JP2007018993A - コネクタ及び携帯端末 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低背化を実現しつつ、大きな嵌合ずれを吸収して、コネクタの自動組立等に於いても正しい位置で嵌合することのできるコネクタ及び携帯端末を提供する。
【解決手段】 絶縁部材からなるプラグ本体、及び、プラグ本体に保持された少なくとも1以上のプラグコンタクト、を有するプラグコネクタと、絶縁部材からなりプラグコネクタが挿抜される差込溝が設けられたリセプタクル本体、及び、差込溝にプラグコネクタが挿入されたときにプラグコンタクトに接触導通するようにリセプタクル本体に保持された少なくとも1以上のリセプタクルコンタクト、を有するリセプタクルコネクタと、を備えたコネクタであって、差込溝は、リセプタクル本体の中央に設けられた略直方体形状を備えた島部と、島部の外側面に沿って形成された壁部と、の間に凹設され、島部の上面の4つの稜角は、島部の上面から下方へ向かうにつれて壁部に近づく傾斜面をなすように切除され、上下方向に延びる外側面に連なる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、互いに結合して電気的に接続されるリセプタクルコネクタとプラグコネクタとを備えたコネクタ及びこのコネクタを備えた携帯端末に関する。
リセプタクルコネクタとプラグコネクタとを備え、リセプタクルコネクタに設けられた差込溝にプラグコネクタを挿入することにより両者を導通させるコネクタにおいては、これを搭載する携帯端末その他の装置の小型化に伴って、低背化や実装基板上の占有面積の低減、すなわち小型化の要請が強まりつつある。
しかし、小型化に伴いコネクタを嵌合する際に目視しにくくなり、手動による位置合せが難しくなるとともに、低背化により一方のコネクタを誘い込む傾斜面を小さくしなければならず、嵌合の作業性が低下するという問題がある。これに対して極力傾斜面を大きくして嵌合の作業性を向上させるコネクタが提案されている(特許文献1)。
また、携帯端末の普及、販売競争激化により、生産数量の増加やコストダウンの要求が高まりつつあり、これらへの対応のひとつとして組み立て工程の自動化が急速に進展しつつある。コネクタの組み立ての自動化においては、特に、プラグコネクタのリセプタクルコネクタへの嵌合工程の自動化(以下、嵌合を機械により自動で行うことを自動嵌合と言う)が嵌合前の位置合せ精度の点から困難である。具体的には、コネクタの組み立てでは、FPC等の基板に実装されたプラグコネクタを、他の基板に実装されたリセプタクルコネクタ上に仮置きし、その後組み立て機によりプラグコネクタの裏面側を押圧することにより嵌合させる工程が一般的であるが、組み立てを自動化すると、この仮置きから押圧嵌合に至る間の位置合わせ精度を高めることが困難である。よって、プラグコネクタとリセプタクルコネクタとの嵌合前の位置ずれ、すなわち嵌合ずれが大きい状態からでも、正しい位置で嵌合することができるコネクタが要望されている。
特開2001−273949号公報
しかしながら、上述の電気コネクタでは、低背化を実現しつつ、目視し難い状態での手動や自動嵌合を行うときに発生する大きな嵌合ずれに対応することが困難である。特に、嵌合時の基板間の高さが2mm以下になると、嵌合ずれへの対応がより困難であった。また、コネクタの平面形状は略長方形とすることが多く、プラグコネクタが挿入される差込溝は、コネクタの長手方向及び/又は短手方向に沿って形成されるため、回転ズレが起きやすく、嵌合作業の効率の低下につながっていた。この電気コネクタにおいて、嵌合ずれを吸収できていない状態で無理に自動嵌合を行うと、コンタクトの座屈その他の損傷、及び、コネクタ本体部の破損を招くおそれがある。また、嵌合ずれを吸収できたとしても、コネクタを正対させ難いため斜め嵌合になりやすく、嵌合力の増加やばらつき、さらにはクリック感が得難くなる。
上記課題を解決するために、本発明のコネクタは、絶縁部材からなるプラグ本体、及び、プラグ本体に保持された少なくとも1以上のプラグコンタクト、を有するプラグコネクタと、絶縁部材からなりプラグコネクタが挿抜される差込溝が設けられたリセプタクル本体、及び、差込溝にプラグコネクタが挿入されたときにプラグコンタクトに接触導通するようにリセプタクル本体に保持された少なくとも1以上のリセプタクルコンタクト、を有するリセプタクルコネクタと、を備えたコネクタであって、差込溝は、リセプタクル本体の中央に設けられた略直方体形状を備えた島部と、島部の外側面に沿って形成された壁部と、の間に凹設され、島部の上面の4つの稜角は、島部の上面から下方へ向かうにつれて壁部に近づく傾斜面をなすように切除され、上下方向に延びる外側面に連なることを特徴としている。
上記プラグ本体は、プラグコネクタの挿抜方向に沿ってリセプタクルコネクタ側へ突出した少なくとも2つの案内部を備え、案内部は、それぞれ、プラグ本体から突出するにしたがって互いに近づくように形成された案内傾斜面を少なくとも2つ有し、リセプタクル本体は、プラグコネクタをリセプタクルコネクタに挿入したときに、案内部をその内部にそれぞれ案内する少なくとも2つの誘い込み凹部を備え、誘い込み凹部は、それぞれ、プラグコネクタをリセプタクルコネクタに挿入したときに、案内傾斜面をそれぞれ案内するように設けられた少なくとも2つの誘い込み傾斜面を備えるとよい。
上記誘い込み傾斜面は傾斜面を含むことができる。
上記壁部は、その上面へ向かうにつれて、対向する壁部から離間するように形成された壁部案内傾斜面を備えていることが好ましい。
上記島部の傾斜面と外側面とが連接する稜線は、直線状又は円弧状とすることができる。
本発明のコネクタは、絶縁部材からなるプラグ本体、及び、プラグ本体に保持された少なくとも1以上のプラグコンタクト、を有するプラグコネクタと、絶縁部材からなりプラグコネクタが挿抜される差込溝が設けられたリセプタクル本体、及び、差込溝にプラグコネクタが挿入されたときにプラグコンタクトに接触導通するようにリセプタクル本体に保持された少なくとも1以上のリセプタクルコンタクト、を有するリセプタクルコネクタと、を備えたコネクタであって、プラグ本体は、プラグコネクタの挿抜方向に沿ってリセプタクルコネクタ側へ突出した少なくとも2つの案内部を備え、案内部は、それぞれ、プラグ本体から突出するにしたがって互いに近づくように形成された案内傾斜面を少なくとも2つ有し、リセプタクル本体は、プラグコネクタをリセプタクルコネクタに挿入したときに、案内部をその内部にそれぞれ案内する少なくとも2つの誘い込み凹部を備え、誘い込み凹部は、それぞれ、プラグコネクタをリセプタクルコネクタに挿入したときに、案内傾斜面をそれぞれ案内するように設けられた少なくとも2つの誘い込み傾斜面を備えることを特徴としている。
上記差込溝は、リセプタクル本体の中央に設けられた島部と、島部の外側面に沿って形成された壁部と、の間に凹設され、誘い込み傾斜面は、島部の外側面と、この外側面に対向する壁部の内壁面に形成されているとよい。
上記島部の外側面の誘い込み傾斜面は、島部の上面の4つの稜角を、島部の上面から下方へ向かうにつれて壁部に近づく傾斜面をなすように切除し、上下方向に延びる外側面に連なるように形成されていることが好ましい。
上記リセプタクル本体の底部に対する島部の上面の高さは、壁部の上面の高さよりも、小さいことが好ましい。
上記案内部は、プラグコネクタの挿抜方向直交断面を点対称形状又は非円形状とすることができる。
上記案内部は、平面形状の先端面を備えることが好ましい。
上記案内部の先端面の最小幅は、リセプタクルコンタクトの配置間隔よりも大きい、又は/及び、リセプタクル本体の差込溝の間隔よりも大きいとよい。
上記案内部は、プラグ本体の対向する両端面上に少なくとも一つずつ設けられていることが好ましい。
上記案内部は、プラグ本体の対向する両端面の長手方向略中央に設けることもできる。
上記リセプタクル本体は、プラグコネクタの挿入方向に沿って誘い込み凹部に連なって凹設され、案内部を収納する収納部を備えるとよい。
上記収納部は、リセプタクル本体の底部を貫通する貫通孔として設けられていることが好ましい。
上記プラグ本体は二つの案内部を備え、リセプタクル本体は二つの案内部にそれぞれ対応する二つの誘い込み凹部を備え、一方の案内部において最も内側の位置から、他方の案内部において最も外側の位置までの距離は、一方の誘い込み凹部において最も内側の位置から、他方の誘い込み凹部において最も外側の位置までの距離と等しいことが好ましい。
本発明にかかる携帯端末は、上述のいずれかのコネクタを備えたことを特徴としている。
本発明によると、プラグ本体に案内部を設けるとともに、リセプタクル本体に誘い込み凹部及び収納部を設けたことにより、低背化を実現しつつ、手動や自動嵌合における大きな嵌合ずれを吸収して正しい位置で嵌合することのできるコネクタを提供することができる。
また、リセプタクル本体の島部上面の四隅を傾斜面としたことにより、プラグコネクタを誘い込みやすくなるとともに、プラグコネクタの壁部内面(内面と下面との稜線)が傾斜面と当接することにより、回転ズレを矯正しやすくなる。よって、プラグコネクタがリセプタクルコネクタに正対しやすくなるため、嵌合作業の効率を高めることができる。
さらに、プラグ本体に案内部を、リセプタクル本体に誘い込み凹部、収納部、及び傾斜面を設けることにより、高い精度で、効率よく嵌合ずれを吸収し、正しい位置で嵌合することができる。
さらにまた、プラグ本体とリセプタクル本体とがどのような位置ずれを起こしていたとしても、案内傾斜面と誘い込み傾斜面を互いに当接させるように、プラグ本体に少なくとも2つ設けた案内部を、これら案内部に対応するようにリセプタクル本体にそれぞれ設けた少なくとも2つの誘い込み凹部が案内する構成となっている。このため、案内部の1つのみが誘い込み凹部に挿入されたり、この案内部を中心としてプラグコネクタが回転することを抑止することができる。すなわち、嵌合中に一方の案内部のみが当接する斜め嵌合の状況が起こり難く、プラグコネクタとリセプタクルコネクタが、その平面内で互いに平行に、または、互いに回転するように、ずれる自由度を与え難くする。したがって、双方のコネクタが損傷するおそれが小さい、(所定の)安定した嵌合挙動を得ることができる。
また、ばらつきの少ない安定した嵌合力を得ることができる。さらに、明確なクリック感を得ることができたため、正しく嵌合されたことを確実に認識することができる。これは、目視し難い状況でのコネクタ嵌合において、手動嵌合の場合には作業者による嵌合完了の認識を与えることができ、自動嵌合の場合には不完全嵌合の判断に有益に働く。
さらに、案内部の先端を平面形状としたため、この先端との接触によりリセプタクルコネクタに損傷を与えたり、案内部が誘い込み凹部以外の位置に嵌り込むおそれを小さくすることができる。具体的には、自動嵌合による押圧時や、手動嵌合時等においては、目視し難いために、嵌合位置を探す操作、すなわちリセプタクルコネクタ上でプラグコネクタを滑らす操作をすることがあるが、この操作中においても、案内部の先端を平面形状としたことにより、この先端でリセプタクル本体を引っ掛けて損傷させたり、案内部が正規の嵌合位置ではない部位に嵌り込んだりすることがない。さらに、案内部の先端自体の削れや損傷も防止することができる。
また、この平面形状の最小幅を、リセプタクル本体の差込溝の幅やリセプタクルコンタクトの配置間隔より、大きくしているため、並置されたリセプタクルコンタクト間、又は、リセプタクルコンタクトのプラグコネクタが挿入される間隙に、案内部が入り込むことがなくなり、リセプタクルコンタクトが変形するおそれが小さくなる。
<第1実施形態>
以下、本発明にかかる第1実施形態を図面を参照しつつ詳しく説明する。
第1実施形態に係るコネクタは、互いに結合して電気的に接続されるリセプタクルコネクタ10(図1)とプラグコネクタ50(図2)とを備える。例えば、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ50の一方をLCD(液晶ディスプレイ)(表示装置)ユニットやCCD(電荷結合素子)(撮像素子)ユニット側に配置し、他方をこれらのユニットと導通して動作を制御する基板側に配置して、リセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ50とを結合することによってユニットと基板とを電気的に接続する。また、第1実施形態に係るプラグコネクタ50とリセプタクルコネクタ10は、携帯端末(例えば、携帯電話、携帯可能なコンピュータを含むPDA(Personal Digital Assistant))内における接続や、携帯端末と外部機器との接続に適用することができる。なお、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ50は、LCDユニットのほかに、表示装置として、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイユニット、プラズマディスプレイユニット、有機エレクトロルミネッセント素子ディスプレイユニットにも適用することができる。また、CCDユニットのほかに、撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)ユニットにも、リセプタクルコネクタ10及びプラグコネクタ50を適用することができる。
(1)リセプタクルコネクタ10
図1に示すリセプタクルコネクタ10は、リセプタクル本体20と、このリセプタクル本体20に設けた差込溝21の両側にそれぞれ配設された複数のリセプタクルコンタクト30と、を備える。略直方体形状の外形を備えるリセプタクル本体20は、その中央に設けた略直方体形状の島部40と、この島部40の外側面に沿うように形成された略矩形の壁部24と、島部40と壁部24との間に凹設され、プラグコネクタ50が挿抜される差込溝21と、を備える。ここで、プラグコネクタ50をリセプタクルコネクタ10に嵌合するときにプラグコネクタ50が配置される側(図1(a)において上側)を上側、リセプタクルコネクタ10が配置される側(図1(a)において下側)を下側と称している。
リセプタクル本体20は、絶縁部材である合成樹脂の射出成型品からなり、例えばナイロン9T、変性ナイロン、液晶ポリマーを射出成型してなる絶縁性部材である。このリセプタクル本体20の壁部24のうち、リセプタクル本体20の長手方向一端の壁部22の内壁の略中央には、リセプタクルコネクタ10に対するプラグコネクタ50の挿抜方向(図1(a)の上下方向)直交断面が略台形状に凹設された誘い込み部25が設けられている。この台形形状は、島部40の長手方向端部のうち壁部22側の外壁42に対向する開口部分を下底としたものであり、壁部22の内壁をリセプタクル本体20の長手方向外側へ凹設することにより、上底に相当する誘い込み面251、及び、この誘い込み面251の両端からそれぞれ延びる斜辺に相当する誘い込み面252、253が形成されている。また、島部40の中央には、平面形状が略矩形の嵌合凹部41が凹設されている。
一方、リセプタクル本体20の長手方向他端の壁部23の内壁には、誘い込み部27が設けられている。誘い込み部27は、誘い込み部25と対向する位置に設けられ、プラグコネクタ50の挿抜方向直交断面が略台形状に凹設されている点は誘い込み部25と同様である。この台形形状は、島部40の長手方向端部のうち壁部23側の外壁43に対向する開口部分を下底としたものであり、壁部23の内壁をリセプタクル本体20の長手方向外側へ凹設することにより、上底に相当する誘い込み面271、及び、誘い込み面271の両端からそれぞれ延びる斜辺に相当する誘い込み面272、273が形成されている。
ここで、誘い込み面251、271を、リセプタクル本体20の幅方向に長くすると、プラグコネクタ50がリセプタクルコネクタ10の平面に対して回転してずれている状態で嵌合させようとした場合に、回転ずれ(θずれ)を容易に矯正することができるため好ましい。
誘い込み部25と外壁42によって誘い込み凹部26が構成され、誘い込み部27と外壁43によって誘い込み凹部28が構成される。
誘い込み面271、272、273は、図1(b)、(c)に示すように、プラグコネクタ50の挿抜方向(図1の上下方向)に沿って設けられた立設面271a、272a、273aの上部のそれぞれを、プラグコネクタ50の挿入方向(図1の下方向)に進むにしたがって互いに近づくようにした誘い込み傾斜面271b、272b、273b(図1(b))としたものである。
外壁43は、プラグコネクタ50の挿抜方向に沿って設けられた立設面43aの上部を、プラグコネクタ50の挿入方向に進むにしたがって誘い込み部27へ近づくようにした誘い込み傾斜面43bとしたものである。
ここで、立設面271aと誘い込み傾斜面271bの境界となる稜線のプラグコネクタ50の挿抜方向における位置B−1は、立設面43aと誘い込み傾斜面43bの境界となる稜線の位置A−1よりも高い位置に設けられている。
立設面271a、272a、273a、43aは、それらの下方に凹設して形成した収納部37に連設されている。この収納部37は、立設面271a、272a、273aの下部に連設された傾斜面37aと、立設面43aの下部に連設された傾斜面37bと、これらに連設された底面37cと、からなる。傾斜面37a及び傾斜面37bは、立設面271a、272a、273a及び立設面43aからそれぞれ、プラグコネクタ50の挿入方向に進むにしたがって互いに近づくように形成されている。
ここで、立設面271aと傾斜面37aの境界となる稜線のプラグコネクタ50の挿抜方向における位置は、立設面43aと傾斜面37bの境界となる稜線の位置と同じ位置C−1となっている。
誘い込み部251,252、253は、誘い込み面271、272、273と同様の構成であって、プラグコネクタ50の挿抜方向に沿って設けられた立設面251a、252a、253aの上部のそれぞれを、プラグコネクタ50の挿入方向に進むにしたがって互いに近づくようにした誘い込み傾斜面251b、252b、253b(図1(b))としてなる。
外壁42は、プラグコネクタ50の挿抜方向に沿って設けられた立設面42aの上部を、プラグコネクタ50の挿入方向に進むにしたがって誘い込み部25へ近づくようにした誘い込み傾斜面42bとしてなるものである。
ここで、立設面251aと誘い込み傾斜面251bの境界となる稜線のプラグコネクタ50の挿抜方向における位置B−1は、立設面42aと誘い込み傾斜面42bの境界となる稜線の位置A−1よりも高い位置に設けられている。
立設面251a、252a、253a、42aは、それらの下方に凹設して形成した収納部35に連設されており、この収納部35は、立設面251a、252a、253aの下部に連設された傾斜面35aと、立設面42aの下部に連設された傾斜面35bと、これらに連設された底面35cと、からなる。傾斜面35a及び傾斜面35bは、立設面251a、252a、253a及び立設面42aからそれぞれ、プラグコネクタ50の挿入方向に進むにしたがって互いに近づくように形成されている。
ここで、立設面251aと傾斜面35aの境界となる稜線のプラグコネクタ50の挿抜方向における位置は、立設面42aと傾斜面35bの境界となる稜線の位置と同じ位置C−1となっている。
また、図1(a)、(b)、図3に示すように、傾斜面251b〜253bのうちリセプタクル本体20の長手方向外側に位置する傾斜面251bと、壁部22の上面22aと、の境界線から、傾斜面43bと島部40の上面40aとの境界線まで、のリセプタクル本体20の長手方向における距離はD−1となっている。この距離D−1は、傾斜面271b〜273bのうちリセプタクル本体20の長手方向外側に位置する傾斜面271bと、壁部22の上面22aと、の境界線から、誘い込み傾斜面42bと島部40の上面40aとの境界線まで、のリセプタクル本体20の長手方向における距離と等しくされている。
リセプタクルコンタクト30は、スタンピング成形により形成された帯状の金属材からなり、基材(例えばリン青銅)上に、下地めっき(例えばニッケルめっき)を施した後に、仕上げめっき(例えば金めっき)を施した後に所定の形状に曲成されてなるものである。リセプタクルコンタクト30の板厚は、コネクタの小型化、低背化を考慮し、ばね設計や加工性の観点から、例えばコネクタのピッチが0.3〜0.5mmの場合には、0.05〜0.15mmであることが好ましい。このリセプタクルコンタクト30は、差込溝21を挟むようにリセプタクル本体20に圧入配置され、差込溝21の外側に延びるリセプタクル側端子部34が取付対象物(例えば回路基板)の導電パターに半田固定されて、リセプタクルコネクタが完成する。なお、リセプタクルコンタクト30は、壁部24の長手方向壁部29のみに収容してもよいし、これに加えて島部40にも収容してもよい。
(2)プラグコネクタ50
図2に示すプラグコネクタ50は、絶縁部材である合成樹脂のインサート成型品からなる略直方体形状のプラグ本体60と、それぞれ帯状の金属部材からなりプラグ本体60の長手方向に沿った両側の壁部にそれぞれリセプタクルコネクタ10におけるリセプタクルコンタクト30と対応して同じピッチで配設された複数のプラグコンタクト70と、を備える。プラグ本体60は、略直方体形状の外形を備え、その中央に設けた凸部61と、この凸部61の外側面に沿うように形成された略矩形の壁部62と、凸部61と壁部62との間に凹設された凹部63と、を備える。凸部61は、プラグコネクタ50がリセプタクルコネクタ10に嵌合されるときに、嵌合凹部41に嵌入される。
プラグ本体60は、例えばナイロン9T(商標)、変性ナイロン、液晶ポリマーからなり、プラグコンタクト70とともに一体成型(インサート成型)してなる絶縁性部材である。このプラグ本体60の壁部62のうち、プラグ本体60の長手方向一端の壁部64には、プラグコネクタ50をリセプタクルコネクタ10に嵌合したときに、誘い込み部25に対応する位置に、案内部91が設けられている。一方、プラグ本体60の長手方向他端の壁部65には、プラグコネクタ50をリセプタクルコネクタ10に嵌合したときに誘い込み部27に対応する位置に、案内部93が設けられている。
案内部91、93は、リセプタクルコネクタ10に対するプラグコネクタ50の挿抜方向(図2(a)の上下方向)に延びる柱状をなしている。案内部91、93は、先端部分がプラグコネクタ50の挿抜方向に沿ってリセプタクルコネクタ10側へ突出している。
案内部91は、平面形状が略台形の先端部分の先端面910と、この先端面910の台形形状の上底、2つの斜辺、下底、にそれぞれ連設された案内面911、912、913、914と、を備える。これらのうち、案内面911、912、913は、プラグコネクタ50の挿抜方向に沿って延びる立設面911a、912a、913aと、これら立設面からプラグコネクタ50の挿入方向(図2(a)、(d)の上方向)に進むにつれて互いに近づくように延びる案内傾斜面911b、912b、913bと、をそれぞれ備える。案内面914は、プラグコネクタ50の挿抜方向に沿って延びる立設面914aと、この立設面914aからプラグコネクタ50の挿入方向に進むにつれて案内傾斜面911bと互いに近づくように延びる案内傾斜面914bと、からなる。先端面910の最小幅は、差込溝21の幅、リセプタクルコンタクト30の配置間隔、及び、リセプタクルコンタクト30においてプラグコンタクト70が挿入される間隙、よりも大きくしてある。
ここで、立設面911aと案内傾斜面911bの境界となる稜線のプラグコネクタ50の挿抜方向における位置B−2は、立設面914aと案内傾斜面914bの境界となる稜線の位置A−2よりも高い位置に設けられている。
案内部93は、案内部91と同様の構成であって、平面形状が略台形の先端部分の先端面930と、この先端面930の台形形状の上底、2つの斜辺、下底にそれぞれ連設された案内面931、932、933、934と、を備える。これらのうち、案内面931、932、933は、プラグコネクタ50の挿抜方向に沿って延びる立設面931a、932a、933aと、これら立設面からプラグコネクタ50の挿入方向に進むにつれて互いに近づくように延びる案内傾斜面931b、932b、933bと、をそれぞれ備える。案内面934は、プラグコネクタ50の挿抜方向に沿って延びる立設面934aと、この立設面934aからプラグコネクタ50の挿入方向に進むにつれて案内傾斜面931bと互いに近づくように延びる案内傾斜面934bと、からなる。ここで、立設面931aと案内傾斜面931bの境界となるプラグコネクタ50の挿抜方向における位置B−2は、立設面934aと案内傾斜面934bの境界となる稜線の位置A−2よりも高い位置に設けられている。
上述のように、位置A−1より位置B−1を高くし、かつ、位置A−2より位置B−2を高くしたことにより、嵌合時には、まず、プラグの外形(外側)を基準とした誘い込みから開始され、つづいて島部を基準とした誘い込みが行われ、嵌合の挙動を安定させることができる。
さらに、位置B−1から位置B−2までの距離が、位置A−1から位置A−2までの距離より大きくなるように構成されているため、嵌合後においても、プラグ本体60の外形を、これに対向するリセプタクル本体20側の広い面積の平面で受けることができる。これにより、外乱等(落下、衝撃)が加わったとしても、プラグコネクタ50がリセプタクルコネクタ10から離脱しにくくなり、特に、案内部91、93及び誘い込み凹部26、28に設けた傾斜面が、リセプタクルコネクタ10からのプラグコネクタ50の離脱の起因となることを抑止することができる。
また、図2(a)、(b)、図3に示すように、案内面931〜934のうちプラグ本体60の長手方向内側に位置する 案内面934の傾斜面934bと先端面930との境界線から、案内面911〜914のうちプラグ本体60の長手方向外側に位置する案内面911の案内傾斜面911bと先端面910との境界線まで、のプラグ本体60の長手方向における距離はD−2となっている。この距離D−2は、案内面911〜914のうちプラグ本体60の長手方向内側に位置する案内面914の案内傾斜面914bと先端面910との境界線から、案内面931〜934のうちプラグ本体60の長手方向外側に位置する案内面931の案内傾斜面931bと先端面930との境界線まで、のプラグ本体60の長手方向における距離と同一となっている。さらに、この距離D−2は、距離D−1と同一とされている。このように、リセプタクル本体20及びプラグ本体60を構成することにより、状況を目視し難い嵌合や、機械による嵌合においても、誘い込み凹部26による案内部91の誘い込みと誘い込み凹部28による案内部93の誘い込みをバランス良く行うことができ、リセプタクル本体20に対してプラグ本体60が正対した状態で嵌合することができる。
プラグコンタクト70は、スタンピング成形により形成された帯状の金属材からなり、基材(例えばリン青銅)上に、下地めっき(例えばニッケルめっき)を施した後に、仕上げめっき(例えば金めっき)を施した後に所定の形状に曲成されてなるものである。プラグコンタクト70の板厚は、コネクタの小型化、低背化を考慮し、ばね設計や加工性の観点から、例えばコネクタのピッチが0.3〜0.5mmの場合には、0.05〜0.15mmであることが好ましい。このプラグコンタクト70は、プラグ本体60の長手方向に延び、互いに対向する壁部66、67を貫通するようにプラグ本体60に圧入配置され、長手方向壁部66、67から外側へ延びるプラグ側端子部74が取付対象物(例えば回路基板)の導電パターンに半田固定されて、プラグコネクタが完成する。
プラグコネクタ50のリセプタクルコネクタ10への嵌合は、まず、リセプタクル本体20上にプラグコネクタ50を仮置きし、案内部91の先端面910、案内面911〜914が誘い込み凹部26に、案内部93の先端面930、案内面931〜934が誘い込み凹部28に、それぞれ入り込むことにより開始する。
仮置き時にすでにプラグコネクタ50とリセプタクルコネクタ10とが正対している理想的な嵌合では、まず、案内部91,93が、誘い込み凹部26、28の空間内にそれぞれ入り込むとともに、プラグコンタクト70とリセプタクルコンタクト30とが互いに当接する。この状態からプラグコネクタ50をリセプタクルコネクタ10側へ押圧すると、プラグコンタクト70が挿入されていくことにより、リセプタクルコンタクト30が開くように変位を開始する。さらに押圧してプラグコネクタ50が所定の嵌合位置に達すると、プラグコンタクト70がリセプタクルコンタクト30に形成された凸部(不図示)を乗り越えることによって、クリック感を得ることができるとともに、プラグコンタクト70とリセプタクルコンタクト30とが互いに接触圧力を得た状態を実現することができる。ここからさらに押圧すると、あらかじめ設定したマージン分だけ移動をした後に、例えばプラグコンタクト70の先端が差込溝21の底面と当接して、移動が規制されて嵌合が完了する。このとき、先端面910及び案内面911〜914は収納部35内に、先端面930及び案内面931〜934は収納部37内に、それぞれ挿入されている(図4、図5参照)。
図5(b)に示すように、リセプタクルコネクタ10への嵌合終了時には、稜線位置A−1とA−2間では、立設面42a又は立設面43aと立設面914a又は立設面934aとがそれぞれ対向し、稜線位置B−1とB−2間では、立設面251a又は立設面271aと立設面911a又は立設面931aとがそれぞれ対向するように構成されている。これにより、嵌合途中におけるθずれの矯正が容易となる。なお、位置A1、A2、B1、B2の関係、及び、これらを定める誘い込み部25、誘い込み部27、外壁42、43、案内部91、93、の形状は適宜設定することができる。
しかしながら、目視し難い状況下の嵌合や機械による自動嵌合における仮置きから嵌合終了までの挙動は、プラグコネクタ50とリセプタクルコネクタ10との相対位置関係により異なるため、以下に、3つの場合に分けて説明する。
(i)θズレの場合
図6(a)に示すように、仮置きの際に、平面視でリセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ50がある角度θだけずれている場合がある(θズレ)。このような場合であっても、少なくとも、誘い込み凹部26の傾斜面251b〜253bのいずれか、及び、誘い込み傾斜面42bと、案内部91の案内面911〜914のいずれか2つ以上と、が当接し、及び/または、少なくとも、誘い込み凹部28の傾斜面271b〜273bのいずれか、及び、傾斜面43bと、案内部93の案内面931〜934のいずれか2つ以上と、が当接している。このため、仮置き時に角度θだけずれていたとしても、リセプタクルコネクタ10内にプラグコネクタ50を挿入していくにつれて、案内部91、93が誘い込み凹部26、28にそれぞれ案内されて角度ズレは是正され、正しい向きで嵌合を終了することができる。
(ii)平行ズレの場合
図6(b)に示すように、仮置きの際に、平面視でリセプタクルコネクタ10とプラグコネクタ50がある距離Lだけ平行にずれている場合がある(平行ズレ)。このような場合であっても、少なくとも、誘い込み凹部26の誘い込み面251〜253のいずれか、または、誘い込み傾斜面42bと、案内部91の案内面911〜914のいずれかと、が当接し、及び/または、誘い込み凹部28の誘い込み面271〜273のいずれか、または、傾斜面43bと、案内部93の案内面931〜934のいずれかと、が当接している。このため、距離Lだけ平行にずれていたとしても、リセプタクルコネクタ10内へのプラグコネクタ50の挿入において、案内部91の誘い込み凹部26内への案内量と、案内部93の誘い込み凹部28内への案内量と、をほぼ均等として、正しい向きで嵌合を終えることができる。
(iii)複合ズレの場合
さらに、上述のθズレ及び平行ズレが複合して現れる場合もある。この場合においては、少なくとも、誘い込み凹部26の傾斜面251b〜253b及び誘い込み傾斜面42bと、案内部91の案内面911〜914と、のいずれか2組以上が当接し、及び/または、少なくとも、誘い込み凹部28の傾斜面271b〜273b及び傾斜面43bと、案内部93の案内面931〜934と、のいずれか2組以上が当接している。これにより、θズレ及び平行ズレで得られる効果を奏することができる。
案内部91及び案内部93にそれぞれ複数の案内傾斜面が設けられ、かつ、誘い込み凹部26及び誘い込み凹部28に案内傾斜面に対応する複数の誘い込み傾斜面がそれぞれ設けられていることにより、嵌合ずれがあったとしても、プラグコンタクト70とリセプタクルコンタクト30とが当接する前に、プラグコネクタ50とリセプタクルコネクタ10を正対させることができる。また、案内部の1つのみが、誘い込み凹部に挿入されるおそれがないため、挿入されていない案内部によりプラグコネクタが損傷するおそれが小さい。
また、収納部35内に先端面910、案内面911〜914を、収納部37内に先端面930、案内面931〜934を、それぞれ収納することとしたため、プラグコネクタ50の挿抜方向における案内部91、93の高さを大きくすることができる。これにより、コネクタの低背化を実現しつつ、嵌合ずれを修正するための誘い込み寸法を十分確保することができる。
さらに、嵌合時にリセプタクルコネクタ10の中に、プラグコネクタ50が入り込む構造であるため、リセプタクルコネクタ10の差込溝21の内壁に誘い込み部を形成することから、実装面積を決定するリセプタクルコネクタ10の外形を大きくすることなく、上記効果を得ることができる。また、リセプタクルコネクタ10、すなわち嵌合後の外形状を凹凸の少ない略直方体形状に維持できる。
以下に変形例について説明する。
誘い込み凹部は、壁部22側及び壁部23側にそれぞれ一つ以上設ければいくつ設けてもよい。また、案内部は、壁部64及び壁部65にそれぞれ一つ以上設ければいくつ設けてもよい。これらの構成により、嵌合ずれがあっても案内部を誘い込むことができる。
さらに、リセプタクルコネクタ10に対するプラグコネクタ50の向きに応じて嵌合の可否を選択できるように、リセプタクルコネクタ10の誘い込み凹部を設定してもよい。すなわち、ある向きではプラグコネクタ50はリセプタクルコネクタ10に嵌合可能であるが、嵌合方向直交平面上でプラグコネクタ50を180度回転させた場合はリセプタクルコネクタ10に嵌合できないように、誘い込み部の有無、位置、形状を設定しても良い。
誘い込み部25、誘い込み部27、案内部91、93の断面形状は、互いに対応する形状であれば、略台形形状のほか、四角、三角その他の多角形状、半円状、非点対称形状、非円形状とすることができる。
収納部35、37はリセプタクル本体20の底部20aを貫通した貫通孔として設けることもできる。このように構成すると、より長い案内部を収納できるようになるため、低背化を実現しつつより大きな嵌合ずれにも対応可能となる。
また、リセプタクルコネクタ10の底部20aに、下方に突出するように、位置合わせのためのボス部を設け、このボス部内まで収納部を凹設してもよい。この構成によれば、プラグコネクタ50の挿抜方向における案内部91及び案内部93の高さをさらに大きくすることができる。よって、案内部91、93の案内傾斜面911b〜914b、931b〜934bを大きくすることが可能となるため、コネクタの低背化を実現しつつ、嵌合ずれを修正するための誘い込み寸法をさらに大きく確保することができる。
さらに、実装基板に、リセプタクルコネクタ10を位置決めするボス部に対応する孔と、実装基板と案内部91、93との干渉とを避ける為の孔と、をそれぞれ形成する必要がなくなる。すなわち、実装基板の孔を共用することができるようになる。これにより、基板配線の設計自由度が高くなるとともに、高密度化を実現できる。
また、収納部35、37をボス部内に凹設された有底孔とすることで、リセプタクルコネクタ10の底部20aに外部に通ずる貫通孔がないことから、リセプタクル本体20の強度保持及び実装する際のリフロー時のフラックスやガスの侵入防止をすることができる。さらに、実質的に、案内部91、93を含んだプラグコネクタの総高さを、嵌合時の基板間の高さ以上とすることができる。
また、第1実施形態では誘い込み凹部26及び誘い込み凹部28を、リセプタクルコネクタ10の長手方向両側に一つずつ設け、これらに対応する案内部91、93をプラグコネクタ50の長手方向両側に一つずつ設けている。これにより、案内部91、93が大きくなることにより案内部91と案内部93との距離が短くなること、及び、対応する誘い込み凹部26、28が複数形成されること、に起因するリセプタクル本体20の強度低下や、コネクタ組立機の生産性の低下等を防ぐことができる。
なお、案内部91、93や誘い込み凹部26、28の数や位置、形状は、コネクタに要求される嵌合ずれの許容量、嵌合時の基板間高さ、金具の有無、ボス部の形成の可否、生産性等の設計的制約の中で選択し設定するものである。
また、嵌合ずれの許容量は、案内部91、93の先端面910、930及び案内面911〜914、案内面931〜934の形状により任意に設定することが可能である。
<第2実施形態>
図7を参照しつつ本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、島部140に傾斜面145a、145b、147a、147bが形成され、リセプタクル本体120の長手方向に延びる壁部115、116に壁部案内傾斜面155a、155b、157a、157bが形成されている点が第1実施形態と異なる。プラグコネクタとしては第1実施形態と同じものを使用する。その他の構成は第1実施形態と同様であって、同じ部材については同じ参照符号を使用し、重複する説明は省略する。
第2実施形態に係るリセプタクルコネクタ110は、リセプタクルコネクタ10と同様に、リセプタクル本体120と、このリセプタクル本体120に設けた差込溝121の両側にそれぞれ配設された複数のリセプタクルコンタクト130と、を備える。略直方体形状の外形を備えるリセプタクル本体120は、その中央に設けた略直方体形状の島部140と、この島部140の外側面に沿うように形成された略矩形の壁部124と、島部140と壁部124との間に凹設され、プラグコネクタ50が挿抜される差込溝121と、を備える。
リセプタクル本体120の壁部124のうち、リセプタクル本体120の長手方向一端の壁部122の内壁の略中央には、リセプタクルコネクタ110に対するプラグコネクタ50の挿抜方向(図1(a)の上下方向)直交断面が略台形状に凹設された誘い込み部125が設けられている。一方、リセプタクル本体120の長手方向他端の壁部123の内壁には、誘い込み部127が設けられている。誘い込み部127は、誘い込み部125と対向する位置に設けられ、プラグコネクタ50の挿抜方向直交断面が略台形状に凹設されている点は誘い込み部125と同様である。
島部140においては、第1実施形態の誘い込み傾斜面42b、43bに代えて、その上面140aの4つの稜角が、上面140aから下方へ向かうにつれて(リセプタクルコネクタ110の底面へ向かうにつれて)、壁部124の対向する部分に近づくような傾斜面145a、145b、147a、147bをなすようにそれぞれ切除されている。誘い込み部125に対向する傾斜面145a、145bは、島部140の上下方向(挿抜方向)に延びる外側面146に、誘い込み部127に対向する傾斜面147a、147bは、島部140の上下方向に延びる外側面148に、それぞれ連設されている。傾斜面145a、145bと外側面146とが連接する稜線、及び、傾斜面147a、147bと外側面148とが連接する稜線は、それぞれ直線状である。また、島部140の中央には、平面形状が略矩形の嵌合凹部141が凹設されている。この嵌合凹部141には、プラグコネクタ50がリセプタクルコネクタ110に嵌合されるときに、嵌合凸部61が嵌入される。
誘い込み部125、傾斜面145a、145b、及び外側面146により誘い込み凹部126が構成され、誘い込み部127、傾斜面147a、147b、及び外側面148により誘い込み凹部128が構成される。
壁部124のうち、リセプタクル本体120の長手方向(図7(b)の左右方向)に沿って延びる壁部115には、その両端部に壁部案内傾斜面155a、157aが設けられている。壁部案内傾斜面155a、157aは、挿抜方向に延びる壁部115の内面に連設され、壁部115の上面へ向かうにつれて、対向する壁部116から離間するように形成されている。一方、壁部124のうち、壁部115に平行に延びる壁部116には、その両端部に壁部案内傾斜面155b、157bが設けられている。壁部案内傾斜面155b、157bは、挿抜方向に延びる壁部116の内面に連設され、壁部116の上面へ向かうにつれて、対向する壁部115から離間するように形成されている。
以上のようにリセプタクル本体120に設けられた島部140の上面140aの四隅を傾斜面145a、145b、147a、147bとしたことにより、第1実施形態で得られる効果に加えて、プラグコネクタ50の壁部64、65の内面や案内傾斜面914b、934bが傾斜面145a、145b、147a、147bと当接して、プラグコネクタ50を案内することにより、回転ズレを矯正しやすくなる。よって、プラグコネクタ50がリセプタクルコネクタ110に正対しやすくなるため、嵌合作業の効率を高めることができる。
さらに、壁部案内傾斜面155a、157a、155b、157bを形成したことにより、プラグコネクタ50の壁部62の上面や案内部91、93が壁部案内傾斜面155a、157a、155b、157bと当接することにより、位置ズレをより矯正しやすくなる。
つまり、プラグコネクタ50の内側と外側両方から位置ズレを矯正することができ、極めて優れた位置ズレ矯正の効果を得ることが出来る。
また、外側面146、148を残して傾斜面145a、145b、147a、147bを形成したことにより、プラグコネクタ50をリセプタクルコネクタ110に嵌合したときに、プラグコネクタ50の立設面914a、934aが外側面146、148にそれぞれ当接するため、リセプタクルコネクタ110の長手方向におけるプラグコネクタ50の位置決めを正確に行うことができる。
上述の説明では傾斜面145a、145bと外側面146とが連接する稜線、及び、傾斜面147a、147bと外側面148とが連接する稜線が、それぞれ直線状であるとしたが、円弧状とすることもできる。
なお、その他の作用、効果、変形例は第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
図8及び図9を参照しつつ本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明においては、第1実施形態と同じ部材については同じ参照符号を使用し、重複する説明は省略する。
第3実施形態に係るリセプタクルコネクタ310は、上述のリセプタクルコネクタ10及びリセプタクルコネクタ110と同様に、リセプタクル本体320と、このリセプタクル本体320に設けた差込溝321の両側にそれぞれ配設された複数のリセプタクルコンタクト330と、を備える。略直方体形状の外形を備えるリセプタクル本体320は、その中央に設けた略直方体形状の島部340と、この島部340の外側面に沿うように形成された略矩形の壁部324と、島部340と壁部324との間に凹設され、プラグコネクタ350が挿抜される差込溝321と、を備える。
リセプタクル本体320の壁部324のうち、リセプタクル本体320の長手方向両端に位置し互いに対向する壁部322及び壁部323の内壁には、上面から下方へ向かうにつれて対向する壁部側へ近づくように形成され、上下方向に延びる内側面322a、323aに連設された誘い込み面325、327が設けられている。
島部340においては、その上面340aの4つの稜角が、上面340aから下方へ向かうにつれて(リセプタクルコネクタ310の底面へ向かうにつれて)、壁部324の対向する部分に近づくような傾斜面345a、345b、傾斜面347a、347bをなすようにそれぞれ切除されている。誘い込み面325に対向する傾斜面345a、345bは、島部340の上下方向に延びる外側面346に、誘い込み面327に対向する傾斜面347a、347bは、島部340の上下方向に延びる外側面348に、それぞれ連設されている。傾斜面345a、345bと外側面346とが連接する稜線、及び、傾斜面347a、347bと外側面348とが連接する稜線は、それぞれ直線状である。また、島部340の中央には、平面形状が略矩形の嵌合凹部341が凹設されている。
誘い込み面325、傾斜面345a、345b、及び、外側面346により誘い込み凹部326が構成され、誘い込み部327、傾斜面347a、347b、及び、外側面348により誘い込み凹部328が構成される。
壁部324のうち、リセプタクル本体320の長手方向(図8(b)の左右方向)に沿って延びる壁部315には、その両端部に壁部案内傾斜面355a、357aが設けられている。壁部案内傾斜面355a、357aは、挿抜方向に延びる壁部315の内面に連設され、壁部315の上面へ向かうにつれて、対向する壁部316から離間するように形成されている。一方、壁部324のうち、壁部315に平行に延びる壁部316には、その両端部に壁部案内傾斜面355b、357bが設けられている。壁部案内傾斜面355b、357bは、挿抜方向に延びる壁部316の内面に連設され、壁部316の上面へ向かうにつれて、対向する壁部315から離間するように形成されている。
図9に示すプラグコネクタ350は、絶縁部材である合成樹脂のインサート成型品からなる略直方体形状のプラグ本体360と、それぞれ帯状の金属部材からなりプラグ本体360の長手方向に沿った両側にそれぞれリセプタクルコネクタ310におけるリセプタクルコンタクト330と対応して同じピッチで配設された複数のプラグコンタクト370と、を備える。
プラグ本体360は、略直方体形状の外形を備えており、平面形状が略矩形状の凹部363を囲むように嵌合壁部362が配置されている。嵌合壁部362は、プラグコネクタ350がリセプタクルコネクタ310に嵌合されるときに差込溝321に嵌入される。プラグ本体360は、例えばナイロン9T(商標)、変性ナイロン、液晶ポリマーからなり、プラグコンタクト70とともに一体成型(インサート成型)してなる絶縁性部材である。凹部363の中央には、プラグコネクタ350がリセプタクルコネクタ310に嵌合されるときに、嵌合凹部341に嵌入される嵌合凸部361が凸設されている。
以上のように、第1実施形態及び第2実施形態に比して単純な構造を採用することにより、製造コストを低減しつつ、低背化を実現し、かつ、嵌合ずれを吸収して正しい位置で嵌合することのできるコネクタを実現することができる。
なお、その他の作用、効果、変形例は第1実施形態及び第2実施形態と同様である。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
(a)は本発明の第1実施形態に係るリセプタクルコネクタの構成を示す斜視図であり、(b)はその平面図、(c)は(b)のIC−IC線に沿った縦断面図であって、誘い込み凹部及び収納部の構成を拡大して示す図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係るプラグコネクタの構成を示す斜視図であり、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は(b)のIID−IID線に沿った縦断面図であって、案内部の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るプラグコネクタをリセプタクルコネクタに対向させたときの状態を示し、プラグコネクタをリセプタクルコネクタの短手方向略中央を通る長手方向線に沿った縦断面図である (a)は本発明の第1実施形態に係るプラグコネクタをリセプタクルコネクタに嵌合するときの状態を示す側面図であり、(b)はその斜視図、(c)は嵌合後の状態を示す平面図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係るプラグコネクタをリセプタクルコネクタに嵌合するときに案内部が誘い込み部に挿入される様子を示す縦断面図であり、(b)は嵌合後の状態を示す縦断面図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係るプラグコネクタとリセプタクルコネクタとが角度θだけずれて配置された状態を示す平面図、(b)は距離Lだけ平行にずれて配置された状態を示す平面図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係るリセプタクルコネクタの構成を示す斜視図であり、(b)はその平面図、(c)は(b)のVIIC−VIIC線に沿った拡大縦断面図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係るリセプタクルコネクタの構成を示す斜視図であり、(b)はその平面図、(c)は(b)のVIIIC−VIIIC線に沿った拡大縦断面図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係るプラグコネクタの構成を示す斜視図であり、(b)はその平面図、(c)は(b)のIXC−IXC線に沿った拡大縦断面図である。
符号の説明
10 リセプタクルコネクタ
20 リセプタクル本体
21 差込溝
26 28 誘い込み凹部
30 リセプタクルコンタクト
35 37 収納部
40 島部
42 外壁
42b 誘い込み傾斜面
43 外壁
43b 誘い込み傾斜面
50 プラグコネクタ
60 プラグ本体
70 プラグコンタクト
91 93 案内部
110 リセプタクルコネクタ
115 116 壁部
120 リセプタクル本体
121 差込溝
140 島部
145a 145b 傾斜面
147a 147b 傾斜面
146 148 外側面
155a 155b 壁部案内傾斜面
157a 157b 壁部案内傾斜面
251b 252b 253b 誘い込み傾斜面
271b 272b 273b 誘い込み傾斜面
310 リセプタクルコネクタ
315 316 壁部
320 リセプタクル本体
321 差込溝
340 島部
345a 345b 傾斜面
347a 347b 傾斜面
346 348 外側面
350 プラグコネクタ
355a 355b 壁部案内傾斜面
357a 357b 壁部案内傾斜面
360 プラグ本体
370 プラグコンタクト
911b 912b 913b 914b 案内傾斜面
931b 932b 933b 934b 案内傾斜面

Claims (21)

  1. 絶縁部材からなるプラグ本体、及び、前記プラグ本体に保持された少なくとも1以上のプラグコンタクト、を有するプラグコネクタと、絶縁部材からなり前記プラグコネクタが挿抜される差込溝が設けられたリセプタクル本体、及び、前記差込溝に前記プラグコネクタが挿入されたときに前記プラグコンタクトに接触導通するように前記リセプタクル本体に保持された少なくとも1以上のリセプタクルコンタクト、を有するリセプタクルコネクタと、を備えたコネクタであって、
    前記差込溝は、前記リセプタクル本体の中央に設けられた略直方体形状を備えた島部と、前記島部の外側面に沿って形成された壁部と、の間に凹設され、
    前記島部の上面の4つの稜角は、前記島部の上面から下方へ向かうにつれて前記壁部に近づく傾斜面をなすように切除され、上下方向に延びる前記外側面に連なることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記プラグ本体は、前記プラグコネクタの挿抜方向に沿って前記リセプタクルコネクタ側へ突出した少なくとも2つの案内部を備え、前記案内部は、それぞれ、前記プラグ本体から突出するにしたがって互いに近づくように形成された案内傾斜面を少なくとも2つ有し、前記リセプタクル本体は、前記プラグコネクタを前記リセプタクルコネクタに挿入したときに、前記案内部をその内部にそれぞれ案内する少なくとも2つの誘い込み凹部を備え、前記誘い込み凹部は、それぞれ、前記プラグコネクタを前記リセプタクルコネクタに挿入したときに、前記案内傾斜面をそれぞれ案内するように設けられた少なくとも2つの誘い込み傾斜面を備える請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記誘い込み傾斜面は前記傾斜面を含む請求項2記載のコネクタ。
  4. 前記壁部は、その上面へ向かうにつれて、対向する壁部から離間するように形成された壁部案内傾斜面を備えている請求項1〜3のいずれか1項記載のコネクタ。
  5. 前記島部の傾斜面と前記外側面とが連接する稜線は、直線状である請求項1〜4のいずれか1項記載のコネクタ。
  6. 前記島部の傾斜面と前記外側面とが連接する稜線は、円弧状である請求項1〜4のいずれか1項記載のコネクタ。
  7. 絶縁部材からなるプラグ本体、及び、前記プラグ本体に保持された少なくとも1以上のプラグコンタクト、を有するプラグコネクタと、絶縁部材からなり前記プラグコネクタが挿抜される差込溝が設けられたリセプタクル本体、及び、前記差込溝に前記プラグコネクタが挿入されたときに前記プラグコンタクトに接触導通するように前記リセプタクル本体に保持された少なくとも1以上のリセプタクルコンタクト、を有するリセプタクルコネクタと、を備えたコネクタであって、
    前記プラグ本体は、前記プラグコネクタの挿抜方向に沿って前記リセプタクルコネクタ側へ突出した少なくとも2つの案内部を備え、
    前記案内部は、それぞれ、前記プラグ本体から突出するにしたがって互いに近づくように形成された案内傾斜面を少なくとも2つ有し、
    前記リセプタクル本体は、前記プラグコネクタを前記リセプタクルコネクタに挿入したときに、前記案内部をその内部にそれぞれ案内する少なくとも2つの誘い込み凹部を備え、
    前記誘い込み凹部は、それぞれ、前記プラグコネクタを前記リセプタクルコネクタに挿入したときに、前記案内傾斜面をそれぞれ案内するように設けられた少なくとも2つの誘い込み傾斜面を備えることを特徴とするコネクタ。
  8. 前記差込溝は、前記リセプタクル本体の中央に設けられた島部と、前記島部の外側面に沿って形成された壁部と、の間に凹設され、前記誘い込み傾斜面は、前記島部の外側面と、この外側面に対向する前記壁部の内壁面に形成されている請求項7記載のコネクタ。
  9. 前記島部の外側面の誘い込み傾斜面は、前記島部の上面の4つの稜角を、前記島部の上面から下方へ向かうにつれて前記壁部に近づく傾斜面をなすように切除し、上下方向に延びる前記外側面に連なるように形成されている請求項8記載のコネクタ。
  10. 前記リセプタクル本体の底部に対する前記島部の上面の高さは、前記壁部の上面の高さよりも、小さい請求項8又は請求項9記載のコネクタ。
  11. 前記案内部は、プラグコネクタの挿抜方向直交断面が点対称形状ではない請求項7〜10のいずれか1項記載のコネクタ。
  12. 前記案内部は、プラグコネクタの挿抜方向直交断面が非円形状である請求項7〜10のいずれか1項記載のコネクタ。
  13. 前記案内部は、平面形状の先端面を備える請求項7〜12のいずれか1項記載のコネクタ。
  14. 前記案内部の前記先端面の最小幅は、前記リセプタクルコンタクトの配置間隔よりも大きい請求項13項記載のコネクタ。
  15. 前記案内部の前記先端面の最小幅は、前記リセプタクル本体の差込溝の間隔よりも大きい請求項13又は請求項14のいずれか1項記載のコネクタ。
  16. 前記案内部は、前記プラグ本体の対向する両端面上に少なくとも一つずつ設けられている請求項7〜15のいずれか1項記載のコネクタ。
  17. 前記案内部は、前記プラグ本体の対向する両端面の長手方向略中央に設けられている請求項7〜16のいずれか1項記載のコネクタ。
  18. 前記リセプタクル本体は、前記プラグコネクタの挿入方向に沿って前記誘い込み凹部に連なって凹設され、前記案内部を収納する収納部を備える請求項7〜17のいずれか1項記載のコネクタ。
  19. 前記収納部は、前記リセプタクル本体の底部を貫通する貫通孔として設けられている請求項18記載のコネクタ。
  20. 前記プラグ本体は二つの案内部を備え、前記リセプタクル本体は前記二つの案内部にそれぞれ対応する二つの誘い込み凹部を備え、一方の前記案内部において最も内側の位置から、他方の前記案内部において最も外側の位置までの距離は、一方の前記誘い込み凹部において最も内側の位置から、他方の前記誘い込み凹部において最も外側の位置までの距離と等しい請求項7〜19のいずれか1項記載のコネクタ。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項記載のコネクタを備えたことを特徴とする携帯端末。
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