JP2017040540A - 複合センサデバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】異物が侵入しても動作異常が発生しにくく、構造がシンプルで製作も容易な複合センサデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】機能基板kと、凹部22bが形成された第一の補助基板h1とを用意し、所定の気圧環境下で接合し密閉室28を形成する第一の補助基板接合工程を備える。機能基板kの表面を研磨して第一の可撓部22を形成する機能基板研磨工程を備える。機能基板kの第一の可撓部22の部分、及びここから離れた部分を変質させて圧力検出用素子24及び加速度検出用素子38を形成する素子形成工程を備える。各検出用素子24,38の各出力を取り出すための電気配線の処理を行う機能基板配線工程を備える。機能基板k及び第一の補助基板h1の特定部分をエッチングにより除去し、第一及び第二の台座部26,44の部分、第二の可撓部30、重錘部42等を形成するエッチング工程を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧力センサと各種の機能デバイスとを有する複合センサデバイスの製造方法に関する。
従来、図11に示すように、気体の圧力を検出する圧力検出部と加速度を検出する加速度検出部とを有するセンサ本体100が筐体内102内に設置された複合センサデバイス104があった。センサ本体100は、筒状の側壁部106と、撓み性を有する膜であって側壁部106の上面を塞ぐように形成されたダイヤフラム108と、側壁部106の下面を塞ぐように取り付けられた重錘体110とを備え、側壁部106、ダイヤフラム108及び重錘体110により封止された密閉室112が形成されている。さらに、側壁部106及び重錘体110の周囲に設けられた枠状の台座114と、台座114と側壁部104とを接続する両端固定梁状の構造体であって、検出対象の加速度の作用により撓みを生じる接続部116とを備えている。
センサ本体100は、可撓性を有する第一の基板α1と、第一の基板α1よりも厚い第二及び第三の基板α2,α3とを順番に積層し、積層する過程で各部に複数の処理や加工を行うことにより製造される。第一の基板α1は、薄いシリコン基板等であり、ダイヤフラム108及び接続部116は、矩形の第一の基板α1の内側をエッチングして幅狭のスリット118を設けることにより形成されている。
圧力検出部は、ダイヤフラム108の撓みを電気信号として検出するブロックであり、ダイヤフラム108の特定部分を変質させることによって、複数のピエゾ抵抗素子120が設けられている。密閉室112は、第一の基板α1と第二の基板α2とを接合し、第二の基板α2の内側をエッチングして側壁部106を形成し、その後、第二の基板α3に第三の基板α3を接合し、側壁部106の下端開口を塞ぐことによって形成されている。
加速度検出部は、重錘部110が変位した時の接続部116の撓みを電気信号として検出するブロックであり、接続部116の特定部分を変質させることによって複数のピエゾ抵抗素子122が設けられている。重錘部110は、第三の基板α3の内側をエッチングして形成されている。
台座114は、第二の基板α2の内側をエッチングして形成された上側部分114aと、第三の基板α3の内側をエッチングして形成された下側部分114bとで構成され、第一の基板α1の周縁部を下方から支持している。
第一の基板α1の端部には、ピエゾ抵抗素子120,122の信号を外部出力するための複数のパッド124が設けられている。パッド124は金やアルミ等の層であり、パッド124とピエゾ抵抗素子120,122との間の電気的接続は、第一の基板α1の内部の拡散層によって行われている。あるいは、第一の基板α1表面に金やアルミ等の配線パターンを設けて接続している。
筐体102は、例えば樹脂製の箱体であり、左右側面に、下向きに突出する複数の基板実装用端子126が設けられている。センサ本体100は、筐体102の底部に設置され、ダイヤフラム108が筐体102の天板に形成された気体導入孔102aに対向している。また、センサ本体100の各パッド124は、対応する基板実装用端子126の基端部にボンディングワイヤ128で接続され、ピエゾ抵抗素子120,122の信号が基板実装端子126を通じて外部出力される。
複合センサデバイス104は、特許文献1の図面に開示されているセンサ(圧力と加速度との双方を検出するセンサ)を筐体102内に設置したような構成であり、圧力及び加速度の測定原理及び動作は、特許文献1のセンサと同様である。
また、特許文献2に開示されているように、圧力センサと加速度センサとを有するセンサ本体を、基板ウエハとデバイスウエハとを積層することによって製造するセンサ製造方法があった。デバイスウエハは、DSOIウエハ(ダブル・シリコン・オン・インシュレータ・ウエハ)で成り、酸化物層に挟まれた第一及び第二のデバイス層を有している。第二のデバイス層の特定部分に圧力センサ用のダイヤフラムが形成され、ダイヤフラム下方の第一のデバイス層の一部が円錐台状に除去されている。圧力センサの密閉室(真空室等)は、ダイヤフラムと、第一のデバイス層の除去された部分の内周面と、基板ウエハに形成された凹部とで囲まれている。加速度センサは、第一及び第二のデバイス層で形成されたプルーフマスを有し、プルーフマスが第二のデバイス層で成る1つの撓み領域により支持されている。つまり、プルーフマスを1つの撓み領域で片持ち梁状に支持して成る一軸加速度センサの構造になっている。台座は、デバイスウエハの第一のデバイス層の一部と基板ウエハとで構成されている。
特許文献2のセンサ本体の構造は、圧力センサと加速度センサとが異なる位置に区分けして設けられている点に特徴があり、例えば、加速度センサの部分をキャップで覆い、圧力センサの部分をキャップで覆わない構造にすることが可能になる(特許文献2の図1)。加速度センサを覆うことにより、気体に含まれる異物が加速度センサの内部に侵入して動作異常が発生するのを防止することができる。また、圧力センサをキャップで覆わないため、気体圧力が圧力センサに作用するのが妨げられず、気体圧力の検出を良好に行うことができる。
特開2004−245760号公報 特開2001−137818号公報
従来の複合センサデバイス104(センサ本体100)及び特許文献1のセンサを製造する場合、第二の基板α2に第三の基板α3を接合する工程は、密閉室112(例えば真空室)を形成するため、気圧が管理された環境下(例えば真空環境下)で行われるが、ダイヤフラム108や接続部116のような薄くて微細な部分を有する第一の基板α1が投入されるので、破損しないように極めて慎重に取り扱わなければならず、効率よく製造するのが難しい。また、圧力検出部と加速度検出部とが同じ位置に重なるように配置した構造なので、特許文献2のように、加速度検出部を異物侵入防止用のキャップ等で覆うことができない。キャップを設けると、圧力検出部も覆ってしまい、気体圧力が圧力検出部に作用するのが妨げられるからである。
また、特許文献2に開示されているセンサの製造方法の場合、DSOIウエハを用いて、プルーフマスと撓み領域である梁とを形成すると共に、圧力センサのダイヤフラムを形成しているので、感度の高い圧力センサ及び加速度センサを構成することが難しい。感度の高い検出を行うには、ダイヤフラムや梁部分を薄くし、プルーフマスを厚くすることが好ましいが、1枚のDSOIウエハにより、薄いダイヤフラムや梁部分と厚いプルーフマスとを最適に設定することは難しく、高感度、高出力であって、強い衝撃等を受ける加速度センサや、高い圧力の圧力センサには構造的に不向きなものである。また、基板ウエハとDSOIウエハとを接合する工程は、圧力センサの密閉室(例えば真空室)を形成するため、気圧が管理された環境下(例えば真空環境下)で行われるが、ダイヤフラムや撓み領域のような薄くて微細な部分を有するDSOIウエハが投入されるので、破損しないように極めて慎重に取り扱わなければならない。しかも、DSOIウエハは、複数の層の複数の部分に様々な処理や加工を行わなければならないので、製造プロセスが複雑になる。したがって、このセンサの製造方法の場合、センサ本体を効率よく製造するのが難しく、しかも高度な製造設備が必要になりコストがかかるという問題がある。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、圧力センサと各種の機能デバイスとを有するセンサ本体を、高度な製造設備を使用せずに効率よく製作できる複合センサデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、圧力センサと機能デバイスとを有する複合センサデバイスの製造方法であって、機能基板と、表面の特定位置に第一の凹部が形成された第一の補助基板とを用意し、前記機能基板の裏面に前記第一の補助基板の表面を当接させ、所定の気圧環境下で接合することによって、前記機能基板と前記第一の凹部とで囲まれた密閉室を形成する第一の補助基板接合工程と、前記第一の補助基板接合工程の後、前記機能基板の表面を研磨して薄くすることにより、前記第一の凹部を塞ぐ位置に、前記機能基板で成る第一の可撓部を形成する機能基板研磨工程と、前記機能基板研磨工程の後、前記機能基板の前記第一の可撓部の部分を変質させ、機械的歪みを受けて自己の電気特性が変化する圧力検出用素子を形成すると共に、前記第一の可撓部から離れた特定の部分を変質させ、機械的歪みを受けて自己の電気特性が変化する機能素子を形成する素子形成工程と、前記素子形成工程の後、前記圧力検出用素子及び前記機能素子の各出力を取り出すため、前記機能基板の内部又は表面に電気配線の処理を行う機能基板配線工程と、前記機能基板研磨工程の後、前記機能基板及び前記第一の補助基板の特定部分をエッチングして除去することにより、前記第一の可撓部及びその周辺を前記基板の裏面側から支持する第一の台座部、前記機能基板の前記機能素子が配置された部分を梁状にした第二の可撓部、前記第二の可撓部の端部に連続する重錘部、及び前記第二の可撓部の前記重錘部から離れた位置を支持する第二の台座部を形成するエッチング工程とを備える複合センサデバイスの製造方法である。
前記各工程を経て作製された前記機能基板及び前記第一の補助基板で成る積層体は、複数の前記複合デバイスセンサが多面付けされたものであり、前記積層体を分割して個々の複合センサデバイスを得る分割工程を備える構成にしてもよい。
また、前記第一の補助基板の表面の、重錘部に対応する特定位置に第二の凹部が形成された第二の補助基板を用意し、前記各工程の後、前記第一の補助基板の裏面に前記第二の補助基板の表面を当接させて接合し、前記第二の凹部を非接触で前記重錘部に対向させ、前記第一の補助基板の前記重錘部の周囲を閉鎖する第二の補助基板接合工程を備える構成にしてもよい。
また、前記エッチング工程において、前記機能基板及び第一の補助基板の特定部分をエッチングして除去することにより、前記第一の台座部が前記第二の台座部を支持する連結梁を形成し、前記第二の補助基板接合工程に投入される前記第二の補助基板は、前記第二の凹部が前記第一の補助基板の重錘部及び前記連結梁に対応する位置に形成されている構成にしてもよい。さらに、前記各工程を経て作製された前記機能基板、前記第一の補助基板、及び前記第二の補助基板の積層体は、複数の前記複合デバイスセンサが多面付けされたものであり、前記各工程の後、前記積層体を分割することによって個々の複合センサデバイスを得る分割工程を備える構成にしてもよい。
前記機能基板の裏面には、前記第二の可撓部及びこの近傍に対応する特定位置に第三の凹部が形成されると共に、前記裏面の前記第一の可撓部及びこの近傍に対応する特定位置に第四の凹部が形成された第三の補助基板を用意し、前記各工程の後、前記機能基板の表に前記第三の補助基板の裏面を当接させて接合し、前記第三の補助基板の前記第四の凹部が設けられている領域を切断して除去することによって、前記機能基板の前記第二の可撓部及びこの近傍を覆う蓋部を形成する第三の補助基板接合及び切断工程を備える構成にしてもよい。さらに、前記各工程を経て作製された前記機能基板、前記第一の補助基板、前記第二の補助基板、及び前記第三の補助基板の積層体は、複数の前記複合デバイスセンサが多面付けされたものであり、前記各工程の後、前記積層体を分割することによって個々の複合センサデバイスを得る分割工程を備える構成にしてもよい。
この他、前記第一の補助基板接合工程に投入される前記機能基板及び前記第一の補助基板は、互いに接合される側の面に酸化膜が形成され、前記第一の補助基板接合工程において、前記シリコン基板と前記第一の補助基板を、両者間に電圧を印加しながら加熱と加圧を行って接合する構成にすることが好ましい。前記機能基板研磨工程では、前記機能基板の表面を研磨することによって、厚さ3〜5μmの前記第一の可撓部を形成する構成にすることが好ましい。
前記機能基板はシリコン基板で成り、前記圧力検出用素子は、自己の抵抗値の変化に基づいて気体の圧力を検出するピエゾ抵抗素子であり、前記前記機能素子は、自己の抵抗値の変化に基づいて加速度を検出するピエゾ抵抗素子であり、前記素子形成工程において、前記シリコン基板に不純物イオンを注入し変質させることによって前記ピエゾ抵抗素子を作製する構成にしてもよい。
本発明の複合センサデバイスの製造方法は、真空室等の気圧が管理された環境下で行われる工程(第一の補助基板接合工程)を備えているが、従来とは異なり、薄くて微細な部分を有しない状態の機能基板及び第一の補助基板を投入して行うことができるため、機能基板及び第一の補助基板の取り扱いが容易である。しかも、DSOIウエハ等を使用しないので、製造プロセスも複雑にならない。したがって、センサ本体を効率よく製造することができ、高度な製造設備も不要になる。
また、本発明の複合センサデバイスの製造方法によれば、圧力センサと機能デバイスとが異なる位置に区分けして設けられるので、機能デバイスの部分だけを蓋部で覆う構造にすることができる。つまり、第三の補助基板接合及び切断工程を行って蓋部を設けることにより、機能デバイスの内部に異物が侵入しにくく、しかも圧力センサによる気体圧力の検出も良好に行われる複合センサデバイスを容易に得ることができる。
また、大型の機能基板、第一、第二、第三の補助基板を使用し、複数のセンサ本体を多面付けの状態に製作し、最後に分割工程により個々のセンサ本体に分割するという製造方法にすることにより、さらに生産性を向上させることができ、効率よく大量生産することができる。
複合センサデバイスの第一の実施形態を示す正面図(a)、B1−B1断面図(b)である。 図1(b)のB2−B2断面図である。 多面付けされたシリコン基板及び各補助基板を模式的に描いた図である。 本発明の複合センサデバイスの製造方法の一実施形態を示す図であって、第一の補助基板接合工程を示す図(a)、機能基板研磨工程を示す図(b)、素子形成工程を示す図(c)、及びエッチング工程を示す図(d)である。 本発明の複合センサデバイスの製造方法の一実施形態を示す図であって、第二の補助基板接合工程と第三の補助基板接合及び切断工程とを示す図(a)〜(c)、及び分割工程を示す図(d)である。 複合センサデバイスの第一の実施形態を簡単化した2つの変形例を示す縦断面図(a)、(b)である。 複合センサデバイスの第二の実施形態を示す正面図(a)、C1−C1断面図(b)である。 図7(b)のC2−C2断面図である。 複合センサデバイスの第三の実施形態を示す正面図(a)、D1−D1断面図(b)である。 図9(b)のD2−D2断面図である。 従来の複合センサデバイスを示す正面図(a)、A1−A1断面図(b)、A2−A2断面図(c)である。
以下、本発明の複合センサデバイスの製造方法の一実施形態について、図1〜図5に基づいて説明する。この実施形態の製造方法によって製造される複合センサデバイス10は、図1、図2に示すように、圧力センサ12と加速度センサ(機能デバイス)14とを有するセンサ本体16が1つの筐体18内に設置されたものである。まず、組み立てられた複合センサデバイス10の構造を簡単に説明する。
筐体18は、例えば、合成樹脂製の閉じた箱体であり、圧力センサ12の近傍に、圧力検出対象の気体を導入するための気体導入孔18aが設けられている。筐体18及び気体導入孔18aは、筐体18外の圧力と筐体18内の圧力(圧力センサ12に作用する気体の圧力)とが同じになるように設計されている。また、筐体18の左右側面には、下向きに突出する複数の基板実装用端子20が設けられている。基板実装用端子20は、実装時の固定用にダミーの端子も設けられている。
センサ本体16は、機能素子が形成されるシリコン基板である機能基板k、第一、第二の補助基板h1,h2、及び第三の補助基板h3を加工して設けられた蓋部48により構成されている。補助基板h1,h2の外形は、互いに等しい長方形である。
圧力センサ12は、機能基板kの特定位置に設けられたダイヤフラムである第一の可撓部22(図1(b)における左側の破線で囲んだ部分)を備えている。さらに、第一の可撓部22には、第一の可撓部22の機械的歪みを受けて自己の電気抵抗の値が変化するピエゾ抵抗素子である複数の圧力検出用素子24が配設されている。
第一の可撓部22及びその周辺は、図2に示すように、筐体18の底部に固定された第一の台座部26により支持されている。第一の台座部26は、第一及び第二の補助基板h1、h2により形成され、補助基板h1の表面が第一の可撓部22及びその周辺の裏面側に当接している。さらに、第一の補助基板h1は、この当接部分26aの内側に第一の凹部26bを有し、第一の凹部26bの開口が機能基板kの第一の可撓部22で塞がれて密閉室28(例えば、真空室)が設けられている。
圧力センサ12の測定原理及び動作は、特許文献1のセンサが有する圧力検出部と同様である。つまり、筐体18の気体導入孔18aから導入された気体が第一の可撓部22に作用し、気体の圧力と密閉室28内の圧力(真空室の場合0)との差に応じて第一の可撓部22が弾性変形し、第一の可撓部22が撓むことによって複数の圧力検出用素子24の各抵抗値が変化し、各抵抗値の変化に基づいて気体の圧力を検出する。
加速度センサ14は、機能基板kにおける第一の可撓部22から離れた位置、つまり、図1(b)における右側の例えば約3/4の広い領域に、梁状の第二の可撓部30を4つ備えている。第二の可撓部30は、機能基板kに幅狭のスリット32を設けることにより形成され、略正方形の中央部34を、外側にある略正方形の枠体部36の各辺中央部に第二の可撓部30を介して連結するような構造になっている。さらに、各第二の可撓部30には、第二の可撓部30の機械的歪みを受けて自己の電気抵抗の値が変化するピエゾ抵抗素子である複数の加速度検出用素子(機能素子)38が配設されている。
機能基板kの中央部34の4つの角部には、スリット32により第二の可撓部30と区切られた4つの翼状部40が形成されている。中央部34及び4つの翼状部40(第二の可撓部30の端部)の各裏面側には、それぞれ角柱状の部分が設けられている。5つの角柱状部分は、第一の補助基板h1により形成され、互いの角部同士が繋がって一体になっており、外力を受けて変位する重錘部42となる。
枠体部36の裏面側は、図2に示すように、筐体18の底部に固定された第二の台座部44により支持されている。第二の台座部44は、第一及び第二の補助基板h1,h2により第一の台座部26と一体に設けられ、第一の補助基板h1の部分が角筒状に形成され、その下端開口を第二の補助基板h2の第二の凹部46で塞いだ構造になっている。さらに、枠体部36の表面側には、第二の可撓部30、スリット32及びこの近傍を広く覆う蓋部48が設けられている。蓋部48は、第三の補助基板h3により形成され、第二の可撓部30、中央部34及び翼状部40に対向する部分に広い第三の凹部48aが設けられている。
このように、加速度センサ14の主要部分である第二の可撓部30、加速度検出用素子38、及び重錘部42は、補助基板h1,h2により形成された第二の台座部44と蓋部48により囲まれた密閉空間内に設けられている。また、第二及び第三の凹部46,48aの内側面は、重錘部42又は機能基板kと非接触で対面し、外部から過大な衝撃が加わって重錘部42や第二の可撓部30、または中央部34や翼状部40が大きく変位した時に、保護用のストッパの働きをする。
加速度センサ14の測定原理及び動作は、特許文献1のセンサが有する加速度検出部と同様である。つまり、外力が重錘部42に作用し、重錘部42の変位が4つの第二の可撓部30に伝達され、第二の可撓部30が撓むことによって複数の加速度検出用素子38の抵抗値が変化し、各抵抗値の変化に基づいてXYZ軸方向の加速度成分を検出する。
さらに、機能基板kの端部(図1(b)における左下側の位置)には、圧力検出用素子24及び加速度検出用素子38の信号を外部出力するためのパッド50が複数設けられている。パッド50は金やアルミ等の層であり、図示しない配線パターン等を通じて圧力検出用素子24及び加速度検出用素子38と電気的に接続されている。
各パッド50は、対応する基板実装用端子20の基端部にボンディングワイヤ52で接続され、圧力検出用素子24及び加速度検出用素子38の信号が、基板実装端子20を通じて外部出力される。なお、図1(b)では、パッド50が4個、基板実装用端子20が図の左右で合計7本のみ表示されているが、パッド50及び基板実装用端子20は、圧力検出用素子24及び加速度検出用素子38の数により適宜設定される。
次に、本発明の一実施形態である複合センサデバイス10の好ましい製造方法を説明する。上記の機能基板k、第一乃至第三の補助基板h1,h2,h3は、図3に示すように、それぞれ規定のサイズに多面付けされた大型の機能基板K、第一乃至第三の補助基板H1,H2,H3として製造工程に投入される。以下、分割前の大型の基板をアルファベット大文字で示す。1つの複合センサデバイス10に使用される単位領域は、ハッチングで示す1区画である(長手方向の長さが例えば約1mm)。
まず、図4(a)に示すように、機能基板Kと、表面に第一の凹部26bを形成した第一の補助基板H1とを用意する。機能基板Kの厚みは、取り扱い性を考慮した適度な厚み、例えば約300μmである。第一の補助基板H1は、例えば厚みが約400μm程度のシリコン基板を用い、第一の凹部26bの深さは例えば約3〜5μmである。また、機能基板K及び第一の補助基板H1は、互いに対向する側の面に、接合性を向上させるための酸化膜を形成しておくとよい。そして、真空の環境下で機能基板Kと第一の補助基板H1とを重ね、両者間に電圧を印加しながら所定の高温状態で加圧して接合し、密閉室28を形成する(第一の補助基板接合工程)。その後、機能基板Kの表面を研磨して厚みを約3〜5μmまで薄くし、図4(b)に示すように、機能基板Kが圧力センサ12のダイヤフラム等として機能可能な厚さにする(機能基板研磨工程)。これにより、十分な可撓性を有する第一の可撓部22が形成される。
機能基板Kは、最初から薄いものを用いると破損させやすいので、第一の補助基板接合工程には取り扱い性の良い厚さのものを投入し、第一の補助基板H1に接合した後、機能基板研磨工程を行って薄くする。機能基板Kの厚みを3〜5μmとしたのは、以下の理由による。圧力センサ12の検出感度は、例えばダイヤフラムの径を一定(ここでは、200〜300μm)とすると、ダイヤフラム厚の2乗に反比例する。感度は、ダイヤフラム厚を薄くすれば、飛躍的に高くなるが、機能基板Kを精度よく研磨するには加工限界がある。つまり、量産時の歩留りを考慮した加工限界が3〜5μmである。なお、ダイヤフラムの径が大きくなれば、同様の感度で厚みを厚くできるが、圧力センサ12の領域が広くなり、複合センサデバイス10のサイズが大きくなり、コストもアップする。さらに、複合センサデバイス10の大きさに制約がない場合でも、より検出感度の高い方がセンサ出力のS/N比が良くなり、性能が向上する。したがって、圧力センサのダイヤフラムとしては、加工限界まで薄くすることが好ましく、この複合センサデバイス10の場合、第一の可撓部22の厚みは3〜5μmが好適である。
その後、図4(c)に示すように、機能基板Kの所定位置に不純物イオンを注入し、変質させることによって、圧力検出用素子24及び加速度検出用素子38を形成する(素子形成工程)。そして、機能基板Kの所定位置に、金やアルミ等の層であるパッド50を形成し、各素子24,38とパッド50との間を電気的に接続する処理を行う(機能基板配線工程)。パッド50と圧力検出用素子24及び加速度検出用素子38との間の電気的接続、及び圧力検出用素子24と加速度検出用素子38の各々ピエゾ抵抗素子24,38間の相互接続は、例えば、機能基板kの内部の拡散層によって行う。あるいは、パッド50の形成時に、機能基板Kの表面に金やアルミ等の配線パターンを同時に設けて接続してもよい。
その後、図4(d)に示すように、機能基板Kのスリット32の部分と第一の補助基板H1の特定領域とを深堀エッチングで除去し、第二の可撓部30、第一の台座部26の上側部分、重錘部42、及び第二の台座部40の上側部分を形成する(エッチング工程)。
次に、図5(a)に示すように、重錘部42に対応する位置に第二の凹部46を形成した第二の補助基板H2を用意する。さらに、第二の可撓部30等に対応する位置に第三の凹部48aを形成すると共に、第一の可撓部22及びこの近傍に対応する位置に第四の凹部48bを形成した第三の補助基板H3を用意する。第二及び第三の補助基板H2,H3は、素材がシリコン、ガラス、セラミック、金属、樹脂等であり、それぞれの厚みは、例えば約100〜300μmである。そして、図5(b)に示すように、第二の補助基板H2の凹部46側の面を第一の補助基板H1に接合する(第二の補助基板接合工程)。さらに、第三の補助基板H3の凹部48a,48b側の面を機能基板Kに接合する。接合方法は、例えば、樹脂、ガラス、共晶合金、ハンダ等で接着するとよい。第二及び第三の補助基板H2,H3がシリコン材の場合はシリコン拡散接合でもよいし、補助基板H3がガラス材の場合は直接接合する陽極接合でもよい。
第二及び第三の補助基板H2,H3が接合されると、第二の可撓部30、加速度検出用素子38、及び重錘部42が、第二の台座部44及び第三の補助基板H3の第三の凹部48aで囲まれた密閉空間内に配置される。そして、図5(c)に示すように、第三の補助基板H3のみを位置L1で切断し、第四の凹部48bが設けられている領域を除去する(第三の補助基板接合及び切断工程)。この領域を除去するのは、圧力センサ12の第一の可撓部22を覆ってしまう不要な部分だからであり、蓋部48として機能する第三の凹部48aの領域だけ残すためである。位置L1は、第三の補助基板H3が機能基板Kから離間している箇所なので、ダイシングソーで切断するときに機能基板Kを傷つけることなく、第三の補助基板H3の不要部分を除去することができる。これで、複数のセンサ本体16が多面付けされた積層体が得られる。
その後、図5(d)に示すように、積層体を位置L2で分割し、個々のセンサ本体16を得る(分割工程)。なお、第三の補助基板H3を切断する時や積層体を分割する時は、切粉が発生したり洗浄用の液体等を使用したりするが、加速度センサ14の中枢部分である第二の可撓部30、加速度検出用素子38、及び重錘部42が密閉空間内にあるので、切粉等の異物が侵入して不具合が発生する心配はない。
その後、分割した各センサ本体16を個々の筐体18の底部に設置し、ボンディングワイヤ52で配線した後、筐体18を閉鎖すると、図1〜図3に示す複合センサデバイス10の状態になる。
以上説明したように、この実施形態の複合センサデバイスの製造方法は、真空室等の気圧が管理された環境下で行われる工程(第一の補助基板接合工程)を備えているが、薄くて微細な部分を有しない状態の機能基板K及び第一の補助基板H1を投入して行うことができるため、機能基板K及び第一の補助基板H1の取り扱いが容易である。しかも、特許文献2に開示されたようなDSOIウエハ等を使用しないので、製造プロセスも複雑にならない。したがって、センサ本体16を効率よく製造することができ、高度な製造設備も不要になる。
また、圧力センサ12と加速度センサ14とが異なる位置に区分けして設けられるので、加速度センサ14の部分だけを蓋部48等で覆う構造にすることができる。つまり、第三の補助基板接合及び切断工程を行って蓋部48を設けることにより、加速度センサ14の内部に異物が侵入しにくく、しかも圧力センサ12による気体圧力の検出も良好に行われる複合センサデバイスを容易に得ることができる。
また、大型の機能基板K、第一、第二、第三の補助基板H1,H2,H3を使用し、複数のセンサ本体16を多面付けの状態に製作し、最後に分割工程により個々のセンサ本体16に分割するという製造方法なので、非常に効率よく大量生産することができる。
次に、上記の製造工程の一部を省略することによって製作可能な複合センサデバイス10の変形例について、図6(a)、(b)に基づいて説明する。ここで、複合センサデバイス10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
第一の変形例の複合センサデバイス54は、図6(a)に示すように、筐体56とセンサ本体58とで構成され、複合センサデバイス10とほぼ同じ機能を実現しつつ、全体の外形を薄型化したものである。
センサ本体58は、上記のセンサ本体16の構成から、加速度センサ14を覆う蓋部48(第三の補助基板h3)が省略されている。さらに、第二の補助基板h2が省略され、第一及び第二の台座部26,44が、第一の補助基板h1だけで形成されている。筐体56は、省略された蓋部48及び第二の補助基板h1の厚み分だけ低背化されており、第二の補助基板h2に設けられていた第二の凹部46が、筐体56の底部に設けられている。
センサ本体58を製造するときは、上記と同様に、第一の補助基板接合工程、機能基板研磨工程、素子形成工程、機能基板配線工程、及びエッチング工程を行う。そして、図4(d)に示す積層体の状態で分割工程を行うことによって、個々のセンサ本体58を得ることができる。その後、センサ本体58を筐体56の底部に設置し、ボンディングワイヤ52を接続する等の作業を行うことによって、複合センサデバイス54を製作することができる。
なお、ここでは上述の複合センサデバイス10の構成から、第二の補助基板h2と、蓋部48を形成する第三の補助基板h3を省略したが、第三の補助基板h3による蓋部48のみを省いても良く、第二の補助基板h2のみを省いて蓋部48を設けても良く、用途に合わせて適宜の構造を設定し得るものである。
第二の変形例の複合センサデバイス60は、上記の複合センサデバイス10の構成から筐体18が省略され、センサ本体16だけで構成されている。これは、いわゆるベアチップ実装用の形態であり、図6(b)に示すように、センサ本体(複合センサデバイス60)がユーザ側の実装基板62の上面に直接設置(ダイボンド)され、パッド50とユーザ実装基板62とがボンディングワイヤ52で接続される。
センサ本体16は、上記のように、第一の補助基板接合工程、機能基板研磨工程、素子形成工程、機能基板配線工程、エッチング工程、第二の補助基板接合工程、第三の補助基板接合及び切断工程、及び分割工程を行って製作される。そして、図5(d)に示すセンサ本体16の状態で、複合センサデバイス60として出荷される。
次に、上記の製造工程で製造可能な複合センサデバイスの第二の実施形態について、図7、図8に基づいて説明する。ここで、上記の複合センサデバイス10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の複合センサデバイス64は、上記の複合センサデバイス10と同様に、圧力センサ12と加速度センサ(機能デバイス)14とを有するセンサ本体66が1つの筐体18内に設けられたものである。
上記の複合センサデバイス10は、第一及び第二の台座部26,44が一体に形成され、共に筐体18に固定されているが、この複合センサデバイス64は、第一の台座部26が筐体18に固定され、第二の台座44は、筐体18に直接固定されるのではなく、片持ち梁構造の連結梁68を介して第一の台座部26に支持されているという特徴がある。
複合センサデバイス64は、図7(b)、図8に示すように、機能基板kの外形のやや内側に加速度センサ14の部分(第二の可撓部30、スリット32、中央部34、枠体部36及び翼状部40)が設けられ、枠体部36の外周に沿って幅狭のスリット70が設けられ、外側の枠体部72と区切られている。スリット70は、パッド50に近い位置で途切れており、連結梁68は、この途切れた部分の機能基板k及び第一の補助基板h1により形成されている。枠体部72の取付面である裏面側は、図8に示すように、第一の台座部26の上面26cにより支持されている。
第一の台座部26は、第一及び第二の補助基板h1,h2により形成され、第一の補助基板h1の角筒状の部分(枠体部72の裏側の部分)の下端開口を第二の補助基板h2の第二の凹部46で塞いだ構造になっている。第二の台座部44は、第一の補助基板h1により形成され、第一の補助基板h1の角筒状の部分(枠体部36の裏側の部分)の下端開口は開放している。また、蓋部48は、枠体部36の表面側ではなく枠体部72の表面側に設けられ、第二の可撓部30、スリット32に加えて、新たに設けられたスリット70及びこの近傍も覆っている。つまり、複合センサデバイス64の場合、加速度センサ14の中枢部分である第二の可撓部30、加速度検出用素子38、重錘部42、第二の台座部44及び連結梁68は、第一の台座部26(第一及び第二の補助基板h1,h2)及び蓋部48により囲まれた密閉空間内に設けられる。複合センサデバイス64の他の構成は、複合センサデバイス10と同様である。
複合センサデバイス64は、上述した複合センサデバイス10の製造工程の一部を変更することによって容易に製造できる。具体的には、エッチング工程で、上記の連結梁68も合わせて形成する。さらに、第二の補助基板接合工程に投入する第二の補助基板h2の第二の凹部46を、第一の補助基板h1の重錘部42及び連結梁68に対応する位置に形成しておけばよい。
複合センサデバイス64は、上記の複合センサデバイス10と同様の機能を実現しつつ、さらに、加速度センサ14に発生するドリフト誤差を低減することができる。ドリフト誤差とは、加速度検出用素子34の出力が加速度以外の要因で変化してしまうことによる誤差のことである。
複合センサデバイス10の場合、図2に示すように、加速度センサ14の第二の可撓部30が十字状に配置され、第二の台座部44の角筒状部分(第一の補助基板h1の部分)により両端支持され、第二の台座部44の下面全体(第二の補助基板h2の下面全体)が筐体18の底部に固定されている。したがって、例えば環境温度の変化によって筐体18が膨張収縮すると、第二の台座部44が変形し、これにより第二の可撓部30が撓んでしまい、加速度検出用素子38の抵抗値が変化する可能性がある。つまり、重錘部42に加速度が作用していないにもかかわらず加速度検出用素子38の抵抗値が変化することになるので、加速度検出のドリフト誤差となる。
これに対して、複合センサデバイス64の場合、図8に示すように、加速度センサ14の第二の台座部44が筐体18と独立し、第二の台座部44が連結梁68を介して第一の台座部26に連結され支持される構造なので、筐体18が膨張収縮しても、第二の台座部44がほとんど変形せず、その影響が第二の可撓部30に伝わらない。したがって、例えば、複合センサデバイス64を図示しないユーザ実装基板にハンダ付けしたとき、加速度検出用素子38の零点出力がほとんど変動せず、ドリフト誤差が極めて小さい値に抑えられる。なお、複合センサデバイス64の場合、連結梁68の厚みが第一の補助基板h1の厚み(約400μm)とほぼ等しくなっているが、連結梁68の弾性特性を調節するため、第一の補助基板h1の厚みより薄くしてもよい。
次に、上記の製造工程で製造可能な複合センサデバイスの第三の実施形態について、図9、図10に基づいて説明する。ここで、上記の複合センサデバイス10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の複合センサデバイス74は、上記の複合センサデバイス10と同様に、圧力センサ12と加速度センサ(機能デバイス)14とを有するセンサ本体76が1つの筐体18内に設けられたものである。
上記の複合センサデバイス10は、十字状に配置された4つの第二の可撓部30が、枠状の第二の台座部44により両端支持されているが、この複合センサデバイス74の場合、L字状に配置された2つの第二の可撓部78の基端部が、枠状の第二の台座部44により片持ち梁状に支持されているという特徴がある。
複合センサデバイス74は、図9(b)に示すように、機能基板kにおける第一の可撓部22から離れた位置、つまり、図9(b)における右側の例えば約3/4の広い領域に、L字状の第二の可撓部78を備えている。第二の可撓部78は、機能基板kに渦巻き状のスリット80を設けることにより形成され、基端部が、略正方形の枠体部36のパッド50に近い位置に連結されたような構造になっている。重錘部42は、第二の可撓部78の先端にある略正方形の先端部82の裏面側に設けられている。複合センサデバイス74の他の構成は、複合センサデバイス10と同様である。
加速度センサ14にL字状の第二の可撓部78を設け、複数の加速度検出用素子38を配置するという構成は、本願発明者らによる特許第5509399号公報に開示されている慣性センサの構成と同様であり、測定原理及び動作はほぼ同じである。複合センサデバイス48は、上述した複合センサデバイス10のエッチング工程の内容(エッチングのレイアウト)を変更することによって容易に製造できる。
複合センサデバイス74は、上記の複合センサデバイス10と同様の機能を実現し、さらに、上記の複合センサデバイス64と同様に、加速度センサ14に発生するドリフト誤差を低減することができる。
上述したように、複合センサデバイス10の場合、加速度センサ14の第二の可撓部30が、枠状の第二の台座部44により両端支持され、第二の台座部44の下面全体が筐体18に固定されているため、例えば環境温度の変化によって筐体18が膨張収縮すると、加速度検出のドリフト誤差が発生する可能性がある。
これに対して、複合センサデバイス74の場合、図10に示すように、枠状の第二の台座部44の下面全体が筐体18に固定されているものの、第二の可撓部78が片端支持されている構造なので、筐体18が膨張収縮しても、その影響が第二の可撓部78に伝わらないので、加速度検出のドリフト誤差を小さく抑えることができる。
なお、本発明の複合センサデバイスの製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。製造対象の複合センサデバイスの実施形態も、上記に限定されるものではなく、上記の加速度センサ14は、第二の可撓部30,78及び複数の加速度検出用素子38が3軸方向の加速度を検出するよう構成されているが、例えば、1軸方向の加速度を検出するシンプルな構成にしてもよいし、さらに角速度センサや角加速度センサ等を形成しても良い。
機能基板は、シリコン以外の素材の基板を使用してもよい。第一乃至第三の補助基板についても同様である。また、センサ本体は、単位外形の機能基板及び補助基板を用いて別々に製造してもよく、この場合、積層体を分割する分割工程を省略することができる。
さらに、図8、図10に示した複合センサデバイスの変形例として、第二の補助基板h2と、蓋部48を形成する第三の補助基板h3を省略しても良く、第三の補助基板h3による蓋部48のみを省いても良く、第二の補助基板h2のみを省いて蓋部48を設けても良い。さらに、図6(b)に示すように、ユーザ側の実装基板の上面に直接ダイボンドする構造にしても良い。
また、本発明の製造方法により製造される複合センサデバイスは、圧力センサと所定の機能デバイスとを組み合わせたものであればよく、機能デバイスは、上記のピエゾ抵抗型の加速度センサのほか、圧電型の角速度センサや、発電デバイス等でもよい。
例えば角速度センサである振動ジャイロセンサの場合、普段から重錘部を一定の周波数で振動させておく必要がある。しかし、上記の加速度センサ14は、重錘部42の周囲が蓋部48や第二の補助基板h2に囲まれて非常に狭くなっているため、この構造をそのまま振動ジャイロセンサに適用すると、空気の流動抵抗によって重錘部42の振動が妨げられる可能性がある。そこで、例えば、蓋部48や第二の補助基板h2の、重錘部42に対向する面(第三の凹部48aや第二の凹部46の内側面)に、空気の流路となる複数の凹条を設け、振動時の重錘部42付近の空気が流れやすい構造にしておくことが好ましく、本発明の製造方法により容易に実現することができる。
また、発電デバイスの場合、例えば本願発明者らによる特許第5529328号公報に開示されている発電素子の構成が適しており、上記の複合センサデバイス74の加速度センサ14が有する加速度検出用素子38の代わりに、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電素子を配置することで実現することができ、複合センサデバイス74の場合と同様に、本発明の製造方法により容易に実現することができる。
10,54,60,64,74 複合センサデバイス
12 圧力センサ
14 加速度センサ(機能デバイス)
16,58,66,76 センサ本体
18,56 筐体
22 第一の可撓部
24 圧力検出用素子
26 第一の台座部
26b 第一の凹部
28 密閉室
30,78 第二の可撓部
38 加速度検出用素子(機能素子)
42 重錘部
44 第二の台座部
46 第二の凹部
48 蓋部
48a 第三の凹部
48b 第四の凹部
68 連結梁
k,K 機能基板
h1,H1 第一の補助基板
h2,H2 第二の補助基板
h3,H3 第三の補助基板
特開2004−245760号公報 特開2011−137818号公報

Claims (9)

  1. 圧力センサと機能デバイスとを有する複合センサデバイスの製造方法において、
    機能基板と、表面の特定位置に第一の凹部が形成された第一の補助基板とを用意し、前記機能基板の裏面に前記第一の補助基板の表面を当接させ、所定の気圧環境下で接合することによって、前記機能基板と前記第一の凹部とで囲まれた密閉室を形成する第一の補助基板接合工程と、
    前記第一の補助基板接合工程の後、前記機能基板の表面を研磨して薄くすることにより、前記第一の凹部を塞ぐ位置に、前記機能基板で成る第一の可撓部を形成する機能基板研磨工程と、
    前記機能基板研磨工程の後、前記機能基板の前記第一の可撓部の部分を変質させ、機械的歪みを受けて自己の電気特性が変化する圧力検出用素子を形成すると共に、前記第一の可撓部から離れた特定の部分を変質させ、機械的歪みを受けて自己の電気特性が変化する機能素子を形成する素子形成工程と、
    前記素子形成工程の後、前記圧力検出用素子及び前記機能素子の各出力を取り出すため、前記機能基板の内部又は表面に電気配線の処理を行う機能基板配線工程と、
    前記機能基板研磨工程の後、前記機能基板及び前記第一の補助基板の特定部分をエッチングして除去することにより、前記第一の可撓部及びその周辺を前記基板の裏面側から支持する第一の台座部、前記機能基板の前記機能素子が配置された部分を梁状にした第二の可撓部、前記第二の可撓部の端部に連続する重錘部、及び前記第二の可撓部の前記重錘部から離れた位置を支持する第二の台座部を形成するエッチング工程とを備えることを特徴とする複合センサデバイスの製造方法。
  2. 前記各工程を経て作製された前記機能基板及び前記第一の補助基板で成る積層体は、複数の前記複合デバイスセンサが多面付けされたものであり、
    前記積層体を分割して個々の複合センサデバイスを得る分割工程を備える請求項1記載の複合センサデバイスの製造方法。
  3. 前記第一の補助基板の表面の、重錘部に対応する特定位置に第二の凹部が形成された第二の補助基板を用意し、
    前記各工程の後、前記第一の補助基板の裏面に前記第二の補助基板の表面を当接させて接合し、前記第二の凹部を非接触で前記重錘部に対向させ、前記第一の補助基板の前記重錘部の周囲を閉鎖する第二の補助基板接合工程を備える請求項1記載の複合センサデバイスの製造方法。
  4. 前記エッチング工程において、前記機能基板及び第一の補助基板の特定部分をエッチングして除去することにより、前記第一の台座部が前記第二の台座部を支持する連結梁を形成し、
    前記第二の補助基板接合工程に投入される前記第二の補助基板は、前記第二の凹部が前記第一の補助基板の重錘部及び前記連結梁に対応する位置に形成されている請求項3記載の複合センサデバイスの製造方法。
  5. 前記各工程を経て作製された前記機能基板、前記第一の補助基板、及び前記第二の補助基板の積層体は、複数の前記複合デバイスセンサが多面付けされたものであり、
    前記各工程の後、前記積層体を分割することによって個々の複合センサデバイスを得る分割工程を備える請求項3又は4記載の複合センサデバイスの製造方法。
  6. 前記機能基板の裏面の、前記第二の可撓部及びこの近傍に対応する特定位置に第三の凹部が形成されると共に、前記裏面の前記第一の可撓部及びこの近傍に対応する特定位置に第四の凹部が形成された第三の補助基板を用意し、
    前記各工程の後、前記機能基板の表に前記第三の補助基板の裏面を当接させて接合し、前記第三の補助基板の前記第四の凹部が設けられている領域を切断して除去することによって、前記機能基板の前記第二の可撓部及びこの近傍を覆う蓋部を形成する第三の補助基板接合及び切断工程を備える請求項1、3又は4記載の複合センサデバイスの製造方法。
  7. 前記各工程を経て作製された前記機能基板、前記第一の補助基板、前記第二の補助基板、及び前記第三の補助基板の積層体は、複数の前記複合デバイスセンサが多面付けされたものであり、
    前記各工程の後、前記積層体を分割することによって個々の複合センサデバイスを得る分割工程を備える請求項6記載の複合センサデバイスの製造方法。
  8. 前記第一の補助基板接合工程に投入される前記機能基板及び前記第一の補助基板は、互いに接合される側の面に酸化膜が形成され、
    前記第一の補助基板接合工程において、前記シリコン基板と前記第一の補助基板を、両者間に電圧を印加しながら加熱と加圧を行って接合する請求項1乃至7のいずれか記載の複合センサデバイスの製造方法。
  9. 前記機能基板はシリコン基板で成り、
    前記圧力検出用素子は、自己の抵抗値の変化に基づいて気体の圧力を検出するピエゾ抵抗素子であり、前記前記機能素子は、自己の抵抗値の変化に基づいて加速度を検出するピエゾ抵抗素子であり、
    前記素子形成工程において、前記シリコン基板に不純物イオンを注入し変質させることによって前記ピエゾ抵抗素子を作製する請求項1乃至8のいずれか記載の複合センサデバイスの製造方法。
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