JP2015203069A - アニリン系導電性ポリマーの精製方法 - Google Patents

アニリン系導電性ポリマーの精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価な原料から、高い導電性と加工上の利点を有する導電性ポリマーを大量に製造できる方法を提供する。【解決手段】塩性物質が残存したアニリン系導電性ポリマー溶液を、イオン交換樹脂を充填した容器に通液するイオン交換法により精製する方法において、下記式を満足するアニリン系導電性ポリマーの精製方法。Vsol: アニリン系導電性ポリマー溶液から、イオン交換法により塩基性物質が除去された総液量Csol: イオン交換処理前の液の濃度VR: イオン交換樹脂量【選択図】なし

Description

本発明は、アニリン系導電性ポリマーの精製方法に関する。
多様な用途で用いられる導電性ポリマーとしては、スルホン化ポリアニリン系の導電性ポリマーが知られている。
本発明者らは、これまでにスルホン基置換アニリンまたはカルボキシル基置換アニリン等の酸性基置換アニリンを、塩基性化合物含む溶液中で重合して得られるアニリン系導電性ポリマーとその製造方法を提案してきた(例えば、特許文献1参照。)。
一般に、導電性ポリマーの導電性(σ)は、キャリアの数(n)、キャリアの電荷(q)、ならびにキャリアの分子鎖間および分子鎖内の易動度(μ)に依存する。
可溶性アニリン系導電性ポリマーの場合、キャリアの電荷(q)はキャリアの種類によって決まる固有値となるため、導電性を向上させるためには、キャリアの数(n)、および易動度(μ)を増大させることが重要である。なお、易動度(μ)を増大させるには、ポリマーの分子量を高くすることや低分子量物及びその他不純物を除去する等が有効であると考えられる。
特開2000−219739 特開2011−116967
特許文献1には、スルホン化ポリアニリン系の導電性ポリマーを、アルコールで洗浄する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1の方法では導電性ポリマーの酸性基の一部と塩を形成している塩基性物質の除去が十分ではなく、導電性ポリマーの導電性を十分に発揮できないという問題があった。
また、特許文献2の製造方法では、導電性ポリマーの酸性基の一部と塩を形成している塩基性物質をイオン交換樹脂によるイオン交換法や電気透析によるイオン交換法により除去し、高導電性のポリマーを得る方法が記載されている。しかし、当該方法では塩基性物質は除去できるものの、コスト面での問題があった。具体的には、イオン交換方法ではイオン交換効率が悪く、多量の樹脂を必要とする。また、電気透析では塩基を除去するために通電時間が長くなってしまうという問題があった。
本発明は、塩性物質が残存したアニリン系導電性ポリマー溶液を、イオン交換樹脂を充填した容器に通液するイオン交換法により精製する方法において、下記式を満足するアニリン系導電性ポリマーの精製方法に関する。
sol : アニリン系導電性ポリマー溶液から、イオン交換法により塩基性物質が除去された総液量
sol : イオン交換処理前の液の濃度
: イオン交換樹脂量
また本発明は、前記イオン交換樹脂を充填した容器が、少なくとも2つ以上の容器でありかつ直列に連結されたイオン交換装置を用いるアニリン系導電性ポリマーの精製方法に関する。
また本発明は、前記アニリン系導電性ポリマーが、式(1)で表されるものである、アニリン系導電性ポリマーの精製方法に関する。


式(1)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基又はハロゲン原子である。またR〜Rのうち少なくとも一つは酸性基またはその塩である。
また本発明は、前記少なくとも2つ以上の容器が、直列、または直列と並列を組み合わせて連結されたものである、アニリン系導電性ポリマーの精製方法に関する。
また本発明は、前記イオン交換樹脂が、カチオン交換樹脂、またはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混合物である、アニリン系導電性ポリマーの精製方法に関する。
本発明の精製方法によれば、高導電性を有するアニリン系導電性ポリマーを低コストで、且つ効率よく製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において「可溶性」とは、単なる水、塩基および塩基性塩を含む水、酸を含む水、もしくはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の溶媒、またはそれらの混合物10g(液温25℃)の何れかに、0.1g以上均一に溶解することを意味する。
また、「導電性」とは、10−9S/cm以上の導電率を有することである。
<精製方法>
本発明の精製方法は、塩性物質が残存したアニリン系導電性ポリマー溶液を、イオン交換樹脂を充填した容器に通液するイオン交換法により精製する方法において、下記式を満足する。
sol : アニリン系導電性ポリマー溶液から、イオン交換法により塩基性物質が除去された総液量
sol : イオン交換処理前の液の濃度
: イオン交換樹脂量
本発明の精製方法によれば、アニリン系導電性ポリマーに含まれる塩基性物質等の不純物の除去を効率よく行うことができる。
本発明の精製方法を用いて、アニリン系導電性ポリマーの酸性基と形成している塩等の不純物等を除去することで、アニリン系導電性ポリマーの導電性が向上する。
また、イオン交換樹脂を充填した容器が、少なくとも2つ以上の容器でありかつ直列に連結されたイオン交換装置を用いることが好ましい。これにより、イオン交換効率を向上させることができる。
イオン交換樹脂が充填された容器は、3本以上用いることが好ましく、4本以上用いることがさらに好ましい。また、直列連結と並列連結を組み合わせたイオン交換装置を用いてもよい。
なお、本明細書において、イオン交換法によりアニリン系導電性ポリマー溶液から塩基性物質を除去した液のことを、精製アニリン系導電性ポリマー溶液という。
精製前の導電性ポリマー溶液は、精製導電性ポリマー溶液に比べるとpHが高くなる。そのため、イオン交換法により塩基性物質等の不純物が除去できているかの判定については、pHで判断することができる。
pH以外に塩基性物質が除去できているか判断する方法としては、塩基性物質をイオンクロマトなどの分析装置を用いて、定量する方法が挙げられる。
イオン交換樹脂に対する導電性ポリマー溶液の量は、例えば25℃の5%の導電性ポリマー水溶液の場合、イオン交換樹脂に対して6倍の容積が好ましく、5倍の容積までがより好ましい。
イオン交換樹脂を充填した容器への導電性ポリマー溶液を通液する速度としては、SV(空間速度)は0.01〜1000[1/h]が好ましい。さらに好ましくは0.05〜500[1/h]で、より好ましくは0.1〜100[1/h]である。
SVは、
で表され、通液速度は[L/h]でイオン交換樹脂量は[L]である。SVが1000以上では、樹脂と導電性ポリマー溶液との接触時間が十分ではなく、イオン交換率が低下する恐れがある。また、SV=0.01以下では、交換された塩基性分が溶け出してくる恐れがある。
精製処理を行う温度は、精製効率の観点から5℃以上が好ましく、さらに好ましく10℃、より好ましくは15℃以上が好ましい。
イオン交換樹を充填するための容器としては、カートリッジやカラム、充填塔などが挙げられるが、ここに例示した容器以外でも使用できる。
イオン交換樹脂を容器に投入する際は、水など溶剤と伴に投入するが、この際に気泡が混入することがある。また、配管などに残存した空気により、イオン交換装置内の樹脂に空気が混入し、空隙ができることがある。そのため、イオン交換樹脂投入後は容器全体の空気や気泡を十分に除去してから行う必要がある。
イオン交換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂が挙げられるが、不純物の除去性の観点から強酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂を使用することが好ましい。カチオン交換樹脂は通常Na型で市販されている樹脂を鉱酸でコンディショニングしてH型に調整して用いられるが、H型で市販されている樹脂を使用してもよい。カチオン交換樹脂の架橋度は低すぎるとイオン交換前の導電性ポリマー溶液と接触した時の劣化が大きいことから中程度以上のものを使用することが好ましく、このような樹脂としては三菱化学社製ダイヤイオンSK1B、ダイヤイオンSK1BH、ローム&ハース社製デュオライトC−20、ディオライトC−20H、オルガノ社製アンバーライトIR−120B、アンバーライトIR−120BH等が挙げられる。アニオン交換樹脂は通常Cl型で市販されており、これを炭酸水素型もしくは炭酸型に変換して用いられるが、OH型で市販されている樹脂をそのまま用いてもよい。カチオン交換樹脂と同様にアニオン交換樹脂の架橋度は低すぎるとイオン交換前の導電性ポリマー溶液と接触した時の劣化が大きいことから中程度以上のものを使用することが好ましく、このような樹脂としては三菱化学社製ダイヤイオンSA−10A、ダイヤイオンSA−12A、ローム&ハース社製デュオライトA−113、ディオライトA−113OH、オルガノ社製アンバーライトIRA−402BL、アンバーライトIRA−402BL(OH)等が挙げられる。
本発明で使用されるイオン交換樹脂は単独で用いてもよいが、カチオン交換樹脂を用いる場合、塩基性物質等の不純物することができるため好ましい。また、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを組み合わせて用いる場合、あるいは混床で使用する場合は、より純度の高い精製導電性ポリマー溶液を得ることができる。また、より高度に精製するために多段で通液を行ったり、一部を原料側に返送するという循環精製運転をしたり、キレート樹脂、吸着樹脂、逆浸透膜等と組み合わせて精製を行ってもよい。
イオン交換樹脂の交換容量を超えると、前記導電性ポリマー溶液中の塩基性物質の除去が不十分となる。つまり、処理量がイオン交換樹脂の交換容量を上回ると、pHが上昇する。pHが上昇する直前の処理量をBTP(貫流点、破過点)という。電気透析法にも原理的にはBTPは存在するが、イオン交換樹脂によるイオン交換法に比べるとBTPは数倍の量になるため、BTPまで処理することは殆どない。
<アニリン系導電性ポリマー>
本発明の精製方法に用いるアニリン系導電性ポリマーとしては、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するポリマーがあげられる。
式(1)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子である。またR〜Rのうちの少なくとも一つは酸性基又はその塩である。
式(1)で表される繰り返し単位が酸性基を有する場合、導電性向上の観点から少なくともその一部が遊離酸型であることが望ましい。
また、本発明のアニリン系導電性ポリマーの質量平均分子量は、溶解性、導電性、製膜性及び膜強度の観点から、2000〜300万であることが好ましく、3000〜100万であることがより好ましく、5000〜50万であることがさらに好ましく、3万〜10万であることが特に好ましい。
ここで、導電性ポリマーの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算した質量平均分子量である。
上記アニリン系導電性ポリマーは、酸性基置換アニリンを塩基性物質の存在下で酸化剤により公知の方法で重合させて得ることもでき、酸性基置換ピロールや酸性基置換チオフェンを公知の方法で重合させたものでもよい。また、上記に挙げた例以外でも市販されている導電性ポリマーを用いても問題はない。
酸性基置換アニリンとしては、スルホン基置換アニリンまたはカルボキシル基置換アニリンが挙げられる。得られるポリマーの導電性、溶解性などの性能が向上する点で、アミノ基に対して酸性基がo位またはm位に結合している化合物が好ましい。
前記スルホン基置換アニリンとして最も代表的なものは、アミノベンゼンスルホン酸類であり、具体的にはo−,m−,p−アミノベンゼンスルホン酸、アニリン−2,6−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、アニリン−3,5−ジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−3,4−ジスルホン酸であり、得られるポリマーの導電性、溶解性などの性能を考慮すると好ましく用いられる。
アミノベンゼンスルホン酸類以外のスルホン基置換アニリンとしては、メチルアミノベンゼンスルホン酸、エチルアミノベンゼンスルホン酸、n−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、イソプロピルアミノベンゼンスルホン酸、n−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、sec−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、t−ブチルアミノベンゼンスルホン酸などのアルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類、メトキシアミノベンゼンスルホン酸、エトキシアミノベンゼンスルホン酸、プロポキシアミノベンゼンスルホン酸などのアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ニトロ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、フルオロアミノベンゼンスルホン酸、クロロアミノベンゼンスルホン酸、ブロムアミノベンゼンスルホン酸などのハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類などを挙げることができる。
これらの中では、アルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類またはハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類が、得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると実用上最も好ましい。
これらのスルホン基置換アニリンは、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種(異性体を含む。)以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
前記カルボキシル基置換アニリンとして最も代表的なものは、アミノベンゼンカルボン酸類であり、具体的にはo−,m−,p−アミノベンゼンカルボン酸、アニリン−2,6−ジカルボン酸、アニリン−2,5−ジカルボン酸、アニリン−3,5−ジカルボン酸、アニリン−2,4−ジカルボン酸、アニリン−3,4−ジカルボン酸であり、得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると好ましく用いられる。
アミノベンゼンカルボン酸類以外のカルボキシル基置換アニリンとしては、メチルアミノベンゼンカルボン酸、エチルアミノベンゼンカルボン酸,n−プロピルアミノベンゼンカルボン酸、イソプロピルアミノベンゼンカルボン酸、n−ブチルアミノベンゼンカルボン酸、sec−ブチルアミノベンゼンカルボン酸、t−ブチルアミノベンゼンカルボン酸などのアルキル基置換アミノベンゼンカルボン酸類、メトキシアミノベンゼンカルボン酸、エトキシアミノベンゼンカルボン酸、プロポキシアミノベンゼンカルボン酸等のアルコキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、ニトロ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、フルオロアミノベンゼンカルボン酸、クロロアミノベンゼンカルボン酸、ブロムアミノベンゼンカルボン酸などのハロゲン基置換アミノベンゼンカルボン酸類などを挙げることができる。
これらの中では、アルキル基置換アミノベンゼンカルボン酸類、アルコキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類またはハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類が、得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると実用上最も好ましい。
これらのカルボキシル基置換アニリンは、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種(異性体を含む。)以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
また、酸性基置換アニリンは、スルホン基置換アルキルアニリン、カルボキシル基置換アルキルアニリン、スルホン基置換アルコキシアニリン、カルボキシル基置換アルコキシアニリン、スルホン基置換ヒドロキシアニリン、カルボキシル基置換ヒドロキシアニリン、スルホン基置換ニトロアニリン、カルボキシル基置換ニトロアニリン、スルホン基置換フルオロアニリン、カルボキシル基置換フルオロアニリン、スルホン基置換クロロアニリン、カルボキシル基置換クロロアニリン、スルホン基置換ブロムアニリン、あるいはカルボキシル基置換ブロムアニリンの何れかとして表現することができる。
塩基性物質としては、無機塩基、アンモニア、脂式アミン類、環式飽和アミン類、環式不飽和アミン類などが用いられる。
無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化物の塩などが挙げられる。
特に、水酸化ナトリウムを用いることが得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると好ましい。
脂式アミン類としてメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、アンモニウムヒドロキシド化合物を挙げることができる。
環式飽和アミン類としては、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、ピペラジンおよびこれらの骨格を有する誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが挙げられる。
環式不飽和アミン類としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリン、ピロリンおよびこれらの骨格を有する誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが挙げられる。
塩基性物質としては、塩基性物質それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
塩基性物質の濃度は0.1mol/L以上が好ましく、より好ましくは0.1〜10.0mol/Lであり、特に好ましくは0.2〜8.0mol/Lである。塩基性物質の濃度が0.1mol/L以上であれば、ポリマーを高収率で得ることができる。
一方、塩基性物質の濃度が10.0mol/L以下であれば、得られるポリマーの導電性が向上する傾向にある。
前記酸性基置換アニリンであるモノマーと塩基性物質の質量比は、モノマー:塩基性物質=1:100〜100:1であることが好ましく、より好ましくは10:90〜90:10である。ここで、塩基性物質の割合が低いと反応性が低下したり、得られるポリマーの導電性が低下したりすることがある。一方、塩基性物質の割合が高いと、得られるポリマー中の酸性基と塩基性物質が塩を形成する割合が高くなり、ポリマーの導電性が低下することがある。
酸化剤としては、標準電極電位が0.6V以上である酸化剤であれば限定はないが、例えばペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸類;過酸化水素等を用いることが好ましい。
これらの酸化剤は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
酸化剤の使用量は、前記モノマー成分1モルに対して1〜5モルが好ましく、より好ましくは1〜3モルである。
本発明においては、モノマー成分に対して酸化剤がモル比で等モル以上存在している系にて重合を行うことが重要である。また、触媒として、鉄、銅などの遷移金属化合物を酸化剤と併用することも有効である。
重合方法としては、酸化剤による公知の酸化重合を行えばよく、具体的には、酸化剤溶液中にモノマー溶液を滴下する方法、モノマー溶液中に酸化剤溶液を滴下する方法、反応容器等にモノマー溶液と酸化剤溶液を同時に滴下する方法、酸化剤溶液とモノマー溶液を連続的に供給し、押し出し流れで重合させるなどの方法によってポリマーを製造する方法が挙げられる。また、このとき、触媒として、鉄、銅などの遷移金属化合物を添加してもよい。塩基性物質はモノマー溶液中に存在させることが好ましい。
重合の際には、水、または水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。水溶性有機溶媒としては、水と混合するものであれば限定されず、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
なお、溶媒としては水を単独で用いるのが好ましいが、混合溶媒を用いる場合、水と水溶性有機溶媒との混合比は任意であるが、水:水溶性有機溶媒=1:100〜100:1が好ましい。
反応開始温度は、−15〜70℃の温度範囲で行うのが好ましく、更に好ましくは−10℃〜10℃の範囲である。−15℃以下、又は70℃以上では、得られるポリマーの導電性や収率が低下する傾向がある。
本発明においては、重合時の反応系内のpHが7以下となるように調整することが好ましく、より好ましくはpHが6以下である。ここで、反応系内のpHが7以下であれば、副反応が進行しにくくなり、不純物やオリゴマー成分の生成が抑制され、結果として、得られるポリマーの導電性や純度等が向上する。
重合後、得られた反応液中には未反応のモノマー及び副生成物が残存しているため、該反応液から重合体を分離する操作を行う。この際分離装置としては、減圧濾過、加圧濾過、遠心分離、遠心濾過等を用いることができる。
また、重合体を分離後、溶媒により洗浄してもよい。該洗浄溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。中でもメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリルが高純度な導電性ポリマーを得るために好ましい。
次に、得られた重合体を乾燥し、溶媒に溶解することで導電性ポリマー溶液を得られる。導電性ポリマー溶液中の導電性ポリマーの濃度は1〜10質量%が好ましい。
なお、導電性ポリマーを含む溶液の溶媒としては、導電性ポリマーを溶解するものであれば特に限定されないが、水や水溶性の有機溶媒、または水と有機溶媒との混合溶媒が好ましい。
水溶性の有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコール類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン等のピロリドン類等が挙げられる。イオン交換効率の観点からは、水と水溶性有機溶媒の混合溶媒が好まし、さらに好ましくは水が好ましい。
本発明の導電性ポリマー溶液は、スプレーコート法、デイップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法等の簡便な手法で導電体を形成することができる。
また、本発明の導電性ポリマー溶液を主成分とする組成物は、各種帯電防止剤、コンデンサー、電池、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食、接着剤、繊維、帯電防止塗料、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー、静電塗装の下地、電気防食、電池の蓄電能力向上等に適応可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
アニリン系導電性ポリマーの製造
<製造例1>
ペルオキソ二硫酸アンモニウム1mol/Lの水溶液515gと、98質量%硫酸(0.026mol)を仕込んだ容量2000mLのガラス製の丸底攪拌槽(槽径13.0cm)の反応器内温度を−5℃に調整後、4.5mol/Lトリエチルアミン水溶液50.0gに溶解した2−アミノアニソール−4−スルホン酸1molを1時間かけて滴下し、ポリマーを得た。攪拌翼として半月型攪拌翼(攪拌翼径9.5cm)を用い、攪拌回転数は250rpmで行った。
また、滴下開始前の攪拌槽内溶液の温度が−5℃となるように冷媒の温度を調節した。
実施例および比較例で記載の水溶液とは、体積比で水:アセトニトリル=1:1となるように調整した混合溶媒を使用した。
滴下終了後、反応液を−5℃で4時間保持し、減圧濾過によりろ別を行い、メチルアルコール1500gにて洗浄を行い、乾燥後、濃度5%となるように超純水に溶解し、導電性アニリン系ポリマー溶液を得た。
アニリン系導電性ポリマーの精製
<製造例2>
イオン交換樹脂(オルガノ社製IR−120BH)所定量を水2000mLとともに、最大容量約1Lのガラスフィルター付きカラム(内径5cm)に投入した。投入後、気泡を攪拌棒により除去して、イオン交換樹脂が充填された容器を2本以上準備した。
<イオン交換条件>
実施例1〜3及び比較例1〜2のイオン交換条件を表1に示す。
sol : アニリン系導電性ポリマー溶液から、イオン交換法により塩基性物質が除去された総液量であり、BTP量(精製されたアニリン系導電性ポリマー溶液のpHが1.4以下となっている総液量)とした。
sol : イオン交換処理前の液の濃度、
: イオン交換樹脂量
<pH測定>
pHは堀場製作所の卓上型メーターを用い、pH4.01と6.86の2点校正を実施してから使用した。
[比較例1]
製造例1で得られた水溶液を、前記製造例2のカラムにイオン交換樹脂を100mL充填し、SV=6[1/h]で通液した。排出された液を100mLずつ採取し、BTPを求めた。
[比較例2]
イオン交換樹脂の充填量を200mLとした以外は、比較例1と同様の条件で実施した。排出された液を100mLずつ採取し、BTPを求めた。
[実施例1]
製造例1で得られた水溶液を、前記製造例2のカラムに100mLずつイオン交換樹脂が充填された容器を2本直列に連結し、SV=6[1/h]で通液した。排出された液を100mLずつ採取し、BTPを求めた。
[実施例2]
イオン交換樹脂が充填された容器を3本直列に連結にした以外は、実施例1と同様の条件で実施した。排出された液を100mLずつ採取し、BTPを求めた。
[実施例3]
イオン交換樹脂が充填された容器を4本直列に連結にした以外は、実施例1と同様の条件で実施した。排出された液を100mLずつ採取し、BTPを求めた。
表1から明らかなように、本願請求項1に係る式を満足する条件で精製した場合には、BTP(単位樹脂量当たりに精製できるアニリン系導電性ポリマー量)が向上する傾向にあることが示された。
本発明により、アニリン系導電性ポリマー溶液を低コストで、さらに大量に効率よく製造することができることが確認された。

Claims (5)

  1. 塩性物質が残存したアニリン系導電性ポリマー溶液を、
    イオン交換樹脂を充填した容器に通液するイオン交換法により精製する方法において、
    下記式を満足するアニリン系導電性ポリマーの精製方法
    sol : アニリン系導電性ポリマー溶液から、イオン交換法により塩基性物質が除去された総液量
    sol : イオン交換処理前の液の濃度
    : イオン交換樹脂量
  2. 前記イオン交換樹脂を充填した容器が、少なくとも2つ以上の容器であり直列に連結されたイオン交換装置を用いる、請求項1に記載のアニリン系導電性ポリマーの精製方法。
  3. 前記アニリン系導電性ポリマーが、式(1)で表されるものである、請求項1または2に記載のアニリン系導電性ポリマーの精製方法。


    (式(1)中、R〜Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基又はハロゲン原子である。またR〜Rのうち少なくとも一つは酸性基またはその塩である。)
  4. 前記少なくとも2つ以上の容器が、直列、または直列と並列を組み合わせて連結されたものである、請求項2または3記載のアニリン系導電性ポリマーの精製方法。
  5. 前記イオン交換樹脂が、カチオン交換樹脂またはとカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアニリン系導電性ポリマーの精製方法。
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