JP2015516251A - 投薬インターフェース - Google Patents
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Abstract
本特許出願は、少なくとも2つの入口チャネル(522、524)および少なくとも1つの出口チャネル(530)を有し、少なくとも2つの入口チャネル(522、524)の各々が、少なくとも2つのリザーバ(90、100)のそれぞれのリザーバ(90、100)と流体連通するように構成される、チャネルプロファイル(554)と、少なくとも1つの上層(502)および1つの底層(506)と、少なくとも1つの上層(502)と1つの底層(506)との間に配置された中間層構造(508)とを備え、中間層構造(508)は、上層(502)および底層(506)にしっかりと積層され、中間層構造(508)は、チャネルプロファイル(554)の少なくとも一部を形成するための少なくとも1つの凹部(522、524、530、534、538、540)を備える少なくとも1つの中間層(516、518、520)を備える、投薬インターフェース(500)に関する。
Description
本特許出願は、液体の薬作用物質などの少なくとも2つの液体を別個のリザーバから送達する排出デバイス、たとえば医療デバイスに関する。そのような薬作用物質は、第1の薬剤および第2の薬剤を含むことができる。医療デバイスは、薬作用物質を自動または使用者による手動で送達する用量設定機構を含む。
医療デバイスは、注射器、たとえば手持ち式の注射器、特にペン型の注射器、すなわち1つまたはそれ以上の多用量カートリッジからの薬用製品の注射による投与を実現する種類の注射器とすることができる。特に、本発明は、使用者が用量を設定できる注射器に関する。
薬作用物質は、2つ以上の多用量リザーバ、容器、またはパッケージ内に収容することができ、各多用量リザーバは、独立した薬作用物質(単一の薬物化合物)または事前に混合した薬作用物質(ともに配合した複数の薬物化合物)をそれぞれ収容する。
特定の病状では、1つまたはそれ以上の異なる薬剤を使用する治療が必要とされる。いくつかの薬物化合物は、最適の治療用量を送達するために、互いに特有の関係で送達する必要がある。本特許出願は、それだけに限定されるものではないが、安定性、治療成果の低下、および有毒性などの理由で、組合せ治療が望ましいが単一の配合では可能でない場合に、特に利益となる。
たとえば、場合によっては、長時間作用性のインスリン(第1の薬剤または1次薬剤と呼ぶこともできる)を、GLP−1またはGLP−1類似体などのグルカゴン様ペプチド−1(第2の薬物または2次薬剤と呼ぶこともできる)とともに用いることで、糖尿病患者を治療することが有益となることがある。
したがって、薬物送達デバイスの複雑な物理的操作なしで使用者が簡単に実行できる、単一の注射または送達工程で2つ以上の薬剤を送達するデバイスを提供することが必要とされている。提案する薬物送達デバイスは、2つ以上の活性の薬作用物質に対して別個の収納容器またはカートリッジ保持器を提供する。次いで、これらの活性の薬作用物質は、単一の送達手順中に組み合わされ、かつ/または患者に送達される。これらの活性物質は、組合せ用量でともに投与することができ、または別法として、これらの活性物質は、1つずつ順次組み合わせることができる。
薬物送達デバイスはまた、薬剤の数量を変動させる機会を可能にする。たとえば、1つの流体数量は、注射デバイスの特性を変化させること(たとえば、使用者が変動できる用量を設定すること、またはデバイスの「固定」用量を変化させること)によって変動させることができる。第2の薬剤数量は、2次薬物を収容する様々なパッケージを製造することによって変化させることができ、各変種は、異なる体積および/または濃度の第2の活性物質を収容する。
薬物送達デバイスは、単一の投薬インターフェースを有することができる。このインターフェースは、少なくとも1つの薬作用物質を含有する薬剤の1次リザーバおよび2次リザーバと流体連通するように構成することができる。薬物投薬インターフェースは、2つ以上の薬剤をシステムから退出させて患者へ送達することを可能にするタイプの出口とすることができる。
別個のリザーバからの化合物の組合せは、両頭針アセンブリを介して身体へ送達することができる。これにより、使用者の観点から、標準的なニードルアセンブリを使用する現在利用可能な注射デバイスに密接に整合するように薬物送達を実現する組合せ薬物注射システムが提供される。1つの可能な送達手順は、以下の工程を含むことができる:
1.電気機械式の注射デバイスの遠位端に投薬インターフェースを取り付ける。投薬インターフェースは、第1の近位針および第2の近位針を備える。第1の針および第2の針は、それぞれ1次化合物を収容する第1のリザーバと、2次化合物を収容する第2のリザーバとに穿孔する。
2.投薬インターフェースの遠位端に両頭針アセンブリなどの用量投薬器を取り付ける。このようにして、ニードルアセンブリの近位端は、1次化合物および2次化合物と流体連通する。
3.たとえばグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して、注射デバイスからの1次化合物の所望の用量をダイヤル選択/設定する。
4.使用者が1次化合物の用量を設定した後、マイクロプロセッサ制御式の制御ユニットは、2次化合物の用量を決定または計算することができ、好ましくは、事前に記憶されている治療用量プロファイルに基づいて、この第2の用量を決定または計算することができる。次いで、この計算された薬剤の組合せが、使用者によって注射される。治療用量プロファイルは、使用者によって選択可能とすることができる。別法として、使用者は、2次化合物の所望の用量をダイヤル選択または設定することができる。
5.場合により、第2の用量を設定した後、デバイスは、防護された状態で配置することができる。この任意選択の防護状態は、制御パネル上の「OK」または「防護」ボタンを押下および/または保持することによって実現することができる。防護状態は、組合せ用量を投薬するためにデバイスを使用できる所定の期間にわたって提供することができる。
6.次いで、使用者は、用量投薬器(たとえば、両頭針アセンブリ)の遠位端を所望の注射部位内へ挿入または適用する。1次化合物および2次化合物(および場合によっては第3の薬剤)の組合せの用量は、注射ユーザインターフェース(たとえば、注射ボタン)を起動することによって投与される。
1.電気機械式の注射デバイスの遠位端に投薬インターフェースを取り付ける。投薬インターフェースは、第1の近位針および第2の近位針を備える。第1の針および第2の針は、それぞれ1次化合物を収容する第1のリザーバと、2次化合物を収容する第2のリザーバとに穿孔する。
2.投薬インターフェースの遠位端に両頭針アセンブリなどの用量投薬器を取り付ける。このようにして、ニードルアセンブリの近位端は、1次化合物および2次化合物と流体連通する。
3.たとえばグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して、注射デバイスからの1次化合物の所望の用量をダイヤル選択/設定する。
4.使用者が1次化合物の用量を設定した後、マイクロプロセッサ制御式の制御ユニットは、2次化合物の用量を決定または計算することができ、好ましくは、事前に記憶されている治療用量プロファイルに基づいて、この第2の用量を決定または計算することができる。次いで、この計算された薬剤の組合せが、使用者によって注射される。治療用量プロファイルは、使用者によって選択可能とすることができる。別法として、使用者は、2次化合物の所望の用量をダイヤル選択または設定することができる。
5.場合により、第2の用量を設定した後、デバイスは、防護された状態で配置することができる。この任意選択の防護状態は、制御パネル上の「OK」または「防護」ボタンを押下および/または保持することによって実現することができる。防護状態は、組合せ用量を投薬するためにデバイスを使用できる所定の期間にわたって提供することができる。
6.次いで、使用者は、用量投薬器(たとえば、両頭針アセンブリ)の遠位端を所望の注射部位内へ挿入または適用する。1次化合物および2次化合物(および場合によっては第3の薬剤)の組合せの用量は、注射ユーザインターフェース(たとえば、注射ボタン)を起動することによって投与される。
両方の薬剤を、1つの注射針または用量投薬器を介して1つの注射工程で送達することができる。これにより、2つの別個の注射を投与することに比べて、使用者の工程が低減されるという点で、使用者に好都合な利益が与えられる。
しかし、現況技術の投薬インターフェースは、複雑な設計であることが多い。2つの異なるリザーバからの薬剤を単一の出口へ誘導するためのマニホルドを設けるには、複数の複雑かつ/または小さい部材を作製して組み立てる必要がある。特に、複雑な形状を有する小さい部材を、高い精度で成形しなければならない。それぞれの部材を形成するために複雑で特殊な空胴が必要とされることに加えて、成形された部材の組立ておよび針の一体化も同様に複雑になる可能性がある。部材構造が複雑であり、それに対応して組立て工程が複雑になることで、投薬インターフェースを製造するのが困難かつ高価になることがある。
さらに、投薬インターフェースは通常、より長い期間にわたって薬物送達デバイスで保たれる。これは、たとえば両頭針の形態の用量投薬器のみが、注射手順のたびにまたはほとんどの注射手順のたびに交換されることを意味する。しかし、投薬インターフェースは、薬物送達デバイスに残される。通常、投薬インターフェース自体の交換は、薬物送達デバイスのリザーバを交換する必要があるときのみ必要とされる。
これにより、投薬インターフェースの材料および設計に対する要件が満たされる。第1のリザーバおよび/または第2のリザーバからの薬作用物質は、投薬手順後も投薬インターフェース内部に残るため、投薬インターフェースのうち薬作用物質に接触している部分の材料適合性を提供する必要がある。これらの薬作用物質は次の送達手順で患者へ送達されるため、有毒な物質が薬作用物質中へ拡散することがあってはならない。したがって、生体適合性が必要とされ、それによって、ゼロまたは無視できるほどの量の物質しか薬作用物質内へ拡散したり液体中に解放されたりしないことを保証する。
さらに、投薬インターフェースが薬物送達デバイスに取り付けられたままである場合、異なる薬作用物質も時間とともに互いの中に拡散し始める。たとえば安定性、治療成果の低下、および有毒性という前述の理由のため、一方のリザーバから他方のリザーバ内への薬作用物質の相互汚染を防止する必要がある。
そのような相互汚染を防止するために、逆止め弁を投薬インターフェース内に実装することができる。しかし、これにより部材数が増大し、したがって投薬インターフェースの作製中の複雑さおよびコストが増大する。さらに、投薬インターフェースがリザーバに連結されているが用量投薬器が取り付けられていないときには、投薬インターフェースを封止する必要があるため、投薬インターフェースの出口にはセプタムが設けられることが多い。
前記に照らし合わせて、本発明は、複雑さを低減させ、投薬インターフェースの製造および使用を容易にすると同時に、材料適合性および相互汚染の問題を克服するという技術的な問題に直面する。
この技術的な問題は、少なくとも2つの入口チャネルおよび少なくとも1つの出口チャネルを有し、少なくとも2つの入口チャネルの各々が、少なくとも2つのリザーバのそれぞれのリザーバと流体連通するように構成される、チャネルプロファイルと、少なくとも1つの上層および1つの底層と、少なくとも1つの上層と1つの底層との間に配置された中間層構造とを備え、中間層構造は、上層および底層にしっかりと積層され、中間層構造は、チャネルプロファイルの少なくとも一部を形成するための少なくとも1つの凹部を備える少なくとも1つの中間層を備える、投薬インターフェースによって解決される。
少なくとも3つの積層を有する投薬インターフェースを提供し、少なくとも1つの中間層が、チャネルプロファイルの少なくとも一部を形成する少なくとも1つの凹部を備えることによって、投薬インターフェースの作製および組立てを簡単にすることができる。
特に、少なくとも3つの層を順々に積み重ねることで、複雑な部材構造を成形する必要がなくなるため、投薬インターフェースの作製および組立てが簡略化される。積み重ねた層は、互いにしっかりと連結されて、チャネルプロファイルを備える本体を形成する。チャネルプロファイルは、少なくとも1つの中間層に単に凹部を形成することによって作製することができる。たとえば、凹部を備える中間層に底層および上層を接合することによって、流体チャネルを確立することができる。
費用効果が高く容易な作製プロセスにより、投薬インターフェースを頻繁に交換することが可能になり、したがって汚染のリスクを低減させる。特に、使い捨ての物品として投薬インターフェースを使用することが可能になる。それは、単一の送達手順後、投薬インターフェースを通って液体または薬作用物質を排出することで、投薬インターフェースを排出デバイスから取り外して破棄することができることを意味する。
排出デバイスは、たとえば薬物送達デバイスなどの医療デバイスとすることができる。
排出手順中、ある液体は、チャネルプロファイルの一部である第1の入口チャネルを通って投薬インターフェースに入ることができ、別の液体は、第2の入口チャネルを通って投薬インターフェースに入ることができる。これらの液体は、同じくチャネルプロファイルの一部である出口チャネルを介して、投薬インターフェースを離れることができる。この投薬インターフェースをマニホルドと見なすことができる。
投薬インターフェースは、実質上排出手順中のみ、排出デバイスのリザーバと連結されるため、投薬インターフェース内で生じ得る物質または化学物質が、排出デバイスによって排出されて入口チャネルおよび出口チャネルを通って案内される液体中に拡散するのは短時間しかない。
また、投薬インターフェースは、排出手順の直後に取り外されて捨てられ得るため、リザーバ内の液体が相互汚染される時間は実質上ゼロである。
さらに、注射のたびに投薬インターフェース全体の交換を行うことができるため、排出針のような第3の針の交換が必要ではなくなるので、投薬インターフェース内にセプタムを設ける必要はない。
上記の結果、投薬インターフェースの複雑さが低減され、投薬インターフェースの使用および製造が容易になり、同時に材料適合性および相互汚染の問題が克服される。
本発明の投薬インターフェースの一実施形態によれば、中間層構造は、少なくとも、第1の入口チャネルの少なくとも一部を形成するための1つの第1の凹部と、第2の入口チャネルの少なくとも一部を形成するための1つの第2の凹部とを備える第1の中間層を備える。第1の中間層は、事前設定可能な厚さを備える平坦な層とすることができる。好ましくは、第1の中間層の形状は、底層および/または上層の形状に類似している。第1の凹部を形成することによって、たとえば第1の凹部を切断することによって、第1の入口チャネルの少なくとも一部を形成することができる。好ましくは、それぞれの凹部は、それぞれの入口チャネルを形成する。たとえば、所定の幅および長さを有する線形の凹部を形成することができる。入口チャネルの高さは、第1の中間層の厚さと同一にすることができる。入口チャネルの高さを増大させるには、第1の中間層の厚さを増大させることができ、かつ/または複数の実質的に同一の第1の層を順々に積み重ねることができる。第2の凹部は、第1の凹部と同じ形状を有することができる。特に、第2の凹部は、第1の凹部に対して平行に通ることができる。
好ましくは、底層と第1の中間層は、互いにしっかりと積層することができる。たとえば、少なくとも2つの層は、接着技術および/または溶接技術によって、互いにしっかりと積層される。第1の凹部は、第1の入口チャネルとすることができ、第2の凹部は、第2の入口チャネルとすることができる。底層は、少なくとも第1の入口チャネルおよび第2の入口チャネルの底壁を提供することができる。それぞれのチャネルの上壁は、たとえば、さらなる中間層によって提供することができる。それぞれのチャネルの側壁は、第1の中間層によって提供することができる。第1の入口チャネルおよび第2の入口チャネルは、特に簡単かつ費用効果の高い方法で製造することができる。
さらに、本発明の投薬インターフェースの別の実施形態によれば、中間層構造は、出口チャネルの少なくとも一部を形成するための少なくとも1つの第1の凹部を備える第2の中間層を備える。具体的には、それぞれの凹部は出口チャネルである。第2の中間層は、事前設定可能な厚さを備える平坦な層とすることができる。好ましくは、第2の中間層の形状は、底層および/または上層の形状に類似している。第1の凹部を形成することによって、たとえば第1の凹部を切断することによって、出口チャネルの少なくとも一部を形成することができる。たとえば、所定の幅および長さを有する線形の凹部を形成することができる。出口チャネルの高さは、第2の中間層の厚さと同一にすることができる。チャネルの高さを増大させるには、第2の中間層の厚さを増大させることができ、かつ/または複数の実質的に同一の第2の層を順々に積み重ねることができる。
本発明による投薬インターフェースの別の実施形態では、第2の中間層は、出口チャネルと第1の入口チャネルおよび第2の入口チャネルとの間で流体連結するように構成された中央空間の少なくとも一部を形成するための少なくとも1つの第2の凹部を備える。具体的には、第2の凹部は中央空間である。第2の凹部は、第2の中間層の第1の凹部の一方の端部に配置することができる。たとえば、第1の凹部および第2の凹部は、T字状の形態を有することができる。
好ましくは、上層と第2の中間層は、互いにしっかりと積層することができる。たとえば、少なくとも2つの層は、接着技術および/または溶接技術によって、互いにしっかりと積層される。底層は、少なくとも1つの出口チャネルおよび/または中央空間の上壁を提供することができる。出口チャネルおよび/または中央空間の底壁は、たとえば、さらなる中間層によって提供することができる。それぞれのチャネルおよび空間の側壁は、第2の中間層によって提供することができる。
さらに、本発明による投薬インターフェースの別の実施形態によれば、中間層構造は、少なくとも、第1の入口チャネルと中央空間との間で流体連結するように構成された第1の開口部と、第2の入口チャネルと中央空間との間で流体連結するように構成された第2の開口部とを備える第3の中間層を備える。円形の凹部、方形の凹部、三角形の凹部、または長円形の凹部のような開口部は、たとえば切断によって形成することができる。両方の開口部を、好ましくは同じ形状とすることができる。開口部は、互いに対して、第1の入口チャネルと第2の入口チャネルとの間の距離に類似の距離を有することができる。さらに、開口部は、第3の中間層が第1の中間層の上に配置される場合、開口部が2つの入口チャネルのそれぞれの末端の上にくるように配置することができる。中央空間を介して、入口チャネルと出口チャネルとの間に流体連結を提供することができる。
好ましくは、第3の中間層と第1の中間層は、互いにしっかりと積層することができる。たとえば、少なくとも2つの層は、接着技術および/または溶接技術によって、互いにしっかりと積層される。中間層は、少なくとも第1の入口チャネルおよび第2の入口チャネルの上壁を提供することができる。第1の入口チャネルおよび第2の入口チャネルの底壁は、たとえば底層によって提供することができる。
別法または追加として、第3の中間層と第2の中間層は、互いにしっかりと積層することができる。たとえば、少なくとも2つの層は、接着技術および/または溶接技術によって、互いにしっかりと積層される。中間層は、少なくとも1つの出口チャネルおよび中央空間の上壁を提供することができる。少なくとも1つの出口チャネルおよび中央空間の上壁は、たとえば上層によって提供することができる。所望のチャネルプロファイルを有する簡単かつ費用効果の高い作製可能な投薬インターフェースを提供することができる。
中間層構造は、さらなる中間層を備えることができることが理解されよう。
出口チャネルから入口チャネルへの流体の流れが阻止されている場合、有利となることがある。好ましくは、一方の入口チャネルから他方の入口チャネルへの流体の流れもまた、防止されるべきである。したがって、投薬インターフェース内に弁機構を組み込むことができる。本発明の投薬インターフェースの一実施形態によれば、第3の中間層の少なくとも2つの開口部は、逆止め弁機構を備える。逆止め弁機構は、流体の流れを1方向のみで有効にするように構成することができる。
概して、逆止め弁機構は、任意に設計することができる。本発明による投薬インターフェースの好ましい実施形態では、逆止め弁機構は、レーザ切断されたポリマー膜によって形成される。2つの可動のフラップが生成されるように薄いポリマー膜を切断することによって、弁機構を簡単に製造することができる。フラップは、流体の流れを1方向のみで可能にするように構成することができる。たとえば、入口チャネルからフラップ上へ圧力が加えられた場合、フラップは開かれる。他方の方向からフラップ上へ圧力が加えられた場合、フラップは閉じられたままである。
さらに、上層、底層、および/または中間層のような層は、投薬すべき流体との使用に適した任意の材料から作ることができる。本発明による投薬インターフェースの一実施形態によれば、複数の層の少なくとも1つは、ポリマー材料から作られる。好ましくは、積層された投薬インターフェースのすべての層が、ポリマー材料、特に同じポリマー材料から作られる。ポリマー層のコストが低いことに加えて、そのような層は、容易に処理することができる。たとえば、凹部を切断し、かつ/または2つのポリマー層を互いにしっかりと積層することを、少ない労力および低いコストで実行することができる。
本発明による投薬インターフェースのさらなる実施形態では、少なくとも2つの入口チャネルの各々は、入口開口部を備え、少なくとも1つの出口チャネルは、出口開口部を備え、入口開口部または出口開口部の少なくとも1つは、針を備える。好ましくは、第1の近位針および第2の近位針ならびに排出針を、投薬インターフェース内に組み込むことができる。たとえば、それぞれの層を互いに積層する前に、それぞれの針を挿入することができる。次いで、これらの層を針とともに積層することができ、その結果、少なくとも1つの好ましくは第1の近位針および第2の近位針ならびに排出針を備える小型の投薬インターフェースが得られる。
別法として、投薬インターフェースに連結可能な別個のニードルアセンブリを設けることができる。
ニードルアセンブリが不注意に使用された場合、使用者は針によって負傷することがあるため、少なくとも1つの針、好ましくはすべての針を、安全要素(safety element)によって覆うことができる。本発明の投薬インターフェースの一実施形態によれば、少なくとも1つの針が、少なくとも1つの安全要素によって覆われ、少なくとも1つの安全要素は、複数の層の少なくとも1つの層の延長部によって形成される。少なくとも1つの安全要素、たとえばニードルカバーを、投薬インターフェースの一体部材とすることができる。少なくとも針の先端部を覆うように、少なくとも1つの層を拡大することができる。別個のニードルカバーのような追加の別個の部材をもたない小型の投薬インターフェースを提供することもできる。
別法として、少なくとも1つの安全要素は、キャップなどとすることができる。
少なくとも1つの安全要素の簡単な取外しを有効にするために、少なくとも1つの安全要素を少なくとも1つの針から取り外すように構成された所定の破断ライン(breaking line)が配置される。たとえば、安全要素を投薬インターフェースから正確かつ容易に取り外すことができることを有効にする穿孔線を設けることができる。
技術的な問題は、投薬インターフェースを製造する方法によってさらに解決され、この方法は、少なくとも1つの底層および1つの上層を設ける工程と、少なくとも1つの中間層を備える中間層構造を設ける工程と、少なくとも1つの中間層に少なくとも凹部を形成して、チャネルプロファイルの少なくとも一部を形成する工程と、上層および底層を中間層構造にしっかりと積層する工程とを含む。
投薬インターフェース、特に前述の投薬インターフェースは、複数の層が順々に積み重ねられる場合、容易に製造することができ、少なくとも1つの中間層内に少なくとも1つの凹部が形成される。複雑な部材構造を成形してそれぞれの部材を組み立てる必要はない。好ましくは、チャネル構造は、中間層内に凹部を形成し、底層および上層を中間層にしっかりと積層することによって形成することができる。
技術的な問題は、前述の投薬インターフェースおよび排出デバイスを備えるシステムによってさらに解決され、投薬インターフェースは、排出デバイスに取り付けられる。
使用者は、排出手順の直前に投薬インターフェースを取り付けることができる。この目的のため、連結要素を設けることができる。好ましくは、針は、投薬インターフェース内にすでに組み込まれている。第1のニードルアセンブリを取り付ける工程および第2のニードルアセンブリを取り付ける工程のようなさらなる工程は、省略することができる。投薬インターフェースは、より頻繁に交換することができ、またはさらには使用のたびに交換することができる。
その結果、投薬インターフェースの複雑さを低減させることができ、投薬インターフェースの使用を容易にすることができ、同時に材料適合性および相互汚染の問題が克服される。
本発明によるシステムの一実施形態によれば、排出デバイスは、少なくとも2つの別個のリザーバから少なくとも2つの薬作用物質を送達する医療デバイスである。
技術的な問題は、前述のシステムを使用する方法によってさらに解決され、この方法は、少なくとも2つのリザーバを有する排出デバイスに投薬インターフェースを取り付けて、前記少なくとも2つのリザーバと投薬インターフェースとの間で液密連結を確立する工程と、リザーバの少なくとも1つから投薬インターフェースを介して流体を排出する工程と、投薬インターフェースを排出デバイスから取り外す工程とを含む。
好ましくは、投薬インターフェースは、少なくとも第1の近位針および第2の近位針を備え、その結果、針は投薬インターフェース内に組み込まれているため、小型の投薬インターフェースが得られる。さらに、投薬インターフェースは、排出デバイスに容易に取り付けることができる。別個のニードルアセンブリを取り付けるさらなる工程は、省略することができる。好ましくは、使用者は、投薬インターフェースを包装から取り出した後、投薬インターフェースを排出デバイスに取り付ける。特に、投薬インターフェースをより頻繁に交換し、またはさらには使用のたびに交換することが可能であり、それでもなお使用者にとって経済的である。他の変形形態では、別個のニードルアセンブリを投薬インターフェースに取り付けることができる。
針は、投薬インターフェース内に組み込まれているため、投薬インターフェースの使用が容易になる。同時に、使用者は、排出直前に投薬インターフェースとリザーバの連結を確立し、同様にその直後に投薬インターフェースを取り外すことができるため、材料適合性および相互汚染の問題が克服される。
使用者が投薬インターフェースを排出デバイスに取り付けるとき、好ましくは第1の近位針が、たとえば第1のリザーバのセプタムに穿孔することによって排出デバイスの第1のリザーバへの液密連結を提供し、第2の近位針が、たとえば第2のリザーバのセプタムに穿孔することによって排出デバイスの第2のリザーバへの液密連結を提供する。
投薬インターフェースは、排出デバイスと係合された位置で固定することができる。これは、たとえば排出デバイスによって提供される固定要素によって行うことができる。たとえば投薬インターフェース用に適合されたそのような固定要素、フック、または突起は、投薬インターフェースと排出デバイスとの間にポジティブフィットを確立することができる。別法として、投薬インターフェースは、摩擦嵌めのみによって、排出デバイスと係合された位置で固定されることも可能である。
第1のニードルアセンブリおよび第2のニードルアセンブリの針の先端部が安全要素、たとえばニードルカバーで覆われている場合、使用者は、投薬インターフェースを排出デバイスに取り付ける前に、これらのカバーを取り外す必要がある。第3の針の、針の先端部がニードルカバーのような安全要素で覆われている場合、使用者は、排出手順を実行する前にこのカバーを取り外す必要がある。カバーが少なくとも1つの層の延長部によって形成されており、その延長部が所定の破断ラインによって設けられている場合、それぞれのニードルカバーをそれぞれの針から容易に取り外すことができる。
好ましくは、本発明による方法は、リザーバの少なくとも1つから投薬インターフェースを通って流体を排出する工程と、次いで投薬インターフェースを排出デバイスから取り外す工程とをさらに含む。
これらの工程は、投薬インターフェースを注射デバイスに取り付けた後に実行される。排出手順後、たとえば使用者によって投薬インターフェースが取り外されたとき、流体および/またはリザーバで起こり得る汚染のリスクが低減される。好ましくは、投薬インターフェースは、排出手順の直後に取り外される。次いで、(一体化された)針とともに、投薬インターフェースを破棄することができる。
本発明の様々な態様の上記その他の利点は、添付の図面を適当に参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって、当業者には明らかになるであろう。
図1に示す薬物送達デバイスの形態の排出デバイスは、近位端16から遠位端15まで延びる本体14を備える。遠位端15には、取外し可能なエンドキャップまたはカバー18が設けられる。このエンドキャップ18と本体14の遠位端15はともに作用して、スナップフィットまたはフォームフィット連結を提供し、したがって、本体14の遠位端15上へカバー18が摺動した後、キャップと本体の外面20との間のこの摩擦嵌めにより、カバーが不注意で本体から落ちないようになっている。
本体14は、マイクロプロセッサ制御ユニットと、電気機械式のドライブトレーンと、少なくとも2つの薬剤リザーバとを収容する。エンドキャップまたはカバー18がデバイス10から取り外されたとき(図1に示す)、本体14の遠位端15に投薬インターフェース200が取り付けられ、このインターフェースに用量投薬器(たとえば、ニードルアセンブリ)が取り付けられる。薬物送達デバイス10を使用して、両頭針アセンブリなどの単一のニードルアセンブリを通って、計算された用量の第2の薬剤(2次薬物化合物)と、可変用量の第1の薬剤(1次薬物化合物)とを投与することができる。
ドライブトレーンは、それぞれ第1の薬剤および第2の薬剤の用量を排出するために、各カートリッジの栓に圧力を及ぼすことができる。たとえば、ピストンロッドにより、単一の用量の薬剤に対して所定の量だけ、カートリッジの栓を前方へ押すことができる。カートリッジが空になったとき、ピストンロッドは本体14内部に完全に後退しており、したがって空のカートリッジを取り外すことができ、新しいカートリッジを挿入することができる。
本体14の近位端付近には、制御パネル領域60が設けられる。好ましくは、この制御パネル領域60は、組合せ用量を設定および注射するために使用者が操作できる複数のヒューマンインターフェース要素とともに、デジタルディスプレイ80を備える。この配置では、制御パネル領域は、第1の用量設定ボタン62と、第2の用量設定ボタン64と、「OK」という記号で示す第3のボタン66とを備える。さらに、本体の最も近位の端部に沿って、注射ボタン74も設けられる(図1の斜視図では見えない)。薬物送達デバイスのユーザインターフェースは、「メニュー」ボタン、「戻る」ボタン、またはディスプレイの照明をオンにするための「照明」ボタンなど、追加のボタンを備えることができる。
カートリッジホルダ40を本体14に取外し可能に取り付けることができ、カートリッジホルダ40は、少なくとも2つのカートリッジ保持器50および52を収容することができる。各保持器は、ガラスのカートリッジなどの1つの薬剤リザーバを収容するように構成される。好ましくは、各カートリッジは、異なる薬剤を収容する。
さらに、カートリッジホルダ40の遠位端に、図1に示す薬物送達デバイスは、投薬インターフェース200を含む。図4に関連して説明するように、1つの配置で、この投薬インターフェース200は、カートリッジハウジング40の遠位端42に取外し可能に取り付けられた外側本体210を含む。図1に見ることができるように、投薬インターフェース200の遠位端214は、好ましくは、ニードルハブ216を備える。このニードルハブ216は、従来のペン型の注射ニードルアセンブリなどの用量投薬器を薬物送達デバイス10に取外し可能に取り付けることを可能にするように構成することができる。
デバイスに電源が投入された後、図1に示すデジタルディスプレイ80が点灯し、特定のデバイス情報、好ましくはカートリッジホルダ40内に収容されている薬剤に関連する情報を使用者に提供する。たとえば、1次薬剤(薬物A)と2次薬剤(薬物B)との両方に関する特定の情報が、使用者に提供される。
図3に示すように、第1のカートリッジ保持器50および第2のカートリッジ保持器52は、ヒンジ式のカートリッジ保持器とすることができる。これらのヒンジ式の保持器により、カートリッジへの使用者のアクセスが可能になる。図3は、図1に示すカートリッジホルダ40の斜視図を示し、第1のヒンジ式のカートリッジ保持器50が開位置にある。図3は、第1の保持器50を開き、それによって第1のカートリッジ90へのアクセスを得ることによって、使用者が第1のカートリッジ90にどのようにアクセスできるかを示す。
図1に関して論じた際に上述したように、投薬インターフェース200は、カートリッジホルダ40の遠位端にカップリングすることができる。図4は、カートリッジホルダ40の遠位端に連結されていない投薬インターフェース200の平面図を示す。また、インターフェース200とともに使用できる用量投薬器またはニードルアセンブリ400が示されており、外側保護キャップ420内に設けられている。
図5では、図4に示す投薬インターフェース200が、カートリッジホルダ40にカップリングされた状態で示されている。投薬インターフェース200とカートリッジホルダ40との間の軸方向取付け手段(axial attachment means)48は、スナップロック、スナップフィット、スナップリング、鍵付きスロット、およびそのような連結の組合せを含めて、当業者に知られている任意の軸方向取付け手段とすることができる。投薬インターフェースとカートリッジホルダとの間の連結または取付けはまた、連結器、止め具、スプライン、リブ、溝、ピップ(pip)、クリップ、および同様の設計の特性など、追加の特性(図示せず)を含むことができ、それによって、整合する薬物送達デバイスのみに特定のハブを確実に取り付けることができる。そのような追加の特性は、適当でない2次カートリッジが整合しない注射デバイスに挿入されるのを防止するはずである。
図5はまた、インターフェース200のニードルハブ上にねじ込むことができる投薬インターフェース200の遠位端にカップリングされたニードルアセンブリ400および保護カバー420を示す。図6は、図5の投薬インターフェース200上に取り付けられた両頭針アセンブリ400の横断面図を示す。
図6に示すニードルアセンブリ400は、両頭針406およびハブ401を備える。両頭針またはカニューレ406は、ニードルハブ401内に固定して取り付けられる。このニードルハブ401は、円形のディスク状要素を備え、その周辺部に沿って、円周スリーブ403が垂れ下がっている。このハブ部材401の内壁に沿って、ねじ山404が設けられる。このねじ山404により、ニードルハブ401を投薬インターフェース200上へねじ込むことが可能になり、1つの好ましい配置では、投薬インターフェース200は、遠位ハブに沿って対応する外側のねじ山を備える。ハブ要素401の中心部分に、突起402が設けられる。この突起402は、スリーブ部材とは反対の方向にハブから突出する。突起402およびニードルハブ401を通って中心に、両頭針406が取り付けられる。この両頭針406は、両頭針の第1または遠位の穿孔端405が注射箇所(たとえば、使用者の皮膚)に穿孔する注射部材を形成するように取り付けられる。
同様に、ニードルアセンブリ400の第2または近位の穿孔端408が、円形ディスクの反対側からから突出し、したがってスリーブ403によって同心円状に取り囲まれる。1つのニードルアセンブリの配置では、第2または近位の穿孔端408は、スリーブ403より短くすることができ、したがってこのスリーブは、裏面スリーブの尖った端部をある程度保護する。図4および図5に示すニードルカバーキャップ420は、ハブ401の外面403の周りにフォームフィットを提供する。
図4〜図11を次に参照しながら、このインターフェース200の1つの好ましい配置について次に論じる。この1つの好ましい配置では、このインターフェース200は:
a.外側本体210、
b.第1の内側本体220、
c.第2の内側本体230、
d.第1の穿孔針240、
e.第2の穿孔針250、
f.バルブシール260、および
g.セプタム270を備える。
a.外側本体210、
b.第1の内側本体220、
c.第2の内側本体230、
d.第1の穿孔針240、
e.第2の穿孔針250、
f.バルブシール260、および
g.セプタム270を備える。
外側本体210は、本体近位端212および本体遠位端214を備える。外側本体210の近位端212では、連結部材が、投薬インターフェース200をカートリッジホルダ40の遠位端に取り付けることが可能になるように構成される。好ましくは、連結部材は、投薬インターフェース200をカートリッジホルダ40に取外し可能に連結することが可能になるように構成される。1つの好ましいインターフェース配置では、インターフェース200の近位端は、少なくとも1つの凹部を有する上向きの延長壁218を有するように構成される。たとえば、図8から分かるように、上向きの延長壁218は、少なくとも第1の凹部217および第2の凹部219を備える。
好ましくは、第1の凹部217および第2の凹部219は、薬物送達デバイス10のカートリッジハウジング40の遠位端付近に位置する外向きの突出部材と協働するように、この外側本体壁内に位置する。たとえば、カートリッジハウジングのこの外向きの突出部材48は、図4および図5に見ることができる。カートリッジハウジングの反対側には、第2の類似の突出部材が設けられる。したがって、インターフェース200がカートリッジハウジング40の遠位端の上へ軸方向に摺動するとき、外向きの突出部材は、第1の凹部217および第2の凹部219と協働して、干渉フィット、フォームフィット、またはスナップロックを形成する。別法として、当業者には理解されるように、投薬インターフェースとカートリッジハウジング40を軸方向にカップリングすることを可能にする任意の他の類似の連結機構も同様に使用することができる。
外側本体210およびカートリッジホルダ40の遠位端は、軸方向に係合するスナップロックまたはスナップフィット配置を形成するように作用し、カートリッジハウジングの遠位端上へ軸方向に摺動することができる。1つの代替の配置では、投薬インターフェース200は、不注意による投薬インターフェースの相互使用を防止するために、コーディング機能を備えることができる。すなわち、ハブの内側本体は、1つまたはそれ以上の投薬インターフェースの不注意による相互使用を防止するように幾何学的に構成することができる。
投薬インターフェース200の外側本体210の遠位端に、取付けハブが設けられる。そのような取付けハブは、ニードルアセンブリに解放可能に連結されるように構成することができる。単なる一例として、この連結手段216は、図6に示すニードルアセンブリ400などのニードルアセンブリのニードルハブの内壁面に沿って設けられた内側のねじ山に係合する外側のねじ山を備えることができる。また、スナップロック、ねじ山を通って解放されるスナップロック、バヨネットロック、フォームフィット、または他の類似の連結配置など、代替の解放可能な連結器を設けることもできる。
投薬インターフェース200は、第1の内側本体220をさらに備える。この内側本体の特定の詳細を、図8〜図11に示す。好ましくは、この第1の内側本体220は、外側本体210の延長壁218の内面215にカップリングされる。より好ましくは、この第1の内側本体220は、リブと溝のフォームフィット配置を用いて、外側本体210の内面にカップリングされる。たとえば、図9から分かるように、外側本体210の延長壁218は、第1のリブ213aおよび第2のリブ213bを備える。この第1のリブ213aは、図10にも示されている。これらのリブ213aおよび213bは、外側本体210の壁218の内面215に沿って位置し、第1の内側本体220の協働する溝224aおよび224bとのフォームフィットまたはスナップロック係合をもたらす。好ましい配置では、これらの協働する溝224aおよび224bは、第1の内側本体220の外面222に沿って設けられる。
さらに、図8〜図10に見ることができるように、第1の内側本体220の近位端付近の近位面226は、近位穿孔端部分244を備える少なくとも第1の近位に位置する穿孔針240を有するように構成することができる。同様に、第1の内側本体220は、近位穿孔端部分254を備える第2の近位に位置する穿孔針250を有するように構成される。第1の針240および第2の針250は、第1の内側本体220の近位面226上に封止するように取り付けられる。
好ましくは、この投薬インターフェース200は、バルブ配置をさらに備える。そのようなバルブ配置は、第1のリザーバおよび第2のリザーバ内にそれぞれ収容されている第1の薬剤および第2の薬剤の相互汚染を防止するように構築することができる。好ましいバルブ配置はまた、第1の薬剤および第2の薬剤の逆流および相互汚染を防止するように構成することができる。
1つの好ましいシステムでは、投薬インターフェース200は、バルブシール260の形態のバルブ配置を含む。そのようなバルブシール260は、保持チャンバ280を形成するように、第2の内側本体230によって画成された空胴231内に設けることができる。好ましくは、空胴231は、第2の内側本体230の上面に沿って位置する。このバルブシールの上面は、第1の流体溝264と第2の流体溝266の両方を画成する。たとえば、図9は、第1の内側本体220と第2の内側本体230との間に着座させられたバルブシール260の位置を示す。注射工程中、このバルブシール260は、第1の経路内の1次薬剤が第2の経路内の2次薬剤へ移動するのを防止し、また第2の経路内の2次薬剤が第1の経路内の1次薬剤へ防止するのも防止するのに役立つ。好ましくは、このバルブシール260は、第1の逆止め弁262および第2の逆止め弁268を備える。したがって、第1の逆止め弁262は、第1の流体経路264、たとえばバルブシール260内の溝に沿って伝達される流体が、この経路264内へ戻るのを防止する。同様に、第2の逆止め弁268は、第2の流体経路266に沿って伝達される流体が、この経路266内へ戻るのを防止する。
ともに、第1の溝264および第2の溝266は、それぞれ逆止め弁262および268の方へ収束し、次いで出力流体経路または保持チャンバ280を実現する。この保持チャンバ280は、第2の内側本体の遠位端、第1の逆止め弁262および第2の逆止め弁268の両方、ならびに穿孔可能なセプタム270によって画成された内側チャンバによって画成される。図示のように、この穿孔可能なセプタム270は、第2の内側本体230の遠位端部分と、外側本体210のニードルハブによって画成された内面との間に位置する。
保持チャンバ280は、インターフェース200の出口ポートで終端する。この出口ポート290は、好ましくは、インターフェース200のニードルハブ内の中心に位置し、穿孔可能なシール270を静止位置で維持するのを助ける。したがって、両頭針アセンブリがインターフェースのニードルハブ(図6に示す両頭針など)に取り付けられているとき、出力流体経路により、取り付けられたニードルアセンブリに両方の薬剤を流体連通させることが可能になる。
ハブインターフェース200は、第2の内側本体230をさらに備える。図9から分かるように、この第2の内側本体230の上面は凹部を画成し、バルブシール260はこの凹部内に位置する。したがって、インターフェース200が図9に示すように組み立てられたとき、第2の内側本体230は、外側本体210の遠位端と第1の内側本体220との間に位置する。ともに、第2の内側本体230および外側本体は、セプタム270を定位置で保持する。内側本体230の遠位端はまた、バルブシールの第1の溝264と第2の溝266の両方と流体連通するように構成できる空胴または保持チャンバを形成することができる。
薬物送達デバイスの遠位端の上で外側本体210を軸方向に摺動させることで、投薬インターフェース200がこの多目的デバイスに取り付けられる。このようにして、それぞれ第1のカートリッジの1次薬剤および第2のカートリッジの2次薬剤を有する第1の針240と第2の針250との間に、流体的連通をもたらすことができる。
図11は、図1に示す薬物送達デバイス10のカートリッジホルダ40の遠位端42上へ取り付けた後の投薬インターフェース200を示す。このインターフェースの遠位端には、両頭針400も取り付けられる。カートリッジホルダ40は、第1の薬剤を収容する第1のカートリッジと、第2の薬剤を収容する第2のカートリッジとを有するものとして示されている。
インターフェース200が第1にカートリッジホルダ40の遠位端の上に取り付けられたとき、第1の穿孔針240の近位穿孔端244が第1のカートリッジ90のセプタムに穿孔し、それによって第1のカートリッジ90の1次薬剤92と流体連通する。第1の穿孔針240の遠位端はまた、バルブシール260によって画成された第1の流体経路溝264と流体連通する。
同様に、第2の穿孔針250の近位穿孔端254が第2のカートリッジ100のセプタムに穿孔し、それによって第2のカートリッジ100の2次薬剤102と流体連通する。この第2の穿孔針250の遠位端はまた、バルブシール260によって画成された第2の流体経路溝266と流体連通する。
図11は、薬物送達デバイス10の本体14の遠位端15にカップリングされた投薬インターフェース200の好ましい配置を示す。好ましくは、そのような投薬インターフェース200は、薬物送達デバイス10のカートリッジホルダ40に取外し可能にカップリングされる。
図11に示すように、投薬インターフェース200は、カートリッジハウジング40の遠位端にカップリングされる。このカートリッジホルダ40は、1次薬剤92を収容する第1のカートリッジ90と、2次薬剤102を収容する第2のカートリッジ100とを収容するものとして示されている。カートリッジハウジング40にカップリングされた後、投薬インターフェース200は本質的に、第1のカートリッジ90および第2のカートリッジ100から共通の保持チャンバ280への流体的連通経路を提供する機構を提供する。この保持チャンバ280は、用量投薬器と流体連通しているものとして示されている。ここでは、図示のように、この用量投薬器は、両頭針アセンブリ400を構成する。図示のように、両頭針アセンブリの近位端は、チャンバ280と流体連通している。
1つの好ましい配置では、投薬インターフェースは、1つの向きでのみ本体に取り付けられるように、すなわち一方向にのみ嵌合するように構成される。図11に示すように、投薬インターフェース200がカートリッジホルダ40に取り付けられた後、1次針240は、第1のカートリッジ90の1次薬剤92との流体的連通のためだけに使用することができ、インターフェース200は、ホルダ40に再び取り付けることができなくなり、その結果、1次針240は、第2のカートリッジ100の2次薬剤102との流体的連通のために使用することができない。そのような一方向の連結機構は、2つの薬剤92および102間で起こり得る相互汚染を低減させるのに役立つことができる。
図12は、本発明による投薬インターフェース500の斜視図を示す。
図示の投薬インターフェース500は、上層502、底層506、および中間層構造508を備える。上層502、底層506、および中間層構造508は、本体504を形成する。
図12から分かるように、中間層構造508は、複数の中間層を備える。上層502、中間層構造508の複数の中間層、および底層506は、順々に積み重ねられる。2つの隣接する層は、互いにしっかりと積層することができる。たとえば、2つの隣接する層は、ともに接着および/または溶接することができる。
各層は、ポリマー材料から作ることができる。たとえば、適したプラスチック材料を使用することができる。
さらに、投薬インターフェース500は、第1の近位針512および第2の近位針514を備える。第1の近位針512および第2の近位針514は、それぞれ1次化合物を収容する第1のリザーバおよび2次化合物を収容する第2のリザーバに穿孔することができる。第1の近位針512および第2の近位針514は、投薬インターフェース500内にしっかりと組み込むことができる。
投薬インターフェース500は、第3の針510、たとえば排出針510をさらに備える。第3の針510は、投薬インターフェース500内にしっかりと組み込むことができる。
投薬インターフェース500は、この例では、方形の形状を有する。本発明の他の変形形態によれば、形状は異なることができ、たとえば排出デバイスの形状および/または設計に適合することができることが理解されよう。好ましくはポリマー材料が使用されるため、それぞれの層は、所望の形状を得るように容易に形成することができる。
図13は、図12の投薬インターフェース500の斜視図を示し、複数の層502、506、516、518、520は互いに接合されていない。
投薬インターフェース500の図示の底層506は、いかなる開口部または凹部もない平坦で均一な層506である。この例では、底層506は、方形の形状を有する。本出願の他の変形形態によれば、底層506は、長円形の形状、三角形の形状などのような任意の他の形状とすることができることが理解されよう。
さらに、投薬インターフェース500は、第1の中間層516を備える。第1の中間層516は、底層506と実質上同じ形状を備える。第1の中間層516は、第1の凹部522および第2の凹部524を備える。図13から分かるように、第1の凹部522および第2の凹部524は略線形である。第1の凹部522は、所定の長さおよび幅を有する線形の凹部522である。第2の凹部524は、所定の長さおよび幅を有する線形の凹部524である。好ましくは、凹部522、524は実質的に等しく、互いに対して平行に通る。
第1の凹部522および第2の凹部524は、切断技術、打抜き技術、エッチング技術などのような任意の適した凹部形成技術によって形成することができる。
第1の凹部522は、第1の入口チャネル522を形成し、第2の凹部524は、第2の入口チャネル524を形成する。第1の入口チャネル522および第2の入口チャネル524の各々は、入口開口部526、528を備える。第1の近位針512および第2の近位針514は、第1の入口開口部526および第2の入口開口部528内へ挿入することができる。
さらに、第1の中間層516は、底層506にしっかりと連結することができる。第1の中間層516の上部に、第3の中間層520をしっかりと取り付けることができる。第3の中間層520については、以下で説明する。3つの層506、516、520の積層の結果、第1の中空の空間および第2の中空の空間、すなわち第1の入口チャネル522および第2の入口チャネル524が得られる。流体は、それぞれ第1の近位針512および第2の近位針514を介して、それぞれ第1の入口チャネル522および第2の入口チャネル524に入ることができる。
第3の中間層520は、底層506および/または第1の中間層516と実質上同じ形状を備える。第3の中間層520は、第1の開口部538および第2の開口部540を備える。この例では、開口部538、540は、円形の形状を有する。本出願の他の変形形態によれば、開口部は互いに異なることができ、かつ/または長円形の形状、三角形の形状、方形の形状などのような別の形状を有することができることが理解されよう。
第1の開口部538および第2の開口部540は、切断技術、打抜き技術、エッチング技術などのような任意の適した凹部形成技術によって形成することができる。
第1の開口部538は、第1の入口チャネル522と流体連通するように構成される。特に、第1の開口部538は、第1の入口開口部526とは反対側の第1の入口チャネル522の端部に配置することができる。第2の開口部540は、第2の入口チャネル524と流体連通するように構成される。特に、第2の開口部540は、第2の入口開口部528とは反対側の第2の入口チャネル524の端部に配置することができる。
第1の開口部538および第2の開口部540は、弁機構542を備えることができる。弁機構542は、逆止め弁機構542とすることができる。たとえば、逆止め弁機構542は、第1の弁フラップおよび第2の弁フラップ(図示せず)を形成するようにレーザ切断された薄いポリマー膜とすることができる。膜542は、第3の中間層520にしっかりと取り付けることができる。それによって、逆止め弁機構542は、入口チャネル522、524からレーザ切断膜542上に圧力が加えられた場合、流体が逆止め弁機構542を通って流れることができるように構成される。圧力が逆方向から加えられた場合、逆止め弁機構542は閉じたままであり、逆方向の流体の流れを防ぐ。
さらに、投薬インターフェース500は、第2の中間層518を備える。第2の中間層518は、前述の層506、516、520と実質的に同じ形状を備える。第2の中間層518は、第1の線形の凹部530を備える。第1の凹部530は、出口チャネル530を形成する。出口チャネル530は、流体を投薬するための出口開口部532を備える。出口開口部532内へ、排出針510のような第3の針510を挿入することができる。
出口開口部532の反対側にある第1の凹部530の端部で、第1の凹部530に第2の凹部534が連結される。第2の凹部534は、中央空間534を形成する。中央空間534と出口チャネル530との間の流体連通が可能となる。
さらに、中央空間534を第1の開口部538および第2の開口部540の上に配置して、第1の開口部538および第2の開口部540と出口チャネル530との間の流体連通を確立することができる。
図示の中央空間534は、略方形の形状を備える。中央空間534は、第1の開口部538および第2の開口部540と出口チャネル530との間の流体連通が可能である限り、任意の他の形状とすることができることが理解されよう。
第2の中間層518は、第3の中間層520にしっかりと連結することができる。第2の中間層518の上部に、上層502をしっかりと取り付けることができる。3つの層502、518、520の積層の結果、第1の中空の空間および第2の中空の空間、すなわち中央空間534および出口チャネル530が得られる。流体は、第1の開口部538および/または第2の開口部540を介して中央空間534に入ることができ、出口チャネル530および第3の針510を介して投薬することができる。
好ましくは、すべての層502、506、516、518、520が、(同じ)ポリマー材料から作られる。
図14は、図12の投薬インターフェースの横断面図である。特に、図14は、投薬インターフェース500、特にチャネルプロファイル554を通る流体の流れを示す。
流体は、入口開口部526を介して投薬インターフェース500に入ることができる。たとえば、流体は、第1の近位針512(この例では図示せず)を介して入口チャネル522に入ることができる。次いで、流体は、第1の入口チャネル522を通って流れる。流体上へ圧力が加えられるため、流体は、第1の開口部538、特に逆止め弁機構542を通ることができる。次いで、流体は、中央空間534および出口チャネル530を介して出口開口部532へ流れることができる。たとえば、流体は、排出針510(この例では図示せず)を介して投薬することができる。
図14に関しては、この横断面図は簡略化された図であり、図12の投薬インターフェースを現実的に表すものではないことに留意されたい。特に、図13から分かるように、通常、実際の横断面図では、出口チャネルは通常、第1の入口チャネルまたは第2の入口チャネルの軸内に位置しないため、1つの入口チャネルまたは出口チャネルのいずれかが見えるはずである。しかし、図14は、投薬インターフェースを通る流体の流れを実証的に示すために、導入されている。
好ましくは、この設計は完全に対称であり、したがって針510、512、514はすべて、中間の層の中に挿入される。これは、流体の流れを第1に中間の層から中間の層に隣接する層へ伝達する流体チャネルによって実現することができる。このとき、弁機構に関するこの構造は、図13および図14に示すように設計することができる。
図15a〜図15eは、本発明による投薬インターフェース500の使用中の異なる中間工程を示す。
図15aでは、投薬インターフェース500を備える包装544が示されている。包装544は、使用者によって開くことができ、投薬インターフェース500は、包装544から取り外すことができる。
図15bから分かるように、投薬インターフェース500は、第1の安全要素548および第2の安全要素546を備える。安全要素546、548は、針510、512、514によって引き起こされる負傷から使用者を保護するように構成される。好ましくは、第1の安全要素548および第2の安全要素546は、投薬インターフェース500の延長部によって形成される。特に、第1の安全要素548および第2の安全要素546は、複数の層の延長部を備える。
第1の安全要素548と投薬インターフェース500との間に、第1の所定の破断ライン550が設けられる。第2の安全要素546と投薬インターフェース500との間に、第2の所定の破断ライン552が設けられる。所定の破断ライン550、552は、それぞれの安全要素546、548を素早く簡単に取り外すように構成される。図15bに示す工程で、第1の安全要素548が取り外される。
図15cでは、投薬インターフェース500は、医療デバイスのような排出デバイス560に取り付けられる。排出デバイスは、投薬インターフェースに対応する取入れ口を備える。排出デバイス560内への投薬インターフェース500の挿入を簡略化するために、案内要素を配置することができる。第1の近位針512および第2の近位針514は、対応するリザーバに穿孔することができる。しっかりした取付けを確実にする機構を設けることができる。
次の図示の工程(図15d)で、第2の安全要素546は、使用者によって第3の針から取り外すことができる。特に、第2の安全要素546は、回転および引っ張り運動によって取り外すことができる。
少なくとも1つのリザーバの少なくとも1つの流体の排出後、投薬インターフェース500は、たとえば引っ張り運動によって、排出デバイス560から取り外すことができる。投薬インターフェース500は、鋭利なデバイスに適したビンに入れて処分することができ、包装544は、従来の家庭廃棄物を通じて処分することができる。
図16は、投薬インターフェースを製造する本発明による方法の流れ図を示す。特に、この方法は、前述の投薬インターフェースを製造するために使用することができる。
第1の工程601で、上層、底層、および少なくとも1つの中間層を設けることができる。好ましくは、すべての層がポリマー材料から作られる。複数の中間層を設けることができることが理解されよう。
続く工程602で、少なくとも1つの中間層内へ少なくとも1つの凹部を形成することができる。少なくとも1つの凹部は、チャネルプロファイルの少なくとも一部を形成する。好ましくは、複数の中間層が、投薬インターフェースのチャネルプロファイルを形成するための凹部および/または開口部を備えることができる。たとえば、少なくとも1つの凹部は、切断デバイスによって切断することができる。たとえば、レーザを使用することができる。代替実施形態では、少なくとも1つの凹部はまた、打抜きまたはエッチング技術によって形成することができる。
少なくとも1つの凹部、好ましくはすべての凹部を形成した後、任意選択の工程で、チャネルプロファイルの入口開口部および出口開口部に針を設けることができる。たとえば、第1の入口開口部および第2の入口開口部に、それぞれ第1の近位針および第2の近位針を設けることができる。さらに、出口開口部に、排出針のような第3の針を設けることができる。
次の工程603で、少なくとも3つの層は、互いにしっかりと積層される。特に、隣接する層は、たとえば接着または溶接によって、互いに積層することができる。好ましくは、針を備える層を互いに積層することができる。言い換えれば、針はまた、投薬インターフェースにしっかりと連結することができる。
積層工程後、任意選択の工程で、切断などによって、積層の形状を変化させることができる。さらに、投薬インターフェースが少なくとも1つの安全要素を備える場合、安全要素と残りの構成要素との間に所定の破断ラインを設けることができる。
図17は、投薬インターフェースを使用する本発明による方法の流れ図を示す。特に、前述の投薬インターフェースの用法が示されている。
第1の工程701で、投薬インターフェースの包装を使用者によって開くことができ、投薬インターフェースを包装から取り出すことができる。
次いで、工程702で、投薬インターフェースがニードルカバーのような第1の安全要素を備える場合、第1の安全要素を第1の近位針および/または第2の近位針から取り外すことができる。たとえば、所定の破断ラインが設けられている場合、使用者によって実行される角運動によって、第1の安全要素を取り外すことができる。代替実施形態では、安全要素は、キャップなどによって形成することができることが理解されよう。
第1の安全要素を取り外した後、第1の近位針および第2の近位針が露出される。次いで工程703で、投薬インターフェースが排出デバイスに取り付けられる。特に、投薬インターフェースは、排出デバイスにしっかりと取り付けられる。それによって、第1の近位針は排出デバイスの第1のリザーバに穿刺することができ、第2の近位針は第2のリザーバに穿刺することができる。
投薬インターフェースが排出針を覆うための第2の安全要素を備える場合、工程704で、第2の安全要素が取り外される。排出針のような第3の針が露出される。安全要素は、投薬要素の積層構造の延長部とすることができる。たとえば、所定の破断ラインが設けられている場合、安全要素は、使用者によって実行される円形運動および引っ張り運動によって取り外すことができる。投薬インターフェースが排出デバイスから外れないように、第1に、所定の破断ラインを円形運動によって切断することができ、次いで安全要素を引っ張り運動によって取り外すことができる。
次の工程705で、前述のように、少なくとも1つのリザーバの少なくとも1つの流体を排出することができる。たとえば、薬物または薬剤を排出することができる。
その後、使用済みの投薬インターフェースは、排出デバイスから取り外される(工程706)。たとえば、使用済みの投薬インターフェースは、使用者によって引き出すことができる。
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(CH)と可変領域(VH)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
Claims (12)
- 投薬インターフェース(500)であって、
少なくとも2つの入口チャネル(522、524)および少なくとも1つの出口チャネル(530)を有し、
該少なくとも2つの入口チャネル(522、524)の各々が、少なくとも2つのリザーバ(90、100)のそれぞれのリザーバ(90、100)と流体連通するように構成される、チャネルプロファイル(554)と、
少なくとも1つの上層(502)および1つの底層(506)と、
該少なくとも1つの上層(502)と1つの底層(506)との間に配置された中間層構造(508)とを備え、
ここで、中間層構造(508)は、該上層(502)および該底層(506)にしっかりと積層され、
該中間層構造(508)は、該チャネルプロファイル(554)の少なくとも一部を形成するための少なくとも1つの凹部(522、524、530、534、538、540)を備える少なくとも1つの中間層(516、518、520)を備え、
該少なくとも2つの入口チャネル(522、524)の各々は、入口開口部(526、528)を備え、
該少なくとも1つの出口チャネル(530)は、出口開口部(532)を備え、
該入口開口部(526、528)または出口開口部(532)の少なくとも1つは、針(510、512、514)を備え、
少なくとも1つの針(510、512、514)は、少なくとも1つの安全要素(546、548)で覆われており、
該少なくとも1つの安全要素(546、548)は、該複数の層(502、506、516、518、520)の少なくとも1つの延長部によって形成されることを特徴とする、前記投薬インターフェース(500)。 - 中間層構造(508)は、少なくとも、第1の入口チャネル(522)の少なくとも一部を形成するための1つの第1の凹部(522)と、第2の入口チャネル(524)の少なくとも一部を形成するための1つの第2の凹部(524)とを備える第1の中間層(516)を備える、
請求項1に記載の投薬インターフェース(500)。 - 中間層構造(508)は、出口チャネル(530)の少なくとも一部を形成するための少なくとも1つの第1の凹部(530)を備える第2の中間層(518)を備える、
請求項1または2に記載の投薬インターフェース(500)。 - 第2の中間層(518)は、出口チャネル(530)と第1の入口チャネル(522)および第2の入口チャネル(524)との間で流体連結するように構成された中央空間(534)の少なくとも一部を形成するための少なくとも1つの第2の凹部(534)を備える、
請求項3に記載の投薬インターフェース(500)。 - 中間層構造(508)は、少なくとも、第1の入口チャネル(522)と中央空間(534)との間で流体連結するように構成された第1の開口部(538)と、第2の入口チャネル(524)と中央空間(534)との間で流体連結するように構成された第2の開口部(540)とを備える第3の中間層(520)を備える、
請求項4に記載の投薬インターフェース(500)。 - 第3の中間層(520)の少なくとも2つの開口部(538、540)は、逆止め弁機構(542)を備える、
請求項5に記載の投薬インターフェース(500)。 - 逆止め弁機構(542)は、レーザ切断されたポリマー膜(542)によって形成される、
請求項6に記載の投薬インターフェース(500)。 - 複数の層(502、506、516、518、520)の少なくとも1つは、ポリマー材料から作られる、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の投薬インターフェース(500)。 - 少なくとも1つの安全要素(546、548)を少なくとも1つの針(510、512、514)から取り外すように構成された所定の破断ライン(550、552)が配置される、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の投薬インターフェース(500)。 - 少なくとも1つの底層(506)および1つの上層(502)を設ける工程と、
少なくとも1つの中間層(516、518、520)を備える中間層構造(508)を設ける工程と、
該少なくとも1つの中間層(516、518、520)に少なくとも凹部を形成して、チャネルプロファイル(554)の少なくとも一部を形成する工程と、
該上層(502)および該底層(506)を該中間層構造(508)にしっかりと積層する工程であって、
少なくとも2つの入口チャネル(522、524)の各々は、入口開口部(526、528)を備え、
少なくとも1つの出口チャネル(530)は、出口開口部(532)を備える、積層する工程と、
該入口開口部(526、528)または出口開口部(532)の少なくとも1つに針(510、512、514)を設ける工程と、
該少なくとも1つの針(510、512、514)を少なくとも1つの安全要素(546、548)で覆う工程とを含む、
投薬インターフェース(500)を製造する方法であって:
該少なくとも1つの安全要素(546、548)は、複数の層(502、506、516、518、520)の少なくとも1つの延長部によって形成されることを特徴とする、前記方法。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の投薬インターフェース(500)と、
排出デバイス(40、560)とを備え、
ここで、該投薬インターフェース(500)は、該排出インターフェース(40、560)に取り付けられるシステム。 - 排出デバイス(40、560)は、少なくとも2つの別個のリザーバ(90、100)から少なくとも2つの薬作用物質を送達する医療デバイスである、
請求項11に記載のシステム。
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