JP2016016177A - 吸収体の製造における積繊繊維の掻き取り量の検査装置及び検査方法、並びに該検査方法を用いた吸収体の製造方法 - Google Patents

吸収体の製造における積繊繊維の掻き取り量の検査装置及び検査方法、並びに該検査方法を用いた吸収体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸収体製造における繊維材料の積繊加工工程において、繊維材料の掻き取り量を高精度に検出できる検査装置及び検査方法、並びに該検査方法を用いた吸収体の製造方法を提供する。【解決手段】吸収体の製造装置において、回転ドラムの外周面に繊維材料を積繊して生じた積繊過剰分を、掻き取る際に用いられる掻き取り量の検査装置20であって、回転ドラムの外周面上に配された積繊過剰分の掻き取りと、再積繊とを同一空間で行うよう領域を区画するフード部5に対して、積繊過剰分を掻き取ったあと再積繊される前の浮遊する繊維材料の量を検出する検出部6を備える。さらに検出部の検出値に基づいて、繊維材料の浮遊量が一定量以上であると判断された場合に、吸収体の製造装置の稼働を止める信号を発信するか、検出部の検出値に基づく繊維材料の浮遊量に応じて、回転ドラムの外周面から内部への吸引圧力を、増減させる信号を発信する制御部7を備える。【選択図】図5

Description

本発明は吸収体の製造における積繊繊維の掻き取り量の検査装置及び検査方法、並びに該検査方法を用いた吸収体の製造方法に関する。
吸収性物品に組み込まれる吸収体は、粉砕された繊維材料又は該繊維材料と吸水性ポリマーとの混合物を型(ドラム外周面の集積用凹部など)に堆積し積繊することで作製される。近年では吸収体に坪量を偏らせて中高部を設けたり溝部を配したりすることで吸収性能に特徴を持たせたものがある。
例えば、特許文献1には、外周面に集積用の多孔質領域を有する形成ドラムを用いて2層構造の吸収性材料を形成することが記載されている。第一形成室で第一層を形成し、第二形成室で第二層を形成するようにされている。前記第一形成室では、第一層の一部を除去する機構を備え、これにより第一層の厚みを減じるようにしている。
また、特許文献2には、回転ドラムの外周面に備える2種類の深さからなる集積用凹部に繊維材料をあふれるほどに堆積させ、その過剰量分を掻き取る技術が記載されている。この掻き取られた繊維は、返戻搬送路を介して一旦回転ドラムから引き離され、再度上流のダクトへと戻される。この戻しによってダクトの繊維供給ムラ(許容を超えた供給の増減)が生じないよう、返戻搬送路中を流れる繊維材料の量を検出する繊維量測定器が用いられている。また、製品の連続加工工程における搬送物の異常を検査する手段として種々のセンサを用いた検出技術がある(例えば特許文献3参照)。
特許第4542900号公報 特開2010−35701号公報 特開2009−216489号公報
特許文献2に示されるように、2種類の深さからなる集積用凹部を用いた場合、中高部を形成する深い凹部では積繊厚みが不足しがちになる。これに対し、過剰の繊維材料を堆積させて厚みを確保する方法では、過剰積繊量に限度があるため、中高部と周辺部との繊維の坪量差を任意に高めようとする場合に製造上の限界が出てしまう。
これに対しては、過剰な積繊をできるだけ抑え、回転ドラム上で掻き取りながら同時に厚み不足部分に再積繊させる効率的な積繊方法が望まれる。しかし、高速生産ラインにおいて掻き取りは絶え間なく行われるため、該掻き取り量が厚み不足部分における再積繊必要量よりも多くなりすぎると、掻き取られた繊維材料が溜ってしまう。また、掻き取り量が多くなり過ぎると回転ドラムの吸引口の詰まりを引き起こしかねない。
この掻き取り量と再積繊必要量とのバランスをとることは、高速生産ラインにおいては人的操作だけでは難しい。従来の検査技術は、繊維材料の掻き取り量を検査対象とするものではなく、高速生産ラインにおいて常に変化する掻き取り量についての異常を適正に判断するものではなかった。
そこで本発明は、吸収体製造における繊維材料の積繊加工工程において、繊維材料の掻き取り量を高精度に検出することができる検査装置及び検査方法、並びに該検査方法を用いた吸収体の製造方法に関する。また、大型の装置を用いることなく省スペースシステムで繊維材料の掻き取り量を検出することができる検査装置及び検査方法、並びに該検査方法を用いた吸収体の製造方法に関する。
本発明は、吸収体の製造装置において回転ドラムの外周面に繊維材料を積繊して生じた積繊過剰分を掻き取る際に用いられる、掻き取り量の検査装置であって、前記回転ドラムの外周面上に配された、前記積繊過剰分の掻き取りと再積繊とを同一空間で行うよう領域を区画するフード部に対して、前記積繊過剰分を掻き取ったあと再積繊される前の浮遊する繊維材料の量を検出する検出部を備え、前記検出部は、前記回転ドラムの周方向において前記掻き取りの位置から離間し、かつ、回転ドラムの回転方向において前記掻き取りの位置よりも搬送元側に配されており、さらに前記検出部の検出値に基づいて繊維材料の浮遊量が一定量以上であると判断された場合に前記吸収体の製造装置の稼働を止める信号を発信するか、前記検出部の検出値に基づいて判断される繊維材料の浮遊量に応じて前記回転ドラムの前記外周面から内部への吸引圧力を増減させる信号を発信する制御部を備える検査装置を提供する。
また本発明は、吸収体を構成する繊維材料を積繊しながら、得られる積繊体を搬送する工程において積繊過剰分を掻き取る際に用いられる、掻き取り量の検査方法であって、前記積繊過剰分の掻き取りと再積繊とを同一空間で行う領域に対して、前記積繊過剰分を掻き取ったあと再積繊される前の浮遊する繊維材料の量を、前記領域における前記掻き取りの位置から離間し、かつ、前記積繊体の搬送方向において前記掻き取りの位置よりも搬送元側で検出する工程と、前記検出で得られる値に基づいて繊維材料の浮遊量が一定量以上であると判断された場合に前記吸収体の製造装置の稼働を止める信号を発信するか、前記検出で得られる値に基づいて判断される繊維材料の浮遊量に応じて前記回転ドラムの内部への吸引圧力を増減させる信号を発信する制御工程とを有する検査方法を提供する。
さらに本発明は、吸収体を構成する繊維材料を積繊しながら、得られる積繊体を搬送し、積繊過剰分を掻き取り再積繊させる際に、前記積繊過剰分の掻き取りと再積繊とを同一空間で行う領域に対して、前記積繊過剰分を掻き取ったあと再積繊される前の浮遊する繊維材料の量を、前記領域における前記掻き取りの位置から離間し、かつ、前記積繊体の搬送方向において前記掻き取りの位置よりも搬送元側で検出する工程と、前記検出で得られる値に基づいて繊維材料の浮遊量が一定量以上であると判断された場合に前記吸収体の製造装置の稼働を止める信号を発信するか、前記検出で得られる値に基づいて判断される繊維材料の浮遊量に応じて前記回転ドラムの内部への吸引圧力を増減させる信号を発信する制御工程とを有する吸収体の製造方法を提供する。
本発明の検査装置及び検査方法並びに該検査方法を用いた吸収体の製造方法によれは、吸収体製造における繊維材料の積繊加工工程において、繊維材料の掻き取り量を高精度に検出することができる。また、大型の装置を用いることなく省スペースシステムで繊維材料の掻き取り量を検出することができる。
本発明の検査装置及び検査方法に用いられる吸収体の製造装置の概略を示した斜視図である。 図1に示す回転ドラムのII−II線断面を示す断面図である。 (A)は図1に示す回転ドラム、ダクトの末端部分及びスカッフィングロールの断面図であり、(B)は(A)の上部領域で積繊過剰部分と積繊不足部分とが形成されている状態を示す部分断面図である。 (A)は図1に示すフード部を拡大して示す部分拡大斜視図であり、(B)は回転ドラムの上部領域の外周面上においてフード部内で掻き取りと再積繊とが行われる様子を示した説明図である。 本発明の検査装置の好ましい一実施形態を示す構成図である。 (A)は検出部のフード部に対する3つの配置位置を示す図であり、(B)は(A)の3つの配置位置で検出された電圧値を示すグラフである。 本発明の検査方法の好ましい一実施形態を示すフロー図である。
本発明の検査装置及び検査方法に用いられる吸収体の製造装置の好ましい一実施形態について、図1から図4を参照しながら以下に説明する。なお、図1においては、ダクト2と重なる部材(特に回転ドラム1の外周面11)の配置理解のため、ダクト1を透明な部材とし、内側の部材を透過して見えるものとして実線で示した。
図1に示すように、一実施形態としての吸収体の製造装置10は、外周面11に集積用凹部12(堆積部)が連続するように形成された回転ドラム1を備えている。さらに製造装置10は、回転ドラム1の外周面11に向けて繊維材料を飛散状態にて供給するダクト2、ダクト2に繊維材料を供給する繊維材料供給部3、及び過剰積繊された繊維材料を掻き取るスカッフィングロール4を備えている。
繊維材料供給部3は解繊機31とニップローラ34,34とを有する。ここでは、原料供給用のニップローラ34,34を駆動モータ(図示せず)で駆動することにより、パルプシート等のシート状の原料33を解繊機31に導入し、解繊された繊維材料をダクト2内に供給する。ダクト2は、繊維材料供給部3で解繊された繊維材料を飛散状態で回転ドラム1に供給する。なお、ダクト2には吸水性ポリマーや消臭剤、抗菌剤等を供給するフィーダー(図示せず)が配されていてもよい。
ダクト2の末端部分は、回転ドラム1の外周面11の一部を覆うように配置されている。本実施形態においては、外周面11のうち、後述の空間部Bに対応する部分を覆っている。ダクト2の末端部分のうち、空間部Bの上部に対応する部分をダクト上末端部21と称する。ダクト上末端部21の内部には、回転ドラム1の外周面11上にスカッフィングロール4が配されている。このスカッフィングロール4の設置位置(積繊された繊維材料との接触位置)が繊維材料の掻き取り位置となる。
回転ドラム1の各集積用凹部12は、中高部を形成する深凹部12Aと周辺の低坪両部を形成する浅凹部12Bとを有する。また、各凹部12A及び12Bに複数の支柱13が配されており、支柱13が成形体に溝を形成する。各集積用凹部12の底面部14は、図2の部分断面図が示すように、メッシュプレート15により構成され、多数の細孔16を有している。メッシュプレート15は、深凹部12Aよりも浅凹部12Bの方が外周面11に近い位置に配置されている。なお、上述の集積用凹部12は、本実施形態の連続配置に限らず、1個の積繊体ごとの長さに複数分割されて外周面11の周方向に沿って所定の間隔で形成されてもよい。
回転ドラム1は、円筒状をなし、F1方向に一定速度で回転する。これに合わせて、外周面11の集積用凹部12がF1方向に回転する。回転ドラム1の内側(回転軸側)の非回転部分には、吸気ファン(図示せず)が接続されており、該吸気ファンの駆動により、回転ドラム1の仕切られた空間B及びCを負圧に維持するようにされている(図3(A)参照)。空間Bは、回転ドラム1の回転領域における、ダクト2に覆われた側部領域101(第1積繊領域101ともいう。)と上部領域102(第2積繊領域102ともいう。)に対応する。空間Cは、回転ドラム1の回転領域における、ダクト2の及ばない反対側の側部領域103(積繊体保持領域103ともいう。)に対応する。
回転ドラム1の回転により外周面11の集積用凹部12が空間Bに至ると、空間Bは集積用凹部12の底面部14に強い吸引力を発生させる。この吸引力により、繊維材料を搬送する空気流をダクト2内に発生させ、繊維材料を集積用凹部12に積繊させる。すなわち、集積用凹部12が空間部BをF1方向に移動するとき、回転領域の側部領域101で繊維材料が積繊されはじめ、上部領域102に到着するころには凹部全体に繊維材料が満たされ積繊体201となる。この積繊体201には、外周面11の最外面位置11Aを超える積繊過剰部分201Aと最外面位置11Aに到達しない積繊不足部分201Bが生じている(図3(B)参照)。なお、一律ではないものの、積繊過剰部分201Aは集積用凹部12の浅凹部12Bに形成されやすく、積繊不足部分201Bは集積用凹部12の深凹部12Aに形成されやすい。
積繊過剰部分201Aは、上部領域102にあるスカッフィングロール4で掻き取られ、積繊不足部分201Bに再積繊される。これにより積繊の過不足が解消し外周面11側が平坦面となった積繊体202が得られる。この掻き取りと再積繊については後述する。
積繊体202は、空間Cの負圧によって集積用凹部12内に保持されたまま、回転ドラム1の回転領域における下部領域104(積繊体転写領域104ともいう。)へと搬送される。
下部領域104は、搬送ベルト9により搬送されてくる被覆シート91に面する領域であり、回転ドラム1内部の空間Dの位置に一致する。空間Dは図示しない加圧手段により陽圧に維持されている。この陽圧により、回転ドラム1の回転で空間B及びCを通り空間Dに至った集積用凹部12の積繊体202を被覆シート91に転写する。なお、搬送ベルト9に図示しない吸引機を備えて転写性をさらに高めてもよい。
転写された積繊体202は、例えば、一面側(集積用凹部12に保持されていたときにドラム内側に位置する面)に中央の中高部203と周辺の平坦部204とが配されたものとなる。その反対面(集積用凹部12に保持されていたときに外周面側に位置する面)は、前記掻き取りと再積繊とにより積繊過剰部分201Aと積繊不足部分201Bが解消された平坦面である。
積繊体202は、所定の長さに分割されて、吸収体用の繊維成形体(吸収性コア)となる。該繊維成形体は吸収体となって使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの吸収性物品に組み込まれる。中高部203は、吸収性物品の使用時に着用者の液排泄部又は臀裂に対向配置される。
製造装置10はフード部5を有する。フード部5は、回転ドラム1の外周面11上で、前記積繊過剰分の掻き取りと再積繊とを同一空間で行うよう領域を区画する。そのためフード部5は、集積用凹部12において外表面側に積繊の過不足が生じた状態にある積繊体が通過する位置に配される。本実施形態では、フード部5は、積繊過剰部分201Aと積繊不足部分201Bを有する積繊体201が通過する上部領域102に配置されている(図4(A)及び(B)参照)。この位置において、前述のスカッフィングロール4がフード部5内に配されている。
フード部5は、回転ドラムの回転方向に沿って所定長さの領域を区画しており、回転方向(積繊体201の搬送方向)における上手端部51と下手端部52とを有する。上手端部51は、回転ドラム1のF1の回転方向において積繊体201の搬送元側の部分であり、積繊体201を有する集積用凹部12がフード部5へと搬入される入口(搬入口51G)を有する。すなわち上手端部51は、外周面11との間に一部隙間を有し、積繊体201がフード部5内に搬入できるようにされている。一方、下手端部52は、回転ドラム1のF1の回転方向において積繊体201の搬送先側の部分であり、積繊体201を有する集積用凹部12がフード部5から搬出される出口(搬出口52G)を有する。すなわち下手端部52は、外周面11との間に一部隙間を有し、積繊体201がフード部5内から搬出できるようにされている。
このようなフード部5は、本実施形態においては、上部領域102の一部を覆うダクト2のダクト上末端部21の一部と仕切り板53とによって構成されている。すなわち、フード部5によって区画される内部空間55は、ダクト2の内部空間25における小空間である。
フード部5の長さN1は、回転ドラムの周方向において、積繊体201のうち吸収体用の繊維成形体の1個分の長さ又はそれ以上であることが、掻き取りと再積繊とを効率的行う観点から好ましい。具体的には、該長さN1は、フード部5の上手端部51及び下手端部52の外周面11と接する立ち上がり基端部分51a及び52aを結んだ長さとして見たとき、285mm以上であることが好ましく、300mm以上であることがより好ましい。これにより、再積繊を確実に行える領域とすることができ、後述の検出部による検出で該領域全体における浮遊する繊維材料32の滞留状態を的確に把握できる領域とすることができる。なお、上手端部51をなす仕切り板53が図3(A)及び(B)に示すように回転ドラム1の外周面11に接していない場合は、仕切り板53を延長させて外周面11と接する部分を立ち上がり基端部分51aという。
また、フード部5の高さH1は、上手端部51と下手端部52との間の周方向における中央位置における外周面11に対する法線の高さとして見たとき、90mm以上であることが好ましい。なお、前記中央位置は、前述の基端部分51a及び52aを結んだ長さを基準に判断される。
スカッフィングロール4は、本実施形態ではF2方向に回転している。これは回転ドラム1と同じ回転方向である。これにより、スカッフィングロール4は、フード部5内において、掻き取った繊維材料32を上手端部51側へ向けて舞い上げる。すなわち、フード部5の下手端部52側で積繊過剰部分201Aが掻き取られ、回転ドラム1の吸引圧力で、搬送元側の積繊不足部分201Bなどに再積繊されて、積繊不足が解消される。このとき、搬送元側にある積繊過剰部分201Aにも再積繊されることがあるが、再びスカッフィングロール4の位置で積繊過剰が解消されることになる。
スカッフィングロール4は、回転ドラム1の回転で高速搬送される積繊体の積繊過剰部を時機よく掻き取ることができる速度で稼働される。具体的には、スカッフィングロール4の回転速度は、回転ドラム1の回転速度と同等又はこれ以上であり、前記掻き取りは実質、連続的になされる。すなわち、回転ドラム1の高速回転に合わせて、掻き取られた繊維材料32がフード部5内に連続的に舞い上がることになり、ミリ秒単位などの高速でフード内における繊維材料32の浮遊量の増減が生じる。この増減の変化量は大きいため、従来の検査装置では検出するのが難しい。
一方、生産の安定性確保のためには、フード部5内での掻き取られた繊維材料32は素早く再積繊され、フード部5内での浮遊量が多くなり過ぎないようにすることが必要となる。そのため、回転ドラム1の空間Bにおける吸引圧力が十分な強さであることが好ましい。
次に、本発明の検査装置の好ましい一実施形態について、図5から図7を参照しながら説明する。検査装置20は、図5が示すように、スカッフィングロール4を内部に有するフード部5に対して掻き取り量の検査を行う、検出部6及び制御部7からなる。
検出部6は、フード部5において、積繊過剰部を掻き取ったあと再積繊される前の浮遊する繊維材料32の量を検出する機能を有する。検出部6は、フード部5内の繊維材料32の浮遊状態(滞留状態)を幅方向(X方向)で検出する装置からなる。この装置としては特に限定されないが、透過型レーザセンサや反射型レーザセンサ、透過型の光電管センサ(赤外線、可視光線)、反射型の光電管センサなどを用いることができる。特に、透過型レーザセンサが、フード部5内における繊維材料32の浮遊量の連続的な変化を的確に捉える観点から好ましい。中でも、所定範囲を検出することのできる、線状レーザセンサであることがさらに好ましい。以下、本実施形態では、線状の透過型レーザセンサを用いた検出部6として説明する。
本実施形態の検出部6は、線状の透過型レーザセンサを用いた発振部61と受光部62とをフード部5の幅方向(X方向)の両側に非接触で対向配置させてなる。発振部61は、レーザ光を光源とする照射光を、幅方向(X方向)に沿って受光部62に向けて照射することが可能とされている。受光部62は、発振部61から照射されたレーザ光がフード部5を幅方向に透過した結果得られる受光量を測定することが可能とされている。発振部61及び受光部62は、その線状レーザの長さ方向をフード部5の高さ方向(回転ドラムの外周面11に対する法線方向)に向けて配置されている。
受光部62では、得られた受光量を光電変換して電圧に変換する。この電圧の減少傾向は、受光部62に届く透過光量の減少を意味し、浮遊する繊維材料32によって遮断される光量の増加を意味する。すなわち、繊維材料32の浮遊量がフード部5内で増加していることを意味する。この電圧値は後述する制御部に随時時系列に送信され、該電圧値に基づいて制御部が正常、異常の判定処理を行う。
上記のレーザ光が適正にフード部5を透過して、フード部5の内部の状態に則した受光量を受光部62が受け取れるよう、フード部5はレーザ光をできるだけそのまま透過できる素材からなることが好ましい。
さらにフード部5の壁面において、透過型レーザセンサのレーザ透過位置にスリット孔54A,54Bが配置されていることがより好ましい。スリット孔54Aは発振部61が発するレーザ光が照射される位置にあり、スリット孔54Bは、フード部5内を透過するレーザ光が受光部62へと抜ける位置にある。スリット孔54Aとスリット孔54Bは互いに対向する位置にある。これにより、レーザ光がフード部5内を幅方向(X方向)に透過しようとしたときに、フード部5の内壁面に付着する繊維材料32で減光されることが防止でき、フード部5内部の状態を適切に反映した受光量とすることができる。スリットがある場合、レーザの透過を阻害しないため、フードの材質を選ばない。
また、同様の理由から、発振部61の照射面、受光部62の受光面をエアブローして異物(例えば繊維材料32)が付着しないようにすることがさらに好ましい。
検出部6は、回転ドラム1の周方向において掻き取り位置となるスカッフィングロール4とは離間して配列されている。そして検出部6は、回転ドラム1の回転方向F1においてスカッフィングロール4よりも搬送元側に配されている。この搬送元側は、スカッフィングロール4によって繊維材料32が舞い上げられる方向の上手端部51側、すなわち積繊体201の搬入口51G側の領域であり、連続掻き取りにより繊維材料32が溜まりやすい領域である。この位置に検出部6があることで、再積繊前の繊維材料32の浮遊量(滞留する量)の検出精度が高められる。
また、検出部6の配置位置は、上記の検出精度をさらに高める観点から、掻き取り位置であるスカッフィングロール4と上手端部51との中間位置よりも上手端部51寄りに配されていることがより好ましい。この中間位置は、繊維材料32が舞い上がる領域の周方向における中間位置である。より詳細に説明すれば、スカッフィングロール4及び上手端部51の、回転方向F1における搬送元側の端部T1及びT2を回転ドラム1の円周と同心円状につなげたときの中間位置M1である(図6(A)参照)。
この中間位置M1よりも上手端部51寄りに検出部6があることで、浮遊する繊維材料32の溢れた状態をより正確に検出することができる。このことは、例えば図6(A)、(B)に示す具体例で説明すると次のとおりである。図6(A)に示すような3つの配置位置それぞれにおいて、再積繊が適正な正常時と浮遊(溢れ)による異常時(具体的には吸引圧力が低く、掻き取り量が多い状態)とで受光部62で得た電圧の変化を比較している。(1)はスカッフィングロール4近傍位置、(2)はスカッフィングロールよりも遠方位置(中間位置M1よりも上手端部51寄り)、(3)はスカッフィングロール4の真上位置である。
その結果は、図6(B)に示すように、(2)の遠方位置での電圧差Δが2.5V、(1)の近傍位置での電圧差Δが1.5V、(3)の真上位置での電圧差Δが0.3Vであった。すなわち、同じフード部5内でありながら、(2)の遠方位置の電圧差が最も大きく、フード部5内の異常を最も明確に示され、高精度かつ早期の判定に資する。これは、(2)の位置で繊維材料32が最もフード部5内の空間で広範囲に広がりやすいため、センサ検出範囲を十分に利用しているためである。すなわち、(2)の位置(中間位置M1よりも上手端部51寄りの位置)が、センシングしやすく、溢れの閾値を引きやすい。該閾値は、フード部5内における繊維材料32の密度の高まりで製品性能や生産性に影響を及ぼすような、繊維材料32の浮遊量に対応した電圧値などとして任意に設定できる。例えば、浮遊量が多い場合、吸引圧力が低くなり、吸収体の坪量が少なくなるため、それを未然に防ぐ閾値とする。さらに浮遊量が多くなる場合、メッシュプレートが破損してしまうため、閾値はさらに低い値とする。
また、検出部6は、中間位置M1よりも上手端部51寄りにあって、少なくともフード部5の上部の状態を検出できる配置であることが好ましい。また、検出部6が発するレーザ光が、フード部5の上部から回転ドラム1の外周面11までの高さH1をできるだけカバーした範囲とすることがより好ましい。フード部5の高さH1に対するレーザ光のカバー範囲は、10%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。
検出部6には、制御部7が接続されている。制御部7は、検出部6の検出値に基づいて繊維材料32の浮遊量が一定量であると判断された場合に吸収体の製造装置10の稼働を止める信号を発信するか、検出部6の検出値に基づいて判断される繊維材料32の浮遊量に応じて回転ドラム1の内部への吸引圧力を増減させる信号を発信する機能を有する。
より具体的には、制御部7は、
(1)検出部6のセンサ制御(センサの出力制御)、
(2)検出部6の受光部62から随時時系列(例えばミリ秒単位)に送信される電圧値群を受信して所定の演算処理(演算処理における条件の設定を含む)
(3)前記演算処理結果に基づく異常・正常の判定、
(4)前記判定(異常判定)に基づく警告信号出力、
(5)前記判定(異常判定)に基づく回転ドラム1の吸引圧力(吸引風量)の増減信号出力、
(6)前記(4)又は(5)の信号に基づく機械制御
などを行う機能を有する。
このような制御部7は、前記(1)〜(6)の機能を1つの装置に備えたものとしてもよく、機能ごとに複数の装置に分割して互いに連携するようにしてもよい。制御部7としては、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)や市販のパーソナルコンピュータに各種のインターフェースを付加したもの等を用いることができる。本実施形態においては、前記(1)〜(3)までの機能を備えたセンサコントローラ71、前記(4)及び(5)の機能を備えたセンサ制御PLC72、前記(6)の機能を備えた機械制御PLC73の構成からなるものとして制御部7を以下に説明する。
本実施形態において、制御部7を構成するセンサコントローラ71は、検出部6の発振部61及び受光部62のそれぞれと接続されている。センサコントローラ71は、前記(1)の機能として、発振部61に対してセンサの出力制御を行う。
また、センサコントローラ71は、前記(2)の機能として、受光部62から随時時系列(例えばミリ秒単位)に送信される電圧値群を受信して、該電圧値群に基づいて、例えば、移動平均(単純移動平均)の演算を時間軸に沿って行う。移動平均の演算においては、平均回数を任意に設定しておく。求められた移動平均値は、バラつきの大きい瞬間的な電圧値(浮遊量の瞬間値)からでは判別できない、フード部5内の状態(浮遊量の増減の傾向)を的確に把握する材料となる。
そして、センサコントローラ71は、前記(3)の機能として、前記演算値に基づいてフード部5内の異常・正常を判定する。判定の基準は、例えば、前述した閾値が挙げられる。すなわち、電圧値の移動平均値が設定される閾値以下となるとき、フード部5内が繊維材料32で溢れ、回転ドラム1に破損が生じかねない限界の状態、すなわち異常状態として判定する。この場合、センサコントローラ71は、異常判定の信号又は異常判定されたセンサ値を発信する。なお、前記閾値は、前述のような機械的限界の繊維材料の浮遊量に対応した電圧値などとして任意に設定できる。
センサ制御PLC72は、センサコントローラ71に接続されており、センサコントローラ71からの異常判定の信号又は異常判定されたセンサ値を受信する。受信した異常判定の信号又は異常判定されたセンサ値に基づき、センサ制御PLC72は、前記(4)の警告信号を出力したり、前記(5)の回転ドラム1の吸引圧力(吸引風量)の増減信号を出力したりする。出力した各信号は、機械制御PLC73に送信される。なお、前記回転ドラム1の吸引圧力(吸引風量)の増減信号は、受信される異常判定されたセンサ値に対し必要な吸引風量の増減数値に対応した信号である。
機械制御PLC73は、センサ制御PLC72に接続されるとともに、吸収体の製造装置10にあるいずれかの構成部に接続され、前記(6)の機能として、前記構成部を制御する。
例えば、機械制御PLC73が製造装置10全体の駆動電源部に接続され、前記(4)の警告信号に基づいて、該駆動電源部の電源を切る制御を行うことができる。あるいは、センサ制御PLC72が警告サイン(警告表示、警告音)を発して手動にて製造装置10を止める方法でもよい。
また例えば、機械制御PLC73が製造装置10の回転ドラム1の内側の吸気ファンの駆動部に接続され、前記(5)の信号に基づいて、該駆動部に対しインバータ周波数(Hz)を上げる又は下げるという制御を行う。これにより、積繊体201に対す再積繊による坪量の調整が可能となる。すなわち、所望の坪量の吸収体用の繊維成形体を得ることができ、安定した再積繊が可能となる。
具体的には、インバータ周波数(Hz)を上げることで吸気ファンによる風量が増加し、空間部Bにおける吸引圧力が高められる。これにより、浮遊する繊維材料32の再積繊が促進され、積繊体201の坪量が高められて積繊不足が解消する。またフード部5内の繊維材料32の溜りも解消され、掻き取りと再積繊の循環が良好に行われる。一方、インバータ周波数(Hz)を下げると吸気ファンによる風量が減少し、空間部Bにおける吸引圧力が低下する。これにより、再積繊が緩和され、積繊体201の坪量が過剰になることを回避する。
このような機能を有する検査装置10により、吸収体製造における繊維材料の積繊加工工程において、繊維材料の掻き取り量を高精度に検出することができる。検査装置20は、検出部6とこれに接続された制御部7とからなり、大型の装置を用いる必要がない。また検出部6と制御部7とは、回転ドラム1の外周面11上で、フード部5の両側に非接触で配置されるため設備の大幅な変更が必要なく、省スペースシステムで繊維材料の掻き取り量を検出することができる。例えば従来のカメラを利用した画像処理システムで同様の検査をする場合、光学距離を確保する必要がある上、照明機器の設置が必要となる。そのため、このような検査装置は、本発明の検査装置の数倍以上のスペースを要する。
次に、本発明の検査方法の好ましい一実施形態について、図5の検査装置20を用いた実施形態として、図7を参照しながら説明する。
まず、予め平均回数と閾値をセンサコントローラ71に入力する。本実施形態では、閾値A及び閾値Bの2種類を設定する。閾値Aは後述のステップS4の判定時に使用され、閾値Bは後述のステップS7の判定時に使用される。閾値Bは閾値Aよりも小さな値とされている(閾値A>閾値B)。次に、吸収体の製造装置10の稼働開始とともに、センサ制御PLC72においてセンサアンプの電源を入れて検査装置20を稼働する(ステップS1)。
稼働後、第1の検査工程として、積繊体201の積繊過剰分201Aの掻き取りと再積繊とを同一空間で行う領域(フード部5の内部空間55)に対して、積繊過剰分201Aを掻き取ったあと再積繊される前の浮遊する繊維材料の量を検出する(ステップS2)。該検出は、前述の検出部6の配置位置でなされる。すなわち、前記領域における前記掻き取り位置から離間し、かつ、前記積繊体201の搬送方向において前記掻き取り位置よりも搬送元側でなされる。具体的には、スカッフィングロール4よりも搬送元側の検出部6において、発振部61から照射されるレーザ光を幅方向(X方向)に照射し、透過するレーザ光を受光部62が受光し受光量を測定する(図5参照)。該受光量を受光部62が光電変化して電圧値を得、センサコントローラ71に時系列で送信する。この電圧値の減少は、前述のとおり、受光部62に届く透過光量の減少を意味し、浮遊する繊維材料32によって遮断される光量の増加を意味する。すなわち、繊維材料32の浮遊量がフード部5内で増加していることを意味する。
なお、本実施形態の検出部6は、前述のとおり、線状の透過型レーザセンサを用いた発振部61と受光部62とを前記領域を区画するフード部5の幅方向(X方向)の両側に非接触で対向配置させてなる(図5参照)。また、発振部61及び受信部62は、その線状レーザの長さ方向をフード部5の高さ方向(回転ドラムの外周面11に対する法線方向)に向け配置されている。ただし、本発明の検査方法は、本実施形態の装置に限定されるものではなく、前記領域における前記検出位置で、繊維材料32の浮遊量の増減を好適に把握できる装置を適宜採用できる。
センサコントローラ71は、随時時系列で送信される電圧値に基づいて、設定された平均回数で、前述の移動平均の演算処理を行う(ステップS3)。
次いで、第2の検査工程として、センサコントローラ71は、前記検出で得られる値に基づいて繊維材料の浮遊量が一定量であるかどうかの判定をする。本実施形態においては、センサコントローラ71は、演算処理された移動平均値が設定された閾値Aよりも大きいか否かを判定する(ステップS4)。この場合、センサコントローラ71は、演算処理で得られた移動平均値が設定された閾値A以下であった場合に異常判定の信号を発信する。センサ制御PLC72は、前記異常判定の信号を受信し、これに基づいて信号を出力する(ステップS4)。この信号は、例えば、前記(4)の警告信号や前記(5)の回転ドラム1の吸引圧力(吸引風量)の増減信号などである。図7には示さないが、前記(4)の警告信号を出力する場合、例えば機械制御PLC73が該警告信号を受信し、製造装置10全体の駆動電源部を切り、検査は終了する。あるいは、センサ制御PLC72が警告信号に基づいて警告サイン(警告表示、警告音)を発して手動にて製造装置10を止め、検査は終了する。一方、移動平均値が閾値Aを超える場合は、再びステップS2に戻って次の第1の検査工程及び第2の検査工程が繰り返される。
一方、図7には、センサ制御PLC72が前記(5)の回転ドラム1の吸引圧力(吸引風量)の増減信号を出力する場合の、ステップS5からステップS9までが示されている。この場合、まず第2の検査工程において、センサコントローラ71が異常判定の信号とともに異常判定されたセンサ値を発信する。センサ制御PLC72は、前記異常判定の信号と異常判定されたセンサ値を受信し、該センサ値に基づいて、繊維材料の浮遊量に応じて前記回転ドラムの内部への吸引圧力を増加させる吸引風量の増加信号を発信する(ステップS5)。この増加信号は、例えば前述のように、異常判定されたセンサ値に対し必要な吸引風量の増加数値に対応した信号である。
次いで、機械制御PLC73は、前記増加信号に基づいて、回転ドラム1の内側の吸気ファンの駆動部に対しインバータ周波数(Hz)を上げる。すなわち、増加信号に応じた吸引風量の増加等を行う(ステップS6)。なお、センサ制御PLC72が出力する信号は、増加信号に限らず、必要により減少信号であってもよい。減少信号の場合、これに応じて機械制御PLC73がインバータ周波数(Hz)を下げ、吸引風量の減少等を行う。
次いで、前記吸引風量を増加した状態に対して、図示しないが、前述の第1の検査工程と第2の検査工程と同様の検査がなされ、ステップS7の判定を行う。ステップS7の判定では、ステップS4で使用した閾値Aではなく、閾値Aよりも値の低い閾値Bを用いる。ここで閾値Aよりも値の低い閾値Bを用いるのは、吸引風量制御後の異常発生を検査するためである。ステップS7において、センサコントローラ71が、この段階で得た移動平均値が閾値Bを超えると判定した場合は、異常判定の信号と異常判定された移動平均値は発信されず、吸引風量はそのまま固定され(ステップS8)、次のステップS2からステップS4が実行される。すなわち、吸引風量を高くし、計測値が安定した場合に正常とみなして吸収体の製造装置10はそのまま稼働される。
一方、ステップS7において、移動平均値が閾値B以下であると判定された場合は、吸収体の製造装置10の機械停止(ステップS9)を次のようにして行う。すなわち、センサコントローラ71は、演算処理で得られた移動平均値が設定された閾値Bと比較し、該移動平均値が閾値以下であった場合に異常判定の信号を発信する。センサ制御PLC72は、前記異常判定の信号を受信し、これに基づいて警告信号を出力する。この警告信号は、例えばセンサ制御PLC72に接続された機械制御PLC73が受信し、製造装置10全体の駆動電源部を切り、検査は終了する。あるいは、センサ制御PLC72が警告信号に基づいて警告サイン(警告表示、警告音)を発して手動にて製造装置10を止め、検査は終了する。すなわち、吸引風量を高くしても計測値がさらに小さくなっていき、閾値Bを下回った場合、加工状態の異常とみなし、吸収体の製造装置10は停止される。
このような検査方法により、吸収体製造における繊維材料の積繊加工工程において、繊維材料の掻き取り量を高精度に検出することができる。また、該検査方法を検査装置20で行う場合、前述のとおり、大型の装置を用いることなく省スペースシステムで繊維材料の掻き取り量を検出することができる。
また、本発明の検査方法を用いた吸収体の製造方法においては、掻き取り及び再積繊の処理工程における異常を素早く的確に捉えることができるので、回転ドラムの吸引口の詰りを未然に防ぎ、吸収体用の繊維成形体を効率的に生産することができる。このようにして得られた吸収体用の繊維成形体は、両面を被覆シートに覆われて吸収体となり、種々の吸収性物品に組み込まれる。なお、被覆シートは、両面を被覆する場合に限らず、片面を被覆せずに、または両面を被覆せずに吸収性物品用の吸収体として用いることもできる。また、上記の実施形態においては、片面の一部に中高部を1つ有する繊維成形体を得るものとして示したが、これに限定されるものではない。掻き取りと再積繊とにより積繊過剰部分201Aと積繊不足部分201Bが解消される製造工程に対して本発明の検査装置及び検査方法が実施されるものであれば、製造される繊維成形体は、複数の中高部を有するもの、中高部を有しないもの、薄型の吸収体など種々であってもよい。
吸収体の製造方法に用いられる繊維材料としては、従来、生理用ナプキンやパンティライナー、使い捨ておむつ等の吸収性物品の吸収体に用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維等のセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン等の合成繊維の短繊維等が用いられる。これらの繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、繊維材料は、全体又は一部がパルプ繊維であることが好ましく、繊維材料中のパルプ繊維の割合は50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%であり、更に好ましくは100質量%である。なお、ダクト内には、繊維材料以外に、吸収性ポリマーを供給してもよく、また、消臭剤や抗菌剤等を必要に応じ供給してよい。
1 回転ドラム
11 外周面
12 集積用凹部
2 ダクト
3 繊維材料供給部
4 スカッフィングロール
5 フード部
51 上手端部(搬入部)
52 下手端部(搬出部)
54A,54B スリット孔
6 検出部
61 発振部
62 受光部
7 制御部
71 センサコントローラ
72 センサ制御PLC
73 機械制御PLC
10 吸収体の製造装置
20 検査装置

Claims (11)

  1. 吸収体の製造装置において回転ドラムの外周面に繊維材料を積繊して生じた積繊過剰分を掻き取る際に用いられる、掻き取り量の検査装置であって、
    前記回転ドラムの外周面上に配された、前記積繊過剰分の掻き取りと再積繊とを同一空間で行うよう領域を区画するフード部に対して、前記積繊過剰分を掻き取ったあと再積繊される前の浮遊する繊維材料の量を検出する検出部を備え、
    前記検出部は、前記回転ドラムの周方向において前記掻き取りの位置から離間し、かつ、回転ドラムの回転方向において前記掻き取りの位置よりも搬送元側に配されており、
    さらに前記検出部の検出値に基づいて繊維材料の浮遊量が一定量以上であると判断された場合に前記吸収体の製造装置の稼働を止める信号を発信するか、前記検出部の検出値に基づいて判断される繊維材料の浮遊量に応じて前記回転ドラムの前記外周面から内部への吸引圧力を増減させる信号を発信する制御部を備える検査装置。
  2. 前記フード部は、前記回転ドラムの回転方向において上手端部と下手端部とを有し、前記検出部は前記掻き取りの位置と前記上手端部との中間位置よりも前記上手端部寄りに配されている、請求項1記載の検査装置。
  3. 前記吸収体の製造装置には、繊維材料を飛散状態で前記回転ドラムに供給するダクトが、前記回転ドラムの外周面の一部を覆うように配されており、
    前記フード部により区画された領域は前記ダクト内に配置された小空間である請求項1又は2に記載の検査装置。
  4. 前記制御部は、前記検出部の検出値から移動平均値を算出し、前記フード部内の繊維材料の浮遊量を判断する請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査装置。
  5. 前記検出部は、透過型レーザセンサを用いてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の検査装置。
  6. 前記フード部には、前記透過型レーザセンサのレーザ透過位置にスリット孔が設けられている請求項5に記載の検査装置。
  7. 吸収体を構成する繊維材料を積繊しながら、得られる積繊体を搬送する工程において積繊過剰分を掻き取る際に用いられる、掻き取り量の検査方法であって、
    前記積繊過剰分の掻き取りと再積繊とを同一空間で行う領域に対して、前記積繊過剰分を掻き取ったあと再積繊される前の浮遊する繊維材料の量を、前記領域における前記掻き取りの位置から離間し、かつ、前記積繊体の搬送方向において前記掻き取りの位置よりも搬送元側で検出する工程と、
    前記検出で得られる値に基づいて繊維材料の浮遊量が一定量以上であると判断された場合に前記吸収体の製造装置の稼働を止める信号を発信するか、前記検出で得られる値に基づいて判断される繊維材料の浮遊量に応じて前記回転ドラムの内部への吸引圧力を増減させる信号を発信する制御工程とを有する検査方法。
  8. 前記領域は、繊維材料の積繊加工工程において上手端部と下手端部とで区画されており、前記浮遊する繊維材料の量の検出は、前記掻き取りの位置と前記上手端部との中間位置よりも前記上手端部寄りで行われる請求項7記載の検査方法。
  9. 前記領域は、繊維材料の供給領域の一部を区画した領域である請求項7又は8に記載の検査方法。
  10. 前記繊維材料の浮遊量の判断は、前記検出によって得られる値から移動平均値を算出して行われる請求項7〜9のいずれか1項に記載の検査方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の検査方法を用いる吸収体の製造方法。

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