JP2016003994A - 物理量センサー、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents

物理量センサー、高度計、電子機器および移動体 Download PDF

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【課題】優れた検出精度を有するセンサーチップを備えた物理量センサー、この物理量センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供すること。【解決手段】物理量センサー1は、物理量を検出して電気信号を発生する物理量センサーチップ3と、物理量センサーチップ3を収容している内部空間28を有するパッケージ2と、パッケージ2と物理量センサーチップ3とを接続しているボンディングワイヤー81と、を備え、物理量センサーチップ3は、ボンディングワイヤー81によって内部空間28に係留されている。【選択図】図1

Description

本発明は、物理量センサー、高度計、電子機器および移動体に関するものである。
従来から、物理量センサーとして、圧力を検出し、その検出値に応じた電気信号を発生するセンサーチップと、このセンサーチップを収納するパッケージとを有する圧力センサーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような圧力センサーでは、一般に、センサーチップが、受圧によって撓むダイヤフラムと、ダイヤフラム上に設けられたセンサー素子とを備えており、ダイヤフラムに圧力が加わることに起因するダイヤフラムの撓みをセンサー素子で検出することにより、ダイヤフラムに加わった圧力を検出する。
また、かかる構成の圧力センサーでは、従来、特許文献1に開示されているように、センサーチップが、パッケージの底面に、フロロシリコーン系の接着剤のような低弾性率な材料を介して接合されている。
しかしながら、このような構成では、パッケージに発生した歪みが接着剤を介してセンサーチップに伝わることで、センサーチップに不要な応力が加わってしまい、その結果、センサーチップの検出精度が低下してしまうという問題があった。そのため、従来の圧力センサーでは、受けた圧力を精度よく検出することができなかった。
特開2001−153746号公報
本発明の目的は、優れた検出精度を有するセンサーチップを備えた物理量センサー、この物理量センサーを備えた信頼性の高い高度計、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例の物理量センサーは、物理量を検出して電気信号を発生する物理量センサーチップと、
前記物理量センサーチップを収容している内部空間を有するパッケージと、
前記パッケージと前記物理量センサーチップとを接続している第1のワイヤーと、を備え、
前記物理量センサーチップは、前記第1のワイヤーによって前記内部空間に係留されていることを特徴とする。
これにより、パッケージの歪みがセンサーチップに伝搬されることを低減することができるため、パッケージの歪みによる応力がセンサーチップに加わることを低減することができる。そのため、センサーチップの検出精度を高めることができ、よって、優れた検出精度を有する圧力センサーを提供することができる。
[適用例2]
本適用例の物理量センサーでは、液状またはゲル状の充填材に囲まれていることが好ましい。
これにより、物理量センサーチップを保護(防塵および防水)することができるとともに、充填材が物理量伝達媒体(圧力伝達媒体)として機能するため、物理量センサーに加わった物理量(例えば、圧力)を物理量センサーチップに効率よく伝達することができる。さらに、充填材が液状またはゲル状であることで、物理量センサーチップにパッケージの歪みに起因する応力が加わってしまうことをより低減することができる。
[適用例3]
本適用例の物理量センサーでは、前記充填材は、柔軟性を有する樹脂を含むことが好ましい。
これにより、ゲル状の充填材をより容易に得ることができる。また、充填材がゲル状であると、内部空間内での物理量センサーチップの位置の変動を低減することができ、よって、物理量センサーの姿勢の変化の影響を受けずに高精度な検出が可能となる。
[適用例4]
本適用例の物理量センサーでは、前記第1のワイヤーは、導電性を有していることが好ましい。
これにより、ワイヤーに電気配線としての機能を持たせることができる。
[適用例5]
本適用例の物理量センサーでは、前記パッケージは、前記内部空間に前記パッケージから少なくとも一部が突出している可撓性配線基板を備え、
前記第1のワイヤーは、前記内部空間内において前記可撓性配線基板に接続されていることが好ましい。
これにより、パッケージの歪みに起因する応力が物理量センサーチップに加わってしまうことをより低減することができる。
[適用例6]
本適用例の物理量センサーでは、前記内部空間にICチップを配置していることが好ましい。
このICチップにより、センサーチップで発生した電気信号に基づいて、物理量センサーに加わった物理量(例えば、圧力)の大きさを演算することができる。
[適用例7]
本適用例の物理量センサーでは、前記パッケージと前記ICチップとを接続している第2のワイヤーを備え、
前記ICチップは、前記第2のワイヤーによって前記内部空間に係留されていることが好ましい。
これにより、パッケージの歪みがICチップに伝搬されることで、パッケージの歪みによる応力がICチップに加わってしまうことをより低減することができる。そのため、物理量センサーに加わった物理量(例えば、圧力)の大きさをより精度よく演算することができる。
[適用例8]
本適用例の物理量センサーでは、前記ICチップは、前記物理量センサーチップと一体で構成されていることが好ましい。
これにより、物理量センサーの小型化、低背化を図ることができる。
[適用例9]
本適用例の物理量センサーでは、前記物理量センサーチップは、圧力を検出する圧力センサーチップであることが好ましい。
これにより、圧力を検出することができる。
[適用例10]
本適用例の高度計は、上記適用例の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い高度計が得られる。
[適用例11]
本適用例の電子機器は、上記適用例の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
[適用例12]
本適用例の移動体は、上記適用例の物理量センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
本発明の物理量センサーの第1実施形態を示す断面図である。 図1に示す物理量センサーの平面図である。 図1に示す物理量センサーが有する物理量センサーチップを示す断面図である。 図3に示す物理量センサーチップが有するセンサー素子を示す平面図である。 図4に示すセンサー素子を含むブリッジ回路を示す図である。 図1に示す物理量センサーが有するICチップを示す断面図である。 本発明の物理量センサーの第2実施形態を示す断面図である。 図7に示す物理量センサーの平面図である。 本発明の物理量センサーの第3実施形態を示す断面図である。 図9に示す物理量センサーの平面図である。 図9に示す物理量センサーが有するICチップおよび物理量センサーチップを示す断面図である。 本発明の物理量センサーの第4実施形態を示す断面図である。 図12に示す物理量センサーの平面図である。 第5実施形態の物理量センサーが備える物理量センサーチップを示す断面図である。 本発明の高度計の一例を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例を示す正面図である。 本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の物理量センサー、高度計、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.物理量センサー
<第1実施形態>
図1は、本発明の物理量センサーの第1実施形態を示す断面図である。図2は、図1に示す物理量センサーの平面図である。図3は、図1に示す物理量センサーが有する物理量センサーチップを示す断面図である。図4は、図3に示す物理量センサーチップが有するセンサー素子を示す平面図である。図5は、図4に示すセンサー素子を含むブリッジ回路を示す図である。図6は、図1に示す物理量センサーが有すICチップを示す断面図である。なお、図2では、説明の便宜上、ハウジング22の図示を省略している。また、以下の説明では、図1、図3、図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す物理量センサー1は、圧力を検出することのできる圧力センサーである。このように、物理量センサー1を圧力センサーとすることで、種々の電子機器に搭載することのできる物理量センサーとなる。
このような物理量センサー1は、図1に示すように、圧力を検出して電気信号を発生するセンサーチップ(物理量センサーチップ)3と、ICチップ4と、センサーチップ3およびICチップ4を収納するパッケージ(容器)2と、センサーチップ3をパッケージ2に接続するボンディングワイヤー(ワイヤー)81と、ICチップ4をパッケージ2に接続するボンディングワイヤー(ワイヤー)82と、パッケージ2内でセンサーチップ3およびICチップ4を囲っている(覆っている)充填材11とを有している。
以下、これら各部について順に説明する。
≪パッケージ≫
パッケージ2は、センサーチップ3およびICチップ4を収容する内部空間28を有し、その内部空間28はハウジング22の上方に開口している。
図1に示すように、パッケージ2は、ベース(底部)21と、ハウジング(蓋体)22と、可撓性配線基板25と、を有し、ベース21とハウジング22とで可撓性配線基板25を挟み込むようにして、これらを互いに接合して構成されている。ベース21と可撓性配線基板25との接合、および、ハウジング22と可撓性配線基板25との接合は、それぞれ、接着剤で構成される接着剤層26を介して行われている。この接着剤としては、特に限定されず、例えば、シリコーン系、エポキシ系の接着剤等を用いることができる。なお、ベース21、可撓性配線基板25およびハウジング22における、これら同士間の接合は、接着剤層を介することなく、ベース21、可撓性配線基板25およびハウジング22の構成材料等によっては、陽極接合や、直接接合等の各種接合方法により行われていてもよい。
ベース21は、パッケージ2の底面を構成し、本実施形態では、全体形状が平板状をなし、その平面視形状は、正方形状となっている。ベース21の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物セラミックスのような各種セラミックスや、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂のような各種樹脂材料等の絶縁性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、各種セラミックスであることが好ましい。これにより、優れた機械的強度を有するパッケージ2を得ることができる。なお、ベース21の平面視形状としては、その他、例えば、円形状、長方形状、五角形以上の多角形状等をなすものであってもよい。
ハウジング22は、パッケージ2の蓋部を構成し、本実施形態では、全体形状が筒状をなし、その平面視形状は、その下側おいて正方形状となり、上側において円形状となっている。また、ハウジング22は、その外径および内径が、下端から上端に向かってパッケージ高さの途中まで漸減する第1の部位と、この途中から上端に向かってほぼ一定となる第2の部位とで構成され、第1の部位において平面視形状が正方形状をなし、第2の部位において平面視形状が円形状をなしている。なお、ハウジング22の形状としては、その他、例えば、その全体形状が、円筒状をなすもの等であってもよい。また、ハウジング22の構成材料としては、ベース21の構成材料として挙げたのと同様のものを用いることができる。
可撓性配線基板25は、ベース21とハウジング22との間に位置し、センサーチップ3やICチップ4からの電気信号をパッケージ2の外部に取り出す機能を有している。この可撓性配線基板25は、可撓性を有する基板23と、基板23の上面側に形成された配線24とで構成される。
また、図2に示すように、基板23は、その平面視形状が正方形の枠状をなし中心部に開口部233を有する枠体231と、枠体231の一辺において外側へ突出するように一体的に形成された帯状をなす帯体232と、で構成されており、枠体231の内縁部が全周にわたって内部空間28内に突出するように配置されている。
基板23の構成材料としては、可撓性を有するものであれば、特に限定されず、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
配線24は、導電性を有し、図2に示すように、枠体231と帯体232にかけて設けられ(引き回され)ている。このような配線24は、センサーチップ3の電気信号をパッケージ2の外部に取り出す4つの配線部241と、ICチップ4からの電気信号をパッケージ2の外部に取り出す4つの配線部245と、を有している。
各配線部241の内部空間28側には、センサーチップ3の後述する接続端子74b’を、ボンディングワイヤー81を介して電気的に接続する端子242が設けられている。一方、各配線部245の内部空間28側には、ICチップ4の後述する接続端子410を、ボンディングワイヤー82を介して電気的に接続する端子246が設けられている。また、これら配線部241、245の外側の端部に、例えば、後述する電子機器または移動体のマザーボード等を電気的に接続することで、センサーチップ3やICチップ4からの電気信号をパッケージ2の外部に取り出すことができる。
なお、配線24が有する配線部の数は、上述したものに限定されず、センサーチップ3に設けられている接続端子74b’の数や、ICチップ4に設けられている接続端子410の数に合わせて適宜設定することができる。
このような配線24の構成材料としては、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、Ni、Pt、Li、Mg、Sr、Ag、Cu、Co、Al等の金属、これらを含むMgAg、AlLi、CuLi等の合金、ITO、SnO2等の酸化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
≪センサーチップ≫
図3に示すように、センサーチップ3は、基板5と、センサー素子6と、素子周囲構造体7と、空洞部8と、半導体回路9と、を有している。以下、これら各部について順に説明する。
基板5は、板状をなし、SOI基板(第1のSi層511、SiO層512、第2のSi層513がこの順で積層している基板)で構成された半導体基板51上に、シリコン酸化膜(SiO膜)で構成された第1絶縁膜52と、シリコン窒化膜(SiN膜)で構成された第2絶縁膜53と、をこの順に積層することで構成されている。ただし、半導体基板51としては、SOI基板に限定されず、例えば、シリコン基板を用いることができる。
また、半導体基板51には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイヤフラム54が設けられている。このダイヤフラム54は、半導体基板51の下面に有底の凹部55を設けることで形成され、その下面(凹部55の底面)が受圧面541となっている。
このような半導体基板51上およびその上方には半導体回路(回路)9が作り込まれている。この半導体回路9には、必要に応じて形成されたMOSトランジスタ91等の能動素子、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ダイオードおよび配線等の回路要素が含まれている。なお、図3では、説明の便宜上、半導体回路9のMOSトランジスタ91のみを図示している。
センサー素子6は、図4に示すように、ダイヤフラム54に設けられている4つのピエゾ抵抗素子(撓み量検出素子)61、62、63、64を有している。これら4つのピエゾ抵抗素子61、62、63、64は、それぞれ、平面視で四角形をなすダイヤフラム54の各辺に対応して設けられている。
ピエゾ抵抗素子61、62は、ダイヤフラム54の外縁部に設けられているピエゾ抵抗部611、621と、ピエゾ抵抗部611、621の両端部に接続されている配線613、623と、を有している。一方、ピエゾ抵抗素子63、64は、ダイヤフラム54の外縁部に設けられている1対のピエゾ抵抗部631、641と、1対のピエゾ抵抗部631、641同士を接続している接続部632、642と、1対のピエゾ抵抗部631、641の他端部に連結されている配線633、643と、を有している。
ピエゾ抵抗部611、621、631、641は、それぞれ、例えば、半導体基板51の第1のSi層511にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線613、623、633、643および接続部632、642は、それぞれ、例えば、第1のSi層511に、ピエゾ抵抗部611、621、631、641よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
また、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64は、自然状態における抵抗値が互いに等しくなるように構成されている。そして、これらのピエゾ抵抗素子61、62、63、64は、配線613、623、633、643等を介して、互いに電気的に接続され、図5に示すように、ブリッジ回路60(ホイートストンブリッジ回路)を構成し、半導体回路9と接続されている。このブリッジ回路60には、駆動電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路60は、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64の抵抗値に応じた信号(電圧)を出力する。
図3に示すように、素子周囲構造体7は、空洞部8を画成するように形成されている。この素子周囲構造体7は、層間絶縁膜71と、層間絶縁膜71上に形成された配線層72と、配線層72および層間絶縁膜71上に形成された層間絶縁膜73と、層間絶縁膜73上に形成された配線層74と、配線層74および層間絶縁膜73上に形成された表面保護膜75と、封止層76とを有している。配線層74は、空洞部8の内外を連通する複数の細孔742を備えた被覆層741を有しており、被覆層741上に配置されている封止層76が細孔742を封止している。なお、配線層72、74は、空洞部8を囲むように形成されている配線層72a、74aと、半導体回路9の配線を構成する配線層72b、74bと、を含んでいる。したがって、半導体回路9は、配線層72b、74bによって物理量センサー1の上面に引き出され、配線層74bの一部が接続端子74b’となっている。
層間絶縁膜71、73としては、特に限定されないが、例えば、シリコン酸化膜(SiO膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層72、74としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層76としては、特に限定されないが、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜を用いることができる。また、表面保護膜75としは、特に限定されないが、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜など、素子を水分、ゴミ、傷などから保護するための耐性を有するものを用いることができる。
基板5と素子周囲構造体7とで画成された空洞部8は、密閉された空間であり、センサーチップ3が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。また、空洞部8は、ダイヤフラム54と重なるように配置されており、ダイヤフラム54が空洞部8を画成する壁部の一部を構成している。空洞部8内の状態は、特に限定されないが、真空状態(例えば10Pa以下)であることが好ましい。これにより、センサーチップ3を、真空状態を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー素子」として用いることができる。ただし、空洞部8内の状態は、真空状態でなくてもよく、例えば、大気圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が低い減圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が高い加圧状態であってもよい。また、空洞部8内には窒素ガス、希ガス等の不活性ガスが封入されていてもよい。
このような構成のセンサーチップ3は、ダイヤフラム54の受圧面541が受ける圧力に応じてダイヤフラム54が変形し、これにより、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64が歪み、その撓み量に応じてピエゾ抵抗素子61、62、63、64の抵抗値が変化する。それに伴って、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64が構成するブリッジ回路60の出力が変化し、その出力に基づいて、受圧面541で受けた圧力(絶対圧)の大きさを求めることができる。
また、センサーチップ3では、空洞部8および半導体回路9が基板5の同じ面側に設けられているため、空洞部8を形成している素子周囲構造体7が基板5の半導体回路9とは反対側から張り出すことがなく、低背化を図ることができる。その上で、素子周囲構造体7は、層間絶縁膜71、73および配線層72、74のうちの少なくとも一方と同一の成膜により形成されている。これにより、CMOSプロセスを利用して、素子周囲構造体7を半導体回路9と一括して形成することができる。そのため、センサーチップ3の製造工程が簡略化され、その結果、センサーチップ3の低コスト化を図ることができる。また、本実施形態のように空洞部8を封止する場合であっても、成膜法を用いて空洞部8を封止することができ、従来のような基板を貼り合わせてキャビティを封止する必要がなく、この点でも、センサーチップ3の製造工程が簡略化され、その結果、センサーチップ3の低コスト化を図ることができる。
≪ICチップ≫
ICチップ4は、例えば、センサーチップ3で生成された電気信号に基づいて、センサーチップ3に加わった圧力の大きさを演算する機能を有するものである。
図1および図2に示すように、ICチップ4は、板状であり、平面視においてセンサーチップ3よりも小さい四角形状をなしている。このICチップ4は、センサーチップ3上にセンサーチップ3と離間してセンサーチップ3と重なるように設けられており、平面視において接続端子74b’が露出するようにセンサーチップ3に内包されている。このようにICチップ4が、センサーチップ3と平面視で重なるように配置(上下に重なって配置)されていることにより、物理量センサー1の幅方向での寸法を小さくし、物理量センサー1の小型化を図ることができる。
図6に示すように、ICチップ4は、多層配線基板であり、シリコン等の半導体で構成された半導体基板41上に、シリコン酸化膜(SiO膜)で構成されている絶縁膜42を積層してなり、半導体基板41上およびその上方に、例えばブリッジ回路60から得られる信号に基づいて受けた圧力の大きさを検出するための半導体回路(回路)40が作り込まれている。また、半導体回路40を保護するため、絶縁膜42上に、表面保護膜(パッシベーション膜)43が積層されている。表面保護膜43としては、特に限定されないが、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜など、素子を水分、ゴミ、傷などから保護するための耐性を有するものを用いることができる。また、表面保護膜43の一部は除去されており、当該除去部分から、半導体回路40が有する4つの接続端子(接続部)410が露出している。
なお、半導体回路40には、例えば、センサーチップ3を駆動するための駆動回路(図示せず)や、ブリッジ回路60からの出力を温度センサーで検知した温度に基づいて温度補償するための温度補償回路(図示せず)等が形成されている。
≪ワイヤー≫
センサーチップ3およびICチップ4は、それぞれ、可撓性配線基板25が備える配線24に電気的に接続されている。具体的には、図2に示すように、センサーチップ3が備える接続端子74b’が、導電性を有するボンディングワイヤー81を介して端子242に接続される。これにより、センサーチップ3は、ボンディングワイヤー81によって配線部241から吊り下げるようにして配置されるとともに、ボンディングワイヤー81を介して配線部241に電気的に接続される。一方、ICチップ4が備える接続端子410が、導電性を有するボンディングワイヤー82を介して端子246に接続される。これにより、ICチップ4は、ボンディングワイヤー82によって配線部245から吊り下げるようにして配置されるとともに、ボンディングワイヤー82を介して配線部245に電気的に接続される。
このようにして接続(配置)されたセンサーチップ3およびICチップ4からなる構造体の全体は、図1に示すように、パッケージ2の内壁に対して固定されておらず、ボンディングワイヤー81、82により内部空間28内に係留されている。すなわち、ボンディングワイヤー81、82により、センサーチップ3およびICチップ4が内部空間28内に留まっている。さらに、前記構造体は、内部空間28内に、ボンディングワイヤー81、82の他に接触することなく、パッケージ2に対して非接触な状態で、ベース21に対してほぼ水平に支持されている。
なお、前記構造体は、パッケージ2の内壁に対して固定されていなければ、接触していてもよい。
このように、物理量センサー1では、前記従来技術のように、センサーチップおよびICチップがパッケージのベースに接着剤を介して接合されることなく、内部空間28内に係留されているため、パッケージ2に生じた歪みに起因する応力がセンサーチップ3およびICチップ4に伝搬されることを低減することができる。そのため、センサーチップ3およびICチップ4の検出性能の低下を低減することができ、物理量センサー1の検出精度の低下を低減することができる。
また、物理量センサー1では、センサーチップ3とICチップ4同士は、その電気的な接続が、配線部241と配線部245との間で行われており、センサーチップ3とICチップ4同士は、例えばバンプ等で直接的に接合されておらず、互いに独立している。このため、センサーチップ3とICチップ4との間での応力の伝達をも抑制することができる。
このようなボンディングワイヤー81、82は、ある程度の剛性を有するとともに、比較的細い長尺状をなし、かつ、湾曲状に撓んでいる部分を有していることで、適度な弾性(柔軟性)を有する。ボンディングワイヤー81、82が適度な剛性を有することで、例えば、物理量センサー1に振動等が加わっても、センサーチップ3およびICチップ4の不本意な位置ズレが生じないように、これらを支持することができる。さらに、ボンディングワイヤー81、82が適度な弾性を有することで、パッケージ2に生じた歪みに起因する応力をボンディングワイヤー81、82にて吸収することができる。そのため、センサーチップ3およびICチップ4の検出性能の低下をより緩和することができる。
また、本実施形態では、物理量センサー1は、図2に示すように、ボンディングワイヤー81を4つ有しており、各ボンディングワイヤー81は、センサーチップ3の4つの角部近傍に設けられている。このように各ボンディングワイヤー81を互いに対照的に配置することで、センサーチップ3をパッケージ2の内壁に対して非接触な状態で、ベース21に対してほぼ水平に支持することが容易となる。なお、ICチップ4についても同様のことがいえる。
また、ボンディングワイヤー81、82が接続されている端子242、246が設けられている基板23は、前述したように柔軟性(可撓性)を有している。そのため、この基板23において、パッケージ2の歪みにより生じた応力をさらに吸収することができる。このように、パッケージ2の歪みにより生じた応力を、前述したボンディングワイヤー81、82に加えて、基板23(可撓性配線基板25)で吸収することができるため、前記応力がセンサーチップ3やICチップ4に伝搬されることがより一層低減される。
なお、ボンディングワイヤー81、82は、その太さが、例えば、0.1μm以上、50μm以下であるのが好ましく、1μm以上、30μm以下であるのがより好ましい。これにより、ボンディングワイヤー81、82は、適度な剛性と柔軟性とを有することができる。
また、ボンディングワイヤー81、82の構成材料としては、特に限定されず、金、アルミニウム、銅等の各種金属材料を用いることができる。
≪充填材≫
図1に示すように、充填材11は、パッケージ2内に形成された内部空間28内に充填され、内部空間28内に収納されたセンサーチップ3およびICチップ4を囲うように設けられている。また、充填材11は、受圧面541およびボンディングワイヤー81、82に接触して設けられている。
このような充填材11は、センサーチップ3およびICチップ4を保護(防塵および防水)するとともに、パッケージ2の開口を介して物理量センサー1に加わった圧力をセンサーチップ3の受圧面541に伝搬する圧力伝搬媒体として機能する。この圧力伝搬媒体として機能する充填材11がセンサーチップ3の受圧面541に接続されていることで、物理量センサー1に加わった圧力は、ハウジング22の開口および充填材11を介して、センサーチップ3の受圧面541に効率よく作用する。
また、充填材11は、例えば、センサーチップ3、ICチップ4、およびパッケージ2よりも軟らかい特性(柔軟性)を有する物質で構成されている。これにより、パッケージ2の歪みを吸収することができ、その歪みによる応力がセンサーチップ3およびICチップ4に伝搬することをより低減することができる。
このような充填材11としては、例えば液状またはゲル状をなしている。特に、ゲル状の充填材11を用いることで、内部空間28内でのセンサーチップ3の位置の変動を低減することができ、よって、物理量センサー1の姿勢の変化の影響を受けずに高精度な検出が可能となる。充填材11がゲル状である場合には、充填材11は、例えば、針入度が50以上、250以下の範囲内であることが好ましく、150以上、250以下の範囲内であることがより好ましい。これにより、充填材11を十分に柔らかくすることができ、物理量センサー1に加わった圧力は、ハウジング22の開口および充填材11を介して、センサーチップ3の受圧面541に効率よく作用させることができるとともに、センサーチップ3およびICチップ4へのパッケージ2の歪みに起因する影響をより緩和することができる。また、内部空間28内でのセンサーチップ3の位置の変動をより低減することができる。
また、充填材11は、柔軟性(軟質性)を有する樹脂を含んでいる。充填材11として、柔軟性(軟質性)を有する樹脂を含むことで、ゲル状の充填材11を容易に得ることができる。
また、充填材11は、絶縁性を有する材料で構成されている。そのため、この絶縁性を有する材料で構成された充填材11が前述したようにボンディングワイヤー81、82に接続されていても、ボンディングワイヤー81およびボンディングワイヤー82間での短絡をより一層防ぐことができる。
また、充填材11の比重は、センサーチップ3およびICチップ4の比重と出来る限り近いことが好ましい。これにより、物理量センサー1の姿勢が変化しても内部空間28内でのセンサーチップ3およびICチップ4の位置の変動を低減することができる。
このような充填材11の具体的な構成材料としては、例えば、フッ素系樹脂およびシリコーン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これにより、充填材11が十分に柔らかくなり、物理量センサー1に加わった圧力を受圧面541により効率よく伝搬することができる。
<第2実施形態>
次に本発明の物理量センサーの第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の物理量センサーの第2実施形態を示す断面図である。図8は、図7に示す物理量センサーの平面図である。なお、図8では、説明の便宜上、ハウジング22の図示を省略している。
以下、物理量センサーの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態の物理量センサー1は、ICチップ4が省略されており、センサーチップ3の構成と配線24の構成とが異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図7に示す物理量センサー1では、センサーチップ3内に設けられた半導体回路(IC回路)9が、前述した第1実施形態の物理量センサー1が備えるICチップ4と同様に、センサー素子6で生成された電気信号に基づいて、センサーチップ3に加わった圧力の大きさを演算する。すなわち、本実施形態では、センサーチップとICチップが一体となっており、ICチップ4が省略されていることで、更なる小型化、低背化を図ることができる。
なお、本実施形態の物理量センサー1では、図8に示すように、配線24は、4つの配線部241を有しており、前述した第1実施形態と比較して、配線部245が省略された構成となっている。なお、これら配線部241は、端子242にボンディングワイヤー81を介して接続端子74b’が接続されることで、センサーチップ3と電気的に接続されている。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に本発明の物理量センサーの第3実施形態について説明する。
図9は、本発明の物理量センサーの第3実施形態を示す断面図である。図10は、図9に示す物理量センサーの平面図である。図11は、図9に示す物理量センサーが有するICチップおよび物理量センサーチップを示す断面図である。なお、図10では、説明の便宜上、ハウジング22の図示を省略している。また、以下の説明では、図9、図11中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、物理量センサーの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第3実施形態の物理量センサー1は、センサーチップ3の向きと、センサーチップ3、ICチップ4および配線24の接続形態とが異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図9に示す物理量センサー1では、センサーチップ3がパッケージ2の開口側に、ICチップ4がベース21側に位置している。センサーチップ3は、図9および図11に示すように、ダイヤフラム54の受圧面541が上側(すなわちICチップ4と反対側)に向くように配置されている。このような配置とすることで、受圧面541をパッケージ2の開口に向けるとともに、パッケージ2の開口に近づけることができるので、物理量センサー1に加わった圧力は、受圧面541に効率よく作用する。これにより、センサーチップ3の圧力検出性能をより向上させることができる。
図11に示すように、ICチップ4は、表面保護膜43の一部が除去されることで当該除去部分から露出した接続端子(接続部)420を有している。そして、この接続端子420が、センサーチップ3が備える接続端子74b’と、導電性を有する固定部材93によって接続されている。これにより、ICチップ4は、センサーチップ3と電気的に接続されている。このようにセンサーチップ3およびICチップ4を固定部材93により接続することで、センサーチップ3およびICチップ4の互いの相対的な位置関係を規制することができ、よって、センサーチップ3とICチップ4の不本意な接触を防止したり、予めセンサーチップ3とICチップ4を組み立てて置くことで、物理量センサー1の製造(組立て)を容易にしたりすることができる。なお、固定部材93としては、導電性を有していれば、特に限定されず、例えば、半田等の金属ろう材、金バンプ等の金属バンプ、導電性接着剤等を用いることができる。
また、図10に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、配線24は、4つの配線部245を有しており、前述した第1実施形態と比較して、配線部241が省略された構成となっている。なお、これら配線部245は、端子246にボンディングワイヤー82を介して接続端子410が接続されることで、ICチップ4と電気的に接続されている。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に本発明の物理量センサーの第4実施形態について説明する。
図12は、本発明の物理量センサーの第4実施形態を示す断面図である。図13は、図12に示す物理量センサーの平面図である。なお、図13(a)は、図12中のA−A線断面図を示しており、図13(b)は、図12中B−B線断面図を示している。また、以下の説明では、図12中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、物理量センサーの第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第4実施形態の物理量センサー1は、パッケージ2の構成が異なり、さらにセンサーチップ3、ICチップ4の接続形態が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図12に示す物理量センサー1では、パッケージ2は、さらに可撓性配線基板29を有しており、ベース21、可撓性配線基板29、可撓性配線基板25およびハウジング22が、この順で積層された構成となっている。なお、ベース21と可撓性配線基板29との接合、可撓性配線基板29と可撓性配線基板25との接合、および、可撓性配線基板25とハウジング22との接合は、それぞれ、接着剤で構成される接着剤層26を介して行われている。
可撓性配線基板29は、ICチップ4からの電気信号を可撓性配線基板25を介してパッケージ2の外部に取り出す機能を有している。この可撓性配線基板29は、図13に示すように、可撓性を有する基板291と、基板291の上面側に形成された配線292とで構成される。
基板291は、その平面視形状が正方形の枠状をなし中心部に開口部294を有する枠状であり、その内縁部が全周にわたって内部空間28内に突出するように配置されている。基板291の構成材料としては、可撓性を有するものであれば、特に限定されず、第1実施形態にて述べた基板23と同様の材料を用いることができる。
配線292は、4つの配線部293を有している。これら配線部293の内部空間28側の端部には、ICチップ4の接続端子410をボンディングワイヤー82を介して電気的に接続する端子295が設けられている。これら配線部293の外側の端部には、ICチップ4とセンサーチップ3とを電気的に接続する導電性接着剤95が接合されている。
このような本実施形態の物理量センサー1では、図12に示すように、センサーチップ3は、ICチップ4の上側に位置し、ダイヤフラム54の受圧面541が下側(すなわちICチップ4側)を向くようにICチップ4に対向配置されている。センサーチップ3をこのように配置することで、受圧面541をICチップ4に接近させることができる。そのため、例えばICチップ4に図示しない温度センサーが設けられている場合には、その温度センサーによって、ダイヤフラム54の温度、如いてはダイヤフラム54に設けられたピエゾ抵抗素子61〜64の温度をより精度よく検知することができ、よって、物理量センサー1の温度制御をより精度よく行うことができる。
また、図13に示すように、本実施形態の物理量センサー1では、可撓性配線基板25が備える配線24は、4つの配線部241を有しており、前述した第1実施形態と比較して、配線部245が省略された構成となっている。なお、これら配線部241は、端子242にボンディングワイヤー81を介して接続端子74b’が接続されることで、センサーチップ3と電気的に接続されている。一方、可撓性配線基板29が備える配線部293には、接続端子410がボンディングワイヤー82を介して接続されることで、ICチップ4が電気的に接続されている。
このように、センサーチップ3を支持するボンディングワイヤー81と、ICチップ4を支持するボンディングワイヤー82とが、それぞれ、異なる可撓性配線基板に接続されていることで、センサーチップ3とICチップ4との間での応力の伝達もより低減することができる。そのため、センサーチップ3およびICチップ4の検出性能の低下をより抑制することができる。
なお、図12に示すように、配線部293と配線部241とは、導電性接着剤95と基板23を貫通する図示しない貫通電極とを介して接続されており、これにより、センサーチップ3とICチップ4とは、電気的に接続されている。導電性接着剤95としては、導電性および接着性を有していれば特に限定されず、例えば、エポキシ系、アクリル系、シリコン系等の樹脂材料に銀粒子等の導電性材料を混合した導電性接着剤や、金バンプ、銀バンプ、銅バンプ等の金属バンプ等を用いることができる。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第5実施形態>
次に物理量センサーの第5実施形態について説明する。
図14は、物理量センサーの第5実施形態が有する物理量センサーチップを示す断面図である。
以下、物理量センサーの第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第5実施形態は、センサーチップが有するセンサー素子の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図14に示すように、本実施形態のセンサー素子6は、ダイヤフラム54上に設けられている固定電極66と、可動電極67とを有している。また、可動電極67は、ダイヤフラム54上に設けられている支持部671と、固定電極66と空隙を隔てて対向配置された可動部672と、支持部671と可動部672とを連結する弾性変形可能な連結部673とを有している。このような構成のセンサーチップ3は、ダイヤフラム54の受圧面541が受ける圧力に応じて、ダイヤフラム54が変形し、これにより、可動部672と固定電極66とのギャップ(離間距離)が変化する。ギャップが変化すると、固定電極66および可動電極67で構成される振動系の共振周波数が変化するため、この共振周波数の変化から、受圧面541で受けた圧力の大きさ(絶対圧)を求めることができる。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
2.高度計
次に、本発明の物理量センサーを備える高度計の一例について説明する。図15は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
図15に示すように、高度計200は、腕時計のように、手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、物理量センサー1が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。
なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
3.電子機器
次に、本発明の物理量センサーを備える電子機器を適用したナビゲーションシステムについて説明する。図16は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
図16に示すように、ナビゲーションシステム300には、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、物理量センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステムによれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。高度情報を得ることにより、例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、本実施形態に係るナビゲーションシステム300では、高度情報を物理量センサー1によって取得することができ、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出し、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
なお、表示部301は、例えば液晶パネルディスプレイや、有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなど、小型かつ薄型化が可能な構成となっている。
なお、本発明の物理量センサーを備える電子機器は、上記のものに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
4.移動体
次いで、本発明の物理量センサーを備える移動体について説明する。図17は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
図17に示すように、移動体400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような移動体400には、ナビゲーションシステム300(物理量センサー1)が内蔵されている。
以上、本発明の物理量センサー、高度計、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、物理量センサーチップが有するセンサー素子としてピエゾ抵抗素子を用いたもの等について説明したが、センサー素子としては、これに限定されず、例えば、櫛歯電極等の他のMEMS振動子や、水晶振動子等の振動素子を用いることもできる。
また、前述した実施形態では、ICチップが、物理量センサーチップと平面視で重なるように配置(上下に重なって配置)されている構成について説明したが、ICチップは、物理量センサーチップの横方向に並んで配置されていてもよい。
1……物理量センサー
2……パッケージ
11……充填材
21……ベース
22……ハウジング
23……基板
231……枠体
232……帯体
233……開口部
24……配線
241、245……配線部
242、246……端子
25……可撓性配線基板
26……接着剤層
28……内部空間
29……可撓性配線基板
291……基板
292……配線
293……配線部
294……開口部
295……端子
3……センサーチップ
5……基板
51……半導体基板
511……第1のSi層
512……SiO
513……第2のSi層
52……第1絶縁膜
53……第2絶縁膜
54……ダイヤフラム
541……受圧面
55……凹部
6……センサー素子
60……ブリッジ回路
61、62、63、64……ピエゾ抵抗素子
611、621、631、641……ピエゾ抵抗部
613、623、633、643……配線
632、642……接続部
7……素子周囲構造体
71……層間絶縁膜
72……配線層
72a、72b……配線層
73……層間絶縁膜
74……配線層
74a、74b……配線層
74b’……接続端子
75……表面保護膜
76……封止層
741……被覆層
742……細孔
8……空洞部
9……半導体回路
91……MOSトランジスタ
4……ICチップ
40……半導体回路
41……半導体基板
42……絶縁膜
43……表面保護膜
410、420……接続端子
81、82……ボンディングワイヤー
93……固定部材
95……導電性接着剤
66……固定電極
67……可動電極
671……支持部
672……可動部
673……連結部
200……高度計
201……表示部
300 :ナビゲーションシステム
301 :表示部
400 :移動体
401 :車体
402 :車輪

Claims (12)

  1. 物理量を検出して電気信号を発生する物理量センサーチップと、
    前記物理量センサーチップを収容している内部空間を有するパッケージと、
    前記パッケージと前記物理量センサーチップとを接続している第1のワイヤーと、を備え、
    前記物理量センサーチップは、前記第1のワイヤーによって前記内部空間に係留されていることを特徴とする物理量センサー。
  2. 液状またはゲル状の充填材に囲まれている請求項1に記載の物理量センサー。
  3. 前記充填材は、柔軟性を有する樹脂を含む請求項2に記載の物理量センサー。
  4. 前記第1のワイヤーは、導電性を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  5. 前記パッケージは、前記内部空間に前記パッケージから少なくとも一部が突出している可撓性配線基板を備え、
    前記第1のワイヤーは、前記内部空間内において前記可撓性配線基板に接続されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  6. 前記内部空間にICチップを配置している請求項1ないし5のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  7. 前記パッケージと前記ICチップとを接続している第2のワイヤーを備え、
    前記ICチップは、前記第2のワイヤーによって前記内部空間に係留されている請求項6に記載の物理量センサー。
  8. 前記ICチップは、前記物理量センサーチップと一体で構成されている請求項6または7に記載の物理量センサー。
  9. 前記物理量センサーチップは、圧力を検出する圧力センサーチップである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の物理量センサー。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする高度計。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする電子機器。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の物理量センサーを備えることを特徴とする移動体。
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