JP2019124500A - 圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】残留応力を低減し、優れた圧力検出特性を有する圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および移動体を提供する。【解決手段】圧力センサーは、ダイアフラムを有する基板と、前記基板の一方の面側に接続され、前記基板の平面視で前記ダイアフラムを囲むように配置されている側壁部と、前記側壁部に囲まれた空間を介して前記ダイアフラムに対向して配置され、前記空間を封止する封止層と、を有する。また、前記封止層は、シリコンを含む第1層と、前記第1層よりも前記ダイアフラム側に位置し、アルミニウムを含む第2層と、前記第2層よりも前記ダイアフラム側に位置する第3層と、を有し、前記封止層の中央部は、前記第1層から形成され、前記封止層の縁部は、前記第1層、前記第2層および前記第3層から形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および移動体に関するものである。
従来から、圧力センサーとして特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1の圧力センサーは、受圧により撓み変形するダイアフラムを有する基板と、基板上に配置された周囲構造体と、を有し、これらの間に圧力基準室が形成されている。また、周囲構造体は、圧力基準室を囲む枠状の壁部と、壁部の開口を覆う天井部とを有している。さらに、天井部は、リリースエッチング用の貫通孔を有する被覆層と、被覆層に積層され、貫通孔を封止する封止層とを有している。
このような構成の圧力センサーでは、封止層がAl、Ti等の金属材料(他の部分と比べて熱膨張率の大きい材料)で構成されている。そのため、圧力センサー内に残留応力が生じ易く、この残留応力がダイアフラムに伝わることによりノイズとなってしまい、圧力の検出精度が悪化してしまう。
本発明の目的は、残留応力を低減し、優れた圧力検出特性を有する圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および移動体を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の圧力センサーは、受圧により撓み変形するダイアフラムを有する基板と、
前記基板の一方の面側に接続され、前記基板の平面視で前記ダイアフラムを囲むように配置されている側壁部と、
前記側壁部に囲まれた空間を介して前記ダイアフラムに対向して配置され、前記空間を封止する封止層と、を有し、
前記封止層は、シリコンを含む第1層と、
前記第1層よりも前記ダイアフラム側に位置し、アルミニウムを含む第2層と、
前記第2層よりも前記ダイアフラム側に位置する第3層と、を有し、
前記封止層の中央部は、前記第1層から形成され、
前記封止層の縁部は、前記第1層、前記第2層および前記第3層から形成されていることを特徴とする。
これにより、封止層の機械的強度を十分に維持しつつ、封止層に含まれるアルミニウムの量を効果的に減らすことができる。したがって、封止層の残留応力を効果的に低減することができ、優れた圧力検出特性を発揮でき、かつ、その特性を経時的に安定して維持することのできる圧力センサーが得られる。
前記基板の一方の面側に接続され、前記基板の平面視で前記ダイアフラムを囲むように配置されている側壁部と、
前記側壁部に囲まれた空間を介して前記ダイアフラムに対向して配置され、前記空間を封止する封止層と、を有し、
前記封止層は、シリコンを含む第1層と、
前記第1層よりも前記ダイアフラム側に位置し、アルミニウムを含む第2層と、
前記第2層よりも前記ダイアフラム側に位置する第3層と、を有し、
前記封止層の中央部は、前記第1層から形成され、
前記封止層の縁部は、前記第1層、前記第2層および前記第3層から形成されていることを特徴とする。
これにより、封止層の機械的強度を十分に維持しつつ、封止層に含まれるアルミニウムの量を効果的に減らすことができる。したがって、封止層の残留応力を効果的に低減することができ、優れた圧力検出特性を発揮でき、かつ、その特性を経時的に安定して維持することのできる圧力センサーが得られる。
本発明の圧力センサーでは、前記封止層は、前記中央部が前記縁部よりも前記ダイアフラムと反対側に位置するように凸状に湾曲していることが好ましい。
これにより、封止層がダイアフラム側へ撓み難くなり、封止層とダイアフラムとの接触を効果的に抑制することができる。
これにより、封止層がダイアフラム側へ撓み難くなり、封止層とダイアフラムとの接触を効果的に抑制することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記第3層は、チタンを含んでいることが好ましい。
これにより、第3層の機械的強度を高めることができる。
これにより、第3層の機械的強度を高めることができる。
本発明の圧力センサーでは、前記封止層の前記中央部と前記縁部との間に位置する中間部は、前記第1層および前記第2層から形成されていることが好ましい。
これにより、中央部と縁部との境界部に大きな段差(急峻な厚みの変化)が生じてしまうことを抑制することができる。そのため、中央部と縁部との境界部への局所的な応力集中を効果的に抑制することができ、封止層の機械的強度を高めることができると共に、封止層内の残留応力を減らすことができる。
これにより、中央部と縁部との境界部に大きな段差(急峻な厚みの変化)が生じてしまうことを抑制することができる。そのため、中央部と縁部との境界部への局所的な応力集中を効果的に抑制することができ、封止層の機械的強度を高めることができると共に、封止層内の残留応力を減らすことができる。
本発明の圧力センサーでは、前記中間部において、前記第2層の厚さは、前記縁部側から前記中央部側に向けて漸減していることが好ましい。
これにより、封止層の厚みを中央部から縁部に向けて徐々に大きくすることができるため、中央部と縁部との境界部への局所的な応力集中を効果的に抑制することができる。そのため、封止層の機械的強度を高めることができ、封止層内の残留応力を減らすこともできる。
これにより、封止層の厚みを中央部から縁部に向けて徐々に大きくすることができるため、中央部と縁部との境界部への局所的な応力集中を効果的に抑制することができる。そのため、封止層の機械的強度を高めることができ、封止層内の残留応力を減らすこともできる。
本発明の圧力センサーでは、前記封止層は、前記第1層と前記第2層との間に位置し、前記中央部、前記中間部および前記縁部に亘って配置されている第4層を有することが好ましい。
これにより、封止層の機械的強度を高めることができる。
これにより、封止層の機械的強度を高めることができる。
本発明の圧力センサーでは、前記第4層は、チタンを含んでいることが好ましい。
これにより、第4層の機械的強度を高めることができる。
これにより、第4層の機械的強度を高めることができる。
本発明の圧力センサーでは、前記第1層は、シリコンを含む第1シリコン層と、
前記第1シリコン層に対して前記ダイアフラムと反対側に位置し、シリコンを含む第2シリコン層と、
前記第1シリコン層と前記第2シリコン層との間に位置し、酸化シリコンを含む酸化シリコン層と、を有することが好ましい。
このように、第1層を積層体とすることにより、より確実に、圧力基準室を封止することができる。
前記第1シリコン層に対して前記ダイアフラムと反対側に位置し、シリコンを含む第2シリコン層と、
前記第1シリコン層と前記第2シリコン層との間に位置し、酸化シリコンを含む酸化シリコン層と、を有することが好ましい。
このように、第1層を積層体とすることにより、より確実に、圧力基準室を封止することができる。
本発明の圧力センサーでは、前記中央部には、前記第1シリコン層を貫通する貫通孔が設けられていることが好ましい。
これにより、中央部から第2層を排除し易くなる。また、貫通孔を縁部および中間部に設けないことにより、縁部および中間部の機械的強度の低下を抑制することができ、封止層の変形を効果的に抑制することができる。
これにより、中央部から第2層を排除し易くなる。また、貫通孔を縁部および中間部に設けないことにより、縁部および中間部の機械的強度の低下を抑制することができ、封止層の変形を効果的に抑制することができる。
本発明の圧力センサーモジュールは、本発明の圧力センサーと、
前記圧力センサーを収納しているパッケージと、を有することを特徴とする。
これにより、本発明の圧力センサーの効果を享受でき、信頼性の高い圧力センサーモジュールが得られる。
前記圧力センサーを収納しているパッケージと、を有することを特徴とする。
これにより、本発明の圧力センサーの効果を享受でき、信頼性の高い圧力センサーモジュールが得られる。
本発明の電子機器は、本発明の圧力センサーを有することを特徴とする。
これにより、本発明の圧力センサーの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
これにより、本発明の圧力センサーの効果を享受でき、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の移動体は、本発明の圧力センサーを有することを特徴とする。
これにより、本発明の圧力センサーの効果を享受でき、信頼性の高い移動体が得られる。
これにより、本発明の圧力センサーの効果を享受でき、信頼性の高い移動体が得られる。
以下、本発明の圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサーを示す断面図である。図2は、図1に示す圧力センサーが有するセンサー部を示す平面図である。図3は、図2に示すセンサー部を含むブリッジ回路を示す図である。図4は、図1に示す圧力センサーが有する配線層を示す拡大断面図である。図5は、図1に示す圧力センサーが有する封止層を示す拡大断面図である。図6は、図1に示す圧力センサーの製造工程を示すフローチャートである。図7ないし図16は、それぞれ、図1に示す圧力センサーの製造方法を説明するための断面図である。なお、以下の説明では、図1、図4、図5、図7ないし図16中の上側を「上」、下側を「下」とも言う。また、基板の平面視、すなわち、図1中の上下方向から見た平面視を単に「平面視」とも言う。
図1に示すように、圧力センサー1は、受圧により撓み変形するダイアフラム25を有する基板2と、ダイアフラム25の上面側に配置された圧力基準室S(空洞部)と、基板2と共に圧力基準室Sを形成する周囲構造体4と、ダイアフラム25に配置されたセンサー部5と、を有している。また、周囲構造体4は、側壁部4Aと、封止層46と、を有している。
図1に示すように、基板2は、シリコンで構成された第1層21と、第1層21の上側に配置され、シリコンで構成された第3層23と、第1層21および第3層23の間に配置され、酸化シリコンで構成された第2層22と、を有するSOI基板で構成されている。これにより、製造上取り扱い易く、優れた加工寸法精度を発揮することができる基板2となる。なお、基板2としては、SOI基板に限定されず、例えば、単層のシリコン基板を用いることもできる。また、基板2は、シリコン以外の半導体材料、例えばゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガリウム砒素リン、窒化ガリウム、炭化珪素等で構成された基板(半導体基板)であってもよい。
基板2には、周囲の部分よりも薄肉であり、受圧によって撓み変形するダイアフラム25が形成されている。基板2には下方に開放する有底の凹部24が形成され、この凹部24によって基板2が薄くなっている部分がダイアフラム25となっている。また、ダイアフラム25は、その下面が圧力を受ける受圧面251となっている。
なお、本実施形態では、ダイアフラム25の平面視形状は、略正方形であるが、ダイアフラム25の平面視形状としては、特に限定されず、例えば、四隅が面取りされていてもよいし、円形、三角形、正方形以外の四角形、五角形以上の多角形等であってもよい。また、本実施形態では、ダイアフラム25の下面側に第2層22が残っているが、この第2層22を除去してもよい。すなわち、ダイアフラム25を第3層23の単層で構成してもよい。これにより、ダイアフラム25をより薄くすることができ、より撓み変形し易いダイアフラム25が得られる。また、凹部24が第1層21の途中まで形成されていてもよい。
ダイアフラム25の幅としては、特に限定されないが、例えば、100μm以上500μm以下であることが好ましく、100μm以上300μm以下であることがより好ましい。これにより、過度な大型化を抑制しつつ、十分に撓み易いダイアフラム25とすることができる。また、ダイアフラム25の厚さとしては、特に限定されず、ダイアフラム25の幅によっても異なるが、前述したように、ダイアフラム25の幅が100μm以上500μm以下の場合には、例えば、1μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上3μm以下であることがより好ましい。これにより、機械的な強度を十分に保ちつつ、十分に薄く、受圧により撓み変形し易いダイアフラム25が得られる。
ダイアフラム25には、ダイアフラム25に作用する圧力を検出し得るセンサー部5が設けられている。図2に示すように、センサー部5は、ダイアフラム25に設けられた4つのピエゾ抵抗素子51、52、53、54を有している。そして、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54は、配線55を介して互いに電気的に接続され、図3に示すブリッジ回路50(ホイートストンブリッジ回路)を構成している。ブリッジ回路50には駆動電圧AVDCを供給(印加)する駆動回路が接続されている。そして、ブリッジ回路50は、ダイアフラム25の撓みに基づくピエゾ抵抗素子51、52、53、54の抵抗値変化に応じた検出信号(電圧)を出力する。そのため、この出力された検出信号に基づいてダイアフラム25が受けた圧力を検出することができる。
特に、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54は、ダイアフラム25の外縁部に配置されている。受圧によりダイアフラム25が撓み変形すると、ダイアフラム25の中でも特にその外縁部に大きな応力が加わるため、外縁部にピエゾ抵抗素子51、52、53、54を配置することにより、前述した検出信号を大きくすることができ、圧力検知の感度が向上する。なお、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54の配置は、特に限定されず、例えば、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54がダイアフラム25の外縁を跨いで配置されていてもよいし、ダイアフラム25の中央部に配置されていてもよい。
ピエゾ抵抗素子51、52、53、54は、例えば、基板2の第3層23にリン、ボロン、砒素等の不純物をドープ(拡散または注入)することにより形成されている。また、配線55は、例えば、基板2の第3層23に、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54よりも高濃度でリン、ボロン、砒素等の不純物をドープ(拡散または注入)することにより形成されている。
なお、センサー部5の構成としては、ダイアフラム25が受けた圧力を検出することができれば、特に限定されない。例えば、ブリッジ回路50を構成していない少なくとも1つのピエゾ抵抗素子がダイアフラム25に配置されている構成であってもよい。また、センサー部5としては、本実施形態のようなピエゾ抵抗型の他にも、静電容量の変化に基づいて圧力を検出する静電容量型を用いてもよい。
また、図1に示すように、基板2の上面には、酸化シリコン膜(SiO2膜)からなる第1絶縁膜31が成膜されている。第1絶縁膜31によって、ピエゾ抵抗素子51、52、53、54の界面準位を低減してノイズの発生を抑制することができる。
第1絶縁膜31上には窒化シリコン膜(SiN膜)からなる第2絶縁膜32が成膜されている。第2絶縁膜32は、ダイアフラム25と重ならないよう、ダイアフラム25の周囲を囲む枠状をなしている。また、第1絶縁膜31および第2絶縁膜32上には、ポリシリコン(p−Si)からなる第3絶縁膜33が成膜されている。これら第2、第3絶縁膜32、33によって、センサー部5を水分、ガス等から保護することができる。
本実施形態では、第2絶縁膜32をダイアフラム25と重ならないように配置し、第3絶縁膜33をダイアフラム25と重なるように配置している。これは、第3絶縁膜33の方が第2絶縁膜32よりも薄く成膜することができ、ダイアフラム25の実質厚み(ダイアフラム25の厚さに、ダイアフラム25上に成膜された膜の厚さを加えた厚さ)をより薄くすることができるためである。
なお、第1絶縁膜31、第2絶縁膜32および第3絶縁膜33の少なくとも1つは、省略してもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。例えば、第3絶縁膜33の代わりに、導電性を有する導電膜(例えば、ポリシリコンに不純物をドープした膜)を設け、この導電膜を基準電位(グランド)としたり、導電膜にセンサー部5の駆動電圧を印加したりすることにより、導電膜を外乱からセンサー部5を保護するシールド層として機能させることができる。そのため、センサー部5が外乱の影響を受け難くなり、圧力センサー1の圧力検出精度をより高めることができる。
図1に示すように、ダイアフラム25の上側には、圧力基準室Sが設けられている。この圧力基準室Sは、基板2と周囲構造体4とに囲まれることにより形成されている。圧力基準室Sは、密閉された空間であり、圧力基準室S内の圧力が、圧力センサー1が検出する圧力の基準値となる。特に、圧力基準室Sは、減圧状態、特に真空状態または真空状態により近い状態(例えば、10Pa以下)であることが好ましい。なお、圧力基準室Sは、一定の圧力に保たれていれば、真空状態でなくてもよい。
周囲構造体4は、基板2との間に圧力基準室Sを形成している。周囲構造体4は、基板2上に配置された層間絶縁膜41と、層間絶縁膜41上に配置された配線層42と、配線層42および層間絶縁膜41上に配置された層間絶縁膜43と、層間絶縁膜43上に配置された配線層44と、配線層44および層間絶縁膜43上に配置された表面保護膜45と、配線層44および表面保護膜45上に配置された封止層46と、を有している。なお、本実施形態では、層間絶縁膜および配線層をそれぞれ2層有する構成となっているが、これらの数は、特に限定されない。
層間絶縁膜41、43は、それぞれ、枠状をなし、平面視でダイアフラム25を囲むように配置されている。そして、これら層間絶縁膜41、43によって、側壁部4Aが構成されている。また、側壁部4Aの内側には空間(すなわち、圧力基準室S)が形成されている。
配線層42は、圧力基準室Sを囲んで配置された枠状のガードリング421と、センサー部5の配線55と接続された配線部429とを有している。また、配線層44は、圧力基準室Sを囲んで配置された枠状のガードリング441と、配線55と接続された配線部449とを有している。
ここで、ガードリング421、441の構成について詳細に説明する。図4に示すように、ガードリング421は、層間絶縁膜41を貫通して設けられ、第3絶縁膜33と接続された凹状のコンタクト部421aと、層間絶縁膜41上に設けられ、コンタクト部421aの周囲に配置されたフランジ部421bと、を有している。また、フランジ部421bは、コンタクト部421aに対して圧力基準室S側に位置する内側部421b’と、反対側に位置する外側部421b”と、を有している。また、ガードリング441は、層間絶縁膜43を貫通して設けられ、ガードリング421のコンタクト部421aと接続された凹状のコンタクト部441aと、層間絶縁膜43上に設けられ、コンタクト部441aの周囲に配置されたフランジ部441bと、を有している。また、フランジ部441bは、コンタクト部441aよりも圧力基準室S側に位置する内側部441b’と、反対側に位置する外側部441b”と、を有している。
表面保護膜45は、周囲構造体4を水分、ガス、ゴミ、傷などから保護する機能を有している。表面保護膜45は、層間絶縁膜43および配線層44上に配置されている。
封止層46は、圧力基準室Sの天井(側壁部4Aの内側に形成された空間の上端面)に位置し、側壁部4Aの内側に形成された圧力基準室Sを覆うように配置されている。そして、この封止層46によって、圧力基準室Sが封止されている。
このような周囲構造体4のうち、層間絶縁膜41、43としては、特に限定されないが、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)等の絶縁膜を用いることができる。また、表面保護膜45としては、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリイミド膜、エポキシ樹脂膜などを用いることができる。
また、配線層42としては、特に限定されないが、本実施形態では、図4に示すように、バリアメタル層42Aと、バリアメタル層42A上に積層された金属層42Bと、の積層体で構成されている。バリアメタル層42Aは、金属層42B内の金属材料の拡散を防止する機能を有しており、本実施形態では、第1バリアメタル層42A’と第2バリアメタル層42A”との積層体で構成されている。第1バリアメタル層42A’の構成材料としては、特に限定されず、例えば、チタン(Ti)を用いることができ、第2バリアメタル層42A”の構成材料としては、特に限定されず、例えば、窒化チタン(TiN)を用いることができる。一方、金属層42Bとしては、特に限定されず、例えば、アルミニウム(Al)等の金属材料を用いることができる。
また、配線層44としては、特に限定されないが、本実施形態では、図4に示すように、配線層42と同様に、バリアメタル層44Aと、バリアメタル層44A上に積層された金属層44Bと、の積層体で構成されている。バリアメタル層44Aは、金属層44B内の金属材料の拡散を防止する機能を有しており、本実施形態では、第1バリアメタル層44A’と第2バリアメタル層44A”との積層体で構成されている。
このようなバリアメタル層44Aは、チタン(Ti元素)を含む材料で構成されている。ここで、「チタンを含む」とは、金属チタンをそのまま含む場合と、チタン合金またはチタン化合物として含む場合とが挙げられる。本実施形態では、第1バリアメタル層44A’はチタン(Ti)で構成され、第2バリアメタル層44A”は、窒化チタン(TiN)で構成されている。一方、金属層44Bは、アルミニウム(Al)を含む材料で構成されている。ここで、「アルミニウムを含む」とは、金属アルミニウムをそのまま含む場合と、アルミニウム合金またはアルミニウム化合物として含む場合とが挙げられる。本実施形態では、金属層44Bは、アルミニウムで構成されている。
なお、配線層42、44の構成としては、特に限定されない。例えば、第1バリアメタル層42A’、44A’は、それぞれ、チタン以外の材料(例えば、製造上、不可避的に混じってしまう材料)を含んでいてもよいし、チタン以外の材料で構成されていてもよい。同様に、第2バリアメタル層42A”、44A”は、それぞれ、窒化チタン以外の材料(例えば、製造上、不可避的に混じってしまう材料)を含んでいてもよいし、窒化チタン以外の材料で構成されていてもよい。また、バリアメタル層42A、44Aは、一層で構成されていてもよいし、3層以上の積層体で構成されていてもよい。また、金属層42B、44Bは、それぞれ、アルミニウム以外の材料(例えば、製造上、不可避的に混じってしまう材料)を含んでいてもよい。
次に、封止層46について詳細に説明する。図1に示すように、封止層46は、第1層461と、第1層461よりもダイアフラム25側に位置する第2層462と、第2層462よりもダイアフラム25側に位置する第3層463と、第1層461と第2層462との間に位置する第4層464と、を有している。
第3層463は、封止層46に含まれる各層の中で最もダイアフラム25側に位置している。そして、この第3層463上に第2層462が積層されている。第2層462および第3層463は、それぞれ、枠状をなし、その中央部に開口460を有している。そして、これら第2層462および第3層463は、図4に示すように、前述したガードリング441(特に、フランジ部441bの内側部441b’)から構成されている。具体的には、第3層463は、内側部441b’のバリアメタル層44Aから構成されており、第2層462は、内側部441b’の金属層44Bから形成されている。なお、前記「枠状」とは、周方向に連続し、環状をなしている枠状の他にも、周方向の一部に欠損部を有する枠状を含む意味である。
前述したように、バリアメタル層44Aは、チタン膜である第1バリアメタル層44A’と窒化チタン膜である第2バリアメタル層44A”との積層体で構成されている。このようなチタンを含むバリアメタル層44Aから第3層463を構成することで、第3層463の機械的強度を高めることができる。
第1層461は、図1に示すように、下面側が開口460を介して圧力基準室Sに臨む第1シリコン層461aと、第1シリコン層461aの上面に積層された酸化シリコン層461bと、酸化シリコン層461bの上面に積層された第2シリコン層461cと、を有する3層構造をなしている。このように、第1層461を積層構造とすることにより、圧力基準室Sをより確実に気密封止することができる。
第1シリコン層461aは、シリコン(Si)を含み、特に本実施形態ではシリコン(Si)で構成されている。また、酸化シリコン層461bは、酸化シリコン(SiO2)を含み、特に本実施形態では酸化シリコン(SiO2)で構成されている。また、第2シリコン層461cは、シリコン(Si)を含み、特に本実施形態ではシリコン(Si)で構成されている。
このように、第1層461の各層がそれぞれシリコン(Si)を含んでいることにより、後述する製造方法でも説明するように、第1層461を半導体プロセスによって容易に形成することができる。さらには、同じ材料(シリコン)で構成された第1シリコン層461aおよび第2シリコン層461cで、これらと異なる材料(SiO2)で構成された酸化シリコン層461bを挟み込むことにより、第1層461の熱膨張率をその厚さ方向で平均化することができる。
また、前述したように、基板2がSOI基板で構成されているため、第1層461の各層がそれぞれシリコン(Si)を含んでいることにより、圧力基準室Sを介して対向する基板2と第1層461との熱膨張率の差を小さくすることができる。そのため、ダイアフラム25に加わる熱応力(熱膨張率の差に起因して生じる応力)を小さく抑えることができると共に、環境温度による熱応力の変化を抑制することができる。そのため、環境温度に起因した出力ドリフトが抑制され、優れた温度特性を有する圧力センサー1となる。
また、図1に示すように、第1シリコン層461aの中央部Q1(後述する)には複数の貫通孔461a’が形成されている。複数の貫通孔461a’は、後述する製造方法において説明するように、製造途中まで圧力基準室Sを埋めている犠牲層Gを除去するためのリリースエッチング用の孔として利用される。このような複数の貫通孔461a’は、第1シリコン層461a上に配置された酸化シリコン層461bおよび第2シリコン層461cによって封止されている。
各貫通孔461a’の横断面形状は、略円形状である。ただし、各貫通孔461a’の横断面形状は、特に限定されず、例えば、三角形、四角形等の多角形、楕円形、異形等であってもよい。また、図5に示すように、貫通孔461a’は、横断面積(径)が圧力基準室S側から酸化シリコン層461b側に向けて漸減したテーパー状をなしている。貫通孔461a’をテーパー状にすることにより、貫通孔461a’内の空間が十分に確保されて犠牲層Gを除去し易くなると共に、貫通孔461a’の上側の開口を十分に小さくすることができ、貫通孔461a’を酸化シリコン層461bおよび第2シリコン層461cによってより確実に塞ぐことができる。なお、貫通孔461a’の形状としては、特に限定されず、前述したテーパー状以外の形状、例えば、ストレート状、逆テーパー状等であってもよい。
貫通孔461a’の下端側開口の径Rmax(幅)としては、特に限定されないが、例えば、0.6μm以上1.2μm以下であることが好ましく、0.8μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。一方、貫通孔461a’の上端側開口の径Rmin(幅)としては、特に限定されないが、例えば、100Å以上900Å以下であることが好ましく、300Å以上700Å以下であることがより好ましい。これにより、犠牲層Gを除去するのに十分な大きさであり、かつ、酸化シリコン層461bおよび第2シリコン層461cによってより確実に塞ぐことのできる貫通孔461a’となる。また、貫通孔461a’の過度な大型化を阻止することができ、例えば、第1シリコン層461aの機械的強度が過度に低下してしまったり、あるいは、第1シリコン層461aの機械的強度を確保するために第1シリコン層461aが過度に厚くなってしまったりするのを抑制することができる。
また、貫通孔461a’は、横断面積(径)の変化率が圧力基準室S側から酸化シリコン層461b側に向けて漸減している。すなわち、上側に向けて内周面の傾斜がきつくなっており、上端部では内周面がほぼ垂直に立った状態となっている。そのため、貫通孔461a’は、漏斗状の内部空間を有しているとも言える。このような構成とすれば、貫通孔461a’の径を下側から上側に向けて徐々に小さくすることができるため、径Rminを高精度に制御することができる。そのため、径Rminを目標値に合わせ込み易くなる。したがって、径Rminが小さくなり過ぎて犠牲層Gを除去し難くなったり、反対に、径Rminが大きくなり過ぎて貫通孔461a’を酸化シリコン層461bや第2シリコン層461cで封止することが困難となったりするのを抑制することができる。
また、第1シリコン層461aは、各貫通孔461a’の下端側開口を囲む環状をなし、圧力基準室S側に突出する枠状の突出部461a”を有している。そのため、仮に封止層46がダイアフラム25側に撓んで、封止層46がダイアフラム25と接触したとしても、突出部461a”がダイアフラム25に優先的に接触する。そのため、突出部461a”がない場合と比べて、封止層46とダイアフラム25との接触面積を小さくすることができ、封止層46がダイアフラム25に接触したまま貼り付いてしまう「スティッキング」の発生を効果的に抑制することができる。ただし、突出部461a”は、省略してもよい。
以上のような第1シリコン層461a上には酸化シリコン層461bが積層されている。酸化シリコン層461bは、主に、第1シリコン層461aに形成された複数の貫通孔461a’を封止するための層である。このような酸化シリコン層461b上には第2シリコン層461cが積層されている。第2シリコン層461cは、主に、材料が同じ第1シリコン層461aとの間に、異なる材料で構成された酸化シリコン層461bを挟み込むための層である。また、第2シリコン層461cは、酸化シリコン層461bで貫通孔461a’を封止仕切れなかった場合に酸化シリコン層461bと共に貫通孔461a’を封止する機能も有している。
なお、酸化シリコンで構成された酸化シリコン層461bが外部に露出していると、酸化シリコン層461bが水分を吸着し、環境湿度によって第1層461の残留応力が変化するおそれがある。環境湿度によって第1層461の残留応力が変化してしまうと、それがダイアフラム25に伝わって、ダイアフラム25の残留応力も変化してしまう。そのため、環境湿度に起因する出力のドリフトが生じてしまい、圧力センサー1の圧力検出精度が低下するおそれがある。そこで、第2シリコン層461cで酸化シリコン層461bの外部に露出し得る面を覆い、酸化シリコン層461bの外部への露出を阻止している。これにより、酸化シリコン層461bを水分から保護することができ、環境湿度による第1層461の残留応力の変化を抑制することができる。
以上、第1層461について説明したが、第1層461の構成としては、特に限定されない。例えば、第1シリコン層461aおよび第2シリコン層461cは、それぞれ、シリコン以外の材料(例えば、製造上、不可避的に混じってしまう材料)を含んでいてもよい。同様に、酸化シリコン層461bは、酸化シリコン以外の材料(例えば、製造上、不可避的に混じってしまう材料)を含んでいてもよい。また、例えば、第1シリコン層461aと酸化シリコン層461bとの間や酸化シリコン層461bと第2シリコン層461cとの間に別の層が介在していてもよい。すなわち、第1層461は、4層以上の積層構造となっていてもよい。また、第2シリコン層461cを省略してもよい。また、第1シリコン層461aが貫通孔461a’を有していなくてもよく、この場合、酸化シリコン層461bおよび第2シリコン層461cを省略してもよい。
第4層464は、第1層461と第2層462との間に位置している。第4層464は、直下の第2層462を形成する際のフォトリソグラフィーの反射防止膜としての機能を有している。また、後述する製造方法でも説明するように、第4層464は、封止層46を凸状に湾曲させるために用いられる形状変形膜としての機能も有している。また、第4層464は、例えば、第2層462に比べて、十分に薄くなっている。
このような第4層464の構成材料としては、特に限定されず、例えば、窒化チタン(TiN)のようなチタン(Ti元素)を含む材料で構成されている。ここで、「チタンを含む」とは、金属チタンをそのまま含む場合と、チタン合金またはチタン化合物として含む場合とが挙げられる。ただし、第4層464の構成としては、特に限定されず、例えば、窒化チタン以外の材料(例えば、製造上、不可避的に混じってしまう材料)を含んでいてもよいし、窒化チタン以外の材料で構成されていてもよいし、チタンを含まない材料で構成されていてもよい。また、第4層464は、2層以上の積層体で構成されていてもよい。具体的は、例えば、第4層464は、第3層463と同様に、チタン膜と窒化チタン膜との積層体で構成されていてもよい。
以上、封止層46の各層について詳細に説明した。このような構成の封止層46は、上側(圧力基準室Sと反対側)へ凸となるように湾曲している。このように、封止層46を上側へ湾曲させることにより、封止層46がダイアフラム25側へ撓み難くなり、封止層46とダイアフラム25との接触を効果的に抑制することができる。また、同じ側壁部4Aの高さでも封止層46が上側へ湾曲している分、封止層46とダイアフラム25との離間距離Dを大きく確保することができる。そのため、圧力センサー1の大型化を伴うことなく、封止層46とダイアフラム25との接触を効果的に抑制することができる。したがって、小型で圧力検出精度に優れ、信頼性の高い圧力センサー1となる。
また、図1および図4に示すように、封止層46は、基板2の法線方向からの平面視で、その中央部に位置し、圧力基準室Sの中央部(ダイアフラム25の中央部)と重なる中央部Q1と、圧力基準室Sの縁部と重なり、中央部Q1を囲む枠状をなす縁部Q3と、中央部Q1と縁部Q3との間に位置し、枠状をなす中間部Q2と、を有している。そして、中央部Q1は、封止層46を構成する第1層461、第2層462、第3層463および第4層464のうちの第1層461および第4層464の積層体から形成され、中間部Q2は、第1層461、第4層464および第2層462の積層体から形成され、縁部Q3は、第1層461、第4層464、第2層462および第3層463の積層体から形成されている。
なお、図1では、説明の便宜上、バランスを崩して図示しているが、中央部Q1の幅は、例えば、圧力基準室Sの幅の0.8以上0.95以下程度であり、封止層46(圧力基準室Sと重なる部分)の大半を中央部Q1が占めている構成とすることが好ましい。これにより、後述する効果(アルミニウムの量を削減することによる効果)がより顕著に発揮される。
上述のように、中央部Q1が第1層461および第4層464の積層体から形成されていることにより、例えば、中央部Q1が、中間部Q2と同様に第1層461、第4層464および第2層462の積層体から形成されている場合や、縁部Q3と同様に第1層461、第4層464、第2層462および第3層463の積層体から形成されている場合と比べて、ダイアフラム25との離間距離Dを大きくすることができる。そのため、封止層46とダイアフラム25との接触をより効果的に抑制することができる。
さらには、中央部Q1に第2層462が含まれないことにより、封止層46に含まれるアルミニウム(金属材料)の量を効果的に減らすことができる。アルミニウムは、圧力センサー1の多くを占めるシリコン系材料と比べて熱膨張率が大きい。そのため、アルミニウムが多く含まれると、それが残留応力を増加させる原因となる。そして、この残留応力がダイアフラム25に伝わることによりノイズとなってしまい、圧力の検出精度が悪化してしまう。また、残留応力は、経時的に変化する(一般的には経時的に開放して小さくなる)。そのため、ノイズも安定せず回路を用いて補正することも困難である。そのため、残留応力の低減を図る観点から、アルミニウムの量を極力減らすことが望ましい。したがって、中央部Q1に第2層462を含まない構成とすることにより、封止層46に含まれるアルミニウムの量を効果的に削減でき、封止層46の残留応力を効果的に減少させることができる。これにより、優れた圧力検出特性を発揮でき、かつ、その特性を経時的に安定して維持することのできる圧力センサー1となる。
また、上述のように、縁部Q3は、第1層461、第4層464、第2層462および第3層463の積層体から形成されている。これにより、縁部Q3を厚くすることができ、その分、縁部Q3の剛性を高めることができる。したがって、縁部Q3によって、それよりも内側の部分(中央部Q1および中間部Q2)を強固に支持することができ、封止層46のダイアフラム25側への変形をより効果的に抑制することができる。また、縁部Q3には、貫通孔461a’が設けられていない。したがって、縁部Q3の剛性の低下を抑制することができる。
また、上述のように、中間部Q2は、第1層461、第4層464および第2層462の積層体から形成されている。すなわち、中間部Q2は、第1層461および第4層464の積層体から形成されている中央部Q1よりも厚く、第1層461、第4層464、第2層462および第3層463の積層体から形成されている縁部Q3よりも薄い。このように、中央部Q1と縁部Q3との間に、これらの間の厚さを有する中間部Q2を設けることにより、中央部Q1と縁部Q3との境界部に大きな段差(急峻な厚みの変化)が生じてしまうことを抑制することができる。すなわち、中央部Q1から縁部Q3に向けて徐々に厚みを大きくすることができる。これにより、中央部Q1と縁部Q3との境界部への局所的な応力集中を効果的に抑制することができる。そのため、封止層46の機械的強度を高めることができ、封止層46内の残留応力を減らすこともできる。
特に、本実施形態では、中間部Q2において、第2層462の厚さが縁部Q3側から中央部Q1側に向けて漸減している。これにより、上述した効果をより顕著に発揮することができる。また、中間部Q2には、貫通孔461a’が設けられていない。したがって、中間部Q2の剛性の低下を抑制することができる。
以上、圧力センサー1について説明した。このような圧力センサー1は、前述したように、受圧により撓み変形するダイアフラム25を有する基板2と、基板2の上面(一方の面)側に接続され、基板2の平面視でダイアフラム25を囲むように配置されている側壁部4Aと、側壁部4Aに囲まれた圧力基準室S(空間)を介してダイアフラム25に対向して配置され、圧力基準室Sを封止する封止層46と、を有している。また、封止層46は、シリコンを含む第1層461と、第1層461よりもダイアフラム25側に位置し、アルミニウムを含む第2層462と、第2層462よりもダイアフラム25側に位置する第3層463と、を有している。そして、封止層46の中央部Q1は、第1層461から形成され、封止層46の縁部Q3は、第1層461、第2層462および第3層463から形成されている。これにより、封止層46に含まれるアルミニウムの量を効果的に減らすことができる。したがって、封止層46の残留応力を効果的に低減することができ、優れた圧力検出特性を発揮でき、かつ、その特性を経時的に安定して維持することのできる圧力センサー1が得られる。
また、前述したように、封止層46は、中央部Q1が縁部Q3よりも上側(ダイアフラム25と反対側)に位置するように凸状に湾曲している。これにより、封止層46がダイアフラム25側へ撓み難くなり、封止層46とダイアフラム25との接触を効果的に抑制することができる。また、同じ側壁部4Aの高さでも封止層46が上側へ湾曲している分、封止層46とダイアフラム25との離間距離Dを大きく確保することができる。そのため、圧力センサー1の大型化を伴うことなく、封止層46とダイアフラム25との接触を効果的に抑制することができる。したがって、小型で圧力検出精度に優れ、信頼性の高い圧力センサー1となる。
また、前述したように、第3層463は、チタン膜である第1バリアメタル層44A’と、窒化チタン膜である第2バリアメタル層44A”と、の積層体で構成されている。すなわち、第3層463は、チタンを含んでいる。そのため、第3層463の機械的強度を高めることができる。
また、前述したように、封止層46の中央部Q1と縁部Q3との間に位置する中間部Q2は、第1層461および第2層462から形成されている。これにより、中央部Q1と縁部Q3との境界部に大きな段差(急峻な厚みの変化)が生じてしまうことを抑制することができる。そのため、中央部Q1と縁部Q3との境界部への局所的な応力集中を効果的に抑制することができ、封止層46の機械的強度を高めることができると共に、封止層46内の残留応力を減らすことができる。
また、前述したように、中間部Q2において、第2層462の厚さは、縁部Q3側から中央部Q1側に向けて漸減している。これにより、封止層46の厚みを中央部Q1から縁部Q3に向けて徐々に大きくすることができるため、中央部Q1と縁部Q3との境界部への局所的な応力集中を効果的に抑制することができる。そのため、封止層46の機械的強度を高めることができ、封止層46内の残留応力を減らすこともできる。
また、前述したように、封止層46は、第1層461と第2層462との間に位置し、中央部Q1、中間部Q2および縁部Q3に亘って配置されている第4層464を有している。このような第4層464を有することにより、封止層46の機械的強度を高めることができる。後述する製造方法でも説明するように、より確実に、封止層46を凸状に湾曲させることができる。
また、前述したように、第4層464は、チタンを含んでいる。これにより、第4層464の機械的強度を高めることができる。また、第4層464を、第2層462を形成する際のフォトリソグラフィーの反射防止膜としても利用することができる。
また、前述したように、第1層461は、シリコンを含む第1シリコン層461aと、第1シリコン層461aに対してダイアフラム25と反対側に位置し、シリコンを含む第2シリコン層461cと、第1シリコン層461aと第2シリコン層461cとの間に位置し、酸化シリコンを含む酸化シリコン層461bと、を有している。このように、第1層461を積層体とすることにより、より確実に、圧力基準室Sを封止することができる。
また、前述したように、中央部Q1には、第1シリコン層461aを貫通する貫通孔461a’が設けられている。これにより、後述する製造方法でも説明するように、中央部Q1から第2層462を排除し易くなる。また、貫通孔461a’を縁部Q3および中間部Q2に設けないことにより、縁部Q3および中間部Q2の機械的強度の低下を抑制することができ、封止層46の変形を効果的に抑制することができる。
次に、圧力センサー1の製造方法について説明する。圧力センサー1の製造方法は、図6に示すように、基板2を準備する準備工程と、基板2にセンサー部5を形成するセンサー部形成工程と、基板2の上面側に、犠牲層Gおよび犠牲層Gの周囲に位置する側壁部4Aを形成する側壁部形成工程と、犠牲層Gを除去して圧力基準室Sを形成する圧力基準室形成工程と、圧力基準室Sを封止する封止工程と、基板2にダイアフラム25を形成するダイアフラム形成工程と、を含んでいる。
[準備工程]
まず、図7に示すように、第1層21、第2層22および第3層23が積層したSOI基板からなる基板2を準備する。なお、この段階では、基板2のダイアフラム形成領域250にはダイアフラム25が形成されていない。次に、例えば、第3層23の表面を熱酸化することにより、基板2の上面に酸化シリコン膜からなる第1絶縁膜31を成膜する。
まず、図7に示すように、第1層21、第2層22および第3層23が積層したSOI基板からなる基板2を準備する。なお、この段階では、基板2のダイアフラム形成領域250にはダイアフラム25が形成されていない。次に、例えば、第3層23の表面を熱酸化することにより、基板2の上面に酸化シリコン膜からなる第1絶縁膜31を成膜する。
[センサー部形成工程]
次に、図8に示すように、基板2の上面に、リン、ボロン等の不純物を注入することにより、センサー部5を形成する。次に、第1絶縁膜31の上面に第2絶縁膜32および第3絶縁膜33をスパッタリング法、CVD法等を用いて成膜する。
次に、図8に示すように、基板2の上面に、リン、ボロン等の不純物を注入することにより、センサー部5を形成する。次に、第1絶縁膜31の上面に第2絶縁膜32および第3絶縁膜33をスパッタリング法、CVD法等を用いて成膜する。
[側壁部形成工程]
次に、図9に示すように、基板2上に、層間絶縁膜41、配線層42、層間絶縁膜43、配線層44(第2層462および第3層463)、第4層464および表面保護膜45をスパッタリング法、CVD法等の各種成膜法とエッチング法とを用いて順に所定のパターンで形成する。これにより、ダイアフラム形成領域250と重なり、層間絶縁膜41、43から構成された犠牲層Gと、犠牲層Gの周囲に位置し、犠牲層Gを囲む枠状の側壁部4Aと、が得られる。犠牲層Gの上面は、配線層44および第4層464で覆われており、配線層44および第4層464の犠牲層Gと重なる部分には、犠牲層Gに臨む複数の貫通孔49が形成されている。
次に、図9に示すように、基板2上に、層間絶縁膜41、配線層42、層間絶縁膜43、配線層44(第2層462および第3層463)、第4層464および表面保護膜45をスパッタリング法、CVD法等の各種成膜法とエッチング法とを用いて順に所定のパターンで形成する。これにより、ダイアフラム形成領域250と重なり、層間絶縁膜41、43から構成された犠牲層Gと、犠牲層Gの周囲に位置し、犠牲層Gを囲む枠状の側壁部4Aと、が得られる。犠牲層Gの上面は、配線層44および第4層464で覆われており、配線層44および第4層464の犠牲層Gと重なる部分には、犠牲層Gに臨む複数の貫通孔49が形成されている。
ここで、配線層44(第2層462および第3層463)および第4層464の形成方法について詳細に説明すると、まず、層間絶縁膜43上に第3層463を成膜し、フォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いてパターニングする。次に、パターニングした第3層463上に第2層462および第4層464を順に成膜し、フォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いて、第2層462および第4層464を共にパターニングする。これにより、図9に示す状態となる。なお、第4層464は、フォトリソグラフィーの際の反射防止膜として好適に用いることができる。
[圧力基準室形成工程]
次に、基板2を所定のバッファードフッ酸等に晒す。これにより、図10に示すように、貫通孔49を介して犠牲層Gがエッチング除去されて、圧力基準室Sが形成される。この際、ガードリング421、441がエッチングストッパーとして機能し、ガードリング421、441の外側にある側壁部4Aの不本意な除去が抑制される。なお、本実施形態では、犠牲層Gの一部が残存しており、ガードリング421、441の一部が側壁部4Aに埋設された状態となっている。ただし、犠牲層Gは、その全てが除去されてもよい。
次に、基板2を所定のバッファードフッ酸等に晒す。これにより、図10に示すように、貫通孔49を介して犠牲層Gがエッチング除去されて、圧力基準室Sが形成される。この際、ガードリング421、441がエッチングストッパーとして機能し、ガードリング421、441の外側にある側壁部4Aの不本意な除去が抑制される。なお、本実施形態では、犠牲層Gの一部が残存しており、ガードリング421、441の一部が側壁部4Aに埋設された状態となっている。ただし、犠牲層Gは、その全てが除去されてもよい。
[封止工程]
次に、図11に示すように、第4層464および表面保護膜45の上面に、貫通孔461a’を有する第1シリコン層461aを成膜する。第1シリコン層461aの成膜方法としては、特に限定されず、例えば、スパッタリング法、CVD法等の各種成膜方法(気相成長法)を用いることができる。
次に、図11に示すように、第4層464および表面保護膜45の上面に、貫通孔461a’を有する第1シリコン層461aを成膜する。第1シリコン層461aの成膜方法としては、特に限定されず、例えば、スパッタリング法、CVD法等の各種成膜方法(気相成長法)を用いることができる。
本工程について詳しく説明すると、第4層464上に第1シリコン層461aを成長させていくと、初めのうちは急峻に貫通孔49を塞いでいくが、第1シリコン層461aが厚くなると共にその勢いが低下し、第1シリコン層461aがある厚みを超えたあたりから貫通孔49がほとんど塞がらなくなる。そのため、容易かつより確実に、貫通孔461a’を形成することができる。また、第1シリコン層461aの一部が貫通孔49内に入り込むことにより、枠状の突出部461a”が形成される。このようなことから、貫通孔49は、エッチングリリース孔としての機能と共に、第1シリコン層461aに貫通孔461a’および突出部461a”を形成する機能を有しているとも言える。
また、第1シリコン層461aの成膜中、基板2が高温に曝され、アルミニウムを含む第2層462が膨張する。そして、本工程の終了によって基板2が冷却される際に第2層462が収縮することにより、図11に示すように、第2層462が第1シリコン層461aと共に上側に凸となるように湾曲変形し、この形状が維持される。なお、上側に凸となるように湾曲変形するのは、次の理由による。第2層462の上面には、そのほぼ全域に亘って第4層464が配置されているのに対して、第2層462の下面には、その中央部Q1を除くようにして第3層463が配置されている。したがって、第4層464による拘束力(第2層462の収縮を抑える力)よりも、第3層463による拘束力が弱くなり、冷却時に第2層462の下面側の方が上面側よりも大きく収縮するためである。
なお、第2層462を凸状に湾曲変形させる方法としては、特に限定されない。例えば、第1シリコン層461aを成膜する際の高温化からの冷却によっては、第2層462が湾曲しない場合や湾曲が不十分である場合には、第1シリコン層461aを成膜後、加熱によって第2層462および第1シリコン層461aを熱膨張させてもよい。第2層462を構成するアルミニウムの熱膨張率は約23ppm/Kであり、第1シリコン層461aを構成するシリコンの熱膨張率は約2.6ppm/Kである。そのため、これら材料の熱膨張率の差に起因して、前記熱膨張によって第2層462および第1シリコン層461aが上側に凸となるように湾曲変形する。このような方法によれば、例えば、第4層464が省略されている場合でも、簡単に、第2層462を凸状に湾曲変形させることができる。
次に、基板2を例えばリン酸、酢酸および硝酸の混酸等のエッチング液に晒し、貫通孔461a’を介して第2層462の一部(中央部Q1に位置する部分)を除去する。これにより、図12に示すように、第2層462および第3層463が共に枠状となり、その中央部に開口460が形成される。なお、第2層462の下面が圧力基準室Sに臨んでいるため、エッチング液に曝され易く、下面側が上面側よりも速いレートで除去される。したがって、第2層462は、その厚さが縁部Q3から中央部Q1に向けて漸減する形状となる。
次に、圧力基準室Sを真空状態とした状態で、図13に示すように、第1シリコン層461aの上面に酸化シリコン層461bを成膜し、貫通孔461a’を封止する。酸化シリコン層461bの成膜方法としては、特に限定されず、例えば、スパッタリング法、CVD法等の各種成膜方法(気相成長法)を用いることができる。次に、フォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いて、酸化シリコン層461bをパターニングし、酸化シリコン層461bの外縁を第1シリコン層461aの外縁よりも内側に位置させる。なお、酸化シリコン層461bのパターニング方法として、バッファードフッ酸等のエッチング液を用いたウェットエッチングを利用することが好ましい。これにより、酸化シリコン層461bと第1シリコン層461aとのエッチング選択比を大きく確保することができ、実質的に酸化シリコン層461bのみをパターニングすることができる。
次に、図14に示すように、第1シリコン層461aおよび酸化シリコン層461bの上面に第2シリコン層461cを成膜する。これにより、第1シリコン層461aおよび第2シリコン層461cによって酸化シリコン層461bが封止される。第2シリコン層461cの成膜方法としては、特に限定されず、例えば、スパッタリング法、CVD法等の各種成膜方法(気相成長法)を用いることができる。
次に、図15に示すように、フォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いて、第1シリコン層461aおよび第2シリコン層461cを同時にパターニングする。これにより、封止層46が得られる。なお、第1シリコン層461aおよび第2シリコン層461cを互いに同じ材料で構成することにより、これらを同時にパターニングすることができる。そのため、圧力センサー1の製造工程を削減することができ、圧力センサー1の製造がより容易となる。
[ダイアフラム形成工程]
次に、図16に示すように、例えば、ドライエッチング(特に、シリコンディープエッチング)法を用いて第1層21をエッチングし、ダイアフラム形成領域250に、下面に開放する凹部24を形成してダイアフラム25を得る。以上により、圧力センサー1が得られる。なお、ダイアフラム形成工程の順番は、特に限定されず、例えば、センサー部配置工程に先立って行ってもよいし、センサー部配置工程から第3封止層配置工程までの間に行ってもよい。
次に、図16に示すように、例えば、ドライエッチング(特に、シリコンディープエッチング)法を用いて第1層21をエッチングし、ダイアフラム形成領域250に、下面に開放する凹部24を形成してダイアフラム25を得る。以上により、圧力センサー1が得られる。なお、ダイアフラム形成工程の順番は、特に限定されず、例えば、センサー部配置工程に先立って行ってもよいし、センサー部配置工程から第3封止層配置工程までの間に行ってもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図17は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーを示す断面図である。
次に、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーについて説明する。
図17は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサーを示す断面図である。
本実施形態に係る圧力センサー1は、ガードリング441の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態の圧力センサー1とほぼ同様である。以下、第2実施形態の圧力センサー1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には同一符号を付してある。
図17は、前述した第1実施形態の図4に対応する断面図であり、ガードリング421、441の断面を示している。同図に示すように、本実施形態では、ガードリング441は、層間絶縁膜43を貫通して設けられ、ガードリング421と接続された凹状の2つのコンタクト部441aと、層間絶縁膜43上に設けられ、コンタクト部441aの周囲に配置されたフランジ部441bと、を有している。2つのコンタクト部441aは、基板2の平面視で、圧力基準室Sを囲む枠状をなし、同心的に配置されている。また、内側に位置するコンタクト部441aを「コンタクト部441a’」とし、外側に位置するコンタクト部441aを「コンタクト部441a”」としたとき、コンタクト部441a’は、フランジ部421bの内側部421b’と接続され、コンタクト部441a”は、フランジ部421bの外側部421b”と接続されている。
例えば、前述した第1実施形態のように、コンタクト部441aをコンタクト部421aに接続しようとすると、層間絶縁膜41、43の厚み等によっては、コンタクト部441aがその後の成膜に支障を来たす程度に深くなってしまう場合がある。そのため、コンタクト部441a上に成膜される第1シリコン層461aのステップカバレッジ(段差被覆性)が悪化し、例えば、周囲構造体4の機械的強度や圧力基準室Sの気密性が低下するおそれがある。これに対して、本実施形態では、コンタクト部441aをフランジ部421bに接続しているため、第1実施形態と比較して、第1シリコン層461aのステップカバレッジが良好となり、周囲構造体4の機械的強度や圧力基準室Sの気密性の低下をより確実に抑制することができる。
以上のような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーモジュールについて説明する。
図18は、本発明の第3実施形態に係る圧力センサーモジュールを示す断面図である。図19は、図18に示す圧力センサーモジュールが有する支持基板の平面図である。
以下、第3実施形態の圧力センサーモジュールについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図18に示すように、圧力センサーモジュール100は、内部空間S1を有するパッケージ110と、内部空間S1内からパッケージ110の外側に引き出されて配置された支持基板120と、内部空間S1内で支持基板120に支持されている回路素子130および圧力センサー1と、内部空間S1に後述するような充填材を充填することにより形成されている充填部140と、を有している。このような圧力センサーモジュール100によれば、パッケージ110および充填部140によって圧力センサー1を保護することができる。なお、圧力センサー1としては、例えば、前述した実施形態のものを用いることができる。
パッケージ110は、ベース111およびハウジング112を有し、ベース111およびハウジング112が支持基板120を挟み込むようにして互いに接着層を介して接合されている。このようにして形成されているパッケージ110は、その上端部に形成された開口110aと、開口110aに連通する内部空間S1と、を有している。
これらベース111およびハウジング112の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物セラミックス、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化物セラミックスのような各種セラミックスや、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂のような各種樹脂材料等の絶縁性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、各種セラミックスを用いることが特に好ましい。
以上、パッケージ110について説明したが、パッケージ110の構成としては、その機能を発揮することができれば特に限定されない。
支持基板120は、ベース111およびハウジング112の間に挟まれており、内部空間S1内からパッケージ110の外側に引き出されて配置されている。また、支持基板120は、回路素子130および圧力センサー1を支持すると共に、回路素子130および圧力センサー1を電気的に接続している。このような支持基板120は、図19に示すように、可撓性を有する基材121と、基材121に配置された複数の配線129と、を有している。
基材121は、開口122aを有する枠状の基部122と、基部122から延出する帯状の帯体123と、を有している。そして、基部122の外縁部においてベース111とハウジング112とに挟まれ、帯体123がパッケージ110の外側に延出している。このような基材121としては、例えば、一般的に用いられているフレキシブルプリント基板を用いることができる。なお、本実施形態では基材121が可撓性を有しているが、基材121の全部または一部は、硬質であってもよい。
基材121の平面視で、回路素子130および圧力センサー1は、開口122aの内側に位置し、並んで配置されている。また、回路素子130および圧力センサー1は、それぞれ、ボンディングワイヤーBWを介して基材121に吊られ、支持基板120から浮遊した状態で支持基板120に支持されている。また、回路素子130および圧力センサー1は、それぞれ、ボンディングワイヤーBWおよび配線129を介して電気的に接続されている。このように、回路素子130および圧力センサー1を支持基板120に対して浮遊した状態で支持することにより、支持基板120から回路素子130および圧力センサー1に応力が伝わり難くなり、圧力センサー1の圧力検出精度が向上する。
回路素子130は、ブリッジ回路50に電圧を供給するための駆動回路、ブリッジ回路50からの出力を温度補償するための温度補償回路、温度補償回路からの出力から、受けた圧力を求める圧力検出回路、圧力検出回路からの出力を所定の出力形式(CMOS、LV−PECL、LVDS等)に変換して出力する出力回路等を有している。
充填部140は、回路素子130および圧力センサー1を覆うように内部空間S1に配置されている。このような充填部140により、回路素子130および圧力センサー1を保護(防塵および防水)すると共に、圧力センサー1に作用した外部応力(例えば、落下衝撃)が回路素子130および圧力センサー1に伝わり難くなる。
また、充填部140は、液状またはゲル状の充填材で構成することができ、回路素子130および圧力センサー1の過剰な変位を抑制することができる点で、特にゲル状の充填材で構成するのが好ましい。このような充填部140によれば、回路素子130および圧力センサー1を水分から効果的に保護することができると共に、圧力を効率的に圧力センサー1へ伝達することができる。このような充填部140を構成する充填材としては、特に限定されず、例えば、シリコーンオイル、フッ素系オイル、シリコーンゲル等を用いることができる。
以上、圧力センサーモジュール100について説明した。このような圧力センサーモジュール100は、圧力センサー1と、圧力センサー1を収納しているパッケージ110と、を有している。そのため、パッケージ110によって、圧力センサー1を保護することができる。また、前述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、圧力センサーモジュール100の構成としては、前述の構成に限定されず、例えば、充填部140は、省略してもよい。また、本実施形態では、圧力センサー1および回路素子130が、ボンディングワイヤーBWによって、支持基板120に吊られた状態で支持されているが、例えば、圧力センサー1および回路素子130が、直接、支持基板120上に配置されていてもよい。また、本実施形態では、圧力センサー1および回路素子130が横に並んで配置されているが、例えば、圧力センサー1および回路素子130が高さ方向に並んで配置されていてもよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る電子機器について説明する。
図20は、本発明の第4実施形態に係る電子機器としての高度計を示す斜視図である。
次に、本発明の第4実施形態に係る電子機器について説明する。
図20は、本発明の第4実施形態に係る電子機器としての高度計を示す斜視図である。
図20に示すように、電子機器としての高度計200は、腕時計のように手首に装着することができる。また、高度計200の内部には、圧力センサー1が搭載されており、表示部201に現在地の海抜からの高度、または、現在地の気圧等を表示することができる。なお、この表示部201には、現在時刻、使用者の心拍数、天候等、様々な情報を表示することができる。
このような電子機器の一例である高度計200は、圧力センサー1を有している。そのため、高度計200は、前述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る電子機器について説明する。
次に、本発明の第5実施形態に係る電子機器について説明する。
図21は、本発明の第5実施形態に係る電子機器としてのナビゲーションシステムを示す正面図である。
図21に示すように、電子機器としてのナビゲーションシステム300は、図示しない地図情報と、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)からの位置情報取得手段と、ジャイロセンサーおよび加速度センサーと車速データとによる自立航法手段と、圧力センサー1と、所定の位置情報または進路情報を表示する表示部301とを備えている。
このナビゲーションシステム300によれば、取得した位置情報に加えて高度情報を取得することができる。例えば、一般道路と位置情報上は略同一の位置を示す高架道路を走行する場合、高度情報を持たない場合には一般道路を走行しているのか高架道路を走行しているのかナビゲーションシステムでは判断できず、優先情報として一般道路の情報を使用者に提供してしまっていた。そこで、ナビゲーションシステム300に圧力センサー1を搭載し、高度情報を圧力センサー1によって取得することにより、一般道路から高架道路へ進入することによる高度変化を検出することができ、高架道路の走行状態におけるナビゲーション情報を使用者に提供することができる。
このような電子機器の一例としてのナビゲーションシステム300は、圧力センサー1を有している。そのため、ナビゲーションシステム300は、前述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子機器は、前述の高度計およびナビゲーションシステムに限定されず、例えば、パーソナルコンピューター、デジタルスチールカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、時計(スマートウォッチを含む)、ドローン、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る移動体について説明する。
図22は、本発明の第6実施形態に係る移動体としての自動車を示す斜視図である。
次に、本発明の第6実施形態に係る移動体について説明する。
図22は、本発明の第6実施形態に係る移動体としての自動車を示す斜視図である。
図22に示すように、移動体としての自動車400は、車体401と、4つの車輪402(タイヤ)と、を有しており、車体401に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪402を回転させるように構成されている。また、自動車400は、車体401に搭載されている電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)403を有しており、この電子制御ユニット403に圧力センサー1が内蔵されている。電子制御ユニット403は、圧力センサー1が車体401の加速度や傾斜等を検出することにより、移動状態や姿勢等を把握し、車輪402等の制御を的確に行うことができる。これにより、自動車400は、安全で安定した移動をすることができる。なお、圧力センサー1は、自動車400に備えられているナビゲーションシステム等に搭載されていてもよい。
このような移動体の一例としての自動車400は、圧力センサー1を有している。そのため、自動車400は、前述した圧力センサー1の効果を享受でき、高い信頼性を発揮することができる。
以上、本発明の圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および移動体を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1…圧力センサー、2…基板、21…第1層、22…第2層、23…第3層、24…凹部、25…ダイアフラム、250…ダイアフラム形成領域、251…受圧面、31…第1絶縁膜、32…第2絶縁膜、33…第3絶縁膜、4…周囲構造体、4A…側壁部、41…層間絶縁膜、42…配線層、42A…バリアメタル層、42A’…第1バリアメタル層、42A”…第2バリアメタル層、42B…金属層、421…ガードリング、421a…コンタクト部、421b…フランジ部、421b’…内側部、421b”…外側部、429…配線部、43…層間絶縁膜、44…配線層、44A…バリアメタル層、44A’…第1バリアメタル層、44A”…第2バリアメタル層、44B…金属層、441…ガードリング、441a、441a’、441a”…コンタクト部、441b…フランジ部、441b’…内側部、441b”…外側部、449…配線部、45…表面保護膜、46…封止層、460…開口、461…第1層、461a…第1シリコン層、461a’…貫通孔、461a”…突出部、461b…酸化シリコン層、461c…第2シリコン層、462…第2層、463…第3層、464…第4層、49…貫通孔、5…センサー部、50…ブリッジ回路、51、52、53、54…ピエゾ抵抗素子、55…配線、100…圧力センサーモジュール、110…パッケージ、110a…開口、111…ベース、112…ハウジング、120…支持基板、121…基材、122…基部、122a…開口、123…帯体、129…配線、130…回路素子、140…充填部、200…高度計、201…表示部、300…ナビゲーションシステム、301…表示部、400…自動車、401…車体、402…車輪、403…電子制御ユニット、BW…ボンディングワイヤー、D…離間距離、G…犠牲層、Q1…中央部、Q2…中間部、Q3…縁部、Rmax…径、Rmin…径、S…圧力基準室、S1…内部空間
Claims (12)
- 受圧により撓み変形するダイアフラムを有する基板と、
前記基板の一方の面側に接続され、前記基板の平面視で前記ダイアフラムを囲むように配置されている側壁部と、
前記側壁部に囲まれた空間を介して前記ダイアフラムに対向して配置され、前記空間を封止する封止層と、を有し、
前記封止層は、シリコンを含む第1層と、
前記第1層よりも前記ダイアフラム側に位置し、アルミニウムを含む第2層と、
前記第2層よりも前記ダイアフラム側に位置する第3層と、を有し、
前記封止層の中央部は、前記第1層から形成され、
前記封止層の縁部は、前記第1層、前記第2層および前記第3層から形成されていることを特徴とする圧力センサー。 - 前記封止層は、前記中央部が前記縁部よりも前記ダイアフラムと反対側に位置するように凸状に湾曲している請求項1に記載の圧力センサー。
- 前記第3層は、チタンを含んでいる請求項1または2に記載の圧力センサー。
- 前記封止層の前記中央部と前記縁部との間に位置する中間部は、前記第1層および前記第2層から形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧力センサー。
- 前記中間部において、前記第2層の厚さは、前記縁部側から前記中央部側に向けて漸減している請求項4に記載の圧力センサー。
- 前記封止層は、前記第1層と前記第2層との間に位置し、前記中央部、前記中間部および前記縁部に亘って配置されている第4層を有する請求項4または5に記載の圧力センサー。
- 前記第4層は、チタンを含んでいる請求項6に記載の圧力センサー。
- 前記第1層は、シリコンを含む第1シリコン層と、
前記第1シリコン層に対して前記ダイアフラムと反対側に位置し、シリコンを含む第2シリコン層と、
前記第1シリコン層と前記第2シリコン層との間に位置し、酸化シリコンを含む酸化シリコン層と、を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧力センサー。 - 前記中央部には、前記第1シリコン層を貫通する貫通孔が設けられている請求項8に記載の圧力センサー。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力センサーと、
前記圧力センサーを収納しているパッケージと、を有することを特徴とする圧力センサーモジュール。 - 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力センサーを有することを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力センサーを有することを特徴とする移動体。
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JP2018003829A JP2019124500A (ja) | 2018-01-12 | 2018-01-12 | 圧力センサー、圧力センサーモジュール、電子機器および移動体 |
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Cited By (1)
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KR20210152947A (ko) * | 2020-06-09 | 2021-12-16 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 에칭 방법 및 기판 처리 장치 |
-
2018
- 2018-01-12 JP JP2018003829A patent/JP2019124500A/ja active Pending
Cited By (2)
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KR20210152947A (ko) * | 2020-06-09 | 2021-12-16 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 에칭 방법 및 기판 처리 장치 |
KR102607077B1 (ko) | 2020-06-09 | 2023-11-29 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 에칭 방법 및 기판 처리 장치 |
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