JP2018085311A - 全固体電池用正極活物質およびこれを具備する正極の製造方法ならびに全固体電池用正極およびこれを具備する全固体電池 - Google Patents

全固体電池用正極活物質およびこれを具備する正極の製造方法ならびに全固体電池用正極およびこれを具備する全固体電池 Download PDF

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Abstract

【課題】全固体電池において正極活物質の電気化学的活性を高め、高容量を引き出す。
【解決手段】金属酸化物の粒子を準備する工程と、その粒子を還元雰囲気中で焼成する工程とを含み、金属酸化物は、Li2MnO3型の結晶構造を有し、かつ式(A):
Li1+x(M1 y2 1-y1-x2(式中、元素M1は第1金属元素であり、元素M2は第1金属元素より平均価数の低い第2金属元素であり、0<x≦1/3および0.5≦y≦0.8を充足する。)で表され、第1金属元素は、少なくともMnを含み、第2金属元素は、Ni、Co、およびFeからなる群より選択される少なくとも一種を含み、かつ少なくともNiを含む、全固体電池用正極活物質の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、Li2MnO3型の結晶構造を有する金属酸化物を含む全固体電池用正極活物質およびこれを具備する正極の製造方法ならびに全固体電池用正極およびこれを具備する全固体電池に関する。
様々な二次電池が開発されている中、高いエネルギー密度が得られ易いリチウムイオン二次電池(LIB)が最も有望視されている。一方、電池の用途拡大に伴って、自動車用電池や据え置き型電池などの大型電池が注目されている。大型電池では、小型電池に比べて安全性の確保がさらに重要になる。無機系の固体電解質を用いる全固体のリチウムイオン二次電池(以下、全固体電池)は、可燃性溶媒を多く含む有機電解液を用いるLIBに比べて、大型化しても安全性を確保し易く、活物質の容量を有効利用し易いと期待されている。
近年、正極活物質として、Li2MnO3とLiM32(式中、M3は、Mn、Ni、Coなどの遷移金属元素である。)との固溶体材料が注目されている。具体的には、zLi2MnO3−(1−z)LiM32(式中、zは固溶体に占めるLi2MnO3のモル比である。)などの固溶体材料が挙げられる。
例えば、特許文献1には、Li243とLiM52との固溶体を用いた固溶体材料が提案され、特許文献2には、Li−M5−Mn系複合酸化物からなる固溶体材料が開示されている。これらの式において、M4は4価の金属元素であり、M5は3価の金属元素である。
特開2012−059528号公報 特表2004−538610号公報
特許文献1や特許文献2の固溶体材料は、電気化学的に活性化されにくい。そのため、充放電反応が可逆的にスムーズに行われずに、充電容量および放電容量ともに高容量を確保し難い。このような問題は、特に、全ての電気化学的反応が固体/固体界面で生じる固相間反応である全固体電池において、特に顕著である。
本発明の目的は、全固体電池において、充電反応および放電反応をスムーズに行い、正極活物質の容量を有効利用することである。
本発明の一局面は、(i)金属酸化物の粒子を準備する工程と、(ii)前記金属酸化物の粒子を還元雰囲気中で焼成する工程と、を含み、前記金属酸化物は、Li2MnO3型の結晶構造を有し、かつ
式(A):Li1+x(M1 y2 1-y1-x2
(式中、元素M1は第1金属元素であり、元素M2は第1金属元素より平均価数の低い第2金属元素であり、0<x≦1/3および0.5≦y≦0.8を充足する。)で表され、前記第1金属元素は、少なくともMnを含み、前記第2金属元素は、Ni、Co、およびFeからなる群より選択される少なくとも一種を含み、かつ少なくともNiを含む、全固体電池用正極活物質の製造方法に関する。
本発明の他の局面は、(i)金属酸化物の粒子を準備する工程と、(ii)前記金属酸化物の前記粒子を還元雰囲気中で焼成する工程と、(iii)前記焼成後の前記粒子を、リチウムイオン伝導性を示す無機固体電解質と混合し、得られた混合物を圧縮して正極を得る工程と、を含み、前記金属酸化物は、Li2MnO3型の結晶構造を有し、かつ
式(A):Li1+x(M1 y2 1-y1-x2
(式中、元素M1は第1金属元素であり、元素M2は第1金属元素より平均価数の低い第2金属元素であり、0<x≦1/3および0.5≦y≦0.8を充足する。)で表され、前記第1金属元素は、少なくともMnを含み、前記第2金属元素は、Ni、Co、およびFeからなる群より選択される少なくとも一種を含み、かつ少なくともNiを含む、全固体電池用正極の製造方法、ならびにその製造方法により得られた正極に関する。
本発明の更に他の局面は、上記正極と、リチウムイオン伝導性を示す無機固体電解質と、リチウムイオンを挿入および脱離する負極活物質と、を含む負極と、前記正極と前記負極との間に介在し、リチウムイオン伝導性を示す無機固体電解質を含む固体電解質層とを含む、全固体電池に関する。
本発明によれば、正極活物質の電気化学的活性が高められるため、充電反応および放電反応をスムーズに行うことができるようになり、充電容量および放電容量を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る全固体電池に含まれる電極群を概略的に示す縦断面図である。
本発明の一実施形態に係る全固体電池用正極活物質の製造方法は、(i)金属酸化物の粒子を準備する工程と、(ii)工程(i)で準備した金属酸化物の粒子を、還元雰囲気中で焼成する工程とを含む。
ここで、工程(i)で準備した金属酸化物は、Li2MnO3型の結晶構造を有し、かつ式(A):Li1+x(M1 y2 1-y1-x2(式中、元素M1は第1金属元素であり、元素M2は第1金属元素より平均価数の低い第2金属元素であり、0<x≦1/3および0.5≦y≦0.8を充足する。)で表される。第1金属元素(元素M1)は、少なくともMnを含み、第2金属元素(元素M2)は、Ni、Co、およびFeからなる群より選択される少なくとも一種を含み、かつ少なくともNiを含む。
Li2MnO3型の結晶構造を有する上記のような組成の金属酸化物の粒子は、Liイオンを挿入および脱離することができるが、導電性が低く、電気化学的に活性化しにくい。そのため、全固体電池においては、通常、充放電反応を可逆的にスムーズに行うことが困難である。これは、全固体電池においては、固体電解質と活物質が点接触により接合しているために、導電材を導入すると上記界面反応が著しく阻害されるため、導電材を導入することが困難なためである。電解液を具備する電池では、このような問題は生じない。
これに対し、金属酸化物の粒子を還元雰囲気中で焼成することにより、金属酸化物の電気化学的な活性が高められる。これにより、全固体電池においても、充放電反応が可逆的にスムーズに進行するようになる。金属酸化物の電気化学的な活性が高まるメカニズムの詳細は不明であるが、還元焼成により、構成遷移金属イオンの価数やイオン分布が変化し、全固体電池用活物質として最適化されるためであると推測される。このように、本実施形態の製造方法によれば、充放電反応の可逆性に優れた正極活物質が得られ、充電容量および放電容量が大きく向上し、全固体電池の高容量化が可能である。
なお、Li2MnO3型の結晶構造を有する上記のような組成の金属酸化物の粒子は、電解液を具備する電池でも、正極活物質として利用されている。金属酸化物の粒子を還元雰囲気中で焼成した場合でも、電解液を具備する電池では、充電容量および放電容量が大きく向上することはない。すなわち、金属酸化物の粒子を還元雰囲気中で焼成することによる電気化学的活性の向上は、全固体電池のみにおいて見られる特異的現象である。
以下、本実施形態に係る正極活物質についてより詳細に説明する。
(金属酸化物の粒子)
一般に、Li2MnO3型の結晶構造は、単斜晶層状岩塩型に属し、空間群C2/mを有し、LiMO2型(式中、Mは、Mnと、Ni、Co等との組合せを含む。)の結晶構造は、六方晶層状岩塩型に属し、空間群R−3mを有する。これらは、いずれも層状岩塩型構造であり、固溶体を形成できる。上述の金属酸化物は、理論容量が大きいものの、全体として不活性なLi2MnO3型の結晶構造を有しており、LiMO2型の結晶構造を有する金属酸化物の固溶により活性化されると考えられる。
第1金属元素および第2金属元素を含む金属酸化物としては、高容量化の観点から、Li2MnO3型の結晶構造を有するLi213と、上記のLiMO2型の結晶構造を有するLiM22との固溶体が有望である。Li213とLiM22との固溶体は、モル比に換算して、第1金属元素と第2金属元素との合計量よりも多くのLiを含むことができる。このような固溶体は、全体としてLi2MnO3型の結晶構造を有し、上記式(A)で表すことができる。
式(A)において、xは、0<x≦1/3であり、0.10≦x≦0.30であることが好ましく、0.14≦x≦0.26であることがさらに好ましい。xがこのような範囲である場合、金属酸化物を高容量化することができるとともに、充放電を安定に行うことができる。
第1金属元素および第2金属元素の合計に占める第1金属元素のモル比yは、0.5≦y≦0.8であり、0.6≦y≦0.8であることが好ましい。yがこのような範囲である場合、容量と電気化学的活性とのバランスがとり易い。
金属酸化物に含まれる第1金属元素は、少なくともMnを含んでいればよく、Mnのみであってもよく、MnとMn以外の第1金属元素とを含んでいてもよい。Mn以外の第1金属元素としては、例えば、Ti、およびZrからなる群より選択される少なくとも一種などが挙げられる。第1金属元素としては、Mnのみ、またはMnとTiとの組み合わせなどが好ましく、中でも、第1金属元素はMnのみからなることが好ましい。第1金属元素は、平均価数が、基本的に4価であり、3.3価まで低下しても良い。
第1金属元素の平均価数は、金属酸化物を、バインダ等を用いて薄く伸ばし、第1金属元素のK吸収端のX線吸収スペクトルを測定し、このX線吸収スペクトルと、価数既知の第1金属元素の標準物質のX線吸収スペクトルとを比較することにより求めることができる。
第1金属元素および第2金属元素の合計に占めるMnのモル比y1は、0.5≦y1≦0.8を充足する。モル比y1が0.5未満では、Li2MnO3由来の容量が低下して、固溶体材料としての寄与が得られず、0.8を超えると、Li2MnO3の寄与が大きくなり過ぎ、電気化学的に活性が低下する。容量と電気化学的活性とのバランスの観点から、モル比y1は、0.6≦y1≦0.8または0.6≦y1≦0.7を充足することが好ましい。
金属酸化物に含まれる第2金属元素(元素M2)は、少なくともNiを含む。第2金属元素がNiを含むことで、結晶構造の安定性および充放電ヒステリシスの低減、電子伝導性を高め易くなる。第2金属元素(元素M2)は、Coおよび/またはFeを含んでもよく、更に他の元素を含んでもよい。ただし、第2金属元素は、Niのみからなるか、Niと、Coおよび/またはFeとの組み合わせであることが好ましい。詳細は定かではないが、これらの組み合わせでは、LiあるいはLi2Oが脱離した時の構造安定性が高くなると推測される。元素M2は、平均価数が、3価以下であり、概ね2価以上3価以下であればよい。
第2金属元素の平均価数は、金属酸化物を、バインダ等を用いて薄く伸ばし、第2金属元素のK吸収端のX線吸収スペクトルを測定し、このX線吸収スペクトルと、価数既知の第2金属元素の標準物質のX線吸収スペクトルとを比較することにより求めることができる。
第2金属元素に占めるNiの比率は、例えば、10〜100モル%であり、40〜80モル%または50〜75モル%であることが好ましい(ただし、いずれも両端の数値を含む、以下同じ)。Niの比率がこのような範囲である場合、高容量化の点でより有利である。
第2金属元素がCoを含む場合、第2金属元素に占めるCoの比率は、例えば、5〜60モル%であり、15〜50モル%または25〜50モル%であることが好ましい。Coの比率がこのような範囲である場合、電子伝導性を高め易い点でより有利である。
式(A)の金属酸化物のうち、特に第1金属元素がMnであるものが好ましい。このような金属酸化物は、式(1):Li1+x(Mny12 1-y11-x2(式中、元素M2、xおよびy1は前記に同じ。)で表すことができる。
なお、上記式(A)および(1)では、金属酸化物を二酸化物として記載したが、酸素の係数「2」は、「2±δ」であってもよく、酸素の係数が2±δである式(A)や式(1)の金属酸化物も本実施形態に含まれる。ここで、δは、酸素過剰量または酸素欠損量であり、例えば、0〜0.2である。
式(A)および式(1)の金属酸化物の具体例としては、Li1+x(Ni0.2Co0.2Mn0.61-x2、Li1+x(Ni0.2Co0.1Mn0.71-x2、Li1+x(Ni0.3Co0.1Mn0.61-x2などが挙げられる。
金属酸化物の粒子の平均粒子径は、例えば、4〜10μmであり、5〜9μmであることが好ましい。なお、本明細書中、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定される体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)である。
以下、本実施形態に係る製造方法の各工程について説明する。
(i)金属酸化物の粒子を準備する工程
金属酸化物の粒子は、上市されている場合には商業的に入手すればよい。また、以下のような方法で前駆体から金属酸化物の粒子を合成してもよい。金属酸化物の粒子は、例えば、Liを含む前駆体と、第1金属元素および第2金属元素を含む前駆体と、を含む混合物を、焼成することにより得ることができる。焼成により得られた金属酸化物の粒子を水洗等により洗浄してもよい。
Liを含む前駆体としては、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩などを用いることができ、中でも安価な炭酸リチウムを用いることが好ましい。
第1金属元素および第2金属元素を含む前駆体としては、第1金属元素を含む前駆体と、第2金属元素を含む前駆体とを含む混合物を用いてもよく、第1金属元素および第2金属元素の双方を含む前駆体を用いてもよい。第1金属元素および第2金属元素を含む前駆体は、各金属元素を含む化合物から共沈法により得られる共沈物であってもよい。このような共沈物は、水酸化物、もしくは水酸化物を焼成して得られる酸化物が好ましい。
金属酸化物の粒子が複数の第1金属元素を含む場合、各々の第1金属元素を含む前駆体を併用してもよく、複数の第1金属元素を含む前駆体を用いてもよい。同様に、金属酸化物の粒子が複数の第2金属元素を含む場合、各々の第2金属元素を含む前駆体を併用してもよく、複数の第2金属元素を含む前駆体を用いてもよい。
前駆体の混合物は、適当な段階で粉砕してもよい。
前駆体の混合物の焼成は、酸化物の結晶構造を十分に発達させるために、酸素を含む雰囲気、具体的には大気(空気)または酸素中で行うことが好ましい。焼成温度は、例えば、700〜1000℃である。焼成を多段階で行う場合には、各段階の焼成条件が異なっていてもよい。これにより、上記式(A)もしくは式(1)で表される金属酸化物の粒子が得られる。粒子は、適宜、粉砕して粒度を制御してもよい。
(ii)金属酸化物の粒子を還元雰囲気中で焼成する工程
次に、金属酸化物の粒子を還元雰囲気中で焼成することにより、第1金属元素と第2金属元素の部分的な還元を行う。これにより、第1金属元素と第2金属元素のイオン分布および格子定数変化が最適化されると考えられる。
還元雰囲気は、例えば、減圧雰囲気または不活性ガス雰囲気であればよい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴンなどの希ガスを用いることができる。中でも、窒素雰囲気中で金属酸化物の粒子を加熱することで、金属酸化物の粒子の還元が適度に進行しやすい。これにより、金属酸化物の粒子の表面状態を、全固体電池に特有の固相間反応に適した状態にすることができる。
還元雰囲気中での加熱温度は、適度な還元が進行する温度であればよいが、金属酸化物の粒子を600℃〜850℃で焼成することが好ましく、750℃〜800℃で焼成することがより好ましい。
還元雰囲気中での加熱時間は、適度な還元が進行する時間であればよいが、1時間以上かけて金属酸化物の粒子を加熱し、還元することが好ましく、3時間以上(例えば、3〜20時間)または5時間以上(例えば、5〜20時間)の加熱を行うことがより好ましい。
なお、還元雰囲気中で焼成された金属酸化物粉末を、X線回折測定(XRD)で分析することにより、例えばNiなどの遷移金属の酸化の程度を見積もることができる。具体的には、Niなどの遷移金属の還元が進行すると、格子体積や、Li2MnO3構造の陽イオン位置に占める遷移金属の占有率の和が相対的に増加する。
(iii)正極を得る工程
次に、還元雰囲気中で焼成後の金属酸化物の粒子を、リチウムイオン伝導性を示す無機固体電解質と混合し、得られた混合物を圧縮して、全固体電池用正極を作製する。焼成後の金属酸化物の粒子の酸化を抑制する観点からは、無機固体電解質と混合されて圧縮成形されるまでの期間をできるだけ短くすることが有利である。例えば、大気(空気)との接触期間を所定時間(例えば、1時間)以内に制限してもよい。また、焼成後の金属酸化物の粒子は、無機固体電解質と混合されて圧縮成形されるまでの間、不活性ガス雰囲気中に保管してもよい。不活性ガス雰囲気の露点は、−35℃以下(例えば、−40℃以下)としてもよい。
金属酸化物の粒子と無機固体電解質との混合方法は、特に限定されないが、乾式で混合することが好ましい。得られた混合物を圧縮して正極を得る方法も、特に限定されないが、徐々に圧力を上昇させながら複数回の加圧を行うことが好ましい。このとき、最大荷重は、例えば490MPa以上に設定することが好ましい。
正極は、通常、正極集電体と、正極集電体に担持された正極合材とを具備する。正極合材とは、正極活物質および無機固体電解質を含む混合物であり、全固体電池の正極に使用される他の成分を含んでもよい。正極活物質は、還元雰囲気中で焼成された後の上記式(A)もしくは式(1)で表される金属酸化物の粒子を含む。
無機固体電解質としては、リチウムイオン伝導性を示す限り、特に制限されず、全固体電池で固体電解質層に使用されるような無機固体電解質が使用できる。無機固体電解質の結晶状態も特に制限されず、結晶性および非晶質のいずれであってもよい。無機固体電解質としては、硫化物(硫化物系無機固体電解質)が好ましい。還元分解に対する耐性が高い観点からは、特に、LiおよびPを含む硫化物が好ましい。硫化物としては、例えば、Li7311、Li3PS4、Li10GeP212、Li6PS5X(Xは、F、Cl、Br、IおよびAtからなる群より選択される少なくとも一種である。)などが挙げられる。これらの固体電解質は、一種を単独で用いてもよく、必要に応じて、二種以上を併用してもよい。
正極活物質と無機固体電解質との総量に占める無機固体電解質の割合は、5〜40質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがさらに好ましい。無機固体電解質の割合がこのような範囲である場合、正極の高いリチウムイオン伝導性を確保し易い。
正極集電体としては、例えば、金属箔、板状体、粉体の集合体などが挙げられる。金属箔は、電解箔、エッチド箔などであってもよい。正極集電体の材質としては、アルミニウム、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、亜鉛、スズ、またはこれらの合金などが例示される。
[全固体電池]
次に、本発明の一実施形態に係る全固体電池について説明する。全固体電池は、上記正極と、負極と、これらの間に介在する固体電解質層とを含む。
(負極)
負極は、通常、負極集電体と、負極集電体に担持された負極合材とを具備する。負極合材とは、負極活物質および無機固体電解質を含む混合物である。負極は、正極の場合に準じて作製できる。
負極活物質は、リチウムイオンを挿入および脱離することができる限り、特に制限されず、LIBで使用される公知の負極活物質が利用できる。例えば、リチウムイオンを挿入および脱離可能な炭素質材料の他、リチウムイオンを挿入および脱離可能な金属や半金属の単体、合金、または化合物などが挙げられる。炭素質材料としては、黒鉛、ハードカーボン、非晶質炭素などが例示できる。金属や半金属の単体、合金としては、リチウム金属や合金、Si単体、SiOなどが挙げられる。化合物としては、例えば、酸化物、硫化物、窒化物、水化物、シリサイド(リチウムシリサイドなど)などが挙げられる。酸化物としては、チタン酸化物、ケイ素酸化物などが挙げられる。負極活物質は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、ケイ素酸化物と炭素質材料とを併用してもよい。
負極は、負極活物質に加え、全固体電池で負極に使用される他の成分を含んでもよい。正極の場合と同様、負極におけるリチウムイオン伝導性を高める観点から、負極は、負極活物質とともに、リチウムイオン伝導性を示す無機固体電解質を含むことが好ましい。このような無機固体電解質としては、正極について例示したものから適宜選択できる。負極活物質および無機固体電解質の総量に占める無機固体電解質の割合は、正極活物質および無機固体電解質の総量に占める無機固体電解質の割合として記載した範囲から適宜選択できる。
負極集電体の形態としては、正極集電体について記載したものが挙げられる。負極集電体の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、これらの合金などが挙げられる。
(固体電解質層)
正極と負極との間に介在する固体電解質層は、リチウムイオン伝導性を示す無機固体電解質を含む。固体電解質層の厚みは、例えば、20〜200μmである。このような無機固体電解質としては、正極について例示した無機固体電解質が挙げられ、硫化物が好ましい。
固体電解質層は、無機固体電解質を圧縮することにより形成できる。固体電解質層は、必要に応じて、全固体電池の固体電解質層に用いられる添加剤を含むことができる。
図1は、本実施形態に係る全固体電池に含まれる電極群を概略的に示す縦断面図である。全固体電池が備える電極群1は、正極2と、負極4と、これらの間に介在する固体電解質層3とを備える。正極2は、正極集電体2bとこれに担持された正極合材層2aとを備える。負極4は、負極集電体4bとこれに担持された負極合材層4aとを備える。正極2と負極4とは、正極合材層2aと負極合材層4aとが対向するように配置される。正極合材層2aと負極合材層4aとの間に、固体電解質層3が配置されている。固体電解質層3は、リチウムイオン伝導性の無機固体電解質を含む。
図1の正極合材層2aと負極合材層4aと固体電解質層3とはほぼ同じサイズの円盤状であり、固体電解質層3を間に挟持した状態で積層され、円柱状の積層体6を形成している。積層体6の側面には、負極合材層4aの側面および固体電解質層3の負極合材層4a側の側面を覆うように、絶縁体5が装着されている。正極集電体2bおよび負極集電体4bは、正極合材層2aおよび負極合材層4aよりもサイズが大きな円状の金属箔である。正極集電体2bおよび負極集電体4bは、絶縁体5を装着した状態の積層体6とほぼ同じサイズとなるように形成されている。
全固体電池は、電極群をセルケースに収容することにより作製できる。電極群の正極および負極には、それぞれリードの一端部が接続される。リードの他端部はセルケースの外部に露出した外部端子と電気的に接続される。
全固体電池は、図1に示す例に限らず、丸型、円筒型、角型、薄層フラット型などの様々なタイプであってもよい。電極群は、複数の正極および/または複数の負極を含んでもよい。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記の手順で図1に示す全固体電池を作製した。
(1)正極活物質の合成
(i)金属酸化物の粒子を準備する工程
Ni(NO32・9H2O、Co(NO32・6H2O、およびMnCl2・4H2Oを、Ni:Co:Mnの原子比が2:1:7となるような量で用い、蒸留水に溶解させて前駆体水溶液を調製した。この前駆体水溶液を、恒温槽内で20℃に保たれた水酸化ナトリウム水溶液に、数時間かけて滴下することで、Ni−Co−Mn共沈物を生成させた。得られた共沈物を、恒温槽から取り出し、室温で2日間空気を吹き込みながら撹拌することで共沈物を熟成させた。次いで、共沈物を濾別し、蒸留水で洗浄することにより水酸化ナトリウムを除去した。
Li/(Ni+Co+Mn)比が1.7となるような量の炭酸リチウムを蒸留水中に分散させた。得られた分散液と共沈物とをミキサーに入れて、撹拌した。得られた混合物を、50℃で2日間乾燥させた。乾燥物を機械的に粉砕した後、大気中、900℃で、5時間焼成することにより、目的とする金属酸化物粒子a1を合成した。
金属酸化物粒子a1のXRDパターンから、金属酸化物粒子a1は、単斜晶Li2MnO3型単位胞(空間群C2/m)単一相からなり、Li2MnO3−LiM22固溶体であることが確認された。XRDパターンからは不純物は認められなかった。XRDパターンから分析された金属酸化物a1の組成は、Li1+x(Ni0.2Co0.1Mn0.71-x2(x=0.25)であった。
(ii)金属酸化物の粒子を還元雰囲気中で焼成する工程
真空ガス置換炉(KDF−75、デンケン・ハイデンタル株式会社)に金属酸化物の粒子a1を導入し、窒素気流中で、750℃で20時間焼成し、金属酸化物の粒子の還元処理を行った。
(iii)正極(正極合材層2a)を得る工程
窒素気流中、露点−40℃で保管された還元処理後の金属酸化物粒子a1およびLi2S(70mol%)−P25(30mol%)固溶体を、7:3の質量比で用いて、乳鉢内で十分に混合することにより混合物を得た。混合物20mgを、後述の円筒金型内の固体電解質層3上に層状に充填し、層の厚み方向に、それぞれ、376MPa、752MPa、および1050MPaの順で3回加圧プレスすることにより、正極(正極合材層2a)を作製した。
(2)全固体電池の作製
(a)固体電解質層3の作製
冷間ダイス鋼(SKD)製の円筒金型(内径10mm、高さ30mm)を立てて設置し、円筒金型の底部に底板となる短ピンを差し込んだ。この状態で、リチウムイオン伝導性の固体電解質であるLi2S(70mol%)−P25(30mol%)固溶体(組成:Li7311)50mgを円筒金型内に層状に充填した。そして、円筒金型の内径に合わせたサイズの円柱状の長ピンを、円筒金型の頂部から内部に差し込み、層の厚み方向に188MPaの圧力で1回加圧プレスすることにより、固体電解質層3を作製した。
(b)負極合材層4aの作製
黒鉛およびLi2S(70mol%)−P25(30mol%)固溶体を、6:4の質量比で用いて、乳鉢内で十分に混合した。得られた混合物16mgを、(a)で作製した、円筒金型内の固体電解質層3上に層状に充填した。そして、層の厚み方向に、3回加圧プレスすることにより、負極合材層4aを作製した。加圧プレスの圧力は、毎回188MPaとした。
次いで、円筒金型の上下を反対にして短ピンを取り出し、負極合材層4a側に短ピンを差し込み、短ピンが底になるように、円筒金型を配置した。次いで、長ピンを用いて、固体電解質層3および負極合材層4aを、固体電解質層3側から押圧した。このようにして、負極合材層4aとは反対側において、固体電解質層3上に円筒金型の内壁で囲まれた空間を形成した。
(c)正極合材層2aの作製
上記(1)の(iii)で述べたように、円筒金型内の固体電解質層3上に、正極合材層2aを作製した。
(d)全固体電池の組み立て
(a)〜(c)のようにして形成された正極合材層2aと負極合材層4aとで固体電解質層3を挟持した状態の積層体6を、円筒金型から取り出した。負極集電体4bとしての銅箔(縦20mm×横20mm、厚み100μm)の一方の表面上に、中央に孔を有する絶縁体5(内径11mm、高さ50μm)を配置した。そして、積層体6(外径10mm)を、負極合材層4aが負極集電体4bに接するように、絶縁体5の孔内に収容した。次いで、積層体6の正極合材層2a上に、正極集電体2bとしてのアルミニウム箔(縦20mm×横20mm、厚み20μm)を配置することにより電極群1を作製した。なお、絶縁体5は、負極合材層4aおよび負極集電体4bと、正極合材層2aおよび正極集電体2bとの接触を抑制するように配される。
負極リードおよび正極リードを有するラミネートセルに、電極群1を収容し、セル内のガスを真空ポンプで吸引しながら密封した。このようにして、全固体電池を作製した。
(3)評価
全固体電池の充電容量および放電容量を測定した。
全固体電池を、恒温槽内において25℃で維持し、58.8MPaで加圧した。この状態で、0.02mA/cm2の電流で、充電終止電圧4.7Vまで充電し、次いで、0.05mA/cm2の電流で、放電終止電圧2.0Vまで放電した。このときの充電容量および放電容量(初回放電容量)を求めた。
比較例1
金属酸化物粒子a1に対し、窒素気流中での焼成(還元処理)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池を作製し、評価を行った。
実施例2
金属酸化物粒子a1に対する窒素気流中での焼成(還元処理)の温度を800℃に変更したこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池を作製し、評価を行った。
実施例3
Ni(NO32・9H2O、Co(NO32・6H2O、およびMnCl2・4H2Oを、Ni:Co:Mnの原子比が2:2:6となるような量で用い、蒸留水に溶解させて前駆体水溶液を調製した。この前駆体水溶液を、恒温槽内で20℃に保たれた水酸化ナトリウム水溶液に、数時間かけて滴下することで、Ni−Co−Mn共沈物を生成させた。得られた共沈物を、恒温槽から取り出し、室温で2日間空気を吹き込みながら撹拌することで共沈物を熟成させた。次いで、共沈物を濾別し、蒸留水で洗浄することにより水酸化ナトリウムを除去した。
Li/(Ni+Co+Mn)比が1.7となるような量の炭酸リチウムを蒸留水中に分散させた。得られた分散液と共沈物とをミキサーに入れて、撹拌した。得られた混合物を、50℃で2日間乾燥させた。乾燥物を機械的に粉砕した後、大気中、900℃で、5時間焼成することにより、目的とする金属酸化物粒子a2を合成した。
金属酸化物粒子a2のXRDパターンから、金属酸化物粒子a2は、単斜晶Li2MnO3型単位胞(空間群C2/m)単一相からなり、Li2MnO3−LiM22固溶体であることが確認された。XRDパターンからは不純物は認められなかった。XRDパターンから分析された金属酸化物粒子a2の組成は、Li1+x(Ni0.2Co0.2Mn0.61-x2(x=0.26)であった。
金属酸化物粒子a1に代えて金属酸化物粒子a2を用いたこと以外は、実施例1と同様に、全固体電池を作製し、評価を行った。
比較例2
金属酸化物粒子a2に対し、窒素気流中での焼成(還元処理)を行わなかったこと以外は、実施例3と同様に、全固体電池を作製し、評価を行った。
実施例4
金属酸化物粒子a2に対する窒素気流中での焼成(還元処理)の温度を800℃に変更したこと以外は、実施例3と同様に、全固体電池を作製し、評価を行った。
参考例1
下記の手順で非水電解液二次電池を作製した。
実施例1で得た還元処理が施された金属酸化物粒子a1と、デンカブラックとを、3:1の質量比で混合し、ポリテトラフルオロエチレンを少量添加し、得られた乾式混合物をシート状に成形して、正極シートを作製した。次に、直径10mmに打ち抜いた正極シートを、直径15mmのアルミニウム製メッシュに12MPaで圧着した。
正極シートとアルミニウム製メッシュとの接合体を測定冶具に挿入し、その上に、非水電解液を浸み込ませたセパレータとガラス製不織布を重ねた。非水電解液は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの体積比3:7の混合溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解させて調製した。次に、金属リチウム箔をガラス製不織布の上に重ね、重石とバネを介して測定冶具に蓋をし、二次電池を構成した。
構成された二次電池を恒温槽内で25℃に維持し、0.05mA/cm2の電流で、充電終止電圧4.8Vまで充電し、次いで、0.05mA/cm2の電流で、放電終止電圧2.0Vまで放電した。このときの充電容量および放電容量(初回放電容量)を求めた。
参考例2
比較例1と同じく、還元処理が施されていない金属酸化物粒子a1を用いたこと以外は、参考例1と同様に、非水電解液二次電池を作製し、評価を行った。
実施例1〜4、比較例1〜2および参考例1〜2の評価結果を表1に示す。
Figure 2018085311
表1に示されるように、実施例1〜4では、比較例1〜2に比べて、飛躍的に充放電容量を増大させることができた。一方、実施例1および比較例1と同じ正極活物質を用いた参考例1および参考例2では、充放電容量に大きな違いが見られなかった。このことから、充放電容量の飛躍的な増大は、全固体電池に特有の現象であることが理解できる。
本発明に係る製造方法は、固相間反応が進行する全固体電池においても電気化学的活性が高く、高容量を引き出すことができる正極活物質もしくは正極を提供するものであり、全固体電池の高容量化を図る上で有用である。
1:電極群、2:正極、2a:正極合材層、2b:正極集電体、3:固体電解質層、4:負極、4a:負極合材層、4b:負極集電体、5:絶縁体、6:積層体

Claims (8)

  1. (i)金属酸化物の粒子を準備する工程と、
    (ii)前記金属酸化物の粒子を還元雰囲気中で焼成する工程と、を含み、
    前記金属酸化物は、Li2MnO3型の結晶構造を有し、かつ
    式(A):Li1+x(M1 y2 1-y1-x2
    (式中、元素M1は第1金属元素であり、元素M2は第1金属元素より平均価数の低い第2金属元素であり、0<x≦1/3および0.5≦y≦0.8を充足する。)で表され、
    前記第1金属元素は、少なくともMnを含み、
    前記第2金属元素は、Ni、Co、およびFeからなる群より選択される少なくとも一種を含み、かつ少なくともNiを含む、全固体電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記還元雰囲気が、窒素雰囲気である、請求項1に記載の全固体電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記還元雰囲気中で、前記粒子を600℃〜850℃の温度で焼成する、請求項1または2に記載の全固体電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記還元雰囲気中で、前記粒子を1時間以上焼成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体電池用正極活物質の製造方法。
  5. (i)金属酸化物の粒子を準備する工程と、
    (ii)前記金属酸化物の粒子を還元雰囲気中で焼成する工程と、
    (iii)前記焼成後の前記粒子を、リチウムイオン伝導性を示す無機固体電解質と混合し、得られた混合物を圧縮して正極を得る工程と、を含み、
    前記金属酸化物は、Li2MnO3型の結晶構造を有し、かつ
    式(A):Li1+x(M1 y2 1-y1-x2
    (式中、元素M1は第1金属元素であり、元素M2は第1金属元素より平均価数の低い第2金属元素であり、0<x≦1/3および0.5≦y≦0.8を充足する。)で表され、
    前記第1金属元素は、少なくともMnを含み、
    前記第2金属元素は、Ni、Co、およびFeからなる群より選択される少なくとも一種を含み、かつ少なくともNiを含む、全固体電池用正極の製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法により得られた、全固体電池用正極。
  7. 請求項6に記載の正極と、
    リチウムイオン伝導性を示す無機固体電解質と、リチウムイオンを挿入および脱離する負極活物質と、を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在し、リチウムイオン伝導性を示す無機固体電解質を含む固体電解質層と、を含む、全固体電池。
  8. 前記無機固体電解質は、硫化物である、請求項7に記載の全固体電池。
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