JP2007240250A - 圧力センサ、圧力センサパッケージ、圧力センサモジュール、及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部からの応力を受け難く、ゲージ圧センサとして機能する構造を備えた圧力センサを提供する。
【解決手段】本発明の圧力センサ10は、平板状の半導体基板12を基材とし、この半導体基板12の一面において、その中央域αの内部に該一面と略平行して広がる空間(基準圧力室)13を備え、該空間13の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部14とする。このダイアフラム部14には複数の感圧素子15が配されている。また、前記一面において、前記ダイアフラム部14を除いた外縁域βには、前記感圧素子15ごとに電気的に接続された導電部16が配されている。さらに、前記空間13の他方側に、当該半導体基板12の他面に向かって開口し、前記空間13と前記半導体基板12の外部とを連通する孔部17を設けていることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の圧力センサ10は、平板状の半導体基板12を基材とし、この半導体基板12の一面において、その中央域αの内部に該一面と略平行して広がる空間(基準圧力室)13を備え、該空間13の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部14とする。このダイアフラム部14には複数の感圧素子15が配されている。また、前記一面において、前記ダイアフラム部14を除いた外縁域βには、前記感圧素子15ごとに電気的に接続された導電部16が配されている。さらに、前記空間13の他方側に、当該半導体基板12の他面に向かって開口し、前記空間13と前記半導体基板12の外部とを連通する孔部17を設けていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧力センサ、圧力センサパッケージ、圧力センサモジュール、及び電子部品に係り、詳しくは基準圧を外圧(例えば、大気圧)とする圧力センサと、小型化された圧力センサパッケージ、圧力センサモジュール、及び電子部品に関する。
近年、MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)技術を駆使した小型の圧力センサが開発されている(例えば、Transducers’03予稿集、p.246参照)。
その一例としては、図15に示すようなものが挙げられる。この圧力センサ111は、シリコン等からなる半導体基板112の一面において、その中央域の内部に該一面と略平行して広がる、基準圧力室としての空間113と、該空間113の一方側に位置する薄板化された領域によりなるダイアフラム部114と、圧力による該ダイアフラム部114の歪抵抗の変化を測定するために複数配された、感圧素子としての歪ゲージ115と、前記一面において、前記ダイアフラム部114を除いた外縁域に配され、前記歪ゲージ115ごとに電気的に接続された電極116等を備えている。
その一例としては、図15に示すようなものが挙げられる。この圧力センサ111は、シリコン等からなる半導体基板112の一面において、その中央域の内部に該一面と略平行して広がる、基準圧力室としての空間113と、該空間113の一方側に位置する薄板化された領域によりなるダイアフラム部114と、圧力による該ダイアフラム部114の歪抵抗の変化を測定するために複数配された、感圧素子としての歪ゲージ115と、前記一面において、前記ダイアフラム部114を除いた外縁域に配され、前記歪ゲージ115ごとに電気的に接続された電極116等を備えている。
このような圧力センサ111は、ダイアフラム部114が圧力を受けて撓むと、各歪ゲージ115にダイアフラム部114の歪み量に応じた応力が発生し、この応力に応じて歪ゲージ115の抵抗値が変化する。この抵抗値変化を電気信号として取り出すことにより、圧力センサ111は圧力を検出する(例えば、特許文献1参照。)
また、このような圧力センサ111は、パッケージ化された状態で使用される。例えば図16に、典型的な圧力センサのパッケージ構造を示す。この圧力センサパッケージ200は、絶縁体からなる基台201と、圧力導入口202を備えた樹脂等からなる蓋体203とからなる筐体204を備え、該筐体204の内部空間において圧力センサ205(111)が基台201に載置され、ワイヤボンド206によりリード207と電気的に接続された構造を有する。このような構造により、従来の圧力センサパッケージ200を構成する圧力センサ205(111)は、リード207を通じて、筐体204の外部に設けられた、例えば増幅回路(不図示)や補償回路(不図示)と交信可能とされていた。
しかしながら、従来の圧力センサ、及び圧力センサパッケージにおいては、次のような課題がそれぞれあった。
(1)上述した圧力センサは、基準圧力室を基板内に有しており、本質的に絶対圧センサとして機能する。そのため、ゲージ圧を測定する場合には、圧力センサでの測定だけでなく、そのときの大気圧も測定して補正する必要があり、大気圧を基準としたゲージ圧の測定が困難である。
(2)上述した圧力センサパッケージは、筐体内に圧力センサを設置する構成であり、圧力センサの小型化が図れたとしても、筐体自体は依然として元の大きさゆえに、直ちにパッケージ自体の小型化を図ることは困難である。
(1)上述した圧力センサは、基準圧力室を基板内に有しており、本質的に絶対圧センサとして機能する。そのため、ゲージ圧を測定する場合には、圧力センサでの測定だけでなく、そのときの大気圧も測定して補正する必要があり、大気圧を基準としたゲージ圧の測定が困難である。
(2)上述した圧力センサパッケージは、筐体内に圧力センサを設置する構成であり、圧力センサの小型化が図れたとしても、筐体自体は依然として元の大きさゆえに、直ちにパッケージ自体の小型化を図ることは困難である。
さらに、従来の差圧タイプの圧力センサは、基板上に抵抗体を形成し、その抵抗体が配される領域の基板を薄くすることにより圧力の検知部となるダイアフラム部を形成するが、基板を薄くするにあたっては、抵抗体が配されている面とは反対側の面より、同領域とほぼ同じ大きさで基板に対してエッチング処理が施される。そのため、ダイアフラム部が形成される領域は、極めて薄肉化され、その厚さ方向に見て抵抗体が配されている部分のみが残る構成となるので、ダイアフラム部は外部からの影響を受け易いものであった。
特開2002−340714号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、外部からの応力を受け難く、ゲージ圧センサとして機能する構造を備えた圧力センサを提供することを第一の目的とする。また、ゲージ圧センサとして機能する圧力センサを備えたチップサイズパッケージを実現することにより、小型化された圧力センサパッケージを提供することを第二の目的とする。また、このような圧力センサパッケージを備えた圧力センサモジュールを実現することにより、小型化された圧力センサモジュールを提供することを第三の目的とする。さらに、このような圧力センサ、圧力センサパッケージ、又は圧力センサモジュールを搭載することにより、小型で軽量な電子部品を提供することを第四の目的とする。
本発明の請求項1に係る圧力センサは、半導体基板の一面において、その中央域の内部に該一面と略平行して広がる空間を備え、該空間の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部とし、該ダイアフラム部に感圧素子を配してなり、前記一面において、前記ダイアフラム部を除いた外縁域に配され、前記感圧素子ごとに電気的に接続された導電部を少なくとも備えた圧力センサであって、前記空間の他方側に、前記半導体基板の他面に向かって開口し、前記空間と前記半導体基板の外部とを連通する孔部を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る圧力センサパッケージは、請求項1に記載の圧力センサと、前記圧力センサの導電部にそれぞれ配され、該導電部と個別に電気的に接続されるバンプと、から構成されたことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る圧力センサモジュールは、請求項2に記載の圧力センサパッケージと、前記圧力センサパッケージのバンプを介して電気的に接続される実装基板と、から構成されたことを特徴とする。
本発明の請求項4に係る圧力センサは、半導体基板の一面において、その中央域の内部に該一面と略平行して広がる空間を備え、該空間の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部とし、該ダイアフラム部に感圧素子を配してなり、前記一面において、前記ダイアフラム部を除いた外縁域に配され、前記感圧素子ごとに電気的に接続された導電部を少なくとも備えた圧力センサであって、前記空間の他方側に、前記半導体基板の他面に向かって開口し、前記空間と前記半導体基板の外部とを連通する孔部を備えると共に、一端が前記導電部に電気的に接続し、他端がその他面に露呈するように、前記半導体基板の内部を貫通してなる貫通電極を該導電部ごとに設けたことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る圧力センサパッケージは、請求項4に記載の圧力センサと、前記圧力センサの貫通電極の露呈した部分にそれぞれ配され、該貫通電極と個別に電気的に接続されるバンプと、から構成されたことを特徴とする。
本発明の請求項6に係る圧力センサモジュールは、請求項5に記載の圧力センサパッケージと、前記圧力センサパッケージのバンプを介して電気的に接続される実装基板と、から構成されたことを特徴とする。
本発明の請求項7に係る圧力センサモジュールは、請求項3又は6において、前記半導体基板と前記実装基板との間をなす空隙のうち、前記バンプより外域側に封止部を配したことを特徴とする。
本発明の請求項8に係る圧力センサモジュールは、請求項3又は6において、前記半導体基板と前記実装基板との間をなす空隙のうち、前記バンプより内域側に封止部を配したことを特徴とする。
本発明の請求項9に係る電子部品は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の圧力センサ、圧力センサパッケージ又は圧力センサモジュールを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項1に係る圧力センサ(以下、「第一の圧力センサ」とも呼ぶ。)では、半導体基板の中央域の内部に備えられた空間の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部とし、該ダイアフラム部を除いた前記半導体基板の外縁域に配した感圧素子ごとに電気的に接続される導電部を少なくとも備え、前記空間の他方側に、前記半導体基板の他面に向かって開口し、前記空間と前記半導体基板の外部とを連通する孔部を設けて構成した。つまり、第一の圧力センサは、半導体基板の外部と連通する孔部によって、圧力基準室である空間が外部(例えば、大気)に開放され、外圧(例えば、大気圧)との差圧を測定するゲージ圧センサとして利用可能な状態に構成される。このような構成は、外圧を基準としているため、測定時の外圧を測定して補正する必要がなく、一度の測定でゲージ圧を測定することができる効果をもたらす。しかも、ダイアフラム部を形成するにあたって、感圧素子が配されている面とは反対側の面より半導体基板をエッチングして薄く形成する必要もなく、半導体基板を外から見た場合に、その外縁域と中央域とがほぼ同じ厚さをもつ構成とすることができる。
したがって、本発明によれば、ダイアフラム部が形成される領域は、外部からの応力を受け難く、外圧を基準としたゲージ圧の測定を行なうゲージ圧センサとして機能する構造を備えた圧力センサを提供することができる。
したがって、本発明によれば、ダイアフラム部が形成される領域は、外部からの応力を受け難く、外圧を基準としたゲージ圧の測定を行なうゲージ圧センサとして機能する構造を備えた圧力センサを提供することができる。
本発明の請求項2に係る圧力センサパッケージ(以下、「第一の圧力センサパッケージ」とも呼ぶ。)では、請求項1に記載の圧力センサの導電部にそれぞれ配され、該導電部と個別に電気的に接続されるバンプを備えて構成した。このような構成は、バンプによって、ゲージ圧センサとして機能する圧力センサを備えたチップサイズパッケージを実現できる効果をもたらす。また、バンプを用いて例えば実装基板と直接接続する構成は、従来の圧力センサパッケージが必須としていた圧力センサを内包する筐体、及び、圧力センサと外部基板の間を電気的に繋ぐワイヤボンドやリード等の接続部材を一切不要とする。したがって、本発明によれば、筐体などを必要とせず、小型化が実現された圧力センサパッケージを提供することができる。
本発明の請求項3に係る圧力センサモジュール(以下、「第一の圧力センサモジュール」とも呼ぶ。)では、請求項2に記載の圧力センサパッケージのバンプを介して電気的に接続される実装基板を備えて構成した。このような構成は、実装基板によって、ゲージ圧センサとして機能する圧力センサを備え、小型化が実現されたチップサイズパッケージを備えた圧力センサモジュールを実現できる効果をもたらす。したがって、本発明によれば、小型化された圧力センサモジュールを提供することができる。
本発明の請求項4に係る圧力センサ(以下、「第二の圧力センサ」とも呼ぶ。)では、半導体基板の中央域の内部に備えられた空間の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部とし、該ダイアフラム部を除いた前記半導体基板の外縁域に配した感圧素子ごとに電気的に接続される導電部を少なくとも備え、前記空間の他方側に、前記半導体基板の他面に向かって開口し、前記空間と前記半導体基板の外部とを連通する孔部を備えると共に、一端が前記導電部に電気的に接続し、他端がその他面に露呈するように、前記半導体基板の内部を貫通してなる貫通電極を該導電部ごとに設けて構成した。つまり、第二の圧力センサは、半導体基板の外部と連通する孔部によって、圧力基準室である空間が外部(例えば、大気)に開放され、外圧(例えば、大気圧)との差圧を測定するゲージ圧センサとして利用可能な状態に構成されると共に、半導体基板の内部を貫通する貫通電極によって、ダイアフラム部とは反対側の面に電気配線を引き出すことが可能な状態に構成される。このような構成は、外圧を基準としているため、測定時の外圧を測定して補正する必要がなく、一度の測定でゲージ圧を測定することができると共に、導電部が備えられた面とは異なる面に、例えばバンプ等の接続部材を配置することの自由度を上げる効果をもたらす。しかも、ダイアフラム部を形成するにあたって、感圧素子が配されている面とは反対側の面より半導体基板をエッチングして薄く形成する必要もなく、半導体基板を外から見た場合に、その外縁域と中央域とがほぼ同じ厚さをもつ構成とすることができる。
したがって、本発明によれば、ダイアフラム部が形成される領域は、外部からの応力を受け難く、外圧を基準としたゲージ圧の測定を行なうゲージ圧センサとして機能すると共に、外部基板の要求に応じた接続自由度を備えた構造を備えた圧力センサを提供することができる。
したがって、本発明によれば、ダイアフラム部が形成される領域は、外部からの応力を受け難く、外圧を基準としたゲージ圧の測定を行なうゲージ圧センサとして機能すると共に、外部基板の要求に応じた接続自由度を備えた構造を備えた圧力センサを提供することができる。
本発明の請求項5に係る圧力センサパッケージ(以下、「第二の圧力センサパッケージ」とも呼ぶ。)では、請求項4に記載の圧力センサの貫通電極の露呈した部分にそれぞれ配され、該貫通電極と個別に電気的に接続されるバンプを備えて構成した。このような構成は、バンプによって、ゲージ圧センサとして機能し、外部基板との接続自由度を備える圧力センサを備えたチップサイズパッケージを実現できる効果をもたらす。また、バンプを用いて例えば実装基板と直接接続する構成は、従来の圧力センサパッケージが必須としていた圧力センサを内包する筐体、及び、圧力センサと外部基板の間を電気的に繋ぐワイヤボンドやリード等の接続部材を一切不要とする。したがって、本発明によれば、筐体などを必要とせず、小型化が実現された圧力センサパッケージを提供することができる。また、ダイアフラム面とは逆の面にバンプ等が形成されるため、ダイアフラムにかかる熱的な応力をより小さくすることができる。
本発明の請求項6に係る圧力センサモジュール(以下、「第一の圧力センサモジュール」とも呼ぶ。)では、請求項5に記載の圧力センサパッケージのバンプを介して電気的に接続される実装基板を備えて構成した。このような構成は、実装基板によって、ゲージ圧センサとして機能し、外部基板との接続自由度を備える圧力センサを備え、小型化が実現されたチップサイズパッケージを備えた圧力センサモジュールを実現できる効果をもたらす。したがって、本発明によれば、小型化された圧力センサモジュールを提供することができる。
本発明の請求項9に係る電子部品では、上述した構成を備える、圧力センサ、圧力センサパッケージ又は圧力センサモジュールを搭載したことを特徴とする。この圧力センサ、圧力センサパッケージ又は圧力センサモジュールは、搭載した際に嵩張る筐体などが不要なことから、圧力センサ、圧力センサパッケージ又は圧力センサモジュールを収容する容積が大幅に低減されると共に、筐体などに相当する重量も削減される。よって、本発明によれば、小型で軽量な電子部品の提供が可能となる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
本発明に係る圧力センサは、半導体基板の内部に備えられた空間に外部と連通する孔部を設けてなる構造(第一の圧力センサ)と、半導体基板の内部に備えられた空間に外部と連通する孔部を設けると共に、前記半導体基板に配された導電部と一端が電気的に接続し、他端がその他面に露呈するように、該半導体基板の内部を貫通してなる貫通電極を設けてなる構造(第二の圧力センサ)とに大きく分けることができる。
本発明に係る圧力センサは、半導体基板の内部に備えられた空間に外部と連通する孔部を設けてなる構造(第一の圧力センサ)と、半導体基板の内部に備えられた空間に外部と連通する孔部を設けると共に、前記半導体基板に配された導電部と一端が電気的に接続し、他端がその他面に露呈するように、該半導体基板の内部を貫通してなる貫通電極を設けてなる構造(第二の圧力センサ)とに大きく分けることができる。
<第一実施形態>
まず、第一の圧力センサについて、図1と図2に基づき説明する。
図1は、本発明に係る圧力センサの一例を示す模式的な断面図(a)と、模式的な平面図(b)であり、図1(a)は図1(b)に示すA−A線に沿った断面を表している。すなわち、図1(b)はダイアフラム部を設けた面である。また、図2は、感圧素子(ゲージ抵抗)の電気的な配線図である。
まず、第一の圧力センサについて、図1と図2に基づき説明する。
図1は、本発明に係る圧力センサの一例を示す模式的な断面図(a)と、模式的な平面図(b)であり、図1(a)は図1(b)に示すA−A線に沿った断面を表している。すなわち、図1(b)はダイアフラム部を設けた面である。また、図2は、感圧素子(ゲージ抵抗)の電気的な配線図である。
図1に示すように、第一の圧力センサ10は、平板状の半導体基板12を基材とし、この半導体基板12の一面において、その中央域αの内部に該一面と略平行して広がる空間(基準圧力室)13を備え、該空間13の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部14とする。このダイアフラム部14には複数の感圧素子15が配されている。また、前記一面において、前記ダイアフラム部14を除いた外縁域βには、前記感圧素子15ごとに電気的に接続された導電部16が配されている。さらに、前記空間13の他方側に、当該半導体基板12の他面に向かって開口し、前記空間13と前記半導体基板12の外部とを連通する孔部(以下、「連通孔」と呼ぶ。)17を設けている。
図1は、感圧素子15として機能するゲージ抵抗(R1〜R4)が配された例であり、各ゲージ抵抗は、不図示のリード配線を介して、ホイットストーンブリッジ(図2)を構成するように電気的に接続されている。このような感圧素子15は、ダイアフラム部14の周縁部に配置すると良い。周縁部においては圧縮と引張の両応力が感圧素子15に加わり易いので、感度の良い圧力センサが得られる。
したがって、第一の圧力センサ10では、圧力基準室である空間13が連通孔17によって外部(例えば、大気)に開放されているので、基準圧が外圧(例えば、大気圧)となり、測定時に必要としていた外圧の測定による補正を行なう必要がなく、ゲージ圧を直接測定することができるゲージ圧センサとして機能する構造を備えた圧力センサが得られる。しかも、ダイアフラム部を形成するにあたって、感圧素子が配されている面とは反対側の面より半導体基板をエッチングして薄く形成する必要もなく、半導体基板を外から見た場合に、その外縁域と中央域とがほぼ同じ厚さをもつ構成とすることができる。
次に、第一の圧力センサパッケージ20について、図3に基づき説明する。
図3は、本発明に係る圧力センサパッケージの一例を示す模式的な断面図である。
図3に示すように、第一の圧力センサパッケージ20は、上記構造とした第一の圧力センサ10の導電部16にそれぞれ配され、該導電部16と個別に電気的に接続されるバンプ18を備えることによって構成されている。
図3は、本発明に係る圧力センサパッケージの一例を示す模式的な断面図である。
図3に示すように、第一の圧力センサパッケージ20は、上記構造とした第一の圧力センサ10の導電部16にそれぞれ配され、該導電部16と個別に電気的に接続されるバンプ18を備えることによって構成されている。
すなわち、本発明に係る第一の圧力センサパッケージ20を構成する第一の圧力センサ10は、平板状の半導体基板12を基材とし、この半導体基板12の一面において、その中央域αの内部に該一面と略平行して広がる空間(基準圧力室)13を備え、該空間13の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部14とする。このダイアフラム部14には複数の感圧素子15が配されている。また、前記一面において、前記ダイアフラム部14を除いた外縁域βには、前記感圧素子15ごとに電気的に接続された導電部16が配されている。さらに、前記空間13の他方側に、当該半導体基板12の他面に向かって開口し、前記空間13と前記半導体基板12の外部とを連通する連通孔17を設けることにより構成される。
また、圧力センサ10において、図1に示すように、バンプ18を載置するための導電部16を除く外縁域βは、絶縁部(不図示)によって覆われる形態が好ましい。絶縁部を設けることにより、感圧素子15が絶縁層によって被覆した構成が得られる。この構成とした第一の圧力センサパッケージ11では、バンプ18を例えば外部基板(不図示)と接続させる際に、バンプ18以外の外縁域βは全て絶縁部によって被覆されているので、外部基板に対して感圧素子15の絶縁性が十分に確保される。また、絶縁部は、感圧素子15の外気との接触を遮断するため感圧素子15の耐食性を向上させると共に、感圧素子15がダイアフラム部14を介さずに直接、外部から受ける機械的な影響を大幅に削減する効果も有する。
なお、バンプ18は、必ずしも電極パッドのような導電部16の上に配されるもののみを示すものではなく、配線層(不図示)を介して導電部16からずれた位置に配されるものを含んでいる。
したがって、第一の圧力センサパッケージ20では、従来の圧力センサパッケージが必須構成としていた圧力センサを内包する筐体などが不要となり、また、例えば外部基板と接続可能なバンプ18も圧力センサパッケージ自体が備えているので、極めて小型化の圧力センサパッケージが得られる。また、筐体などを構成する各部材が削減されると共に、筐体内に圧力センサをパッケージングする工程も不要となるので、大幅な低コスト化が図れる。さらに、バンプによって、外部基板にチップサイズで実装することが可能となる。
次に、第一の圧力センサモジュール30について、図4に基づき説明する。
図4は、本発明に係る圧力センサモジュールの一例を示す模式的な断面図である。
図4に示すように、第一の圧力センサモジュール30は、上記構造とした第一の圧力センサパッケージ20のバンプ18を介して電気的に接続される実装基板41を備えることによって構成されている。
図4は、本発明に係る圧力センサモジュールの一例を示す模式的な断面図である。
図4に示すように、第一の圧力センサモジュール30は、上記構造とした第一の圧力センサパッケージ20のバンプ18を介して電気的に接続される実装基板41を備えることによって構成されている。
すなわち、本発明に係る第一の圧力センサモジュール30を構成する第一の圧力センサパッケージ20は、平板状の半導体基板12を基材とし、この半導体基板12の一面において、その中央域αの内部に該一面と略平行して広がる空間(基準圧力室)13を備え、該空間13の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部14とする。このダイアフラム部14には複数の感圧素子15が配されている。また、前記一面において、前記ダイアフラム部14を除いた外縁域βには、前記感圧素子15ごとに電気的に接続された導電部16が配されている。また、前記空間13の他方側に、当該半導体基板12の他面に向かって開口し、前記空間13と前記半導体基板12の外部とを連通する連通孔17を備える。さらに、導電部16にそれぞれ配され、該導電部16と個別に電気的に接続されるバンプ18を備えることにより構成される。
したがって、第一の圧力センサモジュール30では、圧力センサパッケージに備えられたバンプ18を用いて実装基板41が接続されているので、極めて小型化された圧力センサモジュールが得られる。このとき、ダイアフラム部14が実装基板41側に対向して配置され、連通孔17が実装面と反対側に開口することとなり、当該連通孔17を圧力導入口として利用することも可能である。また、実装基板41が接続されると、ダイアフラム部14や感圧素子15に加わる機械的あるいは熱的な影響が抑制されるものとなる。さらには、複数の電気的な接続個所が生じてしまうワイヤボンドやリード等を用いておらず、バンプ18のみによって実装基板41と接続する構成としたことにより、優れた接続信頼性も同時に得られる。
また、上記構造とした第一の圧力センサパッケージ20を用いた圧力センサモジュールは、図5に示すように、第一の圧力センサパッケージ20を構成する半導体基板12と実装基板41との間をなす空隙のうち、バンプ18より外域側に、当該バンプ18とくっつくように封止部19を、例えばリング状に配することで気密をとる構成とすることにより、第二の圧力センサモジュール40Aとしても良い。
この封止部19には、樹脂を用いることができるが、これに限定されず、はんだフィルム、又はこれらの組合せを適宜利用することができる。
この封止部19には、樹脂を用いることができるが、これに限定されず、はんだフィルム、又はこれらの組合せを適宜利用することができる。
また、上記構造とした第一の圧力センサパッケージ20を用いた圧力センサモジュールは、図6に示すように、第一の圧力センサパッケージ20を構成する半導体基板12と実装基板41との間をなす空隙のうち、バンプ18より内域側に、当該バンプ18とは離れて封止部29を、例えばリング状に配することで気密をとる構成とすることにより、第三の圧力センサモジュール40Bとしても良い。
この封止部29も樹脂を用いることができるが、これに限定されず、はんだフィルム、又はこれらの組合せを適宜利用することができる。
この封止部29も樹脂を用いることができるが、これに限定されず、はんだフィルム、又はこれらの組合せを適宜利用することができる。
なお、前記空隙に封止部19又は29を配することで気密をとる構成とした場合、実装基板41に、該空隙に連通する開放口(不図示)を形成するようにしても良い。
これにより、実装基板41の開放口も圧力導入口として利用できるため、第二の圧力センサモジュール40A及び第三の圧力センサモジュール40Bを、差圧検知センサとして利用することができる。
これにより、実装基板41の開放口も圧力導入口として利用できるため、第二の圧力センサモジュール40A及び第三の圧力センサモジュール40Bを、差圧検知センサとして利用することができる。
次に、図7を参照して、図3に示す第一の圧力センサパッケージを製造する方法について説明する。
本発明においては、絶対圧センサとして機能する従来の構造を有する圧力センサ(例えば、図15参照)に対して、ゲージ圧センサを実現するための加工をウエハレベルで行ない、さらに、実現した図1に示すようなゲージ圧センサに対して、チップサイズパッケージを実現するための加工を行なう。
本発明においては、絶対圧センサとして機能する従来の構造を有する圧力センサ(例えば、図15参照)に対して、ゲージ圧センサを実現するための加工をウエハレベルで行ない、さらに、実現した図1に示すようなゲージ圧センサに対して、チップサイズパッケージを実現するための加工を行なう。
まず、図7(a)に示すように、例えばシリコン基板などの半導体基板12内に形成された空間(圧力基準室)13に接続するようにダイアフラムの大きさより小さい径の連通孔17を形成し、該空間13と該半導体基板12の外部とを連通する。これにより、図1に示す第一の圧力センサ10が作製される。
このような半導体基板12の内部に空間(圧力基準室)13を備えてなる構造の圧力センサは、例えばS.Armbruster等により開示された方法(S.Armbruster et.al.,“A NOVEL MICROMACHINING PROCESS FOR THE FABRICATION OF MONOCRYSTALLINE SI-MEMBRANES USING POROUS SILICON”,Digest of Technical Papers Transducers ’03, 2003, pp.246.) により作製される。
このような半導体基板12の内部に空間(圧力基準室)13を備えてなる構造の圧力センサは、例えばS.Armbruster等により開示された方法(S.Armbruster et.al.,“A NOVEL MICROMACHINING PROCESS FOR THE FABRICATION OF MONOCRYSTALLINE SI-MEMBRANES USING POROUS SILICON”,Digest of Technical Papers Transducers ’03, 2003, pp.246.) により作製される。
この連通孔17は、例えば直径80μmの円形とし、半導体基板12をDRIE(Deep-Reactive Ion Etching) 法によりエッチングすることで形成することができる。DRIE法とは、エッチングガスに六フッ化硫黄(SF6) を用い、高密度プラズマによるエッチングと、側壁へのパッシベーション成膜を交互に行なうことにより(Bosch プロセス)、半導体基板12を深堀エッチングするものである。
なお、連通孔17を形成する方法はこれに限定されず、レーザ等の物理的加工も可能である。
なお、連通孔17を形成する方法はこれに限定されず、レーザ等の物理的加工も可能である。
次に、図7(b)に示すように、導電部16と個別に電気的に接続するように、当該導電部16にそれぞれバンプ18を形成する。これにより、図3に示す第一の圧力センサパッケージ20が作製される。
バンプ18は、例えばはんだボールを搭載して形成することができる。なお、はんだボールは、電極パッド等の導電部16上に直接搭載することもできるし、一度再配線層を形成しておき、導電部とは別の場所で当該再配線層と電気的に接続するようにはんだボールを搭載することもできる。
そして、バンプ18と電気的に接続するように実装基板41を備えることによって、図4に示す第一の圧力センサモジュール30が作製されるものとなる。
バンプ18は、例えばはんだボールを搭載して形成することができる。なお、はんだボールは、電極パッド等の導電部16上に直接搭載することもできるし、一度再配線層を形成しておき、導電部とは別の場所で当該再配線層と電気的に接続するようにはんだボールを搭載することもできる。
そして、バンプ18と電気的に接続するように実装基板41を備えることによって、図4に示す第一の圧力センサモジュール30が作製されるものとなる。
<第二実施形態>
次に、第二の圧力センサについて、図8に基づき説明する。
図8は、本発明に係る圧力センサの他の一例を示す模式的な断面図(a)と、模式的な平面図(b)であり、図8(a)は図8(b)に示すB−B線に沿った断面を表している。すなわち、図8(b)はダイアフラム部を設けた面である。また、図9は、感圧素子(ゲージ抵抗)の電気的な配線図である。
次に、第二の圧力センサについて、図8に基づき説明する。
図8は、本発明に係る圧力センサの他の一例を示す模式的な断面図(a)と、模式的な平面図(b)であり、図8(a)は図8(b)に示すB−B線に沿った断面を表している。すなわち、図8(b)はダイアフラム部を設けた面である。また、図9は、感圧素子(ゲージ抵抗)の電気的な配線図である。
図8に示すように、第二の圧力センサ50は、平板状の半導体基板52を基材とし、この半導体基板52の一面において、その中央域γの内部に該一面と略平行して広がる空間(基準圧力室)53を備え、該空間53の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部54とする。このダイアフラム部54には複数の感圧素子55が配されている。また、前記一面において、前記ダイアフラム部54を除いた外縁域δには、前記感圧素子55ごとに電気的に接続された導電部56が配されている。また、前記空間53の他方側に、当該半導体基板52の他面に向かって開口し、前記空間53と前記半導体基板52の外部とを連通する孔部(以下、「連通孔」とも呼ぶ。)57を備える。さらに、一端66aが前記導電部56に電気的に接続し、他端66bがその他面に露呈するように、前記半導体基板52の内部を貫通してなる貫通電極66を該導電部56ごとに設けている。
図8は、感圧素子55として機能するゲージ抵抗(R1〜R4)が配された例であり、各ゲージ抵抗は、不図示のリード配線を介して、ホイットストーンブリッジ(図9)を構成するように電気的に接続されている。このような感圧素子55は、ダイアフラム部54の周縁部に配置すると良い。周縁部においては圧縮と引張の両応力が感圧素子55に加わり易いので、感度の良い圧力センサ50が得られる。
したがって、第二の圧力センサ50では、圧力基準室である空間53が連通孔57によって外部(例えば、大気)に開放されているので、基準圧が外圧(例えば、大気圧)となり、測定時に必要としていた外圧の測定による補正を行なう必要がなく、ゲージ圧を直接測定することができるゲージ圧センサとして機能すると共に、半導体基板52の内部を貫通する貫通電極66によって、ダイアフラム部14とは反対側の面に電気配線を引き出すことが可能な構造を備えた圧力センサが得られる。しかも、ダイアフラム部を形成するにあたって、感圧素子が配されている面とは反対側の面より半導体基板をエッチングして薄く形成する必要もなく、半導体基板を外から見た場合に、その外縁域と中央域とがほぼ同じ厚さをもつ構成とすることができる。
次に、第二の圧力センサパッケージ60について、図10に基づき説明する。
図10は、本発明に係る圧力センサパッケージの一例を示す模式的な断面図である。
図10に示すように、第二の圧力センサパッケージ60は、上記構造とした第二の圧力センサ50の貫通電極66の露呈した他端66bにそれぞれ配され、該貫通電極66と個別に電気的に接続されるバンプ58を備えることによって構成されている。
図10は、本発明に係る圧力センサパッケージの一例を示す模式的な断面図である。
図10に示すように、第二の圧力センサパッケージ60は、上記構造とした第二の圧力センサ50の貫通電極66の露呈した他端66bにそれぞれ配され、該貫通電極66と個別に電気的に接続されるバンプ58を備えることによって構成されている。
すなわち、本発明に係る第二の圧力センサパッケージ60を構成する第二の圧力センサ50は、平板状の半導体基板52を基材とし、この半導体基板52の一面において、その中央域βの内部に該一面と略平行して広がる空間(基準圧力室)53を備え、該空間53の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部54とする。このダイアフラム部54には複数の感圧素子55が配されている。また、前記一面において、前記ダイアフラム部54を除いた外縁域δには、前記感圧素子55ごとに電気的に接続された導電部56が配されている。また、前記空間53の他方側に、当該半導体基板52の他面に向かって開口し、前記空間53と前記半導体基板52の外部とを連通する連通孔57を備える。さらに、一端66aが前記導電部56に電気的に接続し、他端66bがその他面に露呈するように、前記半導体基板52の内部を貫通してなる貫通電極66を該導電部56ごとに設けることにより構成される。
なお、圧力センサ50において、図8に示すように、導電部56を除く外縁域δは、絶縁部(不図示)によって覆われる形態が好ましい。絶縁部を設けることにより、感圧素子55が絶縁層によって被覆した構成が得られる。この構成とした第二の圧力センサパッケージ51では、絶縁部は、感圧素子55の外気との接触を遮断するため感圧素子55の耐食性を向上させると共に、感圧素子55がダイアフラム部54を介さずに直接、外部から受ける機械的な影響を大幅に削減する効果も有する。
したがって、第二の圧力センサパッケージ60では、従来の圧力センサパッケージが必須構成としていた圧力センサを内包する筐体などが不要となり、また、例えば外部基板と接続可能なバンプ58も圧力センサパッケージ自体が備えているので、極めて小型化の圧力センサパッケージが得られる。また、筐体などを構成する各部材が削減されると共に、筐体内に圧力センサをパッケージングする工程も不要となるので、大幅な低コスト化が図れる。
次に、第四の圧力センサモジュール70について、図11に基づき説明する。
図11は、本発明に係る圧力センサモジュールの一例を示す模式的な断面図である。
図11に示すように、第四の圧力センサモジュール70は、上記構造とした第二の圧力センサパッケージ60のバンプ58を介して電気的に接続される実装基板81を備えることによって構成されている。
図11は、本発明に係る圧力センサモジュールの一例を示す模式的な断面図である。
図11に示すように、第四の圧力センサモジュール70は、上記構造とした第二の圧力センサパッケージ60のバンプ58を介して電気的に接続される実装基板81を備えることによって構成されている。
すなわち、本発明に係る第四の圧力センサモジュール70を構成する第二の圧力センサパッケージ60は、平板状の半導体基板52を基材とし、この半導体基板52の一面において、その中央域βの内部に該一面と略平行して広がる空間(基準圧力室)53を備え、該空間53の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部54とする。このダイアフラム部54には複数の感圧素子55が配されている。また、前記一面において、前記ダイアフラム部54を除いた外縁域δには、前記感圧素子55ごとに電気的に接続された導電部56が配されている。また、前記空間53の他方側に、当該半導体基板52の他面に向かって開口し、前記空間53と前記半導体基板52の外部とを連通する連通孔57を備えると共に、当該半導体基板52には、一端66aが前記導電部56に電気的に接続し、他端66bがその他面に露呈するように、前記半導体基板52の内部を貫通してなる貫通電極66を該導電部56ごとに備える。さらに、貫通電極66の露呈した他端66bにそれぞれ配され、該貫通電極66と個別に電気的に接続されるバンプ58を備えることにより構成される。
なお、バンプ18は、必ずしも貫通電極66の上に配されるもののみを示すものではなく、配線層(不図示)を介して貫通電極66の他端66bからずれた位置に配されるものを含んでいる。
したがって、第四の圧力センサモジュール70では、圧力センサパッケージに備えられたバンプ58を用いて実装基板81が接続されているので、極めて小型化された圧力センサモジュールが得られる。また、複数の電気的な接続個所が生じてしまうワイヤボンドやリード等を用いておらず、バンプ58のみによって実装基板81と接続する構成としたことにより、優れた接続信頼性も同時に得られる。
また、上記構造とした第二の圧力センサパッケージ60を用いた圧力センサモジュールは、図12に示すように、第二の圧力センサパッケージ60を構成する半導体基板52と実装基板81との間をなす空隙のうち、バンプ58より外域側に、当該バンプ58くっつくように封止部59を、例えばリング状に配することで気密をとる構成とすることにより、第五の圧力センサモジュール80Aとしても良い。
この封止部59には、樹脂を用いることができるが、これに限定されず、はんだフィルム、又はこれらの組合せを適宜利用することができる。
この封止部59には、樹脂を用いることができるが、これに限定されず、はんだフィルム、又はこれらの組合せを適宜利用することができる。
また、上記構造とした第二の圧力センサパッケージ51を用いた圧力センサモジュールは、図13に示すように、第二の圧力センサパッケージ51を構成する半導体基板52と実装基板81との間をなす空隙のうち、バンプ58より内域側に、当該バンプ18とは離れて封止部69を例えばリング状に配することで気密をとる構成とすることにより、第六の圧力センサモジュール80Bとしても良い。
この封止部59も樹脂を用いることができるが、これに限定されず、はんだフィルム、又はこれらの組合せを適宜利用することができる。
この封止部59も樹脂を用いることができるが、これに限定されず、はんだフィルム、又はこれらの組合せを適宜利用することができる。
なお、前記空隙に封止部59又は69を配することで気密をとる構成とした場合、実装基板81に、該空隙に連通する開放口(不図示)を形成するようにしても良い。
これにより、実装基板81の開放口も圧力導入口として利用できるため、第五の圧力センサモジュール80A及び第六の圧力センサモジュール80Bを、差圧検知センサとして利用することができる。
これにより、実装基板81の開放口も圧力導入口として利用できるため、第五の圧力センサモジュール80A及び第六の圧力センサモジュール80Bを、差圧検知センサとして利用することができる。
次に、図14を参照して、図10に示す第二の圧力センサパッケージを製造する方法について説明する。
本発明においては、絶対圧センサとして機能する従来の構造を有する圧力センサ(例えば、図15参照)に対して、ゲージ圧センサを実現するための加工をウエハレベルで行ない、さらに、実現した図1に示すようなゲージ圧センサに対して、チップサイズパッケージを実現するための加工を行なう。
本発明においては、絶対圧センサとして機能する従来の構造を有する圧力センサ(例えば、図15参照)に対して、ゲージ圧センサを実現するための加工をウエハレベルで行ない、さらに、実現した図1に示すようなゲージ圧センサに対して、チップサイズパッケージを実現するための加工を行なう。
まず、図14(a)に示すように、例えばシリコン基板などの半導体基板52内に形成された空間(圧力基準室)53に接続するようにダイアフラムの大きさより小さい径の連通孔57を形成し、該空間53と該半導体基板52の外部とを連通すると共に、導電部56に接続する貫通孔63を形成する。
このような半導体基板52の内部に空間(圧力基準室)53を備えてなる構造の圧力センサは、例えばS.Armbruster等により開示された方法(S.Armbruster et.al.,“A NOVEL MICROMACHINING PROCESS FOR THE FABRICATION OF MONOCRYSTALLINE SI-MEMBRANES USING POROUS SILICON”,Digest of Technical Papers Transducers ’03, 2003, pp.246.) により作製される。
このような半導体基板52の内部に空間(圧力基準室)53を備えてなる構造の圧力センサは、例えばS.Armbruster等により開示された方法(S.Armbruster et.al.,“A NOVEL MICROMACHINING PROCESS FOR THE FABRICATION OF MONOCRYSTALLINE SI-MEMBRANES USING POROUS SILICON”,Digest of Technical Papers Transducers ’03, 2003, pp.246.) により作製される。
連通孔57及び貫通孔63は、例えば直径80μmの円形とし、半導体基板52をDRIE(Deep-Reactive Ion Etching) 法によりエッチングすることで形成することができる。DRIE法とは、エッチングガスに六フッ化硫黄(SF6) を用い、高密度プラズマによるエッチングと、側壁へのパッシベーション成膜を交互に行なうことにより(Bosch プロセス)、半導体基板52を深堀エッチングするものである。
なお、連通孔を形成する方法はこれに限定されず、例えばレーザ等の物理的な加工を用いてもよい。
なお、連通孔を形成する方法はこれに限定されず、例えばレーザ等の物理的な加工を用いてもよい。
次に、図14(b)に示すように、貫通孔63の内壁及び半導体基板52の他面に絶縁層64を形成する。絶縁層64としては、例えばSiO2 をプラズマCVDにより1μm成膜することで形成できる。この絶縁層としてはSiO2 に限定されるものではなく、SiNや樹脂等の他の絶縁材料であっても良い。また、製法もスパッタ、スピンコート等が利用できる。
次いで、図14(c)に示すように、導電部56と電気的に接続するように、貫通孔63内に導電性物質65を充填することにより、貫通電極66を形成する。これにより、図8に示す第二の圧力センサ50が作製される。この導電性物質65としては、例えばCuとし、めっきにより貫通孔63内に充填することができる。なお、導電性物質はこれに限定されず、他の金属材料やはんだ等の合金とすることもできる。また、充填方法もCVDやスパッタを利用することができる。
さらに、当該貫通電極66と電気的に接続するように、バンプ58を形成する。バンプ18は、例えばはんだボールを搭載して形成することができる。これにより、図10に示す第二の圧力センサパッケージ60が作製される。
なお、はんだボールは、貫通電極66上に直接搭載することもできるし、一度再配線層を形成しておき、貫通電極とは別の場所で当該再配線層と電気的に接続するようにはんだボールを搭載することもできる。
そして、バンプ58と電気的に接続するように実装基板81を備えることによって、図11に示す第四の圧力センサモジュール70が作製されるものとなる。
なお、はんだボールは、貫通電極66上に直接搭載することもできるし、一度再配線層を形成しておき、貫通電極とは別の場所で当該再配線層と電気的に接続するようにはんだボールを搭載することもできる。
そして、バンプ58と電気的に接続するように実装基板81を備えることによって、図11に示す第四の圧力センサモジュール70が作製されるものとなる。
本発明に係る圧力センサ、圧力センサパッケージ、圧力センサモジュールは、例えば空気圧や水圧、油圧等の圧力を測定する用途に使用され、特にウエハレベルチップサイズ化により筐体等を不要とした構造を備えているので、薄型化や小型化、あるいは軽量化等が求められている各種の電子部品に好適である。
α,γ 中央域、β,δ 外縁域、10,50 圧力センサ、20,60 圧力センサパッケージ、30,40A,40B,70,80A,80B 圧力センサモジュール、11,51 12,52 基板、13,53 空間(基準圧力室)、14,54 ダイアフラム部、15,55 感圧素子、16,56 電極パッド、17,57 連通孔、18,58 バンプ、19,29,59,69 封止部、41,81 実装基板、63 貫通孔、64 絶縁層、65 導電性物質、66 貫通電極。
Claims (9)
- 半導体基板の一面において、その中央域の内部に該一面と略平行して広がる空間を備え、該空間の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部とし、該ダイアフラム部に感圧素子を配してなり、前記一面において、前記ダイアフラム部を除いた外縁域に配され、前記感圧素子ごとに電気的に接続された導電部を少なくとも備えた圧力センサであって、
前記空間の他方側に、前記半導体基板の他面に向かって開口し、前記空間と前記半導体基板の外部とを連通する孔部を設けたことを特徴とする圧力センサ。 - 請求項1に記載の圧力センサと、
前記圧力センサの導電部にそれぞれ配され、該導電部と個別に電気的に接続されるバンプと、
から構成されたことを特徴とする圧力センサパッケージ。 - 請求項2に記載の圧力センサパッケージと、
前記圧力センサパッケージのバンプを介して電気的に接続される実装基板と、
から構成されたことを特徴とする圧力センサモジュール。 - 半導体基板の一面において、その中央域の内部に該一面と略平行して広がる空間を備え、該空間の一方側に位置する薄板化された領域をダイアフラム部とし、該ダイアフラム部に感圧素子を配してなり、前記一面において、前記ダイアフラム部を除いた外縁域に配され、前記感圧素子ごとに電気的に接続された導電部を少なくとも備えた圧力センサであって、
前記空間の他方側に、前記半導体基板の他面に向かって開口し、前記空間と前記半導体基板の外部とを連通する孔部を備えると共に、一端が前記導電部に電気的に接続し、他端がその他面に露呈するように、前記半導体基板の内部を貫通してなる貫通電極を該導電部ごとに設けたことを特徴とする圧力センサ。 - 請求項4に記載の圧力センサと、
前記圧力センサの貫通電極の露呈した部分にそれぞれ配され、該貫通電極と個別に電気的に接続されるバンプと、
から構成されたことを特徴とする圧力センサパッケージ。 - 請求項5に記載の圧力センサパッケージと、
前記圧力センサパッケージのバンプを介して電気的に接続される実装基板と
から構成されたことを特徴とする圧力センサモジュール。 - 前記半導体基板と前記実装基板との間をなす空隙のうち、前記バンプより外域側に封止部を配したことを特徴とする請求項3又は6記載の圧力センサモジュール。
- 前記半導体基板と前記実装基板との間をなす空隙のうち、前記バンプより内域側に封止部を配したことを特徴とする請求項3又は6記載の圧力センサモジュール。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の圧力センサ、圧力センサパッケージ又は圧力センサモジュールを備えたことを特徴とする電子部品。
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