以下、図面を参照して、本発明による一実施形態のコード調整器を説明する。尚、本願明細書中、図1に示すアコーディオンカーテン1の正面図に対して、図示上方及び図示下方をアコーディオンカーテン1の吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示右方向をアコーディオンカーテン1の右方向(又は右側)、及び、図示左方向をアコーディオンカーテン1の左方向(又は左側)、図示を視認する側をアコーディオンカーテン1の前方向(又は前側)、これに相対して奥側をアコーディオンカーテン1の後方向(又は後側)と定義して説明する。例えば、アコーディオンカーテン1の前後方向と称するときは、図1の正面図においてその図示した正面に対して垂直な方向を云う。また、高さについて言及するときは、アコーディオンカーテン1を設置する床面に対して垂直に延びる上方向の長さを云う。
(アコーディオンカーテンの構成)
まず、本発明による一実施形態のコード調整器13(後述するケース部13a及びレバー部13bからなる)を適用可能な間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1の構成を説明する。図1は、本発明による一実施形態のコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)を備える間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1の全体構成を示す正面図である。図2は、本発明による一実施形態のコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)を備える間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1について全閉状態時の上方から見て各要素の配置関係を示す平面図である。図3は、本発明による一実施形態のコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)を備える間仕切り装置としてのアコーディオンカーテン1について全開状態時の右端側から見て各要素の配置関係を示す側面図である。
図1〜図3に示すように、アコーディオンカーテン1は、ハンガーレール2と、ランナー3及び先頭ランナー4と、取付フレーム5と、操作ユニット6と、移動框7と、固定框8と、コードイコライザ9と、転向滑車ユニット10と、滑車ユニット11,12と、本発明に係るコード調整器13と、間仕切り部材(カーテン材65)及びパンタグラフ状に伸縮させる骨組みとしての伸縮機構からなるカーテン本体14と、ブラケット15と、コードストッパ装置70と、ソフトクローズ装置80とを主要な構成要素としている。
ハンガーレール2は、カーテン材65を吊下支持するランナー3及び先頭ランナー4が移動可能なように下端側が開口している略四角筒状の部材である。ハンガーレール2の上面にはブラケット15と嵌合する嵌合部が設けられる。したがって、ハンガーレール2の上端面は、このブラケット15を介して天井側の取付面に固定される。尚、ハンガーレール2の下面開口部を形成する端部は、開口を閉じる方向に傾斜して下方に向かい、その縁部は略V字形状として形成される。この略V字状の縁部は、ランナー3及び先頭ランナー4の車輪位置を案内するよう機能する。
ランナー3は、カーテン材65を吊下支持するとともに、ハンガーレール2の内部を移動可能に構成される。
先頭ランナー4は、移動框7の上端部に固着される。より具体的には、先頭ランナー4の下端部には、段付きに折り曲げられたアタッチ部材20が設けられる。アタッチ部材20は、移動框7に固定する固定部23と、先頭ランナー4に固定する吊下部材22と、ハンガーレール2の下面開口部に差し込み、移動框7やカーテン本体14がスライドする際に生じうる先頭ランナー4の回動を抑制するよう機能する回動案内バー21からなる。
また、先頭ランナー4の右端部には、アダプタ25が一体的に設けられ、アダプタ25は、錘コード29の一端が取着されるとともに、弛み防止コード26の一端が取着される。錘コード29の他端は、操作ユニット6内に設けられる滑車31により向きを転向して垂れ下がり、加力手段としての錘部材30に連結されている。弛み防止コード26の他端は、操作ユニット6内に設けられる滑車27により向きを転向し、ハンガーレール2の上部の複数個所に配置されるブラケット15の内側部を挿通し、操作コード42とともにコードイコライザ9に取着される。
取付フレーム5は、上下方向に立設しているフレーム部材であり、操作ユニット6を介してハンガーレール2を固着している。取付フレーム5の左端面は、移動框7の右端面が当接する部分となっている。また、取付フレーム5の内部では、先頭ランナー4に一体的に設けられたアダプタ25から操作ユニット6内の滑車31により向きを転向して垂れ下がる錘コード29が挿通され、錘コード29に連結する錘部材30が収容されている。尚、錘部材30は、カーテン本体14を自動的に閉じるのに利用する質量を有している。ただし、後述するコイルスプリング64の付勢力により、カーテン本体14を自動的に閉じるのに錘部材30の設置を不要とする構成とすることもできる。錘部材30を不要とする際には、取付フレーム5の左右方向の幅を薄型化することにより、カーテン本体14の開空間を拡大させることが可能となる。尚、滑車31は、取付フレーム5の上に設けてもよい。
操作ユニット6は、ハンガーレール2の上端部に固着される。操作ユニット6には、図1の正面図に対して、アコーディオンカーテン1の前側と後側にそれぞれガイドポール41が連結され、図2に示すように、操作コード42の一端側の末端がガイドポール41内部の挿通孔を通り操作グリップ40の内部に取着される。また、操作ユニット6は、操作用プーリ43を備え、操作用プーリ43により、操作コード42の他端側の末端を、ハンガーレール2の上端部にて複数個所に配設させるブラケット15の内側部を挿通するように向きを転向させる。その後、当該操作コード42の他端側の末端は、弛み防止コード26とともに、コードイコライザ9に取着される。
また、操作ユニット6は、滑車27を備え、滑車27により、先頭ランナー4に一体的に設けられたアダプタ25に一端を取着した弛み防止コード26の他端をコードイコライザ9に取着するべく向きを転向させる。また、操作ユニット6は、滑車31を備え、滑車31により、先頭ランナー4に一体的に設けられたアダプタ25に一端を取着した錘コード29の他端を錘部材30に連結するべく向きを転向させる。
移動框7は、上下方向に延伸しているフレーム状の部材であり、移動框7の取付フレーム5に当接する右端面にはクッション材7aを有する。移動框7はカーテン本体14の一端部を覆うように上方から見て略U字形状を有する。これにより、移動框7の内部を外から見えないようにするとともに、操作者の指や手を挟んで損傷させることを防止する。移動框7の上端側では先頭ランナー4を固着しているため、移動框7がハンガーレール2に沿って移動した際には、カーテン本体14が併せて移動することになり、カーテン材65の開閉が行われる。
固定框8は、アコーディオンカーテン1の左端部に設けられている。固定框8は、左壁面に固定され、移動しないように設けられる。尚、固定框8の右端面は、カーテン本体14の一端部を覆うように上方から見て略U字形状を有する。
コードイコライザ9は、操作コード42の一端及び弛み防止コード26の一端を取着する第1連結部と、2本の牽引コード51a,51b(総括して、「牽引コード51」とも称する)の各一端を取着する第2連結部とを備える。コードイコライザ9は、ブラケット15の内側部を挿通可能な大きさを有し、操作コード42の操作に応じてハンガーレール2の上側部にてその長尺方向に移動可能に設けられる。
転向滑車ユニット10は、固定框8の上端部に固着される。転向滑車ユニット10は、内部に滑車52を備える。コードイコライザ9の一端部に設けられる第2連結部に取着された2本の牽引コード51a,51bが滑車52を介して下方に転向してコードストッパ装置70を経た後、牽引コード51aについては滑車ユニット11を介してハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向し、牽引コード51bについては滑車ユニット12を介してハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向する。その後、牽引コード51aは、移動框7に固着されたコード調整器13にて係止される。牽引コード51bも同様に、移動框7に固着されたコード調整器(図示せず)にて係止される。尚、転向滑車ユニット10は、ハンガーレール2の左端部に設けてもよい。
滑車ユニット11は、転向滑車ユニット10を経て下方に向かう牽引コード51aをハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向させる。その後、牽引コード51aは、移動框7に固着されたコード調整器13にて係止される。
滑車ユニット12は、転向滑車ユニット10を経て下方に向かう牽引コード51bをハンガーレール2の長尺方向と略平行に左端から右端に向けて転向させる。その後、牽引コード51bは、移動框7に固着されたコード調整器(図示せず)にて係止される。
本発明に係るコード調整器13は、移動框7に固着され、カーテン材65が全閉状態時に、滑車ユニット11に対する牽引コード51aの経路がハンガーレール2の長尺方向と略平行となるように牽引コード51aの長さを調整して係止する。また、コード調整器13と同様のコード調整器(図示せず)が、牽引コード51bを同様に係止するよう移動框7に固着される。
操作コード42は、紐状の部材であり、その一端側の末端は操作グリップ40の内部に取り付けられている。一方、弛み防止コード26、及び牽引コード51a,51bは、操作コード42よりも直径が小さく設けられている。即ち、弛み防止コード26、及び牽引コード51a,51bについては操作者の操作の必要がないが、操作コード42は、操作者の操作に係るものであるため、その直径は大きく設けられている。また、牽引コード51a,51bは、固定框8の上端部に固着した転向滑車ユニット10内の滑車52を介して、固定框8に固着されたコードストッパ装置70を通過し下方に向かうため、牽引コード51a,51bの直径は、操作コード42の直径よりも小さく設けられている。
ここで、操作コード42、牽引コード51a,51b、及び弛み防止コード26の経路に関して改めて説明する。操作グリップ40側から操作コード42に沿って進行すると、操作コード42は、ガイドポール41の挿通孔を通り、操作用プーリ43によってハンガーレール2の上部でその長尺方向に沿ってブラケット15の内側部を挿通するように向きを転向させられ、弛み防止コード26とともに、コードイコライザ9の第1連結部に取着される。
コードイコライザ9の第2連結部に取着された2本の牽引コード51a,51bは、固定框8の上端部に固着した転向滑車ユニット10内の滑車52を介して、固定框8に固着されたコードストッパ装置70を通過する。コードストッパ装置70を通過した牽引コード51aは、滑車ユニット11により向きを転向し、移動框7に固着されたコード調整器13に係止される。コードストッパ装置70を通過した牽引コード51bも同様に、滑車ユニット12により向きを転向し、移動框7に固着されたコード調整器(図示せず)に係止される。コードイコライザ9の第1連結部に取着された弛み防止コード26は、ハンガーレール2の上部でその長尺方向に沿って操作ユニット6へと向かい、操作ユニット6内の滑車27を介して移動框7へと連結される。
これにより、操作グリップ40が操作され、ハンガーレール2の上部では操作コード42が右方向に移動すると、コードイコライザ9も右方向に移動して牽引コード51も移動するため、牽引コード51も移動に併せて移動框7が左方向(カーテン材65の開方向)に移動する。この移動框7の左方向の移動に併せて移動框7の上端部に固着された先頭ランナー4に連結する弛み防止コード26が引張られるため、当該コードイコライザ9の右方向への移動を助力し協働するようになる。
カーテン本体14は、カーテン材65及びパンタグラフ状に伸縮させる骨組みとしての伸縮機構からなり、この伸縮機構の一端部は移動框7に固定され、その他端部は固定框8に固定されている。より具体的には、図1及び図2に示すように、伸縮機構は、支軸61及び連結軸62を介して回動可能に端部を連結するリンク片60と、複数のコイルスプリング64から構成される。尚、連結軸62は、例えば1つおきの間隔で、ランナー3の吊下部材により吊り下げられている。また、図1に示す例では、この伸縮機構は、上下方向に例えば3セット設けられているが、アコーディオンカーテン1においては、伸縮機構を設ける個数は、2つ以上であれば幾つであってもよい。
複数のコイルスプリング64は、カーテン材65を閉方向に付勢するよう、当該骨組みとして各菱形部分を構成する略平行なリンク片60(前側リンク片と後側リンク片)との間に、カーテン材65の厚さ方向に山形に突出する頂部近傍で連結し、複数個所にて配設されている(図2参照)。移動框7が取付フレーム5に当接している状態から移動框7を開方向に操作すると、当該骨組みが畳み込まれ、複数のコイルスプリング64には付勢力が蓄勢される。この状態で、操作グリップ40を手放すと、コードストッパ装置70により牽引コード51の移動状態を阻止するクラッチ動作が機能するときは、当該移動框7の停止位置でカーテン材65が開状態に維持される。一方、操作グリップ40を手放すときに、コードストッパ装置70により牽引コード51の移動状態を許容するクラッチ動作が機能するときは、コイルスプリング64の付勢力により、移動框7が取付フレーム5に当接する全閉状態まで自動的に移動する。
リンク片60の外側には、カーテン材65が取り付けられている。このカーテン材65は、平面状の布状部材や皮状部材となっている。カーテン材65は、伸縮機構や牽引コード51等を覆い、これらが外部から見えないようになっている。
ブラケット15は、取付面に対してハンガーレール2を位置決めして固着するための部材である。このブラケット15は、取付面に固定するための固定部と、当該ブラケット15の本体中央部を回動支点として回動嵌合によりハンガーレール2と一体化させるための嵌合部とを有する。この固定部は、取付面とハンガーレール2の上面との間に所定のコードを挿通可能な隙間を有するように屈曲成形された形状を有する。
コードストッパ装置70は、その内部を通る牽引コード51の移動作用に伴って(即ち、操作者の操作による操作コード42の移動作用に伴って)、牽引コード51の移動状態を許容するか、又はその移動状態を阻止するようロックするかを切換動作する所謂クラッチ動作を行う装置であり、操作性を高めるために設けられる。ただし、コードストッパ装置70は、本発明に係るコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)との直接的な関係はないことから、以下、簡潔に説明する。
コードストッパ装置70は、スライダ71とクラッチ機構72とを備えるように構成される。スライダ71は、牽引コード51の移動方向に回転可能な滑車76を有し、牽引コード51に対して滑車76をスプリング73の付勢力により押圧する機能を有する。クラッチ機構72は、牽引コード51の移動方向に回転可能なドラム74を有する(後述するように、ドラム74は、回転ドラム74a及びブレーキドラム74bの2重ドラム構造を有する。)。このドラム74は、操作コード42の所定の移動作用に伴って牽引コード51の移動状態を阻止するか、又は移動状態を許容するクラッチ動作の機能を有する。また、ドラム74は牽引コード51に対して該滑車76の対向側に配置される。尚、クラッチ機構72は固定框8に固定され、スライダ71はクラッチ機構72に対して左右方向への移動が可能なように案内される。したがって、滑車76とドラム74との間に挿通する牽引コード51は当該スプリング73の付勢力により押圧される。
当該ドラムは、2重ドラム構造を有し、牽引コード51に当接する外側には回転ドラム74aが位置し、内側にはブレーキドラム74bが位置している。尚、ブレーキドラム74bは、クラッチ機構72によって回転不能に支持される。回転ドラム74aの外表面は高摩擦性の表面形状を有し、その内表面は高摺動性の表面形状を有する。また、ブレーキドラム74bの外表面も高摺動性の表面形状を有する。更に、滑車76も高摩擦性の表面形状を有するため、牽引コード51はスプリング73の付勢力により滑車76とドラム74との間で押圧されることにより、当該クラッチ動作が可能となる。
クラッチ動作に関して説明するに、回転ドラム74aの内表面とブレーキドラム74bの外表面との間にクラッチボール75が配置され、このため、回転ドラム74aの内表面には当該回転ドラム74aの軸方向(即ち、アコーディオンカーテン1の前後方向)にクラッチボール75の移動を案内する案内溝(図示せず)が設けられる。また、ブレーキドラム74bの外表面には当該クラッチ動作を作用させるガイド溝(図示せず)が設けられる。
ガイド溝は、当該ドラム74の回転方向に沿って、クラッチボール75の移動を拘束しない移動溝と、クラッチボール75の移動を拘束するストップ溝が形成され、移動溝とストップ溝との間でクラッチボール75が移動可能な戻り溝が形成されている。
したがって、クラッチボール75は、当該回転ドラム74aの案内溝によって規制された状態でブレーキドラム74bのガイド溝内を移動可能に案内されるようになっている。
その動作について説明するに、操作グリップ40により操作コード42をコイルスプリング64の付勢力に抗して引き下げるときは、クラッチボール75がガイド溝の一部を構成する移動溝(クラッチボール75の移動を拘束しない溝)内を周回して、コードストッパ装置70の内部を挿通する牽引コード51が上方に移動する方向(カーテン材65の開方向)への回転ドラム74aの回転が許容される。ここで、クラッチボール75が当該移動溝内に位置している状態から操作グリップ40を手放せば、コイルスプリング64の付勢力により牽引コード51が下方に移動する方向(カーテン材65の閉方向)へ移動しはじめ、クラッチボール75がガイド溝の一部を構成するストップ溝(クラッチボール75の移動を拘束する溝)内へ移動してストップ溝内の終点部に係合すると、当該回転ドラム74aの回転が阻止され、カーテン材65が所望位置に停止される。
続いて、クラッチボール75が当該終点部に係合してカーテン材65が所望位置に停止している状態から、操作グリップ40により操作コード42をコイルスプリング64の付勢力に抗してわずかに引き下げ回転ドラム74aを所定角度の範囲内で回転させた後に、操作グリップ40を手放せば、コイルスプリング64の付勢力により、牽引コード51が下方に移動する方向(カーテン材65の閉方向)へ移動してクラッチボール75が当該移動溝に移動し、回転ドラム74aの回転に伴ってクラッチボール75が当該移動溝内を周回するようになり、カーテン材65が閉方向に自動的に移動する。
また、カーテン材65が所望位置に停止している状態から、更に操作コード42をコイルスプリング64の付勢力に抗して引き下げ、回転ドラム74aを所定角度以上回転させるときは、クラッチボール75は当該ストップ溝から当該移動溝内に移動し回転ドラム74aの回転が許容され、この状態で操作グリップ40を手放すと、コイルスプリング64の付勢力による回転ドラム74aの回転により、クラッチボール75がストップ溝内に移動して、カーテン材65の移動が停止される。
このようなクラッチ動作を実現するクラッチボールとガイド溝に関する更なる詳細は、例えば、回転ドラム74aの代わりに巻取軸として、上記の移動溝の代わりに引き上げ溝及び引下げ溝として構成される特公平6−013825号公報、或いは特許第3124716号明細書等に開示される内容を参照されたい。
ソフトクローズ装置80は、移動框7が取付フレーム5の方向に移動する際に、操作者以外の第三者の指や手を挟んで損傷させることが無いように、移動框7の移動の減速或いは停止を行う緩衝装置(ダンパー装置)である。ソフトクローズ装置80については、アコーディオンカーテン1の機能を実現するために必須の構成要素ではなく、本発明に係るコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)との直接的な関係はないことから、更なる詳細な説明は省略する。
このように構成したアコーディオンカーテン1は、把手を掴んでカーテン本体を引き出す構造ではなく、操作コードを介してカーテン本体を引き出す構造であるため、移動框の移動に伴い操作者が移動する必要もなく、例えば車椅子使用者が正対した状態での引き出し操作も容易となり、操作性が良好となる。
また、操作グリップ40に連結する操作コード42を用いてアコーディオンカーテン1の開閉を直接的に可能とするため、例えば操作コード42による操作を移動框7の駆動へと間接的に伝達する機構を備える間仕切り装置と比して、操作のダイレクト感が生じるため、操作性が良好となる。
〔第1実施形態のコード調整器〕
次に、図4乃至図10を参照して、本発明による第1実施形態のコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)の構成を詳細に説明する。
(コード調整器の構成)
本実施形態のコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)は、上述したようなアコーディオンカーテン1を構成するのに好適な構成となっている。
本実施形態のコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)は、カーテン本体14の開閉に利用する牽引コード51の長さを調整可能に係止するための装置である。
図4は、本発明による第1実施形態のコード調整器13に関する分解斜視図である。本実施形態のコード調整器13は、ケース部13a及びレバー部13bから構成され、後述するようにケース部13aを移動框7に嵌合し、レバー部13bをケース部13aに嵌合することにより固定される。
即ち、レバー部13bはケース部13aに対して着脱可能で、且つ詳細に後述するように、回動支点で回動可能に構成されている。牽引コード51はケース部13aの挿通孔311とレバー部13bの長尺な挿通孔312のそれぞれに挿通可能であり、ケース部13aに対するレバー部13bの位置を操作することにより、牽引コード51を任意の長さ(任意の係止位置)で係止するか否かを決定できるようになっている。
ここで、ケース部13a及びレバー部13bの構成について、図4、図5及び図6を参照して詳細に説明する。まず、コード調整器13におけるケース部13aの構成について説明する。図5(a)は本発明による一実施形態のコード調整器13におけるケース部13aの正面図であり、図5(b)は本発明による一実施形態のコード調整器13におけるケース部13aの右方向から見た側面図である。
ケース部13aには、左端面の上方中央部に円柱状の係合用筒部301が形成されており、係合用筒部301は挿通孔311を介して牽引コード51を挿通し、移動框7の内壁上に設けられた円状の係合孔402に係合させるように構成されている。尚、挿通孔311を介して挿通された牽引コード51は、移動框7の内側に設置される中木7bの挿通孔(図示せず)を介して挿通される。また、ケース部13aには、移動框7の内壁上に設けられた鍵手状の嵌合用突起片401に嵌合させるための嵌合用突起部302が外側両側部の上下側のそれぞれに形成されている。これにより、移動框7の右端面側に設けられた固定用開口部400を介して、ケース部13aを移動框7に対して嵌合させ、移動框7の内壁上に安定して固定させることができる。尚、ケース部13aの嵌合後の状態では、ケース部13aの全体(即ち、後述するように、コード調整器13全体)が移動框7の内側に収容され、移動框7の取付フレーム5に当接する右端面に設けられるクッション材7aにより外部から見えないように構成することができる。
また、ケース部13aは、挿入用開口部303、移動用案内溝304、及び回動支点用係合溝305をその内側に有する。
挿入用開口部303は、ケース部13aの下方右端部に設けられ、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略垂直位置に回動した状態でレバー部13bの上側先端部からの挿入を可能とするように形成されている。
また、移動用案内溝304は、挿入用開口部303からケース部13aの内側両側部にて上方に延伸して形成され、この挿入用開口部303にレバー部13bの上側先端部が挿入された状態で、レバー部13bの上側先端部の両側部に設けられた回動軸部307を上下方向(ケース部13aの長尺方向)に移動可能に案内するよう形成されている。
また、回動支点用係合溝305は、それぞれの移動用案内溝304の上端部側に形成され、この移動用案内溝304を経て移動可能な当該レバー部13bの回動軸部307を係合させ、回動支点として機能させるよう当該レバー部13bの回動軸部307の外径よりも僅かに大きい径の円柱溝で形成されている。この移動用案内溝304から回動支点用係合溝305への移動で係合させるために、回動支点用係合溝305と移動用案内溝304との間には、図4及び図5に示すように括れ形状の連絡溝が形成されており、この連絡溝の幅は、当該レバー部13bの回動軸部307の外径と略同一となっている。したがって、レバー部13bの回動軸部307が回動支点用係合溝305に一旦係合されると、意図的に解除する場合を除き係合解除されにくい構造となっており、このため、回動軸部307が回動軸として、回動支点用係合溝305が回動支点として機能する。
そして、当該レバー部13bの回動軸部307が回動支点用係合溝305に係合した状態から、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略平行位置になるようレバー部13bを回動させた状態でレバー部13bの外形を収容可能とする形状で、収容用開口部310がケース部13aに形成されている。
また、当該レバー部13bの上側先端部と対向する収容用開口部310におけるケース部13aの内壁位置では、曲面からなる係止部320が形成される。この係止部320は、回動軸部307を支軸としてレバー部13bを回動可能とし、且つ牽引コード51を係止可能とする。これにより、ケース部13aにレバー部13bが収容された状態では、後述するように、ケース部13a及びレバー部13bの内部を挿通する牽引コード51が、この係止部320で狭圧され係止可能となる。
また、ケース部13aにレバー部13bが収容された状態でレバー部13bがケース部13aに固定されるよう、ケース部13aの収容用開口部310の下端側には嵌合用受部306が形成されている。この嵌合用受部306は、レバー部13bがケース部13aに収容される際に、レバー部13bの下方両側部に設けられる係合用突起部308の下面の嵌合用爪部309と嵌合するように形成されている。
次に、コード調整器13におけるレバー部13bの構成を説明する。図6(a)は本発明による一実施形態のコード調整器13におけるレバー部13bの正面図であり、図6(b)は本発明による一実施形態のコード調整器13におけるレバー部13bの右方向から見た側面図である。
次に、レバー部13bは、半円柱面状の外周面で形成される上側先端部を有する。また、レバー部13bの上側先端部の両側部には、略円柱状の回動軸部307が設けられている。また、レバー部13bの下方両側部には、略方形柱状の係合用突起部308が設けられ、その下面には、ケース部13aの収容用開口部310の下端側に設けられる嵌合用受部306と嵌合する嵌合用爪部309が形成されている。
レバー部13bには、その長尺方向に牽引コード51を挿通可能な挿通孔312が形成されている。図6に示す例のように、この挿通孔312は上側と下側とで異なる内径の円柱孔で形成するのが好適である。この下側円柱孔は、レバー部13bの内部に挿通される牽引コード51の結び玉が負荷なく移動可能な内径で形成され、上側円柱孔は、レバー部13bの内部に挿通される牽引コード51の結び玉が移動不能な内径で形成される。これにより、牽引コード51の結び玉がレバー部13bの内部に挿通不能にする形態と比べ、牽引コード51の長さ調整の範囲を拡大することができる。
以上のように、ケース部13aの長尺方向に対し、レバー部13bの長尺方向を略垂直位置にすると牽引コード51を係止するロックが解除され、レバー部13bを略平行位置に回動させるとケース部13aの収容用開口部310とレバー部13bの上側先端部との間に位置する係止部320で牽引コード51が嵌まることにより係止されロックがかかるように構成されている。これにより、牽引コード51の長さを調整する場合には、ケース部13aに対しレバー部13bを略垂直位置にすることにより牽引コード51を任意位置にて調整し、その後、レバー部13aを略平行位置に回動させることで牽引コード51を係止することが可能となる。
(コード調整器におけるケース部と移動框の嵌合方法)
次に、コード調整器13におけるケース部13aと移動框7の嵌合方法について、より明確に説明する。図7(a)は本発明による一実施形態のコード調整器13におけるケース部13aに関する移動框7への嵌合前の平面図であり、図7(b)は本発明による一実施形態のコード調整器13におけるケース部13aに関する移動框7への嵌合後の平面図である。
まず、図7(a)に示すように、移動框7の右端面側に設けられた固定用開口部400を介して、ケース部13aにおける円柱状の係合用筒部301が移動框7の内壁上に設けられた円状の係合孔402に係合するようにケース部13aを移動框7に対して設置する。図示を省略するが、係合用筒部301の挿通孔311には、牽引コード51が挿通されている。
続いて、図7(b)に示すように、ケース部13aの左端面を移動框7の内壁に押し込んで嵌合させ、ケース部13aを移動框7に固定する。ケース部13aは、嵌合用突起部302を外側両側部の上下側のそれぞれに有するため、移動框7の内壁上に設けられた鍵手状の嵌合用突起片401に嵌合させることができる。
(コード調整器におけるケース部とレバー部の嵌合方法)
次に、コード調整器13におけるケース部13aとレバー部13bの嵌合方法について、より明確に説明する。図8(a),(b),(c)は、本発明による一実施形態のコード調整器13におけるケース部13aとレバー部13bの嵌合方法を示す説明図である。尚、図8での図示を省略しているが、ケース部13aとレバー部13bの内部には上述したように牽引コード51が挿通可能である。
まず、図8(a)に示すように、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略垂直方向となる位置に回動した状態でレバー部13bの上側先端部を、ケース部13aの挿入用開口部303に挿入する。
次に、図8(b)に示すように、ケース部13aの挿入用開口部303にレバー部13bの上側先端部が挿入された状態で、レバー部13bをケース部13aの上方に(ケース部13aの長尺方向に)移動する。このとき、レバー部13bの上側先端部の両側部に設けられた回動軸部307が、ケース部13aの移動用案内溝304の案内で移動される。
そして、この移動用案内溝304から回動支点用係合溝305への移動で当該レバー部13bの回動軸部307をケース部13aの回動支点用係合溝305に係合させる。
次に、図8(c)に示すように、レバー部13bの回動軸部307が回動支点用係合溝305に係合した状態から、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略平行方向の位置になるようレバー部13bを回動させる。この状態では、ケース部13aの収容用開口部310の下端側に形成されている嵌合用受部306が、レバー部13bの下方両側部に設けられる係合用突起部308の下面の嵌合用爪部309と嵌合し、レバー部13bの外形がケース部13aにおける収容用開口部310に収容され、固定される。尚、レバー部13bとケース部13aは着脱可能であり、レバー部13bをケース部13aから取り外すときは、上記手順の逆を行えばよい。
そして、ケース部13aにレバー部13bが収容された状態では、後述するように、ケース部13a及びレバー部13bの内部を挿通する牽引コード51が、収容用開口部310におけるケース部13aの内壁と当該レバー部13bの上側先端部との間に位置する係止部320で狭圧されることにより係止されることになる。
(牽引コードの係止方法)
次に、コード調整器13によって牽引コード51を係止する方法について、より明確に説明する。図9(a)は本発明による一実施形態のコード調整器13におけるレバー部13bに関するケース部13aへのコード係止前の正面断面図であり、図9(b)は本発明による一実施形態のコード調整器13におけるレバー部13bに関するケース部13aへのコード係止後の正面断面図である。
まず、図9(a)に示すように、牽引コード51がケース部13a及びレバー部13bの双方に挿通され、ケース部13aの長尺方向に対し、レバー部13bの長尺方向が略垂直方向に位置している。このとき、レバー部13bの回動軸部307は、ケース部13aの回動支点用係合溝305に係合させられている。
次に、図9(b)に示すように、レバー部13bの回動軸部307が回動支点用係合溝305に係合した状態から、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略平行方向に位置するようレバー部13bを回動させ、レバー部13bの外形がケース部13aにおける収容用開口部310に収容される状態で固定させる。この状態では、ケース部13a及びレバー部13bの内部を挿通する牽引コード51が、収容用開口部310におけるケース部13aの内壁と当該レバー部13bの上側先端部との間に位置する係止部320で狭圧されることにより、牽引コード51を係止することができる。
したがって、牽引コード51の長さを調整する場合には、ケース部13aに対しレバー部13bを略垂直位置にすることにより牽引コード51を任意位置にて調整し、その後、レバー部13aを略平行位置に回動させることで牽引コード51を係止することが可能となる。
以上のように、本実施形態のコード調整器13によれば、牽引コード51を容易に係止可能とし、且つ牽引コード51の長さを調整するにあたり、その係止位置を容易に変更可能となる。特に、複数回に亘ってコード調整を行う際にも牽引コード51の長さの微調整が容易であり、牽引コード51の一端を固定した状態から再調整する際にも牽引コード51の曲がりクセが生じにくく問題視されない構造であることから、施工性及びメンテナンス性を向上させることができる。
また、本実施形態のコード調整器13によれば、ケース部13aは、挿通孔311を介して牽引コード51を挿通し、移動框7に設けられた係合孔402に係合させる円柱状の係合用筒部301と、移動框7に設けられた嵌合用突起片401に嵌合させるための嵌合用突起部302とを有するため、ケース部13aを移動框7に対して嵌合させ、移動框7の内壁上に安定して固定させることができる。また、この固定に際して嵌脱可能に構成しているため、施工性やメンテナンス性を向上させることができるとともに、部品点数を少なくすることにより故障率を低くすることができる。
また、本実施形態のコード調整器13によれば、ケース部13aは、ケース部13aに対しレバー部13bを略垂直位置に回動した状態でレバー部13bの上側先端部からの挿入を可能とする挿入用開口部303と、挿入用開口部303にレバー部13bの上側先端部が挿入された状態で、レバー部13bの上側先端部の両側部に設けられた回動軸部307をケース部13aの長尺方向に移動可能に案内する移動用案内溝304と、移動用案内溝304を経て移動可能なレバー部13bの回動軸部307を係合させ、回動支点として機能させる回動支点用係合溝305とを有するため、ケース部13aとレバー部13bとが取付ネジを不要とした形態で着脱可能となっている。このため、施工性やメンテナンス性を向上させることができるとともに、部品点数を少なくすることにより故障率を低くすることができる。
また、本実施形態のコード調整器13によれば、ケース部13aは、レバー部13bの回動軸部307が回動支点用係合溝305に係合した状態から、ケース部13aに対しレバー部13bが略平行位置になるようレバー部13bを回動させた状態でレバー部13bの外形を収容可能とする収容用開口部310を有するため、ケース部13aとレバー部13bの2つの構成要素からなるにも関わらず、当該コード調整器13のサイズを小型化することができ、コード調整器13全体を移動框7の内側に収容することが可能となる。
また、本実施形態のコード調整器13によれば、当該レバー部13bの上側先端部と対向する収容用開口部310におけるケース部13aの内壁位置では、回動軸部307を支軸としてレバー部13bを回動可能とし、且つ牽引コード51を係止可能とする曲面からなる係止部320を有するため、ケース部13aにレバー部13bが収容された状態では、ケース部13a及びレバー部13bの内部を挿通する牽引コード51が、係止部320で狭圧されることにより係止することが可能となる。したがって、レバー部13bの操作のみで、牽引コード51の係止、又はその解除が可能となり、牽引コード51を任意位置にて調整し係止可能となるため、施工性やメンテナンス性を向上させることができるとともに、部品点数を少なくすることにより故障率を低くすることができる。
また、本実施形態のコード調整器13によれば、レバー部13bが、係合用突起部308を有し、係合用突起部308の下面には、ケース部13aの収容用開口部310の下端側に設けられる嵌合用受部306と嵌合する嵌合用爪部309が形成されているため、安定して固定することができ、この固定に際して嵌脱可能に構成しているため、施工性やメンテナンス性を向上させることができるとともに、部品点数を少なくすることにより故障率を低くすることができる。
また、上述の実施形態の説明では、ケース部13aに回動支点用係合溝305を設け、レバー部13bに回動軸部307を設けて、ケース部13aとレバー部13bを係合後、レバー部13bを回動可能に構成する例を説明したが、これは好適例であり、作業性に関する軽微な増加が許容されるのであれば、他の実施形態とすることができる。例えば、図10は、本発明による第1実施形態のコード調整器13の変形例に関する分解斜視図である。図10に示すように、ケース部13aに回動軸部307aを設け、レバー部13bに回動支点用係合溝305aを設けて、ケース部13aとレバー部13bを係合後、レバー部13bを回動可能に構成することもできる。この場合の係合方法は、当該回動軸部307aが当該回動支点用係合溝305aへと通じるようにレバー部13bに形成した案内溝を利用し、ケース部13aに設けた当該回動軸部307aを鉤状に引掛けて案内させ当該回動支点用係合溝305aへ係合する。この場合、収容用開口部310自体が前述した実施形態の移動用案内溝304として機能する。或いは、更なる変形例として、ケース部13aを前後2部材構成とし、レバー部13bを回動可能に係合した後に組み合わせるように構成するなど、当該係合支点に関する他の実施形態としてはその用途に応じた様々な態様が想定される。
〔第2実施形態のコード調整器〕
次に、図11乃至図16を参照して、本発明による第2実施形態のコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)の構成を詳細に説明する。尚、第1実施形態と同様に機能する構成要素には同一の参照番号を付して説明する。
(コード調整器の構成)
本実施形態のコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)は、上述したようなアコーディオンカーテン1を構成するのに好適な構成となっている。
本実施形態のコード調整器13(ケース部13a及びレバー部13b)は、カーテン本体14の開閉に利用する牽引コード51の長さを調整可能に係止するための装置である。
図11は、本発明による第2実施形態のコード調整器13に関する分解斜視図である。本実施形態のコード調整器13は、ケース部13a及びレバー部13bから構成され、後述するようにケース部13aを移動框7に嵌合し、レバー部13bをケース部13aに嵌合することにより固定される。
即ち、レバー部13bはケース部13aに対して着脱可能で、且つ詳細に後述するように、回動支点で回動可能に構成されている。牽引コード51はケース部13aの挿通孔311とレバー部13bの外部壁及び内部壁における各挿通孔312a,312b,312c,312dのそれぞれに挿通可能であり、ケース部13aに対するレバー部13bの位置を操作することにより、牽引コード51を任意の長さ(任意の係止位置)で係止するか否かを決定できるようになっている。
ここで、ケース部13a及びレバー部13bの構成について、図12、図13及び図14を参照して詳細に説明する。まず、コード調整器13におけるケース部13aの構成について説明する。図12(a)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるケース部13aの正面図であり、図12(b)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるケース部13aの右方向から見た側面図である。
ケース部13aには、左端面の上方中央部に円柱状の係合用筒部301が形成されており、係合用筒部301は挿通孔311を介して牽引コード51を挿通し、移動框7の内側に設置される中木7bにおける、当該挿通孔311の外径よりも大きい内径の挿通孔404に係合させるように構成されている。したがって、挿通孔311を介して挿通された牽引コード51は、移動框7の内側に設置される中木7bの挿通孔404を介して挿通される。また、ケース部13aには、移動框7の内壁上に設けられた嵌合用開口部403の嵌合用突起片405に嵌合させるための嵌合用突起部302が外側両側部の上下側のそれぞれに形成されている。これにより、移動框7の右端面側に設けられた固定用開口部400及び移動框7の内壁に設けられた嵌合用開口部403を介して、ケース部13aを移動框7に対して嵌合させ、移動框7の内壁上に安定して固定させることができる。尚、ケース部13aの嵌合後の状態では、ケース部13aの全体(即ち、後述するように、コード調整器13全体)が移動框7の内側に収容され、移動框7の取付フレーム5に当接する右端面に設けられるクッション材7aにより外部から見えないように構成することができる。また、第2実施形態では、第1実施形態とは相違して、ケース部13aの左端面が対向する中木7bの右端面にほぼ当接するように構成されているので、ケース部13aの嵌合後の状態でのガタつきを抑制し、より安定化させることができる。
また、ケース部13aは、挿入用開口部303及び回動支点用係合溝305をその内側に有する。
第2実施形態の挿入用開口部303は、第1実施形態とは相違して、ケース部13aの上方右端部に設けられ、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略垂直位置に回動した状態でレバー部13bの上側先端部からの挿入を可能とするように形成されている。
また、第2実施形態のケース部13aでは、第1実施形態の移動用案内溝304が設けられておらず、レバー部13bにおける回動軸部307の回動支点用係合溝305への係合が容易な構成となっている。これにより、ケース部13a及びレバー部13bの着脱に関する操作性が第1実施形態よりも向上する。
第2実施形態の回動支点用係合溝305は、挿入用開口部303に連通した溝形態で形成され、この挿入用開口部303を経て移動可能な当該レバー部13bの回動軸部307を係合させ、回動支点として機能させるよう当該レバー部13bの回動軸部307の外径よりも僅かに大きい径の円柱溝で形成されている。この挿入用開口部303から回動支点用係合溝305への移動で係合させるために、回動支点用係合溝305と挿入用開口部303との間には、図11及び図12に示すように括れ形状の連絡溝が形成されており、この連絡溝の幅は、当該レバー部13bの回動軸部307の外径と略同一となっている。したがって、レバー部13bの回動軸部307が回動支点用係合溝305に一旦係合されると、意図的に解除する場合を除き係合解除されにくい構造となっており、このため、回動軸部307が回動軸として、回動支点用係合溝305が回動支点として機能する。
そして、当該レバー部13bの回動軸部307が回動支点用係合溝305に係合した状態から、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略平行位置になるようレバー部13bを回動させた状態でレバー部13bの外形を収容可能とする形状で、収容用開口部310がケース部13aに形成されている。
また、第2実施形態のケース部13aにおいても、第1実施形態と同様に、当該レバー部13bの上側先端部と対向する収容用開口部310におけるケース部13aの内壁位置では、曲面からなる係止部320が形成される。この係止部320は、回動軸部307を支軸としてレバー部13bを回動可能とし、且つ牽引コード51を係止可能とする。これにより、ケース部13aにレバー部13bが収容された状態では、後述するように、ケース部13a及びレバー部13bの内部を挿通する牽引コード51が、この係止部320で狭圧され係止可能となる。
加えて、第2実施形態のケース部13aでは、第1実施形態とは相違して、当該レバー部13bの左端面と対向する収容用開口部310におけるケース部13aの内壁の略中央部には、直方体状の係止用突起部315が形成される。この係止用突起部315は、レバー部13bにおける係止用透孔部317と係合し、レバー部13bに挿通される牽引コード51を係止可能とする。これにより、ケース部13aにレバー部13bが収容された状態では、後述するように、ケース部13a及びレバー部13bの内部を挿通する牽引コード51が、この係止用突起部315においても狭圧され係止可能となる。
また、ケース部13aにレバー部13bが収容された状態でレバー部13bがケース部13aに固定されるよう、ケース部13aの収容用開口部310の下端側には嵌合用受部306が形成されている。この嵌合用受部306は、レバー部13bがケース部13aに収容される際に、レバー部13bの下方両側部に設けられる嵌合用爪部309と嵌合するように形成されている。
次に、コード調整器13におけるレバー部13bの構成を説明する。図13(a)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるレバー部13bの正面図であり、図13(b)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるレバー部13bの右方向から見た側面図である。
次に、レバー部13bは、半円柱面状の外周面で形成される上側先端部を有する。また、レバー部13bの上側先端部の両側部には、略円柱状の回動軸部307が設けられている。また、レバー部13bの下方両側部には、ケース部13aの収容用開口部310の下端側に設けられる嵌合用受部306と嵌合する嵌合用爪部309が形成されている。
第2実施形態のレバー部13bでは、第1実施形態とは相違して、その内側上段にて右側に開口する上段側開口部316、その内側中段にて左右方向に開口する係止用透孔部317、及び、その内側下段にて右側に開口する下段側開口部318が設けられている。その上段側開口部316を上方で区切るレバー部13bの上側先端部には、牽引コード51を挿通可能な挿通孔312aが形成されている。同様に、上段側開口部316と係止用透孔部317とを区切るように形成される上側中段壁部321、係止用透孔部317と下段側開口部318とを区切るように形成される下側中段壁部322、及び、その下段側開口部318を下方で区切る底面部323には、それぞれ、牽引コード51を挿通可能な挿通孔312b,312c,312dが形成されている。したがって、牽引コード51をケース部13aの挿通孔311とレバー部13bの外部壁及び内部壁における各挿通孔312a,312b,312c,312dのそれぞれに挿通することができ、ケース部13aに対するレバー部13bの位置を操作することにより、牽引コード51を任意の長さ(任意の係止位置)で係止するか否かを決定できるようになっている。
以上のように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、ケース部13aの長尺方向に対し、レバー部13bの長尺方向を略垂直位置にすると牽引コード51を係止するロックが解除され、レバー部13bを略平行位置に回動させるとケース部13aの収容用開口部310とレバー部13bの上側先端部との間に位置する係止部320で牽引コード51が嵌まることにより係止されロックがかかるように構成されている。更に、本実施形態では、第1実施形態とは相違して、ケース部13aにレバー部13bが収容された状態では、ケース部13a及びレバー部13bの内部を挿通する牽引コード51が、この係止用突起部315においても狭圧され係止され、ロックがかかるように構成されている。これにより、牽引コード51の長さを調整する場合には、ケース部13aに対しレバー部13bを略垂直位置にすることにより牽引コード51を任意位置にて調整し、その後、レバー部13aを略平行位置に回動させることで牽引コード51を係止することが可能となる。
(コード調整器におけるケース部と移動框の嵌合方法)
次に、コード調整器13におけるケース部13aと移動框7の嵌合方法について、より明確に説明する。図14(a)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるケース部13aに関する移動框7への嵌合前の平面図であり、図14(b)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるケース部13aに関する移動框7への嵌合後の平面図であり、図14(c)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるケース部13aに関する移動框7への嵌合後の状態からクッション材7aを取着した後の平面図である。
まず、図14(a)に示すように、移動框7の右端面側に設けられた固定用開口部400、及び移動框7の内壁上に設けられた嵌合用開口部403を介して、ケース部13aにおける円柱状の係合用筒部301が移動框7の内側に設置される中木7bにおける挿通孔404に係合するようにケース部13aを移動框7に対して設置する。図示を省略するが、係合用筒部301の挿通孔311には、牽引コード51が挿通されている。
続いて、図14(b)に示すように、ケース部13aの左端面を移動框7の内壁に押し込んで嵌合させ、ケース部13aを移動框7に固定する。ケース部13aは、嵌合用突起部302を外側両側部の上下側のそれぞれに有するため、移動框7の内壁上に設けられた嵌合用開口部403の嵌合用突起片405に嵌合させることができる。図14(b)に示すように、第2実施形態では、第1実施形態とは相違して、ケース部13aの左端面が対向する中木7bの右端面にほぼ当接するように構成されているので、ケース部13aの嵌合後の状態でのガタつきを抑制し、より安定化させることができる。
続いて、図14(c)に示すように、コード調整器13を移動框7に対して嵌合後に、移動框7の右端面にクッション材7aを取着する。
(コード調整器におけるケース部とレバー部の嵌合方法)
次に、コード調整器13におけるケース部13aとレバー部13bの嵌合方法について、より明確に説明する。図15(a),(b),(c)は、本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるケース部13aとレバー部13bの嵌合方法を示す説明図である。尚、図15での図示を省略しているが、ケース部13aとレバー部13bの内部には上述したように牽引コード51が挿通可能である。
まず、図15(a)に示すように、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略垂直方向となる位置に回動した状態でレバー部13bの上側先端部を、ケース部13aの挿入用開口部303に挿入する。
次に、図15(b)に示すように、ケース部13aの挿入用開口部303にレバー部13bの上側先端部が挿入された状態で、レバー部13bをケース部13aの上方に(ケース部13aの長尺方向に)移動する。
そして、この回動支点用係合溝305への移動で当該レバー部13bの回動軸部307をケース部13aの回動支点用係合溝305に係合させる。
次に、図15(c)に示すように、レバー部13bの回動軸部307が回動支点用係合溝305に係合した状態から、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略平行方向の位置になるようレバー部13bを回動させる。この状態では、ケース部13aの収容用開口部310の下端側に形成されている嵌合用受部306が、レバー部13bの下方両側部に設けられる嵌合用爪部309と嵌合し、レバー部13bの外形がケース部13aにおける収容用開口部310に収容され、固定される。尚、レバー部13bとケース部13aは着脱可能であり、レバー部13bをケース部13aから取り外すときは、上記手順の逆を行えばよい。
そして、ケース部13aにレバー部13bが収容された状態では、後述するように、ケース部13a及びレバー部13bの内部を挿通する牽引コード51が、収容用開口部310におけるケース部13aの内壁と当該レバー部13bの上側先端部との間に位置する係止部320で狭圧されることにより係止されるとともに、ケース部13aの係止用突起部315が、レバー部13bにおける係止用透孔部317と係合し、レバー部13bに挿通される牽引コード51が狭圧されることにより係止される。
(牽引コードの係止方法)
次に、コード調整器13によって牽引コード51を係止する方法について、より明確に説明する。図16(a)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるレバー部13bに関するケース部13aへのコード係止前の正面断面図であり、図9(b)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるレバー部13bに関するケース部13aへのコード係止後の正面断面図である。
まず、図16(a)に示すように、牽引コード51がケース部13a及びレバー部13bの双方に挿通され、ケース部13aの長尺方向に対し、レバー部13bの長尺方向が略垂直方向に位置している。このとき、レバー部13bの回動軸部307は、ケース部13aの回動支点用係合溝305に係合させられている。
次に、図16(b)に示すように、レバー部13bの回動軸部307が回動支点用係合溝305に係合した状態から、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略平行方向に位置するようレバー部13bを回動させ、レバー部13bの外形がケース部13aにおける収容用開口部310に収容される状態で固定させる。この状態では、ケース部13a及びレバー部13bの内部を挿通する牽引コード51が、収容用開口部310におけるケース部13aの内壁と当該レバー部13bの上側先端部との間に位置する係止部320で狭圧されることにより、牽引コード51を係止することができる。更に、ケース部13aの係止用突起部315が、レバー部13bにおける係止用透孔部317と係合し、レバー部13bに挿通される牽引コード51が狭圧されることにより係止される。
したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、牽引コード51の長さを調整する場合には、ケース部13aに対しレバー部13bを略垂直位置にすることにより牽引コード51を任意位置にて調整し、その後、レバー部13aを略平行位置に回動させることで牽引コード51を係止することが可能となる。ただし、第2実施形態においては、第1実施形態とは相違して、牽引コード51を2箇所で係止可能となっており、更に、レバー部13aには、上段側開口部316、係止用透孔部317及び下段側開口部318が設けられているため、牽引コード51の係止状態の微調整や、その係止状態を視認できるようになり、牽引コード51の係止状態の保全に関する保守性、及び牽引コード51の長さ調整に関する操作性をより向上させることができる。
以上のように、第2実施形態のコード調整器13によれば、牽引コード51を容易に係止可能とし、且つ牽引コード51の長さを調整するにあたり、その係止位置を容易に変更可能となる。特に、複数回に亘ってコード調整を行う際にも牽引コード51の長さの微調整が容易であり、牽引コード51の一端を固定した状態から再調整する際にも牽引コード51の曲がりクセが生じにくく問題視されない構造であることから、施工性及びメンテナンス性を向上させることができる。
また、第2実施形態のコード調整器13によれば、ケース部13aは、挿通孔311を介して牽引コード51を挿通し、移動框7の内側に設置される中木7bにおける挿通孔404に係合させる円柱状の係合用筒部301と、移動框7に設けられた嵌合用突起片405に嵌合させるための嵌合用突起部302とを有し、ケース部13aの左端面が対向する中木7bの右端面にほぼ当接するように構成されているので、ケース部13aの嵌合後の状態でのガタつきを抑制し、より安定化させることができる。また、この固定に際して嵌脱可能に構成しているため、施工性やメンテナンス性を向上させることができるとともに、部品点数を少なくすることにより故障率を低くすることができる。
また、第2実施形態のコード調整器13によれば、ケース部13aは、ケース部13aに対しレバー部13bを略垂直位置に回動した状態でレバー部13bの上側先端部からの挿入を可能とする挿入用開口部303と、レバー部13bの回動軸部307を係合させ、回動支点として機能させる回動支点用係合溝305とを有するため、ケース部13aとレバー部13bとが取付ネジを不要とした形態で着脱可能となっている。このため、施工性やメンテナンス性を向上させることができるとともに、部品点数を少なくすることにより故障率を低くすることができる。
また、第2実施形態のコード調整器13によれば、ケース部13aは、レバー部13bの回動軸部307が回動支点用係合溝305に係合した状態から、ケース部13aに対しレバー部13bが略平行位置になるようレバー部13bを回動させた状態でレバー部13bの外形を収容可能とする収容用開口部310を有するため、ケース部13aとレバー部13bの2つの構成要素からなるにも関わらず、当該コード調整器13のサイズを小型化することができ、コード調整器13全体を移動框7の内側に収容することが可能となる。
また、第2実施形態のコード調整器13によれば、当該レバー部13bの上側先端部と対向する収容用開口部310におけるケース部13aの内壁位置では、回動軸部307を支軸としてレバー部13bを回動可能とし、且つ牽引コード51を係止可能とする曲面からなる係止部320を有するため、ケース部13aにレバー部13bが収容された状態では、ケース部13a及びレバー部13bの内部を挿通する牽引コード51が、係止部320で狭圧され、更に、ケース部13aの係止用突起部315が、レバー部13bにおける係止用透孔部317と係合し、レバー部13bに挿通される牽引コード51が狭圧されることにより係止することが可能となる。したがって、レバー部13bの操作のみで、牽引コード51の係止、又はその解除が可能となり、牽引コード51を任意位置にて調整し係止可能となるため、牽引コード51の係止力を高めることができるとともに、牽引コード51の長さ調整に関する操作性をより向上させ、施工性やメンテナンス性を向上させることができる。また、部品点数を少なくすることにより故障率を低くすることができる。
また、第2実施形態のコード調整器13によれば、レバー部13bには、ケース部13aの収容用開口部310の下端側に設けられる嵌合用受部306と嵌合する嵌合用爪部309が形成されているため、安定して固定することができ、この固定に際して嵌脱可能に構成しているため、施工性やメンテナンス性を向上させることができるとともに、部品点数を少なくすることにより故障率を低くすることができる。
また、第2実施形態のコード調整器13によれば、挿入用開口部303が、ケース部13aの上方右端部に設けられ、レバー部13bにおける回動軸部307の回動支点用係合溝305への係合が容易な構成となっているため、ケース部13a及びレバー部13bの着脱に関する操作性が第1実施形態よりも向上する。
また、第2実施形態のコード調整器13によれば、レバー部13bには、上段側開口部316、係止用透孔部317及び下段側開口部318が設けられているため、牽引コード51の係止状態の微調整や、その係止状態を視認できるようになり、牽引コード51の係止状態の保全に関する保守性、及び牽引コード51の長さ調整に関する操作性をより向上させることができる。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の各実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述の各実施形態の説明では、コード調整器13について一実施形態のアコーディオンカーテン1への適用例を主に説明したが、本発明に係るコード調整器13は、コードの長さの調整及びその固定を要する他の用途にも適用可能である。
また、上述の各実施形態の説明では、ケース部13aの左端面の上方中央部には円柱状の係合用筒部301が形成されている例を説明したが、移動框7等の任意の固定側枠体に対して係合する形態であれば、如何なる形状でもよい。
また、上述の各実施形態の説明では、レバー部13b全体がケース部13aに収容され、ケース部13aの全体(即ち、コード調整器13全体)が移動框7の内側に収容される例を説明したが、これは好適例であり、必ず収容するように構成しなければならないものではなく、用途によって収容することが要求されないときにはこの限りではない。
また、上述の各実施形態の説明では、回動支点用係合溝305へと係合させるために、括れ形状の連絡溝が形成し、この連絡溝の幅が、当該レバー部13bの回動軸部307の外径と略同一となっている例を説明したが、これは好適例であり、回動軸部307の回動支点用係合溝305での係合が要求されない用途によっては、この限りではない。
また、上述の各実施形態の説明では、ケース部13aに回動支点用係合溝305を設け、レバー部13bに回動軸部307を設けて、ケース部13aとレバー部13bを係合後、レバー部13bを回動可能に構成する例を説明したが、これは好適例であり、作業性に関する軽微な増加が許容されるのであれば、前述した第1実施形態について図10で例示するように、その用途に応じた実施形態とすることができる。
また、上述の各実施形態の説明では、ケース部13aの係止用突起部315や、レバー部13bの上段側開口部316、係止用透孔部317、及び下段側開口部318の形状について、特定の例を挙げて説明したが、本発明による作用・効果を生じさせるものであれば任意の形態とすることができる。
また、上述の実施形態の説明では、好適例として、レバー部13bが、嵌合用爪部309を有し、ケース部13aが嵌合用受部306を有する例を説明したが、例えば部品点数を少なくする点が要求されない場合には、この限りではない。例えば、取付ネジ、或いは面ファスナー等を用いる構成とすることもできる。
(フェイルセーフ機能)
次に、本発明に係るコード調整器13のフェイルセーフ機能について説明する。前述した図1乃至図3に示すアコーディオンカーテン1においては、操作コード42に取着される操作グリップ40を用いて間仕切り部材(カーテン材65)の開閉操作を行なうことを基本としている。即ち、操作グリップ40を用いて移動框7を開方向に操作すると、間仕切り部材(カーテン材65)が畳み込まれ、複数のコイルスプリング64には付勢力が蓄勢される。この状態で、操作グリップ40を手放して、コードストッパ装置70により牽引コード51をロックすると、当該移動框7の停止位置でカーテン材65が開状態に維持される。一方、操作グリップ40を少し引いた後引くのを止めると、コードストッパ装置70による牽引コード51のロックが解除され、コイルスプリング64の付勢力により、移動框7が取付フレーム5に当接する全閉状態まで自動的に移動するよう動作する。
したがって、コードストッパ装置70により牽引コード51がロックされている状態で、移動框7に対して直接的に手引き操作して間仕切り部材(カーテン材65)を閉方向へと移動させようとしても、コードストッパ装置70により牽引コード51の移動が阻止されているため、容易には移動しないようになっている。
しかしながら、このコードストッパ装置70による牽引コード51の移動を阻止する保持力に抗して更に強引に移動框7を手引き操作しようとすると、コードストッパ装置70等が損傷するおそれがある。
このような手引き操作時においてもコードストッパ装置70等が損傷するのを防止させる機能を「フェイルセーフ機能」と称することとするが、このフェイルセーフ機能を本発明に係るコード調整器13に具備させることが可能である。
以下、代表して、第2実施形態のコード調整器13におけるフェイルセーフ機能について説明する。
フェイルセーフ機能を有するコード調整器13は、図12及び図13を参照するに、ケース部13aの嵌合用受部306がレバー部13bの嵌合用爪部309と嵌合する際の嵌合力(即ち、コード調整器13の係止力)は、当該操作グリップ40による通常操作時の移動框7の牽引に要する牽引力よりも大きい所定の張力が牽引コード51に加わる際に、牽引コード51が非係止となるよう調整されている。
更に、牽引コード51は、その移動を阻止可能とするコードストッパ装置70に挿通されているため、当該所定の張力として、コードストッパ装置70が牽引コード51の移動を阻止する保持力よりも小さくなるように調整されている。
また、フェイルセーフ機能を有するコード調整器13によって牽引コード51を係止する際には、予長が有る状態で牽引コード51が係止される。
図17(a)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるレバー部13bに関するケース部13aへのコード係止前の正面断面図であり、(b)は本発明による第2実施形態のコード調整器13におけるレバー部13bに関するケース部13aへのコード係止後の正面断面図である。
まず、図17(a)に示すように、牽引コード51がケース部13a及びレバー部13bの双方に挿通され、牽引コード51の長さを調整する際には、ケース部13aの長尺方向に対し、レバー部13bの長尺方向を略垂直方向に位置させる。
次に、図17(b)に示すように、前述したように、ケース部13aの長尺方向に対しレバー部13bの長尺方向が略平行方向に位置するようレバー部13bを回動させ、レバー部13bの外形がケース部13a内に収容される状態で固定させることになるが、例えば結び玉までの、予長dが有る状態で牽引コード51を係止する。
この予長dは任意の長さで設定することができ、この予長dが、後述するように、フェイルセーフ機能によって許容される移動框7の移動距離に相当する。より具体的に、図18を参照して説明する。図18(a)は第2実施形態のコード調整器13における移動框7の手引きによる閉方向への操作時の状態を示す説明図であり、図18(b)は第2実施形態のコード調整器13におけるフェイルセーフ機能により係止解除する状態を示す説明図であり、図18(c)は第2実施形態のコード調整器13におけるフェイルセーフ機能により移動框7の手引きによる閉方向への操作時の状態を示す説明図である。
まず、図18(a)を参照するに、前述したように、第2実施形態のコード調整器13では、牽引コード51を2箇所(第1係止位置及び第2係止位置)で係止することができる。この状態で、コードストッパ装置70による牽引コード51の保持力に抗して更に強引に移動框7を手引き操作(図示Op)するものとする。
すると、図18(b)に示すように牽引コード51には張力Tが働き、張力Tが当該操作グリップ40による通常操作時の移動框7の牽引に要する牽引力(例えば、3kg重)よりも大きい所定値となると、2箇所(第1係止位置及び第2係止位置)で屈曲して係止されていた牽引コード51が直線状に維持しようとする力が働いて、ケース部13aとレバー部13bとの間の嵌合が外れる。ケース部13aとレバー部13bとの間の嵌合が外れると、張力Tが弱まるものの牽引コード51が直線状に維持しようとする力が働き続け、牽引コード51が移動する(図示m)。
尚、ケース部13aとレバー部13bとの間の嵌合が外れる際の張力T(例えば、10kg重)が、コードストッパ装置70による牽引コード51の保持力(例えば、15kg重)よりも小さくなるよう、当該嵌合力(即ち、コード調整器13の係止力)が調整されているため、コードストッパ装置70が損傷する前に、ケース部13aとレバー部13bとの間の嵌合が外れることになる。
そして、ケース部13aとレバー部13bとの間の嵌合が外れた後の牽引コード51の移動は牽引コード51の結び玉の位置まで確保され、即ち、図18(c)に示すように、結び玉の位置まで、移動框7の手引きによる移動が許容される。
ここで、図19を参照してフェイルセーフ機能の有無に関する動作について補足する。図19(a)は第2実施形態のコード調整器13におけるフェイルセーフ機能による安全対策の無い状態を示す説明図であり、図19(b)は第2実施形態のコード調整器13におけるフェイルセーフ機能による安全対策の有る状態を示す説明図である。図19に示すように、牽引コード51a用のコード調整器13は移動框7の上側に、牽引コード51b用のコード調整器13は移動框7の下側に設置されている。
図19(a)に示すように、コード調整器13がフェイルセーフ機能による安全対策の無い状態では、コードストッパ装置70による牽引コード51の保持力に抗して更に強引に移動框7を各所で手引き操作(図示Op1,Op2,Op3)すると、コードストッパ装置70等が損傷するおそれがある。ここでは、移動框7の上方を掴んだ手引き操作(図示Op1)、移動框7の下方を掴んだ手引き操作(図示Op2)、及び移動框7の中央を掴んだ手引き操作(図示Op3)の3種類について例示して説明する。
例えば、図19(b)に示すように、コード調整器13がフェイルセーフ機能による安全対策の有る状態では、例えば移動框7の上方を掴んでコードストッパ装置70による牽引コード51の保持力に抗して更に強引に移動框7を手引き操作(図示Op1)すると、上側のコード調整器13による牽引コード51aの係止が解除され、コードストッパ装置70等の損傷を回避することができる。このとき、図19(b)において、下側のコード調整器13は、牽引コード51bの係止が解除されていない例を示している。
同様に、例えば移動框7の下方を掴んでコードストッパ装置70による牽引コード51の保持力に抗して更に強引に移動框7を手引き操作(図示Op2) すると、下側のコード調整器13のみによる牽引コード51bの係止が解除され、コードストッパ装置70等の損傷を回避することができる。そして、例えば移動框7の中央付近を掴んでコードストッパ装置70による牽引コード51の保持力に抗して更に強引に移動框7を手引き操作(図示Op3) すると、上下双方のコード調整器13による牽引コード51a,51bの係止が解除され、コードストッパ装置70等の損傷を回避することができる。
尚、移動框7の手引き操作の位置(図示Op1,Op2,Op3)に応じて、各所のコード調整器13におけるフェイルセーフ機能が動作する例を説明したが、これは発明の理解を高めるための例示に過ぎず、移動框7の手引き操作のやり方によって上下に配置されるコード調整器13のいずれか一方、又は双方のフェイルセーフ機能が働く旨を説明しているにすぎない点に留意する。このように、コード調整器13についてフェイルセーフ機能を有するよう構成することで、コードストッパ装置70による牽引コード51の保持力に抗して更に強引に移動框7の手引き操作を行なった場合でもコードストッパ装置70等の損傷を回避することができるようになる。
また、コード調整器13は、当該張力Tが牽引コード51に加わることで牽引コード51が非係止となっている状態から、牽引コード51の係止を復帰させるには、再度、図16で説明したように行えばよい。このとき、コード調整器13は、移動框7の内側に収容されているが、移動框7の前面に取着されているクッション材7aは着脱可能に構成されているため、容易に牽引コード51の係止を復帰させることができる。
また、前述の説明では、第2実施形態のコード調整器13を例に説明したが、第1実施形態のコード調整器13、或いはこれらの変形例についても、同様にフェイルセーフ機能を有するよう構成することができる。
また、前述の説明では、予長dに関して、牽引コード51の結び玉までの距離を例に説明したが、結び玉を形成せずともよい。更に、牽引コード51がコード調整器13から弛む場合や抜けるような態様でもよく、このような場合でも、前述したように容易に牽引コード51の係止を復帰させることができる。ただし、復帰の容易さを考慮すると、牽引コード51がコード調整器13から抜けないよう、十分な長さの予長dを設けるか、又は結び玉を形成することが望ましい。
また、前述の説明では、ケース部13aに対して回動支点で回動可能に取着されるレバー部13bの回動により、牽引コード51の係止、非係止を選択可能に構成されているコード調整器13に対してフェイルセーフ機能を持たせる例を説明したが、所定のコードの係止、非係止を選択可能に構成されている任意の形態のコード調整器に対してフェイルセーフ機能を持たせるよう構成することができる。特に、当該所定のコードによって当該間仕切り部材を固定する移動框7を牽引可能とするとともに、移動框7の牽引に要する牽引力よりも大きい所定の張力が当該所定のコードに加わる際に、当該所定のコードが非係止となるよう構成されていればよい。このようなコード調整器であれば、総じて間仕切り装置の操作性及び信頼性を高めることが可能となる。
また、前述の説明では、コードストッパ装置70による牽引コード51の保持力に抗して更に強引に移動框7を手引き操作したときに、コード調整器13のフェイルセーフ機能が働く例を説明したが、コードストッパ装置70による牽引コード51のロックが解除されているときでも、間仕切り部材(カーテン材65)が全開状態であるにもかかわらず、操作グリップ40を引いた場合にもコード調整器13のフェイルセーフ機能が働くようになっている。
(操作グリップ)
次に、間仕切り装置の操作性及び信頼性を高める観点から、本発明に係る操作グリップ40の一例について説明する。図20(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の間仕切り装置(例えば、前述したアコーディオンカーテン1)における操作グリップ40を構成する第1グリップ部材40a及び第2グリップ部材40bの斜視図である。図21(a),(b),(c),(d)は、操作グリップ40を構成する第1グリップ部材40aの構成図であり、それぞれ第1グリップ部材40aの正面図、上面図、側面図、及び下面図を示している。また、図22(a),(b),(c),(d)は、操作グリップ40を構成する第2グリップ部材40bの構成図であり、それぞれ第2グリップ部材40bの正面図、上面図、側面図、及び下面図を示している。
操作グリップ40は、操作コード42を挟み込んで係止可能とする第1グリップ部材40aと第2グリップ部材40bから構成される。第1グリップ部材40aと第2グリップ部材40bは互いに嵌脱可能となるよう、それぞれ複数個所に嵌合部401a及び嵌合受部401bを備えている。また、第1グリップ部材40aと第2グリップ部材40bは、互いに嵌合した状態で形成される挿通孔402a,402bにより、その長尺方向に操作コード42を貫通可能としている。そして、第1グリップ部材40aと第2グリップ部材40bは、それぞれ上下・左右方向に対称の形状を有している。
特に、第1グリップ部材40aと第2グリップ部材40bは、互いに嵌合した状態で形成されるコード係止部403a,403bにより、当該挟み込まれた操作コード42を結び玉42aで係止可能となっている。例えば、図23(a),(b)に、操作グリップ40の第1の設置態様を示す。図23(a)を参照するに、初期高さの位置で操作グリップ40により操作コード42を挟み込んで係止した後も、操作コード42の挟み込み位置を変更することにより調整高さ(図示40’)とするよう調整可能な構成となっている。より具体的には、高さの調整が容易となるよう、図23(b)に示すように、第1グリップ部材40aと第2グリップ部材40bは、互いに嵌合した状態で形成されるコード係止部403a,403bにより、当該挟み込まれた操作コード42を結び玉42aで係止可能となっている。また、第1グリップ部材40aと第2グリップ部材40bが互いに嵌合した状態で形成される空間404a,404bにより、操作コード42の予長部分42bを収容可能としている。これにより、操作コード42を挟み込んで係止した後も容易に高さ調整を行うことができる。
また、図24(a),(b)に、それぞれ操作グリップ40の第2の設置態様を示す。本態様では、操作コード42に対して、図20乃至図22に示す操作グリップ40を第1操作グリップ40‐1及び第2操作グリップ40‐2として2つ取り付ける例である。第1操作グリップ40‐1は、操作コード42を貫通しながら係止するよう構成され、第2操作グリップ40‐2は、操作コード42の予長部分42bを収容して係止するよう構成されている。
例えば、図24(a)に示すように、第1操作グリップ40‐1は、間仕切り部材(カーテン材65)の全閉状態で、操作ユニット6に当たらない第1の高さに設置し、第2操作グリップ40‐2は、車椅子等の低位置で把持できる第2の高さに設置する。第1グリップ部材40aと第2グリップ部材40bは、互いに嵌合した状態で形成される挿通孔402a,402bにより、その長尺方向に操作コード42を貫通可能とし、コード係止部403a,403bにより挟み込まれた操作コード42を結び玉42aで係止可能としているため、第1操作グリップ40‐1を図24(b)に示すように調整可能に設置することができる。また、空間404a,404bにより、操作コード42の予長部分42bを収容可能としているため、第2操作グリップ40‐2を第1操作グリップ40‐1の下方の任意位置で調整可能に設置することができる。
このように、操作グリップ40を、間仕切り部材(カーテン材65)の全閉状態で操作ユニット6の近傍の第1の高さ位置にて操作ユニット6とは非接触で操作コード42に係止される第1操作グリップ40‐1と、第1操作グリップ40‐1よりも下方の第2の高さ位置にて操作コード42に係止される第2操作グリップ40‐2からなるよう構成することができる。これにより、間仕切り装置の操作性を改善することができる。
このような操作グリップ40を用いることにより、間仕切り装置の操作性及び信頼性を高めることが可能となる。
尚、本例においては、操作グリップ40の外形形状や、結び玉42aの係止手段、或いは第1グリップ部材40aと第2グリップ部材40bは互いに嵌脱可能となるよう設ける嵌合部401a及び嵌合受部401b等について、特定の形態を例に説明したが、上述した例に限定されるものではないことは勿論である。