JP2015216319A - セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット方式を用いたセラミック電子部品の製造工程において、構造欠陥の発生を抑制することができ、その結果、信頼性の高いセラミック電子部品を提供する。
【解決手段】本発明は、セラミック電子部品の製造方法であって、顔料体積濃度が60%以上95%以下の誘電体層用インクをインクジェット方式により吐出して誘電体層を形成する工程と、顔料体積濃度が70%以上95%以下の金属顔料インクをインクジェット方式により吐出して導体層を形成する工程と、誘電体層を形成する工程と導体層を形成する工程とを任意に組み合わせることで、導体回路を有する成形体を形成する工程と、形成された成形体の有機成分を除去する脱脂工程と、誘電体層および導体層を焼結させる焼成工程とを有する、セラミック電子部品の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミック電子部品の製造方法に関し、特にたとえば、積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品の製造方法に関する。
たとえば、代表的なセラミック電子部品の一つである積層セラミックコンデンサは、通常、複数の内部電極が誘電体層を介して互いに対向するように配設され、かつ、交互に逆側の端面に引き出された構造を有するセラミック素体の両端側に、内部電極と導通するように外部電極が配置された構造を有している。
上述のような積層セラミックコンデンサの製造方法として、積層セラミックコンデンサの内部電極と外部電極とをインクジェット方式によって同時に印刷することにより成形することで、内部電極と外部電極との間におけるコンタクト不良の発生を抑制し、かつ、工程を短縮するとした積層セラミックコンデンサの製造方法が開示されている(たとえば、特許文献1を参照)。
特開2006−270047号公報
しかしながら、特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法に用いられる誘電体層用インクあるいは金属顔料インクである外部電極用インクおよび内部電極用インクのそれぞれに含まれる材料の条件に制約を設けていないため、脱脂時における構造欠陥の抑制のために、脱脂時間が長時間化する可能性がある。脱脂時の構造欠陥の主要因の一つは、誘電体層と内部電極との収縮タイミングのミスマッチによる応力と考えられる。また、樹脂成分が多いほど、脱脂時の寸法変化が大きくなり、応力が発生しやすくなるという問題があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、インクジェット方式を用いたセラミック電子部品の製造工程において、構造欠陥の発生を抑制することができ、その結果、信頼性の高いセラミック電子部品を提供することである。
この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法は、セラミック電子部品の製造方法であって、インク内の固形成分における顔料体積濃度(以下、単に「顔料体積濃度」とする)が60%以上95%以下の誘電体層用インクをインクジェット方式により吐出して誘電体層を形成する工程と、顔料体積濃度が70%以上95%以下の金属顔料インクをインクジェット方式により吐出して導体層を形成する工程と、誘電体層を形成する工程と導体層を形成する工程とを任意に組み合わせることで、導体回路を有する成形体を形成する工程と、形成された成形体の有機成分を除去する脱脂工程と、誘電体層および導体層を焼結させる焼成工程とを有する、セラミック電子部品の製造方法である。
また、この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法は、セラミック電子部品の製造方法において、成形体が、1つの個片、または複数の個片を同時に成形することが好ましい。
さらに、この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法は、誘電体層用インクの固形分濃度が10vol%以上27vol%以下であることが好ましい。
また、この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法は、金属顔料インクの固形分濃度が9vol%以上20.5vol%以下であることが好ましい。
さらに、この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法は、誘電体層または導体層の成形厚が厚くなるのに応じて、誘電体層用インクまたは金属顔料インクの固形分濃度を高くすることが好ましい。
この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法によれば、セラミック電子部品の製造方法であって、顔料体積濃度(PVC)が60%以上95%以下の誘電体層用インクを用いてインクジェット方式により吐出して誘電体層を形成し、顔料体積濃度(PVC)が70%以上95%以下の金属顔料インクを用いてインクジェット方式により吐出して導体層を形成するため、脱脂時における誘電体層と導体層との間の収縮のミスマッチの発生を抑制することができることから、脱脂時間を短縮することができる。
また、この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法において、成形体が、1つの個片、または複数の個片を同時に成形する場合、従来の積層セラミックコンデンサの製造工程で行われるマザー積層体に対するカット工程を設けることなく積層セラミックコンデンサを作製することができる。
さらに、この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法において、誘電体層用インクの固形分濃度が10vol%以上27vol%以下であると、誘電体層用インクや金属顔料インクを重ねて印刷したとき、互いの層が混ざることなく構造体を得ることができる。
また、この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法において、金属顔料インクの固形分濃度が9vol%以上20.5vol%以下であると、誘電体層用インクや金属顔料インクを重ねて印刷したとき、互いの層が混ざることなく構造体を得ることができる。
さらに、この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法において、誘電体層または導体層の成形厚が厚くなるのに応じて、誘電体層用インクまたは金属顔料インクの固形分濃度を高くすることで、焼成工程におけるクラックによる構造欠陥を抑制することができる。また、固形分濃度の高い誘電体層用インクまたは金属顔料インクによると厚い成形厚で印刷できるので、塗り重ねの回数を抑制することができることから、コストの増加を抑制することができる。
この発明によれば、インクジェット方式を用いたセラミック電子部品の製造工程において、構造欠陥の発生を抑制することができ、その結果、信頼性の高いセラミック電子部品を提供することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法により製造される積層セラミックコンデンサの断面図解図である。 この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法において用いられる印刷装置の模式図であって、(a)は印刷工程であり、(b)は乾燥工程を示す模式図である。 この発明にかかる実施の形態による積層セラミックコンデンサの製造方法において、積層セラミックコンデンサの下外層部を作製するための工程を示した概略断面図である。 この発明にかかる実施の形態による積層セラミックコンデンサの製造方法において、積層セラミックコンデンサの内層部を作製するための工程を示した概略断面図である。 図4に示す工程に続いて、積層セラミックコンデンサの内層部を作製するための工程を示した概略断面図である。 この発明にかかる実施の形態による積層セラミックコンデンサの製造方法において、積層セラミックコンデンサの上外層部を作製するための工程を示した概略断面図である。 誘電体層用インクおよび金属顔料インク(内部電極用インクおよび外部電極用インク)のPVCと脱脂前後の寸法変化率との関係を示す図である。 誘電体層用インクおよび金属顔料インク(内部電極用インクおよび外部電極用インク)のPVCの変化に対する誘電体層および導体層の乾燥体充填率の変化を示す図である。 誘電体層用インクおよび金属顔料インク(内部電極用インクおよび外部電極用インク)のTG−DTAによる計測結果を示す図である。
図1は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法により製造される積層セラミックコンデンサの一例を示す断面図解図である。
積層セラミックコンデンサ10は、直方体状に形成され、誘電体層12、外部電極14a,14bおよび内部電極16a,16bを含む。
積層セラミックコンデンサ10は、誘電体として、たとえば、チタン酸バリウム系の誘電体セラミックからなる誘電体層12を含む。積層セラミックコンデンサ10の一端面には、外部電極14aが形成されている。同様に、積層セラミックコンデンサ10の他端面には、外部電極14bが形成されている。
また、誘電体層12は、下外層部18、内層部20、上外層部22により構成される。内層部20は、複数の内層用誘電体層と、複数の内層用誘電体層同士の界面に配設された、内部電極16aおよび16bが交互に形成されている。この場合、内部電極16aは、一端部が積層セラミックコンデンサ10の一端部に延びて外部電極14aと電気的に接続されるように形成され、内部電極16bは、一端部が積層セラミックコンデンサ10の他端部に延びて外部電極14bと電気的に接続されるように形成される。そして、内層部20の下側に下外層部18が配設され、内層部20の上側に上外層部22が配設される。
外部電極14a,14bおよび内部電極16a,16bの材料としては、Ni、Fe、Al、Ag、W、Cなどを用いることができる。外部電極14a,14bの表面には、必要に応じて、めっき膜が形成される。
続いて、以上の構成からなる積層セラミックコンデンサの製造方法の一実施の形態について説明する。図2は、この積層セラミックコンデンサの製造方法において用いられる印刷装置24の模式図であって、(a)は印刷工程であり、(b)は乾燥工程を示す模式図である。
印刷装置24は、誘電体層用インクジェットヘッド26、内部電極用インクジェットヘッド28および外部電極用インクジェットヘッド30を備える。また、印刷装置24は、積層セラミックコンデンサ10の誘電体層12、外部電極14a,14bおよび内部電極16a,16bを印刷して作製するためステージ32を備える。ステージ32は水平方向に移動しうるように設けられる。印刷装置24により、脱脂・焼成前のセラミック電子部品10’を得ることができる。なお、誘電体層用インクジェットヘッド26からインクジェット方式により吐出される誘電体層用インク26a、内部電極用インクジェットヘッド28からインクジェット方式により吐出される内部電極用インク28aおよび外部電極用インクジェットヘッド30からインクジェット方式により吐出される外部電極用インク30aの詳細は、後述される。
各インクジェットヘッドから吐出されるインク滴の速度は、たとえば、6m/sに設定されるのが好ましい。インク滴の吐出速度が遅い場合、印刷位置の精度が低下する問題を有する。
また、インクの吐出距離、すなわち、各インクジェットヘッドの底面から印刷される対象となる印刷物の表面までの距離は、0.5mm以下が好ましい。インクの吐出距離が長い場合、印刷位置の精度が低下する問題を有する。
各インクジェットヘッドの温度は、25℃に設定されるのが好ましい。各インクジェットヘッドの温度が35℃を超えると、各インクジェットヘッドからのインクの吐出不良が目立つようになる。
また、ステージ32の移動速度、すなわち、印刷の速度は、100mm/s程度に設定されるのが好ましい。
ステージ32の温度は、60℃程度に設定されるのが好ましい。ステージの温度が80℃を超えると、各インクジェットヘッドからのインクの吐出不良が目立つようになる。
各インクジェットヘッドによる印刷後の乾燥の条件は以下の通りである。
乾燥時間は3分程度が好ましい。一方、乾燥時間を1.5分に設定した場合、残留溶媒が生ずるため問題がある。
乾燥装置として、ランプ乾燥装置34を使用する場合、近赤外線ランプを使用することができる。このとき、ランプの高さは、印刷物の表面から50mmの距離に設定される。
また、乾燥装置として、送風乾燥装置36も使用することができる。
次に、印刷装置24を用いた積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。図3ないし図6は、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法による製造工程を示した図である。
最初に、積層セラミックコンデンサ10の下外層部18の作製工程について説明する。
まず、図3(a)に示すように、基材38上に誘電体層用インク26aが印刷され、誘電体層12aが形成される。誘電体層用インクは誘電体層用インクジェットヘッド26から吐出され、これが乾燥される。続いて、図3(b)に示すように、さらにその上に誘電体層用インクが印刷され、下外層部用誘電体層12aが形成され、さらに乾燥され、図3(a)ないし図3(b)に記載される工程が任意の回数繰り返される。これにより、積層セラミックコンデンサ10の下外層部18が形成される。
続いて、積層セラミックコンデンサ10の内層部20の作製工程について説明する。
図4(a)に示すように、下外層部18の表面における両端部に外部電極用インク30aが印刷され、外部電極14a,14bが形成される。外部電極用インクは外部電極用インクジェットヘッド30から吐出される。そして、図4(b)に示すように、下外層部18の表面であって、外部電極14aおよび外部電極14bの間に誘電体層用インクが印刷され、内層用誘電体層12bが形成され、乾燥される。
そして、図4(c)に示すように、内層用誘電体層12bの表面における外部電極14aから外部電極14b側に向かって内部電極用インク28aが印刷され、内部電極16aが形成される。内部電極用インク28aは内部電極用インクジェットヘッド28から吐出される。このとき、内部電極16aの一方端が外部電極14aと電気的に接続されるように印刷される。一方、内部電極16aの他方端と外部電極14bとの間にはギャップ40が設けられる。続いて、図4(d)に示すように、下外層部18の表面であって、ギャップ40に内層用誘電体層12cが形成され、乾燥される。
続いて、さらに、図5(a)に示すように、外部電極14a,14bの表面に外部電極用インク30aが印刷され、さらに外部電極14a,14bが形成される。そして、図5(b)に示すように、内部電極16aおよび内層用誘電体層12cの表面であって、外部電極14aおよび外部電極14bの間に誘電体層用インクが印刷され、内層用誘電体層12bが形成され、乾燥される。
そして、図5(c)に示すように、内層用誘電体層12bの表面における外部電極14bから外部電極14a側に向かって内部電極用インク28aが印刷され、内部電極16bが形成される。このとき、内部電極16bの一方端が外部電極14bと電気的に接続されるように印刷される。一方、内部電極16bの他方端と外部電極14aとの間にはギャップ40が設けられる。続いて、図5(d)に示すように、内層用誘電体層12bの表面であって、ギャップ40に内層用誘電体層12cが形成され、乾燥される。
そして、図4(a)ないし図5(d)に記載される工程が任意の回数繰り返されて、内層用誘電体層12b,12cと内部電極16a,16bとが印刷され、そして積層されることにより、内層部20が作製される。
次に、積層セラミックコンデンサ10の上外層部22の作製について説明する。
図6(a)に示すように、内部電極16bおよび内層用誘電体層12cの表面に誘電体層用インク26aが印刷され、上外層部用誘電体層12dが形成され、乾燥される。さらに、図6(b)に示すように、その上に誘電体層用インク26aが印刷され、上外層部用誘電体層12dが形成され、さらに乾燥され、これが任意の回数繰り返される。これにより、積層セラミックコンデンサ10の上外層部22が形成される。
そして、上記の製造工程により得られた成形体である脱脂・焼成前の積層セラミックコンデンサ10’に対して、たとえば、280℃で有機成分を除去する脱脂を行い、さらに、誘電体層12、内部電極16a,16bおよび外部電極14a,14bを焼結させるために約1300℃で焼成される。そうすると、所望の積層セラミックコンデンサ10が得られる。なお、脱脂時間は、たとえば、13.5時間である。
誘電体層用インクは、CaTi,ZrO3顔料、樹脂および溶媒を含む。誘電体層用インクは、インク内の固形成分における顔料の体積割合である顔料体積濃度(PVC:Pigment Volume Concentration)は、60%以上95%以下が好ましい。誘電体層用インクに含まれる顔料は、CaTi,ZrO3顔料以外にも、SrZrO3、BaTiO3、BaTi,CaO3、BaTi,ZrO3を主成分とする顔料等を用いることができる。また、誘電体層用インクに含まれる樹脂はアクリル樹脂あるいはPVB樹脂を用いることができる。なお、この誘電体層用インクに含まれる樹脂は、後述する金属顔料インクである外部電極用インクおよび内部電極用インクに含まれる樹脂と同種(たとえば、アクリル樹脂)を用いることが好ましい。
また、外部電極や内部電極等の導体層を形成するための金属顔料インクである外部電極用インクおよび内部電極用インクは、Ni顔料(金属顔料)、CaZrO3顔料(共材顔料)、樹脂および溶媒を含む。外部電極用インクおよび内部電極用インクは、インク内の固形成分における顔料の体積割合である顔料体積濃度(以下、PVCという)が、70%以上95%以下とすることが好ましい。外部電極用インクおよび内部電極用インクに含まれるNi顔料以外にも、Fe、Cu、Al、Ag、W、Cを主成分とする顔料等を用いることができる。また、外部電極用インクおよび内部電極用インクに含まれる樹脂は、たとえば、アクリル樹脂が用いられる。
本実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法によると、積層セラミックコンデンサがインクジェット方式により作製されるため、各積層セラミックコンデンサ10を個片で作製することができることから、従来の積層セラミックコンデンサの製造工程で行われるマザー積層体に対するカット工程を設けることなく積層セラミックコンデンサを得ることができる。
また、本実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法で用いられるインクジェット方式によると、誘電体層用インクのPVCを60%以上95%以下とし、金属顔料インクである外部電極用インクおよび内部電極用インクのPVCを70%以上95%以下とすることにより、積層セラミックコンデンサの脱脂時の構造欠陥の発生を抑制し、脱脂時間を短縮することができる。
また、本実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法によると、誘電体層用インクに含まれる樹脂と外部電極用インクあるいは内部電極用インクに含まれる樹脂とについて同種の樹脂を用いるので、作製される積層セラミックコンデンサの構造欠陥の発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法で用いられるインクジェット方式によると、上層側に印刷されるインクが、インクにより印刷された下層を溶解し、粒子が混ざり合うことが懸念される。誘電体層用インク、外部電極用インクおよび内部電極用インクのそれぞれの固形分濃度を20vol%以上のインクを用いることで、印刷後すぐに各インクの流動性を失うため、誘電体層と内部電極との間が混ざっていない構造体を得ることができる。
加えて、高PVCのインクにより作製された積層セラミックコンデンサは強度が低く、乾燥収縮による応力で亀裂が入る場合があるところ、各インクの固形分濃度20vol%以上のインクを用いることで、乾燥収縮を抑え、乾燥時の亀裂のない積層セラミックコンデンサを得ることができる。なお、成形厚が薄い場合には、固形分濃度を20vol%未満と低くしても乾燥時の亀裂を抑制することができる。
一方、誘電体層用インクにより印刷される成形厚は、誘電体層用インクの固形分濃度を変えることが好ましい。たとえば、成形厚を1μm程度に設定する場合は、誘電体層用インクの固形分濃度は10vol%に設定され、25μm程度の設定する場合は、27vol%に設定される。また、誘電体層用インクにより印刷される成形厚を1μm程度に設定する場合は、誘電体層用インクの主成分として含まれるCaTi,ZrO3顔料の平均粒径を120nmとするのが好ましく、25μm程度に設定する場合は、誘電体層用インクの主成分として含まれるCaTi,ZrO3顔料の平均粒径を400nm程度とするのが好ましい。
また、金属顔料インクである外部電極用インクおよび内部電極用インクにより印刷される成形厚は、外部電極用インクおよび内部電極用インクの固形分濃度を変えることが好ましい。たとえば、成形厚を1μm程度に設定する場合は、外部電極用インクおよび内部電極用インクの固形分濃度は9vol%に設定され、25μm程度の設定する場合は、20.5vol%に設定される。また、外部電極用インクおよび内部電極用インクにより印刷される成形厚を1μm程度に設定する場合は、金属顔料インクである外部電極用インクおよび内部電極用インクの主成分として含まれるNi顔料の平均粒径を300nmとし、CaZrO3顔料の平均粒径を13nmとするのが好ましく、25μm程度に設定する場合は、金属顔料インクである外部電極用インクおよび内部電極用インクの主成分として含まれるNi顔料の平均粒径を200nmとし、CaZrO3顔料の平均粒径を200nmとするのが好ましい。
さらに、焼成時に誘電体層と金属顔料インクである外部電極あるいは内部電極との間の収縮ミスマッチにより、界面にクラックが生じることがある。この場合、金属顔料インクである外部電極用インクあるいは内部電極用インクの共材量を増やすことで抑制することができる。たとえば、外部電極等に対して厚い膜(5μm以上)を成形する場合は、金属顔料インクにおける体積比(共材顔料の体積/金属顔料の体積)0.77(重量比0.4)以上の共材混合率が望ましい。
(実施例)
実施例では、上述の製造方法により積層セラミックコンデンサ10を作製した。条件は、以下のとおりとした。
すなわち、誘電体層用インクはCaTi,ZrO3顔料を用いた。CaTi,ZrO3顔料の平均粒径は、400nmとした。また、誘電体層用インクのPVCは80%とし、固形分濃度は27.0vol%とした。
金属顔料インクである内部電極用インクあるいは外部電極用インクは、Ni顔料とCaZrO3顔料とを用いた。Ni顔料の平均粒径は200nmとし、CaZrO3顔料の平均粒径は、200nmとした。また金属顔料インクのPVCは80%とし、固形分濃度は22.0vol%とした。
積層セラミックコンデンサの外形寸法は、長さ(L)13mm、幅(W)17mm、高さ(T)4.0mmの試料(サンプル1)と長さ(L)8mm、幅(W)6mm、高さ(T)4.0mmの試料(サンプル2)とした。また、焼成後の内層用誘電体層の厚さは、25μmとし、焼成後の内部電極の厚さは、3.5μmとした。内部電極の積層枚数は、118枚とした。また、下外層部および上外層部の厚さは、それぞれ300μmとした。そして、サンプル1、サンプル2は、それぞれの試料を6個ずつ作製した。
(比較例)
比較例では、誘電体層用インクのPVCを60%程度とし、金属顔料インクのPVCを60%程度とした以外は、実施例と同じ条件とした。
比較例の条件により作製された積層セラミックコンデンサでは、脱脂工程において、60時間以上かけて脱脂をしなければ、構造欠陥が発生したが、実施例の条件により作製された積層セラミックコンデンサでは、脱脂工程において、13.5時間の脱脂プロファイルで構造欠陥が発生しない試料を得ることができた。
(特性評価)
さらに、積層セラミックコンデンサの試料に対して以下に記載される評価(寸法変化率による評価、乾燥体充填率による評価、TG−DTAによる評価、共材量の変化による評価、固形分濃度の変化による評価)が行われた。
(寸法変化率による評価)
誘電体層用インクおよび金属顔料インクのそれぞれのPVCを変化させた場合の脱脂前後における寸法変化について評価を行った。評価に用いた積層セラミックコンデンサは、誘電体層用インクおよび金属顔料インクのPVCを除き、実施例と同じ条件とした。また、評価に用いた積層セラミックコンデンサは、モデルサンプルとして、5mm×5mm×1mmの単板を作製して実施した。
誘電体層用インクの寸法変化の評価は、内層用誘電体層における寸法変化率を用いて評価し、金属顔料インクの寸法変化の評価は、内部電極(導体層)の寸法変化率を用いて評価した。それぞれの寸法変化率=√((脱脂後の長さL×脱脂後の幅W)/(脱脂前の長さL×脱脂前の幅W))により算出した。また、寸法変化率は、それぞれ5個の平均値とした。
また、誘電体層用インクおよび金属顔料インクのそれぞれのPVCにより作製された積層セラミックコンデンサの構造欠陥の有無について評価を行った。
(乾燥体充填率による評価)
誘電体層用インクおよび金属顔料インクのそれぞれのPVCを変化させた場合の乾燥体の充填率の変化について評価を行った。評価に用いた積層セラミックコンデンサは、誘電体層用インクおよび金属顔料インクのPVCを除き、実施例と同じ条件とした。また、評価に用いた積層セラミックコンデンサは、モデルサンプルとして、5mm×5mm×1mmの単板を作製して実施した。
乾燥体の充填率の変化は、画像により樹脂や空隙の部分の面積を求め、画像全体の面積に対する画像全体の面積から樹脂や空隙部分の面積を除いた面積の割合を乾燥体充填率として求めた。評価に用いた画像の条件としては、上記単板断面を、日立製FE−SEM S−4800を用いて、倍率10,000倍で観察した。
(TG−DTAによる評価)
誘電体層用インクに含まれる樹脂と金属顔料インクに含まれる樹脂との違いによる評価をTG−DTAにより行った。評価に用いた積層セラミックコンデンサは、誘電体層用インクおよび金属顔料インクのPVCおよび含まれる樹脂を除き、実施例と同じ条件とした。また、評価に用いた積層セラミックコンデンサは、モデルサンプルとして、5mm×5mm×1mmの単板を作製して実施した。
誘電体層用インクに含まれる樹脂は、アクリル樹脂およびPVB樹脂を準備し、金属顔料インク(Ni顔料)に含まれる樹脂は、アクリル樹脂を準備した。なお、TG−DTAの測定条件は、以下のとおりである。装置の社名・型番:株式会社リガク製ThermoPlus TG8120、試料重量:150mg、雰囲気ガス:N2、雰囲気ガスの流量:50cc/min、昇温速度:3.0℃/min。
(共材量の変化による評価)
金属顔料インクに含まれる共材量を変化させた場合の積層セラミックコンデンサに生ずる構造欠陥の有無について評価を行った。評価に用いた積層セラミックコンデンサは、金属顔料インクに含まれる共材量を除き、実施例と同じ条件とした。また、評価に用いた積層セラミックコンデンサは、5mm×5mm×2mmの2層品を作製して実施した。
金属顔料インクに含まれるPVC80%のNi顔料とPVC80%のCaZrO3顔料(共材顔料)との体積比(CaZrO3顔料の体積/Ni顔料の体積)について、0(重量比0)、0.39(重量比0.2)、0.77(重量比0.4)の3パターンを準備した。
(固形分濃度の変化による評価)
固形分濃度と誘電体層用インクにより成形される成形厚との関係を評価するため、誘電体層用インクにより成形される誘電体層の成形厚を1μmと25μmの2種類を作製した。このとき、誘電体層用インクにより1μmの成形厚を作製する場合は、誘電体層用インクに含まれるCaTi,ZrO3顔料の平均粒径を120nmとし、PVCが80%、固形分濃度10vol%の誘電体層用インクを使用した。また、誘電体層用インクにより25μmの成形厚を作製する場合は、実施例と同じ条件とした。
また、固形分濃度と金属顔料インクにより成形される成形厚との関係を評価するため、金属顔料インクにより成形される導体層の成形厚を1μmと25μmの2種類を作製した。このとき、金属顔料インクにより1μmの成形厚を作製する場合は、金属顔料インクに含まれるNi顔料の平均粒径を300nmとし、CaZrO3顔料の平均粒径を13nmとし、PVCが70%、固形分濃度9.0vol%の金属顔料インクを使用した。また、金属顔料インクにより25μmの成形厚の導体層を作製する場合は、金属顔料インクの固形分濃度を20.5vol%とした以外、実施例と同じ条件とした。
(各特性評価の評価結果)
表1は、誘電体層用インクおよび金属顔料インク(内部電極用インクおよび外部電極用インク)のそれぞれのPVCに対する内層用誘電体層における寸法変化率および内部電極の寸法変化率の値が示され、図7は、その結果をグラフ化したものである。
表2は、誘電体層用インクおよび金属顔料インク(内部電極用インクおよび外部電極用インク)のPVCを変化させた場合について、作製された積層セラミックコンデンサの構造欠陥の有無について確認を行った結果について示している。表2において、構造欠陥が発生した場合は「×」で示し、大きな構造欠陥がなければ「○」で示し、構造欠陥がなければ「◎」で示した。
表3は、誘電体層用インクおよび金属顔料インク(内部電極用インクおよび外部電極用インク)のPVCを変化させた場合について、内層用誘電体層の乾燥体の充填率および内部電極の乾燥体の充填率が示され、図8は、その結果をグラフ化したものである。
Figure 2015216319
Figure 2015216319
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(寸法変化率の測定とその結果および構造欠陥の確認)
従来の積層セラミックコンデンサの製造工程においては、誘電体層および内部電極(導体層)の寸法変化が起こる領域(たとえば、誘電体層用インクのPVCが50%程度、金属顔料インクのPVCが60%程度)の組み合わせで製造を行っており、この場合、焼成工程における焼成プロファイルの工夫により、構造欠陥を抑制していた。
表1に示されるように、PVCを高くすることで、寸法変化が起こりにくくなることが確認された。具体的には、表1あるいは図7に示されるように、誘電体層用インクはPVC60%以上95%以下の範囲で、寸法変化がほぼ起きなくなったことが確認された。また、金属顔料インクはPVC70%以上95%以下の範囲で、寸法変化がほぼ起きなくなった。
したがって、誘電体層用インクのPVCが60%以上95%以下とし、金属顔料インクのPVCが70%以上95%以下とすることで、寸法変化がほとんど生じず、脱脂工程における収縮のミスマッチによる構造欠陥に関して、脱脂プロファイルにおける工夫の必要がなくなることが示唆された。
また、作製された積層セラミックコンデンサの構造欠陥について確認すると、表2に示されるように、誘電体層用インクのPVCを60%以上95%以下とし、かつ、金属顔料インクのPVCを70%以上95%以下とした場合、大きな構造欠陥は見られなかった。さらに、誘電体層用インクPVCを75%以上95%以下とし、かつ、金属顔料インクのPVCを80%以上95%以下とした場合、構造欠陥は見られなかったことから、それぞれのインクのPVCをこの範囲内とすると、より好ましいことが確認された。
一方、誘電体層用インクのPVCを50%以上55%以下とし、かつ、金属顔料インクのPVCを50%以上65%以下とした場合、あるいは、誘電体層用インクのPVCおよび金属顔料インクのPVCが100%の場合、作製された積層セラミックコンデンサにおいて、大きな構造欠陥が確認された。
(乾燥体の充填率の測定とその結果)
乾燥体の充填率が高ければ、脱脂・焼成工程の全熱処理工程を通じた寸法変化が小さくなる。表3あるいは図8に示すように、誘電体層用インクのPVCおよび金属顔料インクのPVCが95%になるまでは、内層用誘電体層の乾燥体および内部電極の乾燥体のそれぞれの充填率は向上した。
一方、誘電体層用インクのPVCおよび金属顔料インクのPVC100%とした場合、それぞれの乾燥体の充填率が低下した。
以上の結果より、誘電体層用インクのPVCおよび金属顔料インクのPVCの上限は95%が好ましいことが示唆された。
(TG−DTAによる測定とその結果)
図9は、誘電体層用インクと金属顔料インク(内部電極用インクおよび外部電極用インク)のTG−DTAによる計測結果を示す図である。
誘電体層用インクと金属顔料インクとの間で重量減少温度が異なる場合、収縮のミスマッチが生じ、構造欠陥が発生する原因となる。すなわち、誘電体層用インクと金属顔料インクとに含まれる樹脂の種類が異なる場合や樹脂の相溶性が悪い場合、誘電体層と導体層との間の密着が悪く、デラミネーションが生じる場合がある。
図9より、誘電体層用インクの樹脂をPVB樹脂からアクリル樹脂に変えることで、アクリル樹脂を用いた金属顔料インクと同じ温度領域に重量減少ピークを持つインクを作製することができた。したがって、誘電体層用インクと金属顔料インクとに含まれる樹脂の種類を同種とすることで、重量減少温度を合わせることができ、その結果、構造欠陥の発生を抑制することができることが確認された。
(共材量を変化させたときにおける構造欠陥の有無の確認)
特に、コファイア(同時焼成)により形成される外部電極の成形用に金属顔料インクとしてNi顔料を用いる場合、一般的に、通常の内部電極を形成する場合よりも厚い膜を形成するため、クラックの発生が顕著になる。
金属顔料インクに含まれる共材量として、体積比(CaZrO3顔料(共材顔料)の体積/Ni顔料の体積)が0の場合、積層セラミックコンデンサが大きく湾曲した状態で破壊することが確認され、また、体積比が0.2の場合、誘電体層において、小さなクラックが発生することが確認された。
一方、体積比を0.77とした場合、作製された積層セラミックコンデンサにおいて、構造欠陥は発生せず、共材がネットワーク構造を形成することが確認された。したがって、コファイア(同時焼成)により形成される外部電極をはじめとして、厚い膜(たとえば、5μm以上)の導体層を成形する場合は、少なくとも、体積比0.77以上の共材混合率が望ましいことが確認された。
(固形分濃度の変化による評価)
誘電体層用インクに含まれるCaTi,ZrO3顔料の平均粒径を120nmとし、PVCが80%、固形分濃度10vol%の誘電体層用インクを使用することで、1μmの成形厚の誘電体層を作製することができた。また、誘電体層用インクに含まれるCaTi,ZrO3顔料の平均粒径を400nmとし、PVCが80%、固形分濃度27.0vol%の誘電体層用インクを使用することで、25μmの成形厚の誘電体層を作製することができた。
また、金属顔料インクにより1μmの成形厚を作製する場合は、金属顔料インクに含まれるNi顔料の平均粒径を300nmとし、CaZrO3顔料の平均粒径を13nmとし、PVCが70%、固形分濃度9.0vol%の金属顔料インクを使用することで、1μmの成形厚の導体層を作製することができた。また、金属顔料インクにより1μmの成形厚を作製する場合は、金属顔料インクに含まれるNi顔料の平均粒径を200nmとし、CaZrO3顔料の平均粒径を200nmとし、PVCが70%、固形分濃度20.5vol%の金属顔料インクを使用することで、25μmの成形厚の導体層を作製することができた。
したがって、インクジェット方式によるセラミック電子部品の製造方法では、成形厚によって、固形分濃度を変えることが望ましく、すなわち、成形厚を厚く形成するのにしたがって、固形分濃度を高くすることが望ましい。たとえば、下外層部あるいは上外層部、コファイア(同時焼成)により形成される外部電極、ビアを成形の場合は、各層を比較的厚く成形するため、使用される誘電体層用インクおよび金属顔料インクの固形分濃度を20vol%程度とし、内部電極のように薄い成形膜とする場合は、使用される誘電体層用インクおよび金属顔料インクの固形分濃度を10vol%程度とするのが望ましい。
一方、固形分濃度が10vol%以下のような低固形分濃度のインクを用いて厚い膜を形成しようとすると、乾燥時にクラックが生じたり、塗り重ね回数が増えることによるコストが増加したりといった問題が生ずると考えられる。
なお、この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法によれば、誘電体層用インクをインクジェット方式により吐出して誘電体層を形成する工程と、金属顔料インクをインクジェット方式により吐出して導体層を形成する工程とを任意に組み合わせることで、導体回路を有する成形体を形成することもできる。
すなわち、この発明にかかるセラミック電子部品の製造方法によれば、積層型セラミック電子部品の場合、コンデンサに限ることなく、インダクタの製造に適用することができ、スルーホール、ビアホールを有する多層セラミック基板の製造にも適用することができる。また、積層型セラミック電子部品に限ることはなく、単層のセラミック基板等の製造にも適用することができる。
また、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。また、セラミック電子部品のセラミック層の厚み、層数、対向電極面積および外形寸法は、これに限定されるものではない。
10 積層セラミックコンデンサ
10’ 脱脂・焼成前の積層セラミックコンデンサ
12 誘電体層
12a 下外層部用誘電体層
12b、12c 内層用誘電体層
12d 上外層部用誘電体層
14a、14b 外部電極
16a、16b 内部電極
18 下外層部
20 内層部
22 上外層部
24 印刷装置
26 誘電体層用インクジェットヘッド
26a 誘電体層用インク
28 内部電極用インクジェットヘッド
28a 内部電極用インク
30 外部電極用インクジェットヘッド
30a 外部電極用インク
32 ステージ
34 ランプ乾燥装置
36 送風乾燥装置
38 基材
40 ギャップ

Claims (5)

  1. セラミック電子部品の製造方法であって、
    顔料体積濃度が60%以上95%以下の誘電体層用インクをインクジェット方式により吐出して誘電体層を形成する工程と、
    顔料体積濃度が70%以上95%以下の金属顔料インクをインクジェット方式により吐出して導体層を形成する工程と、
    前記誘電体層を形成する工程と前記導体層を形成する工程とを任意に組み合わせることで、導体回路を有する成形体を形成する工程と、
    形成された前記成形体の有機成分を除去する脱脂工程と、
    前記誘電体層および前記導体層を焼結させる焼成工程とを有する、セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記セラミック電子部品の製造方法において、
    前記成形体が、1つの個片、または複数の個片を同時に成形することを特徴とする、請求項1に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記誘電体層用インクの固形分濃度が10vol%以上27vol%以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記金属顔料インクの固形分濃度が9vol%以上20.5vol%以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記誘電体層または前記導体層の成形厚が厚くなるのに応じて、前記誘電体層用インクまたは前記金属顔料インクの固形分濃度を高くすることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載のセラミック電子部品の製造方法。
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