JP2014214170A - 導電性ポリマー、前記導電性ポリマーの製造方法及び導電体 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性、耐熱性に優れた導電性ポリマー、前記導電性ポリマーの製造方法の提供【解決手段】アルキルスルホン酸を置換基として有するアニリン誘導体(i)から構成される単量体単位と、前記アニリン誘導体(i)以外の酸性基を置換基として有するアニリン誘導体(ii)から構成される単量体単位とを含む導電性ポリマー、下記一般式(3)で表される導電性ポリマー及び前記導電性ポリマーの製造方法、前記導電性ポリマーを用いた導電体。【化1】【選択図】なし
Description
本発明は、導電性ポリマー、前記導電性ポリマーの製造方法及び導電体に関する。
導電性ポリマーとしては、ポリアニリン系、ポリチオフェン系、ポリパラフェニレンビニレン系等の導電性ポリマーがよく知られ、多様な用途で使われている。
しかし、これらの導電性ポリマーは、一部の非プロトン系極性溶媒を除くほとんどの一般溶剤に不溶であり、成形、加工面で問題があった。
また、これらの導電性ポリマーのうち、ポリチオフェン系、ポリパラフェニレンビニレン系の導電性ポリマーは、ポリアニリン系の導電性ポリマーに比べて高い導電性を示す。
しかしながら、前記ポリマーは、原料が高価、製造工程が煩雑等の問題を有している。
しかし、これらの導電性ポリマーは、一部の非プロトン系極性溶媒を除くほとんどの一般溶剤に不溶であり、成形、加工面で問題があった。
また、これらの導電性ポリマーのうち、ポリチオフェン系、ポリパラフェニレンビニレン系の導電性ポリマーは、ポリアニリン系の導電性ポリマーに比べて高い導電性を示す。
しかしながら、前記ポリマーは、原料が高価、製造工程が煩雑等の問題を有している。
このような成形、加工面の問題を解決し、高い導電性を発現させる方法として、スルホン酸基置換アニリン又はカルボン酸基置換アニリン等の酸性基置換アニリンを、塩基性化合物を含む溶液中で重合するアニリン系導電性ポリマーの製造方法が提案されている。
この方法により得られたアニリン系導電性ポリマーは、酸性からアルカリ性の広いpH範囲において、各種溶剤に優れた溶解性を示す。
前記アニリン系導電性ポリマーの導電性や耐熱性向上のため、従来より以下のような手法が提案されている。
この方法により得られたアニリン系導電性ポリマーは、酸性からアルカリ性の広いpH範囲において、各種溶剤に優れた溶解性を示す。
前記アニリン系導電性ポリマーの導電性や耐熱性向上のため、従来より以下のような手法が提案されている。
アニリン系導電性ポリマーの製造方法として、酸性基置換アニリンを、塩基性化合物を含む溶液中で重合する際に、重合触媒である酸化剤の溶液に前記酸性基置換アニリンと塩基性化合物を含む溶液を滴下することで、発生する不純物を抑制する方法が数多く提案されており、アニリン系導電性ポリマーを含む導電性組成物に、塩基性化合物を添加することで、導電性組成物の耐熱性を向上させる方法がある(例えば、特許文献1)。
また、ドーパントとしての酸性基の熱脱離を抑制するため、特定の炭素数のアルキル基を介して酸性基を導入した繰り返し単位を有するアニリン系導電性ポリマーが提案されている(例えば、特許文献2)。
また、ドーパントとしての酸性基の熱脱離を抑制するため、特定の炭素数のアルキル基を介して酸性基を導入した繰り返し単位を有するアニリン系導電性ポリマーが提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、前記の方法によって得られた導電性ポリマーは、高温雰囲気下における導電性が、未だ不充分であった。特に、コンデンサ等へ適用するためには、さらなる導電性及び耐熱性の向上が望まれている。
本発明は、導電性、耐熱性に優れた導電性ポリマー、前記導電性ポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、導電性、耐熱性に優れた導電性ポリマー、前記導電性ポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の構造のアニリン誘導体2種類の単量体単位を含むことで、得られる導電性ポリマーの耐熱性が大きく向上することを見出した。
すなわち、本発明は下記の態様を有する。
[1] アルキルスルホン酸を置換基として有するアニリン誘導体(i)から構成される単量体単位と、前記アニリン誘導体(i)以外の酸性基を置換基として有するアニリン誘導体(ii)から構成される単量体単位とを含む、導電性ポリマー。
[2] 前記アニリン誘導体(i)が下記一般式(1)で表される、前記態様[1]記載の導電性ポリマー。
[3] 前記アニリン誘導体(ii)が下記一般式(2)で表される、前記態様[1]又は[2]記載の導電性ポリマー。
[4] 下記一般式(3)で表される、前記態様[1]〜[3]の何れか一項に記載の導電性ポリマー。
[5] 前記アニリン誘導体(i)から構成される単量体単位と、前記アニリン誘導体(ii)から構成される単量体単位とを、
前記アニリン誘導体(ii)1.0molに対して、前記アニリン誘導体(i)を1.0mol以上で共重合させる、
前記態様[1]〜[4]の何れか一項に記載の導電性ポリマーの製造方法。
[6] 前記態様[1]〜[4]の何れか一項に記載の導電性ポリマーからなる、導電体。
[1] アルキルスルホン酸を置換基として有するアニリン誘導体(i)から構成される単量体単位と、前記アニリン誘導体(i)以外の酸性基を置換基として有するアニリン誘導体(ii)から構成される単量体単位とを含む、導電性ポリマー。
[2] 前記アニリン誘導体(i)が下記一般式(1)で表される、前記態様[1]記載の導電性ポリマー。
[3] 前記アニリン誘導体(ii)が下記一般式(2)で表される、前記態様[1]又は[2]記載の導電性ポリマー。
[4] 下記一般式(3)で表される、前記態様[1]〜[3]の何れか一項に記載の導電性ポリマー。
[5] 前記アニリン誘導体(i)から構成される単量体単位と、前記アニリン誘導体(ii)から構成される単量体単位とを、
前記アニリン誘導体(ii)1.0molに対して、前記アニリン誘導体(i)を1.0mol以上で共重合させる、
前記態様[1]〜[4]の何れか一項に記載の導電性ポリマーの製造方法。
[6] 前記態様[1]〜[4]の何れか一項に記載の導電性ポリマーからなる、導電体。
式(1)中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基若しくはその塩、水酸基、ニトロ基又はハロゲン原子よりなる群から選ばれ、Aは酸性基又はその塩であり、nは1〜20の整数である。
式(2)中、R5〜R9はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基又はハロゲンからなる群から選ばれ、R5〜R9の内、少なくとも一つは酸性基である。ここで、酸性基とは、スルホン基又はカルボキシル基である。
式(3)中、R1、R3〜R6、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基若しくはその塩、水酸基、ニトロ基又はハロゲン原子よりなる群から選ばれ、R5、R6、R8、R9の内、少なくとも一つは酸性基であり、Aは酸性基又はその塩であり、nは1〜20の整数である。
ここで、酸性基とは、スルホン基又はカルボキシル基である。
また、xは、前記アニリン誘導体(i)の重合度を示し、yは、前記アニリン誘導体(ii)の重合度を示す。
ここで、酸性基とは、スルホン基又はカルボキシル基である。
また、xは、前記アニリン誘導体(i)の重合度を示し、yは、前記アニリン誘導体(ii)の重合度を示す。
本発明によれば、導電性、耐熱性に優れた導電性ポリマーを得ることができる。
<導電性ポリマー>
本発明における導電性ポリマーは、アルキルスルホン酸を置換基として有するアニリン誘導体(i)から構成される単量体単位と、前記アニリン誘導体以外の酸性基を置換基として有するアニリン誘導体(ii)から構成される単量体単位とを含む、導電性ポリマーである。
ここで、前記導電性ポリマーは、前記単量体単位を含むポリマーの混合物であっても、共重合体であってもよい。
ただし、導電性、水溶性及び耐熱性の観点から、共重合体であることが好ましく、下記一般式(3)で表されるポリマーであることがより好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、混合物又は共重合体の第三成分として、その他の単量体単位を含んでいてもよい。
本発明における導電性ポリマーは、アルキルスルホン酸を置換基として有するアニリン誘導体(i)から構成される単量体単位と、前記アニリン誘導体以外の酸性基を置換基として有するアニリン誘導体(ii)から構成される単量体単位とを含む、導電性ポリマーである。
ここで、前記導電性ポリマーは、前記単量体単位を含むポリマーの混合物であっても、共重合体であってもよい。
ただし、導電性、水溶性及び耐熱性の観点から、共重合体であることが好ましく、下記一般式(3)で表されるポリマーであることがより好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、混合物又は共重合体の第三成分として、その他の単量体単位を含んでいてもよい。
式(3)中、R1、R3〜R6、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基若しくはその塩、水酸基、ニトロ基又はハロゲン原子よりなる群から選ばれ、R5、R6、R8、R9の内、少なくとも一つは酸性基であり、Aは酸性基又はその塩であり、nは1〜20の整数である。ここで、酸性基とは、スルホン基又はカルボキシル基である。
また、xは、前記アニリン誘導体(i)の重合度を示し、yは、前記アニリン誘導体(ii)の重合度を示す。
また、xは、前記アニリン誘導体(i)の重合度を示し、yは、前記アニリン誘導体(ii)の重合度を示す。
<アニリン誘導体(i)>
本発明において、アニリン誘導体(i)は、アルキルスルホン酸を置換基として有する。
アニリン誘導体(i)は、導電性及び耐熱性を発現し、且つ水溶性を向上させるという観点から、下記一般式(1)で表されるアニリン誘導体であることが好ましい。
本発明において、アニリン誘導体(i)は、アルキルスルホン酸を置換基として有する。
アニリン誘導体(i)は、導電性及び耐熱性を発現し、且つ水溶性を向上させるという観点から、下記一般式(1)で表されるアニリン誘導体であることが好ましい。
式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基若しくはその塩、水酸基、ニトロ基又はハロゲン原子よりなる群から選ばれ、Aは酸性基又はその塩であり、nは1〜20の整数である。
ここで、導電性及び耐熱性の観点から、nは、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
ここで、導電性及び耐熱性の観点から、nは、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
さらに、前記アルコキシ基を有しないアニリン誘導体(i)は、単独では重合しにくいが、後述するアニリン系誘導体(ii)と共重合させることで、前記アルコキシ基を有しないアニリン誘導体(i)の重合を進行させることができる。
<アニリン誘導体(ii)>
本発明において、アニリン誘導体(ii)は、前記アニリン誘導体(i)以外のアニリン誘導体であり、酸性基を置換基として有する。
つまり、酸性基が、アルキレン基(−CnH2n−)を介さずに芳香環に結合している、アニリン誘導体を意味する。
また、前記アニリン誘導体(ii)は、優れた導電性及び水溶性の観点から、下記一般式(2)で表されるアニリン誘導体であることが好ましい。
本発明において、アニリン誘導体(ii)は、前記アニリン誘導体(i)以外のアニリン誘導体であり、酸性基を置換基として有する。
つまり、酸性基が、アルキレン基(−CnH2n−)を介さずに芳香環に結合している、アニリン誘導体を意味する。
また、前記アニリン誘導体(ii)は、優れた導電性及び水溶性の観点から、下記一般式(2)で表されるアニリン誘導体であることが好ましい。
式(2)中、R5〜R9はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基又はハロゲンからなる群から選ばれ、R5〜R9の内、少なくとも一つは酸性基である。
ここで、酸性基とは、スルホン基又はカルボキシル基である。
ここで、酸性基とは、スルホン基又はカルボキシル基である。
前記一般式(2)で表される化合物の代表的なものは、スルホン基置換アニリン又はカルボキシル基置換アニリンであり、中でも、得られるポリマーの導電性や溶解性等の観点から、アミノ基に対して酸性基が、o−位又はm−位に結合しているアニリン誘導体が好ましい。
<導電性ポリマーの製造方法>
本発明の導電性ポリマーは、例えば、重合溶媒中で前記アニリン誘導体(i)及び前記アニリン誘導体(ii)の混合物を酸化剤により重合させて得られる。
ここで、反応性と耐熱性の観点から、前記アニリン誘導体(ii)1.0molに対して共重合させる前記アニリン誘導体(i)は、0.1molが好ましく、1.0molがより好ましく、2.0mol以上がさらに好ましく、3.0mol以上が特に好ましい。
前記アニリン誘導体(i)の割合が低いと、加熱後の導電性が低下し、前記アニリン誘導体(i)の割合が高いとポリマーの重合度が低下し、ポリマーの導電性が低下することがある。
本発明の導電性ポリマーは、例えば、重合溶媒中で前記アニリン誘導体(i)及び前記アニリン誘導体(ii)の混合物を酸化剤により重合させて得られる。
ここで、反応性と耐熱性の観点から、前記アニリン誘導体(ii)1.0molに対して共重合させる前記アニリン誘導体(i)は、0.1molが好ましく、1.0molがより好ましく、2.0mol以上がさらに好ましく、3.0mol以上が特に好ましい。
前記アニリン誘導体(i)の割合が低いと、加熱後の導電性が低下し、前記アニリン誘導体(i)の割合が高いとポリマーの重合度が低下し、ポリマーの導電性が低下することがある。
(重合工程)
前記アニリン誘導体(i)及び前記アニリン誘導体(ii)の混合物を、重合溶媒中で酸化剤により化学酸化重合することで、導電性ポリマーを得ることができる。
具体的には、酸化剤溶液中に前記アニリン誘導体(i)及び前記アニリン誘導体(ii)、塩基性化合物の混合物溶液(モノマー溶液)を滴下する方法、混合物溶液(モノマー溶液)に酸化剤溶液を滴下する方法、反応容器等に混合物溶液(モノマー溶液)と酸化剤溶液とを同時に滴下する方法、反応器等に混合物溶液(モノマー溶液)と酸化剤溶液とを連続的に供給し、押し出し流れで重合させる方法などの各種方法によって、導電性ポリマーを得る。ここで、重合の際には、重合溶媒を用いることができる。
重合反応の内温は50℃以下が好ましく、より好ましくは−15〜70℃、さらに好ましくは−10〜20℃である。特に、重合反応の内温が20℃以下であれば、副反応の進行や、主鎖の酸化還元構造の変化による導電性の低下を抑止できる。
また、重合反応の内温が−15℃以上であれば、十分な反応速度を維持でき、反応時間を短縮できる。
モノマー溶液と酸化剤を混合後の重合反応時間は、重合反応温度にも因るが、2時間以上が好ましく、12時間以上がより好ましい。重合反応時間が長いほど、モノマーの反応率が向上し、高収率で導電性ポリマーが得られる。
前記アニリン誘導体(i)及び前記アニリン誘導体(ii)の混合物を、重合溶媒中で酸化剤により化学酸化重合することで、導電性ポリマーを得ることができる。
具体的には、酸化剤溶液中に前記アニリン誘導体(i)及び前記アニリン誘導体(ii)、塩基性化合物の混合物溶液(モノマー溶液)を滴下する方法、混合物溶液(モノマー溶液)に酸化剤溶液を滴下する方法、反応容器等に混合物溶液(モノマー溶液)と酸化剤溶液とを同時に滴下する方法、反応器等に混合物溶液(モノマー溶液)と酸化剤溶液とを連続的に供給し、押し出し流れで重合させる方法などの各種方法によって、導電性ポリマーを得る。ここで、重合の際には、重合溶媒を用いることができる。
重合反応の内温は50℃以下が好ましく、より好ましくは−15〜70℃、さらに好ましくは−10〜20℃である。特に、重合反応の内温が20℃以下であれば、副反応の進行や、主鎖の酸化還元構造の変化による導電性の低下を抑止できる。
また、重合反応の内温が−15℃以上であれば、十分な反応速度を維持でき、反応時間を短縮できる。
モノマー溶液と酸化剤を混合後の重合反応時間は、重合反応温度にも因るが、2時間以上が好ましく、12時間以上がより好ましい。重合反応時間が長いほど、モノマーの反応率が向上し、高収率で導電性ポリマーが得られる。
(塩基性化合物)
前記アニリン誘導体(i)及び前記アニリン誘導体(ii)と塩を形成できるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどが挙げられる。
置換アンモニウムとしては、脂式アンモニウム類、環式飽和アンモニウム類、環式不飽和アンモニウム類などが挙げられる。
前記脂式アンモニウム類としては、下記一般式(4)で表される。
前記アニリン誘導体(i)及び前記アニリン誘導体(ii)と塩を形成できるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどが挙げられる。
置換アンモニウムとしては、脂式アンモニウム類、環式飽和アンモニウム類、環式不飽和アンモニウム類などが挙げられる。
前記脂式アンモニウム類としては、下記一般式(4)で表される。
式中R10〜R13は、水素、炭素数1〜4のアルキル基よりなる群から独立して選ばれた基である。
前記脂式アンモニウム類としては、例えば、メチルアンモニウムなどの第一級アルキルアンモニウム、ジメチルアンモニウムなどの第二級アルキルアンモニウム、トリメチルアルキルアンモニウムなどの第三級アルキルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムなどの第四級アルキルアンモニウムなどを例示することができる。なかでも、溶解性の観点から、R10〜R13は、炭素数1〜4の第三級アルキルアンモニウムが好ましく、炭素数1〜4の第二級アルキルアンモニウムがさらに好ましい。
環式飽和アンモニウム類としては、ピペリジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、ピペラジニウム及びこれらの骨格を有する誘導体などが例示される。
環式不飽和アンモニウム類としては、ピリジニウム、α−ピコリニウム、β−ピコリニウム、γ−ピコリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、ピロリニウム及びこれらの骨格を有する誘導体などが例示される。
塩基性化合物の濃度は0.1mol/L以上が好ましく、より好ましくは0.1〜10.0mol/Lであり、特に好ましくは0.2〜8.0mol/Lである。塩基性化合物の濃度が0.1mol/L以上であれば、ポリマーを高収率で得ることができる。
一方、塩基性化合物の濃度が10.0mol/L以下であれば、得られるポリマーの導電性が向上する傾向にある。
前記酸性基置換アニリン誘導体と塩基性化合物の質量比は、導電性の観点から、酸性基置換アニリン誘導体:塩基性化合物=1:0.1〜1:10であることが好ましく、より好ましくは1:0.5〜1:2である。
塩基性化合物の割合が低いと、溶媒に対する溶解度が低下し、反応性が低下し、導電性が低下する。一方、塩基性化合物の割合が高いと、得られるポリマー中の酸性基と塩基性化合物が塩を形成する割合が高くなり、ポリマーの導電性が低下することがある。
つまり、塩基性化合物の割合が好ましい範囲にあれば、溶媒に対する溶解性と反応性が向上し、導電性が向上する。
環式飽和アンモニウム類としては、ピペリジニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、ピペラジニウム及びこれらの骨格を有する誘導体などが例示される。
環式不飽和アンモニウム類としては、ピリジニウム、α−ピコリニウム、β−ピコリニウム、γ−ピコリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、ピロリニウム及びこれらの骨格を有する誘導体などが例示される。
塩基性化合物の濃度は0.1mol/L以上が好ましく、より好ましくは0.1〜10.0mol/Lであり、特に好ましくは0.2〜8.0mol/Lである。塩基性化合物の濃度が0.1mol/L以上であれば、ポリマーを高収率で得ることができる。
一方、塩基性化合物の濃度が10.0mol/L以下であれば、得られるポリマーの導電性が向上する傾向にある。
前記酸性基置換アニリン誘導体と塩基性化合物の質量比は、導電性の観点から、酸性基置換アニリン誘導体:塩基性化合物=1:0.1〜1:10であることが好ましく、より好ましくは1:0.5〜1:2である。
塩基性化合物の割合が低いと、溶媒に対する溶解度が低下し、反応性が低下し、導電性が低下する。一方、塩基性化合物の割合が高いと、得られるポリマー中の酸性基と塩基性化合物が塩を形成する割合が高くなり、ポリマーの導電性が低下することがある。
つまり、塩基性化合物の割合が好ましい範囲にあれば、溶媒に対する溶解性と反応性が向上し、導電性が向上する。
(酸化剤)
酸化剤としては、例えば、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸類;過酸化水素などが挙げられる。
これら酸化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
酸化剤の使用量は、前記アニリン誘導体(i)及び前記アニリン誘導体(ii)の混合物の合計1molに対して、1〜5molが好ましく、より好ましくは1〜3molである。
酸化剤の使用量が上記範囲内にあることが、導電性ポリマーの高分子量化や、主鎖の酸化を十分に行うことができる点で好ましい。
なお、触媒として、鉄、銅などの遷移金属化合物を酸化剤と併用することもできる。
酸化剤としては、例えば、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸類;過酸化水素などが挙げられる。
これら酸化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
酸化剤の使用量は、前記アニリン誘導体(i)及び前記アニリン誘導体(ii)の混合物の合計1molに対して、1〜5molが好ましく、より好ましくは1〜3molである。
酸化剤の使用量が上記範囲内にあることが、導電性ポリマーの高分子量化や、主鎖の酸化を十分に行うことができる点で好ましい。
なお、触媒として、鉄、銅などの遷移金属化合物を酸化剤と併用することもできる。
(重合溶媒)
重合溶媒としては、水、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。
水溶性有機溶媒としては、水と混合するものであれば限定されず、例えば、メタノール、エタノール、iso−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
本発明においては、副反応の抑制、得られる導電性ポリマーの純度及び導電性の観点から、重合時の反応系内のpHが7以下となるように調整することが好ましく、より好ましくはpHが6以下である。
重合溶媒としては、水、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。
水溶性有機溶媒としては、水と混合するものであれば限定されず、例えば、メタノール、エタノール、iso−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
本発明においては、副反応の抑制、得られる導電性ポリマーの純度及び導電性の観点から、重合時の反応系内のpHが7以下となるように調整することが好ましく、より好ましくはpHが6以下である。
重合時の反応系内のpHは、プロトン酸の添加により調整できる。
プロトン酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ化フッ素酸等の鉱酸類、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸類、有機スルホン酸類、及び高分子酸類などが挙げられる。
これらの中でも、取り扱い性の観点から、塩酸、硝酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が好ましい。
プロトン酸の添加量は、酸化剤の析出がない範囲であれば特に限定されない。特に、mol比でプロトン酸:酸化剤=0.01:100〜50:100が好ましく、0.01:100〜45:100がより好ましい。プロトン酸の添加量が前記範囲内であれば、反応進行の妨げとなりにくく、不純物質や低分子量物質の生成が抑制され、結果として、得られるポリマーの導電性や純度等が向上する。
プロトン酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ化フッ素酸等の鉱酸類、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸類、有機スルホン酸類、及び高分子酸類などが挙げられる。
これらの中でも、取り扱い性の観点から、塩酸、硝酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等が好ましい。
プロトン酸の添加量は、酸化剤の析出がない範囲であれば特に限定されない。特に、mol比でプロトン酸:酸化剤=0.01:100〜50:100が好ましく、0.01:100〜45:100がより好ましい。プロトン酸の添加量が前記範囲内であれば、反応進行の妨げとなりにくく、不純物質や低分子量物質の生成が抑制され、結果として、得られるポリマーの導電性や純度等が向上する。
(精製工程)
導電性ポリマーは、溶媒に溶解又は分散したポリマー溶液の状態で得られる。導電性ポリマーは、溶媒を除去した後、そのまま各種用途に用いてもよいが、ポリマー溶液には未反応のモノマー<アニリン誘導体(i)及び/又はアニリン誘導体(ii)>、オリゴマー、不純物などが含まれる場合がある。
したがって、導電性ポリマーを精製してから用いるのが好ましい(精製工程)。
導電性ポリマーを精製する方法としては、溶剤を用いた洗浄法、膜濾過法、陽イオン交換法などが挙げられる。
また、前記精製によって未反応モノマー、低分子量物質、及び不純物質等が十分に除去されるので、導電性に優れる。加えて、膜濾過を行うことによって、さらに精製度は向上され、導電性が非常に優れる。
導電性ポリマーは、溶媒に溶解又は分散したポリマー溶液の状態で得られる。導電性ポリマーは、溶媒を除去した後、そのまま各種用途に用いてもよいが、ポリマー溶液には未反応のモノマー<アニリン誘導体(i)及び/又はアニリン誘導体(ii)>、オリゴマー、不純物などが含まれる場合がある。
したがって、導電性ポリマーを精製してから用いるのが好ましい(精製工程)。
導電性ポリマーを精製する方法としては、溶剤を用いた洗浄法、膜濾過法、陽イオン交換法などが挙げられる。
また、前記精製によって未反応モノマー、低分子量物質、及び不純物質等が十分に除去されるので、導電性に優れる。加えて、膜濾過を行うことによって、さらに精製度は向上され、導電性が非常に優れる。
上述したように、本発明の導電性ポリマーは、一部の酸性基あるいはその塩がアルキル基を介して芳香環に結合したポリマーであり、加熱処理しても、酸性基あるいはその塩が脱離しにくい。
したがって、本発明の導電性ポリマーは、高い導電性を有し、かつ熱安定性に優れる。
さらに、本発明の導電性ポリマーは、水、塩基及び塩基性塩を含む水、酸を含む水、アルコール類の溶媒、それらの混合物に溶解することができ、加工性に優れる。
したがって、本発明の導電性ポリマーは、高い導電性を有し、かつ熱安定性に優れる。
さらに、本発明の導電性ポリマーは、水、塩基及び塩基性塩を含む水、酸を含む水、アルコール類の溶媒、それらの混合物に溶解することができ、加工性に優れる。
<導電体(導電性フィルム)>
導電体は、前記導電性ポリマーを基材上に塗布して形成される。
導電性ポリマー溶液を塗工する基材としては、特に限定されず、高分子化合物、木材、紙材、金属、金属酸化物、セラミックスおよびそれらフィルムまたはガラス板などが用いられる。
例えば、高分子化合物からなる基材としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルニトリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフタレート等のいずれか1種又は2種以上を含有する高分子フィルムなどが挙げられる。
これらの基材は、少なくともその一つの面上に、前記導電性ポリマーからなる導電膜を形成させるため、該導電膜の密着性を向上させる目的で前記基材表面にコロナ表面処理又はプラズマ処理、あるいは紫外線オゾン処理が施されていることが好ましい。
導電体は、前記導電性ポリマーを基材上に塗布して形成される。
導電性ポリマー溶液を塗工する基材としては、特に限定されず、高分子化合物、木材、紙材、金属、金属酸化物、セラミックスおよびそれらフィルムまたはガラス板などが用いられる。
例えば、高分子化合物からなる基材としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルニトリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフタレート等のいずれか1種又は2種以上を含有する高分子フィルムなどが挙げられる。
これらの基材は、少なくともその一つの面上に、前記導電性ポリマーからなる導電膜を形成させるため、該導電膜の密着性を向上させる目的で前記基材表面にコロナ表面処理又はプラズマ処理、あるいは紫外線オゾン処理が施されていることが好ましい。
(導電体製造)
前記導電体は、導電性ポリマー溶液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程(塗工工程)と、必要であれば前記塗膜に対し、加熱処理を行う工程とを順次行うことにより導電体を製造することができる。
塗工方法としては、一般に塗料の塗工に用いられる方法が利用できる。例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の塗布方法、スプレーコーティング等の噴霧方法、ディップ等の浸漬方法等が用いられる。
前記導電体は、導電性ポリマー溶液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程(塗工工程)と、必要であれば前記塗膜に対し、加熱処理を行う工程とを順次行うことにより導電体を製造することができる。
塗工方法としては、一般に塗料の塗工に用いられる方法が利用できる。例えば、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の塗布方法、スプレーコーティング等の噴霧方法、ディップ等の浸漬方法等が用いられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例における評価方法は以下の通りである。
なお、実施例及び比較例における評価方法は以下の通りである。
(導電率の評価)
導電性組成物をマニュアルスピンナーASC−4000(Actes inc.製)によりガラス基材上に塗布し、120℃に設定したホットプレート上で10分間静置して導電性組成物を乾燥することで、膜厚が0.1μm程度の塗膜がガラス基材上に形成された導電体(試験片1)を作製した。
得られた試験片1の表面抵抗値を、抵抗率計ロレスタGP(三菱化学株式会社製)に直列四探針プローブを装着して、室温(25℃)で測定した。塗膜の膜厚はナノスケールハイブリッド顕微鏡VN−8000(株式会社キーエンス製)を用いて測定し、これに表面抵抗値を乗じて体積抵抗率を求め、この体積抵抗率の逆数を計算し、導電率を求めた。導電率の値が高いほど、導電性に優れることを意味する。
導電性組成物をマニュアルスピンナーASC−4000(Actes inc.製)によりガラス基材上に塗布し、120℃に設定したホットプレート上で10分間静置して導電性組成物を乾燥することで、膜厚が0.1μm程度の塗膜がガラス基材上に形成された導電体(試験片1)を作製した。
得られた試験片1の表面抵抗値を、抵抗率計ロレスタGP(三菱化学株式会社製)に直列四探針プローブを装着して、室温(25℃)で測定した。塗膜の膜厚はナノスケールハイブリッド顕微鏡VN−8000(株式会社キーエンス製)を用いて測定し、これに表面抵抗値を乗じて体積抵抗率を求め、この体積抵抗率の逆数を計算し、導電率を求めた。導電率の値が高いほど、導電性に優れることを意味する。
[実施例1]
<導電性ポリマー(C−1)>
ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolを25gの水に攪拌溶解し、酸化剤溶液を調製した。
別途、3−アミノフェニルメタンスルホン酸14.0g(75mmol)と2−アミノアニソール−4−スルホン酸5.1g(25mmol)の混合物を、4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した。
続いて、酸化剤溶液を−5℃に冷却しながら、酸化剤溶液中にモノマー溶液を滴下した。
滴下終了後、撹拌下2時間冷却を保持したのち、得られた黒色の沈殿(反応生成物)を冷却下で減圧濾過装置にて濾別し、メチルアルコールにて洗浄後乾燥し、粗ポリマーを得た。
得られた粗ポリマー15gを10Lの水で溶解し、固形分濃度が0.2質量%のポリマー溶液を調製した後、分画分子量10000MWCOのザルトリウス社製の「ビバフロー200」限外濾過ユニットを用い、固形分濃度が3%となるまで処理し、導電性ポリマー(C−1)溶液を得た。
前記導電性ポリマー(C−1)溶液を、スピンコーターを用いてガラス基板上に塗布し、ホットプレート上で120℃、10分間加熱乾燥し、さらに180℃、60分間加熱処理を行い、導電体を形成した。
得られた導電体の導電率を表1に示す。
<導電性ポリマー(C−1)>
ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolを25gの水に攪拌溶解し、酸化剤溶液を調製した。
別途、3−アミノフェニルメタンスルホン酸14.0g(75mmol)と2−アミノアニソール−4−スルホン酸5.1g(25mmol)の混合物を、4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した。
続いて、酸化剤溶液を−5℃に冷却しながら、酸化剤溶液中にモノマー溶液を滴下した。
滴下終了後、撹拌下2時間冷却を保持したのち、得られた黒色の沈殿(反応生成物)を冷却下で減圧濾過装置にて濾別し、メチルアルコールにて洗浄後乾燥し、粗ポリマーを得た。
得られた粗ポリマー15gを10Lの水で溶解し、固形分濃度が0.2質量%のポリマー溶液を調製した後、分画分子量10000MWCOのザルトリウス社製の「ビバフロー200」限外濾過ユニットを用い、固形分濃度が3%となるまで処理し、導電性ポリマー(C−1)溶液を得た。
前記導電性ポリマー(C−1)溶液を、スピンコーターを用いてガラス基板上に塗布し、ホットプレート上で120℃、10分間加熱乾燥し、さらに180℃、60分間加熱処理を行い、導電体を形成した。
得られた導電体の導電率を表1に示す。
[実施例2]
<導電性ポリマー(C−2)>
3−アミノフェニルメタンスルホン酸9.4g(50mmol)と2−アミノアニソール−4−スルホン酸10.2g(50mmol)の混合物を、4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した以外は、実施例1と同様に重合、濾別、精製、評価を行った。
得られた導電体の導電率を表1に示す。
<導電性ポリマー(C−2)>
3−アミノフェニルメタンスルホン酸9.4g(50mmol)と2−アミノアニソール−4−スルホン酸10.2g(50mmol)の混合物を、4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した以外は、実施例1と同様に重合、濾別、精製、評価を行った。
得られた導電体の導電率を表1に示す。
[実施例3]
<導電性ポリマー(C−3)>
3−アミノフェニルメタンスルホン酸4.7g(25mmol)と2−アミノアニソール−4−スルホン酸15.2g(75mmol)の混合物を、4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した以外は、実施例1と同様に重合、濾別、精製、評価を行った。
得られた導電体の導電率を表1に示す。
<導電性ポリマー(C−3)>
3−アミノフェニルメタンスルホン酸4.7g(25mmol)と2−アミノアニソール−4−スルホン酸15.2g(75mmol)の混合物を、4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した以外は、実施例1と同様に重合、濾別、精製、評価を行った。
得られた導電体の導電率を表1に示す。
[比較例1]
3−アミノフェニルメタンスルホン酸18.7g(100mmol)を、4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した。
滴下終了後、撹拌下2時間冷却を保持したが、黒色の沈殿(反応生成物)は得られなかった。
3−アミノフェニルメタンスルホン酸18.7g(100mmol)を、4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した。
滴下終了後、撹拌下2時間冷却を保持したが、黒色の沈殿(反応生成物)は得られなかった。
[比較例2]
2−アミノアニソール−4−スルホン酸20.3g(100mmol)を、4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した以外は、実施例1と同様に重合、濾別、精製、評価を行った。
得られた導電体の導電率を表1に示す。
2−アミノアニソール−4−スルホン酸20.3g(100mmol)を、4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した以外は、実施例1と同様に重合、濾別、精製、評価を行った。
得られた導電体の導電率を表1に示す。
[比較例3]
3−アミノ−4−メトキシフェニルメタンスルホン酸21.7g(100mmol)を4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した以外は、実施例1と同様に重合、濾別、精製、評価を行った。
得られた導電体の導電率を表1に示す。
3−アミノ−4−メトキシフェニルメタンスルホン酸21.7g(100mmol)を4mol/Lのトリエチルアミン水溶液(水:アセトニトリル=3:7)25gに溶解し、モノマー溶液を調製した以外は、実施例1と同様に重合、濾別、精製、評価を行った。
得られた導電体の導電率を表1に示す。
表1より、アニリン誘導体(i)及びアニリン誘導体(ii)の共重合体である導電性ポリマー(C−1)〜(C−3)を用いた実施例1〜3は、ホモポリマーの比較例1〜3と比べ、180℃×60分加熱後も導電性が維持されおり、良好な耐熱性を示した。
以上より、本発明により、特定構造のアニリン誘導体を共重合することによって、添加剤を加えることなく、耐熱性に優れた導電性ポリマーを提供することができる。
以上より、本発明により、特定構造のアニリン誘導体を共重合することによって、添加剤を加えることなく、耐熱性に優れた導電性ポリマーを提供することができる。
本発明の導電性ポリマー及び/又は導電体は、各種帯電防止剤、機能性ポリマーコンデンサの固体電解質及びその添加剤、機能性ポリマーコンデンサの電解質形成時のプライマー、機能性ポリマーコンデンサのカーボン層の添加剤、電気二重層キャパシタ、スーパーキャパシター、各種電池の電極及びその補助剤、高分子電解質、高分子電解質膜及びそれを用いた燃料電池、電極層、触媒層、ガス拡散層、ガス拡散電極層、セパレーター等の部材、EMIシールド、化学センサー、表示素子、非線形材料、防食剤、接着剤、繊維、紡糸用材料、帯電防止塗料、防食塗料、電着塗料、メッキプライマー、静電塗装用導電性プライマー、電気防食、電池の蓄電能力、半導体、電器電子部品等の工業用包装材料、半導体製造のクリーンルーム等で使用される透明導電性樹脂板、オーバーヘッドプロジェクター用フィルム、電子写真記録材料等向けのスライドフィルム等の帯電防止フィルム、透明導電性フィルム、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータ用テープ、フロッピィディスク等の磁気記録用帯電防止テープ、ウール、ナイロン等の酸性可染性繊維の帯電防止剤、液晶ディスプレイ偏向板の帯電防止剤、偏向版プロテクトフィルムの帯電防止剤、電子部品の剥離フィルムの帯電防止剤、電子デバイスのLSI配線、透明タッチパネル、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの入力又は表示デバイス表面のディスプレイ保護板、前面板、帯電防止材、透明電極、透明電極フィルム又は有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する発光材料、バッファ材料、電子輸送材料、正孔輸送材料及び蛍光材料、熱転写シート、転写シート、熱転写受像シート並びに受像シート、有機薄膜太陽電池の透明電極、色素増感太陽電池の対極及びその補助剤、リチウムイオン電池の正、負電極材料及びその補助剤、カーボン材料の分散性向上剤等に適応可能である。
さらに、本発明の方法で得られるポリマーは導電性の湿度依存性がなく、透明性が高く、しかも延伸加工や成形加工、エンボス加工等が可能なため、各種帯電防止用途への適合性が優れている。
さらに、本発明の方法で得られるポリマーは導電性の湿度依存性がなく、透明性が高く、しかも延伸加工や成形加工、エンボス加工等が可能なため、各種帯電防止用途への適合性が優れている。
Claims (6)
- アルキルスルホン酸を置換基として有するアニリン誘導体(i)から構成される単量体単位と、
前記アニリン誘導体(i)以外の酸性基を置換基として有するアニリン誘導体(ii)から構成される単量体単位とを含む、導電性ポリマー。 - 前記アニリン誘導体(i)が下記一般式(1)で表される、請求項1記載の導電性ポリマー。
式(1)中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基若しくはその塩、水酸基、ニトロ基又はハロゲン原子よりなる群から選ばれ、Aは酸性基又はその塩であり、nは1〜20の整数である。 - 前記アニリン誘導体(ii)が下記一般式(2)で表される、請求項1又は2記載の導電性ポリマー。
式(2)中、R5〜R9はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基、水酸基、ニトロ基又はハロゲンからなる群から選ばれ、R5〜R9の内、少なくとも一つは酸性基である。ここで、酸性基とは、スルホン基又はカルボキシル基である。 - 下記一般式(3)で表される、請求項1〜3の何れか一項に記載の導電性ポリマー。
式(3)中、R1、R3〜R6、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、酸性基若しくはその塩、水酸基、ニトロ基又はハロゲン原子よりなる群から選ばれ、R5、R6、R8及びR9の内、少なくとも一つは酸性基であり、Aは酸性基又はその塩であり、nは1〜20の整数である。
ここで、酸性基とは、スルホン基又はカルボキシル基である。
また、xは、前記アニリン誘導体(i)の重合度を示し、yは、前記アニリン誘導体(ii)の重合度を示す。 - 前記アニリン誘導体(i)と前記アニリン誘導体(ii)とを、
前記アニリン誘導体(ii)1.0molに対して、前記アニリン誘導体(i)を1.0mol以上で共重合させる、
請求項1〜4の何れか一項に記載の導電性ポリマーの製造方法。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の導電性ポリマーからなる、導電体。
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JP2013089938A JP2014214170A (ja) | 2013-04-23 | 2013-04-23 | 導電性ポリマー、前記導電性ポリマーの製造方法及び導電体 |
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