JP2015503596A - ポリヒドロキシベンゾピランケトン化合物の合成およびその抗腫瘍効果 - Google Patents

ポリヒドロキシベンゾピランケトン化合物の合成およびその抗腫瘍効果 Download PDF

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Abstract

式(I)により表されるとおりの構造を有するポリヒドロキシベンゾピランケトン化合物およびその薬学的に許容し得る塩またはプロドラッグ、ならびに、該化合物を含有する医薬組成物が提供される。該化合物は、新規のエストロゲン受容体ER−α36を調節および制御するために、また、ER−α36受容体介在性の腫瘍に関連する疾患、たとえば、乳がん、白血病、および肝臓がんなどを予防および/または治療するために使用できる。【化1】【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、ポリヒドロキシクロメノンの化合物、その薬学的に許容される塩、プロドラッグ、および、該化合物を含む医薬組成物などを対象とする。本発明は、また、腫瘍に関連する疾患の予防および/または治療のための医薬の調製における、該化合物、その薬学的に許容される塩、プロドラッグ、および医薬組成物の使用を対象とする。
エストロゲンは、ヒトの体における多くの決定的に重要な生理機能に関わっている一群のホルモンである。エストロゲンの機能としては、女性生殖器の発達を促進すること、妊娠、および出産後の授乳のために、乳房および子宮を十分準備することが挙げられる。エストロゲンは、適切な心血管機能および骨密度の維持においても重要な役割を果たす。エストロゲンは細胞増殖を刺激することができ、女性ががん、特に乳がんおよび子宮がんに罹患するリスクを高め得ることは周知である。
エストロゲンは、標的細胞におけるエストロゲン受容体と結合して、細胞機能を調節する。ヒト細胞においては2種類のエストロゲン受容体が発見されており(ER)、それがER−αおよびER−βである。ER−αおよびER−βは同様のタンパク質構造を有し、それぞれが、別個ではあるが相互作用する3つの機能的なドメイン、すなわち、N末端ドメイン(A/Bドメイン)、中心部のDNA結合ドメイン(Cドメイン)、およびC末端のリガンド結合ドメイン(D/E/Fドメイン)を有する。N末端ドメインは、リガンド非依存性の活性化機能(AF−1)を有し、AF−1は、活性化補助因子との相互作用、および、リガンドの非存在下における標的遺伝子の転写活性化に関わっている。DNA結合ドメインは、受容体二量体化、および、特別なDNA配列の結合(binding special DNA sequence)において重要な役割を果たす。C末端のリガンド結合ドメインは、リガンドの結合を媒介し、リガンドの存在下における遺伝子転写の活性化のための、リガンド依存性のトランス活性化機能(AF−2)を有する。
完全長のER−αは、66kDaのタンパク質として同定されており、ER−α66と呼ばれる。ER−α66は、3つの機能ドメインすべてを含有する。ER−α66のスプライスバリアントが最近発見され、ER−α46と命名された。ER−α46は、分子量が約46KDaであり、ER−α66のN末端のAF−1ドメインを欠いている。近年、新規の36kDaのERαバリアントであるER−α36が同定されている。ER−α36は、ER−α66のN末端のAF−1ドメインおよびC末端のAF−2ドメインを欠いている(Wangら、Biochem.Biophys.Res.Commun.、336、1023〜1027、(2005))。
ER−α66は、その標的遺伝子の転写活性化を介して、エストロゲン刺激性細胞増殖を媒介すると広く信じられている。エストロゲンがER−α66と結合するとER−α66のトランス活性化ドメインが活性化され、そのため下流の標的遺伝子の発現が刺激され、最終的に細胞増殖が導かれる。ER−α46は、膜開始性およびエストロゲン刺激性の急速なNO合成を媒介することが見出されている(Liら、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA、100、4807〜4812、(2003))。ER−α46は、AF−1ドメインを欠いており、ER−α66のAF−1活性を阻害することも示されている(Flouriot,G.、EMBO、19、4688〜4700、(2000))。ER−α36は、AF−1とAF−2転写活性化ドメインの両方を欠くことから、ER−αおよびER−βのAF−1とAF−2機能の両方を阻害するドミナントネガティブ阻害因子として機能する。加えて、ER−α36は、主として血漿膜上に局在化しており、細胞増殖を刺激する膜開始性の分裂促進エストロゲンシグナル伝達を媒介する。(Wangら、Biochem.Biophys.Res.Commun.、336、1023〜1027、(2005);Wangら、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA、103、9063〜9068、(2006))。
広範な試験から、エストロゲンシグナル伝達は、古典的な核の転写活性化経路ならびに非古典的な膜開始性のシグナル伝達経路を介して媒介されることが示されている。ER−α66とER−α46は両方とも主として核において機能するがER−α36は主に核の外部を通して機能するものと思われる。
ER−α36は元のER−α66のリガンド結合ドメインのヘリックス8〜12を欠いており、そのことがER−α36のリガンド結合特異性をまったく別のものにしていることも示されている。したがって、ER−α36は、ER−α66およびER−βと結合するリガンドとは異なるリガンドと結合し得る。
エストロゲン受容体に関連する疾患は多くの個体を冒し続けていることから、新規の化合物、ならびに、そのような疾患を予防および/または治療するのに有用な方法を発見する切迫した必要性が依然として存在する。
本発明は、新しいエストロゲン受容体ER−α36を調節するための、式(I)として示されるクロメノン化合物、その薬学的に許容される塩またはプロドラッグ、および、該化合物を含む医薬組成物などを提供する。
式中、
1は、水素、(C1〜6)アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜6)アルキルからなる群から選択され、
2、R3、R4、R5、およびR6は、水素、(C1〜4)アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルキル、ハロゲン、シアノ、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜C6)アルコキシからなる群から独立に選択され、R2、R3、R4、R5、およびR6が同時に水素であることはなく、
1がメチルでありR3およびR5が水素であるとき、R4は塩素ではない。
図1は、ヒト乳がん試料におけるER−α66、ER−α46、およびER−α36の発現を表すウェスタンブロットの結果を示す。レーン1:正常な乳房組織、レーン2:浸潤性乳管癌、レーン3:浸潤性乳管癌、レーン4:侵襲性乳管癌、レーン5:浸潤性小葉癌、レーン6:浸潤性小葉癌、レーン7:非侵襲性乳管癌。 図2(上段の図)は、MDA−MB−231細胞の免疫蛍光染色の結果を示す。MDA−MB−231細胞は、ER−α66およびER−α46を欠いているER陰性乳がん細胞株であり、ER−α36と特異的に結合する抗体で染色してある(「ER−α36 Ab」で表示されている左図に示す:陽性は緑色で示されている)。細胞核も、4,6−ジアミジン−2−フェニリドール(phenylidole)で染色してある(「DAPI」で標識されている中央の図に示す:陽性染色は青色で示されている)。染色シグナルをマージしたものを、「マージ」で標識されているレーンに示す。この抗体を、当該抗体と結合する免疫原ペプチドでプレインキュベートすると、陰性染色が観察される(下段の図)。 図3は、異なる腫瘍細胞株におけるER−α36の発現を表すウェスタンブロットの結果を示す。レーン1:ER−α36が一過性に発現している293ヒト腎上皮細胞株、レーン2〜4:異なる研究室由来のヒト乳がんのSK−BR−3細胞株、レーン5〜7:異なる研究室由来のヒト乳がんのMCF−7細胞株、レーン8〜9:異なる研究室由来のヒト白血病のHL−60細胞株、レーン10〜11:異なる研究室由来のヒト白血病のMV−4−11細胞株、レーン12〜13:異なる研究室由来のヒト慢性骨髄性白血病のK562細胞株、レーン14:肝臓がんのA2780細胞株、レーン15:肝臓がんのHEL−7402細胞株、レーン16:肝臓がんのHEL−9204細胞株、レーン17:患者由来の肝臓がんのHep−11初代細胞株、レーン18:患者由来の肝臓がんのHep−12初代細胞株。 図4は、MTT法により試験した、化合物1での胃がんのBGC−823細胞株に対するin vitro阻害を示す。結果は、化合物1がこのがん細胞に対するドミナント阻害作用を有しており用量依存性は良好であることを示している。IC50は、1〜4μMの範囲である。 図5は、MTT法により試験した、化合物1での肺がんのH460細胞株に対するin vitro阻害を示す。結果は、化合物1がこのがん細胞に対するドミナント阻害作用を有しており用量依存性は良好であることを示している。IC50は、1〜4μMの範囲である。 図6は、MTT法により試験した、化合物1での結腸癌のLS174T細胞株に対するin vitro阻害を示す。結果は、化合物1がこのがん細胞に対するドミナント阻害作用を有しており用量依存性は良好であることを示している。IC50は、1〜4μMの範囲である。 図7は、MTT法により試験した、化合物1での膵臓がんのPANC−1細胞株に対するin vitro阻害を示す。結果は、化合物1がこのがん細胞に対するドミナント阻害作用を有しており用量依存性は良好であることを示している。IC50は、1〜4μMの範囲である。 図8は、MTT法により試験した、化合物1での前立腺がんのPC−3細胞株に対するin vitro阻害を示す。結果は、化合物1がこのがん細胞に対するドミナント阻害作用を有しており用量依存性は良好であることを示している。IC50は、1〜4μMの範囲である。 図9は、陽性対照であるタモキシフェン(マウス1匹当たり0.7mg/日)、化合物1(マウス1匹当たり0.7mg/日)、および陰性対照であるビヒクル(マウス1匹当たり0.2mg/日)をそれぞれ20日間連続投与した後の、ヒト乳がんBCAP−37担腫瘍ヌードマウスの平均腫瘍重量を示すものであり(バーa)、結果は、化合物の腫瘍に対する阻害を示している。 図10は、陽性対照であるリツキシマブ、化合物1(マウス1匹当たり0.7mg/日)、および陰性対照であるビヒクル(マウス1匹当たり0.2mL/日)をそれぞれ21日間継続投与されているヒトBリンパ腫Daudi細胞担腫瘍ヌードマウスの腫瘍成長曲線を示す。 図11は、陽性対照であるDMPA(酢酸デポメドロキシプロゲステロン)(120mg/kg)、低用量(17.5mg/kg)、中用量(35mg/kg)、高用量(70mg/kg)の化合物1、および陰性対照であるビヒクル(マウス1匹当たり0.2mL/日)をそれぞれ20日間連続投与した後の、ヒト子宮内膜癌(endometrical carcinoma)Ishikawa担腫瘍ヌードマウスの平均腫瘍重量を示す。化合物1は担腫瘍マウスの腫瘍成長に対するドミナント阻害作用を有しており、その阻害効果は対照薬より高い。
発明の詳細な説明
化合物および誘導体
本発明のいくつかの態様において、クロメノン化合物、その薬学的に許容し得る塩、プロドラッグ、および、該化合物を含む医薬組成物などが提供される。これらは、エストロゲン受容体ER−α36を調節し、ER−α36受容体により媒介される疾患、たとえばがん等を予防および/または治療するように機能することができる。
いくつかの態様において、本発明は、式(I)の化合物、その薬学的に許容し得る塩、プロドラッグ、および、該化合物を含む医薬組成物など
[式中、
1は、水素、(C1〜6)アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜6)アルキルからなる群から選択され、
2、R3、R4、R5、およびR6は、水素、(C1〜4)アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルキル、ハロゲン、シアノ、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜C4)アルコキシからなる群から独立に選択され、R2、R3、R4、R5、およびR6が同時に水素であることはなく、
1がメチルでありR3およびR5が水素であるとき、R4は塩素ではない]
を提供する。
一定の一態様において、式(I)の化合物は、以下の構造を有する式(II)の化合物:
[式中、
2、R3、R4、R5、およびR6は、水素、(C1〜4)アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルキル、ハロゲン、シアノ、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルコキシからなる群から独立に選択され、R2、R3、R4、R5、およびR6が同時に水素であることはない]
を含む。
一定の一態様において、式(I)の化合物は、以下の構造を有する式(III)の化合物:
[式中、
2、R3、R4、R5、およびR6は、水素、(C1〜C4)アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜C4)アルキル、ハロゲン、シアノ、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルコキシからなる群から独立に選択され、R2、R3、R4、R5、およびR6が同時に水素であることはなく、
3およびR5が水素であるとき、R4は塩素ではない]
を含む。
特に好ましい式(I)の化合物は、限定されるものではないが以下の化合物:
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−フルオロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3,4−ジクロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−ブロモフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン
を含んでいる。
本発明における化合物およびその誘導物は、IUPAC(国際純正応用化学連合)命名システムまたはCAS(Chemial Abstract Service、Columbus、OH)命名システムに従って命名されている。
以下は、本発明において使用される用語の定義である。特に指示のない限り、基の第一義的な定義、または、独立した基、もしくは他の基の一部を含む用語の第一義的な定義は、全体の記載に適用される。
用語「置換されている」は、ある分子の水素原子が、異なる原子または分子で置きかえられていることを意味する。水素原子を置きかえる原子または分子は、「置換基」として表される。
nn−の炭素原子数の最小値および最大値は、接頭語を用いて表され、たとえば、(Ca〜Cb)アルキルの接頭語は、「a」〜「b」個の数の炭素原子を含む任意のアルキルを意味する。したがって、たとえば(C1〜C6)アルキルは、1〜6個の炭素原子を含むアルキルを意味する。
用語「アルコキシ」は、一方の端に酸素原子が結合している直鎖状または分枝の一価の飽和脂肪鎖基を意味し、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。
用語「アルキル」は、直線状または分枝の一価の飽和脂肪鎖を意味し、限定されるものではないが、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなどの基を含む。
用語「ハロゲン」または「ハロゲン原子」は、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素の原子、または対応する基を意味する。
用語「ヘテロアリール」は、1個以上の炭素原子が1個以上のヘテロ原子、たとえば、窒素、酸素、またはイオウにより置きかえられている、単環または多環の芳香族基を意味する。ヘテロシクロアルキル環の例としては、限定されるものではないが、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピラニル、フリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾール、イソキサゾール、ナフチリジニル、オキサジゾリル、オキサジニル、オキサゾリル、フタラジニル、プテリジニル、グアニニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリド[3,4−b]インドリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、キノリジル、キノリニル、キノキサリニル、チアジゾリル、チアトリゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアジニル、トリアゾリル、キサンテニルなどが挙げられる。
用語「−オキソ」は、炭素原子(複数可)と酸素原子(複数可)との組合せにより形成されるカルボニル基を意味する。
本発明の化合物のプロドラッグ、溶媒和物も、考慮に入れている。用語「プロドラッグ」は、対象に投与されると化学的過程または代謝過程を介して(たとえば、生理学的pHになると、または酵素活性を通して)in vivoで活性薬物を放出する薬物前駆体である化合物をいう。プロドラッグの合成および使用についての考察は、ACS Symposium Seriesの「Produgs as Novel Delivery Systems」、第14巻、および、Bioreversible Carriers in Drug Design、Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987に見出すことができ、これらの文献はいずれも参照によりここに組み込まれる。用語「プロドラッグ」には、本発明の化合物の代謝前駆体が含まれてもよい。プロドラッグは、対象に投与されたときは不活性であってもよいが、in vivoで本発明の式(I)の化合物に変換できる。プロドラッグは、自然界に存在する化合物であっても合成化合物であってもよい。
本発明における式(I)の化合物は、溶媒和されていない形態であっても、溶媒和されている形態、たとえば、薬学的に水和されている、エタノール和されているなどの形態であってもよい。また、本発明には本化合物の溶媒和物および非溶媒和物がすべて含まれることが意図される。式(I)の化合物の好ましい溶媒和物は、水和物である。
本化合物の立体異性体、たとえば、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含め、式(I)のR置換基の不斉炭素原子に由来する、生じ得る立体異性体はすべて、本発明の範囲内である。ラセミ混合物を含め、式(I)に示される本化合物の立体異性体および混合物も、本発明の一部である。さらに、幾何異性体および位置異性体はすべて、たとえば、式(I)の化合物が二重結合を有する場合であればシス異性体およびトランス異性体ならびにその混合物は、すべて、本発明の範囲内である。
ジアステレオマー混合物は、当業者に周知の方法により、たとえばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶により、その物理的化学的な違いに基づいて、その個々のジアステレオマーに分割できる。エナンチオマーは、適切な光学活性化合物と反応させることによりエナンチオマー混合物をジアステリオマー混合物に変換させ、次いで、ジアステリオマーを分割し、このジアステリオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換させる(たとえば加水分解させる)ことにより、分割できる。また、式(I)の化合物のうちいくつかは、アルトロピソマー(altropisomer)(たとえば置換ビアリール)であってもよく、これも本発明の一部とみなされる。
語句「薬学的に許容し得る」は、指定された担体、ビヒクル、希釈剤、賦形剤(複数可)、および/または塩が、製剤を構成する他の原料と一般には化学的および/または物理的に適合し、そのレシピエントと生理学的に適合することを指す。
用語「塩」および「薬学的に許容し得る塩」は、式(I)の化合物またはその立体異性体と無機および/または有機の酸および塩基とにより形成される酸性塩および/または塩基性塩をいう。塩および薬学的に許容し得る塩は、両性塩(分子内塩)、および第四級アンモニウム塩、たとえばアルキルアンモニウム塩も含む。塩は、単離および精製後に直接得てもよい。さらに、塩は、式(I)の化合物またはその立体異性体、プロドラッグを適切な酸または塩基と混合(たとえば等量)したものから得てもよい。塩は、溶液から沈殿物をろ過することにより、または、溶媒を蒸発させることにより、または、水媒体中での反応後に凍結乾燥させることにより、回収できる。
酸付加塩としては、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩(酢酸、またはたとえばトリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸と形成される塩を含む)、シュウ酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ブチラテット(butyratet)、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、エチレンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、ドデシルスルホン酸塩、アジピン酸塩などが挙げられる。
塩基性塩(たとえば、R置換基のカルボキシまたはフェノキシと形成される塩)としては、アンモニウム;アルカリ金属(たとえば、ナトリウム、リチウム、およびカリウム)、アルカリ土類金属(たとえば、カシウム(cacium)およびマグネシウム)の塩;有機塩基(たとえば有機アミン)と形成される塩(限定されるものではないが、ジベンジルエチレンアイミン(aimine)、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン、N−メチル−D−グルコサミン、テトラブチルアミンが挙げられる);ならびに、アミノ酸、たとえば、アルギニン、リシンと形成される塩などが挙げられる。さらに、塩基性塩としては、窒素を含むアルカリ剤と形成される第四級アンモニウムが挙げられ、限定されるものではないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどがある。追加的な例については、Bergeら、J.Pharm.Sci.、66、1〜19、(1977)を参照のこと。
式(I)の化合物が互変異性体として平衡状態で存在し得る可能性もあり、そのような形態はすべて、本発明の範囲内に包含される。
一態様において、同位体標識された式(I)の化合物が本発明において提供され、式(I)は本明細書で記載したものと同一であるが、実際には、1個以上の原子が、自然に普通に存在するものとは異なる原子質量または質量数を有する別の原子により置きかえられている。式(I)の化合物中に組み込むことができる同位元素の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位元素、たとえば、2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、および36Clが挙げられる。上に挙げた同位元素および/または他の原子の同位元素を含む式(I)の化合物、その立体異性体およびプロドラッグ、ならびに、該化合物、立体異性体、またはプロドラッグの薬学的に許容し得る塩は本発明の範囲内であることを意図している。
一定の同位体標識された式(I)の化合物、たとえば、3Hおよび14Cなどで標識された当該化合物は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて使用できる。その理由は、三重水素(すなわち3H)同位元素および炭素14(すなわち14C)同位元素は、調製が比較的簡単で検出が容易であることから特に好ましいからである。さらに、いくつかの同位元素、たとえば重水素(すなわち2H)は、代謝安定性がより大きいことから一定の治療的利点(たとえば、in vivoでの半減期の長期化、または必要用量の減少)をもたらし得るので、状況によっては好ましいことがある。同位体標識された式(I)の化合物は、一般には、当業者に公知の方法により、たとえば、同位体標識された試薬で同位体標識されていない試薬を置換することにより、調製できる。
発明の使用
本発明の化合物は、エストロゲンレスペクター(respector)ER−α36のための新しい調節因子であり、in vivoおよびin vitroの細胞におけるER−α36の機能を調節することができる。したがって、本発明の式(I)の化合物は、ER−α36を介した疾患、とりわけ腫瘍に関連する疾患の治療および/または予防に使用することができる。
一定の態様において、細胞におけるER−α36の機能を調節する方法が提供される。この方法は、遺伝子工学により、ER−α36を内因性または外因性に発現する細胞に、また、他のエストロゲン受容体(たとえば、ER−α66、ER−α46、およびER−β)を有するまたは有さない細胞に、式(I)の化合物を投与することを含む。一定の一態様において、細胞は、ER−α36を内因性に発現する。好ましい一態様において、細胞は、ER−α36を内因性に発現するがん細胞である。ER−α36を発現する細胞は、限定されるものではないが、乳がん、白血病、肝臓がん、リンパ腫、肺がん、骨髄腫、前立腺がん、卵巣がん、子宮内膜がん(endometrical cancer)、結腸がん、および胃がんの細胞を含んでいる。より好ましい一態様において、ER−α36を発現する細胞は、ER−α36を内因性に発現する、乳がん、白血病、肝臓がん、リンパ腫、子宮内膜がん、および卵巣がんの細胞である。ER−α36を発現する乳がん細胞は、限定されるものではないが、MCF7、MDA−MB−231、およびSKBR−3という細胞を含む。白血病細胞は、限定されるものではないが、K562、MV−4−11、SUM159、HL−60、およびMolt−4という細胞を含む。ER−α36を発現する子宮内膜がん細胞は、限定されるものではないが、Hec1A細胞を含む。ER−α36を発現する肝臓がん細胞は、限定されるものではないが、A2780、BEL7402、BEL7404、HEL−9204、Hep2G、Hep3B、および、患者に由来する初代の肝臓がん幹細胞Hep−12を含む。ER−α36を発現するリンパ腫細胞は、限定されるものではないが、Daudiを含む。内因性のER−α36の発現は、血清、E2β(17β−エストラジオール)、タモキシフェン、およびフルベストラントを含む試薬の処理により、増加させることも減少させることもできる(ICI182,780)。
別の態様において、本発明は、外因性のER−α36を発現する細胞を調製する方法を提供する。この細胞は、当業者に公知の遺伝子工学により調製できる(Sambookなど、Molecular Cloning,A Laboratory Manual(第2版、1989)(Cold Spring Harbor Laboratory)を参照のこと)。簡潔にいえば、外因性のER−α36遺伝子を調製して発現ベクター中に挿入し、次いで宿主細胞にトランスフェクトし、次いでこの宿主細胞を、外因性のER−α36の発現に適用可能な培養培地中で培養する。ヒトER−α36の遺伝子配列は、Biochem.Biophys.Res.Commun.、336、1023〜1027、(2005)、Wangらに開示されている(GenBank登録番号BX640939)。外因性のER−α36を発現する細胞は、内因性のER−α36を発現することができる場合もできない場合もある。細胞におけるER−α36の内因性または外因性の発現レベルは、血清、E2β(17β−エストラジオール)、タモキシフェン、およびフルベストラントを含む試薬の処理により、増加させることも減少させることもできる(ICI182,780)。
それにより、本発明の式(I)の化合物は、ER−α36に関連するがんの予防および/または治療のための医薬の調製に使用でき、そのようながんは、限定されるものではないが、肛門がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、直腸結腸がん(結腸がん、直腸がん)、脳がん、乳がん、カルチノイド、子宮頸がん、内分泌関連のがん、子宮内膜がん、眼がん、胆嚢がん、頭頸部がん、カポジ肉腫がん、腎臓癌、喉頭癌、白血病、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、メラノーマ、中皮腫、骨髄腫、神経内分泌がん、食道がん、卵巣がん、膵臓がん、陰茎がん、前立腺がん、皮膚がん、軟部組織肉腫、脊髄がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、膣がん、外陰がん、または子宮がんを含んでいる。好ましい態様において、ER−α36に関連するがんとしては、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、子宮内膜がん、白血病、肝臓がん、リンパ腫、肺がん、骨髄腫、卵巣がん、前立腺がん、胃がん、膵臓がん、腎臓癌、メラノーマ、甲状腺がん、軟部組織肉腫がん、または子宮がんが挙げられる。より好ましい態様において、ER−α36に関連するがんとしては、乳がん、肝臓がん、リンパ腫、前立腺がん、胃がん、肺がん、結腸がん、膵臓がん、子宮内膜がん、卵巣がん、および白血病が挙げられる。
対象は、哺乳動物、たとえば、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマ、またはヒト、好ましくはヒトであってもよい。本化合物の有効量は、疾患の違いによって変化し、本開示の利益を有する当業者により、容易に確かめられる。
一定の態様において、本発明の化合物は、1つ以上の他の抗がん剤と組み合わせて使用してもよい。適当な抗がん剤としては、限定されるものではないが、アルキル化剤、窒素マスタード、葉酸拮抗薬、プリン拮抗薬、ピリミジン拮抗薬、紡錘体毒、トポイソメラーゼ阻害薬、アポトーシス誘導剤、血管新生阻害薬、ポドフィロトキシン、ニトロソウレア、抗代謝薬、タンパク質合成阻害薬、キナーゼ阻害薬、抗エストロゲン薬、シスプラチン、カルボプラチン、インターフェロン、アスパルギナーゼ(Asparginase)、ロイプロリド、フルタミド、メゲストロール、マイトマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、アドリアマイシン、イイリノテカン(Iirinotecan)、およびタキソールが挙げられる。一態様において、抗がん剤は、抗エストロゲン薬、たとえばタモキシフェンおよびフルベストラント(ICI182,750)である。
本発明の一定の態様において、式(I)の化合物、その立体異性体もしくはプロドラッグ、または、該立体異性体もしくはプロドラッグの薬学的に許容し得る塩は、薬学的に許容し得る担体、ビヒクル、または希釈剤を含む医薬組成物の形態で投与してもよい。それらは、ER−α36に関連する疾患に罹患している対象の予防および/または治療のための医薬に調製できる。
一定の態様において、本発明の組成物は、動物疾患の治療に使用できる。通常の獣医であれば、本化合物を、薬学的に許容し得る調製物、またはその獣医学的に許容し得る塩、または獣医学的に許容し得る溶媒もしくはプロドラッグの形態で投与することができる。獣医は、動物への適切な投与用量および投与方法を決定できる。
活性化合物の組合せを使用する場合、それらは、同時に、または別々に、または逐次的に投与してもよい。
化合物を調製するための方法
式(I)の化合物は、異なる合成法により調製できる。典型的には、調製方法は、以下のように示される。R1、R2、R3、R4、R5、R6は、特に指示のない限り、前述のとおり定義される。
化合物の詳細な調製方法は化合物の構造の違いにより多少変化するということは、当業者には自明である。さらに、以下のように、大半の調製方法においては、従来の保護基(Pとして示す)により不安定な基または活性のある基を保護することが必要である。保護基の特性および保護基を誘導または配置する方法は、当技術分野には公知である(例は、Greene T.W.、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley&Sons、NewYork、1991を参照のこと)。以下のスキーム1〜3および関連する説明は、式(I)の化合物の調製例として記載するものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
式(I)の化合物は、いくつかのステップを通して調製できる。化合物iiiは、ルイス酸の触媒下で化合物iおよびiiからHouben−Hoesch反応(Friedel−Craftsアシル化)を通して調製することができる。この反応のための適用可能なルイス酸は、無水塩化亜鉛、無水塩化アルミニウム、塩化鉄(III)、四塩化チタン、塩化スズ(IV)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート複合体等を含む。この反応は、0℃〜120℃で1〜20時間続くであろう。
化合物vは、不活性溶媒中の、化合物iiiおよび置換された化合物ivから、縮合反応を通して調製できる。この反応に適用可能な不活性溶媒は、たとえば、DME、1,2−ジエトキシエタン、THF、1,4−ジオキサン、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、ピリジン、N−メチル−2−ピロリドンを含む。この反応に適用可能なアルカリは、たとえば、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム(sodium hydride)、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、DBU(1,8−ジアザビシクロ−ジシクロ(5,4,0)−7−ヘンデセン)、ブチルリチウム、LDA(ジイソプロピルリチウム)、LHMDS(リチウムヘキサメチルジシラジド)等を含む。化学量論量または触媒量の相間移動触媒(たとえば、18−クラウン−6、TBAB(臭化テトラブチルアンモニウム)、TBAF(フッ化テトラブチルアンモニウム等)を、反応中に加えることになろう。また、反応温度は約0〜100℃であり、反応時間は1〜20時間である。
化合物viiは、アルカリ条件下で臭化プレニルおよび化合物vから調製できる。この反応に適用可能な溶媒は、たとえば、メタノール、DMF(N,N−ジメチルアセトアミン)、THF(テトラヒドロフラン)、水、トルエン、DME(1,2−ジメトキシエタン)、および溶媒混合物、たとえば、メタノール−水、DMF−水、THF−水等を含む。この反応における好ましい溶媒は、水である。この反応に適用可能なアルカリは、たとえば、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、DBU(1,8−ジアザビシクロ−ジシクロ(5,4,0)−7−ヘンデセン)、ブチルリチウム、LDA(ジイソプロピルリチウム)、LHMDS(リチウムヘキサメチルジシラジド)等を含む。反応温度は、慣例的に約0〜100℃であり、好ましくは、反応時間は1〜20時間である。
化学合成の方法において、重要な2つのステップは、それぞれ、イソペンテニルの誘導およびクロメノンの親環(parent ring)の閉環である。2つのステップの順序は、異なる置換基の特性によって調節できる。したがって、本発明の化合物は、スキーム2を通して調製できる。
スキーム2において、いずれのタイプの反応についての反応条件も、スキーム1の反応条件と同様である。化合物viiiは、アルカリ条件下で化合物iiiおよび臭化プレニルから調製できる。この反応に適用可能な溶媒は、たとえば、メタノール、DMF(N,N−ジメチルアセトアミン)、THF(テトラヒドロフラン)、水、トルエン、DME(1,2−ジメトキシエタン)、および溶媒混合物、たとえば、メタノール−水、DMF−水、THF−水等を含む。この反応における好ましい溶媒は、水である。この反応に適用可能なアルカリは、たとえば、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、DBU(1,8−ジアザビシクロ−ジシクロ(5,4,0)−7−ヘンデセン)、ブチルリチウム、LDA(ジイソプロピルリチウム)、LHMDS(リチウムヘキサメチルジシラジド)等を含む。反応温度は、慣例的に約0〜100℃であり、好ましくは、反応時間は1〜20時間である。
化合物viiは、不活性溶媒中の、化合物viiiおよび置換された塩化アシルivから、縮合反応を通して調製できる。この反応に適用可能な不活性溶媒は、エーテル、たとえば、DME、1,2−ジエトキシエタン、THF、1,4−ジオキサン、DMF、N,N−メチルアセトアミド、ピリジン、N−メチル−2−ピロリドンを含む。この反応は、たとえば水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、DBU(1,8−ジアザビシクロ−ジシクロ(5,4,0)−7−ヘンデセン)、ブチルリチウム、LDA(ジイソプロピルリチウム)、LHMDS(リチウムヘキサメチルジシラジド)等を含むアルカリ条件に適用可能である。化学量論量または触媒量の相間移動触媒、たとえば、18−コウン−6(18-cown-6)、TBAB(臭化テトラブチルアンモニウム)、TBAF(フッ化テトラブチルアンモニウム)等を、この反応において加えることができる。反応温度は、慣例的に約0〜140℃であり、好ましくは、反応時間は、溶媒還流下で1〜20時間である。R1が水素であるとき、式(I)の化合物は、以下のスキーム3により調製することができる。
Pは、スキーム3におけるヒドロキシ基のための保護基である。化合物xiiは、化合物xiの保護基の除去を通して調製できる。除去方法は、異なる保護基によって変化し、このような方法については、主に「protective groups in organic synthesis」(Greene T.W et.、John Wiley&Sons、NewYork、1991)を参照する。好ましい保護基は、ベンジル、ベンゾイル、カルボベンゾオキシ、TBDMS(tertブチルジメチルシリル)、THP(テトラヒドピラン(tetrahydopyrane))、メチル、MOM(メトキシメチル)、PMB(パラメトキシベンジル)等からなる群から選択される。
化合物xiiiは、アルカリ条件下で臭化プレニルを化合物xiiと反応させることにより調製できる。この反応に適用可能な溶媒は、たとえば、メタノール、DMF(N,N−ジメチルアセトアミン)、THF(テトラヒドロフラン)、水、トルエン、DME(1,2−ジメトキシエタン)、および溶媒混合物、たとえば、メタノール−水、DMF−水、テトラヒドロフラン−水等を含む。好ましい溶媒は、この反応においては水である。この反応に適用可能なアルカリは、たとえば、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、DBU(1,8−ジアザビシクロ−ジシクロ(5,4,0)−7−ヘンデセン)、ブチルリチウム、LDA(ジイソプロピルリチウム)、LHMDS(リチウムヘキサメチルジシラジド)等を含む。また、反応温度は約0〜100℃であり、反応時間は1〜20時間である。
[実施例]
本発明を以下の非限定的な例において例証するが、ここでは、特に明記しない限り、室温または周囲温度は、18〜25℃の範囲をいう。溶媒の蒸発は減圧下で回転式蒸発装置を使用して行い、反応は薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニタリングし、反応時間は例証のみのために示した。すべての単離化合物の構造および純度は、以下の手法、すなわち、TLC、質量分析、核磁気共鳴(NMR)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)のうち少なくとも1つにより確定した。収率は、例証目的のみのために示す。
例1
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン(化合物1)
ステップ1: 2−メトキシ−1−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)エタノンの調製
フロログルシノール(35.1g、279mmol)をエチルエーテル(500mL)溶液に溶解し、続いて、塩化亜鉛(8g、59mmol)および2−メトキシアセトニトリル(18g、253mmol)を、氷水浴条件下でこの溶液に加えた。乾燥HClガスを、反応混合物中にバブリングし、5時間激しく撹拌すると、沈殿物が形成された。沈殿物をろ過および回収し、続いて水に溶解して、3時間還流させた。冷却するとピンク色の沈殿物が回収され、所望の白色の化合物は、水で再結晶させた後に得ることができる(45g、収率81%)。1HNMR (400 MHz, DMSO-d6): δ=12.14 (s, 2H), 10.41 (s, 1H), 5.79 (s, 2H), 4.56 (s, 2H), 3.32 (s, 3H).
ステップ2: 2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒオキシ(dihyoxy)−4H−クロメン−4−オンの調製
2−メトキシ−1−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)エタノン(30g、151mmol)および4−トリフルオメチル(trifluomethyl)ベンゾイルクロリド(37.5g、180mmol)を250mLの乾燥ピリジンに溶解した。DUB(53.2g、350mmol)を、室温で溶液中に滴下した。滴下が終了した後、溶液温度を75℃に上げ、終夜撹拌させておいた。2日目、溶液を室温に冷却し、減圧下で大半の溶媒を除去した。溶液の残りを薄い塩酸溶液中に注いだ。この混合溶液を500mLの酢酸エチルで3回にわたって抽出した。抽出物を一緒に合わせ、300mlの2N炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮した。所望の化合物は、石油エーテルと酢酸エチルとの混合物(10:1)で粗生成物を結晶化させた後に得られた(21g、収率40%)。
ステップ3: 2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−クロメン−4−オンの調製
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−4H−クロメン−4−オン(10g、28.3mmol)を、250mlの三つ口フラスコに入った150mLのジクロロメタンに溶解した。三臭化ホウ素(21.2g、84.9mmol)を、0℃でこの溶液中にゆっくり滴下した。その後、溶液を室温に加熱し、4時間反応させてから、化学反応を終結させるために80mLの氷水でクエンチした。この溶液を500mLの酢酸エチルで3回にわたって抽出した。抽出物を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過後、粗生成物を20mLの酢酸エチル/石油(1:10)と混合し、撹拌してから、ろ過および乾燥させた後、黄色の標的化合物が得られた(7g、収率70%)。
ステップ4: 2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン(化合物1)の調製
化合物2−(4−トリフルオメチルフェニル(trifluomethylphenyl))−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−クロム−4−オン(3.38g、10mmol)および炭酸セシウム(33g、100mmol)を100mLの水に溶解し、臭化プレニル(1.9g、10mmol)を、氷水浴条件下でこの溶液中に滴下した。その後、溶液を室温下で終夜保持し、2N塩酸を用いてpHを約6に調整した。溶液を酢酸エチルで2回にわたり抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過後、粗生成物を、シリカゲルカラムを通してエチルアクタート(actate)/石油(1:25)で溶出させた。黄色の標的化合物(508mg、収率12.5%)が得られた。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6): δ=12.20 (s, 1H), 10.87 (brs, 1H), 10.07 (brs, 1H), 8.35 (d, 2H, J=8.1Hz), 7.94 (d, 2H, J=7.7Hz), 6.33 (s, 1H), 5.19 (t, 1H, J=5.4Hz), 3.45 (d, 2H, J=6.0Hz), 1.75 (s, 3H), 1.64 (s, 3H); LC-MS (ESI, m/z): 407.0[M+H]-.
例1の方法を参照して、出発物質である中間体2−メトキシ−1−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)エタノンを、多くの異なる置換された、塩化アルキル、塩化アリール、または塩化ヘテロアリールと反応させることにより化合物2〜化合物8を調製し、化合物の詳細は以下の表1に示したとおりである。
例9
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン(化合物9)
化合物1の中間体2−(4−トリフルオロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−4H−クロム−4−オン(500mg、1.42mmol)および炭酸セシウム(4.95g、15mmol)を25mLの水に溶解し、氷水浴条件下で、臭化プレニル(220mg、1.5mmol)をこの溶液中に滴下した。その後、溶液を室温下で終夜保持してから、2N塩酸を用いてpHを約6に調整した。溶液を酢酸エチルで2回にわたって抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過後、粗生成物を、シリカゲルカラムを通してエチルアクタート/石油で溶出させた。黄色の標的化合物(95mg、収率16.5%)が得られた。
1H NMR(300 MHz, DMSO-d6): δ=12.41 (1H, s), 10.92 (1H, brs), 8.20 (2H, d, J=8.1 Hz), 7.96 (2H, d, J=7.7 Hz), 6.34 (1H, s), 5.15 (1H, t, J=5.4Hz), 3.84 (3H, s), 3.41 (2H, d, J=6.0Hz), 1.68 (3H, s), 1.62 (3H, s); LC-MS (ESI, m/z): 421.1 [M+H]-.
例10
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン(化合物10)
ステップ1: 2−メトキシ−1−[2,4,6−トリヒドロキシ−3−(3−メチルブタ−2−エン)フェニル]エタノンの調製
化合物2−メトキシ−1−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)エタノン(2.0g、10.09mmol)を5%水酸化カリウム(1.132g、20.18mmol)溶液に溶解し、続いて、氷水浴条件下で、臭化プレニル(1.504g、10.09mmol)をこの溶液中にゆっくり滴下させた。この混合物を室温下で2時間反応させてから、氷水中に注いだ。溶液のpHを約2に調整し、酢酸エトル(ethl)で3回にわたって抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過後、粗生成物を、シリカゲルカラムを通して精製した(ジクロロメタン/メタノール(100:1)で溶出させた)。標的化合物(0.5g、収率18.6%)が得られた。
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6): δ=13.70 (s, 1H), 10.70 (s, 1H), 10.33 (9s, 1H), 5.97 (s, 1H), 5.08 (s, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.30 (s, 3H), 3.02 (m, 2H), 1.66 (s, 3H), 1.57 (s, 3H).
ステップ2: 2−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒオキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン(化合物10)の調製
2−メトキシ−1−[2,4,6−トリヒドロキシ−3,5−ジ(3−メチル−2−ブテン−1−イル)フェニル]エタノン(250mg、0.94mmol、無水炭酸カリウム粉末(779mg、5.63mmol)、TBAB(臭化テトラブチルアンモニウム、454mg、1.41mmol)、および3,4−ジフルオロメチルベンゾイルクロリド(331mg、1.88mmol)を30mLのトルエンに溶解し、反応のために6時間還流させた。冷却した後、トルエンを除去し、20mlの水をこの溶液中に加えた。この水溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、飽和NaCl水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム溶液で乾燥させ、次いで、溶媒を除去した後、茶色の残留物が得られた。この残留物を20mlのメタノール−水(比率4:1)混合物に溶解し、水酸化カリウム(1g)を加えた。この混合溶液を加熱し、2時間還流させ、室温に冷却し、1N塩酸を用いてpH=4に酸性化し、ジクロロメタンで3回にわたって抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、溶媒を除去した。所望の化合物は、シリカゲルカラム(溶出剤:酢酸エチル/石油エーテル=1:50)を通して粗生成物を精製した後に得られた(13.1mg、収率3.59%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ=12.45 (s, 1H), 7.98-7.89 (m, 2H), 7.35-7.30 (m, 1H), 6.34 (s, 2H), 5.25 (br, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.55 (d, 2H, J=6.8Hz,2H), 1.84 (s, 3H), 1.77 (s, 3H); LC-MS: 390.1[M+H]+; 純度: 98.6% (254nm).
例9の方法を参照し、単一置換機構を通して、出発材料であるそれぞれの対応する中間体を臭化プレニルと反応させることにより化合物11〜化合物13を調製した。化合物の詳細を、以下の表2のとおり示す。
生物活性についての試験アッセイ
式(I)の化合物の活性は、以下のアッセイにより試験してもよい。
例14:ヒト乳がん標本におけるER−αバリアントの発現
ヒト乳がん組織でプレコートした膜を、ProSci Incorporated(Poway、CA)から購入した。膜は、ER−α36を特異的に認識する抗ER−α36抗体、およびHRPコンジュゲート二次抗体でプロービングし、増強化学発光(ECL)検出試薬(Amersham Pharmacia BiotecH)で可視化した。次いで、同じ膜上のマーカーを溶出させ、ER−αの3つのサブタイプすべて、すなわち、ER−α66、ER−α46、およびER−α36を認識する抗エストロゲン受容体−α抗体H222(Novocastra Laboratories Ltd、UK)で検出した。図1は、ER−α66、ER−α46、およびER−α36は、正常な乳房組織(レーン1)においては発現されないが、浸潤性乳管癌の一方の標本(レーン2)、浸潤性小葉癌(レーン5)の一方の標本、および非侵襲性乳管癌(レーン7)において発現される、ということを示している。加えて、ER−α36は、侵襲性乳管癌(レーン4)、および浸潤性小葉癌のもう一方の標本(レーン6)において発現された。レーン2および3には、それぞれ、2名の異なる患者由来の浸潤性乳管癌が入っていた。レーン5および6には、それぞれ、2名の異なる患者由来の浸潤性小葉癌が入っていた。この結果から、ER−α36は、正常な乳房組織においては発現されないが、ER−α66およびER−α46を発現しないER陰性乳がん試料においては発現される、ということが示される。
例15:ER陰性乳がん細胞株MDA−MB−231において発現されるER−α36
MDA−MB−231細胞株は、ER−α66およびER−α46を欠いていることが周知である(Relevance of breast cancer cell lines as models for breast tumors:an update.、Marc Lacroix、Guy Leclercq、Breast Cancer Research and Treatment、83、249〜289、(2004))。MDA−MB−231細胞は、American Type Culture Collection(ATCC)から入手した。MDA−MB−231細胞を、8%CO2雰囲気下、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)+10%ウシ胎仔血清中の8ウェルBIOCOATチャンバースライド(BD Science Discovery Labware)上で、37℃にて12時間成長させた。次いで、滅菌済のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で細胞を2回洗浄し、PBS(pH7.4)中の4%パラホルムアルデヒドで室温にて30分間固定した。その後、細胞をPBSで洗浄し、0.5%(v/v)Triton X−100で10分間透過処理した。次いで、細胞を再度PBSで洗浄し、PBS中の3%血清で、室温にて1時間ブロッキングした。スライドを、ER−α36特異抗体で、または、ER−α36抗体と特異的に結合する免疫原ペプチドで30分間プレインキュベートした同じ抗体で、室温にて1時間インキュベートし、0.5%Triton X−100を含有するPBS(PBST)で3回洗浄し、次いで、フルオレセインイソチオシアナート(FITC)標識二次抗体でインキュベートした。最後に、スライドを、PBSTで3回、PBSで1回洗浄し、次いで、免疫蛍光標識(Molecular Probes、Eugene、OR)でコーティングし、Nikon E600顕微鏡下で検査し、画像をMRC−1024共焦点画像化システム(Bio−Rad)によりキャプチャーした。図2(上段のパネル)は、MDA−MB−231細胞が抗ER−α36抗体により陽性に染色されたことを示す。この結果の信頼性を証明するために、免疫原ペプチドでプレインキュベートした同じ抗ER−α36抗体を用いた場合の画像はいかなる染色も示さなかった(図2、下段のパネル)が、このことから、抗体の特異性が示された。
例16:ウェスタンブロットによる、異なる腫瘍細胞株におけるER−α36の発現
試料細胞を37℃、5%CO2で培養した(MDA−MB−231であり、培養培地は10%FBS−DMEMである)。細胞は、各ウェル中の細胞が60〜90%コンフルエンスに達するまで収集し、4℃、4300rpmで5分間遠心分離した。溶液の上清を除去し、妥当な溶解液、1%NP−40および0.7mM EDTAを含む溶解緩衝液、およびプロテアーゼ阻害薬を加え、溶液中の細胞を、氷浴中で30分間〜1時間、溶解させておいた。溶液を14000rpmで15分間遠心分離し、タンパク質でクォーティファイ(quartified)するために上清を回収した。ウェスタンブロットの一般的な手順は以下に示したとおりである:既製の接着剤または混合されたグール(gule)上での膜貫通、電気泳動、抗ER−α36抗体のブロッキング、溶出、二次抗体のブロッキング、溶出、写真実験室において露出の発現(exprssing exposure)、および結果の提示。図3は、異なる腫瘍細胞におけるER−α発現のウェスタンブロットの結果を示す。
レーン1:ER−α36が一過性に発現している293ヒト腎上皮細胞株、レーン2〜4:異なる研究室由来のヒト乳がんのSK−BR−3細胞株、レーン5〜7:異なる研究室由来のヒト乳がんのMCF−7細胞株、レーン8〜9:異なる研究室由来のヒト白血病のHL−60細胞株、レーン10〜11:異なる研究室由来のヒト白血病のMV−4−11細胞株、レーン12〜13:異なる研究室由来のヒト慢性骨髄性白血病のK562細胞株、レーン14:肝臓がんのA2780細胞株、レーン15:肝臓がんのHEL−7402細胞株、レーン16:肝臓がんのHEL−9204細胞がん(cell cancer)、レーン17:患者由来の肝臓がんのHep−11初代細胞株、レーン18:患者由来の肝臓がんのHep−12初代細胞株。
例17:異なる乳がん細胞のin vitroでの成長を阻害する化合物
A:in vitroでのER陰性乳がんMDA−MB−231に対するCellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay:
MDA−MB−231細胞を、DMEM+10%ウシ胎仔血清中で、37℃、5%CO2雰囲下にて維持した。細胞は、96ウェルプレート中に1ウェル当たり6×103細胞の密度で入れた。MDA−MB−231細胞を、0、0.3μM、0.5μM、1μM、2μM、3μM、5μM、10μM、20μM、30μM、50μM、および100μMの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。処理した細胞を、CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assayキット(Promega)下で検査し、発光をEnvisionで記録した。
B:in vitroでのER陽性乳がんMCF−7細胞に対するCellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay:
MCF7細胞株は、ER−66、ER−46、およびER−36を強く発現する乳がん細胞株である(Relevance of breast cancer cell lines as models for breast tumours:an update.、Marc Lacroix、Guy Leclercq、Breast Cancer Research and Treatment、(2004)、83、249〜289;Wangら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、103、9063〜9068、(2006))。ATCC由来のMCF7細胞を、37、5%CO2雰囲下にて、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)+10%ウシ胎仔血清中で維持した。細胞は、96ウェルプレート中に、1ウェル当たり6×103細胞の密度で入れた。MCF7細胞を、0、0.3μM、0.5μM、1μM、2μM、3μM、5μM、10μM、20μM、30μM、50μM、および100μMの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。処理した細胞を、CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assayキット(Promega)によって検査し、発光をEnvisionで記録した。
表3は、本発明のいくつかの化合物による作用を受けた異なる乳がん細胞の生存能を示す。
例18:本化合物によるin vitroでの慢性白血病細胞の成長の阻害
A:in vitroでのCellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Assayによる、慢性白血病細胞K562の生存能の検出
ATCC由来の慢性白血病細胞K562を、37℃、5%CO2雰囲気下にて、IMDM+10%ウシ胎仔血清中で維持した。細胞は、6×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシード(subseed)した。K562細胞を、0、0.3μM、0.5μM、1μM、2μM、3μM、5μM、10μM、20μM、30μM、50μM、および100μMの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。処理した細胞は、CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assayキット(Promega)により検査し、発光をEnvisionで記録した。
例19:本化合物によるin vitroでのヒトBリンパ腫Daudi細胞の成長の阻害
A:in vitroでのCellTiter−Glo(登録商標)発光アッセイによる、ヒトBリンパ腫Daudi細胞の阻害
ATCC由来のヒトBリンパ腫Daudi細胞を、37℃、5%CO2雰囲気下にて、IMDM+10%ウシ胎仔血清中で維持した。細胞は、6×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシードした。ヒトBリンパ腫Daudi細胞を、0、0.3μM、0.5μM、1μM、2μM、3μM、5μM、10μM、20μM、30μM、50μM、および100μMの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。処理した細胞は、CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assayキット(Promega)により検査し、発光をEnvisionで記録した。
表4は、本発明のいくつかの化合物による作用を受けた慢性白血病細胞K562およびヒトBリンパ腫Daudi細胞の生存能を示す。
例20:本化合物によるin vitroでの急性白血病細胞の成長の阻害
A:MTT法により検出された、本化合物による急性骨髄芽球性白血病HL−60細胞の成長の阻害
ATCC由来の急性骨髄芽球性白血病HL−60細胞を、37℃、5%CO2雰囲気下にて、IMDM+10%ウシ胎仔血清中で維持した。細胞は、6×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシードした。HL−60細胞を、0、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8Mの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。OD値をMTT法により調べ、阻害率を計算した。
B:MTT法により検出された、本化合物による急性リンパ芽球性白血病Molt−4細胞の成長の阻害
ATCC由来の急性リンパ芽球性白血病Molt−4細胞を、37℃、5%CO2雰囲気下にて、RPMI−1640+10%ウシ胎仔血清中で維持した。細胞は、6×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシードし、RPMI−1640+10%ウシ胎仔血清を37℃、5%CO2雰囲気下で維持した。Molt−4細胞を、0、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8Mの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。OD値をMTT法により調べ、阻害率を計算した。
本発明のいくつかの化合物による作用を受けた異なる白血病細胞の生存能を、以下の表5に掲載した。
例21:本化合物によるin vitroでの肝臓がん細胞の阻害
A:SRBにより検出された、本化合物によるin vitroでの肝臓がん細胞BEL−7402の阻害
ATCC由来の肝臓がんHL−60細胞を、37℃、5%CO2雰囲気下にて、DMDM+10%NCS+50μg/mlのKANA中で維持し、6×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシードした。BEL−7402細胞を、0、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8Mの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。OD値をSRB法により調べ、阻害百分率を計算した。
本発明のいくつかの化合物による肝臓がん細胞の阻害を、以下の表6に掲載した。
例22:本化合物によるin vitroでの胃がん細胞の阻害
A:本化合物によるin vitroでの胃がん細胞BGC−823の阻害(MTT法による)
胃がんBGC−823細胞を、3×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシードし、37℃、5%CO2雰囲気下にて、2.5%CS−FBSを含有するフェノールレッド不含DMEM培地中で維持した。BGC−823細胞を、0、1、2、4、8、10、および20μMの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。OD値をMTT法により調べ、阻害百分率を計算した。結果を図4に示す。
例23:本化合物によるin vitroでの肺がん細胞の阻害
A:本化合物によるin vitroでの肺がん細胞H460の阻害(MTT法による)
肺がんH460細胞を、4.0×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシードし、37℃、5%CO2雰囲気下にて、2.5%CS−FBSを含有するフェノールレッド不含培地中で維持した。H460細胞を、0、1、2、4、8、10、および20μMの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。OD値をMTT法により調べ、阻害百分率を計算した。結果を図5に示す。
例24:本化合物によるin vitroでの肺がん細胞の阻害
A:本化合物によるin vitroでの結腸がん細胞LS174Tの阻害(MTT法による)
結腸がんLS174T細胞を、4.5×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシードし、37℃、5%CO2雰囲気下にて、2.5%CS−FBSを含有するフェノールレッド不含1640培地中で維持した。LS174T細胞を、0、1、2、4、8、10、および20μMの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。OD値をMTT法により調べ、阻害百分率を計算した。結果を図6に示す。
例25:本化合物によるin vitroでの膵臓がん細胞の阻害
A:本化合物によるin vitroでの膵臓がん細胞PANC−1の阻害(MTT法による)
膵臓がんPANC−1細胞を、3×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシードし、37℃、5%CO2雰囲気下にて、2.5%CS−FBSを含有するフェノールレッド不含1640培地中で維持した。PANC−1細胞を、0、1、2、4、8、10、および20μMの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。OD値をMTT法により調べ、阻害百分率を計算した。結果を図7に示す。
例26:本化合物によるin vitroでの前立腺がん細胞の阻害
A:本化合物によるin vitroでの前立腺がん細胞PC−3の阻害(MTT法による)
膵臓がんPC−3細胞を、3×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシードし、10%F12Kウシ胎仔血清を含有する培地中で維持した。PC−3細胞を、0、1、2、4、8、10、および20μMの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。OD値をMTT法により調べ、阻害百分率を計算した。結果を図8に示す。
in vivoアッセイ:
例27:本化合物による、ヌードマウスを用いたヒト乳がんBCAP−37細胞異種移植片腫瘍の成長の阻害
乳がん異種移植片を有するヌードマウスに試験化合物を処置して、腫瘍成長の阻害に及ぼすその効果を試験した。腫瘍組織は、BCAP−37乳がん担腫瘍ヌードマウスから採取し、切って小片とした。腫瘍組織数片を、雌性ヌードマウスの右前肢下の腋窩中に移植した。移植後、マウスにE2β溶液を、マウス1匹当たり7μgの用量で1日1回6日間摂取させて、実験マウスにおける腫瘍の成長を刺激した。7日目から、マウスに、本化合物とコーン油とを含有する試験溶液を35mg/kgの用量で胃内投与した。陽性対照としてタモキシフェンを使用した。陰性対照としてコーン油を使用した。試験溶液は、試験化合物をコーン油溶液に分散させることにより調製した。(20mg/mL)。マウスには、試験溶液およびタモキシフェンを35mg/kgの用量で、またはコーン油を、1日1回15日間与えた。次いで、マウスを屠殺し、腫瘍組織を切除して計量した。腫瘍成長阻害率は、次式:腫瘍成長阻害率=(陰性対照における腫瘍の平均重量−試験化合物で処置した腫瘍の平均重量)/陰性対照における腫瘍の平均重量を用いて計算した百分率であった。結果は、棒グラフとして描き、図9に掲載した。
例28:本化合物による、ヌードマウスにおけるヒトB細胞リンパ腫Daudi異種移植片腫瘍の成長の阻害
ヒトB細胞リンパ腫Daudi異種移植片腫瘍を有するヌードマウスに試験化合物を処置して、腫瘍成長の阻害に及ぼすその効果を試験した。ヒトB細胞リンパ腫は、ATCC由来のものであった。5継代後の、1×107細胞+0.2mLのMatrigelを、雌性ヌードマウスの右前肢下の腋窩中に移植した。ヌードマウスの腫瘍が150〜200mm3に達した時点で、担腫瘍ヌードマウスをランダムに群化した。1群に10匹ずつのヌードマウスが属する。混合油の胃内投与を陰性対照とし、リツキシマブの静脈内投与を陽性対照とした。試験化合物を混合油に溶解した。投与期間は連続21日であり、試験化合物を加えた混合油懸濁液(35mg/kg)を、陽性群のヌードマウスに1日1回投与した。リツキシマブ(20mg/kg)を、陽性対照群に週に2回注射した。混合油の陰性群には、毎日胃内投与した。投与期間中、腫瘍体積およびヌードマウスの体重を週に2回測定した。腫瘍成長の図を腫瘍体積および投与時点を基準に描き(図10)、それにより、腫瘍の成長に及ぼす本化合物の効果を推定することができた。
例29:本化合物によるヒト子宮内膜がんIshikawa細胞異種移植片の成長の阻害
ヒト子宮内膜がんIshikawa細胞異種移植片腫瘍を有するヌードマウスを試験化合物で処置して、腫瘍成長の阻害に及ぼすその効果を試験した。腫瘍は、Ishikawa細胞を有するヌードマウスから採取し、切って小片とした。腫瘍の小片を雌性ヌードマウスの右前肢下の腋窩中に移植した。移植後、マウスにE2β溶液を、マウス1匹当たり7μgの用量で1日1回6日間注射して、実験マウスにおける成長を刺激した。7日目から、マウスに、試験化合物とコーン油とを含有する溶液を35mg/kgの用量で胃内投与した。陽性対照として酢酸メドロキシプロゲステロンを使用した。陰性対照として混合油を使用した。試験化合物を混合油(20mg/mL)中に分散させた。マウスには、試験化合物、酢酸メドロキシプロゲステロン、および混合油を、35mg/kgの用量で15〜21日間、それぞれ投与した。次いで、マウスを屠殺し、腫瘍組織を切除して計量した。腫瘍成長阻害率は、次式:腫瘍成長阻害率=(陰性対照における腫瘍の平均重量−試験化合物で処置した腫瘍の平均重量)/陰性対照における腫瘍の平均重量を用いて計算した百分率であった。結果は、棒グラフとして描いてあるので、図11を参照のこと。
式中、
1は、水素、(C1〜6)アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜6)アルキルからなる群から選択され、
2、R3、R4、R5、およびR6は、水素、(C1〜4)アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルキル、ハロゲン、シアノ、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜C 4 )アルコキシからなる群から独立に選択され、R2、R3、R4、R5、およびR6が同時に水素であることはなく、
1がメチルでありR3およびR5が水素であるとき、R4は塩素ではない。
特に好ましい式(I)の化合物は、限定されるものではないが以下の化合物:
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−フルオロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3,4−ジクロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−ブロモフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン
を含んでいる。
式(IV)の化合物
[式中、
1 は、水素、(C 1〜6 )アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜6 )アルキルからなる群から選択され、
2 、R 3 、R 4 、R 5 、およびR 6 は、水素、(C 1〜4 )アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜4 )アルキル、ハロゲン、シアノ、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜4 )アルコキシからなる群から独立に選択され、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、およびR 6 が同時に水素であることはなく、
1 がメチルでありR 3 およびR 5 が水素であるとき、R 4 は塩素ではない]。
化合物(IV)は、化合物(I)の中間体である。
例21:本化合物によるin vitroでの肝臓がん細胞の阻害
A:SRBにより検出された、本化合物によるin vitroでの肝臓がん細胞BEL−7402の阻害
ATCC由来の肝臓がんBEL−7402細胞を、37℃、5%CO2雰囲気下にて、DMDM+10%NCS+50μg/mlのKANA中で維持し、6×103細胞/ウェルの濃度で96ウェル培養プレート中にサブシードした。BEL−7402細胞を、0、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8Mの濃度にてDMSOに溶解した試験化合物で72時間処理した。OD値をSRB法により調べ、阻害百分率を計算した。
例29:本化合物によるヒト子宮内膜がんIshikawa細胞異種移植片の成長の阻害
ヒト子宮内膜がんIshikawa細胞異種移植片腫瘍を有するヌードマウスを試験化合物で処置して、腫瘍成長の阻害に及ぼすその効果を試験した。腫瘍は、Ishikawa細胞を有するヌードマウスから採取し、切って小片とした。腫瘍の小片を雌性ヌードマウスの右前肢下の腋窩中に移植した。移植後、マウスにE2β溶液を、マウス1匹当たり7μgの用量で1日1回6日間注射して、実験マウスにおける成長を刺激した。7日目から、マウスに、試験化合物とコーン油とを含有する溶液を35mg/kgの用量で胃内投与した。陽性対照として酢酸メドロキシプロゲステロンを使用した。陰性対照として混合油を使用した。試験化合物を混合油(20mg/mL)中に分散させた。マウスには、試験化合物、酢酸メドロキシプロゲステロン、および混合油を、35mg/kgの用量で15〜21日間、それぞれ投与した。次いで、マウスを屠殺し、腫瘍組織を切除して計量した。腫瘍成長阻害率は、次式:腫瘍成長阻害率=(陰性対照における腫瘍の平均重量−試験化合物で処置した腫瘍の平均重量)/陰性対照における腫瘍の平均重量を用いて計算した百分率であった。結果は、棒グラフとして描いてあるので、図11を参照のこと。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
式(I)の化合物
[式中、
1 は、水素、(C 1〜6 )アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜6 )アルキルからなる群から選択され、
2 、R 3 、R 4 、R 5 、およびR 6 は、水素、(C 1〜4 )アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜4 )アルキル、ハロゲン、シアノ、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜4 )アルコキシからなる群から独立に選択され、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、およびR 6 が同時に水素であることはなく、
1 がメチルでありR 3 およびR 5 が水素であるとき、R 4 は塩素ではない]、
または、その薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
[2]
請求項1に記載の式(I)の化合物
[式中、R 1 は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、およびジフルオロメチルからなる群から選択され、
2 、R 3 、R 4 、R 5 、およびR 6 は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ハロゲン、シアノ、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜4 )アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜4 )アルコキシからなる群から独立に選択され、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、およびR 6 が同時に水素であることはなく、
1 がメチルでありR 3 およびR 5 が水素であるとき、R 4 は塩素ではない]、
またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
[3]
1 が水素であるとき、その構造が、式(II)
[式中、
2 、R 3 、R 4 、R 5 、およびR 6 は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ハロゲン、シアノ、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜4 )アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜6 )アルコキシからなる群から独立に選択され、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、およびR 6 が同時に水素であることはない]
のとおりである、[2]に記載の化合物。
[4]
1 がメチルであるとき、前記構造が式(III)
[式中、
2 、R 3 、R 4 、R 5 、およびR 6 は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ハロゲン、シアノ、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜4 )アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C 1〜6 )アルコキシからなる群から独立に選択され、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、およびR 6 が同時に水素であることはなく、
3 およびR 5 が水素であるとき、R 4 は塩素ではない]
のとおりである、[2]に記載の化合物。
[5]
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−フルオロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3,4−ジクロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−ブロモフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
2−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン
からなる群から選択される、[1]〜[4]に記載の化合物。
[6]
治療上有効な量の、[1]〜[5]に記載の、化合物、薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、またはプロドラッグを、1つ以上の薬学的に許容し得る賦形剤と組み合わせて含む、組成物。
[7]
ER−α36に関連するがんの予防または治療のための医薬の調製における、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用。
[8]
前記がんが、胆管細胞がん、膀胱がん、骨がん、直腸結腸がん(結腸がん、直腸結腸がん)、脳がん、乳がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、カポジ肉腫がん、腎臓がん、喉頭癌(laryngocarcinoma)、白血病、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、メラノーマ、腹膜中皮腫、骨髄腫、神経内分泌がん、食道がん、卵巣がん、膵臓がん、パニル(panile)がん、前立腺がん、皮膚がん、軟部組織肉腫がん、脊髄がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、および子宮がんからなる群から選択される、[7]に記載の使用。
[9]
前記がんが、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、子宮内膜がん、白血病、肝臓がん、リンパ腫、肺がん、骨髄腫、卵巣がん、前立腺がん、胃がん、膵臓がん、腎臓がん、メラノーマ、甲状腺がん、軟部組織肉腫がん、および子宮がんからなる群から選択される、[8]に記載の使用。
[10]
前記がんが、乳がん、肝臓がん、肺がん、結腸がん(colon cance)、膵臓がん、子宮内膜がん(endometrical cancer)、卵巣がん、および白血病からなる群から選択される、[9]に記載の使用。

Claims (10)

  1. 式(I)の化合物
    [式中、
    1は、水素、(C1〜6)アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜6)アルキルからなる群から選択され、
    2、R3、R4、R5、およびR6は、水素、(C1〜4)アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルキル、ハロゲン、シアノ、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルコキシからなる群から独立に選択され、R2、R3、R4、R5、およびR6が同時に水素であることはなく、
    1がメチルでありR3およびR5が水素であるとき、R4は塩素ではない]、
    または、その薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  2. 請求項1に記載の式(I)の化合物
    [式中、R1は、水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、およびジフルオロメチルからなる群から選択され、
    2、R3、R4、R5、およびR6は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ハロゲン、シアノ、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルコキシからなる群から独立に選択され、R2、R3、R4、R5、およびR6が同時に水素であることはなく、
    1がメチルでありR3およびR5が水素であるとき、R4は塩素ではない]、
    またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ。
  3. 1が水素であるとき、その構造が、式(II)
    [式中、
    2、R3、R4、R5、およびR6は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ハロゲン、シアノ、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜6)アルコキシからなる群から独立に選択され、R2、R3、R4、R5、およびR6が同時に水素であることはない]
    のとおりである、請求項2に記載の化合物。
  4. 1がメチルであるとき、前記構造が式(III)
    [式中、
    2、R3、R4、R5、およびR6は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ハロゲン、シアノ、1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜4)アルキル、および1個以上のハロゲン原子で置換されている(C1〜6)アルコキシからなる群から独立に選択され、R2、R3、R4、R5、およびR6が同時に水素であることはなく、
    3およびR5が水素であるとき、R4は塩素ではない]
    のとおりである、請求項2に記載の化合物。
  5. 2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(4−フルオロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(3−フルオロ−4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(3,4−ジクロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(4−ブロモフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン;
    2−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−5,7−ジヒドロキシ−8−(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−4H−クロメン−4−オン
    からなる群から選択される、請求項1〜4に記載の化合物。
  6. 治療上有効な量の、請求項1〜5に記載の、化合物、薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、またはプロドラッグを、1つ以上の薬学的に許容し得る賦形剤と組み合わせて含む、組成物。
  7. ER−α36に関連するがんの予防または治療のための医薬の調製における、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの使用。
  8. 前記がんが、胆管細胞がん、膀胱がん、骨がん、直腸結腸がん(結腸がん、直腸結腸がん)、脳がん、乳がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、カポジ肉腫がん、腎臓がん、喉頭癌(laryngocarcinoma)、白血病、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、メラノーマ、腹膜中皮腫、骨髄腫、神経内分泌がん、食道がん、卵巣がん、膵臓がん、パニル(panile)がん、前立腺がん、皮膚がん、軟部組織肉腫がん、脊髄がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、および子宮がんからなる群から選択される、請求項7に記載の使用。
  9. 前記がんが、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、子宮内膜がん、白血病、肝臓がん、リンパ腫、肺がん、骨髄腫、卵巣がん、前立腺がん、胃がん、膵臓がん、腎臓がん、メラノーマ、甲状腺がん、軟部組織肉腫がん、および子宮がんからなる群から選択される、請求項8に記載の使用。
  10. 前記がんが、乳がん、肝臓がん、肺がん、結腸がん(colon cance)、膵臓がん、子宮内膜がん(endometrical cancer)、卵巣がん、および白血病からなる群から選択される、請求項9に記載の使用。
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