図1を参照すると、図1は、本発明の実施形態としてのドア組立体10を示している。ドア組立体10は、ドア12、ドアフレーム20、ドアアクチュエータ14及び/又はドアラッチ16を含むのが良い。ドア12は、任意適当な材料で作ることができ、例えば木で作られる。ドア組立体10は、1つ又は2つ以上の支持ヒンジ18を含むのが良く、これら支持ヒンジは、閉じ位置(図1)と開き位置(図1b)との間での軸線A回りのドア12の回動運動を可能にするようドア12をドアフレーム20上に支持するようドア12とドアフレーム20との間に設けられている。ドアアクチュエータ14は、軸線A回りのドア12の回動運動を可能にするよう支持ヒンジ18と整列したアクチュエータヒンジ22内に収納されるのが良い。認識されるように、アクチュエータヒンジ22の一例は、2つの中実物体(例えば、ドアとドアフレーム)を互いに連結し、代表的には、これら物体相互の限定された角度の回転だけを可能にする形式の軸受として構成されるのが良く、アクチュエータヒンジ22によって互いに連結された物体は、これらの一定の回転軸線回りに互いに対して回転する(例えば、回動する)ようになっている。変形例として、アクチュエータヒンジ22は、ドア12の上方でドアフレーム20に取り付けられると共にアクチュエータをドア12の頂部の近くでドア12に連結し、かくしてドアフレーム20に対するドア12の運動/変位を可能にするリンク装置組立体(例えば、ドア12とドアフレーム20の両方に連結された二アーム型リンク装置、なお、この二アーム型リンク装置は、図示していない2本のアーム相互間の連結部のところにピボットヒンジを含む)に結合されたアクチュエータを含むものとして構成されても良い。いずれの例においても、ドア12は、アクチュエータヒンジ22に加えて1つ又は2つ以上の支持ヒンジ18を有するのが良いことが認識される。と言うのは、アクチュエータヒンジ22は、ドア12とドアフレーム20の連結を可能にすると共に開き位置と閉じ位置との間でのドア12の作動を可能にするよう構成されているからである。このように、アクチュエータヒンジ22の作動は、ドアフレーム20に対するドア12の変位を容易にし、したがって、建物内の部屋(又は建物それ自体)への人の出入りを制御するのに役立つ。
図2、図3、図4、図5及び図6を参照すると、アクチュエータヒンジ22は、ドア12の重量の何割かを支持するよう構成されているのが良く、或いは、変形例として、アクチュエータヒンジは、重量のうちの相当な量を垂直方向に支持するよう構成されていなくても良く、そうではなく、この目的のために、1つ又は2つ以上の支持ヒンジ18を利用しても良い。アクチュエータヒンジ22は、第1のヒンジ部材23、動力式アクチュエータ24(例えば、電気モータ)、ヒンジ部材への動力式アクチュエータ24の作動的カップリング(その一例は、歯車装置26であり、これは、この例示の実施形態では、遊星歯車装置である)及び第1のヒンジ部材23に結合された第2のヒンジ部材28を有する。したがって、アクチュエータヒンジ22を含む組立体(以下、「アクチュエータヒンジ(22)組立体」といい、場合によっては「アクチュエータ付きヒンジ(22)組立体」という)は、ドア20の回動運動を容易にすることができ、第2のヒンジ部材28は、第1のヒンジ部材23に回動的に結合されている。動力式アクチュエータ24は、第1のヒンジ部材23に作動的に結合され、動力式アクチュエータ24は、第1のヒンジ部材23と第2のヒンジ部材28の互いに対する相対回転を可能にするよう構成されている。認識されるように、第1のヒンジ部材23及び第2のヒンジ部材28のうちの一方のヒンジ部材は、ドア12に取り付け可能に構成され、第1のヒンジ部材23及び第2のヒンジ部材28のうちの他方のヒンジ部材は、ドア12のドアフレーム20に取り付け可能に構成されている。
例えば、第1のヒンジ部材23は、好ましくは、ドア12に取り付け可能であり、この第1のヒンジ部材は、動力式アクチュエータ24を収容するハウジング部分30を有するのが良い。歯車装置26は、動力式アクチュエータ24からの動力を第2のヒンジ部材28に伝達し(したがって、歯車装置は、第2のヒンジ部材28に作動的に連結されていると言える)、この第2のヒンジ部材は、この実施形態では、ドアフレーム20に連結されている。第2のヒンジ部材28は、それ自体、第1のヒンジ部材23のハウジング部分30上でこれに沿って摺動してこの上に支持されるスリーブ部分32を有するのが良い。アクチュエータヒンジ22に加わる幾分かの軸方向荷重(例えば、ドア12の重量に起因する)を支持するのを助けるために必要に応じて適当なスラスト軸受等(図示せず)が設けられるのが良い。動力式アクチュエータ24の作動(例えば、回転)により、第1のヒンジ部材23と第2のヒンジ部材28の互いに対する相対回転が生じる。動力式アクチュエータ24は、第1のヒンジ部材23に取り付けられたものとして示されると共に歯車装置26は、第2のヒンジ部材28に作動的に連結されているが、変形例として、動力式アクチュエータ24を第2のヒンジ部材28に取り付け、歯車装置26を第1のヒンジ部材23に作動的に連結することが可能である。
動力式アクチュエータ24の作動を制御するドアコントローラユニット31(図5)が設けられるのが良い。動力(電力)は、コントローラユニット31の動作のために且つ/或いはドアフレーム20からハウジング部分30の底部を通って軸方向上方に延びるのが良い電力導管33(例えば、電線)(図1A)を介して動力式アクチュエータ24の作動を可能にするようコントローラユニット31に伝達されるのが良い(コントローラ31がドア12内に位置し又は違ったやり方でアクチュエータヒンジ22に取り付けられている場合)。さらに、第1のヒンジ部材23は、動力式アクチュエータ24に連結された電力導管33を有するのが良く、それにより、電力導管33は、ドア12から離れて且つドアフレーム20に隣接して配置された外部電力源(例えば、図示されていない電力取り出し口)に結合可能に構成されている。変形例として、第2のヒンジ部材28は、電力導管33をドアフレーム20内に差し向ける通路を有しても良い。変形例として、図12に示されているように、コントローラユニット31は、アクチュエータヒンジ22から離れて配置されると共にドア12の内側に又はドア12それ自体に違ったやり方で取り付けられても良い。変形例として、コントローラユニット31は、ドアフレーム29に隣接して部屋/建物内に配置され或いは違ったやり方でドア12から見て遠くに設置されても良い。
アクチュエータをアクチュエータヒンジ22の形態で提供することによって、このアクチュエータヒンジは、有利には、通常、典型的なドア12に設けられる支持ヒンジ18に取って代わることができる。したがって、ドアフレーム20へのドア12の取り付けには、アクチュエータ付きではない典型的な従来型ドアの取り付けと比較して、追加の作業を少なくすることができる。さらに、ドアの上方でドアフレームに取り付けられたモータ組立体を有する電動式ドアであって、モータ組立体をドアの頂部の近くでドアに連結するリンク装置を備えた電動式ドアと比較して、電動式ドア組立体10と関連した見た目のごちゃごちゃ具合を著しく軽減することができる。
アクチュエータ付きヒンジ(22)組立体に関し、歯車装置26(動力式アクチュエータ24によって駆動されたとき)は、対応の(例えば、第2の)ヒンジ部材に加えられる出力トルクを生じさせ、出力トルクは、アクチュエータ付きヒンジ(22)組立体のピボット軸線と一線をなすのが良い。したがって、歯車装置からのトルクの印加は、アクチュエータ付きヒンジ(22)組立体のピボット軸線(例えば、軸線18)に沿って差し向けられ、それにより、コンパクトにパッケージ化されたアクチュエータ付きヒンジ(22)組立体を提供するのを助ける。例えば、歯車装置の回転軸線は、アクチュエータ付きヒンジ(22)組立体のピボット軸線と一線をなす(例えば、これと同一直線状に位置する)。
ドア組立体10の他のコンポーネントに関し、ドア12のドアラッチ16は、図7に例示的に示されている。好ましい実施形態では、ドアラッチ16は、ラッチ止め要素34(図1B)(これは、例えば、ドアフレーム20に設けられた受板36に係合するデッドラッチであるのが良い)、ラッチアクチュエータ(例えば、モータ)40、電線42(例えば、電力導管)から電力を受け取ってラッチアクチュエータ40の作動を制御することができるオプションとしてのラッチコントローラ41を有する。電線42は、電線33から電力を引き出すことができ、電線33は、電力をアクチュエータヒンジ(22)組立体のための動力式アクチュエータ24に送る。変形例として、ラッチアクチュエータ41は、ドアラッチ16から離れて配置されると共にドア12の内側に又はこれとは違ったやり方でドア12それ自体に取り付けられるのが良い図12に示されているコントローラユニット31の一部として具体化されても良い。変形例として、コントローラユニット31(ラッチコントローラ41が組み込まれている)は、ドアフレーム20に隣接して部屋/建物内に配置されても良く或いは違ったやり方でドア12から見て遠くに設置されても良い。
したがって、ドア12は、ラッチ止め要素34及びラッチ止め要素34の位置を伸長位置と引っ込み位置との間で操作するよう構成されたラッチアクチュエータ38を含むドアラッチ16を有する。ラッチ止め要素34は、伸長位置にあるとき、ドア12を閉じ位置に保持するようドアフレーム20内に設けられた受け具(例えば、受板36)によって受け入れられるよう構成され、したがって、アクチュエータヒンジ(22)組立体とドアラッチ16とドア12は、ドア組立体10として提供できるようになっている。
さらに、ラッチ組立体16は、第2の作動信号76によるラッチアクチュエータ40の作動を行わないで、ラッチ要素34の位置を引っ込み位置に向かって操作する機械式オーバーライド機構体を含むのが良い。例えば、機械式オーバーライド機構体は、ラッチ要素34に結合されたドア取っ手44,50であるのが良い。変形例として、オーバーライド機構体は、ラッチ要素に結合されたキーシリンダ46であっても良い。他のドア組立体10のコンポーネントは、ドア取っ手44(例えば、ドア12の一方の側に設けられている)を含む場合がある。ドア取っ手44は、キーを受け入れることができるキーシリンダ46を有するのが良い。キー(図示せず)をキーシリンダ46のスロット中に差し込むと、シリンダ46を回転させることができ、それによりラッチ要素34を機械的に作動させるカム部材48が回転する。かくして、キーシリンダ46(又はこれに結合された取っ手44,50)は、停電の場合(例えば、電力導管33,42を介して電力を利用できない場合)ラッチ要素34を作動させるための機械式又は手動式バックアップとなることができる。ドア取っ手50も又、ドア12の他方の側に設けられるのが良く、同様に、ドア取っ手50を用いると、停電の場合(例えば、電力導管33,42を介して電力を利用できない場合)ラッチ要素34を作動させることができる。
図9及び図11a、図11b、図11c、図11dを参照すると、ドアフレーム20に対するドア12の変位(図1A参照)は、コントローラユニット31によって制御でき、コントローラユニット31は、トランスポンダ56(例えば、キーフォブ(keyfob))及び/又は手動スイッチ75から受け取った信号69に応じて、ドアラッチ16及びアクチュエータヒンジ22を自動的に作動させるようプログラムされているのが良い。したがって、コントローラユニット31は、コントローラユニット31及び/又は送信機70の範囲内に位置するトランスポンダ56に関するポーリングに基づいて且つ/或いはドア12に取り付けられ又はこれに隣接して配置された(例えば、壁又はドアフレーム20に取り付けられた)手動スイッチ75を作動させることによって作動信号74,74(以下に示す)に応答したり送信したりするよう構成されているのが良い。
例えば、受信機53は、第2の作動信号76を送信する前に、手動スイッチ75からではなくトランスポンダ56からドア操作信号69を受信するよう構成されているのが良い。変形例として、受信機53は、第2の作動信号76を送信する前に、トランスポンダ56からではなく手動スイッチ75からドア操作信号69を受信するよう構成されていても良い。変形例として、手動スイッチ75は、受信機53を介して間接的ではなく、第2の作動信号76をラッチアクチュエータ40に直接送るよう構成されていても良い。
引っ込み位置に向かうラッチ要素34の作動を生じさせる手動スイッチ75の使用法に関し、コントローラユニット31は、第1の状態又は第2の状態に配置されるのが良い。第1の状態は、ラッチアクチュエータ40による第2の作動信号76の受信に応じてラッチ要素34の作動を可能にする。変形例として、第2の状態は、ラッチアクチュエータ40の作動とは独立して、その代わりに、機械式オーバーライド機構体の使用に応じてラッチ要素34の作動を可能にする。コントローラユニット31の状態信号の送信は、ドア12、ドアフレーム20、ラッチ組立体16、ヒンジ組立体18,22、トランスポンダ56及び/又は任意他の場所に設けられた状態スイッチ90(図9参照)の作動の結果であるのが良く、状態スイッチ90は、例えばコントローラ31に状態信号を(例えば、ワイヤードで又はワイヤレスで)送信するよう構成されている。
認識されるように、コントローラユニット31が第1の状態にあるとき、制限機構体(図示せず)、例えば保持ピンがコントローラユニット31によってイネーブルにされて機械式オーバーライド機構体の作動を制限し、かくして、第2の作動信号76の受信を介するラッチアクチュエータ40による作動に応じてラッチ要素34の作動を実現するのが良い。
変形例として、認識されるように、制御ユニット31が第1の状態にあるとき、制限機構体(図示せず)、例えば保持ピンがコントローラユニット31によってイネーブルにされて機械式オーバーライド機構体の作動を制限し、かくして制限機構体による使用のための第2の作動信号76の受信に応じてラッチ要素34の作動を実現しても良く、かくして、例えばコントローラユニット31によって制限機構体をディスエーブルにし、それにより機械式オーバーライド機構体の作動を可能にしてトランスポンダ56が受信機53の既定の付近に位置している場合、ラッチ要素34を引っ込める。
トランスポンダ56は、例えば、問い合わせ受信信号71(例えば、送信機又はアンテナ70からの)に応答して識別信号69を(コントローラユニット31に)放出する装置として構成されるのが良い。変形例として、トランスポンダ56は、遠隔制御装置(例えば、RF利用遠隔制御装置)として構成されても良く、この遠隔制御装置は、遠隔制御装置によって送信される1つ又は2つ以上の無線信号69を用いて遠隔距離からコントローラユニット31の作動を制御する(例えば、短い見通し距離から作動ワイヤレスで制御する)ために用いられ、放出される無線信号69は、問い合わせ信号71に応答して放出されることはなく、放出される無線信号69は、トランスポンダ56のオペレータがトランスポンダ56のボタンを押した結果として放出されるのが良い。
したがって、トランスポンダ56から受信した無線信号69の結果として、コントローラユニット31は、第1の作動信号74を発生させてこれを動力式アクチュエータ24に送信すると共に第2の作動信号76をラッチアクチュエータ40に送信するようプログラムされているのが良い。第1の作動信号74は、第2の作動信号76がラッチ要素34の位置(図7参照)を引っ込み位置に向かって操作した後、動力式アクチュエータ24を作動させてヒンジ部材23,28(図3参照)のヒンジ運動(例えば、相対的回転)を生じさせ、ドア12は、ヒンジ運動を生じさせたことにより閉じ位置から開き位置に操作される。変形例として、第1の作動信号74は、第2の作動信号76がラッチ要素34の位置を伸長位置に向かって操作する前に動力式アクチュエータ24を作動させてヒンジ運動を生じさせ、それにより、ドア12は、ヒンジ運動に起因して開き位置から閉じ位置に操作される。認識されるように、伸長位置に向かうラッチ要素34の操作は、第2の作動信号76を介してラッチアクチュエータ40によって自動的に付勢されるのではなく、手動機構体、例えば付勢要素、例えばばねによって付勢されるのが良い。
また、変形例では、コントローラ31は、第2の作動信号76を受信のために且つ次のラッチアクチュエータ40の作動のためにのみ送信するよう構成されていても良い。と言うのは、ドア12に用いられるヒンジは、支持ヒンジ18型のものだからである。したがって、トランスポンダ56を利用する人は、アクチュエータ付きヒンジ(22)組立体によるドア12の自動作動による運動を利用するのではなく、ドア12を開き位置から閉じ位置に又は閉じ位置から開き位置に手動で変位させる役割を担う。このように、動力式アクチュエータ24は、ドア12が人によって物理的に押され又は引かれたときに、第1の作動信号72を使用しないで、逆駆動されるよう構成されている。
コントローラユニット31それ自体に関し、コントローラユニット31は、コンピュータプロセッサ80及び物理メモリ80に記憶されていて、第1の作動信号74を動力式アクチュエータ24に提供すると共に/或いは第2の作動信号76をラッチアクチュエータ40に提供するようプロセッサ80によって実行可能な1組の命令を含むのが良い。さらに、コントローラユニット31は、コントローラユニット31の送信範囲内に位置するワイヤレストランスポンダ56からドア操作信号69を受信し、そしてこれに応答して第1の作動信号74及び/又は第2の作動信号76を発生させるワイヤレス受信機53を有するのが良い。
したがって、コントローラユニット31は、ドア12を含むドア組立体10(図1A参照)及びオプションとしてドア12を隣接のドアフレーム20に連結する1対のヒンジ部材23,28を有すると共にヒンジ部材23,28の互いに対する相対運動を生じさせるためのヒンジアクチュエータ24を含むヒンジ組立体22を作動させるよう構成されているのが良い。ドア組立体10は、ラッチ要素34及びラッチ要素の位置を伸長位置と引っ込み位置との間で操作するよう構成されたラッチアクチュエータ40(図7参照)を含むラッチ組立体16を更に含む。コントローラユニット31は、プロセッサ80、トランスポンダ56からドア操作信号69を受信する受信機53及び物理メモリ82に記憶された1組の命令を含むのが良く、かかる1組の命令は、トランスポンダ56からドア操作信号69を受信し、トランスポンダ56がコントローラユニット31により登録されていることを認証し(例えば、当該技術分野において知られているように暗号による認証を用いたコントローラ/トランスポンダ認証を行う)第1の作動信号72をヒンジアクチュエータ24に送信すると共に/或いは第2の作動信号74をラッチアクチュエータ40に送信してラッチ要素34の運動を生じさせ、それによりラッチ16をロック/ロック解除すると共に/或いはヒンジ部材23,28を作動させてドア12を閉じ位置から開き位置に又は開き位置から閉じ位置に変位させるようプロセッサ80によって実行可能である。
ワイヤレス信号69,71の周波数に関し、トランスポンダ56と送信機70との間での信号送りは、トランスポンダ56とコントローラユニット31との間での信号送り、例えば、UHF無線周波数範囲を利用した信号送り69の周波数範囲よりも低い周波数(LF)範囲を利用するのが良い。もしそうでなければ、信号送り71は、信号送り69とは異なる組をなすRF周波数を使用するのが良い。
さらに、送信機70による起動信号71の送信は、信号71の局所化されたRF電界73の範囲内での認証(例えば、コントローラユニット31による登録)を作動させるよう構成された指向性をもった状態で送信される起動パターンを表すのが良い。例えば、送信機70は、ドア12の一方の側(例えば、部屋/建物の内側)に配置され、かくして、信号71の局所化されたRF電界73をドア12の同一の側(例えば、これ又部屋/建物の内側)に配置されたトランスポンダ56の受信のために送信するのが良い。さらに、送信機70は、ドア12の他方の側(例えば、部屋/建物の外側)に配置され、かくして、信号71の局所化されたRF電界73をドア12の同じ他方の側(例えば、これ又部屋/建物の外側)に配置されたトランスポンダ56の受信のために送信するのが良い。1つがドア12の一方の側向きであると共に/或いは1つがドア12の他方の側向きである指向性のある/局所化されたRF電界73の使用は、ドア12の関連した側に配置されたトランスポンダ56のためだけのドア12(例えば、ヒンジアクチュエータ24及びラッチアクチュエータ40)の自動操作を協調させる上で有利であると言える。さらに、コントローラ31は、トランスポンダ56が送信機70に特有のコードに基づくと共に/或いは信号71,69の信号強度に基づいてドア12の外側に位置しているか内側に位置しているかを判定するよう構成されているのが良い。
例えば、コントローラユニット31は、誰かが部屋の外に居て、中に入りたいと思ったときに(即ち、コントローラユニット受信機53の範囲内にトランスポンダ56が存在している場合)のみドアを自動的に開くようプログラムされるのが良く、かくして、指向性/局所化RF電界73は、外側(部屋/建物内部に対してドア12の外方に向いた側)の方へ差し向けられる。この場合、トランスポンダ56が部屋/建物内部の内側に(即ち、ドア12の内方に向いた側に隣接して)配置されている場合、トランスポンダ56は、指向性/局所化RF電界73(外側の方へ差し向けられている)の範囲から外れ、かくして、ドアを自動的に開くことはなく、そしてドア12の外側で待っているトランスポンダ56を所持していない誰かに対する偶発的な接近を可能にすることはないであろう。かくして、部屋/建物の外側に位置したトランスポンダ56だけに信号69を介してドア12を開くよう自動アクセスが与えられる。
変形例として、コントローラユニット31は、誰かが部屋の中に居て、外に出たいと思ったときに(即ち、コントローラユニット受信機53の範囲内にトランスポンダ56が存在している場合)のみドアを自動的に開くようプログラムされるのが良く、かくして、指向性/局所化RF電界73は、内側(部屋/建物の内部に対してドア12の内方に向いた側)の方へ差し向けられる。この場合、トランスポンダ56が部屋/建物内部の外側に(即ち、ドア12の外方に向いた側に隣接して)配置されている場合、トランスポンダ56は、指向性/局所化RF電界73(内側の方へ差し向けられている)の範囲から外れ、かくして、ドアを自動的に開くことはなく、そしてドア12の内側で待っているトランスポンダ56を所持していない誰かに対する偶発的な接近を可能にすることはないであろう。かくして、部屋/建物の内側に位置したトランスポンダ56だけに信号69を介してドア12を開くよう自動アクセスが与えられる。
別の実施形態では、ドア12の一方の側に配置されたトランスポンダ56を非動作状態にするのが良い(例えば、これらトランスポンダは、コントローラユニット31によって認識されない)。再び図9を参照すると、リミットスイッチ88も又設けられるのが良く、かかるリミットスイッチは、ドア12が開いているかどうか又は閉じられているかどうかを識別するのを助けるよう場所/位置信号90をコントローラユニット31に提供することができる。例えば、ドア12は、既定のリミットスイッチ88のところで停止することができ、次に、既定時間後に閉じるか或いは所定時間の間、開いたままでいることができる。
図10を参照すると、ドア組立体10(図1a参照)のドア12の例示の操作方法100が示されている。具体的に説明すると、ステップ102は、トランスポンダ56の手動作動を可能にし、そのためには、ステップ104においてトランスポンダ56のボタンを押してラッチ16及び/又はアクチュエータヒンジ組立体22を作動させる。変形例として、ユーザは、ステップ106において引き続きドアに接近しても良く、そしてコントローラユニット31は、ステップ108においてトランスポンダ56(図9参照)の範囲内に位置する送信機70からくる信号71との相互作用に起因してトランスポンダ56により放出される自動信号69があるかどうかをチェックすることができる。他のステップ10は、いったんラッチ解除されたときのドア12の自動操作、手動ボタン75を押すことによるラッチ16の手動操作、ラッチ16の自動再ラッチ止め等を含む。
手動(マニュアル)
図9並びに図11A,B,C及び図11Dを参照すると、受信機53は、コントローラユニット31と連係して設けられるのが良く、この受信機は、符号58のところに示された人により所持されているキーフォブ(keyfob)/トランスポンダ56内に設けられているワイヤレス(例えば、RF)送信機から信号69を受信するよう構成されているのが良い。人58がドア12により接近の制御されている建物又は部屋(符号60のところで示されている)の外側からドア12に接近しているとき、トランスポンダ56は、人58が建物又は部屋60に入る許可を得ているということを示す信号69(例えば、RF信号)をコントローラ31(受信機53を介して)に自動的に送信することができる。信号69に応答して、コントローラユニット31は、ラッチアクチュエータ40を作動させてラッチ要素34を引っ込め、それにより、人58がドア12を単に押しただけで(又は、アクチュエータ付きヒンジ組立体22の作動に応答して)ドア12を開くことができる。信号69の消失に応答して(例えば、トランスポンダ56が受信機53の範囲外に位置したとき)、コントローラ31は、ラッチ要素34を伸長させてドア12をラッチ止めするようプログラムされているのが良い。ラッチ要素34を伸長させるには、単に、ラッチアクチュエータ40への電力を切り、その結果、ばね(図示せず)がラッチ要素34をその伸長位置に駆動するようにするのが良い。このように、トランスポンダ56は、ドア12のラッチ解除及びラッチ止めを受動的に(即ち、人58により実施される特定の行為なしで)生じさせる。トランスポンダ56のバッテリの電力を節約するため、トランスポンダ56は、これが受信機53の適当な範囲内に位置したことをトランスポンダ56が検出した場合にのみ信号69を送信するのが良い。これは、例えば、送信機70によって送信されてコントローラ31によって協働させることができる軌道信号71を検出する受信機(図示せず)を含む場合に達成できる。
変形実施形態では、トランスポンダ56は、人58が押すことができるボタンを備えるのが良く、それにより、トランスポンダ56の送信機は、受信機53によって受信される信号69を送る。「ラッチ解除」信号76を送ってドア12をラッチ解除することができ(即ち、ラッチ要素34を引っ込めることができ)、「ラッチ」信号76を送ってドア12をラッチ止めすることができる(即ち、ラッチ要素34を伸長させることができる)。「ラッチ解除」及び「ラッチ」信号76は、互いに異なる信号であって良く、或いはコントローラユニット31により交互に「ラッチ解除」信号、次に「ラッチ」信号と解釈される同一の信号であっても良い。上述したように、幾つかの実施形態では、コントローラユニット31は、信号69が存在していない場合(即ち、トランスポンダ56が受信機53の範囲外に位置しているとき)、ドア12をラッチ止めすることができる。
幾つかの実施形態では、受信機53は又、コントローラユニット31と通信するのが良い。人58がドア12に近づいているとき、コントローラユニット31は、トランスポンダ56からの信号69の受信(受信機53を介して)に応答して、ドア12がコントローラユニット31(図11A及び図11B)によってラッチ解除された後、アクチュエータ付きヒンジ組立体22を用いてドア12を開く。かくして、トランスポンダ56からの信号は、この場合、「開き」信号であるとみなすことができる。信号の消失に応答して、コントローラユニット31は、コントローラユニット31がラッチ要素34(図11C及び図11D)を伸長させる前に、ドア12を閉じるのが良い。変形例として、人58がトランスポンダ56に設けられている適当なボタンを押して「開き」信号を送り、それにより、ドア12をラッチ解除した後、コントローラユニット31がドア12を開いても良く、又、別の適当なボタン(又はオプションとして、同じボタン)を押して「閉じ」信号を送り、それによりドア12をラッチ止めしたりロックしたりするようラッチ要素34を伸長させる前にコントローラユニット31がドア12を閉じても良い。注目されるように、「閉じ」信号及び「開き」信号は、互いに異なる信号であっても良く、或いはコントローラユニット31により交互に「開き」信号、次に「閉じ」信号と解釈される全く同じ信号であっても良い。上述したように、幾つかの実施形態では、コントローラユニット31は、信号が存在していない場合(即ち、トランスポンダ56の送信機がコントローラユニット31の範囲外に位置しているとき)、ドア12を閉じる。
図1bに示されているように、幾つかの実施形態では、ドア12は、ドア12がラッチ留めされているかどうかを指示する外部視覚表示器62を有するのが良い。視覚表示器62は、ドア12の外側フェース上に設けられるのが良い(符号64のところに示されている)。ドア12がオフィスのドアである実施形態では、例えば、ドア12がラッチ止めされている場合、ある人が距離を置いたところからちらっと見て話しかけることができ、それにより、おそらくは、オフィスの居住者がそこにおらず又は居たとしても邪魔されたくないということが分かる。ドア12の内側フェース(符号68のところに示されている)には同様な内部視覚表示器66が設けられるのが良く、その結果、オフィスの居住者は、ドア12がラッチ止めされていることを一目見て理解することができる。変形例として、コントローラユニットは、ドア12及び/又はラッチ組立体16及び/又ドアフレーム20に設けられた視覚表示器62を作動させるよう構成されていても良く、例えば、視覚表示器62は、手動スイッチ75からではなくワイヤレスでトランスポンダ56からのドア操作信号60の受信の場合にコントローラユニット31によって作動されるようになる。例えば、視覚表示器62は、コントローラユニット31が第2の作動信号76をラッチアクチュエータ40に送り、ドア12が人によって開放可能な状態にある(即ち、ドアが「ロック解除されている」)ことを表すようコントローラ31によって作動されるのが良い。このロック解除状態は、第2の作動信号76がラッチアクチュエータ40によって処理されてラッチ要素34を引っ込み位置に引っ込めるという結果として表れるようにするのが良い。変形例として、このロック解除状態は、第2の作動信号76がコントローラユニット31によって処理されて機械式オーバーライド機構体のための制限機構体をディスエーブルにし、かくして機械式オーバーライド機構体の作動を可能にしてラッチ要素34を引っ込み位置に引っ込めるという結果として表されても良い。
ドア12の開閉中における人の外傷を阻止するため、コントローラユニット31は、動力式アクチュエータ24からのモータトルクを検出する(例えば、動力式アクチュエータ24の電流の流れを検出することによって)よう構成されるのが良く、その結果、コントローラユニット31は、動力式アクチュエータ24がドア12を駆動して選択されたしきい値を超える抵抗に抗して開き又は閉じている場合に動力式アクチュエータ24を作動停止させることができるようになっている。
上述のシステムに鑑みて、トランスポンダ56は、例えば信号71及び/又はトランスポンダ56のボタンの手動操作に基づいて、オプションとして、信号71の受信及び信号69の送信を行うこれら自体のソフトウェア(例えば、1組の操作命令)を有するのが良い。好ましくは、ラッチ16及びアクチュエータヒンジ組立体22中にはプログラムされた命令は存在せず、これとは異なり、これらドア組立体10のコンポーネントは、基地局、即ちコントローラユニット31から制御可能である。さらに、好ましくは、リミットスイッチ88からの信号90は、コントローラユニット31に行くことができる。例えば、リミットスイッチ88は、ドア12に取り付けられるのが良い。
図12を参照すると、コントローラユニット31の命令の組の例示の流れ図120が示されている。例示として、信号71を送信し、そしてRF電界73(図9参照)の範囲内に位置したときに信号71の受信に応答してトランスポンダ56により送り出される任意の応答信号69の受け取りを待機すると共にリッスンすることによって送信機70の範囲内にトランスポンダ56があるかどうかについてポーリングするステップ122が含まれている。また、送信機70のセットアップ及び作動を初期化するステップ124が含まれ、かかるステップは、部屋/建物の外側又は内側に位置したトランスポンダ56についてドア12を通る接近を制御するようコントローラユニット31の形態に基づいてイネーブルにし又はディスエーブルにすべき送信機70の選択を含む。また、受信機53によって受信される信号69の解釈/複合を行い、信号74,76を発生させ、そしてRF電界73の範囲内に入った次のトランスポンダ56について送信機70を再初期化する(128)ステップ126も又含まれる。
図13を参照すると、トランスポンダ56の命令の組の例示の流れ図130が示されている。例示として、局所化RF電界73の範囲内に位置したときに受信される信号71を検出すると共に識別するようトランスポンダ56の受信機を初期化するステップ132が含まれている。受信した信号71が実際に、受信した最小数の信号71のパケットに基づいて有効な送信機70によって生じた信号であることを確認するステップが含まれる。信号71のパケットの最小数の全てではなく幾つかが受信された場合、トランスポンダ5は、最小数が受信されるまでステップ134のところで待機するよう構成されている。ステップ136において、信号71が有効であるといったん識別されると、信号71を複合し、適当な信号69を発生させてこれをコントローラユニット31に送る。
図14を参照すると、動力式アクチュエータ24、ヒンジ部材23,28、ヒンジ部材23,28の軸線18(例えば、ピボット軸線)と同一直線上に位置するのが良い歯車装置26を含むヒンジ組立体22の別の実施形態が示されている。また、歯車装置26は、軸線18に平行であるが、軸線18と同一直線上にはない歯車軸線(図示せず)上に位置しても良いことが認識される。したがって、歯車装置26の軸線は、ヒンジ部材23,28(図示せず)の軸線18からオフセットしているのが良い。歯車装置26は、多くの歯車装置コンポーネント、例えば第1の歯車箱94、スリップクラッチ96を備えたアイソレータ及び第1の歯車箱94と第2の歯車箱98との間に位置したカバー97を含むのが良い。また、ヒンジ組立体22にはキャップ101を備えたカップリング99が含まれるのが良い。また、歯車装置26の1つ又は2つ以上の歯車が軸線18と同一直線上に位置する状態で設けられるのが良く(例えば、歯車の回転軸線は、軸線18上に位置する)、歯車装置26の1つ又は2つ以上の他の歯車が軸線18から外れて設けられても良い(例えば、歯車の回転軸線は、軸線18からオフセットした状態で位置する)。
上述の説明は、本発明の複数の実施形態に関するが、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の公正な意味から逸脱しないで別の改造及び変更が可能であることは理解されよう。