(B)成分の粒子群との混合物を含む(α)層を形成する工程、前記(C)成分を含む(β)層を形成する工程、及び、前記(α)層と前記(β)層とを積層する工程を備えることを特徴とする。
本発明の錠剤の製造方法においては、前記(α)層を形成する工程で、前記(B)成分を湿式造粒することなく、前記(A)成分を含む造粒粒子群と前記(B)成分の粒子群との混合物を得ることが好ましい。
本発明の錠剤によれば、胃への副作用が軽減され、かつ、体内での崩壊性に優れる。
本発明の錠剤の製造方法によれば、胃への副作用が軽減され、かつ、体内での崩壊性に優れた錠剤を製造できる。
(錠剤)
本発明の錠剤は、(α)層と(β)層とを有する積層錠である。
(α)層と(β)層とは接触していてもよいし、(α)層と(β)層との間に中間層が設けられていてもよい。但し、生産性の観点から、(α)層と(β)層とは接触していることが好ましい。中間層としては、前記(A)成分、前記(B)成分又は前記(C)成分を実質的に含まない層が挙げられる。
本明細書において「実質的に含まない」とは、対象の層における対象成分の含有割合が10質量%以下であることを意味する。
<(α)層>
(α)層は、非ステロイド系水難溶性薬物(A)(以下「(A)成分」ともいう。)を含む粒子群と、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素マグネシウム及び炭酸水素カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種(B)(以下「(B)成分」ともいう。)の粒子群と、の混合物を含む層である。
(A)成分を含む粒子群の平均粒子径は、4〜600μmが好ましく、4〜500μmがより好ましい。
(B)成分の粒子群の平均粒子径は、10〜800μmが好ましい。
本明細書において、粒子群の平均粒子径とは、体積平均粒子径を意味し、レーザー回折・散乱法により測定される値を示す。例えば、レーザー回折・散乱粒度分布測定装置「LS230型」(ベックマン・コールター社製)等を用いて測定される。
(α)層の厚さは、錠剤の服用量等を勘案して決定され、例えば、2.0〜7.0mmが好ましく、2.5〜6.5mmがより好ましい。
(α)層には、特に胃への副作用の軽減の点から、(C)成分が含まれていないことが好ましい。(α)層中の(C)成分の含有割合は、(A)成分100質量部に対して5質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0質量部が最も好ましい。
≪(A)成分≫
(A)成分は、非ステロイド系水難溶性薬物である。
本発明において、水難溶性薬物とは、20℃の水に対する溶解度が1.3g/100mL以下である薬物をいう。
また、(A)成分は、解熱鎮痛効果を有し、好ましくは酸性薬物である。酸性薬物とは、25℃におけるpKaが7以下の薬物をいう。複数の水素イオンを放出し、複数のpKa値を有するものについては、最も低い値のpKaが7以下である薬物をいう。
(A)成分としては、例えば解熱鎮痛効果を有するもの、具体的には、アスピリン(溶解度0.46g/100mL、pKa3.5)、エテンザミド(溶解度0.1g/100mL以下)、メフェナム酸(溶解度0.01g/100mL以下、pKa4.2)、スリンダク(溶解度0.01g/100mL以下、水・メタノールを溶媒とした際の25℃におけるpKa4.5)、インドメタシン(溶解度0.01g/100mL以下、pKa4.2)、フェルビナク(溶解度0.01g/100mL以下、pKa3.9)、エトドラク(溶解度0.01g/100mL以下、pKa4.5)、イブプロフェン(溶解度0.01g/100mL以下、pKa4.5)、フルルビプロフェン(溶解度0.01g/100mL以下、pKa3.8)、ケトプロフェン(溶解度0.02g/100mL、pKa3.9)、ナプロキセン(溶解度0.01g/100mL以下、5%エタノール水溶液を溶媒とした際の25℃におけるpKa4.9)、オキサプロジン(溶解度0.01g/100mL以下、pKa4.2、pKa1.0)、ザルトプロフェン(溶解度0.01g/100mL以下、pKa3.8)、ピロキシカム(溶解度0.01g/100mL以下、pKa5.1、pKa1.8)、メロキシカム(溶解度0.01g/100mL以下、pKa4.1、pKa1.1)、ロルノキシカム(溶解度0.01g/100mL以下、pKa5.2、pKa0.8)等が挙げられる。
これらの中でも、本発明による効果が特に顕著に得られることから、イブプロフェン、アスピリン、エテンザミド、エトドラクが好ましく、イブプロフェン、アスピリンがより好ましい。
尚、上記の例示成分の後の括弧内に示す溶解度は、20℃の水に対する溶解度を意味する。pKaは、記載があるもの(スリンダク、ナプロキセン)を除き、水を溶媒とした際の25℃におけるpKaを意味する。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
錠剤中の(A)成分の含有割合は、特に限定されないが、錠剤1錠当たり、例えば3〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、15〜55質量%が特に好ましい。
錠剤中の(A)成分の含有割合が前記の好ましい下限値以上であれば、充分な薬効が得られる。一方、錠剤中の(A)成分の含有割合が前記の好ましい上限値以下であれば、(A)成分の打錠機等への付着による打錠障害の発生がより抑制される。
(α)層中の(A)成分の含有割合は、錠剤の形態及び製造性等を勘案して決定され、(α)層の総質量に対し、例えば4質量%以上が好ましく、5〜99質量%がより好ましく、10〜98質量%が特に好ましい。
(α)層中の、(A)成分を含む粒子群は、(A)成分からなる粒子群でもよいし、(A)成分とこれ以外の成分とからなる粒子群でもよい。
(A)成分とこれ以外の成分とからなる粒子群は、(A)成分からなる粒子群と、(A)成分以外の成分からなる粒子群と、の混合物でもよいし、(A)成分とこれ以外の成分との造粒粒子群でもよい。(A)成分とこれ以外の成分との造粒粒子群を用いることで、製造時の流動性等のハンドリング性が良好であり、高い錠剤硬度が得られやすくなる。
(A)成分とこれ以外の成分との造粒粒子群としては、(A)成分と後述の結合剤とを含有する造粒粒子群がより好ましく、(A)成分と、水溶性高分子化合物又は水膨潤性高分子化合物と、を含有する造粒粒子群がさらに好ましく、(A)成分と、水溶性高分子化合物又は水膨潤性高分子化合物と、を含有する造粒顆粒が特に好ましい。
(A)成分とこれ以外の成分とからなる粒子群に占める(A)成分の割合は、該粒子群の総質量に対して5質量%以上が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、20〜80質量%が特に好ましい。
(α)層中の、(A)成分とこれ以外の成分とからなる粒子群の含有割合は、錠剤の形態及び錠剤硬度等を勘案して決定され、(α)層の総質量に対し、例えば20〜80質量%が好ましく、30〜75質量%がより好ましく、40〜75質量%が特に好ましい。
(A)成分以外の成分としては、後述の結合剤、崩壊剤などが挙げられる。
≪(B)成分≫
(B)成分は、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素マグネシウム及び炭酸水素カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
これらの中でも、(B)成分としては、その粒子群の流動性や吸湿性、錠剤の体内での崩壊性の面から、炭酸水素ナトリウムが好ましい。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
錠剤中の(B)成分の粒子群の含有割合は、錠剤中の(A)成分の含有割合等を勘案して決定され、錠剤1錠当たりの下限値としては、例えば0.5質量%以上が好ましく、1.2質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が特に好ましい。錠剤中の(B)成分の含有割合が前記の好ましい下限値以上であると、錠剤の体内での崩壊性のさらなる向上が図れる。一方、錠剤1錠当たりの上限値としては、特に限定されないが、55質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。
一般的に(B)成分の粒子は硬い粒子であることが多いため、圧縮成形性が良くなく、錠剤の硬度を高めにくい。また、(B)成分の粒子群が多量に含まれると、薬物の安定性が悪くなるおそれがある。これらの点を勘案し、錠剤中の(B)成分の含有割合は、錠剤1錠当たり、0.5〜50質量%が好ましく、1.2〜45質量%がより好ましく、1.5〜40質量%が特に好ましい。
(α)層中の(B)成分の粒子群の含有割合は、打錠時の粉体や錠剤の杵への付着性に影響し、打錠機からの錠剤の排出性に関係する。良好な錠剤の排出性を得るためには、(α)層の総質量に対し、例えば1〜50質量%が好ましく、1.2〜40質量%がより好ましく、1.5〜30質量%がさらに好ましく、3〜20質量%が特に好ましい。
本発明において、「(α)層における(B)成分/(A)成分で表される質量比」とは、(α)層に含まれる(A)成分の含有質量に対する、(α)層に含まれる(B)成分の含有質量の割合を表す。
(α)層中の(A)成分と(B)成分との混合比率は、(α)層における(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下「B/A比」とも表記する。)が、0.15以上であり、0.2以上が好ましく、0.25以上がより好ましい。B/A比が前記下限値以上であれば、体内での崩壊性に優れた錠剤が得られやすくなる。
前記B/A比の上限値は、特に限定されないが、例えば0.8以下が好ましく、0.6以下がより好ましい。(B)成分は、一般的に硬い粒子であることが多い。このため、錠剤を製造する際、圧縮成形性が悪く、大きいサイズの錠剤が成形されやすい。また、(B)成分が多量に含まれると、(A)成分の安定性を悪化させるおそれがあり、さらに、錠剤を服用した際に苦味や塩味といった不快な味を感じるようになる。B/A比が前記の好ましい上限値以下であれば、成形される錠剤は大きすぎることがなく、錠剤硬度がより高くなる、(A)成分の安定性がより向上する、及び、錠剤を服用した際に不快な味が感じられにくくなる。
加えて、B/A比が前記の範囲内であれば、錠剤の変色も生じにくくなる。
(α)層に含まれる、(A)成分を含む粒子群と、(B)成分の粒子群と、の混合物は、(A)成分及び(B)成分以外に、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
(α)層中、(A)成分を含む粒子群と、(B)成分の粒子群と、の合計の含有割合は、(α)層の総質量に対し、7質量%以上が好ましく、10〜95質量%がより好ましく、10〜70質量%が特に好ましい。
≪他の成分≫
(α)層は、(A)成分及び(B)成分以外に、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
(A)成分及び(B)成分以外に(α)層が含んでいてもよい他の成分としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、通常、錠剤に配合されている成分を用いることができる。
かかる他の成分としては、例えば結合剤、崩壊剤、賦形剤、滑沢剤、香料、矯味剤(甘味料、酸味料など)、(A)成分以外の薬物等が挙げられる。
結合剤としては、水溶性高分子化合物又は水膨潤性高分子化合物が挙げられる。ここでいう「水溶性高分子化合物」とは、20℃の水に対する溶解度が1mg/mL以上であり、重量平均分子量が1000以上の化合物をいう。「水膨潤性高分子化合物」とは、重量平均分子量が1000以上であり、水を加えると透明、混濁又は懸濁の粘稠な液性を示す化合物をいう。
結合剤として具体的には、澱粉、アルファー化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等が挙げられる。
崩壊剤としては、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
賦形剤としては、前記崩壊剤で例示した成分に加えて、乳糖、コーンスターチ、タルク、結晶セルロース(アビセルなど)、粉糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム、L−システイン等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
香料としては、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油など)等が挙げられる。
甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。
酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、又はこれらの塩等が挙げられる。
(A)成分以外の薬物としては、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等の鎮静催眠成分;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、マレイン酸カルビノキサミン等の抗ヒスタミン成分;臭化水素酸デキストロメトルファン、リン酸ジヒドロコディン、リン酸コディン、ヒベンズ酸チペピジン、塩酸クロペラスチン、ベンゾナテート等の鎮咳成分;塩酸ノスカピン、塩酸ブロムヘキシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン等の去痰成分;塩酸L−システイン、塩酸L−メチルシステイン、アセチルシステイン等の粘膜溶解成分;カルボシステイン等の粘液修復成分;塩化リゾチーム等の消炎酵素成分;グリチルリチン酸等の抗炎症成分;塩酸アンブロキソール等の粘液潤滑成分;塩酸テルビナフィン等の抗真菌成分;シュードエフェドリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸テルブタリン、イソプロテレノール、サルブタモール、テルブタリン等のβ2−アドレナリン受容体刺激薬、テオフィリン、アミノフィリン、プロキシフィリン等のキサンチン系薬剤、クロモグリク酸等の気管支拡張成分又は喘息治療成分;アミノ酸類;生薬;ビタミンA,D,E,K,U等の脂溶性ビタミン類、ビタミンB,C,P等の水溶性ビタミン類等のビタミン;カフェイン、アセトアミノフェン等が挙げられる。
<(β)層>
(β)層は、前記(B)成分以外のアルミニウム系制酸剤及びマグネシウム系制酸剤からなる群より選ばれる少なくとも一種(C)(以下「(C)成分」ともいう。)を含む層である。
(β)層の厚さは、錠剤の服用量及び崩壊性等を勘案して決定され、例えば、0.3〜5.0mmが好ましく、0.5〜3.0mmがより好ましい。
≪(C)成分≫
(C)成分は、(B)成分以外のアルミニウム系制酸剤及びマグネシウム系制酸剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(C)成分としては、胃酸を中和する作用を奏する、アルミニウム又はマグネシウムのいずれか1以上を含む成分(但し、(B)成分を除く)であればよく、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、乾燥水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果がより得られやすいことから、乾燥水酸化アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウムが好ましく、乾燥水酸化アルミニウムがより好ましい。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
錠剤中の(C)成分の含有割合は、錠剤中の(A)成分及び(B)成分の含有割合等を勘案して決定され、錠剤1錠当たり、例えば3〜40質量%が好ましく、4〜30質量%がより好ましい。
錠剤中の(C)成分の含有割合が好ましい下限値以上であると、制酸効果が発揮されやすくなる。一方、錠剤中の(C)成分の含有割合が好ましい上限値以下であれば、変色等の経時変化がより生じにくくなる。加えて、錠剤の崩壊性がより良好になる。
(β)層中の(C)成分の含有割合は、錠剤の崩壊性や、(α)層と(β)層との層間剥離性等を勘案して決定される。(β)層の総質量に対し、例えば60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、さらに好ましくは50質量%以下とすることで、崩壊性のより良好な錠剤が得られやすい。また、(β)層の総質量に対し、例えば45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、さらに好ましくは35質量%以下とすることで、(α)層と(β)層との層間剥離が生じにくくなる。一方、(β)層中の(C)成分の含有割合の下限値は、制酸効果が発揮されやすいことから、(β)層の総質量に対し、例えば5質量%以上が好ましい。
≪他の成分≫
(β)層は、(C)成分以外に、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。
但し、(β)層には、(A)成分が含まれていないことが好ましい。(β)層中、(A)成分の含有割合は、(β)層の総質量100質量部に対して3質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましく、0質量部が最も好ましい。
(C)成分以外に(β)層が含んでいてもよい他の成分としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、通常、錠剤に配合されている成分を用いることができる。
かかる他の成分としては、例えば結合剤、崩壊剤、賦形剤、滑沢剤、香料、矯味剤(甘味料、酸味料など)、(A)成分以外の薬物、(B)成分等が挙げられる。これらの成分は、(α)層が含んでいてもよい他の成分として例示したものと同様である。
(β)層中、(B)成分の含有割合は、(β)層の総質量100質量部に対して60質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、0〜40質量部がさらに好ましい。
(錠剤の製造方法)
上記本発明の錠剤は、前記(A)成分を含む粒子群と前記(B)成分の粒子群との混合物と、前記(C)成分と、を打錠する方法により製造できる。
かかる錠剤の製造方法の一実施形態としては、前記(A)成分を含む粒子群と前記(B)成分の粒子群との混合物を含む(α)層を形成する工程((α)層形成工程)と、前記(C)成分を含む(β)層を形成する工程((β)層形成工程)と、前記(α)層と前記(β)層とを積層する工程(積層工程)と、を備える方法が挙げられる。
尚、前記実施形態においては、(α)層形成工程と積層工程とが一工程であってもよく、又は、(β)層形成工程と積層工程とが一工程であってもよい。すなわち、(α)層と(β)層とをそれぞれ形成した後、これらの層を積層してもよいし;(α)層を形成した後、この(α)層に重ねて(β)層を形成しつつ両方の層を積層してもよいし;(β)層を形成した後、この(β)層に重ねて(α)層を形成しつつ両方の層を積層してもよい。
以下、(β)層形成工程と積層工程とが一工程である場合の錠剤の製造方法について説明する。
<(α)層形成工程>
(α)層形成工程では、前記(A)成分を含む粒子群と前記(B)成分の粒子群との混合物を含む(α)層を形成する。
前記(B)成分の粒子群は、原末をそのまま用いればよい。
前記(A)成分を含む粒子群は、原末をそのまま用いてもよく、造粒したもの(造粒粒子群)を用いてもよい。この造粒粒子群には、例えば、(A)成分の原末を造粒したもの、(A)成分とこれ以外の成分((B)成分を除く)とを造粒したものが用いられる。
(A)成分を含む造粒粒子群を製造する方法には、公知の造粒方法を用いればよく、乾式造粒法、湿式造粒法のいずれも用いることができる。
乾式造粒法としては、例えば乾式圧縮法が挙げられ、具体的には、(A)成分とこれ以外の成分とを混合して得られた混合物を圧縮して造粒する方法が挙げられる。
湿式造粒法としては、例えば、(A)成分と崩壊剤等との混合物に、結合剤を含有する水性液を噴霧しながら造粒する方法が挙げられる。その際、必要に応じて、他の成分を添加してもよい。
結合剤を含有する水性液の噴霧は、造粒粒子群中の(A)成分の含有割合が5〜60質量%となるまで行うのが好ましく、より好ましくは10〜55質量%、さらに好ましくは20〜50質量%になるまで行う。(A)成分の含有割合が、前記の好ましい下限値以上であれば、(A)成分以外の成分の配合量を減らせるため、造粒粒子の粗大化が抑制される。一方、前記の好ましい上限値以下であれば、打錠時の流動性がより良好になる、又は、打錠機への付着性がより低減する。
湿式造粒法として具体的には、流動層造粒法、撹拌造粒法、押出し造粒法、転動造粒法、捏和・破砕造粒等が挙げられる。これらの中でも、湿式造粒法が好ましく、流動層造粒法または撹拌造粒法が特に好ましい。
流動層造粒法による造粒粒子群の製造は、例えば、撹拌型流動造粒装置(例えば株式会社パウレック製のマルチプレックス、フロンイント産業株式会社製のスパイラフロー等)を用いて、前記水性液を噴霧しながら造粒することにより実施できる。
撹拌造粒法による造粒粒子群の製造は、例えば、撹拌造粒機(例えば深江パウテック株式会社製のハイスピードミキサー、株式会社ダルトン製の高速攪拌造粒機)を用いて、前記水性液を噴霧又は滴下しながら撹拌錬合した後に、押出し造粒機(たとえば株式会社ダルトン製のドームグラン)を用いて造粒することにより実施できる。
造粒条件は、特に限定されないが、(A)成分の融点よりも低い温度で行うことが好ましい。例えば(A)成分がイブプロフェンの場合、65℃よりも低い温度で造粒することが好ましい。
造粒後、得られた造粒粒子群に対し、体積平均粒子径や粒度分布を整えるための整粒処理(粉砕、篩過等)を行ってもよい。
(A)成分とこれ以外の成分との造粒粒子群の平均粒子径は、50〜500μmが好ましく、100〜400μmがより好ましい。造粒粒子群の平均粒子径が、前記の好ましい下限値以上であれば、造粒粒子群の流動性が良好になり、製造時のハンドリング性が向上し、一方、前記の好ましい上限値以下であれば、造粒粒子の粗大化が抑制される。
(α)層形成工程においては、(A)成分を含む粒子群と、(B)成分の粒子群と、必要に応じて他の成分と、を混合して混合物(混合粉体)を得る。その際、(B)成分を湿式造粒することなく、(A)成分を含む造粒粒子群と(B)成分の粒子群との混合物を得ることが好ましい。すなわち、加水せずに(B)成分を(A)成分と混合することが好ましい。具体的には粉体混合、乾式造粒法が好適であり、より簡便な方法であることから、粉体混合が特に好ましい。これによって、崩壊性のより高い錠剤が得られやすい。
本工程での混合操作には、一般的に用いられる混合機を用いることができる。混合機としては、例えば、ボーレコンテナミキサー(寿工業株式会社製)、V型混合機(株式会社ダルトン製)、リボンミキサー(株式会社ダルトン製)等が挙げられる。
本工程では、全成分を混合機に投入して混合することもできるし、一部の成分を混合した後、残りの成分を逐次投入して混合することもできる。
次いで、得られた混合物(混合粉体)を、打錠機に充填し打錠して(α)層を形成する。打錠機としては、例えば、リブラ(株式会社菊水製作所製)、L−41型(株式会社畑鐵工所製)等のロータリー式の打錠機などが挙げられる。
<(β)層形成工程、積層工程>
次に、(α)層に重ねて、(C)成分を含む(β)層を形成しつつ、(α)層と(β)層とを積層する。
前記(C)成分は、原末をそのまま用いてもよく、造粒したもの(造粒粒子群)を用いてもよい。この造粒粒子群には、例えば、(C)成分の原末を造粒したもの、(C)成分とこれ以外の成分((A)成分及び(B)成分を除く)とを造粒したものが用いられる。(C)成分とこれ以外の成分との造粒粒子群を製造する方法には、公知の造粒方法を用いればよい。
積層工程においては、まず、(C)成分と、必要に応じて他の成分と、を混合して混合物(混合粉体)を得る。本工程での混合操作には、(α)層形成工程についての説明の中で例示した混合機と同じものを用いることができる。本工程では、全成分を混合機に投入して混合することもできるし、一部の成分を混合した後、残りの成分を逐次投入して混合することもできる。
次いで、得られた混合物(混合粉体)を、(α)層が形成されている打錠機に充填して打錠する。これによって、(β)層が形成されつつ、(α)層と(β)層とが積層され、目的とする錠剤が製造される。
<他の工程>
上述した実施形態の錠剤の製造方法においては、積層工程の後に、コーティング工程を備えていてもよい。コーティング工程では、積層工程の後、錠剤の保存安定性の向上等を図るため、錠剤にコーティング処理が施される。
コーティング処理としては、特に限定されず、従来公知の方法を適用でき、例えば、コーティング剤を打錠後の積層錠の表面に塗布し、次いで乾燥する方法が挙げられる。
コーティング処理に用いる機器としては、公知のものを用いることができ、例えば、ハイコーター(フロイント産業株式会社製)、アクアコーター(フロイント産業株式会社製)等のパン型コーティング機器が挙げられる。
コーティング剤としては、錠剤の体内での崩壊性を損なわないものを選択することが好ましく、中でも親水性高分子化合物や糖類がより好ましい。具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース類;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の親水性高分子化合物;砂糖(グラニュー糖等)、乳糖、麦芽糖、キシロース、乳糖又はその水和物、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物)等の糖類、パラチニット、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール、マンニトール等の糖アルコール等が挙げられる。また、Opadry(日本カラコン合同会社製)等の市販のプレミックス品を用いてもよい。
これらのコーティング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コーティング剤の使用量は、錠剤100質量部に対し、0.1〜20質量部程度とすることが好ましい。
上述した本発明の錠剤は、(A)成分と(C)成分とを、異なる層の(α)層と(β)層とにそれぞれ含む積層錠であることから、胃への副作用が軽減される。
加えて、本発明の錠剤は、(A)成分を含む粒子群と、これとは別の(B)成分の粒子群と、を特定の混合比率((B)成分/(A)成分で表される質量比が0.15以上)で(α)層に含むため、体内での崩壊性に優れる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。尚、本実施例において、「%」は、特に断りがない限り「質量%」を示す。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
・(A)成分:非ステロイド系水難溶性薬物
イブプロフェン、商品名「イブプロフェンDC85」(BASF社製)、20℃の水に対する溶解度0.01g/100mL以下、水を溶媒とした際の25℃におけるpKa4.5。平均粒子径が約85μmの粉末。本原料は、実施例1〜11と比較例1〜5とで使用した。
イブプロフェン、商品名「イブプロフェン25」(BASF社製)、20℃の水に対する溶解度0.01g/100mL以下、水を溶媒とした際の25℃におけるpKa4.5。平均粒子径が約25μmの粉末。本原料は、実施例12〜14で使用した。
アスピリン、商品名「RHODINE 3220」(Novacyl社製)、20℃の水に対する溶解度0.46g/100mL、水を溶媒とした際の25℃におけるpKa3.5。平均粒子径が約130μmの粉末。
・(B)成分:炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素マグネシウム及び炭酸水素カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種
炭酸水素ナトリウム、商品名「重炭酸ナトリウムKF」(旭硝子株式会社製)。平均粒子径が約100μmの粉末。
・(C)成分:(B)成分以外のアルミニウム系制酸剤及びマグネシウム系制酸剤からなる群より選ばれる少なくとも一種
乾燥水酸化アルミニウムゲル、商品名「S−100」(協和化学工業株式会社製)。
・他の成分
ヒドロキシプロピルセルロース、商品名「HPC−SSL」(日本曹達株式会社製)2質量%水溶液の20℃における粘度2.5mPa・s、結合剤。
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、商品名「LH−31」(信越化学株式会社製)、崩壊剤。
クロスポビドン、商品名「Kollidon CL−SF」(BASF社製)、崩壊剤。
結晶セルロース、商品名「セオラスUF702」(旭化成ケミカルズ株式会社製)、賦形剤。
マンニトール、商品名「ペアリトール200SD」(ロケット社製)、賦形剤。
炭酸カルシウム、商品名「炭酸カルシウム」(旭硝子株式会社製)、賦形剤。
リン酸カルシウム、商品名「リン酸カルシウム」(和光純薬工業株式会社製)、賦形剤。
ステアリン酸マグネシウム、商品名「ステアリン酸マグネシウム」(太平化学産業株式会社製)、滑沢剤。
無水カフェイン、商品名「0.2/0.5」(白鳥製薬株式会社製)、薬物。
アリルイソプロピルアセチル尿素、商品名「アリプロナール」(金剛化学株式会社製)、薬物。
アセトアミノフェン、商品名「アセトアミノフェン」(岩城製薬株式会社製)、薬物。
<錠剤の製造方法>
表2〜5に示す組成(配合成分、含有割合(質量%/錠))に従い、各例の錠剤を下記の製造方法によりそれぞれ製造した。
表に記載されている各成分の含有割合(質量%/錠)は、錠剤1錠中の各配合成分の含有割合である。表中、配合成分の含有割合は、純分換算量での値を示す。
「(α)層におけるB/A比」は、(α)層における(B)成分/(A)成分で表される質量比と同義であり、(α)層に含まれている(A)成分の含有質量に対する、(α)層に含まれている(B)成分の含有質量の割合を意味する。
(実施例1〜11)
表2に示す組成となるように、各層について、それぞれボーレコンテナミキサー(ボーレ寿工業株式会社製、20L LM−20型)を用い、各成分(ステアリン酸マグネシウムを除く)を約30分間混合し、その後、ステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、それぞれの層について合計3kgになる混合粉体を得た。
次いで、ロータリー式の打錠機(株式会社菊水製作所製、LIBRA)を用い、この打錠機に(α)層用の混合粉体を充填し、打錠圧150kgで打錠することにより(α)層を形成した。
次いで、打錠機内の(α)層に接するように(β)層用の混合粉体を充填し、打錠圧600kgで打錠することにより(α)層と(β)層とを積層し、直径9.0mmの錠剤(約350mg/錠;(α)層の厚さ2.5〜6mm、(β)層の厚さ0.5〜3mm)を得た。
(実施例12、13)
[造粒粒子群(造粒顆粒)の調製]
ヒドロキシプロピルセルロースを水に溶解して5質量%水性液を調製した。
スパイラフロー(フロイント産業株式会社製、5型)を用い、イブプロフェン(商品名「イブプロフェン25」、BASF社製)と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、ヒドロキシプロピルセルロースと、アセトアミノフェンと、が表1に示す混合比率となるように、イブプロフェンと低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとアセトアミノフェンとの合計2kgを混合しつつ、前記5質量%水性液を噴霧しながら造粒した。
前記噴霧の終了後、排気温度が43℃になるまで乾燥して、平均粒子径200μmの造粒粒子群(造粒顆粒−1)を得た。
次に、表3に示す組成となるように、実施例1〜11と同様にして、それぞれの層について合計3kgになる混合粉体を得て、次いで打錠し、直径9.0mmの錠剤(約350mg/錠;実施例12における(α)層の厚さ5.8mm、(β)層の厚さ0.5mm、実施例13における(α)層の厚さ5.9mm、(β)層の厚さ0.5mm)を得た。
(実施例14)
[造粒粒子群(造粒顆粒)の調製]
ヒドロキシプロピルセルロースを水に溶解して5質量%水性液を調製した。
スパイラフロー(フロイント産業株式会社製、5型)を用い、イブプロフェン(商品名「イブプロフェン25」、BASF社製)と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、ヒドロキシプロピルセルロースと、アセトアミノフェンと、炭酸水素ナトリウムと、が表1に示す混合比率となるように、イブプロフェンと低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとアセトアミノフェンと炭酸水素ナトリウムとの合計2.5kgを混合しつつ、前記5質量%水性液を噴霧しながら造粒した。
前記噴霧の終了後、排気温度が43℃になるまで乾燥して、平均粒子径200μmの造粒粒子群(造粒顆粒−2)を得た。
次に、表3に示す組成となるように、実施例1〜11と同様にして、それぞれの層について合計3kgになる混合粉体を得て、次いで打錠し、直径9.0mmの錠剤(約350mg/錠;実施例14における(α)層の厚さ6.1mm、(β)層の厚さ0.5mm)を得た。
(実施例15、16)
表4に示す組成となるように、各層について、それぞれボーレコンテナミキサー(ボーレ寿工業株式会社製、20L LM−20型)を用い、各成分を約30分間混合し、それぞれの層について合計3kgになる混合粉体を得た。
次いで、ロータリー式の打錠機(株式会社菊水製作所製、LIBRA)を用い、この打錠機に(α)層用の混合粉体を充填し、打錠圧150kgで打錠することにより(α)層を形成した。
次いで、打錠機内の(α)層に接するように(β)層用の混合粉体を充填し、打錠圧600kgで打錠することにより(α)層と(β)層とを積層し、直径10.0mmの錠剤(約350mg/錠;実施例15における(α)層の厚さ6.0mm、(β)層の厚さ0.3mm、実施例16における(α)層の厚さ6.0mm、(β)層の厚さ0.3mm)を得た。
(比較例1〜5)
表5に示す組成となるように、実施例1〜11と同様にして、それぞれの層について合計3kgになる混合粉体を得た。次いで打錠し、直径9.0mmの錠剤(約350mg/錠;(α)層の厚さ2.5〜6mm、(β)層の厚さ0.5〜3mm)を得た。
Figure 2016030749
<評価>
[崩壊時間]
各例の錠剤についての崩壊性を、第16改正日本薬局方に収載の崩壊試験方法にて評価した。かかる評価は、崩壊時間を指標として実施した。その崩壊時間(分)を表2〜5に示した。崩壊時間が6分未満であれば、本発明による効果が有り、と判断した。
[錠剤の排出性]
打錠機に杵12本を立て、約40rpmで約10分間打錠を行った後、成形された錠剤を打錠機から取り出した。その際、打錠機から回収出来なかった錠剤の質量を求め、理論質量(杵の本数×盤回転数×打錠時間×錠剤質量)に対する割合(%)、すなわち、打錠機から回収出来なかった錠剤の質量/理論質量×100を算出した。
かかる割合が、0.3%以下であった場合を◎◎、0.3%超0.5%以下であった場合を◎、0.5%超0.6%以下であった場合を○、0.6%を超えた場合を×とし、錠剤の排出性について評価した。
[層間剥離]
錠剤20錠を、直径約80mm、高さ13mmのフタ付きプラスチック容器に入れ、上下方向に約2分間繰り返し振り続けた。この後、錠剤の外観((α)層と(β)層との層間剥離の状態)を目視にて観察した。
錠剤20錠の内、層間剥離の認められた錠剤が、2錠以下であった場合を◎◎、3錠であった場合を◎、4錠又は5錠であった場合を○、6錠又は7錠であった場合を△、8錠以上であった場合を×とし、層間剥離について評価した。
Figure 2016030749
Figure 2016030749
Figure 2016030749
Figure 2016030749
表2〜5に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜16の錠剤は、体内での崩壊性に優れることが確認できた。
また、実施例1〜16の錠剤は、非ステロイド系解熱鎮痛成分と、アルミニウム系制酸剤又はマグネシウム系制酸剤と、が併用されていることから、胃への副作用が軽減されたものである。

Claims (3)

  1. 非ステロイド系水難溶性薬物(A)を含む粒子群と、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素マグネシウム及び炭酸水素カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種(B)の粒子群と、の混合物を含む(α)層と、
    前記(B)成分以外のアルミニウム系制酸剤及びマグネシウム系制酸剤からなる群より選ばれる少なくとも一種(C)を含む(β)層と、
    を有し、
    前記(α)層における(B)成分/(A)成分で表される質量比が0.15以上である、錠剤。
  2. 前記(A)成分を含む粒子群と前記(B)成分の粒子群との混合物と、前記(C)成分と、を打錠する、請求項1に記載の錠剤の製造方法であって、
    前記(A)成分を含む粒子群と前記(B)成分の粒子群との混合物を含む(α)層を形成する工程、前記(C)成分を含む(β)層を形成する工程、及び、前記(α)層と前記(β)層とを積層する工程を備える、錠剤の製造方法。
  3. 前記(α)層を形成する工程で、前記(B)成分を湿式造粒することなく、前記(A)成分を含む造粒粒子群と前記(B)成分の粒子群との混合物を得る、請求項2に記載の錠剤の製造方法。
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