JP2014111738A - 導電性ポリマーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価な原料から、高い導電性と加工上の利点を有する可溶性アニリン系導電性ポリマーを大量に製造できる方法を提供。
【解決手段】少なくとも1種のスルホン基および/またはカルボキシル基を有する酸性基置換アニリン系化合物を、塩基性化合物を含む溶液と、酸化剤を混合し、重合する反応工程と、前記重合体へSP値19.5〜24.2[MPa1/2]の範囲の水溶性有機溶媒を添加する工程、溶媒洗浄工程、酸処理工程を含む可溶性アニリン系導電性ポリマー及びその製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも1種のスルホン基および/またはカルボキシル基を有する酸性基置換アニリン系化合物を、塩基性化合物を含む溶液と、酸化剤を混合し、重合する反応工程と、前記重合体へSP値19.5〜24.2[MPa1/2]の範囲の水溶性有機溶媒を添加する工程、溶媒洗浄工程、酸処理工程を含む可溶性アニリン系導電性ポリマー及びその製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電性ポリマーおよびその製造方法に関する。
多様な用途で用いられる導電性ポリマーとしては、スルホン化ポリアニリン系の導電性ポリマーが知られている。
本発明者らは、これまでにスルホン基置換アニリンまたはカルボキシル基置換アニリン等の酸性基置換アニリンを、塩基性化合物含む溶液中で重合して得られるアニリン系導電性ポリマーとその製造方法を提案してきた(例えば、特許文献1、2参照。)。
本発明者らは、これまでにスルホン基置換アニリンまたはカルボキシル基置換アニリン等の酸性基置換アニリンを、塩基性化合物含む溶液中で重合して得られるアニリン系導電性ポリマーとその製造方法を提案してきた(例えば、特許文献1、2参照。)。
一般に、導電性ポリマーの導電性(σ)は、キャリアの数(n)、キャリアの電荷(q)、ならびにキャリアの分子鎖間および分子鎖内の易動度(μ)に依存する。
可溶性アニリン系導電性ポリマーの場合、キャリアの電荷(q)はキャリアの種類によって決まる固有値となるため、導電性を向上させるためには、キャリアの数(n)、および易動度(μ)を増大させることが重要である。なお、易動度(μ)を増大させるには、ポリマーの分子量を高くすることや低分子量物及びその他不純物を除去する等が有効であると考えられる。
可溶性アニリン系導電性ポリマーの場合、キャリアの電荷(q)はキャリアの種類によって決まる固有値となるため、導電性を向上させるためには、キャリアの数(n)、および易動度(μ)を増大させることが重要である。なお、易動度(μ)を増大させるには、ポリマーの分子量を高くすることや低分子量物及びその他不純物を除去する等が有効であると考えられる。
しかしながら、これら開示されている製造方法のみでは、導電性の高いポリマーは得ることができるが、高純度なポリマーを得ることは困難であり、かつコンデンサへの浸漬性の高い低粘度のポリマーを得ることが困難であった。
前記文献1記載の方法では、可溶性アニリン系導電性ポリマー中に含まれる残留酸、特に重合反応工程で使用あるいは/または生成した硫酸を効率的に除去することが困難であった。
また文献2記載の方法では、可溶性アニリン系導電性ポリマー中に含まれる残留酸を除去できるものの、粘度が上昇するためコンデンサへの浸漬性が低下するという問題があった。
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたもので、ポリマー中の残留硫酸量が1.0質量%以下で、かつ前記ポリマーを(1)水、(2)有機溶媒または(3)水と有機溶媒の混合溶媒の(1)〜(3)の何れかに溶解した液の10質量%での25℃における粘度が50mPa・s以下である、高純度アニリン系導電性ポリマー、およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ポリマー中の残留硫酸を1.0質量%以下とし、さらにポリマー溶液の10質量%での25℃における粘度は、50mPa・s以下することで、塗布した際に非常に平滑な膜を得ることができることと、更に、前記ポリマー中の残留硫酸を効率的に精製する方法を見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明で得られた10質量%での25℃における粘度が50mPa・s以下のポリマー溶液を使用することで、コンデンサへの浸漬性を低下させずに、電気容量の高いコンデンサを製造することができる。
つまり、本発明の第一の観点は、下記(i)〜(ii)の工程を含む、導電性ポリマーの製造方法に関する。
(i);下記一般式(1)で表される化合物を酸化重合する工程
(ii);工程(i)で得られた反応液にSP値19.5〜24.2[MPa1/2]の溶媒(A)を添加する工程
・・・(1)
(i);下記一般式(1)で表される化合物を酸化重合する工程
(ii);工程(i)で得られた反応液にSP値19.5〜24.2[MPa1/2]の溶媒(A)を添加する工程
式中、R1〜R5は、水素、炭素数1〜4の直鎖ならびに分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖ならびに分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その少なくとも1つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン酸基またはカルボキシル基を示す。
また、本発明の第二の観点は、前記工程(ii)の後に、下記(iii)の工程をさらに含む、製造方法に関する。
(iii);工程(ii)で得られた水溶性有機溶媒(A)添加後の反応液を、SP値20.0〜30.0[MPa1/2]の溶媒(B)で洗浄する工程
(iii);工程(ii)で得られた水溶性有機溶媒(A)添加後の反応液を、SP値20.0〜30.0[MPa1/2]の溶媒(B)で洗浄する工程
また、本発明の第三の観点は、前記工程(i)および(ii)の工程開始時の液温度が3℃以下である製造方法であり、第四の観点は、前記溶媒(B)が、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリルおよびN,N−ジメチルホルムアミドから選ばれた少なくとも1つの溶媒である製造方法に関する。
また、本発明の四の観点は、下記一般式(2)で表される繰返し単位を有するポリマーであって、前記ポリマー中の残留硫酸が1.0質量%以下であり、かつ前記ポリマー溶液の10質量%での25℃における粘度が50mPa・s以下である導電性ポリマーに関する。
・・・(2)
・・・(2)
式(1)中、R6〜R9は、各々独立に、水素、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はハロゲン基である。またR6〜R9のうちの少なくとも一つは酸性基又はその塩である。
本発明により高導電性を有する導電性ポリマー、および前記ポリマーを効率よく製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において「可溶性」とは、単なる水、塩基および塩基性塩を含む水、酸を含む水、またはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の溶剤、またはそれらの混合物10g(液温25℃)に、0.1g以上均一に溶解することを意味する。
また、「導電性」とは、10−9S/cm以上の導電率を有することである。
ポリマー溶液とは、本発明記載のポリマーを(1)水、(2)有機溶媒または水と有機溶媒の混合溶媒に溶解した溶液を意味し、更に、ポリマー溶液の濃度とは、ポリマー溶液中に存在するポリマー量を百分率で表したものである。
その他、コンデンサへの浸漬性とは、化成処理されたコンデンサの理論電気容量に対するコンデンサの電気容量で評価し、コンデンサの電気容量が高い、つまり理論電気容量に近いほど、ポリマーのコンデンサへの浸漬性は高くなり、電気容量が低いほど、浸漬性は低くなる。
なお、本発明において「可溶性」とは、単なる水、塩基および塩基性塩を含む水、酸を含む水、またはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の溶剤、またはそれらの混合物10g(液温25℃)に、0.1g以上均一に溶解することを意味する。
また、「導電性」とは、10−9S/cm以上の導電率を有することである。
ポリマー溶液とは、本発明記載のポリマーを(1)水、(2)有機溶媒または水と有機溶媒の混合溶媒に溶解した溶液を意味し、更に、ポリマー溶液の濃度とは、ポリマー溶液中に存在するポリマー量を百分率で表したものである。
その他、コンデンサへの浸漬性とは、化成処理されたコンデンサの理論電気容量に対するコンデンサの電気容量で評価し、コンデンサの電気容量が高い、つまり理論電気容量に近いほど、ポリマーのコンデンサへの浸漬性は高くなり、電気容量が低いほど、浸漬性は低くなる。
<導電性ポリマー>
本発明の導電性ポリマーは、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマーであって、前記ポリマー中の残留硫酸が1.0質量%以下である。
ここで、前記ポリマー中の残留硫酸が、1.0質量%以下であれば導電性が向上する。
また、前記ポリマー溶液の10質量%での25℃における粘度は50mPa・s以下である。
本発明の導電性ポリマーは、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマーであって、前記ポリマー中の残留硫酸が1.0質量%以下である。
ここで、前記ポリマー中の残留硫酸が、1.0質量%以下であれば導電性が向上する。
また、前記ポリマー溶液の10質量%での25℃における粘度は50mPa・s以下である。
式(1)中、R6〜R9は、各々独立に、水素、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子である。またR6〜R9のうちの少なくとも一つは酸性基又はその塩である。
前記導電性ポリマーの製造方法は、下記(i)〜(iii)の工程を含む。
(i);下記一般式(2)で表される化合物を酸化重合する工程
(ii);工程(i)で得られた反応液にSP値19.5〜24.2[MPa1/2]の溶媒(A)を添加する工程
(iii);工程(ii)で得られた水溶性有機溶媒添加後の反応液を、SP値20.0〜30.0[MPa1/2]の溶媒(B)で洗浄する工程
(i);下記一般式(2)で表される化合物を酸化重合する工程
(ii);工程(i)で得られた反応液にSP値19.5〜24.2[MPa1/2]の溶媒(A)を添加する工程
(iii);工程(ii)で得られた水溶性有機溶媒添加後の反応液を、SP値20.0〜30.0[MPa1/2]の溶媒(B)で洗浄する工程
式中、R1〜R5は、水素、炭素数1〜4の直鎖ならびに分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖ならびに分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その少なくとも1つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン酸基またはカルボキシル基を示す。
<工程(i)>
本発明において、工程(i)は、少なくとも1種の酸性基置換アニリン系化合物を、塩基性化合物を含む溶液中で、酸化剤により重合させてポリマーを得る工程である。
本発明において、工程(i)は、少なくとも1種の酸性基置換アニリン系化合物を、塩基性化合物を含む溶液中で、酸化剤により重合させてポリマーを得る工程である。
(酸性基置換アニリン系化合物)
酸性基置換アニリン系化合物はモノマー成分であり、スルホン酸基および/またはカルボキシル基を有する。
このような酸性基置換アニリン系化合物としては、酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、および置換アンモニウム塩よりなる群から選ばれる化合物が好ましい。
また、酸性基置換アニリンとしては、優れた導電性を発現し、かつ水溶性を向上させるという点を考慮すると、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
酸性基置換アニリン系化合物はモノマー成分であり、スルホン酸基および/またはカルボキシル基を有する。
このような酸性基置換アニリン系化合物としては、酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、および置換アンモニウム塩よりなる群から選ばれる化合物が好ましい。
また、酸性基置換アニリンとしては、優れた導電性を発現し、かつ水溶性を向上させるという点を考慮すると、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
式中、R1〜R5は、水素、炭素数1〜4の直鎖ならびに分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖ならびに分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その少なくとも1つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン酸基またはカルボキシル基を示す。
前記一般式(1)で表される化合物の代表的なものは、スルホン酸基置換アニリンまたはカルボキシル基置換アニリンである。
得られるポリマーの導電性、溶解性などの性能が向上する点で、アミノ基に対して酸性基がo位またはm位に結合している化合物が好ましい。
得られるポリマーの導電性、溶解性などの性能が向上する点で、アミノ基に対して酸性基がo位またはm位に結合している化合物が好ましい。
前記スルホン基置換アニリンとして最も代表的なものは、アミノベンゼンスルホン酸類であり、具体的にはo−,m−,p−アミノベンゼンスルホン酸、アニリン−2,6−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、アニリン−3,5−ジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−3,4−ジスルホン酸であり、得られるポリマーの導電性、溶解性などの性能を考慮すると好ましく用いられる。
アミノベンゼンスルホン酸類以外のスルホン基置換アニリンとしては、メチルアミノベンゼンスルホン酸、エチルアミノベンゼンスルホン酸、n−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、iso−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、n−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、sec−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、t−ブチルアミノベンゼンスルホン酸などのアルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類、メトキシアミノベンゼンスルホン酸、エトキシアミノベンゼンスルホン酸、プロポキシアミノベンゼンスルホン酸などのアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ニトロ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、フルオロアミノベンゼンスルホン酸、クロロアミノベンゼンスルホン酸、ブロムアミノベンゼンスルホン酸などのハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類などを挙げることができる。
これらの中では、アルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類またはハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類が、得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると実用上最も好ましい。
これらのスルホン基置換アニリンは、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種(異性体を含む。)以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
これらの中では、アルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類またはハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類が、得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると実用上最も好ましい。
これらのスルホン基置換アニリンは、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種(異性体を含む。)以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
前記カルボキシル基置換アニリンとして最も代表的なものは、アミノベンゼンカルボン酸類であり、具体的にはo−,m−,p−アミノベンゼンカルボン酸、アニリン−2,6−ジカルボン酸、アニリン−2,5−ジカルボン酸、アニリン−3,5−ジカルボン酸、アニリン−2,4−ジカルボン酸、アニリン−3,4−ジカルボン酸であり、得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると好ましく用いられる。
アミノベンゼンカルボン酸類以外のカルボキシル基置換アニリンとしては、メチルアミノベンゼンカルボン酸、エチルアミノベンゼンカルボン酸,n−プロピルアミノベンゼンカルボン酸、iso−プロピルアミノベンゼンカルボン酸、n−ブチルアミノベンゼンカルボン酸、sec−ブチルアミノベンゼンカルボン酸、t−ブチルアミノベンゼンカルボン酸などのアルキル基置換アミノベンゼンカルボン酸類、メトキシアミノベンゼンカルボン酸、エトキシアミノベンゼンカルボン酸、プロポキシアミノベンゼンカルボン酸等のアルコキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、ニトロ基置換アミノベンゼンカルボン酸類、フルオロアミノベンゼンカルボン酸、クロロアミノベンゼンカルボン酸、ブロムアミノベンゼンカルボン酸などのハロゲン基置換アミノベンゼンカルボン酸類などを挙げることができる。
これらの中では、アルキル基置換アミノベンゼンカルボン酸類、アルコキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類またはハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類が、得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると実用上最も好ましい。
これらのカルボキシル基置換アニリンは、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種(異性体を含む。)以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
これらの中では、アルキル基置換アミノベンゼンカルボン酸類、アルコキシ基置換アミノベンゼンカルボン酸類またはハロゲン基置換アミノベンゼンスルホン酸類が、得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると実用上最も好ましい。
これらのカルボキシル基置換アニリンは、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種(異性体を含む。)以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
また、前記一般式(2)で表される酸性基置換アニリンは、スルホン基置換アルキルアニリン、カルボキシル基置換アルキルアニリン、スルホン基置換アルコキシアニリン、カルボキシル基置換アルコキシアニリン、スルホン基置換ヒドロキシアニリン、カルボキシル基置換ヒドロキシアニリン、スルホン基置換ニトロアニリン、カルボキシル基置換ニトロアニリン、スルホン基置換フルオロアニリン、カルボキシル基置換フルオロアニリン、スルホン基置換クロロアニリン、カルボキシル基置換クロロアニリン、スルホン基置換ブロムアニリン、あるいはカルボキシル基置換ブロムアニリンの何れかとして表現することができる。これらの置換基の位置と組合せの具体例を表1に示す。
表1中の略号は以下の通りである。
A:スルホン基またはカルボキシル基、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩から選ばれた1つの基を示す。
B:メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基 、sec−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基、ヒドロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロム基などのハロゲン基から選ばれた一つの基を示す。
H:水素原子を示す。
A:スルホン基またはカルボキシル基、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩から選ばれた1つの基を示す。
B:メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基 、sec−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基、ヒドロキシ基、フルオロ基、クロロ基、ブロム基などのハロゲン基から選ばれた一つの基を示す。
H:水素原子を示す。
これらモノマーで塩を形成できるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムなどが挙げられる。
置換アンモニウムとしては、脂式アンモニウム類、環式飽和アンモニウム類、環式不飽和アンモニウム類などが挙げられる。
脂式アンモニウム類としては、下記一般式(4)で表されるアンモニウムが挙げられる。
脂式アンモニウム類としては、下記一般式(4)で表されるアンモニウムが挙げられる。
式(3)中、R10〜R13は、それぞれ独立して、水素、または炭素数1〜4のアルキル基である。
このような脂式アンモニウム類としては、具体的にメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、メチルプロピルアンモニウム、エチルプロピルアンモニウム、メチルイソプロピルアンモニウム、エチルイソプロピルアンモニウム、メチルブチルアンモニウム、エチルブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラメチロールアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラn−ブチルアンモニウム、テトラsec−ブチルアンモニウム、テトラt−ブチルアンモニウムなどが挙げられる。なかでも、得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると、R15〜R18のうち1つが水素であり、他の3つが炭素数1〜4のアルキル基の場合が最も好ましく、次いでR15〜R18のうち2つが水素であり、他の2つが炭素数1〜4のアルキル基の場合が好ましい。
このような脂式アンモニウム類としては、具体的にメチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、メチルエチルアンモニウム、ジエチルメチルアンモニウム、ジメチルエチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、メチルプロピルアンモニウム、エチルプロピルアンモニウム、メチルイソプロピルアンモニウム、エチルイソプロピルアンモニウム、メチルブチルアンモニウム、エチルブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラメチロールアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラn−ブチルアンモニウム、テトラsec−ブチルアンモニウム、テトラt−ブチルアンモニウムなどが挙げられる。なかでも、得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると、R15〜R18のうち1つが水素であり、他の3つが炭素数1〜4のアルキル基の場合が最も好ましく、次いでR15〜R18のうち2つが水素であり、他の2つが炭素数1〜4のアルキル基の場合が好ましい。
環式飽和アンモニウム類としては、ピペリジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、ピペラジニウムおよびこれらの骨格を有する誘導体などが挙げられる。
環式不飽和アンモニウム類としては、ピリジニウム、α−ピコリニウム、β−ピコリニウム、γ−ピコリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、ピロリニウム及びこれらの骨格を有する誘導体などが挙げられる。
環式不飽和アンモニウム類としては、ピリジニウム、α−ピコリニウム、β−ピコリニウム、γ−ピコリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、ピロリニウム及びこれらの骨格を有する誘導体などが挙げられる。
(塩基性化合物)
塩基性化合物としては、無機塩基、アンモニア、脂式アミン類、環式飽和アミン類、環式不飽和アミン類などが用いられる。
無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化物の塩などが挙げられる。
特に、水酸化ナトリウムを用いることが得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると好ましい。
塩基性化合物としては、無機塩基、アンモニア、脂式アミン類、環式飽和アミン類、環式不飽和アミン類などが用いられる。
無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化物の塩などが挙げられる。
特に、水酸化ナトリウムを用いることが得られるポリマーの導電性、溶解性を考慮すると好ましい。
脂式アミン類としては、下記一般式(5)で表される化合物、または下記一般式(6)で表されるアンモニウムヒドロキシド化合物などが挙げられる。
・・・(4)
式(4)中、R14〜R16は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基である。
式(5)中、R17〜R20は、それぞれ独立して、水素、または炭素数1〜4のアルキル基である。
環式飽和アミン類としては、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、ピペラジンおよびこれらの骨格を有する誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが挙げられる。
環式不飽和アミン類としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリン、ピロリンおよびこれらの骨格を有する誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが挙げられる。
環式不飽和アミン類としては、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリン、イソキノリン、ピロリンおよびこれらの骨格を有する誘導体ならびにこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物などが挙げられる。
塩基性化合物としては、無機塩基が好ましい。また、無機塩基以外の塩基性化合物の中では、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン等が好ましく用いられる。無機塩類やこれらの塩基性化合物を用いれば、高導電性で、かつ高純度なポリマーを得ることができる。
これらの塩基性化合物はそれぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
これらの塩基性化合物はそれぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
塩基性化合物の濃度は0.1mol/L以上が好ましく、より好ましくは0.1〜10.0mol/Lであり、特に好ましくは0.2〜8.0mol/Lである。塩基性化合物の濃度が0.1mol/L以上であれば、ポリマーを高収率で得ることができる。
一方、塩基性化合物の濃度が10.0mol/L以下であれば、得られるポリマーの導電性が向上する傾向にある。
一方、塩基性化合物の濃度が10.0mol/L以下であれば、得られるポリマーの導電性が向上する傾向にある。
前記モノマー成分と塩基性化合物の質量比は、モノマー成分:塩基性化合物=1:100〜100:1であることが好ましく、より好ましくは10:90〜90:10である。ここで、塩基性化合物の割合が低いと反応性が低下したり、得られるポリマーの導電性が低下したりすることがある。一方、塩基性化合物の割合が高いと、得られるポリマー中の酸性基と塩基性化合物が塩を形成する割合が高くなり、ポリマーの導電性が低下することがある。
(酸化剤)
酸化剤としては、標準電極電位が0.6V以上である酸化剤であれば限定はないが、例えばペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸類;過酸化水素等を用いることが好ましい。
これらの酸化剤は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
酸化剤としては、標準電極電位が0.6V以上である酸化剤であれば限定はないが、例えばペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸類;過酸化水素等を用いることが好ましい。
これらの酸化剤は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
酸化剤の使用量は、前記モノマー成分1モルに対して1〜5モルが好ましく、より好ましくは1〜3モルである。
本発明においては、モノマー成分に対して酸化剤がモル比で等モル以上存在している系にて重合を行うことが重要である。また、触媒として、鉄、銅などの遷移金属化合物を酸化剤と併用することも有効である。
本発明においては、モノマー成分に対して酸化剤がモル比で等モル以上存在している系にて重合を行うことが重要である。また、触媒として、鉄、銅などの遷移金属化合物を酸化剤と併用することも有効である。
(重合)
前記モノマー成分を、塩基性化合物を含む溶液中で、酸化剤により化学酸化重合することで、ポリマーを得る。
具体的には、酸化剤溶液中にモノマー成分と塩基性化合物の混合溶液を滴下する方法、モノマー成分と塩基性化合物の混合溶液に酸化剤溶液を滴下する方法、反応容器等にモノマー成分と塩基性化合物の混合溶液と、酸化剤溶液を同時に滴下する方法、酸化剤溶液とモノマー成分と塩基性化合物の混合溶液を連続的に供給し、押し出し流れで重合させるなどの方法によって、ポリマーを得ることができる。
前記モノマー成分を、塩基性化合物を含む溶液中で、酸化剤により化学酸化重合することで、ポリマーを得る。
具体的には、酸化剤溶液中にモノマー成分と塩基性化合物の混合溶液を滴下する方法、モノマー成分と塩基性化合物の混合溶液に酸化剤溶液を滴下する方法、反応容器等にモノマー成分と塩基性化合物の混合溶液と、酸化剤溶液を同時に滴下する方法、酸化剤溶液とモノマー成分と塩基性化合物の混合溶液を連続的に供給し、押し出し流れで重合させるなどの方法によって、ポリマーを得ることができる。
重合の際には、水、または水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。水溶性有機溶媒としては、水と混合するものであれば限定されず、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
なお、溶媒としては水を単独で用いるのが好ましいが、混合溶媒を用いる場合、水と水溶性有機溶媒との混合比は任意であるが、水:水溶性有機溶媒=1:100〜100:1が好ましい。
なお、溶媒としては水を単独で用いるのが好ましいが、混合溶媒を用いる場合、水と水溶性有機溶媒との混合比は任意であるが、水:水溶性有機溶媒=1:100〜100:1が好ましい。
反応開始温度は、−15〜70℃の温度範囲で行うのが好ましく、更に好ましくは−10℃〜10℃の範囲である。−15℃以下、又は70℃以上では、得られるポリマーの導電性や収率が低下する傾向がある。
本発明においては、重合時の反応系内のpHが7以下となるように調整することが好ましく、より好ましくはpHが6以下である。ここで、反応系内のpHが7以下であれば、副反応が進行しにくくなり、不純物やオリゴマー成分の生成が抑制され、結果として、得られるポリマーの導電性や純度等が向上する。
重合時の反応系内のpHは、プロトン酸の添加により調整できる。
プロトン酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ化フッ素酸等の鉱酸類、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸類、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸等の有機スルホン酸類、およびポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリ−2−メチルプロパン−2−アクリルアミドスルホン酸等の高分子酸類などが挙げられる。
これらの中でも、工業的観点から、塩酸、硝酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が好ましい。
プロトン酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ化フッ素酸等の鉱酸類、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸類、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸等の有機スルホン酸類、およびポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリ−2−メチルプロパン−2−アクリルアミドスルホン酸等の高分子酸類などが挙げられる。
これらの中でも、工業的観点から、塩酸、硝酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が好ましい。
プロトン酸の添加量は、酸化剤の析出がない範囲であれば特に限定されない。特に、モル比でプロトン酸:酸化剤=0.01:100〜50:100が好ましく、0.01:100〜45:100がより好ましい。
プロトン酸の添加量が前記範囲内であれば、反応進行の妨げとなりにくく、不純物やオリゴマー成分の生成が抑制され、結果として、得られるポリマーの導電性や純度等が向上する。
プロトン酸の添加量が前記範囲内であれば、反応進行の妨げとなりにくく、不純物やオリゴマー成分の生成が抑制され、結果として、得られるポリマーの導電性や純度等が向上する。
<工程ii>
本発明の工程(ii)は、前記工程(i)で得られた反応液にSP値19.5〜24.2[MPa1/2]の溶媒(A)を添加する工程である。
反応後に得られるポリマーの純度の観点から、添加時の重合体温度は25℃以下が好ましく、10℃以下が更に好ましい。
溶媒(A)の添加方法に特に規定はないが、工業的な観点から2分〜1時間程度の滴下時間を設けることが好ましい。
溶媒(A)添加後、反応液を十分に混合させるため、0.5〜3時間程度の保持時間を設けることが好ましい。
本発明の工程(ii)は、前記工程(i)で得られた反応液にSP値19.5〜24.2[MPa1/2]の溶媒(A)を添加する工程である。
反応後に得られるポリマーの純度の観点から、添加時の重合体温度は25℃以下が好ましく、10℃以下が更に好ましい。
溶媒(A)の添加方法に特に規定はないが、工業的な観点から2分〜1時間程度の滴下時間を設けることが好ましい。
溶媒(A)添加後、反応液を十分に混合させるため、0.5〜3時間程度の保持時間を設けることが好ましい。
(溶媒(A))
溶媒(A)については、SP値が19.5〜24.2[MPa1/2]の範囲の有機溶媒であれば限定はないが、例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、イソプロピルアルコールなどの単体を使う場合と、SP値19.5〜24.2[MPa1/2]の範囲にない有機溶媒でも他の有機溶媒と混合することで、SP値19.5〜24.2[MPa1/2]の範囲を満たすのであれば、2種類以上の溶媒を混合して用いても良い。
溶媒(A)については、SP値が19.5〜24.2[MPa1/2]の範囲の有機溶媒であれば限定はないが、例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、イソプロピルアルコールなどの単体を使う場合と、SP値19.5〜24.2[MPa1/2]の範囲にない有機溶媒でも他の有機溶媒と混合することで、SP値19.5〜24.2[MPa1/2]の範囲を満たすのであれば、2種類以上の溶媒を混合して用いても良い。
また、混合溶媒のSP値は、下記式(6)で表され、SPn、Vnは各溶媒のSP値、容積量を示し、Vtotalは、混合した後の溶媒の全容積量を示す。
混合溶媒のSP値は、
・・・(6)
・・・(6)
また、各溶媒のSPnは、例えば、「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」、第4版、VII−675頁〜VII−711頁に記載の方法により求めることができ、具体的には、表1(VII−683頁)、表7〜8(VII−688頁〜VII−711頁)に記載されている。また、複数の溶媒の混合溶媒におけるSP値は、公知の方法により求めることができる。例えば、混合溶媒のSP値は、加成性が成立するとして、各溶媒のSP値と体積分率との積の総和として求めることができる。
溶媒の添加量は、精製効率および/または製造効率の観点から、反応液の2〜12%程度が好ましく、3〜8%がより好ましい。
前記製造方法で得られた導電性ポリマーは、酸性基の一部が塩を形成している場合があり、塩を除去するために、前記工程(ii)で得られた反応液から、ポリマーをろ別・単離し、酸含有溶媒で処理すると更に高純度なポリマーが得られる。
この際用いる分離装置としては、減圧ろ過、加圧ろ過、遠心分離、遠心ろ過等が用いられるが、工業的観点からは遠心分離、遠心ろ過等の分離装置を用いるのが好ましい。
この際用いる分離装置としては、減圧ろ過、加圧ろ過、遠心分離、遠心ろ過等が用いられるが、工業的観点からは遠心分離、遠心ろ過等の分離装置を用いるのが好ましい。
酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ化フッ素酸等の鉱酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸、メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸等のアルキル基置換スルホン酸等が挙げられ、好ましくは、塩酸、硝酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸等が用いられる。これらの酸の溶媒としては、これらプロトン酸と混合するものであれば、特に限定はしないが、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、グリコール類、グリコールエーテル類、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が好ましく用いられ、特にメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールアセトン、アセトニトリル、が好ましい。ここで用いられる酸の濃度としては、0.1〜10モル/リットル、好ましくは0.1〜5モル/リットルである。
<工程(iii)>
本発明の工程(iii)は、前記工程(ii)で得られた溶媒(A)添加後の反応液から、ポリマーをろ別・単離し、SP値20.0〜30.0[MPa1/2]の溶媒(B)で洗浄する工程である。
本発明の工程(iii)は、前記工程(ii)で得られた溶媒(A)添加後の反応液から、ポリマーをろ別・単離し、SP値20.0〜30.0[MPa1/2]の溶媒(B)で洗浄する工程である。
工程(iii)は、分離されたポリマーに対し、溶媒(B)で洗浄する。工程(iii)は、前記ろ別・単離を行った分離装置および/または類似の分離装置で、分離操作を行いながら実施することが好ましい。
前記有機溶媒(B)が、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリルおよびN,N−ジメチルホルムアミドから選ばれた少なくとも1つの溶媒であることが好ましい。
前記製造方法で得られたポリマーを、更に精製処理してもよい。
例えば、精製処理の方法としては、イオン交換樹脂を通す方法、電気透析法等を例示することができる。工程が簡略で、ランニングコストが安い等の理由から、特に、電気透析法を用いるのが好ましい。
ここで、電気透析法とは、一般に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列して、直流電流を流すことによりイオンを移動させ、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とに挟まれて形成される槽(脱塩槽)中で電解質溶液の脱塩等を行う方法である。複数の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列すると、脱塩槽と脱塩槽から移動してきた陽イオン及び陰イオンが濃縮されて存在する槽(濃縮槽)とが交互に形成される。
例えば、精製処理の方法としては、イオン交換樹脂を通す方法、電気透析法等を例示することができる。工程が簡略で、ランニングコストが安い等の理由から、特に、電気透析法を用いるのが好ましい。
ここで、電気透析法とは、一般に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列して、直流電流を流すことによりイオンを移動させ、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とに挟まれて形成される槽(脱塩槽)中で電解質溶液の脱塩等を行う方法である。複数の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列すると、脱塩槽と脱塩槽から移動してきた陽イオン及び陰イオンが濃縮されて存在する槽(濃縮槽)とが交互に形成される。
電気透析法による精製処理を実施する場合は、使用した酸化剤やその残渣等を抜き取る脱塩処理と、前記ポリマーの高純度化のためのイオン交換処理の2段階で、精製処理を実施することが更に好ましい。
電気透析法による精製処理を実施する場合は、使用した酸化剤やその残渣等を抜き取る脱塩処理と、前記ポリマーの高純度化のためのイオン交換処理の2段階で、精製処理を実施することが更に好ましい。
電気透析法に使用する電気透析装置には制限は無く、既存の装置を使用することができる。脱塩処理を行う場合は、例えば陰極と陽極との間に、陽極側にアニオン交換膜を配置し、陰極側にカチオン交換膜を配置して、脱塩槽と濃縮槽を形成したものが挙げられる。
また、イオン交換処理を実施する場合は、上述した脱塩処理を行う場合に加えて、アニオン交換膜とカチオン交換膜を張り合わせた構造を持つイオン交換膜を併用することが好ましい。
また、イオン交換処理を実施する場合は、上述した脱塩処理を行う場合に加えて、アニオン交換膜とカチオン交換膜を張り合わせた構造を持つイオン交換膜を併用することが好ましい。
使用するイオン交換膜としては特に限定はない。例えば、アニオン交換膜、カチオン交換膜としては、株式会社アストム製の「イオン交換膜ネオセプタ」を例示することができる。
アニオン交換膜とカチオン交換膜を張り合わせた構造を持つイオン交換膜としては、株式会社アストム製の「イオン交換膜ネオセプタ バイポーラ」を例示することができる。
また、イオン交換膜としては、分画分子量が100以上のものを使用することが好ましく、より好ましくは分画分子量が300以上である。分画分子量が100以上のイオン交換膜を使用することにより、溶液中に残存している未反応モノマーも同時に除去され、ポリマーの導電性がより向上する。
アニオン交換膜とカチオン交換膜を張り合わせた構造を持つイオン交換膜としては、株式会社アストム製の「イオン交換膜ネオセプタ バイポーラ」を例示することができる。
また、イオン交換膜としては、分画分子量が100以上のものを使用することが好ましく、より好ましくは分画分子量が300以上である。分画分子量が100以上のイオン交換膜を使用することにより、溶液中に残存している未反応モノマーも同時に除去され、ポリマーの導電性がより向上する。
なお、アニオン交換膜とカチオン交換膜を張り合わせた構造を持つイオン交換膜として、例えば株式会社アストム製の「イオン交換膜ネオセプタ バイポーラ」を併用するイオン交換処理では、酸性基の一部ないし全部が塩を形成しているポリマーにおいて中和と逆の反応が進行して酸ポリマーに変換されることにより、既述したキャリアの数(n)が増加するために導電性が向上すると考えられる。
電気透析法における印加電圧に制限はないが、脱塩処理を行う場合は、イオン交換膜1対に対して0.1〜1.0Vの電圧を印加することが好ましく、より好ましくは0.3〜0.7Vである。また、例えば株式会社アストム製の「イオン交換膜ネオセプタ バイポーラ」を併用したイオン交換処理を行う場合は、イオン交換膜1対に対して水の理論分解電圧である0.83V以上の電圧を印加することが好ましい。
また、電気透析法により精製処理を行う場合は、濃縮槽内の圧力を脱塩槽内の圧力よりも高い状態で電気透析を行うことが好ましい。濃縮槽内の圧力を脱塩槽内の圧力よりも高い状態で電気透析を行うことにより、拡散などの効果により電荷を有さない化合物が水などの溶媒と共に濃縮槽内に入るのを防ぐことができる。
濃縮槽内の圧力と脱塩槽内の圧力との差は、3〜50kPa程度が好ましく、5〜40kPa程度がより好ましく、10〜30kPa程度がさらに好ましい。
濃縮槽内の圧力や脱塩槽内の圧力は、電気透析装置に備わる循環ポンプの吐出側に設置された流量調節バルブで調節したり、電気透析槽出口への背圧弁を設置したりすることで調節できる。
濃縮槽内の圧力と脱塩槽内の圧力との差は、3〜50kPa程度が好ましく、5〜40kPa程度がより好ましく、10〜30kPa程度がさらに好ましい。
濃縮槽内の圧力や脱塩槽内の圧力は、電気透析装置に備わる循環ポンプの吐出側に設置された流量調節バルブで調節したり、電気透析槽出口への背圧弁を設置したりすることで調節できる。
工程(iii)および/または精製処理を行ったポリマーを、水、または水と有機溶媒との混合溶媒に溶解させ、ポリマー溶液を得る。有機溶媒としては、水と混合するものであれば限定されず、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
前記ポリマー溶液の濃度は、20質量%以下が好ましく、18質量%以下がより好ましく、16質量%以下がさらに好ましい。濃度が20質量%を超えると、粘度が非常に増大し、コンデンサへの浸漬性が低下するためである。また、下限濃度に限定はないが、電気容量の高いコンデンサを得るためには0.01質量%以上であることが好ましい。
前記ポリマー溶液の10質量%での25℃における粘度としては、50mPa・s以下が好ましく、40mPa・s以下がより好ましく、35mPa・s以下がさらに好ましい。粘度が50mPa・sを超えるとコンデンサへの浸漬性が低下するためである。また、粘度の下限に限定はないが、電気容量の高いコンデンサを得るためには0.1mPa・s以上であることが好ましい。
本発明のアニリン系導電性ポリマーは、スプレーコート法、デイップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法等の簡便な手法で導電体を形成することができる。
また、アニリン系導電性ポリマーを主成分とする組成物は、各種帯電防止剤、コンデンサ、電池、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食、接着剤、繊維、帯電防止塗料、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー、静電塗装の下地、電気防食、電池の蓄電能力向上等に適応可能である。
前記ポリマー溶液の濃度は、20質量%以下が好ましく、18質量%以下がより好ましく、16質量%以下がさらに好ましい。濃度が20質量%を超えると、粘度が非常に増大し、コンデンサへの浸漬性が低下するためである。また、下限濃度に限定はないが、電気容量の高いコンデンサを得るためには0.01質量%以上であることが好ましい。
前記ポリマー溶液の10質量%での25℃における粘度としては、50mPa・s以下が好ましく、40mPa・s以下がより好ましく、35mPa・s以下がさらに好ましい。粘度が50mPa・sを超えるとコンデンサへの浸漬性が低下するためである。また、粘度の下限に限定はないが、電気容量の高いコンデンサを得るためには0.1mPa・s以上であることが好ましい。
本発明のアニリン系導電性ポリマーは、スプレーコート法、デイップコート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、エアーナイフコート法、カーテンコート法等の簡便な手法で導電体を形成することができる。
また、アニリン系導電性ポリマーを主成分とする組成物は、各種帯電防止剤、コンデンサ、電池、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食、接着剤、繊維、帯電防止塗料、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー、静電塗装の下地、電気防食、電池の蓄電能力向上等に適応可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
アニリン系導電性ポリマーの製造
<製造例1>
ペルオキソ二硫酸アンモニウム1mol/Lの水溶液103gと、98質量%硫酸(0.005mol)を仕込んだ容量250mLのガラス製の丸底攪拌槽(槽径7cm)の反応器内温度を−5℃に調整後、4.5mol/Lトリエチルアミン水溶液10.1gに溶解した2−アミノアニソール−4−スルホン酸0.1molを1時間かけて滴下し、重合体を得た。攪拌翼としてガラス製アンカー翼(攪拌翼径5cm)を用い、攪拌回転数は200rpmで行った。
また、滴下開始前の攪拌槽内溶液の温度が−5℃となるように、冷媒の温度を調節した。
実施例および比較例で記載の水溶液とは、体積比で水:アセトニトリル=1:1となるように調整した混合溶媒を使用した。
<製造例1>
ペルオキソ二硫酸アンモニウム1mol/Lの水溶液103gと、98質量%硫酸(0.005mol)を仕込んだ容量250mLのガラス製の丸底攪拌槽(槽径7cm)の反応器内温度を−5℃に調整後、4.5mol/Lトリエチルアミン水溶液10.1gに溶解した2−アミノアニソール−4−スルホン酸0.1molを1時間かけて滴下し、重合体を得た。攪拌翼としてガラス製アンカー翼(攪拌翼径5cm)を用い、攪拌回転数は200rpmで行った。
また、滴下開始前の攪拌槽内溶液の温度が−5℃となるように、冷媒の温度を調節した。
実施例および比較例で記載の水溶液とは、体積比で水:アセトニトリル=1:1となるように調整した混合溶媒を使用した。
[実施例1]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、テトラヒドロフラン:アセトンを、容積比4:1で混合した混合溶媒(SP値=19.54[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、テトラヒドロフラン:アセトンを、容積比4:1で混合した混合溶媒(SP値=19.54[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
[実施例2]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、アセトン(SP値=20.1[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、アセトン(SP値=20.1[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
[実施例3]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、テトラヒドロフラン:アセトニトリルを、容積比4:1で混合した混合溶媒(SP値=20.38[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、テトラヒドロフラン:アセトニトリルを、容積比4:1で混合した混合溶媒(SP値=20.38[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
[実施例4]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、エチルアルコール:アセトンを、容積比2:3で混合した混合溶媒(SP値=22.46[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、エチルアルコール:アセトンを、容積比2:3で混合した混合溶媒(SP値=22.46[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
[実施例5]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、アセトン:アセトニトリルを、容積比2:3で混合した混合溶媒(SP値=23.46[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、アセトン:アセトニトリルを、容積比2:3で混合した混合溶媒(SP値=23.46[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
[実施例6]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、メチルアルコール:アセトンを、容積比2:3で混合した混合溶媒(SP値=23.94[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、メチルアルコール:アセトンを、容積比2:3で混合した混合溶媒(SP値=23.94[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
[比較例1]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)を、減圧ろ過によるろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)を、減圧ろ過によるろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
[比較例2]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)を、減圧ろ過によるろ別を行い、メチルアルコール500gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)を、減圧ろ過によるろ別を行い、メチルアルコール500gにて洗浄を行った。
[比較例3]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、テトラヒドロフラン(SP値=19.40[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、テトラヒドロフラン(SP値=19.40[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
[比較例4]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、アセトニトリル(SP値=24.30[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、アセトニトリル(SP値=24.30[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、−5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
[比較例5]
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、テトラヒドロフラン:アセトニトリルを、容積比4:1で混合した混合溶媒(SP値=20.38[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温−5℃)に、テトラヒドロフラン:アセトニトリルを、容積比4:1で混合した混合溶媒(SP値=20.38[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、5℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
[比較例6]
前記製造例1で得られた反応液(液温5℃)に、テトラヒドロフラン:アセトニトリルを、容積比4:1で混合した混合溶媒(SP値=20.38[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、10℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
前記製造例1で得られた反応液(液温5℃)に、テトラヒドロフラン:アセトニトリルを、容積比4:1で混合した混合溶媒(SP値=20.38[MPa1/2])8.67gを2分かけて添加し、10℃で1時間保持した。保持中、攪拌回転数200rpmで攪拌を継続した。保持終了後、減圧ろ過によりろ別を行い、メチルアルコール250gにて洗浄を行った。
<評価>
(ポリマー溶液の濃度の測定)
濃度の測定は105℃の熱風乾燥機内で秤量皿にポリマー溶液を約3g採取し、1時間乾燥させた後の重量変化から濃度を算出した。
(ポリマー溶液の濃度の測定)
濃度の測定は105℃の熱風乾燥機内で秤量皿にポリマー溶液を約3g採取し、1時間乾燥させた後の重量変化から濃度を算出した。
(残留硫酸濃度の測定)
水(超純水)に、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを、それぞれの固形分濃度が1.77mmol/L、1.8mmol/Lになるように添加して、溶離液を調製した。
この溶離液に、得られたポリマーを溶解させ、試験溶液とした。ポリマーの濃度により希釈倍率などは異なるが、硫酸濃度が10〜1000ppmの範囲になるように試験溶液を調整した。
得られた試験溶液を東ソー社製イオンクロマトグラフ装置IC−2010型により、試料溶液中の硫酸濃度を測定し、ポリマー中の残留硫酸濃度を算出した。
水(超純水)に、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを、それぞれの固形分濃度が1.77mmol/L、1.8mmol/Lになるように添加して、溶離液を調製した。
この溶離液に、得られたポリマーを溶解させ、試験溶液とした。ポリマーの濃度により希釈倍率などは異なるが、硫酸濃度が10〜1000ppmの範囲になるように試験溶液を調整した。
得られた試験溶液を東ソー社製イオンクロマトグラフ装置IC−2010型により、試料溶液中の硫酸濃度を測定し、ポリマー中の残留硫酸濃度を算出した。
(導電性の評価)
得られたポリマー溶液を、スピンコータ(Actes inc.製、「マニュアルスピンナーASC−4000」)を用いてガラス基板上に塗布し、ホットプレート上で100℃×2分間加熱して、塗膜(膜厚:約100nm)がガラス基板上に形成された試験片を得た。
得られた試験片の表面抵抗値を、抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック製、「ロレスタGP」)に直列四探針プローブを装着して測定した。結果を表2に示す。
得られたポリマー溶液を、スピンコータ(Actes inc.製、「マニュアルスピンナーASC−4000」)を用いてガラス基板上に塗布し、ホットプレート上で100℃×2分間加熱して、塗膜(膜厚:約100nm)がガラス基板上に形成された試験片を得た。
得られた試験片の表面抵抗値を、抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック製、「ロレスタGP」)に直列四探針プローブを装着して測定した。結果を表2に示す。
(粘度の測定)
粘度測定前に、予めポリマー溶液を25℃になるように温度調節しておき、東機産業社製E型粘度計TVE−25L用いて粘度を測定した。
粘度測定前に、予めポリマー溶液を25℃になるように温度調節しておき、東機産業社製E型粘度計TVE−25L用いて粘度を測定した。
(電気容量の測定)
化成処理されたアルミニウムの巻回型コンデンサ(6.3V、理論電気容量1000μF)を、HIOKI社製IM3533−01 LCRメーターを用いて、5分間ポリマー溶液に浸漬したコンデンサの電気容量を測定した。
化成処理されたアルミニウムの巻回型コンデンサ(6.3V、理論電気容量1000μF)を、HIOKI社製IM3533−01 LCRメーターを用いて、5分間ポリマー溶液に浸漬したコンデンサの電気容量を測定した。
表2からも明らかなように、ポリマー中の残留硫酸が1.0質量%以下の実施例1〜6は、残留硫酸が多い比較例1〜4に比べ、導電性が良好であった。
特に、ポリマー中の残留硫酸が0.5質量%以下である、実施例1,2、6は、導電性が良好であった。
また、SP値19.5〜24.2[Mpa1/2]の範囲の溶媒(A)を添加した実施例1〜6により、残留硫酸濃度の低い高純度な導電性ポリマーを製造することができた。
一方、前記溶媒(A)を添加していない比較例1および2は、効率よく残留硫酸を除去することができず、得られたポリマーの導電性も低かった。
SP値の低い溶媒(A)を用いた比較例3は、塗布性が悪く、残留硫酸が多く、平滑な膜が得られなかった。
特に、ポリマー中の残留硫酸が0.5質量%以下である、実施例1,2、6は、導電性が良好であった。
また、SP値19.5〜24.2[Mpa1/2]の範囲の溶媒(A)を添加した実施例1〜6により、残留硫酸濃度の低い高純度な導電性ポリマーを製造することができた。
一方、前記溶媒(A)を添加していない比較例1および2は、効率よく残留硫酸を除去することができず、得られたポリマーの導電性も低かった。
SP値の低い溶媒(A)を用いた比較例3は、塗布性が悪く、残留硫酸が多く、平滑な膜が得られなかった。
得られたポリマー溶液10質量%での25℃における粘度を実施例2、5、6、比較例1、2、4のみ測定した。
表3からも明らかなように、実施例、比較例ともに、15mPa・s以下と非常に低粘度であった。しかし、実施例のみが残留硫酸濃度が1.0質量%以下で、かつポリマー溶液の濃度10質量%での25℃における粘度が50mPa・s以下であるという2つの条件を達成できていないことが示された。
[実施例7]
実施例2で得られたポリマー溶液を、ザルトリウス社製のビバフロー200を用いて限外ろ過処理を行った。限外ろ過時間は60分とした。
実施例2で得られたポリマー溶液を、ザルトリウス社製のビバフロー200を用いて限外ろ過処理を行った。限外ろ過時間は60分とした。
[実施例8]
限外ろ過時間を120分とした以外は、実施例7と同様に実施した。
限外ろ過時間を120分とした以外は、実施例7と同様に実施した。
[実施例9]
限外ろ過時間を180分とした以外は、実施例7と同様に実施した。
限外ろ過時間を180分とした以外は、実施例7と同様に実施した。
[実施例10]
限外ろ過時間を240分とした以外は、実施例7と同様に実施した。
限外ろ過時間を240分とした以外は、実施例7と同様に実施した。
表4からも明らかなように粘度が50mPa・s以下である実施例7〜10は、浸漬してから5分後のコンデンサの電気容量が600μFを超えており、浸漬性が高いポリマー溶液であるといえる。
Claims (6)
- 下記(i)〜(ii)の工程を含む、導電性ポリマーの製造方法。
(i);下記一般式(1)で表される化合物を酸化重合する工程
(ii);工程(i)で得られた反応液にSP値19.5〜24.2[MPa1/2]の溶媒(A)を添加する工程
(式中、R1、R2、R3、R4、R5は水素、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基およびハロゲンよりなる群から選ばれ、その少なくとも1つは酸性基を示す。また、ここで酸性基とはスルホン酸基またはカルボキシル基を示す) - 前記工程(ii)の後に、下記(iii)の工程をさらに含む、請求項1記載の製造方法。
(iii);工程(ii)で得られた水溶性有機溶媒(A)添加後の反応液を、SP値20.0〜30.0[MPa1/2]の溶媒(B)で洗浄する工程 - 前記工程(i)および(ii)の工程開始時の液温度が3℃以下である、請求項1または2記載の製造方法。
- 下記一般式(2)で表される繰り返し単位を有するポリマーで、前記導電性ポリマー中の残留硫酸が1.0質量%以下であり、かつ前記導電性ポリマー溶液の10質量%での25℃における粘度が50mPa・s以下である導電性ポリマー。
式(2)中、R6〜R9は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基、ヒドロキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子である。またR6〜R9のうちの少なくとも一つは酸性基又はその塩である。 - 請求項4記載の導電性ポリマーを用いた固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記有機溶媒(B)が、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリルおよびN,N−ジメチルホルムアミドから選ばれた少なくとも1つの溶媒である請求項3記載の製造方法。
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