JP2016133401A - 圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動体 - Google Patents

圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動体 Download PDF

Info

Publication number
JP2016133401A
JP2016133401A JP2015008360A JP2015008360A JP2016133401A JP 2016133401 A JP2016133401 A JP 2016133401A JP 2015008360 A JP2015008360 A JP 2015008360A JP 2015008360 A JP2015008360 A JP 2015008360A JP 2016133401 A JP2016133401 A JP 2016133401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure sensor
curable resin
pressure
receiving surface
sensor element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015008360A
Other languages
English (en)
Inventor
中島 敏
Satoshi Nakajima
敏 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2015008360A priority Critical patent/JP2016133401A/ja
Priority to US14/995,480 priority patent/US20160209285A1/en
Priority to CN201610035381.6A priority patent/CN105806539A/zh
Publication of JP2016133401A publication Critical patent/JP2016133401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Abstract

【課題】ダイアフラムの受圧面に気泡が接触し難く、かつ、圧力基準室の両側における応
力バランスが変化し難く、圧力検知精度の低下を低減することのできる圧力センサー、こ
の圧力センサーの製造方法、この圧力センサーを備える高度計、電子機器および移動体を
提供する。
【解決手段】圧力センサー1は、受圧面541を有する圧力センサー素子3と、圧力セン
サー素子3を囲んで配置されている充填材9と、を有している。また、充填材9は、受圧
面541上に配置されている第1の部分91と、天井部81上に配置されている第2の部
分92と、第1の部分91および第2の部分92の周囲に配置されている第3の部分93
とを有している。また、第1の部分91および第2の部分92の硬化率は、第3の部分9
3の硬化率よりも高くなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動体に
関するものである。
従来から、圧力センサーとして、圧力を検出してその検出値に応じた電気信号を発生す
るセンサーチップと、センサーチップを収納するパッケージと、パッケージ内でセンサー
チップを囲み、センサーチップに圧力を伝搬する不活性液体と、を備えた構成が知られて
いる(例えば、特許文献1参照)。このような圧力センサーでは、センサーチップが受圧
によって撓むダイアフラムとダイアフラム上に設けられた圧力基準室とを備えており、パ
ッケージ外の圧力は、不活性液体を介してダイアフラムに作用する。そして、ダイアフラ
ムに圧力が加わることに起因するダイアフラムの撓み量から圧力センサーに加わった圧力
が検出される。
しかしながら、このような構成の圧力センサーでは、例えば、不活性液体をパッケージ
内に充填する際に気泡が発生し易く、この気泡がダイアフラムの受圧面に接触してしまう
と、圧力の検知精度が低下してしまう。また、このような構成の圧力センサーでは、不活
性液体が経時的に硬化することで硬くなり、圧力基準室の一方側(ダイアフラム側)と他
方側(ダイアフラムと反対側)とで応力バランスが変化し、圧力の検知精度が低下してし
まう。
特開平9−126920号公報
本発明の目的は、ダイアフラムの受圧面に気泡が接触し難く、かつ、圧力基準室の両側
における応力バランスが変化し難く、圧力検知精度の低下を低減することのできる圧力セ
ンサー、この圧力センサーの製造方法、この圧力センサーを備える高度計、電子機器およ
び移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例の圧力センサーは、受圧面を有するダイアフラムと、前記ダイアフラムに対し
て前記受圧面とは反対側に配置されている圧力基準室とを有する圧力センサー素子と、
前記圧力センサー素子の周囲に配置されている硬化性樹脂と、を備え、
前記硬化性樹脂は、少なくとも前記受圧面に配置されている第1の部分と、少なくとも
前記圧力基準室に対して前記ダイアフラムとは反対側に配置されている第2の部分と、前
記第1の部分および前記第2の部分の周囲に配置されている第3の部分と、を有し、
前記第1の部分の硬化率および前記第2の部分の硬化率が、それぞれ、前記第3の部分
の硬化率よりも高いことを特徴とする。
これにより、ダイアフラムの受圧面に気泡が接触し難く、かつ、圧力基準室の両側にお
ける応力バランスが変化し難く、圧力検知精度の低下を低減することのできる圧力センサ
ーが得られる。
[適用例2]
本適用例の圧力センサーでは、前記第1の部分の硬化率と前記第2の部分の硬化率の差
が、前記第1の部分の硬化率と前記第3の部分の硬化率の差および前記第2の部分の硬化
率と前記第3の部分の硬化率の差よりも小さいことが好ましい。
これにより、圧力基準室の両側における応力バランスがより安定する。
[適用例3]
本適用例の圧力センサーでは、前記第1の部分、前記第2の部分および前記第3の部分
は、それぞれ、同種の樹脂材料を含んでいることが好ましい。
これにより、第1の部分、第2の部分、第3の部分の硬化率(硬さ)の調節が容易とな
る。
[適用例4]
本適用例の圧力センサーでは、前記圧力センサー素子は、底面が前記受圧面である凹部
を有し、
前記第1の部分は、前記凹部内で前記底面と繋がっている内側面に接続して配置されて
いることが好ましい。
これにより、受圧面に気泡がより接触し難くなる。
[適用例5]
本適用例の圧力センサーでは、前記硬化性樹脂は、熱により硬化することが好ましい。
これにより、硬化性樹脂の硬化を簡単に行うことができる。
[適用例6]
本適用例の圧力センサーでは、前記硬化性樹脂は、光により硬化することが好ましい。
これにより、硬化性樹脂の硬化を簡単に行うことができる。
[適用例7]
本適用例の圧力センサーでは、前記圧力センサー素子を収容するパッケージを有してい
ることが好ましい。
これにより、圧力センサー素子を保護することができるとともに、硬化性樹脂をパッケ
ージ内に溜めることができる。
[適用例8]
本適用例の圧力センサーでは、前記パッケージは、開口を有し、
前記圧力センサー素子は、前記受圧面が前記開口とは異なる方向を向いて配置されてい
ることが好ましい。
これにより、受圧面を保護することができる。
[適用例9]
本適用例の圧力センサーでは、前記第1の部分は、脱泡処理が行われていることが好ま
しい。
これにより、受圧面に気泡がより接触し難くなる。
[適用例10]
本適用例の圧力センサーの製造方法は、受圧面を有するダイアフラムと、前記ダイアフ
ラムに対して前記受圧面とは反対側に配置されている圧力基準室とを有する圧力センサー
素子、互いに同じ成分を含む第1の硬化性樹脂、第2の硬化性樹脂および第3の硬化性樹
脂を用意する工程と、
前記受圧面に前記第1の硬化性樹脂を配置し、前記圧力基準室に対して前記ダイアフラ
ムとは反対側に前記第2の硬化性樹脂を配置する工程と、
前記第1の硬化性樹脂および前記第2の硬化性樹脂を硬化させる工程と、
パッケージに前記圧力センサー素子を配置する工程と、
前記パッケージ内に前記圧力センサー素子、前記第1の硬化性樹脂および前記第2の硬
化性樹脂を囲むように前記第1の硬化性樹脂と同種の第3の硬化性樹脂を配置する工程と

前記パッケージに配置されている、前記第1の硬化性樹脂、前記第2の硬化性樹脂およ
び前記第3の硬化性樹脂を硬化させる工程と、
を含んでいることを特徴とする。
これにより、ダイアフラムの受圧面に気泡が接触し難く、かつ、圧力基準室の両側にお
ける応力バランスが変化し難く、圧力検知精度の低下を低減することのできる圧力センサ
ーが得られる。
[適用例11]
本適用例の圧力センサーの製造方法では、前記第1の硬化性樹脂を硬化させる工程より
も前に、
前記受圧面に配置されている前記第1の硬化性樹脂を脱泡する工程を含んでいることが
好ましい。
これにより、第1の硬化性樹脂中の気泡を除去することができるため、受圧面と気泡の
接触をより効果的に低減することができる。
[適用例12]
本適用例の高度計は、上記適用例の圧力センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い高度計が得られる。
[適用例13]
本適用例の電子機器は、上記適用例の圧力センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
[適用例14]
本適用例の移動体は、上記適用例の圧力センサーを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
本発明の第1実施形態に係る圧力センサーの断面図である。 図1に示す圧力センサーが有する可撓性配線基板の平面図である。 図1に示す圧力センサーが有する圧力センサー素子の断面図である。 図3に示す圧力センサー素子が有する圧力センサー部を示す平面図である。 図4に圧力センサー部を含むブリッジ回路を示す図である。 図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。 図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。 本発明の第2実施形態に係る圧力センサーの断面図である。 本発明の第3実施形態に係る圧力センサーの断面図である。 本発明の高度計の一例を示す斜視図である。 本発明の電子機器の一例を示す正面図である。 本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動
体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーの断面図である。図2は、図1に示
す圧力センサーが有する可撓性配線基板の平面図である。図3は、図1に示す圧力センサ
ーが有する圧力センサー素子の断面図である。図4は、図3に示す圧力センサー素子が有
する圧力センサー部を示す平面図である。図5は、図4に圧力センサー部を含むブリッジ
回路を示す図である。図6ないし図8は、それぞれ、図1に示す圧力センサーの製造方法
を説明するための断面図である。なお、以下の説明では、図3中の上側を「上」、下側を
「下」とも言う。
図1に示す圧力センサー1は、圧力センサー素子3と、圧力センサー素子3と電気的に
接続されているICチップ4と、圧力センサー素子3およびICチップ4を共に収納する
パッケージ2と、パッケージ2内で圧力センサー素子3およびICチップ4を囲む充填材
9と、を有する。以下、これら各部について順に説明する。
≪パッケージ≫
パッケージ2は、圧力センサー素子3を、その内部に形成された内部空間28に収納す
るとともに、固定する機能を有する。このようなパッケージ2によって圧力センサー素子
3が保護されると共に、充填材9を圧力センサー素子3の周囲に配置し易くなる。
図1に示すように、パッケージ2は、ベース21と、ハウジング22と、可撓性配線基
板25と、を有し、ベース21とハウジング22とで可撓性配線基板25を挟み込むよう
にして、これらを互いに接合して構成されている。ベース21と可撓性配線基板25との
接合、および、ハウジング22と可撓性配線基板25との接合は、それぞれ、接着剤で構
成される接着剤層26を介して行われている。
ベース21は、パッケージ2の底面を構成し、箱状(升状)となっている。ベース21
の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジル
コニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物セラミッ
クスのような各種セラミックスや、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボ
ネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂のような各種樹脂材料等の絶縁性材
料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、各種セラミックスであることが好ましい。これにより、優れた機械的強
度を有するパッケージ2を得ることができる。なお、ベース21の平面視形状としては、
その他、例えば、円形状、長方形状、五角形以上の多角形状等をなすものであってもよい
ハウジング22は、パッケージ2の蓋部を構成し、本実施形態では、全体形状が筒状を
なしている。また、ハウジング22は、その外径および内径が、下端から上端に向かって
パッケージ高さの途中まで漸減する第1の部位と、この途中から上端に向かってほぼ一定
となる第2の部位とを有している。ハウジング22の構成材料としては、ベース21の構
成材料として挙げたのと同様のものを用いることができる。なお、ハウジング22の形状
としては、特に限定されない。
可撓性配線基板25は、ベース21とハウジング22との間に位置し、圧力センサー素
子3およびICチップ4をパッケージ2内で支持するとともに、圧力センサー素子3やI
Cチップ4からの電気信号をパッケージ2の外部に取り出す機能を有している。このよう
な可撓性配線基板25は、可撓性を有する基材23と、基材23の上面側に形成された配
線24とで構成される。
また、図2に示すように、基材23は、略四角形の枠状をなし中心部に開口部233を
有する枠部231と、枠部231の一辺において突出するように一体的に形成された帯状
をなす帯体232と、を有している。基材23の構成材料としては、可撓性を有するもの
であれば、特に限定されず、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET
)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)等が挙げら
れ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
配線24は、導電性を有し、図2に示すように、枠部231と帯体232にかけて設け
られ(引き回され)ている。このような配線24は、圧力センサー素子3を支持すると共
に、圧力センサー素子3とICチップ4とを電気的に接続する4つの配線部241と、I
Cチップ4を支持するとともに、ICチップ4に電気的に接続される4つの配線部245
と、を有している。そして、4つの配線部245がそれぞれ帯体232を介してパッケー
ジ2の外部に引き出されている。
4つの配線部241は、それぞれ、圧力センサー素子3側の端部がフライングリード2
41aとなっており、同様に、ICチップ4側の端部もフライングリード241bとなっ
ている。また、4つのフライングリード241aは、その先端側が開口部233内に突出
するように設けられており、先端部において、導電性の固定部材14を介して圧力センサ
ー素子3と電気的に接続されている。また、このフライングリード241aによって、圧
力センサー素子3が枠部231から離間して支持されている。同様に、4つのフライング
リード241bは、その先端側が開口部233内に突出するように設けられており、先端
部において、導電性の固定部材15を介してICチップ4と電気的に接続されている。以
上のような構成とすることで、4つの配線部241を介して圧力センサー素子3とICチ
ップ4とが電気的に接続され、これらの間の通信が可能となっている。なお、固定部材1
4、15としては、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、半田等の金属ろう材
、金バンプ等の金属バンプ、導電性接着剤等を用いることができる。
一方、4つの配線部245は、それぞれ、基端側が帯体232に設けられ、先端側が枠
部231に設けられている。また、4つの配線部245の先端部は、フライングリード2
45aとなっている。4つのフライングリード245aは、それぞれ、その先端側が開口
部233内に突出するように設けられており、先端部において、導電性の固定部材15を
介して、ICチップ4と電気的に接続されている。また、このフライングリード245a
および前述したフライングリード241bによって、ICチップ4が枠部231から離間
して支持されている。
このような構成のパッケージ2によれば、配線部245の端部に、例えば、後述する電
子機器または移動体のマザーボード等を電気的に接続することで、圧力センサー素子3や
ICチップ4からの電気信号をパッケージ2の外部に取り出すことができる。
なお、配線24が有する配線部の数は、特に限定されず、圧力センサー素子3に設けら
れている後述する接続端子743の数や、ICチップ4に設けられている後述する接続端
子42の数に合わせて適宜設定すればよい。また、配線24の構成材料としては、導電性
を有していれば、特に限定されず、例えば、Ni、Pt、Li、Mg、Sr、Ag、Cu
、Co、Al等の金属、これらを含むMgAg、AlLi、CuLi等の合金、ITO、
SnO2等の酸化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用
いることができる。
≪圧力センサー素子≫
図3に示すように、圧力センサー素子3は、基板5と、圧力センサー部6と、素子周囲
構造体7と、空洞部8と、図示しない半導体回路と、を有している。以下、これら各部に
ついて順に説明する。
基板5は、板状をなし、SOI基板(第1のSi層511、SiO層512、第2の
Si層513がこの順で積層している基板)で構成された半導体基板51上に、シリコン
酸化膜(SiO膜)で構成された第1絶縁膜52と、シリコン窒化膜(SiN膜)で構
成された第2絶縁膜53と、をこの順に積層することで構成されている。ただし、半導体
基板51としては、SOI基板に限定されず、例えば、シリコン基板を用いることができ
る。
また、半導体基板51には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形する
ダイアフラム54が設けられている。このダイアフラム54は、半導体基板51の下面に
有底の凹部55を設けることで形成され、その下面(凹部55の底面)が受圧面541と
なっている。
このような半導体基板51上およびその上方には図示しない半導体回路(回路)が作り
込まれている。この半導体回路には、必要に応じて形成されたMOSトランジスタ等の能
動素子、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ダイオードおよび配線等の回路要素が含まれて
いる。
圧力センサー部6は、図4に示すように、ダイアフラム54に設けられている4つのピ
エゾ抵抗素子61、62、63、64を有している。また、ピエゾ抵抗素子61〜64は
、配線等を介して、互いに電気的に接続され、図5に示すブリッジ回路60(ホイートス
トンブリッジ回路)を構成して半導体回路と接続されている。ブリッジ回路60には駆動
電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路
60は、ダイアフラム54の撓みに基づくピエゾ抵抗素子61、62、63、64の抵抗
値変化に応じた信号(電圧)を出力する。なお、ピエゾ抵抗素子61、62、63、64
は、それぞれ、例えば、第1のSi層511にリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散ま
たは注入)することで構成されている。また、これらピエゾ抵抗素子61〜64を接続す
る配線は、例えば、第1のSi層511に、ピエゾ抵抗素子61〜64よりも高濃度でリ
ン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
素子周囲構造体7は、空洞部8を画成するように形成されている。この素子周囲構造体
7は、図3に示すように、層間絶縁膜71と、層間絶縁膜71上に形成された配線層72
と、配線層72および層間絶縁膜71上に形成された層間絶縁膜73と、層間絶縁膜73
上に形成された配線層74と、配線層74および層間絶縁膜73上に形成された表面保護
膜75と、封止層76とを有している。また、配線層74は、空洞部8の内外を連通する
複数の細孔742を備えた被覆層741を有しており、被覆層741上に配置されている
封止層76が細孔742を封止している。なお、圧力センサー1では、空洞部8の上方に
ある被覆層741および封止層76により、空洞部8の天井部(空洞部を画成する壁部の
一部)81が構成されている。
また、配線層72、74は、空洞部8を囲むように形成されている配線層と、半導体回
路の配線を構成する配線層と、を含んでいる。半導体回路は、配線層72、74によって
圧力センサー素子3の上面に引き出され、配線層74の一部が接続端子743となってい
る。そして、この接続端子743が、固定部材14を介してフライングリード241aと
電気的に接続されている(図2参照)。
層間絶縁膜71、73としては、特に限定されないが、例えば、シリコン酸化膜(Si
膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層72、74としては、特に限定
されないが、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層7
6としては、特に限定されないが、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜を用いるこ
とができる。また、表面保護膜75としては、特に限定されないが、シリコン酸化膜、シ
リコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜など、素子を水分、ゴミ、傷などから保護
するための耐性を有するものを用いることができる。
基板5と素子周囲構造体7とで画成された空洞部8は、密閉された空間であり、圧力セ
ンサー素子3が検出する圧力の基準値となる圧力基準室として機能する。このような空洞
部8は、ダイアフラム54の受圧面541とは反対側に位置し、また、ダイアフラム54
と重なるように配置されている。また、空洞部8は、真空状態(例えば10Pa以下)と
なっている。これにより、圧力センサー素子3を、真空状態を基準として圧力を検出する
所謂「絶対圧センサー素子」として用いることができる。ただし、空洞部8は、真空状態
でなくてもよく、例えば、大気圧状態であってもよいし、大気圧よりも気圧が低い減圧状
態であってもよいし、大気圧よりも気圧が高い加圧状態であってもよい。
以上のような構成の圧力センサー素子3は、図1に示すように、ダイアフラム54の受
圧面541をパッケージ2の底部側に向けた姿勢でパッケージ2内に収容されている。こ
のような配置とすることで、例えば、パッケージ2の開口を介して侵入してきた異物から
受圧面541を保護することができる。また、第1の部分91が凹部55からはみ出して
湾曲凸形状の表面911を有しているため、パッケージ2内に第2の硬化性樹脂92Aを
充填する際において、圧力センサー素子3の下面に気泡が残り難くなる(気泡が表面91
1に導かれて自然に除去される)。そのため、充填材9中の気泡をより抑えることができ
る。
≪ICチップ≫
ICチップ4には、例えば、ブリッジ回路60に電圧を供給するための駆動回路や、ブ
リッジ回路60からの出力を温度補償するための温度補償回路や、温度補償回路からの出
力から加わった圧力を求める圧力検出回路や、圧力検出回路からの出力を所定の出力形式
(CMOS、LV−PECL、LVDS等)に変換して出力する出力回路等が含まれてい
る。このようなICチップ4は、前記回路に接続されている接続端子42を有し、この接
続端子42が、固定部材15を介してフライングリード245aと電気的に接続されてい
る(図2参照)。なお、駆動回路、温度補償回路、圧力検出回路、出力回路等の配置は特
に限定されず、例えば、これらのうちの一部(例えば、駆動回路)が圧力センサー素子3
内の半導体回路に形成されていてもよい。
≪充填材≫
図1に示すように、充填材9は、パッケージ2の内部空間28内に充填され、内部空間
28内に収納された圧力センサー素子3およびICチップ4を囲っている。この充填材9
により、圧力センサー素子3およびICチップ4を保護(防塵および防水)するとともに
、圧力センサー1に作用した外部応力(圧力以外の応力)を低減することができる。なお
、圧力センサー1に加わった圧力は、パッケージ2の開口および充填材9を介して、圧力
センサー素子3の受圧面541に作用する。
このような充填材9は、硬化性樹脂を主成分としている。前記硬化性樹脂としては、特
に、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂(特に、紫外線硬化性)であることが好ましい。こ
れにより、硬化性樹脂の効果をより簡単に行うことができる。また、このような充填材9
としては、硬化性を有し、圧力センサー素子3、ICチップ4およびパッケージ2よりも
軟らかい特性を有する物質であればよく、例えば、液状またはゲル状をなしている。この
ような充填材9の具体的な例としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素系オイル、シ
リコーンゲル等を用いることができる。なお、充填材9には、例えば、熱伝導性を高める
目的や粘度を調整する目的等で各種フィラーが混合されていてもよい。
また、充填材9は、硬化率(樹脂硬化度)の異なる部分(領域)を有している。具体的
には、充填材9は、圧力センサー素子3の受圧面541と、凹部55内で受圧面541の
周囲と繋がっている内側面とに、凹部55を埋めるように配置されている第1の部分91
と、圧力センサー素子3の天井部81上(空洞部8に対してダイアフラム54と反対側)
に、平面視で天井部81(空洞部8)を内包するように配置されている第2の部分92と
、第1の部分91および第2の部分92の周囲に位置し、第1の部分91、第2の部分9
2および圧力センサー素子3を囲む第3の部分93と、を有している。そして、第1の部
分91および第2の部分92の硬化率がほぼ等しく、さらに、第1の部分91および第2
の部分92の硬化率の方が第3の部分93の硬化率よりも高くなっている。すなわち、第
1の部分91および第2の部分92の方が第3の部分93よりも硬く(針入度が低く)な
っている。なお、第1の部分91、第2の部分92および第3の部分93は、互いに同種
の樹脂材料を主成分としており、実質的に硬化率(硬さ)だけが異なっている。
ここで、上記のことを言い換えると、第1の部分91の硬化率と第2の部分92の硬化
率の差が、第1の部分91の硬化率と第3の部分93の硬化率の差および第2の部分92
の硬化率と第3の部分93の硬化率の差よりも小さくなっているとも言える。
このような構成とすることで、第1に、受圧面541に気泡が接触し難くなり、圧力検
出精度の変動や低下を低減することができる。そのため、優れた圧力検出精度を発揮する
ことのできる圧力センサー1となる。具体的には、充填材9を内部空間28に充填する際
に充填材9内に気泡が発生する場合があり、この気泡が充填材9内を移動して受圧面54
1に接触してしまうと、気泡がクッションのように作用して、その部分において圧力が適
切に受圧面541に伝達されなくなる。そのため、受圧面541に気泡が接触してしまう
と、圧力検出精度の変動や低下が発生する。
これに対して、本実施形態の圧力センサー1では、受圧面541を覆っている第1の部
分91の硬化率が第2の部分92の硬化率よりも高いため、例えば、第2の部分92から
第1の部分91への気泡の侵入や、第1の部分91内での気泡の移動が効果的に抑制され
ている。そのため、受圧面541に気泡が接触し難くなり、圧力検出精度の変動や低下を
低減することができる。
第2に、空洞部8に加わる応力バランスが変化し難く、経時的な圧力検知精度の低下を
低減することができる。具体的には、空洞部8の下側(受圧面541側)には、受圧面5
41上に第1の部分91が配置されており、上側(天井部81側)には、天井部81上に
第2の部分92が配置されている。これら第1の部分91および第2の部分92は、第3
の部分93に比べて硬化率が高いため(硬化が進んでいるため)、その後の経時的な硬化
率(硬さ)の変化が第3の部分93に比べて少ない。そのため、空洞部8を挟んだ両側(
上側と下側)における応力バランスが変化し難く、空洞部8が安定した状態を維持するこ
とができる。そのため、圧力センサー1の圧力検出精度の経時的な低下を低減することが
できる。
第1の部分91、第2の部分92および第3の部分93の硬化率としては、第1の部分
91および第2の部分92の硬化率が第3の部分93の硬化率よりも高ければ、特に限定
されず、材料によっても異なる。例えば、第1の部分91および第2の部分92の硬化率
は、それぞれ、40%以上、90%以下の範囲内であることが好ましく、50%以上、8
0%以下の範囲内であることがより好ましい。また、第3の部分93の硬化率は、10%
以上、60%以下の範囲内であることが好ましく、20%以上、40%以下の範囲内であ
ることがより好ましい。第1の部分91、第2の部分92および第3の部分93の硬化率
をそれぞれこのような範囲とすることで、第3の部分93をパッケージ2の開口から流出
しない程度の粘度にすることができ、第1の部分91をその内部を気泡が移動しない程度
の粘度とすることができ、空洞部8を挟んだ両側における応力バランスがより変化し難く
なる。
また、第1の部分91、第2の部分92および第3の部分93の粘度としては、第1の
部分91および第2の部分92の粘度が第3の部分93の粘度よりも高ければ、特に限定
されない。例えば、第1の部分91および第2の部分92の針入度が、それぞれ、50以
上、200以下の範囲内であることが好ましく、150以上、200以下の範囲内である
ことがより好ましい。また、第3の部分93の針入度が100以上、250以下の範囲内
であることが好ましく、200以上、250以下の範囲内であることがより好ましい。こ
れにより、充填材9を十分に柔らかくすることができ、圧力センサー1に加わった圧力が
受圧面541に効率的に作用すると共に、第1の部分91についてはその内部での気泡の
移動を効果的に抑えることができる。また、第1の部分91および第2の部分92がより
適度な硬さとなり、空洞部8を挟んだ両側における応力バランスがより変化し難くなる。
なお、硬化率の測定は、FT−IRを用いた測定や蛍光測定などにより行うことができる
。また、針入度は、JIS K 2207に規定の試験方法に準拠した方法で測定するこ
とができる。
特に、本実施形態では、第1の部分91、第2の部分92および第3の部分93が同種
の材料(同じ樹脂材料)で構成されているため、充填材9の構成がより簡単なものとなる
と共に、第1の部分91、第2の部分92および第3の部分93の硬化率の調整がより容
易となる。また、本実施形態では、第1の部分91が凹部55の全域を埋めるように配置
されているため、第3の部分93を十分に受圧面541から遠ざけることができる。その
ため、受圧面541に気泡がより接触し難くなり、圧力検出精度の変動や低下をより低減
することができる。また、本実施形態では、第1の部分91が凹部55の全域を埋めるこ
とができる最小限に留められているため(図3に示すように、基板5の下面の全域を覆っ
ていないため、すなわち、下面の縁部を除く凹部55の周囲だけを覆っているため)、圧
力が受圧面541へ伝達され難くなることが低減されている。
また、本実施形態では、第2の部分92が第1の部分91とほぼ同じ硬化率であるため
、空洞部8を挟んだ両側における応力バランスがより安定する。特に、本実施形態では、
第2の部分92が平面視で天井部81(空洞部8)を内包するように配置されているため
、上述した効果がより顕著なものとなる。ただし、第2の部分92の硬化率としては、第
3の部分93の硬化率よりも高ければ、第1の部分91の硬化率と異なっていてもよい。
また、平面視で、天井部81の一部(例えば縁部)が第2の部分92からはみ出していて
もよい。
また、第1の部分91は、脱泡処理が行われていることが好ましい。これにより、第1
の部分91内の気泡を除去することができる。そのため、もともと第1の部分91内にあ
る気泡が受圧面541に接触してしまうことを効果的に低減することができる。なお、脱
泡処理としては、特に限定されないが、例えば、後述する製造方法でも説明するような真
空引きを行う方法が挙げられる。
以上、圧力センサー1の構成について説明した。
なお、本実施形態では、第1の部分91と第2の部分92とが別体として形成され、互
いに離間しているが、例えば、第1の部分91と第2の部分92とが繋がっており(一体
化されており)、第1の部分91と第2の部分92とで圧力センサー素子3が覆われてい
てもよい。
次に、圧力センサー1の製造方法について説明する。
圧力センサー1の製造方法は、圧力センサー素子3、第1の硬化性樹脂91A、第2の
硬化性樹脂92Aおよび第3の硬化性樹脂93Aを用意する工程と、圧力センサー素子3
の受圧面541に第1の硬化性樹脂91Aを配置し、天井部81に第2の硬化性樹脂92
Aを配置する工程と、第1の硬化性樹脂91Aおよび第2の硬化性樹脂92Aを硬化(半
硬化)させる工程と、パッケージ2に圧力センサー素子3を配置する工程と、パッケージ
2内に圧力センサー素子3、第1の硬化性樹脂91Aおよび第2の硬化性樹脂92Aを囲
むように第3の硬化性樹脂93Aを配置し、パッケージ2に配置されている第1の硬化性
樹脂91A、第2の硬化性樹脂92Aおよび第3の硬化性樹脂93Aを硬化(半硬化)さ
せる工程と、を含んでいる。
以下、詳細に説明するが、説明の便宜上、第1の硬化性樹脂91A、第2の硬化性樹脂
92Aおよび第3の硬化性樹脂93Aとしては、それぞれ、同じ熱硬化性樹脂を用いるも
のとし、製造に供する前の硬化率も互いに等しいものとする。
まず、図6(a)に示すように、圧力センサー素子3およびICチップ4を可撓性配線
基板25に接続する。
次に、図6(b)に示すように、天井部81を鉛直方向上側に向けた状態で天井部81
上に第2の硬化性樹脂92Aを供給する。次に、図6(c)に示すように、圧力センサー
素子3をひっくり返し、受圧面541(凹部55の開口)を鉛直方向上側に向けた状態で
凹部55内に凹部55を埋め尽くす程度に第1の硬化性樹脂91Aを供給する。なお、圧
力センサー素子3をひっくり返した際に第2の硬化性樹脂92Aが滴下してしまう場合に
は、圧力センサー素子3をひっくり返す前に第2の硬化性樹脂92Aに熱を加えて滴下な
い程度に硬化させてもよい。ただし、その場合には、第1の部分91と第2の部分92の
硬化率が互いに異なるものとなる。
次に、受圧面541(凹部55の開口)を鉛直方向上側に向けた状態で、圧力センサー
素子3を真空チャンバー内に配置して真空引きすることで、第1の硬化性樹脂91Aを脱
泡する。これにより、第1の硬化性樹脂91A内から気泡が除去される。次に、第1の硬
化性樹脂91Aおよび第2の硬化性樹脂92Aに同条件で熱を加えて第1の硬化性樹脂9
1Aおよび第2の硬化性樹脂92Aを半硬化させる。例えば、第1の硬化性樹脂91Aお
よび第2の硬化性樹脂92Aがシリコーンオイル(硬化率0%)の場合、例えば、150
°×30分の条件で半硬化させるのが好ましい。また、このときの第1の硬化性樹脂91
Aおよび第2の硬化性樹脂92Aの硬化率としては、特に限定されないが、例えば、20
%以上、40%以下程度とすることが好ましい。
次に、図7(a)に示すように、可撓性配線基板25をベース21とハウジング22と
で挟み込み、これらを接着材で互いに接合する。これにより、パッケージ2内に、圧力セ
ンサー素子3およびICチップ4が収容された状態なる。
次に、図7(b)に示すように、パッケージ2の内部空間28内に第3の硬化性樹脂9
3Aを充填し、第3の硬化性樹脂93Aによって圧力センサー素子3およびICチップ4
が囲まれた状態とする。
次に、第1の硬化性樹脂91A、第2の硬化性樹脂92Aおよび第3の硬化性樹脂93
Aに同条件で熱を加えて、第1の硬化性樹脂91A、第2の硬化性樹脂92Aおよび第3
の硬化性樹脂93Aを半硬化させる。第1の硬化性樹脂91A、第2の硬化性樹脂92A
および第3の硬化性樹脂93Aがシリコーンオイルの場合、例えば、150°×30分の
条件で半硬化させることが好ましい。また、このときの第1の硬化性樹脂91Aおよび第
2の硬化性樹脂92Aの硬化率としては特に限定されないが、例えば、40%以上、90
%以下程度であるのが好ましく、第3の硬化性樹脂93Aの硬化率としては、例えば、1
0%以上、60%以下程度であるのが好ましい。なお、第1の硬化性樹脂91A、第2の
硬化性樹脂92Aおよび第3の硬化性樹脂93Aは、同種の樹脂材料であるため、硬化時
間の等しい第1の硬化性樹脂91Aおよび第2の硬化性樹脂92Aの硬化率がほぼ等しく
なる。また、硬化時間の長い(硬化を2度行っている)第1の硬化性樹脂91Aおよび第
2の硬化性樹脂92Aの方が、硬化時間の短い(硬化を1度しか行っていない)第3の硬
化性樹脂93Aよりも硬化率が高くなる。これにより、第1の硬化性樹脂91Aからなる
第1の部分91と、第2の硬化性樹脂92Aからなる第2の部分92と、第3の硬化性樹
脂93Aからなる第3の部分93と、を有する充填材9が得られる。
以上により、図8に示すように、圧力センサー1が製造される。
このような製造方法によれば、比較的簡単な方法で、圧力センサー1を製造することが
できる。特に、第1の硬化性樹脂91Aを硬化させる前に、第1の硬化性樹脂91Aを脱
泡する工程を含んでいるため、第1の部分91内の気泡が除去され、より圧力検出精度の
高い圧力センサー1となる。なお、前述した製造方法において、第1の硬化性樹脂91A
、第2の硬化性樹脂92Aおよび第3の硬化性樹脂93Aを硬化させるのに先立って、第
3の硬化性樹脂93Aの脱泡を行ってもよい。これにより、第3の部分93中の気泡を十
分に減らすことができる。
なお、本実施形態では、第1の硬化性樹脂91A、第2の硬化性樹脂92Aおよび第3
の硬化性樹脂93Aとして熱硬化性樹脂を用いているが、第1の硬化性樹脂91A、第2
の硬化性樹脂92Aおよび第3の硬化性樹脂93Aとしては、光硬化性樹脂を用いてもよ
い。この場合には、熱に替えて光(例えば、紫外線)を照射することで各硬化性樹脂に硬
化させることができる。
上述した実施形態では、硬化性樹脂の硬化率が100%未満(例えば半硬化)であって
も「硬化する」と記述した。
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーの断面図である。
以下、圧力センサーの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点
を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第2実施形態は、パッケージ内での圧力センサー素子の向きが異なること以外は、前述
した第1実施形態と同様である。
図9に示すように、本実施形態の圧力センサー1では、圧力センサー素子3は、ダイア
フラム54の受圧面541をパッケージ2の開口側に向けた姿勢でパッケージ2内に収容
されている。このような配置とすることで、受圧面541をパッケージ2の開口に近づけ
ることができるので、圧力センサー1に加わった圧力は、より効率的に受圧面541に作
用する。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮するこ
とができる。
<第3実施形態>
図10は、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーの断面図である。
以下、圧力センサーの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点
を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
第3実施形態は、パッケージ内での圧力センサー素子およびICチップの配置が異なる
こと以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図10に示すように、本実施形態の圧力センサー1では、圧力センサー素子3とICチ
ップ4とが厚さ方向に重なって配置されている。これにより、圧力センサー1の平面的な
広がりを抑えることができ、圧力センサー1の小型化を図ることができる。なお、本実施
形態では、圧力センサー素子3をICチップ4の上側に配置しているが、反対に、圧力セ
ンサー素子3をICチップ4の下側に配置してもよい。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮するこ
とができる。
[高度計]
次に、本発明の圧力センサーを備える高度計の一例について説明する。
図11は、本発明の高度計の一例を示す斜視図である。
図11に示すように、高度計200は、腕時計のように手首に装着することができる。
また、高度計200の内部には、圧力センサー1が搭載されており、表示部201に現在
地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示
部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる
[電子機器]
次に、本発明の圧力センサーを備える電子機器を適用したナビゲーションシステムにつ
いて説明する。
図12は、本発明の電子機器の一例を示す正面図である。
図12に示すように、ナビゲーションシステム300には、図示しない地図情報と、G
PS(全地球測位システム:Global Positioning System)か
らの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる
自立航法手段と、圧力センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部3
01とを備えている。
このナビゲーションシステムによれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得する
ことができる。高度情報を得ることにより、例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位
置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には、一般道路を走行してい
るのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報と
して一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、本実施形態に係るナビゲ
ーションシステム300では、高度情報を圧力センサー1によって取得することができ、
一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出し、高架道路の走行状態にお
けるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
なお、本発明の圧力センサーを備える電子機器としては、上記のものに限定されず、例
えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血
糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば
、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
[移動体]
次いで、本発明の圧力センサーを備える移動体について説明する。
図13は、本発明の移動体の一例を示す斜視図である。
図13に示すように、移動体400は、車体401と、4つの車輪402とを有してお
り、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転さ
せるように構成されている。このような移動体400には、ナビゲーションシステム30
0(圧力センサー1)が内蔵されている。
以上、本発明の圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動
体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく
、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、
他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせ
てもよい。
また、前述した実施形態では、圧力センサーが有する圧力センサー部としてピエゾ抵抗
素子を用いたものについて説明したが、圧力センサー部としては、これに限定されず、例
えば、フラップ型の振動子を用いた構成や、櫛歯電極等の他のMEMS振動子や、水晶振
動子等の振動素子を用いることもできる。
また、前述した実施形態では、配線部と圧力センサー素子およびICチップとをフライ
ングリードで接続しているが、これらの接続方法としては、これに限定されず、例えば、
ボンディングワイヤーを介して接続してもよい。
また、前述した実施形態では、圧力センサーがICチップを備えているが、ICチップ
は、省略してもよい。
1……圧力センサー
14、15……固定部材
2……パッケージ
21……ベース
22……ハウジング
23……基材
231……枠部
232……帯体
233……開口部
24……配線
241……配線部
241a、241b……フライングリード
245……配線部
245a……フライングリード
25……可撓性配線基板
26……接着剤層
28……内部空間
3……圧力センサー素子
4……ICチップ
42……接続端子
5……基板
51……半導体基板
511……第1のSi層
512……SiO
513……第2のSi層
52……第1絶縁膜
53……第2絶縁膜
54……ダイアフラム
541……受圧面
55……凹部
6……圧力センサー部
60……ブリッジ回路
61、62、63、64……ピエゾ抵抗素子
7……素子周囲構造体
71……層間絶縁膜
72……配線層
73……層間絶縁膜
74……配線層
741……被覆層
742……細孔
743……接続端子
75……表面保護膜
76……封止層
8……空洞部
81……天井部
9……充填材
91……第1の部分
911……表面
91A……第1の硬化性樹脂
92……第2の部分
92A……第2の硬化性樹脂
93……第3の部分
93A……第3の硬化性樹脂
200……高度計
201……表示部
300……ナビゲーションシステム
301……表示部
400……移動体
401……車体
402……車輪

Claims (14)

  1. 受圧面を有するダイアフラムと、前記ダイアフラムに対して前記受圧面とは反対側に配
    置されている圧力基準室とを有する圧力センサー素子と、
    前記圧力センサー素子の周囲に配置されている硬化性樹脂と、を備え、
    前記硬化性樹脂は、少なくとも前記受圧面に配置されている第1の部分と、少なくとも
    前記圧力基準室に対して前記ダイアフラムとは反対側に配置されている第2の部分と、前
    記第1の部分および前記第2の部分の周囲に配置されている第3の部分と、を有し、
    前記第1の部分の硬化率および前記第2の部分の硬化率が、それぞれ、前記第3の部分
    の硬化率よりも高いことを特徴とする圧力センサー。
  2. 前記第1の部分の硬化率と前記第2の部分の硬化率の差が、前記第1の部分の硬化率と
    前記第3の部分の硬化率の差および前記第2の部分の硬化率と前記第3の部分の硬化率の
    差よりも小さい請求項1に記載の圧力センサー。
  3. 前記第1の部分、前記第2の部分および前記第3の部分は、それぞれ、同種の樹脂材料
    を含んでいる請求項1または2に記載の圧力センサー。
  4. 前記圧力センサー素子は、底面が前記受圧面である凹部を有し、
    前記第1の部分は、前記凹部内で前記底面と繋がっている内側面に接続して配置されて
    いる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧力センサー。
  5. 前記硬化性樹脂は、熱により硬化する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の圧力セ
    ンサー。
  6. 前記硬化性樹脂は、光により硬化する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧力セ
    ンサー。
  7. 前記圧力センサー素子を収容するパッケージを有している請求項1ないし6のいずれか
    1項に記載の圧力センサー。
  8. 前記パッケージは、開口を有し、
    前記圧力センサー素子は、前記受圧面が前記開口とは異なる方向を向いて配置されてい
    る請求項7に記載の圧力センサー。
  9. 前記第1の部分は、脱泡処理が行われている請求項1ないし8のいずれか1項に記載の
    圧力センサー。
  10. 受圧面を有するダイアフラムと、前記ダイアフラムに対して前記受圧面とは反対側に配
    置されている圧力基準室とを有する圧力センサー素子、互いに同じ成分を含む第1の硬化
    性樹脂、第2の硬化性樹脂および第3の硬化性樹脂を用意する工程と、
    前記受圧面に前記第1の硬化性樹脂を配置し、前記圧力基準室に対して前記ダイアフラ
    ムとは反対側に前記第2の硬化性樹脂を配置する工程と、
    前記第1の硬化性樹脂および前記第2の硬化性樹脂を硬化させる工程と、
    パッケージに前記圧力センサー素子を配置する工程と、
    前記パッケージ内に前記圧力センサー素子、前記第1の硬化性樹脂および前記第2の硬
    化性樹脂を囲むように前記第1の硬化性樹脂と同種の第3の硬化性樹脂を配置する工程と

    前記パッケージに配置されている、前記第1の硬化性樹脂、前記第2の硬化性樹脂およ
    び前記第3の硬化性樹脂を硬化させる工程と、
    を含んでいることを特徴とする圧力センサーの製造方法。
  11. 前記第1の硬化性樹脂を硬化させる工程よりも前に、
    前記受圧面に配置されている前記第1の硬化性樹脂を脱泡する工程を含んでいる請求項
    10に記載の圧力センサーの製造方法。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力センサーを備えることを特徴とする高度
    計。
  13. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力センサーを備えることを特徴とする電子
    機器。
  14. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力センサーを備えることを特徴とする移動
    体。
JP2015008360A 2015-01-20 2015-01-20 圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動体 Pending JP2016133401A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015008360A JP2016133401A (ja) 2015-01-20 2015-01-20 圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動体
US14/995,480 US20160209285A1 (en) 2015-01-20 2016-01-14 Pressure sensor, method of manufacturing pressure sensor, altimeter, electronic apparatus, and moving object
CN201610035381.6A CN105806539A (zh) 2015-01-20 2016-01-19 压力传感器及其制造方法、高度计、电子设备及移动体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015008360A JP2016133401A (ja) 2015-01-20 2015-01-20 圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016133401A true JP2016133401A (ja) 2016-07-25

Family

ID=56437933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015008360A Pending JP2016133401A (ja) 2015-01-20 2015-01-20 圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016133401A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9863828B2 (en) Physical quantity sensor, electronic device, altimeter, electronic apparatus, and mobile object
US20160209285A1 (en) Pressure sensor, method of manufacturing pressure sensor, altimeter, electronic apparatus, and moving object
JP2016003977A (ja) 物理量センサー装置、高度計、電子機器および移動体
US20170089789A1 (en) Pressure sensor, altimeter, electronic apparatus, and moving object
US20160258828A1 (en) Pressure sensor, portable apparatus, electronic apparatus, and moving object
US20170250118A1 (en) Electronic device, altimeter, electronic apparatus, and moving object
US20180282148A1 (en) Pressure sensor, manufacturing method of pressure sensor, pressure sensor module, electronic device, and vehicle
US20180252607A1 (en) Pressure sensor, pressure sensor module, electronic apparatus, and vehicle
US20180266910A1 (en) Pressure sensor, pressure sensor module, electronic apparatus, and vehicle
JP2016003993A (ja) 電子装置、電子装置の製造方法、電子機器および移動体
US20180275004A1 (en) Pressure sensor, manufacturing method of pressure sensor, pressure sensor module, electronic device, and vehicle
JP2016133401A (ja) 圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動体
JP2015230237A (ja) 物理量センサー、高度計、電子機器および移動体
JP2016133398A (ja) 圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動体
JP6340940B2 (ja) 圧力センサー、高度計、電子機器および移動体
US20180266907A1 (en) Pressure sensor, pressure sensor module, electronic apparatus, and vehicle
JP2018048974A (ja) 圧力センサー、圧力センサーモジュールおよび電子機器
JP2017129540A (ja) 圧力センサー、高度計、電子機器および移動体
JP2015143634A (ja) 圧力センサー、高度計、電子機器および移動体
JP2017190992A (ja) センサーデバイス、携帯機器、電子機器及び移動体
JP2018004463A (ja) 物理量センサー、高度計、電子機器および移動体
JP2018165651A (ja) センサー装置、電子機器および移動体
JP2015179001A (ja) 物理量センサー、高度計、電子機器および移動体
JP2016138872A (ja) 圧力センサー素子、圧力センサー、高度計、電子機器および移動体
JP2017166857A (ja) 圧力センサー、圧力センサーの製造方法、高度計、電子機器および移動体