JP2016016773A - 鞍乗型車両の可動式車載装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、車体への支持および2方向の向きの調整を行うことができる鞍乗型車両の可動式車載装置を提供する。
【解決手段】補助ランプ30は、自動二輪車の車体フレームFRに支持され、車体に対して上下軸心A1回りおよび左右軸心A2回りに向きを調整可能に取り付けられる。補助ランプ30は、ランプ装置60と、このランプ装置60を覆うランプカバー62とを有している。ランプカバー62は、上下方向締結部材74によってカウルステー26に、上下軸心A1回りに調整可能で且つ着脱自在に取り付けられている。ランプ装置60は、外側および内側締結部材86,88によってランプカバー62に対して、左右軸心A2回りに調整可能で且つ着脱自在に取り付けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、鞍乗型車両の車体に対して、予め設定された第1軸心回りおよび第2軸心回りに向きを調整可能に取り付けられた補助ランプのような可動式車載装置に関するものである。
例えば、自動二輪車のような鞍乗型車両では、法規によって義務づけられたランプに加え、運転者の視認性を確保するため、あるいは他の交通からの被視認性を向上させるための補助ランプが装備されることがある(例えば、特許文献1)。補助ランプは、例えば、視界が制限される場合に点灯させるフォグランプ、コーナーリング時に点灯させるコーナーリングランプ等である。
特開2013−252811号公報
このような補助ランプは、車体フレームに着脱自在に支持されるとともに、車体に対して上下方向と左右方向の2方向に光軸調整可能となっている。そのため、車体に支持するための締結部材と、光軸調整用の2つの回転軸とが必要となり、補助ランプの構造が複雑になる。
本発明は、簡単な構造で、車体への支持および2方向の向きの調整を行うことができる鞍乗型車両の可動式車載装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の鞍乗型車両の可動式車載装置は、鞍乗型車両の車体に対して、予め設定された第1軸心回りおよび第2軸心回りに向きを調整可能に取り付けられる可動式車載装置であって、装置本体と、この装置本体を覆うカバーとを備え、前記カバーは、第1の締結部材によって車体フレーム側に対して、前記第1軸心回りに調整可能で且つ着脱自在に取り付けられ、前記装置本体は、第2の締結部材によって前記カバーに対して、前記第2軸心回りに調整可能で且つ着脱自在に取り付けられている。可動式車載装置は、例えば、フォグランプ、コーナーリングランプ等の補助ランプである。
ここで、「可動式車載装置」とは、車体の外側に配置されて向きを調整可能な装置である。また、「可動式」とは、手動により調整可能な構造を含む。さらに、「車体フレーム側」とは、車体フレーム、またはこれに支持された、カウル、カウルステー、ヘッドランプステーのような部材を含む。
上記構成によれば、第1の締結部材によってカバーの車体フレーム側への支持および可動式車載装置の第1軸心回りの調整が行われ、第2の締結部材によって装置本体のカバーへの取り付けおよび可動式車載装置の第2軸心回りの調整が行われる。これにより、簡単な構造で、可動式車載装置の車体への支持および2方向の向きの調整を行うことができる。また、可動式車載装置は、装置本体を覆う着脱自在のカバーを備えているので、カバーが損傷した場合でも、カバーのみの交換で済み、装置本体は継続して使用できる。したがって、可動式車載装置の利便性がよい。
本発明において、車体の車幅方向外側に取り付けられ、車体に取り付けられた状態で、前記カバーのうち前記装置本体の車体幅方向外側に位置する外側部分が、車体幅方向内側に位置する内側部分よりも、側面視で大きく形成されていることが好ましい。この構成によれば、カバーの外側部分が大きく形成されているので、装置本体が外部の障害物と接触するのを防ぐことができる。また、カバーの内側部分を小さくすることで、カバーの軽量化および低コスト化を図ることができる。
可動式車載装置が車体の車幅方向外側に取り付けられる場合、前記カバーは、車体に装着された状態で、正面視で、上下対称形状に形成されていることが好ましい。この構成によれば、カバーを前後方向軸に対して180°回転させることで、可動式車載装置を車体の右側、左側のどちらに取り付ける場合でも、共通のカバーを用いることができる。
本発明において、前記カバーは、車体に装着された状態で前後方向軸に垂直な方向に分割可能な2つの分割体からなり、前記2つの分割体は、前記第1および第2の締結部材のいずれかによって連結されることが好ましい。この構成によれば、カバーの連結も第1の締結部材または第2の締結部材で実現されるので、可動式車載装置の構造が簡単になる。
カバーが2つの分割体からなる場合、前記カバーは、車体に装着された状態で車幅方向に分割可能な2つの前記分割体からなるのが好ましい。この構成によれば、カバーの分割線が車体外側方から見えないので、車両の外観が向上する。
カバーが2つの分割体からなる場合、前記2つの分割体は、車幅方向外側に配置された第1分割体と、車幅方向内側に配置された第2分割体とからなり、前記第1分割体および前記第2分割体は、前記第1分割体の一部が外側となるように重ねられた状態で、前記第1および第2の締結部材のいずれか一方によって連結されているのが好ましい。この構成によれば、カバーの分割線が、車体内側寄りに配置されるので、車体外側方から見えにくくなる。したがって、車両の外観が向上する。
本発明において、前記第1の締結部材は、上下方向に締結することで前記カバーを着脱自在に車体に取り付け、かつ、前記第1の締結部材を緩めることで前記カバーが前記車体フレームに対して上下軸心回りに調整可能であり、前記第2の締結部材は、左右方向に締結することで前記装置本体を着脱自在に前記カバーに取り付け、かつ、前記第2の締結部材を緩めることで前記装置本体が前記カバーに対して左右軸心回りに調整可能であるのが好ましい。この構成によれば、上下方向の締結力でカバーを車体に取り付けることで、カバーに前後方向軸回りの回転モーメントが生じるのを抑制することができる。その結果、カバーの車体に対する支持剛性を確保しやすい。
本発明において、前記カバーは、少なくとも側面視および平面視で、前記装置本体の全体を覆っているのが好ましい。この構成によれば、車体の外側からおよび乗車状態の運転者から装置本体が見えなくなる。これにより、車両の外観が向上する。
本発明の可動式車載装置によれば、第1の締結部材によってカバーの車体フレーム側への支持および可動式車載装置の第1軸心回りの調整が行われ、第2の締結部材によって装置本体のカバーへの取り付けおよび可動式車載装置の第2軸心回りの調整が行われる。これにより、簡単な構造で、可動式車載装置の車体への支持および2方向の向きの調整を行うことができる。また、可動式車載装置は、装置本体を覆う着脱自在のカバーを備えているので、カバーが損傷した場合でも、カバーのみの交換で済み、装置本体は継続して使用できる。したがって、可動式車載装置の利便性がよい。
本発明の一実施形態に係る可動式車載装置の一種である補助ランプを備えた自動二輪車の前部を示す側面図である。 同補助ランプの支持構造を示す拡大側面図である。 同支持構造を示す正面図である。 同支持構造を前方斜め側方から見た斜視図である。 同支持構造を示す分解斜視図である。 同補助ランプのランプカバーを示す正面図である。 同ランプカバーを示す分解斜視図である。 同支持構造を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。この明細書中の左右方向は、自動二輪車に乗車したライダーから見た左右を言う。図1において、本発明の自動二輪車は、車体フレームFRの前半部を構成するメインフレーム1の前端にフロントフォーク2が支持され、このフロントフォーク2の下端部に前輪4が支持されている。フロントフォーク2は、これを支持するアッパブラケット6およびロワブラケット7とともに、メインフレーム1の前端のヘッドパイプ8に回動自在に支持されており、アッパブラケット6にハンドル10が取り付けられている。
一方、メインフレーム1の後端下部には、スイングアームブラケット11が固着され、このスイングアームブラケット11に、図示しない後輪を支持するスイングアームが揺動自在に軸支されている。メインフレーム1の中央下部には後輪を駆動する原動機であるエンジンEが支持されている。
メインフレーム1の後部には、車体フレームFRの後半部を形成するリヤフレーム12が連結されており、このリヤフレーム12に、ライダーシート13が支持されている。メインフレーム1の上部、つまり車体上部にはヘッドパイプ8とライダーシート13との間に位置して、燃料タンク18が支持されている。
車体フレームFRの前方に、ヘッドパイプ8の前方を覆う樹脂製のフロントカウル20が装着され、フロントカウル20にヘッドランプ22が装着されている。フロントカウル20の後方に樹脂製のサイドカウル25が配置され、ヘッドパイプ8の外側方からエンジンEの前方の外側方を覆っている。サイドカウル25は左右一対設けられている。これらフロントカウル20およびサイドカウル25は、カウルステー26(図2)を介してメインフレーム1に支持されている。
自動二輪車の車幅方向両側に、可動式車載装置の一種である左右一対の補助ランプ30が配置され、メインフレーム1に支持されている。本実施形態の補助ランプ30は、視界が制限される場合に点灯されるフォグランプであるが、これに限定されず、例えば、コーナリング時に点灯させるコーナリングランプであってもよい。可動式車載装置は、車体の外側に配置されるもので、補助ランプ30のほか、車載カメラ、測距センサ、車載アンテナ、無線装置等の向き、姿勢の微調整が要求される装置であってもよい。また、可動式車載装置は、左右一対設けられるほか、左右の一側方にのみ配置されてもよい。
補助ランプ30は、側面視において、サイドカウル25の前方下方で、前輪4の上方で、フロントフォーク2の外側方に配置されている。補助ランプ30は、フロントフォーク2には直接連結されていない。補助ランプ30の詳細は後述する。
図2〜4はそれぞれ、補助ランプ30の支持構造を示す側面図、正面図および斜視図である。図2に示すように、補助ランプ30は、ランプステー32を介して車体フレーム側のカウルステー26に取り付けられている。ここで、「車体フレーム側」とは、図1の車体フレームFR、またはこれに支持されたカウル20,25、カウルステー26のような部材を含む。
図2のカウルステー26は、複数のボルト34によりメインフレーム1に支持され、公知の手段により、ヘッドランプ22、フロントカウル20およびサイドカウル25を支持する。カウルステー26は、図3に示すように、前方から見てほぼ四角形の閉じた形状であり、図4に示すように、カウルステー26の車幅方向両側に、ランプステー32を取り付ける第1ブラケット35が設けられている。ただし、カウルステーの形状はこれに限定されず、例えば、前方または後方に開いた形状であってもよい。
第1ブラケット35は、金属製の板材を折り曲げ加工することで構成され、カウルステー26の下部に溶接により固着されている。この第1ブラケット35が、ランプステー32を支持する支持部36を構成する。詳細には、図5に示すように、支持部36は前後方向に離れた2つのボルト挿通孔44,46を有し、前側のボルト挿通孔44はほぼ上下方向を向いた貫通孔で、後側のボルト挿通孔46はほぼ左右方向(車幅方向)を向いた貫通孔である。
つまり、前側のボルト挿通孔44に挿通される第1締結部材48の第1締結方向(上下方向)D1と、後側のボルト挿通孔46に挿通される第2締結部材50の第2締結方向(左右方向)D2とは、ほぼ直交している。本実施形態では、第1および第2締結部材48,50はボルトで構成されている。
ランプステー32は、左右の支持部36、36にそれぞれ支持される左右一対の被支持部38,38と、車幅方向に延びてこれら左右の被支持部38,38を連結するクロス部40と、左右の被支持部38,38にそれぞれ連結されて左右の補助ランプ30、30が取り付けられる左右の取付部42、42とを有している。
クロス部40は、金属製のパイプを後方に開いたU字形に湾曲させることで構成され、図4に示すように、フロントフォーク2の前方でカウルステー26の下方に配置されている。クロス部40には、複数のクランプ係合孔41が形成されている。クランプ係合孔41には、図3のランプハーネス69を固定するためのクランプ70が係合される。本実施形態では、図5のクランプ係合孔41は、クロス部40における車幅方向の中央部に1箇所と両側部に2箇所の合計3箇所設けられているが、数、位置はこれに限定されない。
各被支持部38および取付部42は、金属製の板材を折り曲げ加工することで構成された第2ブラケット52に一体形成されている。左右一対の第2ブラケット52、52は、U字形のクロス部40の後端にそれぞれ溶接により固着されている。このように、各被支持部38、取付部42およびクロス部40は溶接により一体に形成されている。各被支持部38、取付部42およびクロス部40をプレス成形により一体に形成してもよい。
詳細には、各第2ブラケット52の上部に被支持部38が形成され、下部に取付部42が形成されている。各被支持部38は、支持部36の2つボルト挿通孔44,46に対応して前後方向に離れた2つのねじ孔54,56を有している。つまり、前側のねじ孔54は上下方向を向いたねじ孔で、後側のねじ孔56は左右方向(車幅方向)を向いたねじ孔である。本実施形態では、各ねじ孔54,56は、被支持部38に固着された溶接ナット39(図8)により構成されている。これら支持部36と被支持部38は、フロントカウル20(図1)により車幅方向外側から覆われている。
カウルステー26の支持部36とランプステー32の被支持部38との支持構造は、ラバーマウントにより実現されている。詳細には、図8に示すように、支持部36のボルト挿通孔44に、グロメットのような円筒状の防振用の弾性体55が嵌合され、この弾性体55の中空部に、一端に鍔が付いた円筒状のカラー57が挿通されている。この例では、支持部36と弾性体55との間に、円盤状のスペーサ53が介在されているが、スペーサ53はなくてもよい。
カラー57の中空部に前記第1締結部材48が挿通され、溶接ナットからなる被支持部38のねじ孔54に締め付けられている。図8では、前側の支持部36と被支持部38について示しているが、後側の支持部36と被支持部38も同様の構成である。このように、図5の補助ランプ30は、防振用の弾性体55(図7)を介して、詳しくはランプステー32、弾性体55(図7)およびカウルステー26を介して車体フレームFRに支持されている。
本実施形態では、各被支持部38は前後方向に離れた位置で2つの第1および第2締結部材48,50により支持部36に着脱自在に支持されているが、各被支持部38は支持部36に2つ以上の締結部材を介して着脱自在に支持されていればよく、この場合、2つ以上の締結部材のうちの少なくとも1つが、残りの締結部材とは締結方向が異なっていればよい。このように、左右両側に前後方向に間隔をあけて複数の被支持部38が配置されているので、支持剛性が向上する。
各取付部42に、上下方向を向いた2つのボルト挿通孔58A,58Bが形成されている。ボルト挿通孔58A,58Bの一方は、左右方向に長い長孔であり、他方は円孔である。本実施形態では、後側のボルト挿通孔58Bが長孔で、前側のボルト挿通孔58Aが円孔である。各ボルト挿通孔58A,58Bに、取付部42に補助ランプ30を取り付けるための上下方向締結部材74が挿通される。第2ブラケット52における被支持部38と取付部42との間に、左右方向を向いたクランプ係合孔59が形成されている。クランプ係合孔59には、図2のランプハーネス69を固定するためのクランプ72が係合される。
図5に示す例では、各取付部42および被支持部38が共通の第2ブラケット52に形成されているが、取付部42と被支持部38とを別々の部材に形成してもよく、その場合、取付部42は被支持部38ではなくクロス部40に連結してもよい。
図4に示す補助ランプ30は、装置本体であるランプ装置60と、このランプ装置60を覆う樹脂製のランプカバー62とを有している。本実施形態では、ランプカバー62は、ランプ装置60の上方、下方および左右両側方の全体を覆っているが、ランプカバー62は、少なくとも側面視および平面視で、ランプ装置60の全体を覆っていればよい。
本実施形態のランプ装置60はLEDからなる発光体(図示せず)を有し、後端部にヒートシンク(図示せず)が形成されている。ランプ装置60の後端に、車体へ延びるランプハーネス69が接続されており、ランプハーネス69は、クロス部40のクランプ70および第2ブラケット52のクランプ72で係合固定されたのち車体後方へ延びて、車両全体の電子制御を行うコントロールユニット(図示せず)に接続される。
ランプカバー62は、車体に取り付けられた状態で、ランプカバー62のうちランプ装置60の車体幅方向外側に位置する外側部分が、車体幅方向内側に位置する内側部分よりも、側面視で大きく形成されている。換言すれば、ランプカバー62におけるランプ装置60の外側方を覆う外壁に、後方に延出する延出部76が形成されている。これにより、図2に示す側面視で、ランプ装置60のヒートシンクおよびランプハーネス69のランプ装置60への接続部が見えなくなるので、車両の外観が向上する。
図6は、右側の補助ランプ30のランプカバー62の正面図である。同図に示すように、ランプカバー62は、左右方向(車幅方向)に分割可能な2つの分割体64,66からなる左右2分割構造である。詳細には、2つの分割体は、車幅方向外側に配置された第1分割体である外側カバー半体64と、車幅方向内側に配置された第2分割体である内側カバー半体66とからなり、これら外側カバー半体64および内側カバー半体66は、外側カバー半体64の一部が、上下方向の外側となるように重ねられた状態で、上下方向から前記上下方向締結部材74(図4)によって連結される。このように、2つの分割体64,66が重なった部分で連結されるので、連結部の剛性が向上する。
ランプカバー62は、正面視で、上下対称形状に形成される。換言すれば、左右のランプカバー62,62は、車幅方向中心線を挟んで左右対称形状である。詳細には、両カバー半体64,66が、図7に示すように、上下を反転させた同一形状であり、右側のランプカバー62を上下反転させたものが左側のランプカバー62となる。図4に示すように、ランプカバー62の外側カバー半体64の外側壁に、左右方向を向く貫通孔からなる外側ランプ本体取付孔78が形成されている。外側カバー半体64の上壁および下壁に、上下方向を向く貫通孔からなる連結孔80が2つずつ形成されている。
ランプカバー62の内側カバー半体66の内側壁に、左右方向を向く貫通孔からなる内側ランプ本体取付孔82が形成されている。図6の内側カバー半体66の上壁および下壁における外側カバー半体64の連結孔80に対応する位置に、上下方向を向くねじ孔84が形成されている。本実施形態のねじ孔84はインサートナットにより構成されている。
図5に示すボルトからなる外側締結部材86が、外側カバー半体64の外側ランプ本体取付孔78に外側方から挿通され、ランプ装置60に設けられたねじ孔(図示せず)に締め付けられている。さらに、ボルトからなる内側締結部材88が、内側カバー半体66の内側ランプ本体取付孔82に内側から挿通され、ランプ装置60に設けられたねじ孔(図示せず)に締め付けられている。これにより、ランプ装置60がランプカバー62に取り付けられている。
補助ランプ30は、車体に対して、予め設定された第1軸心A1回りおよび第2軸心A2回りに向きを調整可能に取り付けられている。本実施形態では、第1軸心A1は上下方向軸で、第2軸心A2は左右方向(車幅方向)であるが、これに限定されない。詳細には、補助ランプ30のランプカバー62が、前記上下方向締結部材74によって車体フレーム側に対して、第1軸心A1回りに調整可能で且つ着脱自在に取り付けられ、ランプ装置60が、外側および内側締結部材86,88によってランプカバー62に対して、第2軸心A2回りに調整可能で且つ着脱自在に取り付けられている。
つまり、上下方向締結部材74は、上下方向に締結することでランプカバー62を着脱自在に車体に取り付け、かつ、上下方向締結部材74を緩めることでランプカバー62が車体フレームFRに対して上下軸心(第1軸心A1)回りに調整可能である。このように上下方向締結部材74は、補助ランプ30の取付部42への取り付け、外側および内側カバー半体64,66の連結、および補助ランプ30の上下軸心A1回りの光軸調整の3つの役割を果たす。
補助ランプ30の上下軸心A1回りの光軸調整は、長孔と締結部材の組合せにより行う。具体的には、2本の上下方向締結部材74を緩め、前側の上下方向締結部材74を回転軸心として補助ランプ30を回転させる。後側のボルト挿通孔58Bは長孔で形成されているので、この長孔に案内されて後側の上下方向締結部材74は移動する。このような簡単な構成で、補助ランプ30の取り付けと光軸調整の両方が実現できる。後側の長孔であるボルト挿通孔58Bは、前側の上下方向締結部材74の回転軸心を中心とした円弧状に形成されるのが好ましい。
外側および内側締結部材86,88は、左右方向に締結することでランプ装置60を着脱自在にランプカバー62に取り付け、かつ、外側および内側締結部材86,88を緩めることでランプ装置60がランプカバー62に対して左右軸心(第2軸心A2)回りに調整可能である。このように外側および内側締結部材86,88は、ランプ装置60のランプカバー62への取り付けと、補助ランプ30の左右軸心A2回りの光軸調整の両方を行う。
本実施形態では、ランプカバー62は、左右方向(車幅方向)に分割可能な2つの分割体64,66からなっているが、ランプカバー62は、車体に装着された状態で前後方向軸に垂直な方向に分割可能な2つの分割体で構成されればよい。また、2つの分割体は、上下方向締結部材74または外側および内側締結部材86,88のいずれかで連結されればよい。
上記構成によれば、左右一対の被支持部38が、車幅方向に延びるクロス部40により連結され、この被支持部38と一体に形成された取付部42に補助ランプ30が取り付けられている。したがって、クロス部40により、補助ランプ30の支持が安定し、補助ランプ30が不所望に振動するのを抑制することができる。
補助ランプ30は、図8に示す防振用の弾性体55を介してカウルステー26に支持されている。これにより、図1の車体の振動やエンジンEの振動がメインフレーム1を介して補助ランプ30に伝達されるのが抑制されるから、補助ランプ30に不所望な振動が発生するのを一層抑制できる。
図4の被支持部38は支持部36に2つの第1および第2締結部材48,50を介して着脱自在に支持され、第1締結部材48の第1締結方向D1と第2締結部材50の第2締結方向D2とは直交している。ラバーマウントの場合、締結方向と異なる方向に対する支持剛性が低下することが懸念されるが、上記構成では、締結方向の異なる2つの締結部材48,50により支持されているので、支持剛性の低下を抑えつつ、補助ランプ30の不所望な振動を抑制できる。
また、第1締結方向D1と第2締結方向D2とが直交しているので、4つの締結箇所が四角形の輪郭線上で互いに離れた位置に配置されることになり、補助ランプ30を安定して支持できる。
さらに、被支持部38と支持部36が、図1に示すフロントカウル20およびサイドカウル25により車幅方向外側から覆われているので、被支持部38と支持部36とが外部から見えなくなって、車両の外観が向上する。
図4に示すクロス部40が、フロントフォーク2の前方でカウルステー26の下方に配置され、平面視で後方に開いたU字形状に形成されているので、フロントフォーク2との干渉を避けつつ、クロス部40を配置できる。
さらに、上下方向締結部材74によってランプカバー62の車体フレーム側への支持および補助ランプ30の第1軸心A1回りの調整が行われ、外側および内側締結部材86,88によってランプ装置60のランプカバー62への取り付けおよび補助ランプ30の第2軸心A2回りの調整が行われる。これにより、簡単な構造で、補助ランプ30の車体への支持および2方向の向きの調整を行うことができる。また、補助ランプ30は、ランプ装置60を覆う着脱自在のランプカバー62を有しているので、ランプカバー62が損傷した場合でも、ランプカバー62のみの交換で済み、ランプ装置60は継続して使用できる。したがって、補助ランプ30の利便性がよい。
ランプカバー62のうちランプ装置60の車体幅方向外側に位置する外側部分が、車体幅方向内側に位置する内側部分よりも、側面視で大きく形成されている。ランプカバー62の外側部分を大きくすることで、ランプ装置60が外部の障害物と接触するのを防ぐことができるとともに、ランプカバー62の内側部分を小さくすることで、ランプカバー62の軽量化および低コスト化を図ることができる。
図6に示すランプカバー62は、正面視で、上下対称形状に形成されているので、カバーを前後方向軸に対して180°回転させることで、補助ランプ30を車体の右側、左側のどちらに取り付ける場合でも、共通のランプカバー62を用いることができる。
また、ランプカバー62は、左右方向に分割可能な外側および内側カバー半体64,66からなり、これら外側および内側カバー半体64,66は、図4の上下方向締結部材74によって連結されている。これにより、外側および内側カバー半体64,66の連結も上下方向締結部材74で実現されるので、補助ランプ30の構造が簡単になる。
ランプカバー62を、左右方向に分割可能な外側および内側カバー半体64,66で構成したことで、ランプカバー62の分割線が車体外側方から見えないので、車両の外観が向上する。
外側および内側カバー半体64,66は、外側カバー半体64の一部が外側となるように重ねられた状態で、上下方向締結部材74によって連結されている。これにより、ランプカバー62の分割線が、車体内側寄りに配置されるので、車体外側方から見えにくくなる。したがって、車両の外観が向上する。
また、上下方向D1の締結力でランプカバー62を車体に取り付けているので、ランプカバー62に前後方向軸回りの回転モーメントが生じるのを抑制することができる。その結果、ランプカバー62の車体に対する支持剛性を確保しやすい。
ランプカバー62は、少なくとも側面視および平面視で、ランプ装置60の全体を覆っているので、車体の外側からおよび乗車状態の運転者からランプ装置60が見えなくなる。これにより、車両の外観が向上する。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。本発明は、自動二輪車以外にも、三輪車、四輪バギー等の鞍乗型車両に適用できる。また、鞍乗型車両の駆動源は、エンジンに限定されず、例えば電動モータであってもよい。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
26 カウルステー(車体フレーム側)
30 補助ランプ(可動式車載装置)
60 ランプ装置(装置本体)
62 ランプカバー(カバー)
64 外側カバー半体(第1分割体)
66 内側カバー半体(第2分割体)
74 上下方向締結部材(第1の締結部材)
86 外側締結部材(第2の締結部材)
88 内側締結部材(第2の締結部材)
A1 上下軸心(第1軸心)
A2 左右軸心(第2軸心)

Claims (9)

  1. 鞍乗型車両の車体に対して、予め設定された第1軸心回りおよび第2軸心回りに向きを調整可能に取り付けられる可動式車載装置であって、
    装置本体と、この装置本体を覆うカバーとを備え、
    前記カバーは、第1の締結部材によって車体フレーム側に対して、前記第1軸心回りに調整可能で且つ着脱自在に取り付けられ、
    前記装置本体は、第2の締結部材によって前記カバーに対して、前記第2軸心回りに調整可能で且つ着脱自在に取り付けられている鞍乗型車両の可動式車載装置。
  2. 請求項1に記載の可動式車載装置において、車体の車幅方向外側に取り付けられ、
    車体に取り付けられた状態で、前記カバーのうち前記装置本体の車体幅方向外側に位置する外側部分が、車体幅方向内側に位置する内側部分よりも、側面視で大きく形成されている鞍乗型車両の可動式車載装置。
  3. 請求項2に記載の可動式車載装置において、前記カバーは、車体に装着された状態で、正面視で、上下対称形状に形成されている鞍乗型車両の可動式車載装置。
  4. 請求項1,2または3に記載の可動式車載装置において、前記カバーは、車体に装着された状態で前後方向軸に垂直な方向に分割可能な2つの分割体からなり、
    前記2つの分割体は、前記第1および第2の締結部材のいずれかによって連結される鞍乗型車両の可動式車載装置。
  5. 請求項4に記載の可動式車載装置において、前記カバーは、車体に装着された状態で車幅方向に分割可能な2つの前記分割体からなる鞍乗型車両の可動式車載装置。
  6. 請求項5に記載の可動式車載装置において、前記2つの分割体は、車幅方向外側に配置された第1分割体と、車幅方向内側に配置された第2分割体とからなり、
    前記第1分割体および前記第2分割体は、前記第1分割体の一部が外側となるように重ねられた状態で、前記第1および第2の締結部材のいずれか一方によって連結されている鞍乗型車両の可動式車載装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の可動式車載装置において、前記第1の締結部材は、上下方向に締結することで前記カバーを着脱自在に車体に取り付け、かつ、前記第1の締結部材を緩めることで前記カバーが前記車体フレームに対して上下軸心回りに調整可能であり、
    前記第2の締結部材は、左右方向に締結することで前記装置本体を着脱自在に前記カバーに取り付け、かつ、前記第2の締結部材を緩めることで前記装置本体が前記カバーに対して左右軸心回りに調整可能である鞍乗型車両の可動式車載装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の可動式車載装置において、前記カバーは、少なくとも側面視および平面視で、前記装置本体の全体を覆っている鞍乗型車両の可動式車載装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の可動式車載装置において、該可動式車載装置は、車体の左右両側方に配置された補助ランプである鞍乗型車両の可動式車載装置。
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