JP2016012553A - コネクタセット及びコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ノイズ性を向上させることができるコネクタセット及びコネクタを提供することである。【解決手段】コネクタセットは、第1のコネクタ及び第2のコネクタを備えている。第1のコネクタは、複数の第1の接続端子と、第1の固定端子と、第1の絶縁性部材と、を含んでおり、前記第2のコネクタは、複数の第2の接続端子と、第2の固定端子と、第2の絶縁性部材と、を含んでおり、複数の第1の接続端子と複数の第2の接続端子とはそれぞれ、第1のコネクタと第2のコネクタとが結合すると、第1の接触部と第2の接触部とにおいて接触し、第1の固定端子と第2の固定端子とは、第1のコネクタと第2のコネクタとの結合を保持するために互いに接触し、かつ、第1のコネクタと第2のコネクタとが結合すると、第1の方向から見たときに、第1の接触部及び第2の接触部の周囲を囲む環を有していること、を特徴とする。【選択図】図18A

Description

本発明は、コネクタセット及びコネクタに関し、より特定的には、高周波信号の伝送に用いられるコネクタセット及びコネクタに関する。
従来のコネクタセットに関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の基板対基板コネクタの第1コネクタが知られている。第1コネクタは、第1ハウジング、複数の第1端子及び2つの第1補強金具を備えている。第1ハウジングは、例えば、樹脂により作製され、長方形状を有する板状部材である。複数の第1端子は、第1ハウジングの2つの長辺に沿って設けられている。2つの第1補強金具は、第1ハウジングの長手方向の両端に設けられている。
以上のような第1コネクタは、第2コネクタと結合して用いられる。そして、第1端子は、信号電位又は接地電位に接続され、第1補強金具は、接地電位に接続される。
ところで、特許文献1に記載の第1コネクタでは、第1の補強金具は、第1ハウジングの長手方向の両端にしか設けられていない。そのため、特許文献1に記載の第1コネクタでは、耐ノイズ性において問題があった。
特開2012−79684号公報
そこで、本発明の目的は、耐ノイズ性を向上させることができるコネクタセット及びコネクタを提供することである。
本発明の一形態に係るコネクタセットは、第1のコネクタと第2のコネクタとを備えたコネクタセットであって、前記第1のコネクタは、それぞれが第1の接触部を有する複数の第1の接続端子と、接地電位に接続される第1の固定端子と、を含んでおり、前記第2のコネクタは、それぞれが第2の接触部を有する複数の第2の接続端子と、接地電位に接続される第2の固定端子と、を含んでおり、前記複数の第1の接続端子と前記複数の第2の接続端子とはそれぞれ、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが結合すると、前記第1の接触部と前記第2の接触部とにおいて接触し、前記第1の固定端子と前記第2の固定端子とは、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの結合を保持するために互いに接触し、かつ、該第1のコネクタと該第2のコネクタとが結合すると、第1の方向から見たときに、前記第1の接触部及び前記第2の接触部の周囲を囲む環を有していること、を特徴とする。
本発明の一形態に係る第1のコネクタは、複数の第2の接続端子と第2の固定端子とを備えた第2のコネクタに対して結合する第1のコネクタであって、複数の第1の接続端子と、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの結合を保持するために前記第2の固定端子に接触し、かつ、接地電位に接続される第1の固定端子と、を含んでおり、前記複数の第1の接続端子はそれぞれ、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが結合すると、前記第1の接触部において前記複数の第2の接続端子と接触し、前記第1の固定端子は、第1の方向から見たときに、前記複数の第1の接触部を囲む長方形状の環の4つの辺に沿う部分を有すると共に、該長方形状の環の一部が切り欠かれた形状を有すること、を特徴とする。
本発明によれば、耐ノイズ性を向上させることができる。
雌コネクタ10の外観斜視図である。 雌コネクタ10を上側から見た図である。 雌コネクタ10を下側から見た図である。 雌コネクタ10を前側から見た図である。 固定端子12の外観斜視図である。 固定端子12を上側から見た図である。 絶縁性部材16の外観斜視図である。 接続端子14a〜14cの外観斜視図である。 製造中における雌コネクタ10の斜視図である。 製造中における雌コネクタ10の斜視図である。 製造中における雌コネクタ10の斜視図である。 製造中における雌コネクタ10の斜視図である。 雄コネクタ50の外観斜視図である。 雄コネクタ50を篏合方向において雌コネクタ10側から雄コネクタ50側に向かう下側から見た図である。 雄コネクタ50を上側から見た図である。 雄コネクタ50を後側から見た図である。 固定端子52の外観斜視図である。 固定端子52を下側から見た図である。 絶縁性部材56の外観斜視図である。 接続端子54a〜54cの外観斜視図である。 製造中における雄コネクタ50の斜視図である。 製造中における雄コネクタ50の斜視図である。 製造中における雄コネクタ50の斜視図である。 コネクタセット100の外観斜視図である。 コネクタセット100を上側から見た図である。 コネクタセット100を前側から見た図である。 図18Cのコネクタセット100のD−Dにおける断面構造図である。 図18Cのコネクタセット100のE−Eにおける断面構造図である。 コネクタセット100を前側から見た図である。 図19Aのコネクタセット100のA−Aにおける断面構造図である。 図19Aのコネクタセット100のH−Hにおける断面構造図である。 コネクタセット100を前側から見た図である。 図20Aのコネクタセット100のB−Bにおける断面構造図である。 図20Aのコネクタセット100のG−Gにおける断面構造図である。 コネクタセット100を前側から見た図である。 図21Aのコネクタセット100のC−Cにおける断面構造図である。 図21Aのコネクタセット100のF−Fにおける断面構造図である。 雌コネクタ10Aに同軸ケーブルを取り付け状態の外観斜視図である。 雌コネクタ10Aの分解斜視図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る雄コネクタ、雌コネクタ及びコネクタセットについて説明する。
(雌コネクタの構成)
以下に、コネクタセットの雌コネクタ(第1のコネクタ)の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、雌コネクタ10の外観斜視図である。図2Aは、雌コネクタ10を篏合方向において雄コネクタ50側から雌コネクタ10側に向かう上側から見た図である。図2Bは、雌コネクタ10を下側から見た図である。図2Cは、雌コネクタ10を前側から見た図である。図3Aは、固定端子12の外観斜視図である。図3Bは、固定端子12を上側から見た図である。図4は、絶縁性部材16の外観斜視図である。図5は、接続端子14a〜14cの外観斜視図である。
以下では、図1の環状の固定端子12の中心軸の方向を上下方向(第1の方向)と呼ぶ。また、雌コネクタ10を上側から見たときにおいて、長方形状を有する固定端子12の長手方向を左右方向(第3の方向)と定義し、短手方向を前後方向(第2の方向)と定義する。
雌コネクタ10は、例えば、回路基板やフレキシブル配線上に実装され、図1及び図2A〜図2Cに示すように、固定端子12、接続端子14a〜14c及び絶縁性部材16を備えている。
固定端子12は、接地電位に接続される導体であり、図3A及び図3Bに示すように、上側から見たときに、長方形状の環の一部が切り欠かれた形状を有している。略長方形状の環の長辺は、左右方向に延在し、略長方形状の環の短辺は前後方向に延在している。固定端子12は、一枚の金属板に折り曲げ加工が施されることにより作製され、例えば、リン青銅等の銅系材料により作製されている。
固定端子12は、本体部21、突起部24a,24b及び接続部26を含んでいる。本体部21は、下部20及び上部22a〜22dを有している。下部20は、上下方向に延在する中心軸の周囲を周回する帯状の導体であり、上側から見たときに、長方形状の環の一部が切り欠かれた形状を有している。本実施形態では、下部20は、前側の長辺の一部が切り欠かれた形状を有している。ただし、下部20は、右側の短辺、左側の短辺、後ろ側の長辺及び前側の長辺の一部を有している。すなわち、下部20は、長方形状の環の4つの辺に沿う部分を有している。また、下部20の4つの角は、丸く加工されている。
上部22aは、下部20の左後ろの角上に接続されており、本体部21の上端を構成している。また、上部22aは、上側から見たときに、L字型を有している。ただし、上部22aの角は、丸く加工されている。そして、上部22aの内周面は、前上側を向く面S11及び右上側を向く面S12を含んでいる。更に、面S11と面S12とは、凸状の曲面を構成している。
また、面S11と面S12とは、下部20に対して長方形状の環の内側に向かって突出している。これにより、本体部21の内周面における左後ろの角に、凸部Paが設けられている。
上部22bは、下部20の右後ろの角上に接続されており、本体部21の上端を構成している。また、上部22bは、上側から見たときに、L字型を有している。ただし、上部22bの角は、丸く加工されている。そして、上部22bの内周面は、前上側を向く面S13及び左上側を向く面S14を含んでいる。更に、面S13と面S14とは、凸状の曲面を構成している。
また、面S13と面S14とは、下部20に対して長方形状の環の内側に向かって突出している。これにより、本体部21の内周面における右後ろの角に、凸部Pbが設けられている。
上部22cは、下部20の左前の角上に接続されており、本体部21の上端を構成している。また、上部22cは、上側から見たときに、L字型を有している。ただし、上部22cの角は、丸く加工されている。そして、上部22cの内周面は、後ろ上側を向く面S15及び右上側を向く面S16を含んでいる。更に、面S15と面S16とは、凸状の曲面を構成している。
また、面S15と面S16とは、下部20に対して長方形状の環の内側に向かって突出している。これにより、本体部21の内周面における左前の角に、凸部Pcが設けられている。
上部22dは、下部20の右前の角上に接続されており、本体部21の上端を構成している。また、上部22dは、上側から見たときに、L字型を有している。ただし、上部22dの角は、丸く加工されている。そして、上部22dの内周面は、後ろ上側を向く面S17及び左上側を向く面S18を含んでいる。更に、面S17と面S18とは、凸状の曲面を構成している。
また、面S17と面S18とは、下部20に対して長方形状の環の内側に向かって突出している。これにより、本体部21の内周面における右前の角に、凸部Pdが設けられている。
突起部24aは、下部20の左側の短辺の下端に接続されており、下部20に対して右側に向かって折り曲げられている。突起部24bは、下部20の右側の短辺の下端に接続されており、下部20に対して左側に向かって折り曲げられている。よって、突起部24a,24bは、上側から見たときに、長方形状の環の内側に向かって突出している。
接続部26は、下部20の後ろ側の長辺の下端に接続されており、下部20に対して後ろ側に向かって折り曲げられている。
絶縁性部材16は、上側から見たときに、八角形状を有するブロックであり、例えば、液晶ポリマー等の絶縁性の樹脂により作製されている。絶縁性部材16は、固定端子12及び接続端子14a〜14cを保持する。絶縁性部材16の上面には、前後方向に延在する溝G1〜G3が設けられている。溝G1〜G3は、左側から右側へとこの順に並んでいる。溝G1〜G3は、絶縁性部材16を上下方向に貫通している。絶縁性部材16は、図2A及び図2Bに示すように、上側から見たときに、本体部21に囲まれている。また、突起部24a,24bの先端は、絶縁性部材16に刺さっている。すなわち、絶縁性部材16は、突起部24a,24bにおいてのみ固定端子12を保持している。これにより、上側から見たときに、本体部21と絶縁性部材16との間には隙間が設けられている。接続端子が信号電位に接続されるとは、接続端子に信号が伝送されるように結線されることである。
接続端子14a〜14cはそれぞれ、信号電位又は接地電位に接続される導体である。本実施形態では、左右方向の両端に位置する接続端子14a,14cは、信号が印加されている信号端子である。また、接続端子14bは、接地電位に接続されている接地端子である。これにより、接続端子14a〜14cでは、信号端子と接地端子とが交互に配置されている。接続端子14a〜14cは、図5に示すように、1本の棒状の導体が折り曲げ加工されることにより作製されており、例えば、リン青銅等の銅系材料により作製されている。接続端子14a〜14cは、接続部30a〜30c及び接触部32a〜32cを含んでいる。
接触部32a〜32cは、右側から見たときに、上側が開口したU字型を有している。また、接触部32a〜32cの上後ろ側の端部は、わずかに後ろ側に折り曲げられている。接触部32a〜32cの上前側の端部は、わずかに前側に折り曲げられている。接続部30a〜30cはそれぞれ、接触部32a〜32cの上前側の端部に接続されている。接続部30a〜30cはそれぞれ、右側から見たときに、L字型を有しており、接触部32a〜32cの上前側の端部から下側に向かって延在した後、前側に向かって延在している。すなわち、接続端子14a〜14cはそれぞれ、上側から見たときに、接触部32a〜32cから前側に向かって延在している。
以上のように構成された接続端子14a〜14cはそれぞれ、溝G1〜G3に取り付けられる。具体的には、接続端子14a〜14cはそれぞれ、下側から溝G1〜G3に対して挿入される。これにより、接続端子14a〜14cの接触部32a〜32cは、上側から見たときに、長方形状の環の内部において左側から右側へとこの順に一列に並んでいる。
また、接続端子14a〜14cの接続部30a〜30cは、絶縁性部材16の下側において前側へと突出している。ここで、固定端子12は、上側から見たときに、前側の長辺の一部が切り欠かれている。そして、接続端子14a〜14cは、図2A及び図2Bに示すように、上側から見たときに、固定端子12の切り欠かれた部分を介して長方形状の環(すなわち、固定端子12)外側に引き出されている。
また、下側から見たときに、図2Bに示すように、下部20と接続端子14aとの最短距離D1と突起部24aと接続端子14aとの最短距離D2とは、実質的に等しい。同様に、下部20と接続端子14cとの最短距離D1と突起部24bと接続端子14cとの最短距離D2とは、実質的に等しい。更に、接続端子14aと接続端子14bとの距離D3及び接続端子14bと接続端子14cとの距離D3は、最短距離D1,D2と実質的に等しい。
以上のように構成された雌コネクタ10は、回路基板に実装される。具体的には、回路基板に設けられたランド電極に対して突起部24a,24b、接続部26及び接続部30a〜30cがはんだにより接続される。
(雌コネクタの製造方法)
次に、雌コネクタ10の製造方法について図面を参照しながら説明する。図6ないし図9は、製造中における雌コネクタ10の斜視図である。
まず、図6に示すように、固定端子12を準備する。固定端子12は、例えば、リン青銅等の銅系材料が折り曲げ加工されることにより作製される。
次に、図7に示すように、射出成形により、絶縁性部材16を成形する。この際、固定端子12の突起部24a,24bの先端が絶縁性部材16に埋め込まれるように固定端子12を配置して、絶縁性部材16を固定端子12と一体的にインサートモールド成形する。
次に、図8及び図9に示すように、接続端子14a〜14cをそれぞれ溝G1〜G3に下側から挿入して、絶縁性部材16に対して取り付ける。なお、接続端子14a〜14cは、絶縁性部材16と一体的に成形されていない。よって、接続端子14a〜14cは、自身の弾性によりわずかに変形することができる。以上の工程により、雌コネクタ10が完成する。
(雄コネクタの構成)
以下に、コネクタセットの雄コネクタ(第2のコネクタ)の構成について図面を参照しながら説明する。図10は、雄コネクタ50の外観斜視図である。図11Aは、雄コネクタ50を篏合方向において雌コネクタ10側から雄コネクタ50側に向かう下側から見た図である。図11Bは、雄コネクタ50を上側から見た図である。図11Cは、雄コネクタ50を後側から見た図である。図12Aは、固定端子52の外観斜視図である。図12Bは、固定端子52を下側から見た図である。図13は、絶縁性部材56の外観斜視図である。図14は、接続端子54a〜54cの外観斜視図である。
以下では、図10の雄コネクタ50と雌コネクタ10とが篏合する方向を上下方向とする。ただし、図10では、図1と比べて上下が紙面上で反転している。また、雄コネクタ50を下側から見たときにおいて、長手方向を左右方向と定義し、短手方向を前後方向と定義する。ただし、図10では、図1と比べて前後方向も紙面上で反転している。すなわち、図10の紙面上における前後方向、左右方向及び上下方向の軸は、図1の紙面上における前後方向、左右方向及び上下方向の軸を左右方向の軸を中心として180度回転させたものである。
雄コネクタ50は、例えば、回路基板、より具体的にはフレキシブル基板上の配線上に実装され、図10及び図11A〜図11Cに示すように、固定端子52、接続端子54a〜54c及び絶縁性部材56を備えている。
固定端子52は、接地電位に接続される導体であり、図12A及び図12Bに示すように、下側から見たときに、長方形状の環の一部が切り欠かれた形状を有している。長方形状を有する固定端子52の長方形状の環の長辺は、左右方向に延在し、長方形状の環の短辺は前後方向に延在している。固定端子52は、一枚の金属板に折り曲げ加工が施されることにより作製され、例えば、リン青銅等の銅系材料により作製されている。
固定端子52は、本体部61、突起部64a,64b及び接続部66を含んでいる。本体部61は、上部60及び下部62a〜62dを有している。上部60は、上下方向に延在する中心軸の周囲を周回する帯状の導体であり、上側から見たときに、長方形状の環の一部が切り欠かれた形状を有している。本実施形態では、上部60は、後ろ側の長辺の一部が切り欠かれた形状を有している。ただし、上部60は、右側の短辺、左側の短辺、前側の長辺及び後ろ側の長辺の一部を有している。すなわち、上部60は、長方形状の環の4つの辺に沿う部分を有している。また、上部60の4つの角は、丸く加工されている。
また、上部60の外周面には、図12Aに示すように、4つの角のそれぞれにおいて、凹部Ga〜Gdが設けられている(凹部Gcは図示せず)。より詳細には、上部60の外周面の左後ろの角には、凹部Gaが設けられている。上部60の外周面の右後ろの角には、凹部Gbが設けられている。上部60の外周面の左前の角には、凹部Gcが設けられている。上部60の外周面の右前の角には、凹部Gdが設けられている。
下部62aは、上部60の左後ろの角下に接続されており、本体部61の下端を構成している。また、下部62aは、下側から見たときに、1/4の円弧を2つ組み合わせた楕円形状を有している。そして、下部62aの外周面は、後ろ下側を向く面S1及び左下側を向く面S2を含んでいる。更に、面S1と面S2とは、1つの凸状の曲面を構成している。
下部62bは、上部60の右後ろの角下に接続されており、本体部61の下端を構成している。また、下部62bは、下側から見たときに、1/4の円弧を2つ組み合わせた楕円形状を有している。そして、下部62bの外周面は、後ろ下側を向く面S3及び右下側を向く面S4を含んでいる。更に、面S3と面S4とは、1つの凸状の曲面を構成している。
下部62cは、上部60の左前の角下に接続されており、本体部61の下端を構成している。また、下部62cは、下側から見たときに、1/4の円弧を2つ組み合わせた楕円形状を有している。そして、下部62cの外周面は、前下側を向く面S5及び左下側を向く面S6を含んでいる。更に、面S5と面S6とは、1つの凸状の曲面を構成している。
下部62dは、上部60の右前の角下に接続されており、本体部61の下端を構成している。また、下部62dは、下側から見たときに、1/4の円弧を2つ組み合わせた楕円形状を有している。そして、下部62dの外周面は、前下側を向く面S7及び右下側を向く面S8を含んでいる。更に、面S7と面S8とは、1つの凸状の曲面を構成している。
突起部64aは、上部60の左側の短辺の上端に接続されており、上部60に対して右側に向かって折り曲げられている。突起部64bは、上部60の右側の短辺の上端に接続されており、上部60に対して左側に向かって折り曲げられている。よって、突起部64a,64bは、上側から見たときに、長方形状の環の内側に向かって突出している。
接続部66は、上部60の前側の長辺の上端に接続されており、上部60に対して前側に向かって折り曲げられている。
絶縁性部材56は、上側から見たときに、八角形状を有するブロックであり、例えば、液晶ポリマー等の絶縁性の樹脂により作製されている。絶縁性部材56は、固定端子52及び接続端子54a〜54cを保持する。絶縁性部材56の下面には、左右方向に延在する筋状の突起57が設けられている。更に、突起57には、前後方向に延在する溝G11〜G13が設けられている。溝G11〜G13は、左側から右側へとこの順に並んでいる。絶縁性部材56は、図11A及び図11Bに示すように、上側から見たときに、本体部61に囲まれている。また、突起部64a,64bの先端は、絶縁性部材56に刺さっている。すなわち、絶縁性部材56は、突起部64a,64bにおいてのみ固定端子52を保持している。これにより、上側から見たときに、本体部61と絶縁性部材56との間には隙間が設けられている。
接続端子54a〜54cはそれぞれ、信号電位又は接地電位に接続される導体である。本実施形態では、左右方向の両端に位置する接続端子54a,54cは信号接続されている信号端子である。また、接続端子54bには接地電位が接続されている接地端子である。これにより、接続端子54a〜54cでは、信号端子と接地端子とが交互に配置されている。接続端子54a〜54cは、図14に示すように、1本の棒状の導体が折り曲げ加工されることにより作製されており、例えば、リン青銅等の銅系材料により作製されている。接続端子54a〜54cは、接続部70a〜70c及び接触部72a〜72cを含んでいる。
接触部72a〜72cは、右側から見たときに、上側が開口したU字型を有している。接続部70a〜70cはそれぞれ、接触部72a〜72cの上後ろ側の端部に接続されている。接続部70a〜70cはそれぞれ、右側から見たときに、直線状を有しており、接触部72a〜72cの上後ろ側の端部から後ろ側に向かって延在している。すなわち、接続端子54a〜54cはそれぞれ、下側から見たときに、接触部72a〜72cから後ろ側に向かって延在している。
以上のように構成された接続端子54a〜54cはそれぞれ、溝G11〜G13に取り付けられる。具体的には、接続端子54a〜54cはそれぞれ、接続部70a〜70cの後端及び接触部72a〜72cの外周面が絶縁性部材56から露出するように、絶縁性部材56に対して取り付けられる。これにより、接続端子54a〜54cの接触部72a〜72cは、下側から見たときに、長方形状の環の内部において左側から右側へとこの順に一列に並んでいる。
また、接続端子54a〜54cの接続部70a〜70cは、絶縁性部材56の下側において後ろ側へと突出している。ここで、固定端子52は、上側から見たときに、後ろ側の長辺の一部が切り欠かれている。そして、接続端子54a〜54cは、図11A及び図11Bに示すように、上側から見たときに、固定端子52の切り欠かれた部分を介して長方形状の環(すなわち、固定端子52)の外側に引き出されている。
また、上側から見たときに、図11Bに示すように、上部60と接続端子54aとの最短距離D11と突起部64aと接続端子54aとの最短距離D12とは、実質的に等しい。同様に、上部60と接続端子54cとの最短距離D11と突起部64bと接続端子54cとの最短距離D12とは、実質的に等しい。更に、接続端子54aと接続端子54bとの距離D13及び接続端子54bと接続端子54cとの距離D13は、最短距離D11,D12と実質的に等しい。
以上のように構成された雄コネクタ50は、回路基板に実装される。具体的には、回路基板に設けられたランド電極に対して突起部64a,64b、接続部66及び接続部70a〜70cがはんだにより接続される。
(雄コネクタの製造方法)
次に、雄コネクタ50の製造方法について図面を参照しながら説明する。図15ないし図17は、製造中における雄コネクタ50の斜視図である。
まず、図15に示すように、固定端子52を準備する。固定端子52は、例えば、リン青銅等の銅系材料が折り曲げ加工されることにより作製される。
次に、図16に示すように、接続端子54a〜54cを固定端子52内に配置する。
次に、図17に示すように、射出成形により、絶縁性部材56を成形する。この際、固定端子52の突起部64a,64bの先端が絶縁性部材56に埋め込まれると共に、接続端子54a〜54cの一部が絶縁性部材56に埋め込まれるように、絶縁性部材56を固定端子52及び接続端子54a〜54cと一体的にインサートモールド成形する。接続端子54a〜54cは、絶縁性部材16と一体的に成形されているので、殆ど変形できない。以上の工程により、雄コネクタ50が完成する。
(コネクタセットの構成)
次に、コネクタセット100の構成について図面を参照しながら説明する。図18Aは、コネクタセット100の外観斜視図である。図18Bは、コネクタセット100を上側から見た図である。図18Cは、コネクタセット100を前側から見た図である。図18Dは、図18Cのコネクタセット100のD−Dにおける断面構造図である。図18Eは、図18Cのコネクタセット100のE−Eにおける断面構造図である。
コネクタセット100は、雌コネクタ10及び雄コネクタ50を備えており、回路基板間の高周波信号(6GHz程度)の伝送の中継を行う。図18A〜図18Eに示すように、雌コネクタ10と雄コネクタ50とが結合する際には、雄コネクタ50の固定端子52が雌コネクタ10の固定端子12に対して上側から挿入されている。雌コネクタ10の下部20の内周面は、上側から見たときに、雄コネクタ50の上部60の外周面よりもわずかに小さく形成されている。そのため、固定端子12の下部20の内周面に対して固定端子52の上部60の外周面が圧接している。更に、凸部Pa〜Pdのそれぞれが、凹部Ga〜Gdに対して係合している。これにより、固定端子12,52は、雌コネクタ10と雄コネクタ50との結合を保持している。
また、接続端子54a〜54cの接触部72a〜72cはそれぞれ、接続端子14a〜14cの接触部32a〜32cに挿入される。具体的には、接触部32a〜32cの上側を向く開口のそれぞれを介して、上側から接触部72a〜72cがそれぞれ接触部32a〜32cに挿入される。前記の通り、絶縁性部材16は、接触部32a〜32cと一体的に成形されていない。したがって、接触部32a〜32cはそれぞれ、接触部72a〜72cが挿入される際に、弾性変形して僅かに前後方向に広がることができる。これにより、接触部32a〜32cの内周面はそれぞれ、接触部72a〜72cの外周面に対して圧接するようになる。
以上のように、接続端子14aと接続端子54aとは、雌コネクタ10と雄コネクタ50とが結合すると、接触部32a,72aにおいて接触する。また、接続端子14bと接続端子54bとは、雌コネクタ10と雄コネクタ50とが結合すると、接触部32b,72bにおいて接触する。また、接続端子14cと接続端子54cとは、雌コネクタ10と雄コネクタ50とが結合すると、接触部32c,72cにおいて接触する。
また、固定端子12と固定端子52とは、雌コネクタ10と雄コネクタ50とが結合すると、上側から見たときに、接触部32a〜32c,72a〜72cを囲む長方形状の環を有している。より詳細には、固定端子12の本体部21は、上側から見たときに、長方形状の環の前側の長辺の一部が切り欠かれた形状を有している。一方、固定端子52の本体部61は、上側から見たときに、長方形状の環の後ろ側の長辺の一部が切り欠かれた形状を有している。すなわち、上側から見たときに重ならないように固定端子12において切り欠かれた部分と固定端子52において切り欠かれた部分とは異なった位置に設けられている。したがって、固定端子52が固定端子12に挿入されると、固定端子12及び固定端子52は、長方形状の環を構成するようになる。そして、接触部32a〜32cは、上側から見たときに、長方形状の環の内部において左側から右側へとこの順に一列に並んでいる。接触部72a〜72cは、上側から見たときに、長方形状の環の内側において左側から右側へとこの順に一列に並んでいる。
(雄コネクタの雌コネクタへの取り付け)
以下に、雄コネクタ50の雌コネクタ10への取り付けについて図面を参照しながら説明する。図19Aは、コネクタセット100を前側から見た図である。図19Bは、図19Aのコネクタセット100のA−Aにおける断面構造図である。図19Cは、図19Aのコネクタセット100のH−Hにおける断面構造図である。図20Aは、コネクタセット100を前側から見た図である。図20Bは、図20Aのコネクタセット100のB−Bにおける断面構造図である。図20Cは、図20Aのコネクタセット100のG−Gにおける断面構造図である。図21Aは、コネクタセット100を前側から見た図である。図21Bは、図21Aのコネクタセット100のC−Cにおける断面構造図である。図21Cは、図21Aのコネクタセット100のF−Fにおける断面構造図である。
雌コネクタ10の真上から雄コネクタ50を下降させて、雌コネクタ10に挿入することが好ましい。ただし、雌コネクタ10の真上からずれた位置から雄コネクタ50を下降させる場合もある。本実施形態に係るコネクタセット100では、このように雌コネクタ10の真上からずれた位置から雄コネクタ50を下降させた場合であっても、雄コネクタ50を雌コネクタ10に対して挿入することができる。以下では、図19A〜図19Cに示すように、雌コネクタ10に対して後ろ側にずれた位置から雄コネクタ50を下降させた場合を例に挙げて説明する。
図19A〜図19Cに示す状態から雄コネクタ50を下降させると、図20A〜図20Cに示すように、下部62a,62bの面S11,S13(図3B参照)がそれぞれ上部22a,22bの面S1,S3(図12B参照)に接触する。面S11,S13は、後ろ上側を向く凸状の曲面を有している。また、面S1,S3は、前下側を向く凸状の曲面を有している。そのため、雄コネクタ50を更に下降させると、雄コネクタ50は、面S11,S13上を滑って前下側へと移動する。その結果、図21A〜図21Cに示すように、雄コネクタ50が雌コネクタ10の真上に位置するようになる。そして、雄コネクタ50を更に下降させることにより、図18C〜図18Eに示すように、雄コネクタ50が雌コネクタ10に挿入される。
なお、雌コネクタ10に対して前側にずれた位置から雄コネクタ50を下降させた場合、雌コネクタ10に対して右側にずれた位置から雄コネクタ50を下降させた場合、及び、雌コネクタ10に対して左側にずれた位置から雄コネクタ50を下降させた場合であっても、同じ理由により、雄コネクタ50を雌コネクタ10に対して挿入することができる。
(効果)
本実施形態に係るコネクタセット100によれば、耐ノイズ性を向上させることができる。より詳細には、固定端子12と固定端子52とは、雌コネクタ10と雄コネクタ50とが結合すると、上側から見たときに、接触部32a〜32c,72a〜72cを囲む環を有している。また、固定端子12,52には、接地電位に接続されている。よって、接続端子14a〜14c,54a〜54cは、前後左右方向においてシールドされている。そのため、前後左右方向からノイズが接続端子14a〜14c,54a〜54cに侵入することが抑制される。以上より、コネクタセット100によれば、耐ノイズ性を向上させることができる。
また、コネクタセット100では、接続端子14a〜14c,54a〜54cは、前後左右方向においてシールドされている。そのため、コネクタセット100によれば、前後左右方向からノイズが接続端子14a〜14c,54a〜54cから放射することを抑制できる。
また、雄コネクタ50によれば、以下の理由によっても、耐ノイズ性を向上させることができる。より詳細には、固定端子12の下部20は、上側から見たときに、接触部32a〜32cを囲む長方形状の環の4つの辺に沿う部分を有していると共に、長方形状の環の一部が切り欠かれた形状を有している。そのため、雄コネクタ50では、接触部32a〜32cの前後左右方向には、接地電位に接続された固定端子52が存在している。これにより、接続端子54a〜54cは、前後左右方向においてシールドされている。そのため、前後左右方向からノイズが接続端子54a〜54cに侵入することが抑制される。以上より、雄コネクタ50によれば、耐ノイズ性を向上させることができる。なお、雌コネクタ10も、同様の理由により、耐ノイズ性を向上させることができる。
また、雄コネクタ50では、接続端子54a〜54cは、前後左右方向においてシールドされている。そのため、雄コネクタ50によれば、接続端子54a〜54cがノイズを前後左右方向に放射することを抑制できる。なお、雌コネクタ10も、同様の理由により、接続端子14a〜14cがノイズを前後左右方向に放射することを抑制できる。
また、雌コネクタ10、雄コネクタ50及びコネクタセット100によれば、雌コネクタ10と雄コネクタ50との結合時に接続端子14a〜14c,54a〜54cが破損することを抑制できる。より詳細には、雌コネクタ10の固定端子12は、上部22a,22dを有している。上部22aは、下部20の左後ろの角上に接続されており、本体部21の上端を構成している。更に、上部22aの内周面は、前上側を向く面S11及び右上側を向く面S12を含んでいる。上部22dは、下部20の右前の角上に接続されており、本体部21の上端を構成している。更に、上部22dの内周面は、後ろ上側を向く面S17及び左上側を向く面S18を含んでいる。
一方、雄コネクタ50の固定端子52は、下部62a,62dを有している。下部62aは、上部60の左後ろの角下に接続されており、本体部61の下端を構成している。更に、下部62aの外周面は、後ろ下側を向く面S1及び左下側を向く面S2を含んでいる。下部62dは、上部60の右前の角下に接続されており、本体部61の下端を構成している。更に、下部62dの外周面は、前下側を向く面S7及び右下側を向く面S8を含んでいる。
以上のような雄コネクタ50が雌コネクタ10に対して上側から挿入されると、面S1と面S11とが接触し、面S2と面S12とが接触し、面S7と面S17とが接触し、面S8と面S18とが接触する。そのため、面S1,S2,S11,S12により、雌コネクタ10と雄コネクタ50との前後方向の位置決めがなされる。また、面S7,S8,S17,S18により、雌コネクタ10と雄コネクタ50との左右方向の位置決めがなされる。すなわち、雌コネクタ10と雄コネクタ50との前後左右方向の位置決めには、固定端子12,52が大きく寄与し、接続端子14a〜14c,54a〜54cが大きく寄与しない。よって、雌コネクタ10、雄コネクタ50及びコネクタセット100によれば、雌コネクタ10と雄コネクタ50との結合時に接続端子14a〜14c,54a〜54cが破損することを抑制できる。
なお、固定端子52は下部62b,62cを有し、固定端子12は上部22b,22cを有している。よって、上部22b,22cと下部62b,62cによっても、雌コネクタ10と雄コネクタ50との前後左右方向の位置決めがなされる。よって、雌コネクタ10、雄コネクタ50及びコネクタセット100によれば、雌コネクタ10と雄コネクタ50との結合時に接続端子14a〜14c,54a〜54cが破損することを抑制できる。
また、雄コネクタ50及びコネクタセット100によれば、雄コネクタ50を容易に製造することができる。より詳細には、絶縁性部材56は、金型内に樹脂が射出されることにより成形される。よって、絶縁性部材56を作製する際には、絶縁性部材56が作製される空間の周囲を金型により囲む必要がある。ただし、絶縁性部材56は、固定端子52と一体的に成形される。したがって、固定端子52が邪魔となって、金型を配置することが困難になる。
そこで、絶縁性部材56は、図11A及び図11Bに示すように、上側から見たときに、本体部61に囲まれている。また、絶縁性部材56は、突起部64a,64bにおいてのみ固定端子52を保持している。これにより、上側から見たときに、本体部61と絶縁性部材56との間には隙間が設けられている。したがって、雄コネクタ50では、隙間に金型を配置することが可能となる。その結果、雄コネクタ50を容易に製造することが可能となる。また、絶縁性部材56が固定端子52と一体的に成形される場合には、絶縁性部材56に固定端子52がかしめにより取り付けられる場合に比べて、絶縁性部材56と固定端子52とが精度よく位置決めされるようになる。なお、同じ理由により、雌コネクタ10によれば、雌コネクタ10を容易に製造することができる。
また、雄コネクタ50及びコネクタセット100によれば、接続端子54a〜54cの特性インピーダンスを所定の特性インピーダンス(例えば、50Ω)に設定することが容易となる。より詳細には、絶縁性部材56は、図11A及び図11Bに示すように、上側から見たときに、本体部61に囲まれている。また、絶縁性部材56は、突起部64a,64bにおいてのみ固定端子52を保持している。これにより、上側から見たときに、本体部61と絶縁性部材56との間には隙間が設けられている。その結果、接続端子54a〜54cと固定端子52との間に低い誘電率を有する空気からなる隙間が存在するようになる。よって、固定端子52と接続端子54a〜54cとの間に形成される容量が大きくなることが抑制され、接続端子54a〜54cの特性インピーダンスが低くなることが抑制される。以上より、雄コネクタ50及びコネクタセット100によれば、接続端子54a〜54cの特性インピーダンスを所定の特性インピーダンス(例えば、50Ω)に設定することが容易となる。なお、雌コネクタ10においても、同様の理由により、接続端子14a〜14cの特性インピーダンスを所定の特性インピーダンス(例えば、50Ω)に設定することが容易となる。
また、雄コネクタ50及びコネクタセット100によれば、固定端子52及び接続端子54a〜54cをコプレナー構造とすることができる。より詳細には、固定端子52及び接続端子54bは、接地電位に接続される。一方、接続端子54a,54cは、信号電位に接続される。これにより、上側から見たときに、接続端子54aの左側には固定端子52が位置し、接続端子54aの右側には接続端子54bが位置するようになる。よって、固定端子52及び接続端子54a,54bはコプレナー構造を有している。同様に、上側から見たときに、接続端子54cの右側には固定端子52が位置し、接続端子54cの左側には接続端子54bが位置するようになる。よって、固定端子52及び接続端子54b,54cはコプレナー構造を有している。固定端子52及び接続端子54a〜54cがコプレナー構造を有することにより、接続端子54a,54cの特性インピーダンスを所定の特性インピーダンスに設定することが容易となる。また、左右方向から接続端子54a,54cにノイズが侵入すること、及び、左右方向に接続端子54a,54cからノイズが放射することが抑制される。なお、雌コネクタ10においても、同様の理由により、接続端子14a,14cの特性インピーダンスを所定の特性インピーダンスに設定することが容易となる。また、左右方向から接続端子14a,14cにノイズが侵入すること、及び、左右方向に接続端子14a,14cからノイズが放射することが抑制される。
また、雄コネクタ50及びコネクタセット100によれば、接続端子54a,54cの特性インピーダンスを全長にわたって均一に近づけることが容易となる。より詳細には、上側から見たときに、図11Bに示すように、上部60と接続端子54aとの最短距離D11と突起部64aと接続端子54aとの最短距離D12とは、実質的に等しい。更に、接続端子54aと接続端子54bとの距離D13は、最短距離D11,D12と実質的に等しい。よって、接続端子54aに発生する単位長さ当たりの浮遊容量を全長にわたって均一に近づけることが可能となる。よって、接続端子54aの特性インピーダンスを全長にわたって均一に近づけることが可能となる。同じ理由により、接続端子54cの特性インピーダンスを全長にわたって均一に近づけることができる。また、同じ理由により、接続端子14a,14cの特性インピーダンスを全長にわたって均一に近づけることができる。
また、雄コネクタ50では、接続端子54a〜54cは、上側から見たときに、環の外部に引き出されている。これにより、接続端子54a〜54cに端子を接触させて検査を行うことが容易となる。更に、接続端子54a〜54cを回路基板のランド電極に容易にはんだ付けできるようになる。同じ理由により、雌コネクタ10においても、接続端子14a〜14cに端子を接触させて検査を行うことが容易となる。更に、接続端子14a〜14cを回路基板のランド電極に容易にはんだ付けできるようになる。
また、コネクタセット100では、信号の干渉が抑制される。より詳細には、特許文献1に記載の基板対基板コネクタでは、第1端子と第2端子とは、互いに接続されると、U字型を有するので、上下方向に互いに重なる。そのため、互いに近接する第1端子と第2端子との間に発生する容量成分又は誘導成分によって、信号の干渉が発生するおそれがある。
一方、コネクタセット100では、接続端子14a〜14cはそれぞれ、上側から見たときに、接触部32a〜32cから前側に向かって延在している。また、接続端子54a〜54cはそれぞれ、上側から見たときに、接触部72a〜72cから後ろ側に向かって延在している。そして、接触部32a〜32cはそれぞれ、接続端子54a〜54cと接続される。これにより、接続端子14aと接続端子54aとは前後方向に一直線に延在し、接続端子14bと接続端子54bとは前後方向に一直線に延在し、接続端子14cと接続端子54cとは前後方向に一直線に延在する。よって、接続端子14a〜14cはそれぞれ、接続端子54a〜54cと上下方向に重なることが抑制される。その結果、コネクタセット100では、信号の干渉が抑制される。
また、コネクタセット100では、耐ノイズ性を向上させることが容易である。より詳細には、特許文献1に記載の基板対基板コネクタでは、第1端子と第2端子とは、互いに接続されると、U字型を有する。すなわち、第1端子と第2端子とが上下に2段に配置されている。そのため、第1ハウジングの一方の長辺近傍には、シールドのための導体を配置するスペースを確保することが困難である。よって、第1端子及び第2端子の周囲をシールドのための導体で囲むことが困難である。
一方、コネクタセット100では、接続端子14aと接続端子54aとは前後方向に一直線に延在し、接続端子14bと接続端子54bとは前後方向に一直線に延在し、接続端子14cと接続端子54cとは前後方向に一直線に延在する。よって、接続端子14a〜14cと接続端子54a〜54cが上下に二段に配置されていない。そのため、接続端子14a〜14cの上側に固定端子52を配置し、接続端子54a〜54cの下側に固定端子12を配置することが可能となる。すなわち、上側から見たときに、接触部32a〜32c,72a〜72cを固定端子12,52により囲むことが可能となる。その結果、コネクタセット100では、耐ノイズ性を向上させることが容易である。また、コネクタセット100では、ノイズが外部に放射されることを抑制することができる。
また、コネクタセット100では、接続端子14a〜14c及び接続端子54a〜54cが一列に並んでいるので、コネクタセット100の小型化を図ることができる。また、接続端子14a〜14c及び接続端子54a〜54cが一列に並んでいるので、ピッチずれの影響が少なくなり、雌コネクタ10と雄コネクタ50との結合力の変化や篏合力の変動が抑制される。
また、コネクタセット100では、雌コネクタ10と雄コネクタ50との結合には、固定端子12,52が大きく寄与しており、接続端子14a〜14c,54a〜54cが殆ど寄与していない。よって、接続端子14a〜14c,54a〜54cの数が変更されても、雌コネクタ10と雄コネクタ50との結合の強度が大きく変動しない。
また、コネクタセット100では、雌コネクタ10と雄コネクタ50とを結合させる際に、絶縁性部材16,56が摩耗することが抑制される。より詳細には、雌コネクタ10に対して前後左右方向にずれた位置から雄コネクタ50を下降させた場合には、固定端子12と固定端子52とが接触することにより、雌コネクタ10と雄コネクタ50との前後左右方向の位置合わせが行われる。位置合わせの際に、絶縁性部材16は固定端子52と接触せず、絶縁性部材56は固定端子12と接触しない。更に、位置合わせの際に、絶縁性部材16と絶縁性部材56とも接触しない。その結果、絶縁性部材16,56が摩耗することが抑制される。
(変形例)
変形例であるコネクタセットの雌コネクタ10Aと、一実施形態に係るコネクタセットの雌コネクタ10との相違点は、図22に示すように、変形例であるコネクタセットの雌コネクタ10Aには、2本の同軸ケーブルが接続できる点である。以下で、具体的に説明する。
雌コネクタ10Aの固定端子12には、突起部24a,24bが存在しない。その代わりに、図23に示すように、下部20の後側の下端から前側に向かって伸びる板状の底板27が設けられている。底板27は、上下方向から見たとき、C字型の形状を成す下部20の略全てを覆っており、さらに、前方向に伸びている。また、底板27の前側の端部は、二股に分かれている。そして、この二股に分かれている部分を、左側からカシメ部27a,27bと称し、底板27におけるカシメ部27a,27b以外の部分を平板部27cと称す。
同軸ケーブルが取り付けられていない状態で、カシメ部27aを前方向から見ると、該カシメ部27aは、略L字型の形状を成している。また、カシメ部27aの内側の面には、同軸ケーブルが取り付けられた際に、該同軸ケーブルの抜けを防止するための、複数の突起が形成されている。このようなカシメ部27aに上側から同軸ケーブルをはめ込み、カシメ部27aが成すL字の上部を右方向、さらに、下方向に折り曲げることで、同軸ケーブルの周囲がカシメ部27aに覆われ、同軸ケーブルが雌コネクタ10Aに固定される。
また、カシメ部27bを、同軸ケーブルが取り付けられていない状態で後方向から見ると、該カシメ部27bは、略L字型の形状を成している。そして、カシメ部27bの内側の面にも、同軸ケーブルが取り付けられた際に、該同軸ケーブルの抜けを防止するための、複数の突起が形成されている。このようなカシメ部27bに上側から同軸ケーブルをはめ込み、カシメ部27bが成すL字の上部を左方向、さらに、下方向に折り曲げることで、同軸ケーブルの周囲がカシメ部27bに覆われ、同軸ケーブルが固定される。
平板部27cの略中央には切り抜きQがある。切り抜きQの形状は、前後方向に引き伸ばされたようなX字型を成している。また、平板部27cにおいて、切り抜きQの前側に隣接し該切り抜きQの中央に向かって張り出している張り出し部Rは、上側に向かって押し出されるように曲げられている。これにより、張り出し部Rは、平板部27cの他の部分よりも上側に位置している。さらに、張り出し部Rの後端付近の上面には、略円形の突起がある。この突起は、接続端子14bと接触する。なお、この張り出し部Rは、雌コネクタ10Aに2本の同軸ケーブルが取り付けられると、左右方向において、それら同軸ケーブルの間に位置する。
ところで、雌コネクタ10Aの固定端子12を上側から見ると、平板部27cの後側の半分の領域上に下部20が位置し、残りの前半分の領域Tの前端にカシメ部27a,27bが接続されている。この平板部27cにおける領域Tの左右方向の端部(以下で、該端部を側壁と称す)は、同軸ケーブルが取り付けられていない状態で、上側に向かって折り曲げられている。そして、固定端子12に同軸ケーブルが取り付けられた際に、領域Tの左右方向の側壁を固定端子12の中央に向かって折り曲げることで、カシメ部27a,27bと共に2本の同軸ケーブルが固定される。また、固定端子12の底板27における領域Tの後ろ側、かつ、領域Tの左右方向の側壁付近には、腕部99が設けられている(図23では右側のみ図示している)。左右両側に位置する腕部99は、同軸ケーブル保持部16bを組み込むことで上方向から圧接され、さらに領域Tをかしめることで上下方向に固定される。また腕部99は左右方向で領域Tの側壁と接している。これにより、コネクタセットの挿抜時に固定端子12が上下及び左右方向に変形することを防止している。
変形例であるコネクタセットの雌コネクタ10Aも、3つの接続端子14a〜14cを有している。これら3つの接続端子14a〜14cの役割は、一実施形態に係るコネクタセットの雌コネクタ10と同様である。つまり、左右方向の両側に位置する接続端子14a,14cは信号端子であり、中央に位置する14bは接地端子である。ただし、雌コネクタ10Aにおける接続端子14a〜14cの形状は、雌コネクタ10における接続端子14a〜14cの形状と一部が異なる。
雌コネクタ10Aにおける接続端子14a〜14cでは、前側の端部が、雌コネクタ10における接続端子14a〜14cの前側の端部よりも、前方向に引き延ばされている。また、雌コネクタ10Aにおける接続端子14a,14bの前側の端部は、上側に折り曲げられ、該折り曲げられた部分の中央に上下方向に伸びる溝N1,N2が設けられている。この溝N1,N2は、固定端子12に同軸ケーブルが取り付けられた際に、該同軸ケーブルの内部導体を挟み込むための溝である。さらに、雌コネクタ10Aにおける接続端子14bの前方向に引き延ばされた部分は、該接続端子14bを固定端子12に取り付けることで、上述の固定端子12における張り出し部Rと接続される。
変形例であるコネクタセットの雌コネクタ10Aにおける絶縁性部材16は、端子保持部16a、同軸ケーブル保持部16b及び絶縁底部16cに分けることができる。なお、以下では、絶縁性部材16を3つの部分に分けて説明するが、実際には、インサート成形により一つの部材として作製される。
端子保持部16aは、固定端子12における下部20で囲まれた部分に設けられており、略直方体状を成している。また、接続端子14a〜14cが収まる溝G1〜G3の形状は、一実施形態に係るコネクタセットの雌コネクタ10と同様である。
同軸ケーブル保持部16bは、端子保持部16aの前側の外縁と接続され、上下方向から見たとき、前方向に開口部を有するコの字型の形状を成している。そして、雌コネクタ10Aに2本の同軸ケーブルが取り付けられると、同軸ケーブル保持部16bが成すコの字型の内側にそれら同軸ケーブルが収まる。
絶縁底部16cは、平板状を成し、上下方向において、固定端子12の平板部27cと接続端子14a〜14cとの間に位置している。これにより、固定端子12と接続端子14a,14bとが隔離され、絶縁される。ただし、絶縁底部16cの一部は切り抜かれており、該部分で接続端子14bと固定端子12の張り出し部Rが接触している。また、絶縁底部16cにおける前側の端部には、上側に伸びる直方体状の突起M1が設けられている。突起M1は、雌コネクタ10Aに2本の同軸ケーブルが取り付けられると、左右方向において、それら同軸ケーブルの間に配置される。従って、絶縁底部16cが有する突起M1により、取り付けられた2本の同軸ケーブル間で一定の距離が保たれる。
以上のように構成された変形例であるコネクタセットの雌コネクタ10Aは、2本の同軸ケーブルを接続することができる。
また、雌コネクタ10Aでは、接地電位に保たれている接続端子14bと固定端子12とが張り出し部Rにおいて接続されている。これにより、固定端子12の体積分だけ接地電位に接続される体積が増加する。従って、接続端子14bの電位が、該接続端子14bと固定端子12とを接続しない場合と比較して、より安定する。
さらに、雌コネクタ10Aに2本の同軸ケーブルが取り付けられると、固定端子12の張り出し部Rが、それら同軸ケーブルの間に位置する。また、張り出し部Rは、固定端子12の一部であり、接地電位に保たれている。つまり、雌コネクタ10Aに取り付けられた2本の同軸ケーブルの間には、接地電位に保たれた張り出し部Rが位置している。これにより、変形例であるコネクタセットの雌コネクタ10Aでは、2本の同軸ケーブル間でのクロストークを抑制することができる。変形例における他の構成は一実施形態と同様である。従って、変形例において上記以外の部分の説明は一実施形態での説明のとおりである。
(その他の実施形態)
本発明に係るコネクタ及びコネクタセットは、雌コネクタ10、雄コネクタ50及びコネクタセット100に限らずその要旨の範囲内において変更可能である。雌コネクタ10を第1のコネクタとして、雄コネクタ50を第2のコネクタとして設定したが、雄コネクタ50を第1のコネクタとして、雌コネクタ10を第2のコネクタとして設定することができる。
雌コネクタ10と雄コネクタ50との前後左右方向の位置決めを行うためには、固定端子12が上部22a,22dを有し、かつ、固定端子52が下部62a,62dを有していればよい。すなわち、固定端子12が上部22b,22cを必ずしも有していなくてもよいし、固定端子52が下部62b,62cを必ずしも有していなくてもよい。また、固定端子12が上部22b,22cを有し、かつ、固定端子52が下部62b,62cを有していればよい。この場合、固定端子12が上部22a,22dを必ずしも有していなくてもよいし、固定端子52が下部62a,62dを必ずしも有していなくてもよい。
また、固定端子12と固定端子52とは、上側から見たときに、長方形状の環を有しているが、長方形状以外の楕円形状や長円形状等の環を有していてもよい。
また、固定端子12と絶縁性部材16との間には空間が設けられているが、この空間に絶縁性部材16よりも低い比誘電率を有する材料が充填されてもよい。これにより、雌コネクタ10の強度を向上させることができる。同様に、固定端子52と絶縁性部材56との間の空間に絶縁性部材56よりも低い比誘電率を有する材料が充填されてもよい。
また、接続端子14a〜14cは、2つ以上設けられていればよい。同様に、接続端子54a〜54cは、2つ以上設けられていればよい。
また、接続端子14a〜14c,54a〜54cは、信号電位が印加される信号端子のみで構成されていてもよい。
以上のように、本発明は、コネクタセット及びコネクタに有用であり、特に、耐ノイズ性を向上させることができる点において優れている。
10,10A:雌コネクタ
12,52:固定端子
14a〜14c,54a〜54c:接続端子
16,56:絶縁性部材
20,62a〜62d:下部
21,61:本体部
22a〜22d,60:上部
24a,24b,64a,64b:突起部
26,30a〜30c,66、70a〜70c:接続部
27a,27b カシメ部
32a〜32c,72a〜72c:接触部
50:雄コネクタ
100:コネクタセット
Ga〜Gd:凹部
Pa〜Pd:凸部
S1〜S8,S11〜S18:面

Claims (16)

  1. 第1のコネクタと第2のコネクタとを備えたコネクタセットであって、
    前記第1のコネクタは、
    それぞれが第1の接触部を有する複数の第1の接続端子と、
    接地電位に接続される第1の固定端子と、
    を含んでおり、
    前記第2のコネクタは、
    それぞれが第2の接触部を有する複数の第2の接続端子と、
    接地電位に接続される第2の固定端子と、
    を含んでおり、
    前記複数の第1の接続端子と前記複数の第2の接続端子とはそれぞれ、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが結合すると、前記第1の接触部と前記第2の接触部とにおいて接触し、
    前記第1の固定端子と前記第2の固定端子とは、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの結合を保持するために互いに接触し、かつ、該第1のコネクタと該第2のコネクタとが結合すると、第1の方向から見たときに、前記第1の接触部及び前記第2の接触部の周囲を囲む環を有していること、
    を特徴とするコネクタセット。
  2. 前記複数の第1の接続端子はそれぞれ、前記第1の方向から見たときに、前記第1の接触部から第2の方向の一方側に向かって延在しており、
    前記複数の第2の接続端子はそれぞれ、前記第1の方向から見たときに、前記第2の接触部から前記第2の方向の他方側に向かって延在していること、
    を特徴とする請求項1に記載のコネクタセット。
  3. 前記複数の第1の接触部及び前記複数の第2の接触部は、前記第1の方向から見たときに、前記第2の方向に直交する第3の方向に一列に並んでいること、
    を特徴とする請求項2に記載のコネクタセット。
  4. 前記第1の固定端子は、前記第1の方向から見たときに、前記環において前記複数の第1の接触部に対して前記第2の方向の一方側に位置する第1の部分が切り欠かれた構造を有していること、
    を特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載のコネクタセット。
  5. 前記第1の接続端子は、前記第1の方向から見たときに、前記第1の部分を介して前記環の外側へと引き出されていること、
    を特徴とする請求項4に記載のコネクタセット。
  6. 前記第1のコネクタは、
    前記第1の接続端子及び前記第1の固定端子を保持する第1の絶縁性部材を、
    更に含んでおり、
    前記第1の固定端子は、
    前記環の第1の部分が切り欠かれた構造を有する第1の本体部と、
    前記第1の本体部から前記環の内側に向かって突出する第1の突起部と、
    を有しており、
    前記第1の絶縁性部材が前記第1の突起部においてのみ前記第1の固定端子を保持することにより、前記第1の方向から見たときに、前記第1の本体部と該第1の絶縁性部材との間には隙間が設けられていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のコネクタセット。
  7. 前記第1の固定端子と前記第2の固定端子とは、前記第1の方向から見たときに、前記第2の方向に延在する辺及び前記第3の方向に延在する辺を有する長方形状の環を有していること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のコネクタセット。
  8. 前記第1の固定端子は、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが結合する際に、前記第2の固定端子に対して前記第1の方向の一方側から挿入され、
    前記長方形状の環は、前記第2の方向の一方側であって前記第3の方向の一方側に位置する第1の角部、及び、該第2の方向の他方側であって該第3の方向の他方側に位置する第2の角部を有しており、
    前記第1の固定端子の外周面は、前記第1の方向から見たときに、前記第1の角部において前記第2の方向の一方側を向く第1の面及び前記第3の方向の一方側を向く第2の面を含んでおり、前記第2の角部において前記第2の方向の他方側を向く第3の面及び前記第3の方向の他方側を向く第4の面を含んでおり、
    前記第2の固定端子の内周面は、前記第1の方向から見たときに、前記第1の角部において前記第2の方向の他方側を向く第5の面及び前記第3の方向の他方側を向く第6の面を含んでおり、前記第2の角部において前記第2の方向の一方側を向く第7の面及び前記第3の方向の一方側を向く第8の面を含んでいること、
    を特徴とする請求項7に記載のコネクタセット。
  9. 前記第1の面と前記第2の面とは、前記第1の固定端子の前記第1の方向の他方側の端部において凸状の曲面を構成しており、
    前記第3の面と前記第4の面とは、前記第1の固定端子の前記第1の方向の他方側の端部において凸状の曲面を構成しており、
    前記第5の面と前記第6の面とは、前記第2の固定端子の前記第1の方向の一方側の端部において凸状の曲面を構成しており、
    前記第7の面と前記第8の面とは、前記第2の固定端子の前記第1の方向の一方側の端部において凸状の曲面を構成していること、
    を特徴とする請求項8に記載のコネクタセット。
  10. 前記第1の固定端子の外周面には、前記第1の角部及び前記第2の角部のそれぞれにおいて、第1の凹部及び第2の凹部が設けられており、
    前記第2の固定端子の内周面には、前記第1の角部及び前記第2の角部のそれぞれにおいて、第1の凸部及び第2の凸部が設けられており、
    前記第1の凸部と前記第1の凹部とが係合し、前記第2の凸部と前記第2の凹部とが係合すること、
    を特徴とする請求項8又は請求項9のいずれかに記載のコネクタセット。
  11. 前記複数の第1の接続端子及び前記複数の第2の接続端子には、信号電位と接地電位とが交互に接続されていること、
    を特徴とする請求項3に記載のコネクタセット。
  12. 前記複数の第1の接続端子の内、前記第3の方向の両端に位置する2つの前記第1の接続端子には、信号電位に接続されていること、
    を特徴とする請求項11に記載のコネクタセット。
  13. 前記複数の第1の接続端子は、同軸ケーブルと接続される信号端子を含み、
    前記第1の固定端子には、前記同軸ケーブルを取り付けるためのカシメ部が設けられていること、
    を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のコネクタセット。
  14. 前記複数の第1の接続端子は、接地電位に保たれる接地端子をさらに含み、
    前記第1の固定端子には、複数の前記同軸ケーブルを取り付けるための複数のカシメ部が設けられ、
    前記複数のカシメ部は、所定方向に並ぶ第1のカシメ部及び第2のカシメ部を含み、
    前記第1のカシメ部及び前記第2のカシメ部の間において、前記接地端子と前記第1の固定端子とが接触していること、
    を特徴とする請求項13に記載のコネクタセット。
  15. 複数の第2の接続端子と第2の固定端子とを備えた第2のコネクタに対して結合する第1のコネクタであって、
    複数の第1の接続端子と、
    前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの結合を保持するために前記第2の固定端子に接触し、かつ、接地電位に接続される第1の固定端子と、
    を含んでおり、
    前記複数の第1の接続端子はそれぞれ、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが結合すると、第1の接触部において前記複数の第2の接続端子と接触し、
    前記第1の固定端子は、第1の方向から見たときに、前記複数の第1の接触部を囲む長方形状の環の4つの辺に沿う部分を有すると共に、該長方形状の環の一部が切り欠かれた形状を有していること、
    を特徴とする第1のコネクタ。
  16. 前記第1のコネクタは、
    前記第1の接続端子及び前記第1の固定端子を保持する第1の絶縁性部材を、
    更に含んでおり、
    前記第1の固定端子は、
    前記長方形状の環の第1の部分が切り欠かれた構造を有する第1の本体部と、
    前記第1の本体部から前記長方形状の環の内側に向かって突出する第1の突起部と、
    を有しており、
    前記第1の絶縁性部材が前記第1の突起部においてのみ前記第1の固定端子を保持することにより、前記第1の方向から見たときに、前記第1の本体部と該第1の絶縁性部材との間には隙間が設けられていること、
    を特徴とする請求項15に記載の第1のコネクタ。
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