JP2018048974A - 圧力センサー、圧力センサーモジュールおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力検知精度の低下を抑制することのできる圧力センサー、圧力センサーモジュールおよび電子機器を提供する。【解決手段】圧力センサーは、受圧により撓み変形するダイアフラムと、前記ダイアフラムの一方の面側に配置されている圧力基準室と、を有する本体部と、前記本体部を支持する支持部と、前記本体部と前記支持部とを接続する応力緩和部と、を有する。また、前記応力緩和部は、弾性変形可能であり、少なくとも1つのバネ部を有している。【選択図】図1
Description
本発明は、圧力センサー、圧力センサーモジュールおよび電子機器に関するものである。
従来から、圧力センサーモジュールとして、例えば、特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1の圧力センサーモジュールは、受圧により撓み変形するダイアフラムを有するセンサチップを有し、このセンサチップは、補強板を介して台座に固定されている。
しかしながら、このような構成の圧力センサーモジュールでは、圧力以外の応力(例えば、センサチップと補強板との熱膨張係数の差に起因して発生する熱応力)がセンサチップに伝わり易く、圧力検知精度が低下してしまう。
本発明の目的は、圧力検知精度の低下を抑制することのできる圧力センサー、圧力センサーモジュールおよび電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の圧力センサーは、受圧により撓み変形するダイアフラムと、前記ダイアフラムの一方の面側に配置されている圧力基準室と、を有する本体部と、
前記本体部を支持する支持部と、
前記本体部と前記支持部とを接続する応力緩和部と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、圧力センサーを支持部において対象物に固定すれば、応力(例えば、圧力センサーと対象物との熱膨張係数の差に起因して発生する熱応力、対象物に加わる応力等)が応力緩和部によって緩和、吸収されるため、ダイアフラムに検出すべき圧力以外の応力が伝わり難くなる。そのため、圧力検知精度の低下を抑制することのできる圧力センサーが得られる。
前記本体部を支持する支持部と、
前記本体部と前記支持部とを接続する応力緩和部と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、圧力センサーを支持部において対象物に固定すれば、応力(例えば、圧力センサーと対象物との熱膨張係数の差に起因して発生する熱応力、対象物に加わる応力等)が応力緩和部によって緩和、吸収されるため、ダイアフラムに検出すべき圧力以外の応力が伝わり難くなる。そのため、圧力検知精度の低下を抑制することのできる圧力センサーが得られる。
本発明の圧力センサーでは、前記応力緩和部は、弾性変形可能であることが好ましい。
これにより、応力緩和部が弾性変形することで、効果的に応力を緩和、吸収することができる。
これにより、応力緩和部が弾性変形することで、効果的に応力を緩和、吸収することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記応力緩和部は、少なくとも1つのバネ部を有していることが好ましい。
これにより、応力緩和部の構成が簡単なものとなる。
これにより、応力緩和部の構成が簡単なものとなる。
本発明の圧力センサーでは、前記ダイアフラムの厚さ方向から見た平面視で、互いに交差する方向を第1方向および第2方向としたとき、
前記応力緩和部は、前記バネ部として、前記本体部の前記第1方向の両側に配置されている一対の第1バネ部と、前記本体部の前記第2方向の両側に配置されている一対の第2バネ部と、を有することが好ましい。
これにより、本体部の姿勢が安定する。
前記応力緩和部は、前記バネ部として、前記本体部の前記第1方向の両側に配置されている一対の第1バネ部と、前記本体部の前記第2方向の両側に配置されている一対の第2バネ部と、を有することが好ましい。
これにより、本体部の姿勢が安定する。
本発明の圧力センサーでは、前記第1バネ部は、前記第2方向に往復するように蛇行し、
前記第1バネ部の前記第2方向に沿う長さは、前記本体部の前記第2方向に沿う長さよりも長く、
前記第2バネ部は、前記第1方向に往復するように蛇行し、
前記第2バネ部の前記第1方向に沿う長さは、前記本体部の前記第1方向に沿う長さよりも長いことが好ましい。
これにより、第1バネ部および第2バネ部がより弾性変形し易くなる。
前記第1バネ部の前記第2方向に沿う長さは、前記本体部の前記第2方向に沿う長さよりも長く、
前記第2バネ部は、前記第1方向に往復するように蛇行し、
前記第2バネ部の前記第1方向に沿う長さは、前記本体部の前記第1方向に沿う長さよりも長いことが好ましい。
これにより、第1バネ部および第2バネ部がより弾性変形し易くなる。
本発明の圧力センサーでは、前記応力緩和部は、前記支持部および前記本体部の少なくとも一方と一体であることが好ましい。
これにより、圧力センサーの構成が簡単なものとなる。
これにより、圧力センサーの構成が簡単なものとなる。
本発明の圧力センサーモジュールは、本発明の圧力センサーと、
前記圧力センサーが配置されているベースと、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、圧力センサーを支持部においてベースに固定すれば、応力(例えば、圧力センサーとベースとの熱膨張係数の差に起因して発生する熱応力、ベースに加わる応力等)が応力緩和部によって緩和、吸収されるため、ダイアフラムに圧力以外の応力が伝わり難くなる。そのため、圧力検知精度の低下を抑制することのできる圧力センサーモジュールが得られる。
前記圧力センサーが配置されているベースと、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、圧力センサーを支持部においてベースに固定すれば、応力(例えば、圧力センサーとベースとの熱膨張係数の差に起因して発生する熱応力、ベースに加わる応力等)が応力緩和部によって緩和、吸収されるため、ダイアフラムに圧力以外の応力が伝わり難くなる。そのため、圧力検知精度の低下を抑制することのできる圧力センサーモジュールが得られる。
本発明の圧力センサーモジュールでは、前記本体部は、前記ベースに対して浮遊していることが好ましい。
これにより、ベースから本体部へ、応力が直接(すなわち、応力緩和部を通らずに)伝わってしまうことを抑制することができる。そのため、圧力検知精度の低下をより効果的に抑制することができる。
これにより、ベースから本体部へ、応力が直接(すなわち、応力緩和部を通らずに)伝わってしまうことを抑制することができる。そのため、圧力検知精度の低下をより効果的に抑制することができる。
本発明の圧力センサーモジュールでは、前記支持部の前記ベース側の端部は、前記本体部の前記ベース側の端部よりも前記ベース側に位置していることが好ましい。
これにより、より簡単な構成で、本体部をベースに対して浮遊させることができる。
これにより、より簡単な構成で、本体部をベースに対して浮遊させることができる。
本発明の圧力センサーモジュールでは、前記圧力センサーを覆う充填部を有することが好ましい。
これにより、圧力センサーを埃や水分から保護することができる。
これにより、圧力センサーを埃や水分から保護することができる。
本発明の圧力センサーモジュールでは、回路素子を有することが好ましい。
これにより、例えば、回路素子で圧力センサーを駆動させたり、圧力センサーからの検出信号に基づいて圧力を検知したりすることができる。
これにより、例えば、回路素子で圧力センサーを駆動させたり、圧力センサーからの検出信号に基づいて圧力を検知したりすることができる。
本発明の電子機器は、本発明の圧力センサーを有することを特徴とする。
これにより、前述した圧力センサーの効果を享受することができ、信頼性の高い電子機器が得られる。
これにより、前述した圧力センサーの効果を享受することができ、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の圧力センサー、圧力センサーモジュールおよび電子機器を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーモジュールの断面図である。図2は、図1に示す圧力センサーモジュールが有する圧力センサーの平面図である。図3は、図2に示す圧力センサーが有する本体部の断面図である。図4は、図3に示す本体部が有するセンサー部を示す平面図である。図5は、図4に示すセンサー部を含むブリッジ回路を示す図である。図6は、図2に示す圧力センサーの断面図である。図7は、図2に示す圧力センサーの製造方法を示す図である。図8ないし図13は、それぞれ、図2に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。
図1に示すように、圧力センサーモジュール1は、圧力センサー3と、圧力センサー3が配置されているベース21と、を有している。また、圧力センサー3は、受圧により撓み変形するダイアフラム411と、ダイアフラム411の下側(一方の面側)に配置されている圧力基準室S1と、を有する本体部4と、本体部4を支持する支持部5と、本体部4と支持部5とを接続する応力緩和部6と、を有している。そして、このような圧力センサー3は、支持部5においてベース21に接続(固定)されている。このような構成によれば、応力(例えば、圧力センサー3とベース21との熱膨張係数の差に起因して発生する熱応力、外部からベース21に加わる応力等)が応力緩和部によって緩和、吸収される。そのため、ダイアフラム411に検出すべき圧力以外の上記応力が伝わり難くなる。したがって、圧力検知精度の低下を抑制することができ、優れた圧力検知精度を発揮することのできる圧力センサーモジュール1が得られる。以下、このような圧力センサーモジュール1について詳細に説明する。
図1に示すように、圧力センサーモジュール1は、パッケージ2と、パッケージ2に収納されている圧力センサー3と、圧力センサー3を覆う充填部9と、を有している。
[パッケージ]
図1に示すように、パッケージ2は、上面に開放する凹部211を有するベース21と、凹部211の開口を塞ぐようにベース21の上面に接合されたリッド22と、を有している。また、リッド22には、開口221が設けられており、開口221を介して、パッケージ2の内部空間Sとパッケージ2の外部とが連通している。
図1に示すように、パッケージ2は、上面に開放する凹部211を有するベース21と、凹部211の開口を塞ぐようにベース21の上面に接合されたリッド22と、を有している。また、リッド22には、開口221が設けられており、開口221を介して、パッケージ2の内部空間Sとパッケージ2の外部とが連通している。
これらベース21およびリッド22の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化物セラミックスのような各種セラミックスや、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂のような各種樹脂材料等の絶縁性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、各種セラミックスを用いることが特に好ましい。
また、ベース21には、内部空間S内に位置する複数の内部端子23と、下面に位置する複数の外部端子24が設けられている。複数の内部端子23と複数の外部端子24は、対応するもの同士が、ベース21内に形成された図示しない内部配線を介して電気的に接続されている。
以上、パッケージ2について説明したが、パッケージ2の構成としては、その機能を発揮することができれば特に限定されない。
[圧力センサー]
図1および図2に示すように、圧力センサー3は、本体部4と、本体部4を支持すると共にベース21に接続されている支持部5と、本体部4と支持部5とを接続する応力緩和部6と、を有している。
図1および図2に示すように、圧力センサー3は、本体部4と、本体部4を支持すると共にベース21に接続されている支持部5と、本体部4と支持部5とを接続する応力緩和部6と、を有している。
図3に示すように、本体部4は、基板41と、基板41に配置されているセンサー部42と、基板41に接合されているベース基板43と、基板41とベース基板43との間に形成されている圧力基準室S1と、を有している。
基板41は、SOI基板(すなわち、第1シリコン層41a、酸化シリコン層41bおよび第2シリコン層41cがこの順で積層されている基板)である。そして、基板41の上面には、シリコン酸化膜(SiO2膜)で構成されている第1絶縁膜441と、シリコン窒化膜(SiN膜)で構成されている第2絶縁膜442と、が成膜されている。第1絶縁膜441は、センサー部42が有する後述するピエゾ抵抗素子421、422、423、424の界面準位を安定化する機能を有し、第2絶縁膜442は、センサー部42を水分や埃から保護する機能を有する。
なお、基板41としては、SOI基板に替えて、例えば、単層のシリコン基板を用いてもよい。また、第1絶縁膜441や第2絶縁膜442は、同様の効果を発揮することができれば、異なる材料(例えば、SiON等)で構成されていてもよい。また、第1絶縁膜441および第2絶縁膜442は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
このような基板41には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム411が設けられている。基板41には、下方に開放する有底の凹部412が形成されており、この凹部412の上側がダイアフラム411となっている。そして、ダイアフラム411の上面が受圧面411aとなる。なお、本実施形態では、ダイアフラム411の平面視形状は、略正方形であるが、ダイアフラム411の平面視形状としては、特に限定されず、例えば、円形であってもよい。
ここで、本実施形態では、凹部412は、シリコンディープエッチング装置を用いたドライエッチングで形成されている。具体的には、基板41の下面側から等方性エッチング、保護膜成膜および異方向性エッチングという工程を繰り返して、第1シリコン層41aを掘ることで凹部412を形成する。この工程を繰り返し、エッチングが酸化シリコン層41bまで達すると酸化シリコン層41bがエッチングストッパーとなってエッチングが終了し、凹部412が得られる。なお、図示しないが、前述した工程の繰り返しによって、凹部412の内壁側面には掘り方向に周期的な凹凸が形成される。なお、凹部412の形成方法としては、上記の方法に限定されず、例えば、ウェットエッチングによって形成してもよい。
このようなダイアフラム411の厚さとしては、特に限定されず、ダイアフラム411の大きさ等によっても異なるが、例えば、1μm以上、10μm以下であることが好ましい。このような厚さとすることで機械的な強度を保ちつつ、十分に薄く、受圧により撓み変形し易いダイアフラム411が得られる。
センサー部42は、図4に示すように、ダイアフラム411に設けられた4つのピエゾ抵抗素子421、422、423、424を有している。また、ピエゾ抵抗素子421、422、423、424は、配線425を介して、互いに電気的に接続され、図5に示すブリッジ回路420(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。ブリッジ回路420には駆動電圧AVDCを供給する駆動回路(図示せず)が接続されている。そして、ブリッジ回路420は、ダイアフラム411の撓みに基づくピエゾ抵抗素子421、422、423、424の抵抗値変化に応じた検出信号(電圧)を出力する。そのため、この出力された検出信号に基づいてダイアフラム411が受けた圧力を検出することができる。
特に、ピエゾ抵抗素子421、422、423、424は、ダイアフラム411の外縁部に配置されている。前述したように、受圧によりダイアフラム411が撓み変形すると、ダイアフラム411の外縁部に大きな応力が加わるため、外縁部にピエゾ抵抗素子421、422、423、424を配置することで、前述した検出信号を大きくすることができ、圧力検知の感度が向上する。なお、ピエゾ抵抗素子421、422、423、424の配置としては、特に限定されず、例えば、ピエゾ抵抗素子421、422、423、424がダイアフラム411の外縁を跨いで配置されていてもよい。
配線425は、端子426と電気的に接続されており、さらに、端子426は、ボンディングワイヤーBWを介して内部端子23と電気的に接続されている。これにより、外部端子24とセンサー部42とが電気的に接続された状態となる。なお、端子426の配置としては、特に限定されず、本実施形態のように本体部4に配置されていてもよいし、支持部5や応力緩和部6に配置されていてもよい。
ピエゾ抵抗素子421、422、423、424は、それぞれ、例えば、基板41の第2シリコン層41cにリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。また、配線425は、例えば、基板41の第2シリコン層41cに、ピエゾ抵抗素子421、422、423、424よりも高濃度でリン、ボロン等の不純物をドープ(拡散または注入)することで構成されている。
ベース基板43は、ダイアフラム411との間に圧力基準室S1を形成するように、ダイアフラム411と対向して配置されている。具体的には、ベース基板43は、凹部412の開口を塞ぐように、基板41の下面に接合されている。このようなベース基板43としては、例えば、シリコン基板、ガラス基板、セラミックス基板等を用いることができる。
ベース基板43によって凹部412を気密的に封止することで、圧力基準室S1が形成されている。圧力基準室S1は、真空(例えば10Pa以下程度)であることが好ましい。これにより、圧力センサー3を、真空を基準として圧力を検出する所謂「絶対圧センサー」として用いることができる。そのため、利便性の高い圧力センサー3となる。ただし、圧力基準室S1は、真空状態でなくてもよい。また、本発明は、ベース基板43に圧力導入口を形成して、凹部412を外部と連通させた差圧又はゲージ圧センサーにも適用できる。
次に、本体部4を支持する支持部5について説明する。支持部5は、圧力センサー3の厚さ方向から見た平面視で、枠状をなしており、本体部4を囲むように配置されている。言い換えると、枠状の支持部5の内側に本体部4が位置している。そして、このような支持部5の下面5a(ベース21側の面)が、接着剤を介してベース21に接合されている。これにより、圧力センサー3がベース21に固定された状態となる。
ここで、図6に示すように、圧力センサー3がベース21に固定された状態では、本体部4は、ベース21に対して浮遊している。すなわち、本体部4とベース21との間には、空隙Gが設けられている。本体部4をこのように配置することで、ベース21から本体部4へ、応力が直接(すなわち、応力緩和部6を通らずに)伝わってしまうことを抑制することができる。そのため、圧力センサー3の圧力検知精度の低下をより効果的に抑制することができる。
特に、図1に示すように、本実施形態では、支持部5のベース21側の端部(下面5a)は、本体部4のベース21側の端部(下面4a)よりもベース21側に位置している。そのため、支持部5の下面5aをベース21に接合することで、より簡単な構成で、本体部4をベース21に対して浮遊させることができる。
なお、支持部5の形状としては、本実施形態のような枠状に限定されない。例えば、支持部5は、第1バネ部61が接続している部分と、第1バネ部62が接続している部分と、第2バネ部63が接続している部分と、第2バネ部64が接続している部分と、で分割されていてもよい。このように、支持部5をバネ部との接続部ごとに分割することで、支持部5に応力が生じ難くなる。
次に、本体部4と支持部5とを接続する応力緩和部6について説明する。応力緩和部6は、例えば、圧力センサー3とベース21との熱膨張係数の差に起因して圧力センサー3に生じる熱応力(圧縮応力、引張応力)を緩和、吸収し、当該応力が本体部4のダイアフラム411に伝わることを抑制する機能を有している。このような応力緩和部6を有することで、ダイアフラム411に検出すべき圧力以外の応力が加わり難くなるため、圧力センサー3の圧力検知精度の低下を抑制することができる。なお、熱応力以外にも、例えば、圧力センサーモジュール1に内在する残留応力、振動、衝撃等によってパッケージ2に加わる外力等についても、応力緩和部6で緩和、吸収することができる。以下、これらを総称して単に応力とも言う。
応力緩和部6は、弾性変形可能である。そのため、応力緩和部6が弾性変形することで、効果的に応力を緩和、吸収することができる。このような応力緩和部6は、少なくとも1つのバネ部を有している。これにより、簡単な構成で、弾性変形可能な応力緩和部6が得られる。
図2に示すように、ダイアフラム411の厚さ方向から見た平面視で、互いに交差(本実施形態では直交)する方向を第1方向Xおよび第2方向Yとしたとき、応力緩和部6は、バネ部として、本体部4の第1方向Xの両側に配置されている一対の第1バネ部61、62と、本体部4の第2方向Yの両側に配置されている一対の第2バネ部63、64と、を有している。そして、本体部4は、一対の第1バネ部61、62によって、第1方向Xの両側から両持ち支持され、一対の第2バネ部63、64によって、第2方向Yの両側から両持ち支持されている。そのため、第1バネ部61、62および第2バネ部63、64によって、本体部4を安定した姿勢で支持することができる。
また、第1バネ部61、62は、それぞれ、第2方向Yに往復するように蛇行している。そのため、第2方向Yに弾性(伸縮性)を有している。一方、第2バネ部63、64は、第1方向Xに往復するように蛇行している。そのため、第1方向Xに弾性(伸縮性)を有している。このように、第1バネ部61、62と第2バネ部63、64が異なる方向に弾性を有していることで、応力をより効果的に緩和、吸収することができる。
また、第1バネ部61、62の第2方向Yに沿う長さL1(幅)は、本体部4の第2方向Yに沿う長さLyよりも長く、第2バネ部63、64の第1方向Xに沿う長さL2(幅)は、本体部4の第1方向Xに沿う長さLxよりも長い。これにより、第1バネ部61、62および第2バネ部63、64がよりしなやかに弾性変形し易くなり、応力をより効果的に緩和、吸収することができる。
以上、応力緩和部6について説明した。このような応力緩和部6は、支持部5および本体部4の少なくとも一方と一体である。特に、本実施形態では、応力緩和部6は、支持部5および本体部4の両方と一体である。すなわち、本体部4、支持部5および応力緩和部6は、一体形成されている。具体的には、前述したように、本体部4は、基板41とベース基板43とが積層した構成となっているが、図6に示すように、支持部5および応力緩和部6も、基板41とベース基板43とが積層した構成となっている。このように、応力緩和部6を、支持部5および本体部4の少なくとも一方(好ましくは両方)と一体とすることで、圧力センサー3の構成や製造が簡単なものとなる。
ここで、本実施形態では、ベース基板43に、その下面に開口する凹部431を形成することで、本体部4および応力緩和部6を支持部5よりも薄肉化している。そのため、前述したように、支持部5の下面5aが本体部4の下面4aよりもベース21側に位置することとなり、圧力センサー3をベース21に接合した状態で、本体部4をベース21から浮遊させることができる。また、凹部431を形成することで、応力緩和部6の厚さを薄くすることもでき、第1バネ部61、62および第2バネ部63、64をより弾性変形させ易くすることができる。なお、本実施形態では、応力緩和部6(第1バネ部61、62および第2バネ部63、64)の厚さが本体部4の厚さと等しいが、応力緩和部6の厚さとしては、これに限定されず、本体部4よりも薄くてもよいし、厚くてもよい。また、本実施形態では、支持部5および応力緩和部6の上面にも第1絶縁膜441と第2絶縁膜442とが設けられているが、これらは、省略してもよい。
[充填部]
図1に示すように、充填部9は、内部空間S内に充填されており、圧力センサー3を覆っている。このような充填部9により、圧力センサー3を保護(防塵および防水)すると共に、圧力センサーモジュール1に作用した外部応力(例えば、落下衝撃などの圧力以外の応力)が圧力センサー3に伝わり難くなる。
図1に示すように、充填部9は、内部空間S内に充填されており、圧力センサー3を覆っている。このような充填部9により、圧力センサー3を保護(防塵および防水)すると共に、圧力センサーモジュール1に作用した外部応力(例えば、落下衝撃などの圧力以外の応力)が圧力センサー3に伝わり難くなる。
このような充填部9は、液状またはゲル状の充填材で構成することができ、圧力センサー3の過剰な変位を抑制することができる点で、特にゲル状の充填材で構成するのが好ましい。このような充填部9によれば、圧力センサー3を水分から効果的に保護することができると共に、圧力を効率的に圧力センサー3へ伝達することができる。このような充填部9を構成する充填材としては、特に限定されず、例えば、シリコーンオイル、フッ素系オイル、シリコーンゲル等を用いることができる。なお、このような充填部9は、十分に軟質であるため、応力緩和部6による前述した応力緩和効果には悪影響を与えない。
次に、圧力センサー3の製造方法について簡単に説明する。図7に示すように、圧力センサー3の製造方法は、基板41にセンサー部42を形成するセンサー部形成工程と、基板41にベース基板43を接合して圧力基準室S1を形成する圧力基準室形成工程と、支持部5を形成する支持部形成工程と、応力緩和部6を形成する応力緩和部形成工程と、を有している。
[センサー部形成工程]
まず、図8に示すように、第1シリコン層41a、酸化シリコン層41bおよび第2シリコン層41cが積層してなるSOI基板である基板41を準備する。次に、図9に示すように、基板41の上面にセンサー部42を形成し、基板41上に第1絶縁膜441、第2絶縁膜442を成膜する。
まず、図8に示すように、第1シリコン層41a、酸化シリコン層41bおよび第2シリコン層41cが積層してなるSOI基板である基板41を準備する。次に、図9に示すように、基板41の上面にセンサー部42を形成し、基板41上に第1絶縁膜441、第2絶縁膜442を成膜する。
[圧力基準室形成工程]
次に、図10に示すように、基板41の下面に開放する凹部412を形成し、ダイアフラム411を得る。凹部412の形成方法としては、特に限定されないが、前述したように、シリコンディープエッチング装置を用いたドライエッチングで形成することが好ましい。次に、図11に示すように、凹部412内を真空にしつつ、ベース基板43を凹部412の開口を塞ぐように基板41の下面に接合する。これにより、真空状態の圧力基準室S1が得られる。
次に、図10に示すように、基板41の下面に開放する凹部412を形成し、ダイアフラム411を得る。凹部412の形成方法としては、特に限定されないが、前述したように、シリコンディープエッチング装置を用いたドライエッチングで形成することが好ましい。次に、図11に示すように、凹部412内を真空にしつつ、ベース基板43を凹部412の開口を塞ぐように基板41の下面に接合する。これにより、真空状態の圧力基準室S1が得られる。
[支持部形成工程]
次に、図12に示すように、ベース基板43の下面に開放する凹部431を形成し、支持部5および本体部4を得る。なお、凹部431の形成方法としては、特に限定されないが、凹部412の形成方法と同様に、シリコンディープエッチング装置を用いたドライエッチングで形成することが好ましい。
次に、図12に示すように、ベース基板43の下面に開放する凹部431を形成し、支持部5および本体部4を得る。なお、凹部431の形成方法としては、特に限定されないが、凹部412の形成方法と同様に、シリコンディープエッチング装置を用いたドライエッチングで形成することが好ましい。
[応力緩和部形成工程]
次に、図13に示すように、基板41およびベース基板43の積層体に貫通孔を形成し、応力緩和部6を形成する。なお、貫通孔の形成方法としては、特に限定されないが、凹部412の形成方法と同様に、シリコンディープエッチング装置を用いたドライエッチングで形成することが好ましい。
次に、図13に示すように、基板41およびベース基板43の積層体に貫通孔を形成し、応力緩和部6を形成する。なお、貫通孔の形成方法としては、特に限定されないが、凹部412の形成方法と同様に、シリコンディープエッチング装置を用いたドライエッチングで形成することが好ましい。
以上によって、圧力センサー3が得られる。このような製造方法によれば、簡単に圧力センサー3を製造することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
図14は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーモジュールの断面図である。
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
図14は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーモジュールの断面図である。
以下、第2実施形態の圧力センサーモジュールについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る圧力センサーモジュールは、支持部の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態とほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図14に示すように、本実施形態の圧力センサーモジュール1では、圧力センサー3の支持部5の厚さが、本体部4の厚さと等しい。すなわち、本体部4の下面4aと、支持部5の下面5aとが面一となっている。一方、ベース21には、凹部211の底面に対して段差のある段差部213が設けられており、この段差部213に圧力センサー3の支持部5が接続されている。このような構成によっても、空隙Gが形成され、本体部4をベース21から浮遊した状態とすることができ、前記と同様の効果が得られる。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
図15は、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーモジュールの断面図である。図16は、図15に示す圧力センサーモジュールが有する圧力センサーの平面図である。図17は、図16に示す圧力センサーの断面図である。
以下、第3実施形態の圧力センサーモジュールについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態に係る圧力センサーモジュールは、応力緩和部の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態とほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図15に示すように、本実施形態の圧力センサーモジュール1では、圧力センサー3の応力緩和部6が、厚さ方向に弾性変形可能な薄肉部65で構成されている。図16に示すように、薄肉部65は、ダイアフラム411の厚さ方向から見た平面視で、枠状をなしており、内周が本体部4の外周の全周と接続されており、外周が支持部5の内周の全周と接続されている。このような薄肉部65は、その厚さ方向に撓むように弾性変形することで、応力を緩和、吸収することができる。
なお、薄肉部65の厚さとしては、特に限定されないが、本体部4よりも薄いことが好ましい。本実施形態では、図17に示すように、薄肉部65は、基板41の第2シリコン層41cおよび酸化シリコン層41bの積層体で構成され、本体部4よりも十分に薄くなっている。ただし、薄肉部65の構成としては、特に限定されず、例えば、第1シリコン層41aで構成されていてもよい。また、例えば、薄肉部65に複数の貫通孔(肉抜き部)が形成されていてもよい。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
図18は、本発明の第4実施形態に係る圧力センサーモジュールの断面図である。
次に、本発明の第4実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
図18は、本発明の第4実施形態に係る圧力センサーモジュールの断面図である。
以下、第4実施形態の圧力センサーモジュールについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第4実施形態に係る圧力センサーモジュールは、回路素子を有すること以外は、前述した第1実施形態とほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図18に示すように、本実施形態の圧力センサーモジュール1は、回路素子10を有している。回路素子10は、例えば、接着剤(ダイアタッチ剤)等を介して凹部211の底面に固定されている。そして、このような回路素子10の上面に、圧力センサー3が固定されている。すなわち、圧力センサー3は、回路素子10を介してベース21に接続されている。このように、回路素子10と圧力センサー3とを、圧力センサーモジュール1の厚さ方向に重ねて配置することで、圧力センサーモジュール1の平面的な広がりを抑えることができ、圧力センサーモジュール1の小型化を図ることができる。
なお、回路素子10は、ボンディングワイヤーBW1を介して圧力センサー3と電気的に接続されており、ボンディングワイヤーBW2を介して内部端子23と電気的に接続されている。また、このような回路素子10は、ブリッジ回路420に電圧を供給するための駆動回路、ブリッジ回路420からの出力を温度補償するための温度補償回路、温度補償回路からの出力から受けた圧力を求める圧力検出回路、圧力検出回路からの出力を所定の出力形式(CMOS、LV−PECL、LVDS等)に変換して出力する出力回路等を有している。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
次に、本発明の第5実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
図19は、本発明の第5実施形態に係る圧力センサーモジュールの断面図である。図20は、図19に示す圧力センサーモジュールが有する圧力センサーの断面図である。図21は、図20に示す圧力センサーが有するセンサー部を示す平面図である。図22は、図20に示す圧力センサーの部分拡大断面図である。
以下、第4実施形態の圧力センサーモジュールについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第4実施形態に係る圧力センサーモジュールは、本体部の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態とほぼ同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図19に示すように、本実施形態の圧力センサーモジュール1では、圧力センサー3は、本体部7と、本体部7を支持すると共にベース21に接続されている支持部5と、本体部7と支持部5とを接続する応力緩和部6と、を有し、本体部7におけるダイアフラム715の位置が、前述した各実施形態に比べ、上下逆となっている。なお、支持部5および応力緩和部6の構成は、前述した第1実施形態と同様である。
図20に示すように、本体部7は、受圧により撓み変形するダイアフラム715を有する基板71と、ダイアフラム715の上側(一方の面側)に配置されている圧力基準室S1と、基板71と共に圧力基準室S1を形成する周囲構造体72と、ダイアフラム715に配置されているセンサー部73と、を有している。
基板71は、SOI基板(すなわち、第1シリコン層71a、酸化シリコン層71bおよび第2シリコン層71cがこの順で積層されている基板)である。ただし、基板71としては、SOI基板に限定されず、例えば、単層のシリコン基板を用いることもできる。
基板71には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム715が設けられている。本実施形態では、基板71にその下面に開放する有底の凹部716が形成されており、凹部716の底部でダイアフラム715が構成されている。そして、ダイアフラム715の下面が圧力を受ける受圧面715aとなっている。
ここで、本実施形態では、ダイアフラム715は、第2シリコン層71cからなる単層構造となっている。このように、ダイアフラム715を単層構造とすることで、ダイアフラム715をより薄くすることができる。また、ダイアフラム715を単層構造とすることにより、次のような効果を発揮することもできる。すなわち、ダイアフラム715が材料の異なる複数の層で構成されている場合、各層の線膨張係数の差に起因して、環境温度によってダイアフラム715の内部応力が変化するおそれがある。そのため、同じ圧力を受けても環境温度によって測定値が異なってしまうというヒステリシスが生じるおそれがある。これに対して、本実施形態のようにダイアフラム715を単層構造とすることで、上述のようなヒステリシスの問題が生じ難くなり、圧力検知精度の低下を効果的に低減することができる。だたし、ダイアフラム715は、単層構造に限定されず、複数の層が積層した積層構造(例えば、第2シリコン層71cと酸化シリコン層71bとの積層構造)となっていてもよい。また、第1実施形態のようにダイアフラム715の上側に絶縁層が設けられた構成であってもよい。
以上、基板71について説明した。なお、このような基板71にはセンサー部73と電気的に接続される半導体回路(MOSトランジスタ、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ダイオードトランジスタ等の回路要素)が作り込まれていてもよい。
また、図20に示すように、基板71の上面にはダイアフラム715と重ならないように、かつ、ダイアフラム715の周囲を囲むように中間層79が配置されている。中間層79は、基板71の上面に配置され、酸化シリコンで構成された第1中間層791と、第1中間層791の上面に配置され、窒化シリコンで構成された第2中間層792と、第2中間層792の上面に配置され、ポリシリコンで構成された第3中間層793と、を有している。なお、各中間層791、792、793の材料としては特に限定されない。また、中間層791、792、793は、それぞれ、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
センサー部73は、図21に示すように、ダイアフラム715の上面に配置された4つのピエゾ抵抗素子731、732、733、734を有している。そして、ピエゾ抵抗素子731、732、733、734は、配線735等を介して、互いに電気的に接続され、前述した第1実施形態と同様のブリッジ回路(ホイートストンブリッジ回路)を構成している(図4参照)。
図20に示すように、圧力基準室S1は、ダイアフラム715の上側に位置しており、基板71と周囲構造体72とに囲まれることで形成されている。このような圧力基準室S1は、真空状態(例えば、10Pa以下)であることが好ましい。
周囲構造体72は、基板71との間に圧力基準室S1を形成している。このような周囲構造体72は、基板71上に配置された層間絶縁膜721と、層間絶縁膜721上に配置された配線層722と、配線層722および層間絶縁膜721上に配置された層間絶縁膜723と、層間絶縁膜723上に配置された配線層724と、配線層724および層間絶縁膜723上に配置された表面保護膜725と、配線層724および表面保護膜725上に配置された封止層726と、を有している。
配線層722は、圧力基準室S1を囲んで配置された枠状のガードリング7221と、センサー部73の配線735と接続された配線部7229と、を有している。同様に、配線層724は、圧力基準室S1を囲んで配置された枠状のガードリング7241と、配線735と接続された配線部7249と、を有している。そして、センサー部73は、これら配線部7229、7249によって周囲構造体72の上面に引き出されている。
また、配線層724は、圧力基準室S1の天井に位置し、ガードリング7241と一体形成された被覆層7244を有している。また、この被覆層7244には圧力基準室S1の内外を連通する複数の貫通孔7245が配置されている。複数の貫通孔7245は、製造途中まで圧力基準室S1を埋めている犠牲層を除去する際のリリースエッチング用の孔である。また、ガードリング7221、7241は、前記リリースエッチング時のエッチングストッパーとして機能する。
そして、被覆層7244上には封止層726が配置されており、この封止層726によって貫通孔7245が封止され、気密的な圧力基準室S1が形成されている。
表面保護膜725は、周囲構造体72を水分、ゴミ、傷などから保護する機能を有している。このような表面保護膜725は、被覆層7244の貫通孔7245を塞がないように、層間絶縁膜723および配線層724上に配置されている。
また、表面保護膜725上には配線部7229、7249を介してセンサー部73と電気的に接続されている複数の端子75が設けられている。そして、これら端子75は、図19に示すように、ボンディングワイヤーBWを介して内部端子23と電気的に接続されている。
このような周囲構造体72のうち、層間絶縁膜721、723としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、配線層722、724としては、例えば、アルミニウム膜等の金属膜を用いることができる。また、封止層726としては、例えば、Al、Cu、W、Ti、TiN等の金属膜、シリコン酸化膜等を用いることができる。また、表面保護膜725としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜などを用いることができる。
以上、本体部7について説明した。なお、図22に示すように、支持部5および応力緩和部6は、基板71から形成されている。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る電子機器について説明する。
図23は、本発明の電子機器としての高度計を示す斜視図である。
次に、本発明の第6実施形態に係る電子機器について説明する。
図23は、本発明の電子機器としての高度計を示す斜視図である。
図23に示すように、高度計200は、腕時計のように手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、圧力センサー3(圧力センサーモジュール1)が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
このような高度計200は、圧力センサー3を有している。そのため、高度計200は、上述した圧力センサー3の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る電子機器について説明する。
図24は、本発明の電子機器としてのナビゲーションシステムを示す正面図である。
次に、本発明の第7実施形態に係る電子機器について説明する。
図24は、本発明の電子機器としてのナビゲーションシステムを示す正面図である。
図24に示すように、ナビゲーションシステム300は、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、圧力センサー3(圧力センサーモジュール1)と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステム300によれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、ナビゲーションシステム300に圧力センサー3を搭載し、高度情報を圧力センサー3によって取得することで、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出することができ、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
このようなナビゲーションシステム300は、圧力センサー3を有している。そのため、ナビゲーションシステム300は、上述した圧力センサー3の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子機器は、上記のナビゲーションシステムに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレーター等に適用することができる。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る移動体について説明する。
図25は、本発明の電子機器としての移動体を示す斜視図である。
次に、本発明の第8実施形態に係る移動体について説明する。
図25は、本発明の電子機器としての移動体を示す斜視図である。
図25に示すように、移動体としての自動車400は、車体401と、4つの車輪402とを有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。このような自動車400には、ナビゲーションシステム300が内蔵されている。なお、前述したように、ナビゲーションシステム300には、圧力センサー3(圧力センサーモジュール1)が搭載されている。
このような自動車400は、圧力センサー3を有している。そのため、自動車400は、上述した圧力センサー3の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
以上、本発明の圧力センサー、圧力センサーモジュールおよび電子機器を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…圧力センサーモジュール、2…パッケージ、21…ベース、211…凹部、213…段差部、22…リッド、221…開口、23…内部端子、24…外部端子、3…圧力センサー、4…本体部、4a…下面、41…基板、41a…第1シリコン層、41b…酸化シリコン層、41c…第2シリコン層、411…ダイアフラム、411a…受圧面、412…凹部、42…センサー部、420…ブリッジ回路、421、422、423、424…ピエゾ抵抗素子、425…配線、426…端子、43…ベース基板、431…凹部、441…第1絶縁膜、442…第2絶縁膜、5…支持部、5a…下面、6…応力緩和部、61、62…第1バネ部、63、64…第2バネ部、65…薄肉部、7…本体部、71…基板、71a…第1シリコン層、71b…酸化シリコン層、71c…第2シリコン層、715…ダイアフラム、715a…受圧面、716…凹部、72…周囲構造体、721…層間絶縁膜、722…配線層、7221…ガードリング、7229…配線部、723…層間絶縁膜、724…配線層、7241…ガードリング、7244…被覆層、7245…貫通孔、7249…配線部、725…表面保護膜、726…封止層、73…センサー部、731、732、733、734…ピエゾ抵抗素子、735…配線、75…端子、79…中間層、791…第1中間層、792…第2中間層、793…第3中間層、9…充填部、10…回路素子、200…高度計、201…表示部、300…ナビゲーションシステム、301…表示部、400…自動車、401…車体、402…車輪、BW、BW1、BW2…ボンディングワイヤー、G…空隙、L1、L2、Lx、Ly…長さ、S…内部空間、S1…圧力基準室、X…第1方向、Y…第2方向
Claims (12)
- 受圧により撓み変形するダイアフラムと、前記ダイアフラムの一方の面側に配置されている圧力基準室と、を有する本体部と、
前記本体部を支持する支持部と、
前記本体部と前記支持部とを接続する応力緩和部と、を有することを特徴とする圧力センサー。 - 前記応力緩和部は、弾性変形可能である請求項1に記載の圧力センサー。
- 前記応力緩和部は、少なくとも1つのバネ部を有している請求項1または2に記載の圧力センサー。
- 前記ダイアフラムの厚さ方向から見た平面視で、互いに交差する方向を第1方向および第2方向としたとき、
前記応力緩和部は、前記バネ部として、前記本体部の前記第1方向の両側に配置されている一対の第1バネ部と、前記本体部の前記第2方向の両側に配置されている一対の第2バネ部と、を有する請求項3に記載の圧力センサー。 - 前記第1バネ部は、前記第2方向に往復するように蛇行し、
前記第1バネ部の前記第2方向に沿う長さは、前記本体部の前記第2方向に沿う長さよりも長く、
前記第2バネ部は、前記第1方向に往復するように蛇行し、
前記第2バネ部の前記第1方向に沿う長さは、前記本体部の前記第1方向に沿う長さよりも長い請求項4に記載の圧力センサー。 - 前記応力緩和部は、前記支持部および前記本体部の少なくとも一方と一体である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧力センサー。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーと、
前記圧力センサーが配置されているベースと、を有することを特徴とする圧力センサーモジュール。 - 前記本体部は、前記ベースに対して浮遊している請求項7に記載の圧力センサーモジュール。
- 前記支持部の前記ベース側の端部は、前記本体部の前記ベース側の端部よりも前記ベース側に位置している請求項7または8に記載の圧力センサーモジュール。
- 前記圧力センサーを覆う充填部を有する請求項7ないし9のいずれか1項に記載の圧力センサーモジュール。
- 回路素子を有する請求項7ないし10のいずれか1項に記載の圧力センサーモジュール。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧力センサーを有することを特徴とする電子機器。
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