JP2010181386A - 圧力センサ及びその製造方法、圧力センサパッケージ、圧力センサモジュール並びに電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る圧力センサ1Aは、半導体基板からなる基体13の一面において、その中央域αの内部に該一面と略平行して広がる第一空隙部14、該第一空隙部14上に位置する薄板化された領域からなるダイアフラム部15、該ダイアフラム部15に配された感圧素子16、及び、前記基体13の一面において、該ダイアフラム部15を除いた外周域βに配され、該感圧素子16と電気的に接続された導電部17、を少なくとも備えた圧力センサであって、前記ダイアフラム部15が配された前記一面とは反対側の前記基体13の他面が、少なくとも一組以上の凹部18と凸部19を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
小型の絶対圧型圧力センサ111の構造を図7に示す。この圧力センサ111は、シリコン等からなる半導体基板112の一面において、その中央域の内部に該一面と略平行して広がる、基準圧力室としての空間113と、該空間113の一方側に位置する薄板化された領域によりなるダイアフラム部114と、圧力による該ダイアフラム部114の歪抵抗の変化を測定するために配された、感圧素子としての歪ゲージ115と、前記一面において、前記ダイアフラム部114を除いた外周域に配され、前記歪ゲージ115ごとに電気的に接続された導電部116等を備え、ダイアフラム部114が圧力を受けて撓むと、各歪ゲージ115にダイアフラム部114の歪み量に応じた応力が発生し、この応力に応じて歪ゲージ115の抵抗値が変化する。この抵抗値変化を電気信号として取り出すことにより、圧力センサ111は圧力を検出する。
このような課題に対し、筐体の内底部に溝を形成し、該溝に接着材を充填することにより、該接着材が圧力センサ下面と筐体の内底部との間に介在するように圧力センサを接着固定させる構造が提案されている。このような構造では、溝に充填させた接着材がパッケージより伝搬する機械的ストレスの吸収材として機能するため、外部からの機械的ストレスによる圧力センサへの影響が軽減できる。(例えば、特許文献1、2参照)
図1は、本発明に係る圧力センサの一例を示す模式的な断面図(a)と、模式的な平面図(b)、(c)であり、図1(a)は図1(c)に示すA1−A1線に沿った断面を表している。すなわち、図1(b)は基体13の凹凸を設けた面、図1(c)はダイアフラム部を設けた面である。また、図2は、感圧素子(ゲージ抵抗)の電気的な配線図である。
図1(a)に示すように、圧力センサ1Aは、平板状の半導体基板からなる基体13を基材とし、該基体13の一面において、その中央域の内部に該一面と略平行して広がる第一空隙部14を備え、該第一空隙部14上に位置する薄板化された領域をダイアフラム部15とする。このダイアフラム部15には複数の感圧素子16が配されている。また前記一面において、前記ダイアフラム部15を除いた外周域βには、前記感圧素子16と電気的に接続された導電部17が配されている。このとき、図2に示すように、感圧素子16がホイットストーンブリッジを構成するように配する。さらに、図1(b)に示すように、前記基体13の前記ダイアフラム部15が備えられた面とは異なる面には、少なくとも一組以上の凹部18と凸部19を備えている。
図4に示すように、圧力センサ1Aは、接着機能をもつ前記吸収材20により、筐体21の内底部に接着される構成とする。これにより、筐体21と圧力センサ1Aとの間に一定の厚みのある吸収材20による層が介在することとなり、その吸収材20が筐体より伝搬する機械的ストレスを確実に吸収するため、圧力センサの出力のオフセット値での変動を低減でき、機械的ストレスの圧力センサへの影響を著しく低減できる。また、前記吸収材20の量を調整したり材料を変更したりすることにより、接着機能を調節でき、筐体21への固定強度を制御可能となる。同時に凹部18の個数や面積の分布を調節することにより、筐体21と圧力センサ1Aとの接着面における接着強度の分布をも制御できる。
また、筐体21自体に溝を加工形成する場合に問題となる、筐体の成形性による寸法の制約がなくなるとともに、筐体を構成する材料として微細加工が困難な材料も選択が可能となるため、小型化、薄型化が図れ、かつ安価な圧力センサパッケージを得ることができる。したがって、本発明によれば、外部からの機械的ストレスに影響されにくく、安定した動作が可能な構造で、低コスト化、小型化が図れる圧力センサパッケージを提供することができる。
まず、図5(a)に示すように、例えばシリコンなどの半導体からなる平面状の基体13の一面において、厚み方向に対して垂直な縦孔(第一凹部)14aを形成する。縦孔14aの形成方法に関しては特に限定されるものではなく、公知の方法で行うことができる。
次に、例えば1100℃などの高温雰囲気下において、水素雰囲気中でアニール処理を行うことにより、図5(b)に示すように、第一空隙部14を基体13の内部に形成すると同時にダイアフラム部15を形成することができる。
次に、図5(c)に示すように、感圧素子16を形成し、さらに外周部βに該感圧素子16と電気的に接続する導電部17(不図示)を設ける。このとき、図2に示すように、感圧素子16がホイットストーンブリッジを構成するように配する。
その後、図5(d)に示すように、ダイアフラム部が備えられた面とは異なる面に少なくとも一組以上の凹部18と凸部19を形成することにより、本発明の圧力センサ1Aが完成する。この凹部は、例えばDRIE(Deep-Reactive Ion Etching) 法によりエッチングすることで形成することができる。DRIE法とは、エッチングガスに六フッ化硫黄(SF6)を用い、高密度プラズマによるエッチングと、側壁へのパッシベーション成膜を交互に行なうことにより(Bosch プロセス)、基体13を深堀エッチングするものである。なお、これらの凹部を形成する方法はこれに限定されるものではなく、酸やアルカリ等の溶液を用いたウェットエッチング、サンドブラスト、レーザ等の物理的加工も可能である。
この時、凹部18と凸部19を構成するパターンの個数や面積、あるいは形状や配置は、凸部19を構成する面と筐体とが全て接着されるような構成であれば、いかようにも可能である。また、凹部18の深さなどを調整することにより、外力による機械的ストレスの影響を著しく緩和できる。
まず、図6(a)に示すように、例えばシリコンなどの半導体からなる第一基板11の一面に、少なくとも一組以上の凹部18と凸部19を形成する。この凹部は、例えばDRIE法によりエッチングすることで形成することができる。なお、これらの凹部を形成する方法はこれに限定されるものではなく、酸やアルカリ等の溶液を用いたウェットエッチング、サンドブラスト、レーザ等の物理的加工も可能である。
この時、凹部18と凸部19を構成するパターンの個数や面積、あるいは形状や配置は、凸部19を構成する面と筐体とが全て接着されるような構成であれば、いかようにも可能である。また、凹部18の深さなどを調整することにより、外力による機械的ストレスの影響を著しく緩和できる。
第二基板12を薄化する方法については特に限定されるものではなく、研削及びポリッシング加工に加え、反応性ガスを用いたドライエッチング、薬液を用いたウェットエッチング、または電気化学エッチング等による加工も可能である。
また、凹部18と凸部19の形成と、ウエハ張り合わせ用のアライメントマークの形成とを、同一の工程で実施することができるため、製造工数を大幅に削減でき、効率化が図れる。よって、本発明の製造方法によれば、外力による機械的ストレスの影響に左右されず安定した動作が可能な構造の圧力センサを、低コストで簡便に、かつ効率よく作製できる製造方法が得られる。
これにより、筐体21と圧力センサ1Aとの間に、一定の厚みのある吸収材20による層を介在させることが容易であり、吸収材20により筐体21からの外力が確実に吸収されるため、機械的ストレスの影響を著しく低減し、安定した動作が可能な構造を有する小型の圧力センサパッケージを簡便に、かつ安定して作製することができる。
また、圧力センサ自体に凹凸が形成されているため、筐体に溝が形成されている場合に比べ、圧力センサを筐体に接着する際の位置ズレの許容度が大きくなる。よって本発明の製造方法によれば、安定した動作が可能な構造で、低コスト化、小型化が図れる圧力センサパッケージを安定して作製する製造方法が得られる。
また、上述した構成を備える、圧力センサ、圧力センサパッケージ又は圧力センサモジュールを搭載したことを特徴とする電子部品は、搭載した際に嵩張る筐体などが不要なことから、圧力センサ、圧力センサパッケージ又は圧力センサモジュールを収容する容積が大幅に低減されると共に、筐体などに相当する重量も削減される。よって、本発明によれば、小型で軽量な電子部品の提供が可能となる。
Claims (7)
- 半導体基板からなる基体の一面において、その中央域の内部に該一面と略平行して広がる第一空隙部、該第一空隙部上に位置する薄板化された領域からなるダイアフラム部、該ダイアフラム部に配された感圧素子、及び、前記基体の一面において、該ダイアフラム部を除いた外周域に配され、該感圧素子と電気的に接続された導電部、を少なくとも備えた圧力センサであって、
前記ダイアフラム部が配された前記一面とは反対側の前記基体の他面が、少なくとも一組以上の凹部と凸部を備えていることを特徴とする圧力センサ。 - 前記凹部内に吸収材を有することを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
- 請求項1または2に記載の圧力センサと、筐体とを少なくとも備え、
前記圧力センサは、前記筐体の内底部に対して、接着機能をもつ前記吸収材により接着されていることを特徴とする圧力センサパッケージ。 - 請求項1に記載の圧力センサの製造方法であって、
半導体基板からなる基体の前記一面に、前記第一空隙部となる第一凹部を形成する工程、
前記第一凹部上の位置に前記ダイアフラム部を形成する工程、
前記ダイアフラム部に、少なくとも前記感圧素子及び前記導電部を形成する工程、
及び、前記基体の前記他面に少なくとも一組以上の凹部と凸部を形成する工程、を少なくとも有することを特徴とする圧力センサの製造方法。 - 請求項1に記載の圧力センサの製造方法であって、
第一基板の一面に、前記第一凹部を形成する工程、
前記第一基板の他面に少なくとも一組以上の凹部と凸部を形成する工程、
前記第一基板の第一凹部が形成された面に前記第二基板を貼り合わせ、前記第一空隙部を形成する工程、
前記第二基板を薄板化して前記ダイアフラム部を形成する工程、
及び、前記ダイアフラム部に、少なくとも前記感圧素子及び前記導電部を形成する工程、を少なくとも有することを特徴とする圧力センサの製造方法。 - 請求項3に記載の圧力センサパッケージと、該圧力センサパッケージと電気的に接続される実装基板と、から構成されたことを特徴とする圧力センサモジュール。
- 請求項1乃至3のいずれか1項または請求項6に記載の圧力センサ、圧力センサパッケージ又は圧力センサモジュールを少なくとも備えたことを特徴とする電子部品。
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