JP2015501688A - 流体薬剤の用量を調節する方法および医療用デバイス - Google Patents

流体薬剤の用量を調節する方法および医療用デバイス Download PDF

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Abstract

本発明は、医療用デバイスから少なくとも1つの流体薬剤を送達する方法に関する。本発明はまた、医療用デバイスに関する。用量精度を改善するという技術的問題は、第1の流体薬剤を収容した第1のリザーバと、流体を収容した第2のリザーバと、前記第1のリザーバおよび前記第2のリザーバに接続された流体素子とを備える医療用デバイスから、少なくとも1つの流体薬剤を送達する方法によって解決される。方法は、放出すべき第1の流体薬剤の所望の用量に関する情報を受信する工程と、前記流体素子の内容物に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のリザーバから放出される前記用量を調節する工程と、調節された前記用量を前記第1のリザーバから前記流体素子を通して放出する工程とを含む。技術的問題は、方法にしたがって働くように構成された医療用デバイスによってさらに解決される。

Description

本発明は、医療用デバイスから少なくとも1つの流体薬剤を送達する方法に関する。本発明はまた、医療用デバイスに関する。特に、本発明は、少なくとも2つの薬作用物質を別個のリザーバから送達するための方法および医療用デバイスに関する。かかる薬作用物質は、第1および第2の薬剤を含んでもよい。医療用デバイスは、薬作用物質を自動的に、またはユーザによって手動で送達するための、用量設定メカニズムを含む。
医療用デバイスは、注射器、たとえば手持ち型の注射器、特にペン型注射器、すなわち、医薬品を1つまたはそれ以上の複数回用量カートリッジから注射することによって投与する種類の注射器であり得る。特に、本発明は、ユーザが用量を設定することができる注射器に関する。
薬作用物質は、独立した薬作用物質(単一の薬物化合物)または予混合した薬作用物質(共製剤した(co-formulated)複数の薬物化合物)をそれぞれ収容した、2つ以上の複数回用量リザーバ、容器、またはパッケージに収容されてもよい。
特定の疾病状態は、1つまたはそれ以上の異なる薬剤を使用する治療を要する。薬物化合物によっては、最適な治療用量を送達するために、互いに特定の関係で送達する必要がある。本特許出願は、併用療法が望ましい場合であって、ただし、安定性、治療効果の低下、および毒性などであるがそれらに限定されない理由から、単一の製剤では不可能である場合に特に有効である。
たとえば、場合によっては、GLP−1またはGLP−1類似体(第2の薬物または二次薬剤とも呼ばれることがある)などのグルカゴン様ペプチド1と併せて、長時間作用型インスリン(第1のまたは一次薬剤とも呼ばれることがある)を用いて、糖尿病患者を治療するのに有益なことがある。
したがって、薬物送達デバイスの複雑な物理的操作を伴うことなくユーザが簡単に行える、単一の注射または送達工程で2つ以上の薬剤を送達するためのデバイスを提供することが求められている。提案される薬物送達デバイスは、2つ以上の活性薬作用物質に対して別個の貯蔵容器またはカートリッジ保持器を提供する。次に、これらの活性薬作用物質は、単一の送達手順の間に組み合わされ、かつ/または患者に送達される。これらの活性作用物質は組合せ用量で共に投与されてもよく、あるいは、これらの活性作用物質は、連続的な形で次々に組み合わされてもよい。
薬物送達デバイスはまた、薬剤の量を変動させる機会を可能にする。たとえば、ある流体の量を、注射デバイスの性質を変更する(たとえば、ユーザ可変の用量を設定する、またはデバイスの「固定」用量を変更する)ことによって変動させることができる。第2の薬剤の量は、各可変要素が異なる体積および/または濃度の第2の活性作用物質を収容する、様々な補助薬物収容パッケージを製造することによって変更することができる。
薬物送達デバイスは単一の投薬インターフェースを有してもよい。このインターフェースは、少なくとも1つの薬作用物質を収容する、薬剤の一次リザーバおよび二次リザーバと流体連通するように構成されてもよい。薬物投薬インターフェースは、2つ以上の薬剤がシステムを出て、患者に送達されることを可能にする、一種の出口であることができる。
別個のリザーバからの化合物の組合せは、両頭針アセンブリを介して身体に送達することができる。これは、ユーザの観点からすると、標準的な針アセンブリを使用する現在利用可能な注射デバイスに厳密に適合する形で薬物送達を実現する、組合せ薬物注射システムを提供する。1つの可能な送達手順は次の工程を伴ってもよい:
1.投薬インターフェースを電気機械的注射デバイスの遠位端に付着させる。投薬インターフェースは、第1および第2の近位針を備える。第1および第2の針はそれぞれ、一次化合物を収容した第1のリザーバおよび二次化合物を収容した第2のリザーバを穿孔する。
2.両頭針アセンブリなどの用量ディスペンサを投薬インターフェースの遠位端に付着させる。このようにして、針アセンブリの近位端は一次化合物および二次化合物の両方と流体連通している。
3.たとえば、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を介して、注射デバイスからの一次化合物の所望の用量をダイヤル・アップ/設定する。
4.ユーザが一次化合物の用量を設定した後、マイクロプロセッサ制御の制御部は、二次化合物の用量を決定または計算してもよく、好ましくは、以前に格納した治療用量プロファイルに基づいてこの第2の用量を決定または計算してもよい。この計算された薬剤の組合せは、次に、ユーザによって注射される。治療用量プロファイルはユーザ選択可能であってもよい。あるいは、ユーザは、二次化合物の所望の用量をダイヤルまたは設定することができる。
5.場合により、第2の用量が設定された後、デバイスは準備済みの状態(armed condition)におかれてもよい。任意の準備済みの状態は、制御パネル上の「OK」または「準備(Arm)」ボタンを押し、かつ/または保持することによって実現されてもよい。準備済みの状態は、組合せ用量を投薬するのにデバイスを使用することができる、所定の期間にわたって提供されてもよい。
6.次に、ユーザは、用量ディスペンサ(たとえば、両頭針アセンブリ)の遠位端を所望の注射部位に挿入または適用する。一次化合物および二次化合物(ならびに潜在的に第3の薬剤)の組合せの用量は、注射ユーザ・インターフェース(たとえば、注射ボタン)を起動することによって投与される。
両方の薬剤は、1つの注射針または用量ディスペンサを介して、および1つの注射工程で送達されてもよい。このことは、2つの別個の注射液を投与するのに比べてユーザ工程が低減されるという点で、便利な利益をユーザにもたらす。
上述したように、異なるリザーバ、特に第1および第2のリザーバは、2つの薬剤の流路を組み合わせ、最終的に共通の出口を介して異なる薬剤または薬作用物質を投薬するために、通常、流体チャネル、弁、および流体チャンバなどの流体素子によって接続される。これは特に望ましいが、その理由として、薬剤が針を介してユーザの皮下に注射される場合、1つを超える薬剤または薬作用物質を注射することができるために単一の針のみが必要である。
一方では、投薬された薬剤または流体のうちある量が、リザーバに付着された流体素子中に残ってしまうことは事実上不可避であり、そのことが薬剤の浪費をもたらすことがある。他方では、流体素子に流体が充填されたままにすることで、たとえば、空気がユーザの皮膚内へと分配されることが回避されるはずなので、それが望ましいことがある。しかし、システムを完全に洗い流し、所定の状態に流体的に設定するのに十分な量をユーザがプライミング(prime)しない限り、流体素子内に残っている薬剤は、薬剤の所望の投薬量の精度に悪影響を及ぼす。当然ながら、リザーバと実際の注射部位との間における流体素子の容積を低減することが可能であるが、たとえば設計によって規定される限界がある。
また、一方または他方の薬剤を用いて流体素子を洗い流すかまたはすすぐことが可能であってもよいが、このことによって薬剤の望ましくない浪費がもたらされる。
上記に照らして、本発明は、用量精度を改善するという技術的問題に直面している。
技術的問題は、第1の流体薬剤を収容した第1のリザーバと、流体を収容した第2のリザーバと、前記第1のリザーバおよび前記第2のリザーバに接続された流体素子とを備える医療用デバイスから、少なくとも1つの流体薬剤を送達する方法によって解決される。方法は、放出すべき前記第1の流体薬剤の所望の用量に関する情報を受信する工程と、流体素子の内容物に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のリザーバから放出される前記用量を調節する工程と、調節された用量を第1のリザーバから流体素子を通して放出する工程とを含む。それに加えて、たとえば第1の流体薬剤の用量を放出した後に、前記第2のリザーバからの前記流体の補助的用量を放出することができる。前記流体の補助的用量は固定用量であってもよく、または前記流体の補助的用量は同様に調節されてもよい。前記流体の前記補助的用量の調節は、第1の薬剤の用量を調節する際と同じ情報に、すなわち流体素子の内容物に関する情報に、少なくとも部分的に基づいていてもよい。用量の調節は、放出プロセスの前またはその間に行うことができる。
流体素子の内容物に関する情報に基づいて放出される用量を調節することによって、流体素子中の残りの流体薬剤について送達プロセス中に考慮して、結果としてより高い用量精度をもたらすことができる。さらに、流体素子のすすぎまたは洗い流しが不要なことで、医療用デバイスが方法を行う際の薬剤および電力が削減される。後者は、特に、電力量が制限される可搬型のデバイスの場合に、または特に高価な製剤の場合に有利である。
ユーザまたはデバイスが送達しようとする用量は、ユーザによって手動で設定されるか、またはたとえばデバイスによって提供または計算することができる。所望の用量に関する情報は、投与すべき薬物の量の基準に関連する特定の単位数など、特定の命令であってもよい。調節がない場合、適正な量の薬剤が1つまたはそれ以上のリザーバから放出されるとしても、用量がその中に、およびそこを通して放出される流体素子の内容物の影響により、最終的にユーザに送達される実際の投薬量は放出された量とは異なってしまう。調節によってこの影響は相殺される。
調節は、好ましくは、たとえば、制御部などの論理部、マイクロプロセッサ、またはその他の実行用ソフトウェアによって行われる。送達される所望の用量は、ユーザによって入力することができ、それが次に、制御部などの応答部によって受信されてもよい。その結果、第1および/または第2のリザーバの薬剤の合致する量が放出される前に、流体素子の内容物に関する情報が考慮に入れられ、必要であれば、適正量または調節された用量が第1および/または第2のリザーバから放出される。
放出は、ばねなどの機械的手段を介して、または、たとえば調節された用量をそれに対応する栓の機械的移動に変換する電気機械的デバイスによって行われてもよい。
流体素子の内容物に関する情報は、たとえば、内容物の組成、または流体素子内の単一の構成要素の分配もしくは均質性、または流体のさらなる性質を意味するものと理解される。この内容物は、たとえばセンサによって測定されてもよいが、好ましくは、特定の変数、または1つもしくはそれ以上の過去の投薬量など、デバイスの履歴に基づいて、計算または推定される。
流体素子という用語は、流体システムの任意の種類の一般的な素子を意味するものと理解される。かかる流体素子は、たとえば、流体チャネル、導管、チューブ、弁もしくは弁システム、または弁の前もしくは後に形成する異なるタイプの流体チャンバを含んでもよい。
第2のリザーバ内の流体は、第1の流体薬剤を希釈するのに使用されてもよい。しかし、第2のリザーバ内の流体は第2の薬剤も含んでもよい。第1および第2の薬剤は好ましくは異なる。それは、それらが活性作用物質の点で異なってもよく、またはたとえば、異なる濃度で同じ活性作用物質を含んでもよいことを意味する。
第1および第2の薬剤が、特に次々に投与されるのが、一方の薬剤の用量を減少させるとともに他方の薬剤の用量を増加させた場合に、放出される用量を調節するために特に有利なことがある。
前記流体素子の前記内容物に関する情報は、第1のリザーバおよび/または第2のリザーバからの過去の放出に少なくとも部分的に基づいてもよい。
過去の放出、または1つもしくはそれ以上の過去の放出に関する情報が使用される場合、ほとんど労力を要さずに、1つまたはそれ以上の流体素子の内容物の良好な近似を提供することができる。この近似は、たとえば、計算によって提供することができ、または、流体素子の内容物に関する関連情報を過去の放出と直接関連付ける、ルックアップ・テーブルの形態の格納データによって提供することができる。第1のリザーバおよび/または第2のリザーバからの過去の放出は、特に、ユーザに対する過去の薬物送達による。
特に、直前の放出は流体素子の内容物に対する大きな影響を有する。したがって、多くの場合、直前の放出のみを考慮するのが十分なことがある。このようにして複雑な計算を回避することができる。
この目的のために、過去の送達または放出に関する情報を、たとえばメモリ部に保存することができる。しかし、流体素子の決定された内容物に関する関連情報を、過去の送達に関する情報の代わりに、またはそれと共に保存することも可能である。
流体素子の内容物に関する情報を決定するために、第1のリザーバおよび/または第2のリザーバからの少なくとも1つの過去の放出に関する情報以外にも依存することが可能である。前記流体素子の前記内容物に関する情報は、医療用デバイスの温度、医療用デバイスの移動、流体または第1の流体薬剤の性質(たとえば、粘性)、または単一の送達の間の時間など、さらなる変数またはインジケータに少なくとも部分的に基づくこともできる。したがって、流体素子の内容物に関する情報をより精密に決定することができる。
前記流体素子の前記内容物に関する情報は、前回のプライミングおよびそれに続く放出に少なくとも部分的に基づくこともできる。
プライミングは、一般に、少量の液体が流体素子を通して医療用デバイスの外に放出されるように、少量のみ(たとえば、平均用量の10分の1のみ)の薬剤を第1および/または第2のリザーバから放出することと理解される。このようにして、ユーザは、たとえば、医療用デバイスが作動しており、かつ流体素子が閉塞していないことを確認することができる。それに加えて、たとえば、流体素子に空気ではなく薬剤が十分に充填されていることを確認することができる。したがって、多くのユーザは時々、またはさらには毎回の投与前にこのプライミングを使用する。
医療用デバイスをプライミングすることの効果は、第1のリザーバから、および/または第2のリザーバから放出される用量を調節するために利用することができるが、それは、プライミング・プロセス後に流体素子の内容物が既知の状態に少なくとも近似的にリセットされ、それに関する情報を、たとえば、医療用デバイスに保存することができるためである。したがって、プライミングよりも前の、たとえば過去の放出後のデバイスの履歴、デバイスの温度または移動は、次の送達における用量精度を損なうことなく、無視できるものである。プライミング動作が送達の直前に行われる場合、過去の放出をそれ以上考慮に入れる必要はない。
医療用デバイスが最初にプライミングされるのか否か、たとえば、流体素子を備える投薬インターフェースが交換された後かまたはリザーバを備えるカートリッジが交換された後か、またはユーザ命令によってデバイスが複数回プライミングされるか否かに応じて、プライミングの異なるモードも存在することがある。これらのプライミングの異なるモードは、用量送達の間、計上することができる。
さらに、前記流体素子の前記内容物に関する情報は、前回の放出以降の経過時間に少なくとも部分的に基づくが、それは、拡散プロセスが時間依存性であり、拡散量が流体素子の内容物に対する影響を負うためである。
前回の放出以降に経過した時間を考慮に入れることによって、用量精度のさらなる改善を実現することができる。流体素子を通して案内される第1および第2の薬剤は、たとえばフロー速度およびチャネルの幾何学形状によってそれ自体が決まる固有のフロー乱流効果によって、必ずしも流体素子内で均等にまたは均質に分布せず、流体素子の内容物が不均質になる。これは特に、第1および第2の薬剤が次々にリザーバから放出されるときに該当する。この場合、最後に放出された薬剤は、最初に放出された薬剤を部分的に押し出す。たとえば、最初に放出された薬剤の残りの量は、たとえば、角部および境界範囲に集中する。したがって、用量送達がそのわずかに後で行われる場合、続いて送達される用量中において、最初に放出された薬剤の用量がほんのわずかに高くなり、調節する必要がある。しかし、後に続く用量送達までに相当量の時間がある場合、拡散プロセスまたは医療用デバイスの移動により、最初に放出された薬剤と二番目に放出された薬剤とが混ざり始める。したがって、流体素子内に、より均質の分布が存在する。したがって、経過時間がより短い場合のシナリオに比べて、後に続く用量送達において最初に放出される薬剤の用量が高くなり、調節する必要がある。
この目的のために、医療用デバイスは、関連する時間間隔を測定するタイマを備えてもよい。また、流体素子の内容物に関する情報を決定するために、前回の放出以降の経過時間を考慮に入れるだけでなく、この実施形態を本発明による方法の他の実施形態と組み合わせることも可能である。
別の実施形態によれば、前記流体素子の前記内容物に関する情報は、医療用デバイスの温度に少なくとも部分的に基づく。このようにして、用量精度のさらなる改善が実現される。温度は、たとえば、拡散が行われる速度に影響する。したがって、流体素子中の内容物の成分の分布は、中でも特に、温度の関数として変更されている。医療用デバイスは、たとえばデバイス内または流体薬剤中に、温度を測定するための温度センサを備えることができる。温度プロファイルは継続的に記録および/または保存されてもよい。しかし、たとえば、平均温度を判断することも可能である。さらに、この実施形態を他の実施形態と組み合わせて、投薬の精度をさらに改善することが可能である。
医療用デバイスの移動を考慮に入れて流体素子の内容物を判断すると、用量の精度をさらに向上させることができる。温度上昇と同様に、デバイスの広範囲な移動は主として流体素子の内容物の混合を促進する。したがって、放出される用量の調節はかかる移動に依存する。この目的のために、医療用デバイスは、加速度計センサなどの運動検出部を備えることができる。このようにして、振とうおよび撹拌を、放出されるべき用量の調節に関して考慮に入れることができる。また、流体素子の内容物の混合を促進するために、流体部材の内部にボールなどの撹拌部材を提供することが可能である。このようにして、混合の加速を人為的に提供して、温度などの環境上の影響に起因する、混合プロセスで起こり得る変動を排除することができる。これによって、流体素子の内容物に関する情報が改善され、放出されるべき用量の調節も改善されるので、用量精度がさらに改善される。
さらに、本発明による方法のこの実施形態を他の実施形態と組み合わせて、投薬の精度をさらに改善することが可能である。
別の実施形態によれば、前記流体素子の前記内容物に関する情報は、流体および/または流体薬剤の1つもしくはそれ以上の性質に少なくとも部分的に基づく。流体素子の内容物をより精密に決定することができるので、このようにして用量精度のさらなる改善を実現することができる。かかる性質は、たとえば、流体薬剤の粘性または固有の拡散特性である。本発明による方法のこの実施形態を他の実施形態と組み合わせて、投薬の精度をさらに改善することが可能である。
本発明による方法の別の実施形態によれば、流体素子の内容物は、ルックアップ・テーブルに少なくとも部分的に基づいて決定される。ルックアップ・テーブルを提供することによって、医療用デバイス自体による複雑な計算を行う必要がなくなり、同様のまたは類似の計算を繰り返し行う必要がなくなる。特に、拡散プロセスを計算するために必要とされる微分方程式を解くのには、多くの時間および電力を消費する。ルックアップ・テーブルは、たとえば、流体素子の特定の内容物に関する情報を制御部に提供し、制御部は続いて、第1および/または第2のリザーバから放出されるべき用量を、所望の用量が送達されるように調節することができる。ルックアップ・テーブルはまた、第1および/または第2のリザーバから放出される用量をどのように調節するかに関する情報を提供してもよい。ルックアップ・テーブルのデータは、経験値に基づくことができ、または前もって計算されてもよい。特に、可搬型の医療用デバイスの場合、および複雑な計算を回避する必要がある場合、ルックアップ・テーブルは、たとえば電池の寿命など、資源の使用を増加させることなく、精度を向上する可能性を提供する。
流体素子の内容物に関する情報が、他方では、計算によって決定される場合、第1および/または第2のリザーバから放出されるべき用量のより精密な調節を実現することができる。計算は、特に、実験データまたは理論モデルのどちらかから導き出される式に基づくことができる。計算は、特に、過去の放出、温度データ、流体薬剤の性質、および/または撹拌量などのデバイス履歴の他のデータなどに依存する場合がある。
第1のリザーバの薬剤および第2のリザーバの流体が次々に放出されるとき、用量精度のさらなる改善を実現することができる。所望の用量を実現するために1つを超える薬剤を放出する必要がある場合、次々に放出することによって、第1および第2の薬剤を同時に放出するのに比べて、流体力学の複雑さが減少する。したがって、流体素子の実際の内容物のより信頼性の高い予測を実現することができる。最終的に、これによって所望の用量の用量精度がさらに改善する。それに加えて、ステッパ・モータまたはブラシレスDCモータなど、あまり強力でない電気機械的デバイスを使用することができ、それによって電力消費の平均が低下するので、薬剤が同時に放出されないときの電力を削減することができる。
さらに、第1のリザーバが第1の薬剤を収容し、第2のリザーバが第1の薬剤および第2の薬剤の混合物を収容しているのがさらに好ましい。たとえば、第1の薬剤よりもはるかに低い投薬量の第2の薬剤を送達する必要がある場合、第2のリザーバ内で第2の薬剤が第1の薬剤に溶解しているとき、より高い用量精度を実現することができる。したがって、同量の第2の薬剤に対してより多量が第2のリザーバから放出されるが、それは、より少ない量よりも精密に調節することができる。それに加えて、異なるリザーバの不均等な使用を回避することができるので、たとえば、必要とされる頻度が低い、またはより低い投薬量で必要とされる薬剤が未使用のまま残ることがない。
特に、第2の薬剤は、第1の薬剤に含まれる少なくとも1つの活性薬作用物質を含む。
また、薬剤をそれぞれ含むことができる、2つを超えるリザーバを提供することが可能である。
技術的問題は、さらに医療用デバイスによって解決され、特に本発明による方法を行う場合、第1の流体薬剤を収容した第1のリザーバと、流体を、たとえば第2の流体薬剤を収容した第2のリザーバと、前記第1のリザーバおよび前記第2のリザーバに接続された流体素子と、制御部とを備える、医療用デバイスによって解決される。制御部は、放出されるべき前記第1の流体薬剤の所望の用量に関する情報を受信するように構成される。制御部はさらに、流体素子の内容物に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のリザーバから放出されるべき前記用量を調節するように構成される。さらに、第1のリザーバ、第2のリザーバ、および流体素子は、調節された用量を放出するように構成される。
流体素子の内容物に関する情報に基づいて放出されるべき用量が調節されるように構成された、医療用デバイスを提供することによって、流体素子内に残っている流体および/または流体薬剤を、送達プロセスの間に考慮して、より高い用量精度をもたらすことができる。さらに、流体素子のすすぎまたは洗い流しが不要なので、薬剤および医療用デバイスの電力が削減される。この後者は、電力量が限定された可搬型のデバイスの場合に特に有利である。
制御部は、たとえば、論理部、マイクロプロセッサであることができる。制御部は、たとえば、第1および/または第2のリザーバから放出される用量がユーザ入力から逸脱するように、用量送達プロセスに影響を及ぼす可能性がある。最終的に、第1のリザーバおよび/または第2のリザーバから放出されるべき用量は、薬剤がそこを通って案内される流体素子の内容物に関する情報に基づいて調節されるので、所望の用量がユーザに投与される。
リザーバからの薬剤の放出は、特に、モータ、ステッパ・モータ、またはブラシレスDCモータなど、電気機械的デバイスによって行うことができる。これらの電気機械的デバイスは、流体薬剤をリザーバから放出するために、栓を備えたピストンを移動させることができる。リザーバがそれぞれ電気機械的デバイスを備えているのが好ましい。
ユーザは、好ましくは、薬剤のうち一方のみの所望の用量を提供し、他方の薬剤の用量は、たとえば制御部によって計算される。結果として生じる合計用量は、医療用デバイスによって調節することができる。
本発明による医療用デバイスの一実施形態によれば、医療用デバイスは、可搬型の医療用デバイス、特にインスリンを注射するためのペン、または薬物注入ポンプである。特に、可搬型のデバイスは、たとえば、利用できる空間がより少なく、必要とする電力消費がより低く、かつデバイスが撹拌および接合部に暴露されるので、精密な投薬挙動が不十分なことがある。可搬型のデバイスのより信頼性が高くおよびより精密な投薬挙動を提供すると同時に、電力消費が大幅に増加せず、かつ設計に対する大きな変更が不要であることが特に有利である。
医療用デバイスが記憶素子をさらに備えることが好ましい。記憶素子は、流体素子の内容物の決定に関連する、過去の放出、および/または温度データ、および/または前回の放出以降の経過時間、および/またはデバイス履歴の他のデータに関する情報などの、情報を保存するのに使用することができる。記憶素子は、たとえば、ルックアップ・テーブルも含むことができる。このようにして、用量精度を向上するのに必要な関連情報へのアクセスを提供する単純な方法が提供される。
医療用デバイスは、特に、たとえば前回の放出以降の時間を測定するために、タイミング部を備えることができる。医療用デバイスはさらに、たとえば、医療用デバイスの移動または撹拌に関する情報を提供するために、加速度計の形態の運動検出器を備えてもよい。これらの構成要素は、特に、流体素子の内容物の拡散プロセスを推定する助けとなる。
流体素子が、流体チャネル、および/または混合チャンバなどの流体チャンバを備えるのが好ましい。流体チャネルは、要求にしたがって柔軟に設計することができ、たとえば、多すぎる空間を使い果たすことなく、かつ大きすぎる死空間を作り出すことなく、薬剤を注射部位または針へと案内する安全な方法を提供する。このことはより高い用量精度に対応する。混合チャンバを提供することによって、リザーバから放出される異なる薬剤を混合することができ、より良好に制御された混合挙動を実現することができる。さらに、流体チャンバは、特に流体素子に挿入される、接続される針などのさらなる構成要素に対する空間を提供することができる。
流体素子が弁を、特に各リザーバに対する弁を備えることが特に好ましい。したがって、薬剤の混合を弁までは防ぐことができる。弁の後の混合チャンバにおいて、より良好に制御された、または予測可能な薬剤の混合を行うことができる。
本発明の様々な態様のこれらならびに他の利点は、添付図面を適切に参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって、当業者には明白となるであろう。
本発明による方法の一実施形態を例証する概略図である。 図2a〜eは、異なる時点に関する、特にプライミング・プロセス中における、第1のリザーバ、第2のリザーバ、および流体素子を備えた医療用デバイスを示す図である。 第1および第2の薬剤の用量送達の異なるシナリオを示す図である。 デバイスのエンド・キャップを取り外した送達デバイスを示す斜視図である。 カートリッジを示す送達デバイス遠位端の斜視図である。 1つのカートリッジ保持器が開位置にある、図4または5に示される送達デバイスの斜視図である。 図4に示される送達デバイスの遠位端に取外し可能に取り付けられてもよい、投薬インターフェースおよび用量ディスペンサを示す図である。 図4に示される送達デバイスの遠位端に取り付けられた、図7に示される投薬インターフェースおよび用量ディスペンサを示す図である。 送達デバイスの遠位端に取り付けられてもよい、針アセンブリの1つの配置を示す図である。 図7に示される投薬インターフェースの斜視図である。 図7に示される投薬インターフェースの別の斜視図である。 図7に示される投薬インターフェースの断面図である。 図7に示される投薬インターフェースの分解組立図である。 図4に示されるデバイスなどの薬物送達デバイスに取り付けられた、投薬インターフェースおよび針アセンブリの断面図である。
図1は、本発明による方法の一実施形態を例証する概略図1を示す。第1の工程2は、たとえば、ユーザによって、別の計算部によって、または記憶素子によって提供されてもよい、所望の用量に関する情報を受信するものである。ユーザは、図4および6に示されるような、用量設定ボタン62、64、66の形態のインターフェースを使用してもよい。より正確な用量を提供するために、第1のリザーバ14および第2のリザーバ16(図2aを参照)に接続された流体素子18の内容物に関する関連情報6が、工程4で考慮に入れられる。この情報6は、次のものなどの情報を含むことができる:第1および/または第2のリザーバからの過去の放出の用量情報6a、前回のプライミングが行われたとき、またはデバイスの前回の放出もしくは使用以降の経過時間の時間情報6b、過去もしくは最近の温度に関する情報6c、および/または医療用デバイス12の移動の程度に関する情報6d。これらの変数は、第1および/または第2のリザーバ14、16から放出されるべき用量の調節8に影響を及ぼすことになる。最終的に、調節された用量は、工程10で、流体素子18を通して第1および/または第2のリザーバ14、16から放出され、その結果、所望の用量が送達される。工程10からの実際に放出された用量に関する情報は、後に続く送達の調節のための情報6として役立つように、格納することができる。
図2aは、図14に示されるカートリッジ90、100など、第1のカートリッジの形態の第1のリザーバ14および第2のカートリッジの形態の第2のリザーバ16と、流体素子18とを備える、図4に示される薬物送達デバイス40など、医療用デバイス12の断面を示す。流体素子18は、第1のリザーバ14に対する流体接続を提供する第1のチャネルまたは第1の溝20と、第2のリザーバ16に対する流体接続を提供する第2のチャネルまたは第2の溝22とを備える。流体素子18は、図14に示されるような保持チャンバ280に類似した流体チャンバ24をさらに備える。チャネル20、22は、弁26、28によって流体チャンバ24から分離される。これらの弁は機械的に開閉されてもよく、またはさらに、チャネル20、22内の圧力に応じて操作されてもよい。たとえば、チャネル20内の圧力が十分に大きいときにのみ、弁26が開き、別の場合には弁26は閉じられる。流体素子は両頭針30をさらに備える。この針30は、たとえば、図9に示されるような、両頭針アセンブリ400によって提供することができる。流体素子は、特に、図10に示されるような、投薬インターフェース200によって提供することができる。
薬剤32、34の放出は、たとえば、制御部(図示なし)によって開始することができる。制御部は、次に、流体素子18を通して薬剤32、34を下流に押し流すために、リザーバ14、16内の薬剤32、34に圧力を及ぼすように電気機械的デバイスに指示することができる。好ましくは、薬剤32、34は互いに独立して放出することができる。
第1のリザーバ14は第1の薬剤32を収容し、第2のリザーバ16は第2の薬剤34を収容する。流体素子18は、流体または薬剤をまだ何ら収容していない。このことは、特に、たとえば流体素子が投薬インターフェース200と共に交換される場合に当てはまる場合がある。この場合、第1のプライミングが通常行われる。プライミングは、実質的に、各薬剤を少量放出する工程を含む。
図2bは、第1の薬剤32のある用量がリザーバ14から放出された後の、図2aに示されるデバイスを示す。薬剤32は、チャネル20、流体チャンバ24、および針30を実質的に充填している。薬剤32のチャネル22内への前進は、弁28によって防止される。
図2cは、薬剤34がリザーバ16から放出された直後のデバイス12の状態を示す。図から分かるように、チャネル22は第2の薬剤34で充填されている。第2の薬剤は、第1の薬剤32を部分的に押しのけており、すなわち針30を通してデバイス12から押し出している。液滴36は、薬剤32を実質的に含有するが、この場合、少量の薬剤34も含む。図2cからさらに分かるように、流体素子18内に、特に流体チャンバ24内に薬剤32が残っている。薬剤34の放出の直後、薬剤32は、第2の薬剤34の流体フローがより弱かった範囲に集中しており;この場合、流体チャンバ24の境界および角に集中している。この時点で、第1のプライミング・プロセスが完了する。当然ながら、放出される薬剤の順序は逆であってもよく、または、2つを超える薬剤が医療用デバイス12で使用されてもよい。
当然ながら、プライミング・プロセスは、図2aに示されるように、流体素子18が空のときに行われるだけでなく、たとえば、流体素子18が用量送達によって流体を既に収容しているときにも行うことができる。プライミングのプロセスによって、デバイス12を実質的に既知の状態2cにすることができるが、それはこの状態が、流体素子18がプライミング・プロセスによってすすがれた後の、流体素子18の内容物の以前の状態とはほぼ独立しているためである。
この時点で、たとえば、第2の薬剤34を投与するために、第2の薬剤34の第2の放出が行われる場合、第1の薬剤のわずかな混入のみが観察される。他方では、第1の薬剤32の放出が行われる場合、放出される用量は多量の第2の薬剤34を含む。したがって、リザーバ14、16から放出されるべき用量は適宜調節されて、送達される用量におけるより高い用量精度が提供される。
図2cに示される状況は、プライミング・プロセス後だけではなく、通常の用量送達後にも起こる。その結果、流体チャンバ24内における第1の薬剤32および第2の薬剤34の比率と分布は、用量送達中に送達される用量と、送達される薬剤の順序とに応じて決まる。当然ながら、用量送達の間、単一の薬剤のみを投与することもできる。
図2dは、第1の期間後の図2cからのデバイス12を示す。弁により、チャネル20、22およびリザーバ14、16は、それぞれ他方の薬剤32、34によって汚染されない。しかし、流体チャンバ24内では、第1の薬剤32と第2の薬剤34との相互混合が起こる。これは主として拡散プロセスによって引き起こされる。これらの拡散プロセスは、粘度などの流体の性質によって、温度によって、流体素子18の形状によって、および/または医療用デバイス12および流体素子18の撹拌によって影響を受ける可能性がある。第1の薬剤32または第2の薬剤34が放出されるとき、針30を通して送達される用量は、図2cに示されるようなより早い時点で送達される用量に比べて、第1の薬剤32の含量が多いことを示すことは明白である。
図2eは、第1の期間よりも長い第2の期間の後の、図2cからのデバイス12を示す。流体チャンバ24の範囲における第1の薬剤32と第2の薬剤34との相互混合が進んでおり、用量送達の場合に針30を通して放出される第1の薬剤32の用量がさらに増加する。特に、図2cに示される流体素子18の内容物の状態と比較して、プライミング・プロセスまたは用量送達とさらなる用量送達との間の時間間隔が、針30を通して放出される用量に影響するであろうことは明白である。流体素子18の内容物を考慮に入れることによって、第1および/または第2のリザーバから放出される用量の適宜の調節を提供することができる。
図3は、第1の薬剤32および第2の薬剤34の用量送達の異なるシナリオを示す図38を示す。この場合、第1および第2の薬剤は両方とも第1の薬物「x」を含有し、第2の薬剤は第2の薬物「y」も含有する。この例では、ユーザが第2の薬物yが100%の完全な用量を受け取ることが望ましく、その用量は、y軸上にパーセントで示されている。それに加えて、ユーザは、一日を通して用量が変動する第1の薬物「x」を受け取ることができるべきである。第2の薬物「x」の量は、図38のx軸上に、インスリン用量の標準的な基準である単位で示されている。この場合、第2の薬剤が両方を含有しているので、第2の薬物「y」は第1の薬物「x」と共にしか投与することができない。薬物「x」の用量は、特に、ユーザによって選択することができ、薬物「y」は好ましくは一日当たりの用量が固定である。
図3のパスAによって示される第1のシナリオでは、ユーザは、薬物「x」を10単位投与することを選択する。同時に、薬物「y」の100%用量が投与される。第1および第2の薬剤の用量は、たとえば、制御部によって自動的に決定される。
第2の薬剤中における薬物の混合比「x」/「y」が、たとえば、「x」10単位に対して「y」が100%用量である場合、薬物「x」10単位は、薬剤「y」の完全な100%用量を投与することが依然として可能である最小限の用量であろう。この場合、用量は第2の薬剤のみから成るであろう。
その後、ユーザは、第1の薬物「x」の任意の用量を投与することができ、それは第1の薬剤のみを送達することによって実現されるであろう。これは、図38の水平なパスをもたらす。
図3のパスBによって示される第2のシナリオでは、第1のシナリオとは対照的に、ユーザは、薬物「x」を20単位投与することを選択する。その場合、制御部は、100%の薬物「y」の用量と、20単位の薬物「x」とがユーザに送達されるように、薬物「x」のみを含有する第1の薬剤と、第2の薬剤との比を適切に自動的に設定することができる。
図3のパスCによって示される第3のシナリオでは、ユーザは、最初に薬物「x」を20単位投与することを選択する。第1および第2のシナリオとは対照的に、薬物「y」の用量は50%のみに設定される。これは、たとえば、薬物「y」の用量を朝および夜の用量に分割すべきであるとき、ユーザによって、または制御部によって自動的に行われてもよい。その後、薬物「x」のみが10単位放出され、つまり第1の薬剤のみが投与される。続いて、ユーザは、薬物「x」を10単位投与することを選択し、それと同時に、薬物「y」の残りの50%が投与される。
これらのシナリオから分かるように、投薬は可能な限り精密である必要があり、同時に、柔軟な投薬が実現可能である必要がある。流体素子18の内容物に関する情報が考慮に入れられると、かかるシナリオにおいて投薬の精度は大幅に改善される。
以下の図面に関連して、薬物送達デバイスの構成要素および実施例について記載する。記載される例示的な実施形態と関連した、本発明による方法および本発明による医療用デバイスの使用は特に有利であるが、それは、これらのデバイスと関連して正確な投薬が特に重要であるためである。
図4に示される薬物送達デバイス40は、近位端40bから遠位端40cまで延びる本体40aを備える。遠位端40cには、取外し可能なエンド・キャップまたはカバー41が設けられる。このエンド・キャップ41および本体40aの遠位端40cは、スナップ嵌めまたは形状嵌め接続をもたらすように共に働くので、一旦カバー41を本体40aの遠位端40cにかぶせると、キャップと本体の外表面40dとの間のこの摩擦嵌めによって、カバーが本体から不用意に落ちることが防止される。
本体40aは、マイクロプロセッサ制御部と、電気機械的駆動列と、少なくとも2つの薬剤リザーバとを収容する。エンド・キャップまたはカバー41が(図4に示されるように)デバイス40から取り外されると、投薬インターフェース200が本体40aの遠位端40cに取り付けられ、用量ディスペンサ(たとえば、針アセンブリ)がインターフェースに付着される。薬物送達デバイス40は、両頭針アセンブリなどの単一の針アセンブリを通して、第2の薬剤(二次薬物化合物)の計算された用量と、第1の薬剤(一次薬物化合物)の可変用量とを投与するのに使用することができる。
駆動列は、第1および第2の薬剤の用量をそれぞれ排出するために、各カートリッジの栓に圧力を及ぼしてもよい。たとえば、ピストン・ロッドは、薬剤の単回用量に対して予め定められた量だけカートリッジの栓を前方に押してもよい。カートリッジが空のとき、ピストン・ロッドは本体40a内部に完全に後退させられるので、空のカートリッジを取り外すことができ、新しいカートリッジを挿入することができる。
制御パネル領域60は、本体40aの近位端付近に設けられる。好ましくは、この制御パネル領域60は、組合せ用量を設定し注射するのにユーザが操作することができる複数のヒューマン・インターフェース要素と共に、デジタル表示装置80を備える。この配置では、制御パネル領域は、第1の用量設定ボタン62、第2の用量設定ボタン64、および記号「OK」で指定される第3のボタン66を備える。それに加えて、本体の最近位端に沿って、注射ボタン74も設けられる(図4の斜視図では見えない)。
カートリッジ・ホルダ42は、本体40aに取外し可能に付着することができ、少なくとも2つのカートリッジ保持器50および52を収容してもよい。各保持器は、ガラス製カートリッジなど、1つの薬剤リザーバを収容するように構成される。好ましくは、各カートリッジは異なる薬剤を収容する。
それに加えて、カートリッジ・ホルダ42の遠位端では、図4に示される薬物送達デバイスは投薬インターフェース200を含む。図7に関して後述するように、1つの配置では、この投薬インターフェース200は、カートリッジ・ハウジング42の遠位端43に取外し可能に付着される外側本体212を含む。図4で分かるように、投薬インターフェース200の遠位端214は、好ましくは針ハブ216を備える。この針ハブ216は、従来のペン型注入針アセンブリなどの用量ディスペンサを、薬物送達デバイス40に取外し可能に取り付けることが可能になるように構成されてもよい。
一旦デバイスの電源が入れられると、図4に示されるデジタル表示装置80は明るくなり、特定のデバイス情報、好ましくはカートリッジ・ホルダ42内に収容された薬剤に関する情報をユーザに提供する。たとえば、一次薬剤(薬物A)および二次薬剤(薬物B)の両方に関する特定の情報がユーザに提供される。
図6に示されるように、第1および第2のカートリッジ保持器50、52はヒンジ式のカートリッジ保持器であってもよい。これらのヒンジ式保持器によって、ユーザがカートリッジにアクセスすることが可能になる。図6は、第1のヒンジ式カートリッジ保持器50が開位置にある、図4に示されるカートリッジ・ホルダ42の斜視図を示す。図6は、第1の保持器50を開き、それによって第1のカートリッジ90へのアクセスを有することによって、ユーザがどのようにして第1のカートリッジ90にアクセスしてもよいかを示している。
図4の考察において上述したように、投薬インターフェース200は、カートリッジ・ホルダ42の遠位端に連結される。図7は、カートリッジ・ホルダ42の遠位端に接続されていない投薬インターフェース200の平面図を示す。インターフェース200と共に使用されてもよい用量ディスペンサまたは針アセンブリも示されており、保護用の外側キャップ420内に設けられる。
図8では、図7に示される投薬インターフェース200はカートリッジ・ホルダ42に連結されて示されている。投薬インターフェース200とカートリッジ・ホルダ42との間の軸方向付着手段は、スナップ・ロック、スナップ嵌め、スナップ・リング、キー付きスロット、およびかかる接続の組合せを含む、当業者には知られている任意の軸方向付着手段であることができる。投薬インターフェースとカートリッジ・ホルダとの間の接続または付着は、コネクタ、止め具、スプライン、リブ、溝、ピップ(pips)、クリップ、および同様の設計機能など、特定のハブが合致する薬物送達デバイスにのみ付着可能であることを担保する、追加機能(図示なし)も含んでもよい。かかる追加機能は、合致しない注射デバイスに対する適切でない補助カートリッジの挿入を防止するであろう。
図8はまた、インターフェース200の針ハブに螺着されてもよい、投薬インターフェース200の遠位端に連結された針アセンブリ400および保護カバー420を示す。図9は、図8の投薬インターフェース200に取り付けられた両頭針アセンブリ400の断面図を示す。
図9に示される針アセンブリ400は、両頭針406およびハブ401を備える。両頭針またはカニューレ406は、針ハブ401に固定的に取り付けられる。この針ハブ401は、その周囲に沿って円周方向で垂下するスリーブ403を有する、円形ディスク形状の要素を備える。このハブ部材401の内壁に沿って、ねじ山404が設けられる。このねじ山404によって、1つの好ましい配置では遠位側のハブに沿った対応する雄ねじ山を備える投薬インターフェース200に、針ハブ401を螺着することが可能になる。ハブ要素401の中央部分には、突出部402が設けられる。この突出部402は、スリーブ部材とは反対方向でハブから突出する。両頭針406は、突出部402および針ハブ401を通して中心に取り付けられる。この両頭針406は、両頭針の第1のまたは遠位側の穿孔端部405が、注射部位(たとえば、ユーザの皮膚)を穿孔する注射部材を形成するようにして取り付けられる。
同様に、針アセンブリ400の第2のまたは近位側の穿孔端部406は、スリーブ403によって同心で取り囲まれるようにして、円形ディスクの反対側から突出する。1つの針アセンブリの配置では、第2のまたは近位側の穿孔端部406はスリーブ402よりも短くてもよいので、このスリーブは、バック・スリーブ(back sleeve)の尖った端部をある程度保護する。図7および8に示される針カバー・キャップ420は、ハブ401の外表面403の周りに形状嵌めをもたらす。
次に、図7〜14を参照して、このインターフェース200の1つの好ましい構成について考察する。この1つの好ましい構成では、このインターフェース200は次のものを備える:
a.主外部本体210、
b.第1の内部本体220、
c.第2の内部本体230、
d.第1の穿孔針240、
e.第2の穿孔針250、
f.弁シール260、および
g.セプタム270。
主外部本体210は、本体近位端212および本体遠位端214を備える。外部本体210の近位端212では、投薬インターフェース200をカートリッジ・ホルダ42の遠位端に取り付けることができるようにして、接続部材が構成される。好ましくは、接続部材は、投薬インターフェース200をカートリッジ・ホルダ42に取外し可能に接続することができるように構成される。1つの好ましいインターフェース構成では、インターフェース200の近位端は、少なくとも1つの凹部を有する上方に延びる壁218を備えて構成される。たとえば、図11から分かるように、上方に延びる壁218は、少なくとも第1の凹部217および第2の凹部219を備える。
好ましくは、第1および第2の凹部217、219は、薬物送達デバイス40のカートリッジ・ハウジング42の遠位端付近にある、外向きに突出する部材と協働するように、この主外部本体の壁内に位置付けられる。たとえば、カートリッジ・ハウジングのこの外向きに突出する部材48は、図7および5に見ることができる。第2の類似の突出する部材は、カートリッジ・ハウジングの対向面に設けられる。そのため、インターフェース200をカートリッジ・ハウジング42の遠位端の上に軸線方向でかぶせると、外向きに突出する部材が第1および第2の凹部217、219と協働して、緩衝歯目、形状嵌め、またはスナップ・ロックを形成する。あるいは、また当業者であれば認識するように、投薬インターフェースおよびカートリッジ・ハウジング42を軸線方向で連結させることができる、他の任意の類似した接続メカニズムを、同様に使用することができる。
主外部本体210およびカートリッジ・ホルダ42の遠位端は、カートリッジ・ハウジングの遠位端に軸線方向でかぶせることができる、軸線方向に係合するスナップ・ロックまたはスナップ嵌めを形成するように作用する。1つの代替構成では、投薬インターフェース200は、不注意な投薬インターフェースの混同使用を防ぐように、コーディング機能を備えてもよい。すなわち、ハブの内部本体を、1つまたはそれ以上の投薬インターフェースの不用意な混同使用を防ぐように幾何学的に構成することができる。
装着ハブは、投薬インターフェース200の主外部本体210の遠位端に設けられる。かかる装着ハブは、針アセンブリに解放可能に接続されるように構成することができる。単なる一例として、この接続手段216は、図9に示される針アセンブリ400などの、針アセンブリの針ハブの内壁面に沿って設けられる雌ねじを係合する雄ねじを備えてもよい。スナップ・ロック、ねじ山によって解放されるスナップ・ロック、差込みロック、形状嵌め、または他の類似の接続構成など、代替の解放可能なコネクタも設けられてもよい。
投薬インターフェース200は、第1の内部本体220をさらに備える。この内部本体の特定の詳細は図11〜14に示される。好ましくは、この第1の内部本体220は、主外部本体210の延びる壁218の内表面215に連結される。より好ましくは、この第1の内部本体220は、リブおよび溝による形状嵌め構成によって、外部本体210の内表面に連結される。たとえば、図12から分かるように、主外部本体210の延びる壁218は、第1のリブ213aおよび第2のリブ213bを備える。この第1のリブ213aは図13にも示される。これらのリブ213aおよび213bは、外部本体210の壁218の内表面215に沿って位置付けられ、第1の内部本体220の協働する溝224aおよび224bと共に形状嵌めまたはスナップ・ロック係合を作り出す。好ましい構成では、これらの協働する溝224aおよび224bは、第1の内部本体220の外表面222に沿って設けられる。
それに加えて、図11〜13で分かるように、第1の内部本体220の近位端付近の近位表面226は、近位側穿孔端部分244を備える少なくとも第1の近位側に位置する穿孔針240を備えて構成されてもよい。同様に、第1の内部本体220は、近位側穿孔端部分254を備える第2の近位側に位置する穿孔針250を備えて構成される。第1および第2の針240、250は両方とも、第1の内部本体220の近位表面226に堅く装着される。
好ましくは、この投薬インターフェース200は弁構成をさらに備える。かかる弁構成は、第1および第2のリザーバにそれぞれ収容された第1および第2の薬剤の相互汚染を防ぐように構築することができる。好ましい弁構成はまた、第1および第2の薬剤の逆流および相互汚染を防ぐように構成されてもよい。
1つの好ましいシステムでは、投薬インターフェース200は、弁シール260の形態の弁構成を含む。かかる弁シール260は、保持チャンバ280を形成するように、第2の内部本体230によって画成されるキャビティ231内に設けられてもよい。好ましくは、キャビティ231は、第2の内部本体230の上側表面に沿って置かれる。この弁シールは、第1の流体溝264および第2の流体溝266の両方を画成する上側表面を備える。たとえば、図12は、第1の内部本体220と第2の内部本体230との間に着座した弁シール260の位置を示す。注射工程の間、このシール弁260は、第1の経路内の一次薬剤が第2の経路内の二次薬剤へと移行するのを防ぐとともに、第2の経路内の二次薬剤が第1の経路内の一次薬剤へと移行するのも防ぐ助けとなる。好ましくは、このシール弁260は、第1の逆止め弁262および第2の逆止め弁268を備える。そのため、第1の逆止め弁262は、第1の経路264、たとえばシール弁260の溝に沿って移動している流体がこの経路264に戻るのを防ぐ。同様に、第2の逆止め弁268は、第2の流体経路266に沿って移動している流体がこの経路266に戻るのを防ぐ。
第1および第2の溝264、266は共に、逆止め弁262および268に向かってそれぞれ収束しており、その結果、出力流体経路または保持チャンバ280を提供する。この保持チャンバ280は、穿孔可能なセプタム270と共に、第2の内部本体の遠位端の第1および第2の逆止め弁262、268の両方によって画成される、内部チャンバによって画成される。図示されるように、この穿孔可能なセプタム270は、第2の内部本体230の遠位端部分と主外部本体210の針ハブによって画成される内表面との間に位置付けられる。
保持チャンバ280は、インターフェース200の出口ポートで終端する。この出口ポート290は、好ましくは、インターフェース200の針ハブの中心に位置し、穿孔可能なシール270を定位置で維持するのを支援する。そのため、両頭針アセンブリがインターフェースの針ハブ(図9に示される両頭針など)に取り付けられると、出力流体経路によって、両方の薬剤を取り付けられた針アセンブリと流体連通させることが可能になる。
ハブ・インターフェース200は、第2の内部本体230をさらに備える。図12から分かるように、この第2の内部本体230は凹部を画成する上側表面を有し、弁シール260はこの凹部内に位置付けられる。したがって、インターフェース200が図12に示されるように組み立てられると、第2の内部本体230は、外部本体210の遠位端と第1の内部本体220との間に位置付けられるようになる。第2の内部本体230および主外部本体は共に、セプタム270を適所で保持する。内部本体230の遠位端はまた、弁シールの第1の溝264および第2の溝266の両方と流体連通するように構成することができる、キャビティまたは保持チャンバを形成してもよい。
主外部本体210を薬物送達デバイスの遠位端の上に軸線方向でかぶせることによって、投薬インターフェース200が複数回用デバイスに取り付けられる。このようにして、第1の針240と第2の針250との間で、第1のカートリッジの一次薬剤および第2のカートリッジの二次薬剤それぞれとの流体連通が作り出されてもよい。
図14は、図4に示される薬物送達デバイス40のカートリッジ・ホルダ42の遠位端43に取り付けられた後の投薬インターフェース200を示す。両頭針400も、このインターフェースの遠位端に取り付けられる。カートリッジ・ホルダ42は、第1の薬剤を収容した第1のカートリッジと、第2の薬剤を収容した第2のカートリッジとを有するものとして示されている。
インターフェース200が最初にカートリッジ・ホルダ42の遠位端の上に取り付けられると、第1の穿孔針240の近位側穿孔端部244が第1のカートリッジ90のセプタムを穿孔し、それによって第1のカートリッジ90の一次薬剤92と流体連通した状態になる。第1の穿孔針240の遠位端も、弁シール260によって画成される第1の流体経路溝264と流体連通するようになる。
同様に、第2の穿孔針250の近位側穿孔端部254は、第2のカートリッジ100のセプタムを穿孔し、それによって第2のカートリッジ100の二次薬剤102と流体連通した状態になる。この第2の穿孔針250の遠位端も、弁シール260によって画成される第2の流体経路溝266と流体連通するようになる。
図14は、薬物送達デバイス40の本体40aの遠位端40cに連結されるような、投薬インターフェース200の好ましい配置を示す。好ましくは、かかる投薬インターフェース200は、薬物送達デバイス40のカートリッジ・ホルダ42に取外し可能に連結される。
図14に示されるように、投薬インターフェース200は、カートリッジ・ハウジング42の遠位端に連結される。このカートリッジ・ホルダ40は、一次薬剤92を収容した第1のカートリッジ90と、二次薬剤102を収容した第2のカートリッジ100とを収容するものとして示されている。一旦カートリッジ・ハウジング4042に連結されると、投薬インターフェース200は、本質的に、第1および第2のカートリッジ90、100から共通の保持チャンバ280までの流体連通経路をもたらすメカニズムを提供する。この保持チャンバ280は、用量ディスペンサと流体連通しているものとして示されている。ここで、図示されるように、この用量ディスペンサは両頭針アセンブリ400を備える。図示されるように、両頭針アセンブリの近位端はチャンバ280と流体連通している。
1つの好ましい配置では、投薬インターフェースは、1つの向きでのみ本体に付着するように、すなわち一方向でのみ嵌合されるように構成される。そのため、図14に示されるように、一旦投薬インターフェース200がカートリッジ・ホルダ40に付着されると、主要な針240は、第1のカートリッジ90の一次薬剤92との流体連通にのみ使用することができ、インターフェース200は、主要な針240を今度は第2のカートリッジ100の二次薬剤102との流体連通に使用できるように、ホルダ40に付着し直すことができない。かかる一方向での接続メカニズムは、2つの薬剤92および102の間の潜在的な相互汚染を低減する助けとなってもよい。
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセジン−3もしくはエキセジン−4もしくはエキセジン−3もしくはエキセジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−Y−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−Y−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C)と可変領域(V)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類金属、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。

Claims (15)

  1. 第1の流体薬剤を収容した第1のリザーバと、流体を収容した第2のリザーバと、前記第1のリザーバおよび前記第2のリザーバに接続された流体素子とを備える医療用デバイスから、少なくとも1つの流体薬剤を送達する方法であって、
    放出すべき前記第1の流体薬剤の所望の用量に関する情報を受け取る工程と、
    前記流体素子の内容物に関する情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のリザーバから放出される前記用量を調節する工程と、
    調節された前記用量を前記第1のリザーバから前記流体素子を通して放出する工程とを含む、上記方法。
  2. 前記第2のリザーバから前記流体の補助的用量を放出する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 放出前の前記流体素子の前記内容物に関する前記情報に少なくとも部分的に基づいて、前記第2のリザーバからの前記流体の前記補助的用量を調節する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記流体素子の前記内容物に関する情報は、前記第1のリザーバおよび/または前記第2のリザーバからの過去の放出に少なくとも部分的に基づく、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記流体素子の前記内容物に関する情報は、前回のプライミングおよびそれに続く放出に少なくとも部分的に基づく、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記流体素子の前記内容物に関する情報は、前回の放出以降の経過時間に少なくとも部分的に基づく、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記流体素子の前記内容物に関する情報は、前記医療用デバイスの温度に少なくとも部分的に基づく、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記流体素子の前記内容物に関する情報は、前記医療用デバイスの移動に少なくとも部分的に基づく、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記流体素子の前記内容物に関する情報は、前記第1の流体薬剤および/または前記流体の性質に少なくとも部分的に基づく、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記流体素子の前記内容物に関する前記情報は、ルックアップ・テーブルに少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記流体素子の前記内容物に関する前記情報は、計算に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記第1のリザーバの前記薬剤および前記第2のリザーバの前記流体は次々に放出される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記第2のリザーバ内の前記流体は、前記第1の流体薬剤および第2の薬剤の混合物を含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 第1の流体薬剤(32、92)を収容した第1のリザーバ(14、90)、および流体(34、102)を収容した第2のリザーバ(16、100)と、
    前記第1のリザーバ(14、90)および前記第2のリザーバ(16、100)に接続された流体素子(18)と、
    制御部とを備え、
    ここで、前記制御部は、放出されるべき前記第1の流体薬剤の所望の用量に関する情報を受信するように構成され、
    前記制御部はさらに、前記流体素子(18)の内容物に関する情報(6)に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のリザーバから放出されるべき前記用量を調節するように構成され、
    前記第1のリザーバ(14、90)、前記第2のリザーバ(16、100)、および前記流体素子(18)は、調節された用量を放出するように構成される、特に請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法を行う、医療用デバイス。
  15. 前記医療用デバイス(12、40)は、可搬型の医療用デバイス、特にインスリンを注射するためのペン(40)、または薬物注入ポンプである、請求項14に記載の医療用デバイス。
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