JP2004003936A - 圧力センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧力センサ1は、外部機器と電気的に接続される配線部を備えるとともに開口部3aが形成される柔軟なシート部材3を備える。開口部3aの形成位置に対応するとともにシ−ト部材3の下面に配設される取付部材4を備える。取付部材4上に接着剤8を介して配設される半導体式の感圧素子5を備える。前記配線部と感圧素子5とを電気的に接続する接続部材(ワイヤ)9を備える。シート部材3上に感圧素子5を囲むように配設されるハウジング2を備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体,気体等の流体の圧力を計測可能とした圧力センサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、シリコンダイアフラム上にゲージ抵抗を形成し、それらをブリッジ状に接続した半導体式の感圧素子を有する圧力センサが広く用いられている。
【0003】
このような感圧素子を用いた従来の圧力センサは、例えば特開昭63−238535号公報に開示され、図8に示すようなものがある。斯かる圧力センサAは、上述したような感圧素子Bと、この感圧素子Bを固定保持する凹形状のハウジングCと、感圧素子Bの電気信号を回路基板Dに伝えるための複数本のリードEと、感圧素子Bと各リードEとをそれぞれ接続し、金等の導電性材料からなるワイヤ(接続部材)Fと、感圧素子B,リードE,ワイヤFが圧力媒体に侵されないようにハウジングC内に注入されるシリコーンゲル等からなる封止部材Gと、によって構成される。また圧力センサAは、リードEとハウジングCとがインサート成形されるものであるが、その製造方法としては、圧力センサとして機能するためのリード端子を複数組備えたリードフレームを金型に配設し、この金型内にハウジングCとなる樹脂材料を流し込むことで前記リードフレームに複数のハウジングCが設けられる。そして、各ハウジングCを前記リードフレームから切断してリードEがインサート成形によって一体に備えられたハウジングCが得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる圧力センサAは、回路基板Dと電気的に接触するための電極部を形成するためにリードEをハウジングCの裏面に沿うように折り曲げる必要があることからリードEの強度を保つためにある程度の大きさが必要であることや、感圧素子Bの電極部とリードEとを電気的に接続するためのワイヤ(接続部材)を感圧素子BがハウジングC内に配設されたあとにワイヤボンディングによって形成しなければならないため、ハウジングC内にワイヤボンディング装置のボンディングツールが移動可能な程度の空間を設けなければならないこと等によって圧力センサを小型化することが困難であるという問題があった。
【0005】
また、斯かる圧力センサAは、製造工程において、前記リードフレームから切断された複数のリードEをハウジングCの裏面に沿うように折り曲げて前記電極部を形成するために、前記リードフレームからばらばらに切り離されたリードEを有する各ハウジングCを、ピンセット等によって一個ずつリード折り曲げ用のプレス機に載せるなどの煩雑な作業が必要となってしまうといった問題があった。
【0006】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、より小型化が可能であり、また製造工程を簡略化して生産性を向上させることが可能な圧力センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、外部機器と電気的に接続される配線部を備えるとともに開口部が形成される柔軟なシート部材と、前記開口部の形成位置に対応するとともに前記シ−ト部材の下面に配設される取付部材と、前記取付部材上に接着剤を介して配設される半導体式の感圧素子と、前記配線部と前記感圧素子とを電気的に接続する接続部材と、前記シート部材上に前記感圧素子を囲むように配設されるハウジングと、を備えてなることを特徴とする。
【0008】
また、前記取付部材は、前記取付部材の前記シート部材との対向面を覆うように前記シート部材あるいは前記取付部材に配設される前記接着剤とは異なる他の接着剤を介して前記シート部材の下面に配設されることを特徴とする。
【0009】
また、前記シート部材は、少なくとも1つ以上の標識部を備えてなることを特徴とする。
【0010】
また、前記標識部は、前記開口部の少なくとも一部にかかるように形成されてなることを特徴とする。
【0011】
また、前記標識部は、金属材料からなることを特徴とする。
【0012】
また、外部機器と電気的に接続される配線部を備える柔軟なシート部材と、前記シ−ト部材の上面に配設される取付部材と、前記取付部材上に接着剤を介して配設される半導体式の感圧素子と、前記配線部と前記感圧素子とを電気的に接続する接続部材と、前記シート部材上に前記感圧素子を囲むように配設されるハウジングと、を備えてなることを特徴とする。
【0013】
また、外部機器と電気的に接続される配線部を備えるとともに凹部が形成される硬質基板と、前記硬質基板の前記凹部上に接着剤を介して配設される半導体式の感圧素子と、前記配線部と前記感圧素子とを電気的に接続する接続部材と、前記硬質基板上に前記感圧素子を囲むように配設されるハウジングと、を備えてなることを特徴とする。
【0014】
また、前記ハウジングは、内部空間に軟質の封止部材が充填されてなることを特徴とする。
【0015】
本発明の製造方法は、外部機器と電気的に接続される配線部と開口部とを備える少なくとも1つ以上のシート部材を備える柔軟な第一基板と、枠体から接続部を介して延設される少なくとも1つ以上の取付部材を備える第二基板と、を備え、前記取付部材が前記開口部に位置するように前記第一基板を前記第二基板上に重ね合わせる工程と、前記開口部に対応する取付部材上に接着剤を介して半導体式の感圧素子を配設する工程と、前記配線部と前記感圧素子とを電気的に接続する接続部材を形成する工程と、前記シート部材上に前記感圧素子を囲むようにハウジングを配設する工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記感圧素子を配設する工程は、前記第一基板の前記シート部材に形成される少なくとも1つ以上の標識部を画像処理手段を備える画像処理装置にて検出し、この検出結果に基づいて前記感圧素子を配設するための配設装置を制御し、前記感圧素子を前記開口部に対応する前記取付部材上に配設することを特徴とする。
【0017】
また、前記ハウジングの内部空間に軟質の封止部材を充填する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
また、前記接続部に溝部を形成することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の第一実施の形態となる圧力センサについて、ダイブコンピュータやダイバーウォッチ等に搭載されるものを例に挙げて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態である圧力センサ1を示す図であり、圧力センサ1はハウジング2とシート部材3と取付部材4と感圧素子5と軟質封止部材6とから主に構成される。
【0021】
ハウジング2は、例えば合成樹脂材からなり、シート部材3上に感圧素子5を囲むように配設され、感圧素子5を収納する収納部(内部空間)2aには感圧素子5を覆う軟質封止部材6が配設される。また、ハウジング2の外周部には、ダイブコンピュータやダイバーウォッチ等のケース体に配設する際に必要となるOリング等の弾性シール部材(図示しない)を配設する段差部2bが設けられている。
【0022】
シート部材3は、例えば柔軟に曲がり可能な可塑性基板(FPC)であって、感圧素子5と例えばダイバーズウォッチのメイン基板等の外部機器(図示しない)とを電気的に接続するための銅等の導電性材料からなる所定の配線部(図示しない)を備える。また、シート部材3には、感圧素子5を取付部材4上に配設するための略四角形状の開口部3aが形成される。尚、前記配線部の形成個所は何れか一方の面上であってもよいし、両面であってもよい。また、前記配線部には金等の導電性の良好な導電性材料によってメッキ処理された端子部3bが形成される。また、シート部材3は、図2に示すように、前記配線部または端子部3bと同様の材料からなる標識部3cを備える。標識部3cは、開口部3aによってその一部が切り欠きされることによって開口部3aの角部にかかるように形成されており、開口部3aの角部と標識部3cとの境界部3dが形成されている。尚、標識部3cは複数形成される構成であっても良く、複数形成される場合は、開口部3aの前記角部以外の部分にかかる構成であっても良い。
【0023】
取付部材4は、紙フェノール,ガラス繊維入り樹脂,セラミックあるいはSUS等からなり、シート部材3の開口部3aの形成位置に対応するとともにシ−ト部材3の下面上に配設される。尚、シート部材3と取付部材4とは例えば熱硬化性樹脂からなり取付部材4のシート部材3との対向面を覆うようにあらかじめシート部材4に配設される接着剤7(他の接着剤)を介して熱圧着にて接着固定される。この場合、接着剤7は、シート部材3の開口部3aに対応する取付部材4の個所上にも配設される構成となる。取付部材4の開口部3aに対応する個所上を避けて接着剤を塗布する場合は、熱圧着の際に前記接着剤が開口部3a側にはみ出して余剰接着剤となり、感圧素子5を配設する際の妨げとなる恐れがあるが、取付部材4のシート部材3との対向面を覆う接着剤7にてシート部材3と取付部材4とを接着することで接着剤のはみ出しを防止することが可能となる。
【0024】
感圧素子5は、例えばシリコンダイアフラム上にゲージ抵抗を形成し、それらをブリッジ状に接続してブリッジ回路を形成するものであり、取付部材4上にシート状接着剤7と例えばシリコーン樹脂からなる接着剤8を介して配設される。また、感圧素子5は所定の電極部5aを備え、電極部5aと前記配線部の端子部3bとを金等の導電材料からなるワイヤ(接続部材)9を用いてワイヤボンディングすることで、感圧素子5と前記配線部とを電気的に接続する。これによって感圧素子5への電力供給がなされるとともに、感圧素子5からの出力信号を外部に伝達することが可能となる。尚、電極部5aと端子部3bとのワイヤボンディングには、ワイヤボンディング装置が用いられる。
【0025】
軟質封止部材6は、例えばシリコーンゲルからなり、感圧素子5及びワイヤ9が圧力媒体に侵されないように、ハウジング2の収納部2a内を満たしている。
【0026】
以上の各部によって圧力センサ1が構成される。圧力センサ1は、ハウジング2の収納部2aに導入される流体の圧力を軟質封止部材6を介して前記シリコンダイアフラムによって受け、前記シリコンダイアフラムの変位に伴う前記ブリッジ回路の出力電圧の変化によって圧力を検出する。
【0027】
斯かる圧力センサ1は、前記外部機器と電気的に接続される前記配線部を備える柔軟なシート部材3に開口部3aを形成し、取付部材4を開口部3aの形成位置に対応するとともにシ−ト部材3の下面上に配設し、取付部材4上に接着剤8を介して感圧素子5を配設することを特徴とするものであり、感圧素子5を取付部材4上に配設することによって感圧素子5と前記配線部とをワイヤ9のみによって電気的に接続することが可能となることから従来のような折り曲げが必要なリードが不要となり、圧力センサを小型化することが可能となる。また、シート部材3に開口部3aを形成することで感圧素子5の配設個所である取付部材4とシート部材3とに段差を設けることにより、接着剤8が前記配線部上に広がることを防止することができ、ワイヤ9による感圧素子5と前記配線部との電気的接続が接着剤8によって阻害されることを防止することが可能となる。また、接着剤の広がりを考慮する必要が無くなるため、前記配線部の面積を狭めることができ、圧力センサをさらに小型化することが可能となる。また、シート部材3に開口部3aを形成することで感圧素子5の配設個所である取付部材4とシート部材3とに段差を設けることにより、ワイヤ9の配設個所である電極部5aと端子部3bとの高低差を狭めることができるため、前記ワイヤボンディング装置で用いられる画像処理精度をより向上させることが可能となる。
【0028】
次に、圧力センサ1の製造方法を説明する。図3は第一基板11と第二基板12を示す図、図4は製造過程における圧力センサ1を示す断面図、図5は圧力センサの製造工程の手順を示す図である。
【0029】
まず、銅等の導電性材料によって所定の前記配線部と標識部3cとが形成され、前記配線部の感圧素子5とのワイヤボンディング個所を金等の導電性の良好な導電性材料によってメッキ処理した端子部3bを有し、端子部3bの近傍に例えば金型プレス加工によって開口部3aが形成される複数のシート部材3を備える柔軟な第一基板11(図3(a))と、エッチングやプレス等の手段によって枠体12aから接続部12bを介して延設される複数の取付部材4を備える第二基板12(図3(b))と、を形成し、取付部材4が開口部3aに位置するように第一基板11をあらかじめ第一基板11に配設されたシート状接着剤を介して第二基板12上に重ね合わせ、熱圧着によって前記シート状接着剤を硬化させて第一基板11と第二基板12とを固定する(図3(c),基板重ね合わせ工程S1)。尚、第一基板11は、図2に示すように、開口部3aが形成される際に標識部3cの一部が切り欠きされ、標識部3cと開口部3aの前記角部との境界部3dが形成される。また、境界部3dが明確となるように、開口部3aを形成する際には標識部3cが形成される面の反対側の面方向から金型プレス加工することが望ましい。また、基板重ね合わせ工程S1において、例えば金型プレス加工によって第一基板11及び前記シート状接着剤の所定個所が切断され、図3(c)に示すように各シート部材3と各取付部材4とが各接着剤7によって接着固定されるとともに接着固定された各シート部材3及び各取付部材4が第二基板12と接続部12bを介して接続される状態となる。また、図3(d)に示すように第二基板12の接続部12bには溝部12cが形成される。
【0030】
次に、開口部3aに対応する取付部材4上に例えばシリコーン樹脂からなる接着剤8を介して感圧素子5を配設する(図4(a),感圧素子配設工程S2)。感圧素子配設工程S2においては、画像処理カメラ(画像処理手段)を備えた画像処理装置にて標識部3cを検出し、この検出データに基づいて、感圧素子5を配設するための配設装置を制御して感圧素子5を取付部材4の開口部3aに対応する個所の略中央部に配設する。
【0031】
次に、第一基板11及び第二基板12を前記ワイヤーボンディング装置に配設し、各取付部材4上に配設される各感圧素子5の電極部5aと、シート部材3の端子部3bとをワイヤ9を用いてワイヤボンディングすることで、感圧素子5と前記配線部とを電気的に接続する(図4(a),ワイヤボンディング工程S3)。
【0032】
次に、合成樹脂材からなり収納部2aを備える略筒状のハウジング2を、例えばエポキシ系樹脂からなる接着剤(図示しない)を用いて各シート部材3上に各感圧素子5を囲むように配設する(図4(b),ハウジング配設工程S4)。
【0033】
次に、各シート部材3上に配設された各ハウジング2の収納部2a内に、例えばシリコーンゲルからなる軟質封止部材6を注入し、感圧素子5,ワイヤ9が圧力媒体に侵されないようにする(図4(b),軟質封止部材注入工程S5)。
【0034】
そして、接続部12bを介して第二基板12と接続している状態の各圧力センサ1において、接続部12部分を手作業またはプレス等によって切断することで、第二基板12から切り離された個々の圧力センサ1が得られる(図1,接続部切断工程S6)。
【0035】
斯かる圧力センサの製造方法は、前記配線部と開口部3aとを備える少なくとも1つ以上のシート部材3を備える柔軟な第一基板11と、枠体12aから接続部12bを介して延設される少なくとも1つ以上の取付部材4を備える第二基板12と、を取付部材4が開口部3aに位置するように第一基板11を第二基板12上に重ね合わせる工程と、開口部3aに対応する取付部材4上に接着剤8を介して感圧素子5を配設する工程と、前記配線部と感圧素子5とを電気的に接続するワイヤ9を形成する工程と、シート部材3上に感圧素子5を囲むようにハウジング2を配設する工程と、を含むことを特徴とするものであり、前記配線部を備えるとともに開口部3aが形成される柔軟なシート部材3と、開口部3aの形成位置に対応するとともにシ−ト部材3の下面に配設される取付部材4と、取付部材4上に接着剤8を介して配設される感圧素子5と、前記配線部と前記感圧素子とを電気的に接続するワイヤ9と、シート部材3上に感圧素子5を囲むように配設されるハウジング2と、を備える構成とすることによって、ワイヤボンディングによってワイヤ9を配設した後にハウジング2を配設することができることから、ハウジング2の収納部2aを最小限の空間にすることができ、圧力センサを小型化することが可能となる。
【0036】
また、前記配線部と開口部3aとを備える少なくとも1つ以上のシート部材3を備える柔軟な第一基板11と、枠体12aから接続部12bを介して延設される少なくとも1つ以上の取付部材4を備える第二基板12と、を取付部材4が開口部3aに位置するように第一基板11を第二基板12上に重ね合わせることにより、1つの工程で複数の取付部材4を複数のシート部材3上に配設することができ、また、この状態で感圧素子5を配設し、その後ワイヤボンディングを連続して行うことが可能なことから、製造工程を簡略化して生産性を向上させることが可能となる。また、第二基板12の枠体12aによって柔軟な第一基板11を補強することができ、後の工程において感圧素子5,ワイヤ9,ハウジング2をより容易に配設することが可能となる。
【0037】
また、第一基板11に標識部3cを形成し、前記画像処理装置にて標識部3cを検出した前記検出データに基づいて感圧素子5を配設することにより、感圧素子5を開口部3aに対応する取付部材4上に正確に配設することが可能となる。また、標識部3cを、開口部3cの少なくとも一部にかかるように形成することにより、開口部3aの形成位置にばらつきが生じる場合であっても、境界部3dは実際に形成された開口部3aと標識部3Cとの境界を示すことから、実際に形成された開口部3aに対応する取付部材4の所定個所上に感圧素子5を正確に配設することが可能となる。特に、境界部3dが標識部3cと開口部3aの前記角部との境界を示す構成においては、1つの標識部にて開口部3aの異なる2方向の辺部との境界を示すことができ、標識部を複数形成することなく感圧素子5を配設するための前記検出データを得ることが可能となる。
【0038】
また、特に、接続部12bに溝部12cを形成する場合、製造された各圧力センサ1と第二基板12とを連結する接続部12bに厚さが薄い個所を形成することで、より容易に各圧力センサ1を第二基板12から分離することが可能となる。
【0039】
次に、図6を用いて本発明の第二の実施の形態について説明する。尚、前述した第一の実施の形態と同一もしくは相当個所には同一符号を付してその詳細な説明を省く。
【0040】
図6において、本発明の第二の実施の形態である圧力センサ20は、ハウジング2とシート部材3と取付部材21と感圧素子5と軟質封止部材6とから主に構成される。
【0041】
前述の第一の実施の形態と異なる点は、シ−ト部材3の上面に接着剤(図示しない)を介して取付部材21を配設し、取付部材21上に接着剤8を介して感圧素子5を配設する点である。斯かる構成によっても、感圧素子5を取付部材21上に配設することによって感圧素子5と前記配線部とをワイヤ9のみによって電気的に接続することが可能となることから従来のような折り曲げが必要なリードが不要となり、圧力センサを小型化することが可能となる。
【0042】
次に、図7を用いて本発明の第三の実施の形態について説明する。尚、前述した第一,第二の実施の形態と同一もしくは相当個所には同一符号を付してその詳細な説明を省く。
【0043】
図7において、本発明の第三の実施の形態である圧力センサ30は、ハウジング2と硬質基板31と感圧素子5と軟質封止部材6とから主に構成される。
【0044】
前述の第一,第二の実施の形態と異なる点は、外部機器と電気的に接続される配線部を備える硬質基板31に凹部31aを形成し、硬質基板31の凹部31a上に接着剤8を介して感圧素子5を配設する点である。硬質基板31は、紙フェノール,ガラス繊維入り樹脂あるいはセラミック等からなり、凹部31aは、エッチング,プレス加工あるいは切削等の手段によって形成される。斯かる構成によっても、感圧素子5を硬質基板31の凹部31a上に配設することによって感圧素子5と前記配線部とをワイヤ9のみによって電気的に接続することが可能となることから従来のような折り曲げが必要なリードが不要となり、リードによる寸法の制約がなくなるため圧力センサを小型化することが可能となる。また、硬質基板31に凹部31aを形成することで感圧素子5の配設個所である硬質基板31に段差を設けることにより、接着剤8が前記配線部上に広がることを防止することができ、ワイヤ9による感圧素子5と前記配線部との電気的接続が接着剤8によって阻害されることを防止することが可能となる。また、接着剤の広がりを考慮する必要が無くなるため、前記配線部の面積を狭めることができ、圧力センサをさらに小型化することが可能となる。また、硬質基板31に凹部31aを形成することで感圧素子5の配設個所である硬質基板31に段差を設けることにより、ワイヤ9の配設個所である感圧素子5の電極部5aと前記配線部の端子部との高低差を狭めることができるため、前記ワイヤボンディング装置で用いられる画像処理精度をより向上させることが可能となる。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、液体,気体等の流体の圧力を計測可能とした圧力センサ及びその製造方法に
関するものであり、より小型化が可能であり、また製造工程を簡略化して生産性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態である圧力センサを示す図。
【図2】同上のシート部材を示す図。
【図3】同上の製造過程を示す図。
【図4】同上の製造過程を示す断面図。
【図5】同上のの製造工程の手順を示す図。
【図6】本発明の第二の実施の形態である圧力センサを示す断面図。
【図7】本発明の第三の実施の形態である圧力センサを示す断面図。
【図8】従来の圧力センサの一例を断面で示す図。
【符号の説明】
1,20,30 圧力センサ
2 ハウジング
2a 収納部(内部空間)
3 シート部材
3a 開口部
3c 標識部
3d 境界部
4,21 取付部材
5 感圧素子
6 軟質封止部材
7 接着剤(他の接着剤)
8 接着剤
9 ワイヤ(接続部材)
11 第一基板
12 第二基板
12a枠体
12b接続部
12c溝部
31 硬質基板
31a凹部
A 圧力センサ
B 感圧素子
C ハウジング
D 回路基板
E リード
F ワイヤ(接続部材)
S1 基板重ね合わせ工程
S2 感圧素子配設工程
S3 ワイヤボンディング工程
S4 ハウジング配設工程
S5 軟質封止部材注入工程
S6 接続部切断工程
Claims (12)
- 外部機器と電気的に接続される配線部を備えるとともに開口部が形成される柔軟なシート部材と、
前記開口部の形成位置に対応するとともに前記シ−ト部材の下面に配設される取付部材と、
前記取付部材上に接着剤を介して配設される半導体式の感圧素子と、
前記配線部と前記感圧素子とを電気的に接続する接続部材と、
前記シート部材上に前記感圧素子を囲むように配設されるハウジングと、
を備えてなることを特徴とする圧力センサ。 - 前記取付部材は、前記取付部材の前記シート部材との対向面を覆うように前記シート部材あるいは前記取付部材に配設される前記接着剤とは異なる他の接着剤を介して前記シート部材の下面に配設されることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
- 前記シート部材は、少なくとも1つ以上の標識部を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
- 前記標識部は、前記開口部の少なくとも一部にかかるように形成されてなることを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
- 前記標識部は、金属材料からなることを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
- 外部機器と電気的に接続される配線部を備える柔軟なシート部材と、
前記シ−ト部材の上面に配設される取付部材と、
前記取付部材上に接着剤を介して配設される半導体式の感圧素子と、
前記配線部と前記感圧素子とを電気的に接続する接続部材と、
前記シート部材上に前記感圧素子を囲むように配設されるハウジングと、
を備えてなることを特徴とする圧力センサ。 - 外部機器と電気的に接続される配線部を備えるとともに凹部が形成される硬質基板と、
前記硬質基板の前記凹部上に接着剤を介して配設される半導体式の感圧素子と、
前記配線部と前記感圧素子とを電気的に接続する接続部材と、
前記硬質基板上に前記感圧素子を囲むように配設されるハウジングと、
を備えてなることを特徴とする圧力センサ。 - 前記ハウジングは、内部空間に軟質の封止部材が充填されてなることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の圧力センサ。
- 外部機器と電気的に接続される配線部と開口部とを備える少なくとも1つ以上のシート部材を備える柔軟な第一基板と、枠体から接続部を介して延設される少なくとも1つ以上の取付部材を備える第二基板と、を備え、前記取付部材が前記開口部に位置するように前記第一基板を前記第二基板上に重ね合わせる工程と、
前記開口部に対応する取付部材上に接着剤を介して半導体式の感圧素子を配設する工程と、
前記配線部と前記感圧素子とを電気的に接続する接続部材を形成する工程と、
前記シート部材上に前記感圧素子を囲むようにハウジングを配設する工程と、
を含むことを特徴とする圧力センサの製造方法。 - 前記感圧素子を配設する工程は、前記第一基板の前記シート部材に形成される少なくとも1つ以上の標識部を画像処理手段を備える画像処理装置にて検出し、この検出結果に基づいて前記感圧素子を配設するための配設装置を制御し、前記感圧素子を前記開口部に対応する前記取付部材上に配設することを特徴とする請求項9に記載の圧力センサの製造方法。
- 前記ハウジングの内部空間に軟質の封止部材を充填する工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の圧力センサの製造方法。
- 前記接続部に溝部を形成することを特徴とする請求項9に記載の圧力センサの製造方法。
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