JP6317956B2 - 圧力センサ、及び圧力センサの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1の圧力センサにおいては、感圧センサチップに被測定圧力が加わると、被測定圧力に相応した電気信号が感圧センサチップからリード端子を通じて外部回路へ取り出される。取り出された電気信号は、外部回路に設けられた信号処理ICによってデータ補正や圧力値への変換がなされる。
この構成によれば、段差を1段形成することにより、載置部と突出部とを一括して形成できるため、製造が簡便である。
この構成によれば、圧力センサ素子を載置面上に接着するための接着剤が、突出部によって堰き止められ、リード部が設けられている側に濡れ広がることを抑制できる。
この構成によれば、封止樹脂が圧力センサ素子と接触することをより抑制できる。
この構成によれば、制御素子と圧力センサ素子との距離を近づけることができるため、制御素子による圧力センサ素子の温度の計測等の精度を向上できる。
この構成によれば、突出部による封止樹脂の堰き止め効果を向上させることができる。
この構成によれば、封止樹脂が溝部に保持されるため、封止樹脂が圧力センサ素子と接触することをより抑制できる。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
[圧力センサ]
図1及び図2は、本実施形態の圧力センサ10を示す図である。図1は、平面図である。図2は、図1におけるII−II断面図である。図1においては、防水ゲル部70の図示を省略している。
パッケージ30の平面視(XY面視)形状は、特に限定されず、本実施形態においては、図1に示すように、例えば、円形状である。パッケージ30は、本体部34と、壁部33と、突出部31と、載置部32と、収容部35とを備える。
壁部33は、本体部34の上面34aから圧力センサ素子50が設けられている側(+Z側)に突出して設けられた筒状の壁部である。壁部33の形状は、筒状である範囲内において、特に限定されず、四角筒状であっても、多角筒状であってもよい。本実施形態においては、壁部33の形状は、図1及び図2に示すように、例えば、円筒状である。
また、本明細書において「突出部」とは、圧力センサ素子50とリード部21a〜21dとの間に設けられ、リード部21a〜21dの表面22a〜22dよりも突出した部分を意味する。
リードフレーム20は、台座部24と、リード部21a,21b,21c,21dと、図示しない外部接続部とを備える。
これにより、圧力センサ素子50と、信号処理IC40とは、リード部21a〜21dを介して、電気的に接続されている。
信号処理IC40は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)プロセス等によって製造できる。
ダイボンド樹脂53としては、例えば、エポキシ樹脂や、シリコーン等を選択できる。ダイボンド樹脂53としては、ヤング率の小さい樹脂を選択することが好ましい。パッケージ30からダイボンド樹脂53を介して圧力センサ素子50に加えられる応力を低減できるためである。ダイボンド樹脂53の厚み(Z軸方向長さ)は、圧力センサ素子50のセンサ特性に応じて設計され、例えば、30μm程度である。
図3(A)〜(E)は、圧力センサ10の製造方法の手順を示す断面図である。
本実施形態の圧力センサ10の製造方法は、リードフレーム基板準備工程と、信号処理IC実装工程と、パッケージ形成工程と、個片化工程と、圧力センサ素子実装工程と、封止樹脂塗布工程と、防水ゲル充填工程とを有する。
図4は、本実施形態のリードフレーム基板80を示す平面図である。
リードフレーム基板80は、図4に示すように、開口パターン81が形成された平板部材である。開口パターン81は、Y軸方向に延在する接続枠部84を挟んで複数形成されている。リードフレーム基板80の形成材料は、上述したリードフレーム20と同様である。
信号処理IC40を台座部用延出部82における、リードフレーム基板80の裏面(第2面)80bに設置する。信号処理IC40を設置する方法は、特に限定されず、例えば、エポキシやシリコーン等を形成材料とするダイボンド樹脂(図示せず)を用いて接着する方法を選択できる。
また、ウェッジボンディングは、ボンディングワイヤを打ち下ろして接合する方法であるため、被接合部材に衝撃が加わりやすい。そのため、ウェッジボンディングは、精密機器である信号処理IC40との接合方法としては、好ましくない。
パッケージ30を形成する方法としては、本実施形態においては、例えば、モールド成形法を用いる。モールド成形法に用いるモールドとしては、例えば、図示しない上部モールド及び下部モールドを用いる。上部モールドは、加工面に壁部33、突出部31及び載置部32の形状を反転させた凹凸形状が形成された母型である。下部モールドは、加工面に本体部34の形状を反転させた凹凸形状が形成された母型である。
図4において2点鎖線で示すパッケージ30の外形に沿って、台座部用延出部82と、リード部用延出部83a〜83dとをカットする。台座部用延出部82と、リード部用延出部83a〜83dとをカットする方法としては、特に限定されず、例えば、スタンピング加工や、ダイシング加工、レーザーを用いたレーザー切断加工等を選択できる。
なお、図示は省略するが、この工程においてリードフレーム20における外部接続部も形成される。
圧力センサ素子50を、エポキシやシリコーン等を形成材料とするダイボンド樹脂53を介して、載置部32の載置面32a上に接着する。すなわち、圧力センサ素子50を収容部35内に収容する。そして、圧力センサ素子50の接続端子51cと、リード部21cとを、ボンディングワイヤ52cを用いて、ワイヤボンディングによって接続する。ワイヤボンディングにおいては、信号処理IC40と同様に、まず、ボンディングワイヤ52cの一端をボールボンディングによって圧力センサ素子50の接続端子51cと接合させる。そして、次に、ボンディングワイヤ52cの他端をウェッジボンディングによってリード部21cと接合させる。図示は省略するが、図1に示す他の接続端子51a,51b,51dについても同様である。
リード部21cと壁部33との境界を封止するように、封止樹脂部60の形成材料となる樹脂を塗布する。本実施形態においては、突出部31及び載置部32が形成されていることにより相対的に形成された凹部36内に封止樹脂を塗布する。これにより、リード部21cと壁部33との境界を封止することができる。封止樹脂を塗布する方法は、特に限定されず、例えば、ディスペンサーを用いた塗布方法等を選択できる。
この工程により、封止樹脂部60が形成される。
図2に示すように、圧力センサ素子50及びボンディングワイヤ52cの全体が封止されるように、防水ゲル部70の形成材料を収容部35内に注入する。収容部35を注入する方法は、特に限定されず、例えば、ディスペンサーを用いた方法等を選択できる。
ここで、収容部35に注入した防水ゲル部70の形成材料の内部に気泡が生じるような場合には、パッケージ30を減圧雰囲気下に配置し、減圧脱泡によって内部の気泡を除去してもよい。
この工程により、防水ゲル部70が形成される。
ダイボンド樹脂53は、圧力センサ素子50のセンサ特性に応じて厚みや材質が設計されているため、ダイボンド樹脂53と封止樹脂部60とが接触しているような場合には、ダイボンド樹脂53に封止樹脂部60から応力がかかり、結果として圧力センサ素子50のセンサ特性を変化させてしまう場合がある。
したがって、本実施形態によれば、ダイボンド樹脂53と封止樹脂部60とが接触することによる圧力センサ素子50のセンサ特性の変化を抑制できる。
図6は、リード部21cがパッケージ(支持体)130に埋設されている圧力センサ110を示す断面図である。
圧力センサ110は、図6に示すように、パッケージ130における本体部134の上面134aは、リード部21cの表面22cと面一となるように設けられている。この場合においても、リード部21cの表面22cは、収容部35内に露出している。
第2実施形態は、第1実施形態に対して、突出部に溝部が形成されている点において異なる。
図7は、本実施形態の圧力センサ210を示す平面図である。図7においては、防水ゲル部70の図示を省略している。なお、上記説明した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すこと等により、説明を省略する場合がある。
第3実施形態は、第1実施形態に対して、載置部に凹部が形成されている点において異なる。
なお、上記説明した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すこと等により、説明を省略する場合がある。
本実施形態の圧力センサ310は、図8に示すように、リードフレーム20と、パッケージ(支持体)330と、信号処理IC40と、圧力センサ素子50と、封止樹脂部60と、防水ゲル部70とを備える。
突出部331は、本体部34の上面34aよりも突出して設けられている。
載置部332は、上面332aが、突出部331の突出面331aと面一となるように形成されている。載置部332の上面332aには、凹部336が形成されている。
第4実施形態は、第3実施形態に対して、載置部に台座部まで貫通する貫通孔が形成されている点において異なる。
なお、上記説明した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すこと等により、説明を省略する場合がある。
本実施形態の圧力センサ410は、図9に示すように、リードフレーム20と、パッケージ(支持体)430と、信号処理IC40と、圧力センサ素子50と、封止樹脂部60と、防水ゲル部70とを備える。
載置部432には、台座部24まで貫通する貫通孔436が形成されている。
本実施形態において載置部432の平面視(XY面視)形状は、例えば、第1実施形態の載置部32の平面視形状から、貫通孔436の平面視形状を除いた環形状である。
圧力センサ素子50は、台座部24の表面(第1面)24a上にダイボンド樹脂53を介して設置されている。
信号処理IC40には、例えば、温度計が内蔵され、圧力センサ10、すなわち、圧力センサ素子50の温度の変化に応じて、圧力センサ素子50から入力される信号の処理の補正を行っている。そのため、圧力センサ素子50と信号処理IC40との距離が小さいことで、信号処理IC40によって圧力センサ素子50の温度をより正確に計測することでき、圧力センサ素子50の温度変化に対応した補正をより正確に行うことができる。
第5実施形態は、第1実施形態に対して、載置部の載置面が突出部の突出面よりも突出して設けられている点において異なる。
なお、上記説明した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すこと等により、説明を省略する場合がある。
本実施形態の圧力センサ510は、図10に示すように、リードフレーム20と、パッケージ(支持体)530と、信号処理IC40と、圧力センサ素子50と、封止樹脂部60と、防水ゲル部70とを備える。
突出部531は、本体部34の上面34aよりも突出して設けられている。
載置部532は、突出部531の突出面531aよりも突出して設けられている。すなわち、載置部532の載置面532aは、突出面531aよりも突出して設けられている。
Claims (8)
- 一方側に開口する収容部を備える支持体と、
前記収容部内に露出したリード部を備えるリードフレームと、
前記リードフレームの第1面側に設けられ、前記収容部に収容された圧力センサ素子と、
前記リードフレームにおける前記第1面と逆側の第2面側に設けられ、前記圧力センサ素子からのセンサ信号を受けて圧力検出信号を出力する制御素子と、
を備え、
前記制御素子は、前記支持体に埋設され、
前記圧力センサ素子と前記制御素子とは、平面視において重なり、
前記リード部は、ボンディングワイヤを介して前記圧力センサ素子と電気的に接続され、
前記リードフレームの前記第1面側には、前記リード部と前記支持体との境界を封止する封止樹脂部が設けられ、
前記支持体は、
前記第1面よりも突出し平面視で前記リード部と前記圧力センサ素子との間に設けられる突出部と、
前記圧力センサ素子が載置される載置部と、
を備え、
前記載置部における前記圧力センサ素子が載置される載置面は、前記リード部の前記第1面のうち前記ボンディングワイヤが接続される部分よりも前記突出部の突出面側に位置することを特徴とする圧力センサ。 - 前記載置部における前記圧力センサ素子が載置される載置面は、前記突出部の突出面と面一である、請求項1に記載の圧力センサ。
- 前記載置部における前記圧力センサ素子が載置される載置面は、前記突出部の突出面よりも前記リードフレーム側に位置する、請求項1に記載の圧力センサ。
- 前記載置部における前記圧力センサ素子が載置される載置面は、前記突出部の突出面よりも突出した位置に設けられる、請求項1に記載の圧力センサ。
- 前記制御素子は、前記リードフレームの前記第2面上に設けられ、
前記圧力センサ素子は、前記リードフレームの前記第1面上に設けられる、請求項1に記載の圧力センサ。 - 前記突出部の前記突出面の表面粗さは、前記載置部における前記載置面の表面粗さよりも大きい、請求項2から4のいずれか一項に記載の圧力センサ。
- 前記突出部には、前記突出部の前記リード部側の側面に開口し、前記封止樹脂部を形成する封止樹脂を保持可能な溝部が形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の圧力センサ。
- 一方側に開口する収容部を備える支持体と、前記収容部内に露出したリード部を備えるリードフレームと、前記リードフレームの第1面側に設けられた圧力センサ素子と、前記圧力センサ素子からのセンサ信号を受けて圧力検出信号を出力する制御素子と、を備えた圧力センサの製造方法であって、
前記リードフレームの前記第1面と逆側の第2面側に前記制御素子を設ける工程と、
前記制御素子が埋設するように前記支持体を形成する工程と、
平面視において前記制御素子と重なるように前記圧力センサ素子を前記収容部に収容し、前記リード部と前記圧力センサ素子とをボンディングワイヤを介して電気的に接続する工程と、
前記リードフレームの前記第1面側に、前記リード部と前記支持体との境界を封止する封止樹脂部を形成する工程と、
を有し、
前記支持体を形成する工程において、前記支持体は、前記第1面よりも突出し平面視で前記リード部と前記圧力センサ素子との間に設けられる突出部と、前記圧力センサ素子が載置される載置部と、を備えるように形成され、
前記載置部における前記圧力センサ素子が載置される載置面は、前記リード部の前記第1面のうち前記ボンディングワイヤが接続される部分よりも前記突出部の突出面側に位置することを特徴とする圧力センサの製造方法。
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