JP2015528866A - 自動車ドアロック - Google Patents
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Abstract
本発明は、ロックケース(1)と、ロックケース(1)内に支持され、実質的に回転ラッチ(2)と爪部(3)とで構成されるロック機構(2、3)とを有し、さらに追加の補強要素(7)を有する自動車ドアロックにおいて、その補強要素(7)が、ロックケース(1)から距離を置いて、回転ラッチ(2)と爪部(1)の両方の2つの回転軸を連結する補強プレート(7)として形成される自動車ドアロックに関する。【選択図】図1
Description
本発明は、ロックケースと、ロックケース内に支持され、実質的に回転ラッチと爪部とで構成されるロック機構とを有し、さらに追加の補強要素を有する自動車ドアロックに関する。
前述の設計の自動車ドアロックは、通常それぞれの自動車ドアの上部または内部に配置され固定される。それぞれの自動車ドアロックは、ロックボルトと相互に作用し、多くはそれぞれの自動車本体のBコラム内に配置される。その全体の構成が自動車ドア閉鎖システムをもたらす。
ロックケース内に配置されたロック機構の要素、すなわち、回転ラッチおよび爪部は、特に事故が起こったとき吸収される必要があるかなり大きな力を受けるため、通常ロックケースは金属で製造される。そのような事故の場合、ドアにこのような自動車ドアロックが含まれており、特にサイドドアは、少なくとも実際の事故の最中は絶対に閉じたままであることが重要である。このことが、例えば人が自動車から放り出されるのを防ぐ唯一の手段である。自動車ドアはまた、側方エアバッグ、側方衝撃保護などの備えられた安全装置がいずれも車両の乗客を保護するために有効に作動されることを確保するためにも、閉じていなければならない。
したがって、前述した衝突の状況において、ロック機構がロックケースと共に、そのような場合に生じる減速力を吸収できること、特に、それぞれの自動車ドアが予期せず開いてしまうのを防ぐことがということは絶対に欠かせない。このことを根拠に、独国特許出願公開第10 2009 029 025号(A1)に開示された一般的先行技術も、ロック機構がその力をロックケースに伝達する少なくとも1つの手段を含む上記の設計の自動車ドアロックを提供している。この手段は、ロックケースに固定された、および/または配置された、ロックケースの側壁から主要なラッチ位置にある回転ラッチまで延びているような態様のバーで構成される。そのバーはロックケースの取入れスロットの隣に配置され、前述の突然の応力がかかっている間、回転ラッチがバーに押し付けられるようになっている。そうしてバーがそれぞれの力を吸収して、ロックケースに伝達する。
先行技術が満足いくものであつたことは広く証明されているが、自動車ドアロック内にバーの形での追加の可動要素が必要になる。このことは、より精緻な設計が求められるだけではなく、誤作動を引き起こすことにもなりかねない。これは、上述の応力を受けた結果、主要なラッチ位置において実際にそれぞれのバーに押し付けられる回転ラッチに依存するバーの作用に起因するものである。もし、例えばロックケースの変形または回転ラッチが主要なラッチ位置にないことが原因で、その状態にならない場合は、そのバーは当然効果がないだろう。本発明はこのような状況の改善を目的としている。
本発明は、このような自動車ドアロックのさらなる発展という技術的課題に基づいて、改良された衝突安全性を提供し、簡易な設計でありながら確実に、特に誤作動を避けるものである。
この課題を解決するために、本発明は、必須の補強要素が、ロックケースから距離を置いて、回転ラッチと爪部の両方の回転軸を連結する補強プレートとして形成されることを特徴とする、ジェネリックな自動車ロックを提供する。
本発明の一部として、回転ラッチと爪部とのそれぞれの回転軸は、ロックケース内に固定された支持ボルトによって画定される。その結果、回転ラッチは固有の回転ラッチ支持ボルトを、同様に爪部は固有の爪部支持ボルトを含むことになる。一般的に、それぞれの支持ボルトの一方の端部はロックケースを貫通して延びている。また多くの場合、それぞれの支持ボルトの他方の端部は、補強プレートを貫通して延びている。
多くの場合、補強プレートは、ロック機構の支持面と同一平面上に配置される。その結果、補強プレートは、距離を置いて同一の面に、すなわちこのロック機構の支持面と同一平面上に配置されることになる。この態様において、ロック機構の構成要素、すなわち主に回転ラッチと爪部とは、支持面と補強プレートとの間に配置される。多くの場合、補強プレートと支持面とが、支持ピンと共に、矩形の断面を有する支持構造を形成するように設計される。衝突が起こったとき、この支持構造が、本発明の自動車ドアロックに、とりわけこの場合はロックケースに加わった力を特に効果的に吸収し、そのような力は自動車ドアまたは自動車本体の適用可能な部分に伝達される。
多くの場合、その2つの支持ピンは、四角い支持構造の縁部に配置されるように設計される。このことは、通常2つの支持ピンが矩形の支持構造の狭い側を画定し、一方それぞれの支持構造の長い側は補強プレートと支持面とによって画定されることを意味する。
衝突の最中、力は、特に変形力は、通常ロックケースに車両の横方向に加わる。支持ピンがこの発明の補強プレートによってさらに互いに連結されているため、かなり大きな力も吸収され得る。このことは、矩形の断面を有する本発明の支持構造が、Z方向のそのような力も問題なく吸収できることを意味する。本発明の支持構造は、ロック機構および外部の作動機構を収容する働きをし、衝突の場合はそれらをY方向に保護する。
回転ラッチが、爪部と係合している主要なラッチ位置にある場合は、力が車両の横方向またはY方向に加わると、補強プレートの補助を得て2つの支持ピンが連結されている結果として、これらの支持ピンはロックケースと関連して一緒に変形され、この変形は多かれ少なかれ両方の支持ピンで同じになることを、それぞれの矩形の支持構造が確実にする。通常、このことが爪部と回転ラッチとの互いの関係において相対的な位置を変えることはなく、またはほんのわずかしか変えることはなく、特に、爪部が持ち上がって回転ラッチから外れ、その結果それまで係合されていたロックボルトが解除されて自動車ドアの予期しない開扉が引き起こされるのを防ぐ。
ロックケースは一般的にU字形の断面を有している。ロック機構の前述の支持プレートは、ロックケースの中央部分近くに形成されるのが有利であると証明されている。ロックケースの一方のレッグ部と、支持構造により生じる支持構造の面とは、通常互いに平行に配置される。このロックケースのレッグ部は、通常ロックボルトに不可欠な取入れスロットも含んでいる。U字形のロックケースのこのレッグ部は、主に車両の横方向またはY方向に対して垂直に配置されるため、本発明のこの構成は、支持構造の面も、したがって上述の矩形の支持構造も、Y方向に対して垂直に配置する構成が得られる。その結果、車両の横方向のいかなる力も、前述したようにロック機構によって、または支持構造によって効果的に吸収され、ロックケースに伝達される。
特別な特徴として、補強プレートは追加のサイドアーム部も含むことができる。通常2つのサイドアーム部は、主に互いに平行に配設される。2つのサイドアーム部が、主に補強プレートに対して垂直に延びているのが有利であると証明されている。サイドアーム部の端部は、通常それぞれのクロスバーによって連結される。また、通常U字形のロックケースの中央部分および第2のレッグ部と同様に、それぞれのサイドアーム部の端部がロックケースの一方のレッグ部に達するように設計される。したがって、それぞれのサイドアーム部も、ロックケースの各部品が、例えば、一方または両方のサイドアーム部によって、互いに機械的に連結されることを確かなものにしている。このことは、2つのレッグ部とロックケースの中央部分とに、追加の補強をもたらす。
U字形のロックケースの2つのレッグ部の機械的連結および補強は、それぞれのサイドアーム部またはL字形の断面を有する2つのサイドアーム部により、U字形のロックケースに比べてさらに改良されている。このことは、サイドアーム部の長い方のL字レッグ部が、ロックケースの一方のレッグ部まで延びていることを意味する。それに対し、サイドアーム部の短い方のL字レッグ部は、ロックケースの中央部分から立ち上がり、ロックケースの第2のレッグ部まで延びている。この態様において、補強プレートおよびそれぞれのサイドアーム部は、ロックケースと共に、ロック機構のための支持ケージをもたらす。この支持ケージは、ロック機構にかかるX方向の力または運転方向に対して長手方向の力だけでなく、Y方向の力または運転方向に対して横方向の力も有利に吸収することができる。この設計は、それほど頻繁にかかる力ではない自動車の垂直軸線方向の力またはR方向の力も吸収されることを確実にする。
その結果が、特に頑丈なロックケースおよびそれぞれのロック機構を提供する自動車ドアロックである。このことは、回転ラッチと爪部とのための支持ピンがロックケースによって機械的に連結されるだけでなく、追加された補強要素によって補強されることを、その点で設けられた補強プレートが第一に確保していることによる。特に有利な実施形態はサイドアーム部をさらに1つまたは2つ含む。
これらのサイドアーム部の結果として、サイドアーム部を有する補強プレートとロックケースとがロック機構のための支持ケージをもたらす。したがって、以前はかろうじて対処できた衝突が起こったときの変形力も吸収できるようになり、それまで係合されていたロックボルトの解除につながるロック機構の予期しない開錠、ひいては自動車ドアが予期せず開いてしまうこともない。こうして衝突が起こった場合も乗客は十分に保護される。これらが本発明の主要な利点である。
以下に、一実施形態のみを示す図面を参照しながら、本発明について説明する。
図1および図2に示された自動車ドアロックは、金属の、特に鋼鉄のロックケース1を含む。これらの図面はまた、主に回転ラッチ2と爪部3とで構成されるロック機構2、3も示している。この回転ラッチ2は、例えば、自動車本体のBコラム上に配置され取入れスロットまたはインフィード部分4を介してロック機構2、3に延びている図示されていないロックボルトを保持しており、ロック機構2、3が開くとロックボルトも再び解除される。これは通常の機能であり、これに関連してさらに説明する必要はない。
回転ラッチ2と爪部3とは両方ともロックケース1内に配置される。この目的のために、ロックケース1はその内部に固定された支持ピン5、6を含み、それぞれ一方は回転ラッチ2の回転軸、他方は爪部3の回転軸を画定する。
支持ピン5は実質的に回転ラッチ支持ピン5であり、回転ラッチ2が回転可能に取り付けられる。ピン6は、爪部3を回転可能に取り付けることができる爪部支持ピン6として設計され設けられる。両方の支持ピン5、6はロックケース1内に固定され、それらの一方の端部がロックケース1を貫通して延びている。この2つの支持ピン5、6の他方の端部は、補強プレート7を貫通して延びている。
補強プレート7は、ロックケース1から距離を置いて、回転ラッチ2と爪部3との2つの回転軸を連結する補強要素7を表している。この2つの支持ピン5、6は、実際はそれらの上端部に溝部8を含んでおり、補強要素または補強プレート7を、支持ピン5、6と関連させて、また、ロックケース1から距離を置いて、それぞれの支持ピン5、6上に配置することを可能にする。補強プレート7は、支持面9と同一平面上に、すなわち支持面9と同じ面に配置される。
ロックケース1がU字形の断面を有することは、図1と図2との両方の例による図面から明らかである。このロックケース1は、実質的に、中央部分1a、レッグ部1b、およびレッグ部1cを含む。支持面9は、U字形のロックケース1の中央部分1aによって形成されている。すでに説明したように、補強プレート7は、それぞれの支持面9と同一平面上に、すなわち支持面9と同じ面に配置され、したがってU字形のロックケース1の中央部分1aの面と同一平面上に配置される。
補強プレート7と支持面9とは、2つの支持ピン5、6と共に、矩形の断面を有する支持構造5、7、6、9を画定する。この矩形の支持構造5、7、6、9は、実質的にロックケース1のレッグ部1bと平行に延びる支持構造の面をもたらす。この2つの支持ピン5、6はまた、それぞれの矩形の支持構造5、7、6、9の縁部に沿って配置されており、それぞれの矩形の狭い側を画定している。一方、長い側は、補強プレート7と支持面9と、または中央部分1aとレッグ部1cとによって形成される。前述の支持構造の面とロックケースのレッグ部1bとは、実質的に互いに平行に配置される。これにより特に運動力学的有利性が達成される。
その結果、ロックケースに車両の横方向またはY方向に加わったいかなる変形力も、多かれ少なかれ容易に吸収される。そのような変形力が加わった場合、例えば衝突が起こったとき、ロック機構2、3は図面に示された主要なラッチ位置にあり、それぞれの支持ピン5、6が補強プレート7によってさらに位置調整され互いに関連して固定されるため、主にこの位置が維持される。
したがって、車両の横方向の、またはY方向の、それぞれ変形を伴う側面衝撃が、ロック機構2、3の予期しない開錠につながることはない。代わりに、そのような力は、それぞれの支持ピン5、6がこのY方向の変形を受けるような態様で、それぞれの支持構造5、7、6、9によって吸収されるため、重ねて一般的に、Y方向の変形がロック機構2、3の予期しない開錠を引き起こすことはない。また、長手方向または車両の垂直軸線の方向、もしくはZ方向のいかなる力も、矩形の支持構造5、7、6、9によって確実に吸収され、制御される。
図2のさらなる発展形態において、補強プレート7は追加のサイドアーム部10も含む。これら追加のサイドアーム部10は、実質的に互いに平行に配置される。それぞれのサイドアーム部10はまた、補強プレート7に対して実質的に垂直に延びて、2つのサイドアーム部10を連結する。図2はまた、2つのサイドアーム部10の端部がクロスバー11によって互いに連結されていることも示している。
サイドアーム部10の端部は、一方がレッグ部1bまで延びており、もう一方はU字形のロックケース1の中央部分1aとレッグ部1cとに延びている。U字形のロックケース1と対照的に、サイドアーム部10はL字形の断面を有している。その結果、それぞれのサイドアーム部10の長い方のL字レッグ部10aはロックケース1のレッグ部1bに支えられる一方、L字形サイドアーム部10の短い方のL字レッグ部10bは、L字形のロックケース1の中央部分1aから立ち上がり、レッグ部1cに支えられる。
一方の各レッグ部1a、10bの長さと、もう一方の中央部分1b、レッグ部10aの長さとは、補強プレート7がサイドアーム部10およびロックケース1と共に、ロック機構2、3のための支持ケージ1、7、10を画定するような態様で、それぞれ長さが適合される。この支持ケージ1、7、10は、ロック機構2、3またはそれぞれの支持ピン5、6に加わったいかなる(3次元)方向の減速力も、回転ラッチ2と爪部1との相対的な方向を互いに対して実質的に変えることなく吸収することができ、ロック機構2、3の意図しない開錠は基本的に起こり得ないようになる。このことは、以前の構成に比べ、衝突安全性を大幅に高め、ロックケース1の安定性も著しく高める。
Claims (15)
- ロックケース(1)と、
前記ロックケース(1)内に支持され、実質的に回転ラッチ(2)と爪部(3)とで構成されるロック機構(2、3)と
を有し、さらに追加の補強要素(7)を有する自動車ドアロックにおいて、
前記補強要素(7)が、前記ロックケース(1)から距離を置いて、前記回転ラッチ(2)と前記爪部(3)の両方の2つの回転軸を連結する補強プレート(7)であることを特徴とする自動車ドアロック。 - 前記回転軸のそれぞれが、ロックケース(1)内に固定された支持ピン(5、6)によって画定されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車ドアロック。
- 前記支持ピン(5、6)それぞれの一方の端部が前記ロックケース(1)を貫通して延びており、他方の端部が前記補強プレート(7)を貫通して延びていることを特徴とする、請求項2に記載の自動車ドアロック。
- 前記補強プレート(7)が、前記ロック機構(2、3)の支持面(9)と同一平面上に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車ドアロック。
- 前記補強プレート(7)と前記ロック機構の支持面(9)とが、支持ピン(5、6)と共に、矩形の断面を有する支持構造(5、7、6、9)を画定することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車ドアロック。
- 2つの前記支持ピン(5、6)が、それぞれ矩形の前記支持構造(5、7、6、9)の縁部に、好ましくは狭い側に配置されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車ドアロック。
- 前記ロックケース(1)がL字形の断面を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動車ドアロック。
- 前記ロック機構(2、3)の前記支持面(9)が、長い方のL字レッグ部(1a)によって形成されることを特徴とする、請求項7に記載の自動車ドアロック。
- 前記ロックケース(1)における短い方のL字レッグ部(1b)と、前記支持構造(5、7、6、9)によってもたらされる支持構造の面とが、実質的に互いに平行に配置されることを特徴とする、請求項7または8に記載の自動車ドアロック。
- 前記補強プレート(7)が追加のサイドアーム部(10)を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の自動車ドアロック。
- 前記サイドアーム部(10)が実質的に互いに平行に配置され、前記補強プレート(7)に対して主に垂直に延びていることを特徴とする、請求項10に記載の自動車ドアロック。
- 前記サイドアーム部(10)の端部が、それぞれのクロスバー(11)によって互いに連結されていることを特徴とする、請求項10または11に記載の自動車ドアロック。
- 前記サイドアーム部(10)の端部が、一方は前記L字形のロックケース(1)の前記短い方のL字レッグ部(1b)まで延びており、他方は前記長い方のL字レッグ部(1a)まで延びていることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項に記載の自動車ドアロック。
- 前記L字形のロックケース(1)と対照的に、前記サイドアーム部(10)は逆L字形の断面を有することを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1項に記載の自動車ドアロック。
- 前記補強プレート(7)が、前記サイドアーム部(10)および前記ロックケース(1)と共に、前記ロック機構(2、3)のための支持ケージ(1、7、10)を画定することを特徴とする、請求項10〜14のいずれか1項に記載の自動車ドアロック。
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