JP2016017017A - リチウム含有複合酸化物の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウム含有複合酸化物の製造方法、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】正極活物質の単位体積あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできるリチウムリッチ系正極活物質用のリチウム含有複合酸化物の製造方法の提供。【解決手段】LixNiaCobMncMdOy(x:1.1〜1.7、a:0.15〜0.5、b:0〜0.33、c:0.33〜0.85、M:他の金属元素、d:0〜0.05、a+b+c+d=1、y:金属元素の原子価を満足するのに必要なOのモル数)で表され、X線回折パターンにおけるI020/I003が0.02〜0.3であり、タップ密度が1.8〜2.5g/cm3であるリチウム含有複合酸化物を製造する際に、Ni、Mn等を含む比表面積が20〜50m2/gである水酸化物と、リチウム化合物とを混合し、得られた混合物を焼成し、得られた焼成物を解砕する。【選択図】図2

Description

本発明は、リチウム含有複合酸化物の製造方法、該製造方法で得られたリチウム含有複合酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極、および該正極を有するリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池の正極に含まれる正極活物質としては、リチウム含有複合酸化物、特にLiCoOがよく知られている。しかし、近年、携帯型電子機器や車載用のリチウムイオン二次電池には、小型化、軽量化が求められ、正極活物質の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量(以下、単に放電容量とも記す。)のさらなる向上が要求されている。
リチウムイオン二次電池の放電容量をさらに高くできる正極活物質としては、LiおよびMnの含有率が高い正極活物質、いわゆるリチウムリッチ系正極活物質が注目されている。
しかし、リチウムリッチ系正極活物質は、嵩密度(タップ密度)が低いため、正極における密度を高くすることができない。そのため、正極活物質の単位体積あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量が不充分である。
正極における密度を高くすることができるリチウムリッチ系正極活物質としては、タップ密度が1.0〜2.0g/cmのリチウム含有複合酸化物が提案されている(特許文献1)。該リチウム含有複合酸化物は、Ni、CoおよびMnを含むタップ密度が1.0〜2.0g/cmの水酸化物を得て、該水酸化物とリチウム化合物とを混合した後、該混合物を焼成することによって得られる。
国際公開第2013/047569号
しかし、特許文献1に記載された製造方法にて、リチウム含有複合酸化物のタップ密度をある程度以上(たとえば、1.8g/cm以上に)高くしようとする場合、水酸化物の製造条件を調整して、水酸化物自体の密度を高くする必要がある。この場合、水酸化物の比表面積が小さくなり、その結果、リチウム含有複合酸化物の比表面積も小さくなる。リチウム含有複合酸化物の比表面積が小さくなると、リチウムイオン二次電池の放電容量が低下する。
このように、特許文献1に記載された製造方法にて、リチウムイオン二次電池の放電容量の低下を抑えつつ、リチウム含有複合酸化物のタップ密度をある程度以上(たとえば、1.8g/cm以上に)高くすることは困難である。
本発明は、正極活物質の単位体積あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできるリチウムリッチ系正極活物質に使用されるリチウム含有複合酸化物を製造する方法;該方法で得られたリチウム含有複合酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極;および該正極を有するリチウムイオン二次電池の提供を目的とする。
本発明者らは、リチウム含有複合酸化物を製造する際に、水酸化物の比表面積を特定の範囲に制御し、該水酸化物とリチウム化合物との混合物を焼成して得られた焼成物を解砕することによって、比表面積を小さくしなくても、タップ密度が高いリチウム含有複合酸化物が得られることを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明は、下記の[1]〜[6]である。
[1]LiNiCoMn(ただし、xは1.1〜1.7であり、aは、0.15〜0.5であり、bは、0〜0.33であり、cは、0.33〜0.85であり、Mは、Li、Ni、CoおよびMn以外の他の金属元素であり、dは、0〜0.05であり、a+b+c+d=1であり、yは、Li、Ni、Co、MnおよびMの原子価を満足するのに必要な酸素(O)のモル数である。)で表される化合物であり、
X線回折パターンにおける、空間群R−3mの結晶構造に帰属する(003)面のピークの積分強度(I003)に対する、空間群C2/mの結晶構造に帰属する(020)面のピークの積分強度(I020)の比(I020/I003)が0.02〜0.3であり、かつ
タップ密度が1.8〜2.5g/cmであるリチウム含有複合酸化物を製造する際に、
NiおよびMnを必須として含み、CoおよびMを任意として含み、比表面積が20〜50m/gである水酸化物と、リチウム化合物とを混合し、得られた混合物を焼成し、得られた焼成物を解砕するリチウム含有複合酸化物の製造方法。
[2]前記混合物を500〜700℃で仮焼成し、800〜1000℃で本焼成し、仮焼成後または本焼成後の少なくとも一方で解砕する、[1]のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
[3]前記仮焼成後に解砕する、[2]のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
[4]前記本焼成後に解砕する、[2]または[3]のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
[5]前記混合物を800〜1000℃で本焼成し、本焼成後に解砕する、[1]のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
[6]前記リチウム含有複合酸化物の比表面積が、1〜8m/gである、[1]〜[5]のいずれかのリチウム含有複合酸化物の製造方法。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかの製造方法で得られたリチウム含有複合酸化物を含む、リチウムイオン二次電池用正極。
[8]前記[7]のリチウムイオン二次電池用正極を有する、リチウムイオン二次電池。
本発明のリチウム含有複合酸化物の製造方法によれば、正極活物質の単位体積あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできるリチウムリッチ系正極活物質に使用されるリチウム含有複合酸化物を提供できる。
本発明のリチウムイオン二次電池用正極によれば、正極活物質の単位体積あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質の単位体積あたりの放電容量が高い。
例1のリチウム含有複合酸化物の走査型電子顕微鏡写真である。 例6のリチウム含有複合酸化物の走査型電子顕微鏡写真である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「解砕」とは、焼成物の二次粒子が集まった塊状物を二次粒子毎に解(ほぐ)すことを意味する。
「粉砕」とは、焼成物の二次粒子自体を粉々に砕くことを意味する。
「タップ密度」は、定容積の容器に粉を充填し、充填された粉の質量をタッピングした後の粉の体積で除した値である。
「比表面積」は、BET(Brunauer,Emmet,Teller)法により測定される値である。比表面積の測定では、吸着ガスとして窒素を使用する。
「D50」は、体積基準で求めた粒度分布の全体積を100%とした累積体積分布曲線において50%となる点の粒子径、すなわち体積基準累積50%径である。粒度分布は、レーザー散乱粒度分布測定装置(たとえば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置等)で測定した頻度分布および累積体積分布曲線から求められる。測定は、粉末を水媒体中に超音波処理等で充分に分散させて行われる。
「Li」との表記は、特に言及しない限り当該金属単体ではなく、Li元素であることを示す。Ni、CoおよびMn等の他の元素の表記も同様である。
リチウム含有複合酸化物の組成分析は、誘導結合プラズマ分析法(以下、ICPと略す)により行う。また、リチウム含有複合酸化物の元素の比率は、初回充電(活性化処理ともいう)前のリチウム含有複合酸化物における値である。
<リチウム含有複合酸化物>
本発明の製造方法(以下、本製造方法と記す。)で得られるリチウム含有複合酸化物は、下式Iで表される化合物(以下、複合酸化物(I)とも記す。)である。
LiNiCoMn 式I
xは、複合酸化物(I)に含まれるLiのモル数であり、1.1〜1.7である。xは、1.1〜1.5が好ましく、1.1〜1.45がより好ましい。xが前記下限値以上であれば、複合酸化物(I)を有するリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。xが前記上限値以下であれば、本製造方法において、複合酸化物(I)の表面の遊離リチウム量を減らすことができる。遊離リチウムが多いと充放電効率やレート特性が低下するおそれや、電解液の分解が促進されて分解生成物のガス発生の要因となるおそれがある。
aは、複合酸化物(I)に含まれるNiのモル数であり、0.15〜0.5である。aは、0.15〜0.45が好ましく、0.2〜0.4がより好ましい。aが上記範囲内であれば、複合酸化物(I)を有するリチウムイオン二次電池の放電容量および充放電効率を高くできる。
bは、複合酸化物(I)に含まれるCoのモル数であり、0〜0.33である。bは、0〜0.2が好ましく、0〜0.15がより好ましい。bが上記範囲内であれば、複合酸化物(I)を有するリチウムイオン二次電池の放電容量および充放電効率を高くできる。
cは、複合酸化物(I)に含まれるMnのモル数であり、0.33〜0.85である。cは、0.5〜0.8が好ましく、0.5〜0.7がより好ましい。cが上記範囲内であれば、複合酸化物(I)を有するリチウムイオン二次電池の放電容量および充放電効率を高くできる。
複合酸化物(I)は、必要に応じて他の金属元素Mを含んでいてもよい。他の金属元素Mとしては、Mg、Ca、Ba、Sr、Al、Cr、Fe、Ti、Zr、Y、Nb、Mo、Ta、W、Ce、La等が挙げられる。高い放電容量が得られやすい点から、Mg、Al、Cr、Fe、TiおよびZrからなる群から選ばれる1以上の金属元素が好ましい。
dは、複合酸化物(I)に含まれるMのモル数であり、0〜0.05である。dは、0〜0.02が好ましく、0〜0.01がより好ましい。
a、b、cおよびdの合量(a+b+c+d)は1である。
yは、Li、Ni、Co、MnおよびMの原子価を満足するのに必要な酸素(O)のモル数である。
複合酸化物(I)は、空間群C2/mの層状岩塩型結晶構造および空間群R−3mの層状岩塩型結晶構造を有する。空間群C2/mの結晶構造は、リチウム過剰相とも呼ばれる。空間群C2/mの結晶構造を有する化合物としては、Li(Li1/3Mn2/3)O等が挙げられる。空間群R−3mの結晶構造を有する化合物としては、LiMeO(ただし、Meは、Ni、Co、MnおよびMからなる群から選ばれる1種以上の元素である。)等が挙げられる。複合酸化物(I)がこれらの結晶構造を有することは、X線回折測定により確認できる。
複合酸化物(I)のX線回折パターンにおける、空間群R−3mの結晶構造に帰属する(003)面のピークの積分強度(I003)に対する、空間群C2/mの結晶構造に帰属する(020)面のピークの積分強度(I020)の比(I020/I003)は、0.02〜0.3である。I020/I003が前記範囲内であれば、複合酸化物(I)が前記2つの結晶構造をバランスよく有するため、リチウムイオン二次電池の放電容量を高くしやすい。リチウムイオン二次電池の放電容量を高くする観点から、I020/I003は、0.02〜0.28がより好ましく、0.02〜0.25がさらに好ましい。
なお、X線回折測定は、実施例に記載の方法で行える。空間群R−3mの結晶構造の(003)面のピークは、2θ=18〜19°に現れるピークである。空間群C2/mの結晶構造の(020)面のピークは、2θ=20〜21°に現れるピークである。
複合酸化物(I)は、複数の一次粒子が凝集した二次粒子であることが好ましい。
複合酸化物(I)の二次粒子のD50は、3〜18μmが好ましく、3〜15μmがより好ましく、3〜12μmが特に好ましい。複合酸化物(I)の二次粒子のD50が前記範囲内にあれば、リチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。
複合酸化物(I)の一次粒子のD50は、10〜500nmが好ましい。複合酸化物(I)の一次粒子のD50が前記範囲内にあれば、リチウムイオン二次電池を製造したときに、電解液が正極における正極活物質間に充分に行き渡りやすくなる。
複合酸化物(I)の比表面積は、1〜8m/gが好ましく、2〜5m/gがより好ましい。複合酸化物(I)の比表面積が前記範囲内にあれば、リチウムイオン二次電池の放電容量およびサイクル特性の両方を高くできる。複合酸化物(I)の比表面積が1m/g未満では放電容量が低下するおそれがある。複合酸化物(I)の比表面積が8m/gを超えると、サイクル特性が悪化するおそれがある。
複合酸化物(I)は、そのままでも、または表面処理を施しても、リチウムイオン二次電池用正極活物質として用いることができる。
表面処理は、複合酸化物(I)を構成する物質とは異なる組成の物質(表面付着物質)を、複合酸化物(I)の表面に付着させる処理である。表面付着物質としては、たとえば、酸化物(酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等)、硫酸塩(硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等)等が挙げられる。
表面付着物質の質量は、複合酸化物(I)の質量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が特に好ましい。表面付着物質の質量は、複合酸化物(I)の質量に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が特に好ましい。複合酸化物(I)の表面に表面付着物質が存在することで、複合酸化物(I)の表面での非水電解液の酸化反応を抑制でき、電池寿命を向上できる。
複合酸化物(I)の製造方法(以下、本製造方法という)および本製造方法で得られた複合酸化物(I)の表面処理について、以下に説明する。
<複合酸化物(I)の製造方法>
本製造方法は、NiおよびMnを必須として含み、CoおよびMを任意として含み、比表面積が20〜50m/gである水酸化物と、リチウム化合物とを混合し、得られた混合物を焼成し、得られた焼成物を解砕する方法である。
本製造方法では焼成物を解砕することにより、比表面積とタップ密度の高い複合酸化物(I)が得られる。この製法で得られた複合酸化物(I)を正極活物質として使用することで、正極活物質の単位体積当たりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。
本製造方法の一態様としては、以下が挙げられる。
(α)水酸化物とリチウム化合物とを混合し、得られた混合物を本焼成し、得られた本焼成物を解砕し、複合酸化物(I)を得る方法。(α)の方法であれば、製造工程を簡略化できるため好ましい。
(β)水酸化物とリチウム化合物とを混合し、得られた混合物を本焼成よりも低い温度で仮焼成し、仮焼成物を解砕し、解砕物を本焼成して複合酸化物(I)を得る方法。
(γ)水酸化物とリチウム化合物とを混合し、得られた混合物を本焼成よりも低い温度で仮焼成し、仮焼成物を本焼成し、本焼成物を解砕して複合酸化物(I)を得る方法。
(δ)水酸化物とリチウム化合物とを混合し、得られた混合物を本焼成よりも低い温度で仮焼成し、仮焼成物を解砕し、解砕物を本焼成し、本焼成物を解砕して複合酸化物(I)を得る方法。(β)〜(δ)の方法であれば、本焼成前に仮焼成を行うので、得られた複合酸化物(I)の結晶性を高くできるため好ましい。
(解砕)
解砕は、たとえば、カッターミル、サンプルミル、ヘンシェルミキサー、ジェットミル、ACMパルベライザ、ブラウンミル等を用いて行う。
解砕は、焼成物の二次粒子自体を粉々に砕くことなく、焼成物の二次粒子が集まった塊状物を解(ほぐ)すことができる条件にて行う。たとえば、サンプルミル(共立理工社製、SK−M10)を用いる場合には、回転体の回転数を14000〜16000rpmとし、解砕時間を0.1〜3分間とする。
解砕は、本焼成の後に行ってもよく、仮焼成の後に行ってもよく、本焼成の後および仮焼成の後の両方で行ってもよい。すなわち、複合酸化物(I)の製造工程において、焼成物を1度以上解砕することにより、上記した効果を発揮できる。
解砕により、複合酸化物(I)のタップ密度が高くなる理由としては、焼成物の二次粒子同士が擦れ合って角が取れ、表面が滑らかになることが考えられる。表面が滑らかな粒子は流動性が高く、タップした際に最密充填に近づきやすく、また、充填した際に粒子間の隙間が小さくなり、タップ密度は解砕前に比べ高くなる。さらに、タップ密度が高い複合酸化物(I)は、正極活物質の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量にタップ密度を掛けた値、すなわち正極活物質の単位体積あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。
解砕により、リチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる理由のもう一つとしては、焼成物の二次粒子が集まった塊状物が解れて比表面積が大きくなることが考えられる。リチウム含有複合酸化物の比表面積が大きくなると、正極活物質の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。
解砕する対象が本焼成物の場合、解砕により、本焼成物の表面が滑らかになり、タップ密度が高くなると考えられる。さらに、二次粒子の塊状物が解れて比表面積が高くなると考えられる。
解砕する対象が仮焼成物の場合、解砕により、仮焼成物の表面が滑らかになり、また、仮焼成物の塊状物が解れる。解砕後に、本焼成を行っても、仮焼成物の表面の滑らかさは影響を受けず、また、比表面積は低減しにくい。その結果、得られた本焼成物の表面が滑らかになり、タップ密度が高くなると考えられる。さらに、二次粒子同士が固まりにくく、比表面積の低減が抑えられると考えられる。
(水酸化物)
本製造方法において、水酸化物の金属組成は、複合酸化物(I)の金属組成と同じである。そのため、水酸化物は、NiとMnとを必須として含み、CoおよびMを任意として含む。また、水酸化物のNi、Co、MnおよびMの比率は、複合酸化物(I)に含まれるNi、Co、MnおよびMの比率と同じである。
さらに、前記水酸化物は、一部酸化されているオキシ水酸化物も含む。
水酸化物の比表面積は、20〜50m/gであり、20〜40m/gが好ましく、20〜30m/gがより好ましい。水酸化物の比表面積が20m/g以上であれば、得られる複合酸化物(I)の比表面積が大きくなり、正極において複合酸化物(I)の粒子内を電子が移動しやすくなり、リチウムイオン二次電池の放電容量が高くなる。水酸化物の比表面積が50m/g以下であれば、解砕前の焼成物のタップ密度が低くなりすぎず、解砕後にタップ密度が充分に高い複合酸化物(I)が得られる。
水酸化物のD50は、3〜18μmが好ましく、3〜15μmがより好ましく、3〜12μmが特に好ましい。水酸化物のD50が前記範囲内にあれば、複合酸化物(I)のD50を所望の範囲にできる。D50が所望の範囲にある複合酸化物(I)は、リチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。
水酸化物の製造方法としては、金属元素の比率を所望の範囲に調整しやすく、水酸化物の比表面積を調整しやすい点から、共沈法が好ましい。
共沈法は、2種以上の金属元素を含む溶液から、所望の2種以上の金属元素を含む難溶性の化合物(共沈物)を析出させる方法である。共沈法の一例としては、反応槽に、金属元素を含む金属塩の水溶液と、pH調整液とを添加し、混合し、混合液中のpHを一定に保ちながら、反応させて、金属元素を含む共沈物を析出させる方法が挙げられる。混合液のpHを10以上で行う場合、共沈物は水酸化物とみなされる。
金属塩としては、金属元素の硝酸塩、酢酸塩、塩化物塩、硫酸塩が挙げられ、材料コストが比較的安価であり、優れた電池特性が得られる点から、硫酸塩が好ましい。本製造方法において使用する金属塩としては、Niの硫酸塩、Mnの硫酸塩、およびCoの硫酸塩がより好ましい。
Niの硫酸塩としては、たとえば、硫酸ニッケル(II)・六水和物、硫酸ニッケル(II)・七水和物、硫酸ニッケル(II)アンモニウム・六水和物等が挙げられる。
Coの硫酸塩としては、たとえば、硫酸コバルト(II)・七水和物、硫酸コバルト(II)アンモニウム・六水和物等が挙げられる。
Mnの硫酸塩としては、たとえば、硫酸マンガン(II)・五水和物、硫酸マンガン(II)アンモニウム・六水和物等が挙げられる。
金属塩の水溶液の金属元素の合計の濃度は、0.1〜3mol/kgが好ましく、0.5〜2.5mol/kgがより好ましい。金属元素の合計の濃度が前記下限値以上であれば、生産性に優れるため好ましい。金属元素の濃度が前記上限値以下であれば、金属塩を水に充分に溶解できるため好ましい。
金属塩の水溶液には、水以外の水性媒体を含んでいてもよい。
水以外の水性媒体としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、グリセリン等が挙げられる。水以外の水性媒体の割合は、安全面、環境面、取扱い性、コストの点から、水100質量部に対して、0〜20質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましく、0〜1質量部が特に好ましい。
pH調整液としては、強アルカリを含む水溶液が好ましい。
強アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
混合液には、金属元素の溶解度を調整するために、錯化剤(アンモニア水溶液または硫酸アンモニウム水溶液)を加えてもよい。
金属塩の水溶液とpH調整液とは、反応槽中で撹拌しながら混合することが好ましい。
撹拌装置としては、スリーワンモータ等が挙げられる。撹拌翼としては、アンカー型、プロペラ型、パドル型等が挙げられる。
反応温度は、反応促進の点から、20〜80℃が好ましく、25〜60℃がより好ましい。
金属塩の水溶液とpH調整液との混合は、水酸化物の酸化を抑制する点から、窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で行うことが好ましく、コストの点から、窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
金属塩の水溶液とpH調整液との混合中は、共沈反応を適切に進める点から、反応槽内のpHを10〜12の範囲で設定したpHに保つことが好ましい。
得られた水酸化物は、不純物イオンを取り除くために、洗浄されることが好ましい。洗浄方法としては、加圧ろ過と蒸留水への分散とを繰り返し行う方法等が挙げられる。洗浄を行う場合、水酸化物を蒸留水へ分散させたときの上澄み液またはろ液の電気伝導度が50mS/m以下になるまで繰り返すことが好ましく、20mS/m以下になるまで繰り返すことがより好ましい。
洗浄後、必要に応じて水酸化物を乾燥させてもよい。
乾燥温度は、60〜200℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。乾燥温度が前記下限値以上であれば、乾燥時間を短縮できる。乾燥温度が前記上限値以下であれば、水酸化物の酸化の進行を抑えることができる。
乾燥時間は、水酸化物の量により適切に設定すればよく、1〜300時間が好ましく、5〜120時間がより好ましい。
(リチウム化合物)
リチウム化合物は、水酸化物と混合して、得られた混合物を焼成して複合酸化物(I)が得られるものであれば、特に限定されない。リチウム化合物としては、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酢酸リチウム、および硝酸リチウムが好ましく、安価である点から、炭酸リチウムがより好ましい。
(焼成)
本製造方法において、焼成は、複合酸化物(I)を得る本焼成のみを行ってもよく、本焼成の前に、本焼成よりも低い温度で仮焼成を1回以上行ってもよい。
本焼成の焼成温度は800〜1000℃が好ましい。本焼成の温度が前記範囲内であれば、本焼成により得られた複合酸化物(I)を含む正極を有するリチウムイオン二次電池の放電容量およびサイクル特性を高くできる。前記本焼成の焼成温度は、850〜960℃が好ましい。
本焼成の焼成時間は、4〜20時間が好ましい。本焼成の焼成時間が前記範囲内であれば、結晶性の高い複合酸化物(I)が得られる。
本焼成は、酸素濃度が5体積%以上の雰囲気中で行ってもよく、酸素濃度が5体積%未満の雰囲気(たとえば、窒素またはアルゴン雰囲気)中で行ってもよい。
本焼成を酸素濃度が5体積%未満の雰囲気中で行う場合、本焼成は炉内を密閉できる容器で行うことが好ましく、炉内を真空状態にできる容器で行うことがより好ましい。該容器としては、たとえば、タンマン管式雰囲気電気炉等が挙げられる。該容器を用いることによって、酸素濃度が5体積%未満の雰囲気を維持した状態で本焼成を行うことができる。
本焼成を酸素濃度が5体積%以上の雰囲気中で行う場合、電気炉、連続焼成炉、ロータリーキルン等で行うことができる。本焼成を、酸素濃度が5体積%以上の雰囲気中で行う場合には、空気中で行うことがより好ましく、空気を供給しながら行うことがより好ましい。
仮焼成の焼成温度は、本焼成の焼成温度よりも低い温度に設定する。仮焼成の焼成温度は500〜700℃が好ましく、550〜650℃が好ましい。仮焼成の焼成温度が500〜700℃であれば、水酸化物とリチウム化合物との反応を均一に進行でき、結晶性の高い仮焼成物が得られる。
仮焼成の焼成時間は、3〜10時間が好ましい。仮焼成の焼成時間が前記範囲内であれば、水酸化物とリチウム化合物との反応を充分に進行させることができ、結晶性の高い仮焼成物が得られる。
仮焼成物の結晶性が高く、仮焼成物中に異相が存在しなければ、これを用いて得られる複合酸化物(I)の結晶性を高くできる。その結果、前記複合酸化物(I)を有するリチウムイオン二次電池の放電容量の低下を抑制できる。
仮焼成は、電気炉、連続焼成炉、ロータリーキルン等で行うことが好ましい。
仮焼成は、酸素濃度が5体積%以上の雰囲気中で行うことが好ましく、空気中で行うことがより好ましい。また、仮焼成は、空気を供給しながら行うことがより好ましい。
(表面処理)
本製造方法で得られた複合酸化物(I)を表面処理する場合、表面処理は、たとえば、所定量の表面付着物質を含む液(コート液)を正極活物質に噴霧し、コート液の溶媒を焼成により除去する、あるいは、コート液中に正極活物質を浸漬し、ろ過による固液分離、焼成による溶媒除去を行う、ことによって実施できる。
(作用機序)
以上説明した本製造方法にあっては、比表面積が20〜50m/gの水酸化物を使用し、焼成物を解砕することで、比表面積とタップ密度の高い複合酸化物(I)が得られる。この複合酸化物(I)を正極活物質として使用するとリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。
比表面積が20m/g以上の水酸化物を用いると、複合酸化物(I)の比表面積を高くできる。一方で、比表面積が低い水酸化物を用いると、タップ密度が低くなるおそれがある。水酸化物の比表面積を50m/g以下とすること、および、焼成物を解砕することにより、複合酸化物(I)のタップ密度の低下が抑えられる。
<リチウムイオン二次電池用正極>
本発明のリチウムイオン二次電池用正極(以下、本正極と記す。)は、本製造方法で得られた複合酸化物(I)、すなわち正極活物質を含むものである。具体的には、本製造方法で得られた正極活物質、導電材およびバインダを含む正極活物質層が、正極集電体上に形成されたものである。
導電材としては、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)、黒鉛、気相成長カーボン繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
バインダとしては、フッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、不飽和結合を有する重合体または共重合体(スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等)、アクリル酸系重合体または共重合体(アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体等)等が挙げられる。
正極集電体としては、アルミニウム箔、ステンレススチール箔等が挙げられる。
(正極の製造方法)
本正極は、たとえば、下記の方法によって製造できる。
正極活物質、導電材およびバインダを、媒体に溶解または分散させてスラリを得る。得られたスラリを正極集電体に塗工し、乾燥などにより、媒体を除去することによって、正極活物質の層を形成する。必要に応じて、正極活物質の層の形成した後に、ロールプレス等で圧延してもよい。これにより、リチウムイオン二次電池用正極を得る。
または前記正極活物質、導電材およびバインダを、媒体と混練することによって、混練物を得る。得られた混練物を正極集電体に圧延することによりリチウムイオン二次電池用正極を得る。
(作用機序)
以上説明した本正極にあっては、本製造方法で得られた複合酸化物(I)を含むため、正極活物質の単位体積あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。すなわち、本製造方法で得られた複合酸化物(I)は、比表面積が大きいため、正極活物質の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。また、本製造方法で得られた複合酸化物(I)は、タップ密度が高いため、正極活物質の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量にタップ密度を掛けた値、すなわち正極活物質の単位体積あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池(以下、本電池と記す。)は、本正極を有するものである。具体的には、本正極と、負極と、非水電解質とを有するものである。
(負極)
負極は、負極活物質を含むものである。具体的には、負極活物質、必要に応じて導電材およびバインダを含む負極活物質層が、負極集電体上に形成されたものである。
負極活物質は、比較的低い電位でリチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料であればよい。負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金、リチウム化合物、炭素材料、周期表14族の金属を主体とする酸化物、周期表15族の金属を主体とする酸化物、炭素化合物、炭化ケイ素化合物、酸化ケイ素化合物、硫化チタン、炭化ホウ素化合物等が挙げられる。
負極活物質の炭素材料としては、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、天然黒鉛、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭、カーボンブラック類等が挙げられる。
負極活物質に使用する周期表14族の金属としては、Si、Snが挙げられ、Siが好ましい。
他の負極活物質としては、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、その他の窒化物等が挙げられる。
負極の導電材およびバインダとしては、正極と同様のものを用いることができる。
負極集電体としては、ニッケル箔、銅箔等の金属箔が挙げられる。
負極は、たとえば、下記の方法によって製造できる。
負極活物質、導電材およびバインダを、媒体に溶解または分散させてスラリを得る。得られたスラリを負極集電体に塗布、乾燥、プレスすること等によって媒体を除去し、負極を得る。
(非水電解質)
非水電解質としては、有機溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液;無機固体電解質;電解質塩を混合または溶解させた固体状またはゲル状の高分子電解質等が挙げられる。
有機溶媒としては、非水電解液用の有機溶媒として公知のものが挙げられる。具体的には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等が挙げられる。電圧安定性の点からは、環状カーボネート類(プロピレンカーボネート等)、鎖状カーボネート類(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等)が好ましい。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
無機固体電解質は、リチウムイオン伝導性を有する材料であればよい。無機固体電解質としては、窒化リチウム、ヨウ化リチウム等が挙げられる。
固体状高分子電解質に用いられる高分子としては、エーテル系高分子化合物(ポリエチレンオキサイド、その架橋体等)、ポリメタクリレートエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物等が挙げられる。該高分子化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
ゲル状高分子電解質に用いられる高分子としては、フッ素系高分子化合物(ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等)、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル共重合体、エーテル系高分子化合物(ポリエチレンオキサイド、その架橋体等)等が挙げられる。共重合体に共重合させるモノマとしては、ポリプロピレンオキサイド、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。
該高分子化合物としては、酸化還元反応に対する安定性の点から、フッ素系高分子化合物が好ましい。
電解質塩は、リチウムイオン二次電池に用いられるものであればよい。電解質塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、CHSOLi等が挙げられる。
(セパレータ)
正極と負極の間には、短絡を防止するためにセパレータを介在させてもよい。セパレータとしては、多孔膜が挙げられる。非水電解液は該多孔膜に含浸させて用いる。また、多孔膜に非水電解液を含浸させてゲル化させたものをゲル状電解質として用いてもよい。
(電池外装体)
電池外装体の材料としては、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン、樹脂材料、フィルム材料等が挙げられる。
(形状)
リチウムイオン二次電池の形状としては、コイン型、シート状(フィルム状)、折り畳み状、巻回型有底円筒型、ボタン型等が挙げられ、用途に応じて適宜選択することができる。
(作用機序)
以上説明した本電池にあっては、本正極を有するため、正極活物質の単位体積あたりの放電容量が高い。すなわち、本製造方法で得られた複合酸化物(I)は、比表面積が大きいため、正極活物質の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。また、本製造方法で得られた複合酸化物(I)は、タップ密度が高いため、正極活物質の単位質量あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量にタップ密度を掛けた値、すなわち正極活物質の単位体積あたりのリチウムイオン二次電池の放電容量を高くできる。
以下に、実施例を用いて本発明を説明する。
例1〜5は比較例であり、例6〜9は実施例である。
(タップ密度)
目盛付きのガラス製容器(容量:20cm)に試料(水酸化物またはリチウム含有複合酸化物)をはかりとり、容器をタッピング装置(セイシン企業社製、KYT−4000K)に取り付け、700回タップを行い、容器内の試料の体積を容器の目盛で読み取り、下式IIからタップ密度を算出した。
ρ=m/V 式II
ただし、ρは、タップ密度(g/cm)であり、mは、試料の質量(g)であり、Vは、タップ後の試料の体積(cm)である。
(比表面積)
水酸化物およびリチウム含有複合酸化物の比表面積は、比表面積測定装置(マウンテック社製、HM model−1208)を用い、窒素吸着BET法により算出した。脱気は、200℃、20分の条件で行った。
(粒子径)
水酸化物またはリチウム含有複合酸化物を水中に超音波処理によって充分に分散させ、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(日機装社製、MT−3300EX)により測定を行い、頻度分布および累積体積分布曲線を得ることで体積基準の粒度分布を得た。得られた累積体積分布曲線において50%となる点の粒子径をD50とした。
(X線回折)
リチウム含有複合酸化物のX線回折測定は、X線回折装置(リガク社製、装置名:SmartLab)により行った。測定条件を表1に示す。測定は25℃で行った。得られたX線回折パターンについてリガク社製統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL2を用いてピーク検索を行った。そこから、空間群R−3mの結晶構造に帰属する(003)面のピークの積分強度(I003)および空間群C2/mの結晶構造に帰属する(020)面のピークの積分強度(I020)を求め、比(I020/I003)を算出した。
(組成分析)
リチウム含有複合酸化物の組成分析は、プラズマ発光分析装置(SIIナノテクノロジー社製、SPS3100H)により行った。
(正極の製造)
正極活物質であるリチウム含有複合酸化物と、アセチレンブラックと、ポリフッ化ビニリデンを12.0質量%含む溶液(溶媒:N−メチルピロリドン)とを混合し、さらに、N−メチルピロリドンを添加してスラリを調製した。リチウム含有複合酸化物とアセチレンブラックとポリフッ化ビニリデンとは、80:10:10の質量比とした。
スラリを、厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)に、ドクタブレードを用いて片面塗工した。塗工時のギャップは、200μmで行った。120℃で乾燥した後、ロールプレス圧延を2回行い、正極を作製した。
(リチウム二次電池の製造)
負極として、負極活物質層が厚さ500μmの金属リチウム箔であり、負極集電体が厚さ1mmのステンレス板であるものを用意した。
セパレータとして、厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンを用意した。
非水電解液として、濃度1mol/dmのLiPF溶液を用意した。非水電解液の溶媒には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート(体積比で3:7)の混合溶液を用いた。
前記正極、負極、セパレータ、非水電解液を用い、ステンレス鋼製簡易密閉セル型のリチウム二次電池をアルゴングローブボックス内で組み立てた。
(充電容量および放電容量)
リチウム二次電池について、正極活物質1gにつき20mAの負荷電流で4.6Vまで定電流充電した後、4.6Vの定電圧充電を行った。定電圧充電は正極活物質1gにつき負荷電流が1.3mA/gとなるまで行った。正極活物質1gにつき20mAの負荷電流で2.0Vまで放電した。このようにして、初回充放電を行った。初回充放電における充電容量および放電容量を測定した。
(例1)
硫酸ニッケル(II)六水和物および硫酸マンガン(II)五水和物を、NiおよびMnのモル比が表2に示す比になるように、かつ硫酸塩の合計量が1.5mol/kgとなるように蒸留水に溶解して、硫酸塩水溶液を得た。
pH調整液として、水酸化ナトリウムを、濃度が1.5mol/kgとなるように蒸留水に溶解した水酸化ナトリウム水溶液を得た。
錯化剤として、硫酸アンモニウムを、濃度が1.5mol/kgとなるように蒸留水に溶解して硫酸アンモニウム水溶液を得た。
2Lのバッフル付きガラス製反応槽に蒸留水を入れてマントルヒータで50℃に加熱した。反応槽内の溶液をパドル型の撹拌翼で撹拌しながら、硫酸塩水溶液を5.0g/分、硫酸アンモニウム水溶液を0.5g/分の速度で28時間添加し、かつ混合液のpHを10.5に保つようにpH調整液を添加して、NiおよびMnを含む水酸化物(共沈物)を析出させた。原料溶液を添加している間、反応槽内に窒素ガスを流量1.0L/分で流した。また、反応槽内の液量が2Lを超えないようにろ布を用いて連続的に水酸化物を含まない液の抜き出しを行った。得られた水酸化物から不純物イオンを取り除くため、加圧ろ過と蒸留水への分散を繰り返し、洗浄を行った。ろ液の電気伝導度が20mS/mとなった時点で洗浄を終了し、水酸化物を120℃で15時間乾燥させた。
上記水酸化物と炭酸リチウムとを、LiとMe(ただし、MeはNiおよびMnである。)とのモル比(Li/Me)が1.40となるように混合し、混合物を得た。
電気炉内にて、空気を供給しながら、空気中、600℃で混合物を5時間かけて仮焼成して、仮焼成物を得た。
電気炉内にて、空気を供給しながら、空気中、900℃で仮焼成物を16時間かけて本焼成して、本焼成物を得た。これをリチウム含有複合酸化物とした。
リチウム含有複合酸化物の製造条件、水酸化物の物性、リチウム含有複合酸化物の物性およびリチウム二次電池の評価結果を表2、表3に示す。リチウム含有複合酸化物の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
(例2)
例1で得られた仮焼成物を用いた。
タンマン管式雰囲気電気炉内にて、窒素雰囲気中で、900℃で仮焼成物を16時間かけて本焼成して、本焼成物を得た。これをリチウム含有複合酸化物とした。
リチウム含有複合酸化物の製造条件、水酸化物の物性、リチウム含有複合酸化物の物性およびリチウム二次電池の評価結果を表2、表3に示す。
(例3)
錯化剤として、アンモニアを、濃度が1.5mol/kgとなるように蒸留水に溶解してアンモニア水溶液を得た。
硫酸アンモニウム水溶液の代わりにアンモニア水溶液を用いた以外は、例1と同様にして水酸化物を得た。
上記水酸化物を用いたこと以外は、例1と同様の方法でリチウム含有複合酸化物を得た。
リチウム含有複合酸化物の製造条件、水酸化物の物性、リチウム含有複合酸化物の物性およびリチウム二次電池の評価結果を表2、表3に示す。
(例4)
例1で得られた仮焼成物を用いた。
電気炉内にて、空気を供給しながら、空気中、920℃で仮焼成物を16時間かけて本焼成して、本焼成物を得た。
蓋付きポリプロピレン製容器(容量:250mL)に0.5mmφのジルコニアボールの530gおよび本焼成物の15gを投入した。容器を、卓上型ポットミル架台(アズワン社製、PM−001)にセットし、回転数:280rpmにて24時間回転させることによって、本焼成物を乾式粉砕して、リチウム含有複合酸化物を得た。
リチウム含有複合酸化物の製造条件、水酸化物の物性およびリチウム含有複合酸化物の物性を表2、表3に示す。
(例5)
例1で得られた混合物を用いた。
電気炉内にて、空気を供給しながら、空気中、950℃で混合物を16時間かけて本焼成して、本焼成物を得た。これをリチウム含有複合酸化物とした。
リチウム含有複合酸化物の製造条件、水酸化物の物性、リチウム含有複合酸化物の物性およびリチウム二次電池の評価結果を表2、表3に示す。
(例6)
例1で得られた本焼成物を用いた。
本焼成物の40gを、小型粉砕機(共立理工社製、サンプルミルSK−M10)に投入し、装置のダイヤルの目盛を100に合わせ、2分間解砕してリチウム含有複合酸化物を得た。
リチウム含有複合酸化物の製造条件、水酸化物の物性、リチウム含有複合酸化物の物性およびリチウム二次電池の評価結果を表2、表3に示す。リチウム含有複合酸化物の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
(例7)
例1で得られた仮焼成物を用いた。
仮焼成物の40gを、小型粉砕機(共立理工社製、サンプルミルSK−M10)に投入し、装置のダイヤルの目盛を100に合わせ、2分間解砕し、解砕物を得た。
上記解砕物を用いたこと以外は、例1と同様の方法で本焼成を行い、リチウム含有複合酸化物を得た。
リチウム含有複合酸化物の製造条件、水酸化物の物性、リチウム含有複合酸化物の物性およびリチウム二次電池の評価結果を表2、表3に示す。
(例8)
例2で得られた本焼成物を用いた。
本焼成物の40gを、小型粉砕機(共立理工社製、サンプルミルSK−M10)に投入し、装置のダイヤルの目盛を100に合わせ、2分間解砕し、リチウム含有複合酸化物を得た。
リチウム含有複合酸化物の製造条件、水酸化物の物性、リチウム含有複合酸化物の物性およびリチウム二次電池の評価結果を表2、表3に示す。
(例9)
例5で得られた本焼成物を用いた。
本焼成物の40gを、小型粉砕機(共立理工社製、サンプルミルSK−M10)に投入し、装置のダイヤルの目盛を100に合わせ、2分間解砕し、リチウム含有複合酸化物を得た。
リチウム含有複合酸化物の製造条件、水酸化物の物性、リチウム含有複合酸化物の物性およびリチウム二次電池の評価結果を表2、表3に示す。
例6、8、9は、解砕する前の例1、2、5に比べ、タップ密度が高いため、正極活物質の単位質量あたりのリチウム二次電池の放電容量にタップ密度を掛けた値、すなわち正極活物質の単位体積あたりのリチウム二次電池の放電容量が高くなった。
例7に示すように、仮焼成後に解砕し、ついで本焼成を行って得られたリチウム含有複合酸化物を用いても、正極活物質の単位体積あたりのリチウム二次電池の放電容量が高くなった。
また、例9に示すように、本焼成を1回行った後、解砕して得られたリチウム含有複合酸化物を用いても、正極活物質の単位体積あたりのリチウム二次電池の放電容量が高くなった。
例3は、水酸化物のタップ密度を高くすることによって、解砕することとなくタップ密度の高いリチウム含有複合酸化物を得ている例である。しかし、リチウム含有複合酸化物の比表面積が小さいため、正極活物質の単位質量あたりのリチウム二次電池の放電容量が低く、その結果、正極活物質の単位体積あたりのリチウム二次電池の放電容量も低い。
例4は、本焼成物を解砕ではなく、粉砕しているため、逆にタップ密度が低くなった。タップ密度が低くすぎるため、リチウム二次電池としての評価は行わなかった。
本製造方法で得られたリチウム含有複合酸化物は、リチウムイオン二次電池用正極活物質として有用である。

Claims (8)

  1. LiNiCoMn(ただし、xは1.1〜1.7であり、aは、0.15〜0.5であり、bは、0〜0.33であり、cは、0.33〜0.85であり、Mは、Li、Ni、CoおよびMn以外の他の金属元素であり、dは、0〜0.05であり、a+b+c+d=1であり、yは、Li、Ni、Co、MnおよびMの原子価を満足するのに必要な酸素(O)のモル数である。)で表される化合物であり、
    X線回折パターンにおける、空間群R−3mの結晶構造に帰属する(003)面のピークの積分強度(I003)に対する、空間群C2/mの結晶構造に帰属する(020)面のピークの積分強度(I020)の比(I020/I003)が0.02〜0.3であり、かつ
    タップ密度が1.8〜2.5g/cmであるリチウム含有複合酸化物を製造する際に、
    NiおよびMnを必須として含み、CoおよびMを任意として含み、比表面積が20〜50m/gである水酸化物と、リチウム化合物とを混合し、得られた混合物を焼成し、得られた焼成物を解砕する、リチウム含有複合酸化物の製造方法。
  2. 前記混合物を500〜700℃で仮焼成し、800〜1000℃で本焼成し、仮焼成後または本焼成後の少なくとも一方で解砕する、請求項1に記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  3. 前記仮焼成後に解砕する、請求項2に記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  4. 前記本焼成後に解砕する、請求項2または3に記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  5. 前記混合物を800〜1000℃で本焼成し、本焼成後に解砕する、請求項1に記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  6. 前記リチウム含有複合酸化物の比表面積が、1〜8m/gである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリチウム含有複合酸化物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法で得られたリチウム含有複合酸化物を含む、リチウムイオン二次電池用正極。
  8. 請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用正極を有する、リチウムイオン二次電池。
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