JP2015200406A - 歯付きベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト取り付け張力(軸荷重、テンション)が低く設定されても、経時的な寸法安定性、屈曲性、耐久性を有するとともに、ベルト速度変動を抑制することができる歯付きベルトを提供する。
【解決手段】背部、歯部、及び、前記背部に埋設された心線を備える歯付ベルトであって、
前記背部及び歯部はウレタン樹脂組成物を含み、心線がガラス繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、歯部のピッチは、0.45〜0.60mm、ガラス繊維フィラメントの直径が6〜9ミクロン、心線の線径が0.14〜0.20mmであり、心線がポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、歯部のピッチは、0.45〜0.71mm、心線の線径が0.14〜0.28mmであることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、プリンター等のOA機器、その他一般産業用に用いられる、プーリ間における同期伝動が可能な歯付きベルトに関する。
従来、インクジェットプリンタに代表されるキャリッジ駆動やアクチュエーターのようなワークの往復動作を伴う精密駆動には高い位置決め精度が要求されるため、同期伝動が可能な歯付きベルトが用いられている。特に、プリンターにおいては、近年、高品質なカラー印刷やその高速処理対応の製品化が急速に進んでいる。そして、印字むら等を引き起こさないように、高精度の位置決めをするためには、かみ合い周期におけるベルト速度変動(速度むら)を小さくすることが要求されている。
ベルト速度変動(速度むら)を小さくする技術として、心線にガラス心線を用いた歯ピッチ0.65〜0.85mmの歯付きベルトが開示されている(特許文献1)。特許文献1には、細いガラス繊維を用いて細い線径に撚ったガラス心線を用いた小歯ピッチの歯付きベルトとすることにより、寸法安定性の確保と十分な屈曲対応を図るとともに、ベルト速度変動を抑えることが可能なため、小径プーリに使用できることからモータの小型化を実現でき、装置の小型・軽量化および省電力化に寄与する旨が開示されている。
ここで、プーリを小型化すると、プーリが有する歯数が少なくなり、歯付きベルトの歯とプーリの歯との噛み合いが少なくなってしまう。そうすると、歯付きベルトがプーリ間を走行する際の歯付きベルトの走行ライン(ベルトピッチライン)が上下動しやすくなり、ベルト速度変動が大きくなってしまう。そこで、歯付きベルトの歯と歯との間の距離である歯ピッチを小さくして、歯付きベルトの歯とプーリの歯との噛み合いを多くすることが求められる。
特開2011−133022号公報 特開2002−98202号公報 特開2002−349636号公報
また、最近はニーズの多様化により、更なる装置の小型・軽量化および省電力化の要求があり、更に小型のモータ(例えば、プリンターキャリッジ用駆動モータ)に対して用いることができる歯付きベルトが要求されるようになってきている。
上記のように駆動モータの小型化・省電力化の要求に伴い、駆動モータに低出力のタイプが使用される場合がある。ここで、低出力の駆動モータ軸に駆動プーリを付けて、駆動プーリと従動プーリとの間に歯付きベルトを巻き掛ける際のベルト取り付け張力(軸荷重、テンション)を高くすると、駆動モータの初動トルクが増大したり、軸荷重が増大したりしてしまうため、低出力の駆動モータを使用する際には不都合である。このため、駆動プーリ・従動プーリに対する小径プーリの採用とともに、更にベルト取り付け張力(軸荷重、テンション)を低く設定する必要がある。なお、特許文献1においては、小径プーリへの対応の記載はあっても、駆動モータの小型化・低出力化によるベルト取り付け張力(軸荷重、テンション)に対する記載はない。
一方、ベルト取り付け張力(軸荷重、テンション)を低くすると、歯付きベルトとプーリの歯との噛み合い具合が弱くなり、ベルト速度変動が大きくなる場合がある。
この点、特許文献2に開示されているように、ベルト歯部のプーリ歯溝部へのかみ合いがスムーズに為されないとき、即ち、ベルト歯部とプーリ歯溝部とが完全なかみ合い位置に到達するより前に、ベルト歯先部がプーリ歯側面部に接触してしまうような場合、かみ合いに際しベルトピッチラインの押し上げを伴い、ベルトピッチラインの上下動をきたす。ベルトピッチラインの上下動は、そのまま、かみ合いによる速度むら、即ち、かみ合い周期におけるベルト速度変動に直結する。これにより、ベルト歯部とプーリ歯溝部とのかみ合い時の干渉を有効に抑制して、かみ合いがスムーズとなる歯形状の最適な設計により、ベルト速度変動を一定程度抑制することが知られている。
また、ベルト速度変動の要因であるベルトピッチラインの上下動は、主にベルトの心線の仕様に基づくベルトの寸法安定性やベルトの屈曲性の良し悪しに左右される。ベルトの寸法安定性の良否はベルトのかみ合い精度の良否に直結し、かみ合いによるベルト速度変動に直結する。そこで、心線の弾性率が高く、吸湿等による経時的な寸法変化が少ない材質からなる心線を選定する必要がある。また、ベルトの屈曲性は、ベルトをプーリに巻きかけた際のベルトのしなやかさのことであり、まず、心線自体がしなやかか否か、即ち、心線の材質や、繊維及び心線の線径、撚り等心線の構成に左右され、さらに、ベルトの厚み方向の寸法、特には背厚の大小にも左右される。背厚の設定に関しては、ウレタン樹脂製歯付きベルト、特に小歯ピッチのものの場合は、(注型法による)製造上の観点(注型の容易性)と材料コスト上の観点(薄肉ほど有利)とを両立し得る、必要最小限の厚みに設定される。このため、ベルトの寸法安定性やベルトの屈曲性を高めることができれば、ベルト取り付け張力が低い場合でも、より小径のプーリにベルトをピッチずれすることなくスムーズに巻きかけ易くなるため、ベルトピッチラインの上下動を抑制でき、かみ合いによるベルト速度変動を小さくすることができる。
この点、特許文献3には、心線としてポリアリレート繊維コードを使用することで、高強度・高モジュラスであるとともに、経時的な寸法安定性を確保しつつ、屈曲性(ひいては、耐久性)に優れ、モータへの負荷(起動トルク)も抑制でき、特に高精密機器の動力伝動に用いるのに有効な歯付ベルトが開示されている。もっとも、ベルト速度変動に着目した記載は見当たらない。
そこで、本発明は、ベルト取り付け張力(軸荷重、テンション)が低く設定されても(低張力時においても)、経時的な寸法安定性、屈曲性、耐久性を有するとともに、ベルト速度変動を抑制することができる歯付きベルトを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための発明の一つは、背部、歯部、及び、前記背部に埋設された心線を備える歯付ベルトであって、
前記背部及び歯部はウレタン樹脂組成物を含み、
前記心線は、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコード、又は、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードであり、
前記心線が、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、
前記歯部のピッチは、0.45〜0.60mm、
前記ガラス繊維フィラメントの直径が6〜9ミクロン、
前記心線の線径が0.14〜0.20mmであり、
前記心線が、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、
前記歯部のピッチは、0.45〜0.71mm、
前記心線の線径が0.14〜0.28mmである、
ことを特徴としている。
上記構成によれば、心線が、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、歯部のピッチを0.45〜0.60mmに設定しているため歯付きベルトの歯数を、歯部のピッチが0.60mmよりも大きいものに比べて増やすことができ、小径のプーリに歯付きベルトを巻き掛けた際、歯付きベルトの歯とプーリの歯との噛み合いから生じる多角形状を、より円形に近づけることができる。これにより、歯付きベルトがプーリ間を走行する際の歯付きベルトの走行ライン(ベルトピッチライン)の上下動を抑制し、歯付きベルトの走行時におけるベルト速度変動(速度むら)を小さくすることができる。
また、心線を、ガラス繊維フィラメント群(フィラメントの直径が6〜9ミクロン)からなる、線径0.14〜0.20mmの撚りコードにすることにより、線径0.20mmよりも大きいものに比べて歯付きベルトの屈曲性を高めることができる。これにより、歯付きベルトを、より小径のプーリ間に低張力で巻き掛けることができる。
加えて、心線の線径を小さくしているため、歯付きベルトの背部を薄くすることが可能となる。これによっても、歯付きベルトの屈曲性を高めることができる。
また、心線にガラス繊維フィラメント群を使用することにより、経時的・環境的な歯付きベルトの寸法安定性を確保することができる。
そして、歯付きベルトの寸法安定性・屈曲性を高めることにより、小径のプーリ間に歯付きベルトを低張力で巻き掛けた場合でも、歯付きベルトの走行時におけるベルト速度変動を小さくすることができる。
また、心線が、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、歯部のピッチを0.45〜0.71mmに設定しているため歯付きベルトの歯数を、歯部のピッチが0.71mmよりも大きいものに比べて増やすことができ、小径のプーリに歯付きベルトを巻き掛けた際、歯付きベルトの歯とプーリの歯との噛み合いから生じる多角形状を、より円形に近づけることができる。これにより、歯付きベルトがプーリ間を走行する際の歯付きベルトの走行ライン(ベルトピッチライン)の上下動を抑制し、歯付きベルトの走行時におけるベルト速度変動(速度むら)を小さくすることができる。
また、心線を、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる、線径0.14〜0.28mmの撚りコードにすることにより、線径0.28mmよりも大きいものに比べて歯付きベルトの屈曲性を高めることができる。これにより、歯付きベルトを、より小径のプーリ間に低張力で巻き掛けることができる。
加えて、心線の線径を小さくしているため、歯付きベルトの背部を薄くすることが可能となる。これによっても、歯付きベルトの屈曲性を高めることができる。
また、心線にポリアリレート繊維フィラメント群を使用することにより、経時的・環境的な歯付きベルトの寸法安定性を確保することができる。
そして、歯付きベルトの寸法安定性・屈曲性を高めることにより、小径のプーリ間に歯付きベルトを低張力で巻き掛けた場合でも、歯付きベルトの走行時におけるベルト速度変動を小さくすることができる。
また、歯付きベルトの寸法安定性・屈曲性を高めることにより、(駆動プーリの軸に取り付けた駆動モータの)起動トルクを低くすることができ、起動時の動力伝達性を高めることができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、上記歯付きベルトは、ベルト張力によってプーリ間に巻き掛けられた際の当該プーリの軸にかかる荷重である軸荷重が、5〜15Nとなる条件で使用されることを特徴としている。
上記構成によれば、歯付きベルトがベルト張力によってプーリ間に巻き掛けられた際の軸荷重が、比較的低い5〜15Nに設定されることにより、プーリの軸に対する負担を低減することができる。プーリの軸に対する負担を低減することができれば、例えば、プーリに取り付ける駆動モータに低出力・小型のタイプのものを使用することができるため、駆動モータの小型化・省電力化が可能となる。
また、軸荷重を、比較的低い5〜15Nに設定しているため、歯付きベルトの耐久性(寿命)も高めることができる。
なお、軸荷重が、5〜15Nで使用される理由としては下記理由が挙げられる。
まず、軸荷重が5N未満ではベルト張力が弱すぎて、歯付きベルトをプーリ間に掛架できず、プーリ間における同期伝動性能を十分に発揮できない。一方、15Nは、低出力・小型タイプのモータを装置の駆動用に採用し得る軸荷重の最大値とされ、軸荷重が15Nより大きいと、低出力・小型タイプのモータ軸に過剰な負荷がかかり、モータのトルク性能を十分に発揮できない。
ベルト取り付け張力(軸荷重、テンション)が低く設定されても、経時的な寸法安定性、屈曲性、耐久性を有するとともに、ベルト速度変動を抑制することができる歯付きベルトを提供することができる。
第1実施形態に係る歯付きベルトの概略説明図である。 第1実施形態に係る歯付きベルトの断面斜視図及び側面図である。 速度変動率試験の説明図である。 耐久走行試験の説明図である。 速度変動率試験における軸荷重とベルト速度変動率との関係を示すグラフである。 速度変動率試験における歯ピッチとベルト速度変動率との関係を示すグラフである。 第1実施例の実施例4に係る歯付きベルトにおける、経過日数と軸間距離変化率との関係を示すグラフである。 第1実施例の比較例7及び実施例4に係る歯付きベルトに関して、軸荷重と起動トルクとの関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る歯付きベルトの概略説明図である。 第2実施形態に係る歯付きベルトの断面斜視図及び側面図である。 速度変動率試験の説明図である。 耐久走行試験の説明図である。 速度変動率試験における軸荷重とベルト速度変動率との関係を示すグラフである。 速度変動率試験における歯ピッチとベルト速度変動率との関係を示すグラフである。 第2実施例の比較例1及び実施例3に係る歯付きベルトにおける、経過日数と軸間距離変化率との関係を示すグラフである。 第2実施例のベルト屈曲性試験における、軸荷重と起動トルクとの関係を示すグラフである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面に従って説明する。図1及び図2に本発明に係る歯付きベルト1を示す。
第1実施形態に係る歯付きベルト1は、図1に示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に巻き掛けられて使用される。これにより、駆動プーリ5と従動プーリ6との間で同期伝動が可能となる。
歯付きベルト1は、ベルト長手方向に沿って複数の歯部2と、歯付きベルト1のベルトピッチライン上に補強用心体である心線3と、該心線3を埋設した背部4からなる。また、図2に示す歯部2と歯部2との間の距離である歯ピッチは、0.45〜0.60mmになるように構成されている。歯部2の形状としては丸歯形状としているが、これに限られず、断面台形状や断面三角形状等から任意に選択できる。
歯付きベルト1の歯部2及び背部4は、ウレタン樹脂組成物からなる。ウレタン樹脂組成物は、液状のウレタン原料を注型、加熱することによって得られるが、一般に成形方法としては、ポリオール、触媒、鎖延長剤、顔料等を混合したプレミックス液と、イソシアネート成分を含有する溶液とを混合し、これを注型して硬化反応させるワンショット法と、予めイソシアネートとポリオールを反応させて、イソシアネートの一部をポリオールで変性したプレポリマーと硬化剤を混合して注型し、架橋反応させるプレポリマー法があるが、本発明ではプレポリマー法が好ましく用いられる。
イソシアネートとしては限定されるものではないが、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、またそれらの変性体が使用可能である。具体的には、トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)そしてイソホロンジイソシアネート(IPDI)などが例示できるが、中でもTDI及びMDIが好ましく用いられる。
ポリオールとしては、エステル系ポリオール、エーテル系ポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、及びこれらの混合ポリオール等が挙げられる。エーテル系ポリオールとしては、ポリエチレンエーテルグリコール(PEG)、ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などがあり、またエステル系ポリオールとしては、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHA)、ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)などが例示できる。
硬化剤としては、1級アミン、2級アミン、3級アミンであるアミン化合物が用いられ、具体的には1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、1,5−ナフタレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン(以下MOCAと記す)、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル3,5´−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、4−4´−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4´−メチレン−ビス−(オルト−クロロアニリン)、4,4´−メチレン−ビス―(2,3−ジクロロアニリン)、トリメチレングリコールジ−パラ−アミノベンゾエート、4,4´−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4´−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4´−メチレン−ビス−(2−メチル−6−イソプロピルアニリン)、4,4´−ジアミノジフェニルスルホンなどが利用できる。
上記各成分以外の他に、可塑剤、顔料、消泡剤、充填材、触媒、安定剤等の添加剤を配合することができる。可塑剤としては、一般にはフタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、リン酸トリクレジル(TCP)、塩素系パラフィン、フタル酸ジアルキルなどが利用できる。
また触媒としては、酸触媒である有機カルボン酸化合物が利用され、具体的にはアゼライン酸、オレイン酸、セバシン酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸などの芳香族カルボン酸が用いられる。その他に、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミンに代表されるアミン化合物、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンマーカプチドに代表される有機金属化合物が適宜用いられる。
次に、ウレタン原料の準備工程の例を記す。前記イソシアネートとポリオールと予め反応させたウレタンプレポリマーに必要に応じて消泡剤、可塑剤を配合したA液を調整し、50〜85℃にて保管する。また、硬化剤を120°C以上の雰囲気温度下にて完全に溶解させたB液を準備する。尚、触媒をウレタン原料に配合する場合はB液に予め攪拌混合しておくことが好ましい。
ベルト成形方法としては従来の製造方法が適用できる。すなわち、金型に心線をスパイラルに巻きつけた状態で、上記A液、B液を攪拌混合して金型内に注入し、一定条件下で加熱して架橋させることによってベルトスリーブを作製し、その後所定幅にカットすることによって歯付きベルトを製造することができる。
心線3は、ガラス繊維フィラメント群を撚り合わせた撚りコードであり、直径6〜9ミクロン(フィラメント径)のガラス繊維フィラメントを、例えば約200本を束ねて引き揃えたストランド(原糸)に、ウレタン浸漬処理を行なった後、所定回数の撚りを与えて、線径が0.14〜0.20mmになるように調整している。例えば、直径6〜9ミクロンのガラス繊維フィラメント約200本を束ねて引き揃えたストランドに、ウレタン浸漬処理を行なった後、撚り数17回/10cmの撚りを与えて、線径0.17mmの撚りコードにするなど、適宜、撚り数を調整して、心線3の線径が0.14〜0.20mmになるように調整している。
第1実施例
次に、本発明の第1の実施形態に係る構成を具備する歯付きベルト1を第1実施例として、本発明の第1の実施形態に係る構成を具備しない歯付きベルト1を比較例として、1.速度変動率試験、2.耐久走行試験、3.ベルト寸法安定性試験、4.ベルト屈曲性試験を行った。
第1実施例の各試験で使用する歯付きベルト1は、ポリウレタン組成物(配合A:NCO含有率4.1%のウレタンプレポリマー100質量部、アミン系硬化剤(MOCA)約12質量部、可塑剤(フタル酸ジアルキル)約20質量部、触媒(アゼライン酸)0.2質量部)によって構成した。この配合Aは、心線3に対する接着性の観点からも好適である。また、心線3は、ガラス繊維フィラメント群を撚り合わせた撚りコードであり、ガラス繊維フィラメント約200本を束ねて引き揃えたストランド(原糸)に、ウレタン浸漬処理を行なった後、所定回数の撚りを与えて、所定の心線径にした(表1参照)。また、歯付きベルト1は上述した方法により製造した。
そして、上記歯付きベルト1に対して、各試験によって条件(歯ピッチの長さ、心線径、フィラメント径等)を変えて作成した実施例及び比較例に係る歯付きベルトを用いて各試験を行った。なお、実施例1〜6、及び、比較例1〜9に係る歯付きベルトの構成条件を表1に示す。
また、1.速度変動率試験、2.耐久走行試験、3.ベルト寸法安定性試験、及び、4.ベルト屈曲性試験の試験結果を表1にまとめて記載している。また、一部の実施例及び比較例に関しては、1.速度変動率試験の試験結果を表2及び表3に、2.耐久走行試験の試験結果を表4に、3.ベルト寸法安定性試験の試験結果を表5に、4.ベルト屈曲性試験の試験結果を表6及び表7に示し、詳細に比較検討した。


(1.速度変動率試験)
速度変動率試験では、図3に示す二軸レイアウトにて歯付きベルト1を走行させたときの速度むらをレーザードップラ計にて測定し、周波数分析により、かみ合い1次周波数でのベルト速度変動率(%)を求めた。
具体的には、図3で示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に歯付きベルト1を掛架し(駆動プーリ5及び従動プーリ6は、歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径が同じ歯付きプーリである)、歯付きベルト1に所定の張力を付与するために、従動プーリ6を移動させ、所定の軸荷重(本試験では、5N、10N、15N、20N)を与え固定した。次に、駆動プーリ5を1200rpmにて回転させた。そして、軸荷重が所定の数値で安定した後、レーザードップラ計にて歯付きベルト1の速度むらを測定して、ベルト速度変動率(%)を算出した。
なお、レーザードップラ計は、レーザー光のドップラー効果を利用した非接触タイプの測定器である。また、ベルト張力によってプーリ間(駆動プーリ5と従動プーリ6)に巻き掛けられた際のプーリ(従動プーリ6、なお、駆動プーリ5でもよい)の軸にかかる荷重を軸荷重とした。また、ベルト速度変動率(単に、速度変動率と呼ぶこともある)は、平均的な回転速度V0に対する回転速度の変動量ΔVの百分率として次式によって定義されている。
ベルト速度変動率=(ΔV/V0)×100(%)
速度変動率試験では、表2に示すように実施例4、実施例6、比較例1、比較例7、比較例8、及び、比較例9の歯付きベルトに対して、軸荷重を5N、10N、15N、20Nに設定した場合のベルト速度変動率を算出し、評価した。また、評価基準としては、ベルト速度変動率が0.40%以下である場合を良好(〇)とし、0.40%を超えた場合を不可(×)とした。ここで、評価基準として、ベルト速度変動率が0.40%以下である場合を良好と判断しているのは、低出力・小型タイプのモータの使用を前提としたプリンターキャリッジ駆動等に歯付きベルトを使用する際に、ベルト速度変動率が0.40%以下である場合に、プリンターキャリッジ駆動に関して高精度な位置決めを担保でき、印字むらを引き起こさないからである。表2に速度変動率試験の結果をまとめた表を示す。また、図5に速度変動率試験における実施例及び比較例に係る歯付きベルトの軸荷重とベルト速度変動率との関係をグラフ化した図を示す。
上記速度変動率試験によれば、実施例4、実施例6、比較例1、比較例7、比較例8、及び、比較例9の試験結果において、歯付きベルトの走行時の軸荷重が減少するほど、ベルト速度変動率は増加したことが分かる(図5参照)。
そして、表2及び図5に示すように、歯ピッチを、0.400mm(比較例1)、0.508mm(実施例4)、0.600mm(実施例6)に設定した場合には、軸荷重を5N、10N、15N、20Nのいずれの値に設定した場合でも、ベルト速度変動率は0.40%以下となり、評価は良好(〇)であった。一方、歯ピッチを、0.706mm(比較例7)、0.800mm(比較例8)、0.850mm(比較例9)に設定した場合には、軸荷重を5N、10N、15N、20Nのいずれの値に設定した場合でも、ベルト速度変動率は0.40%超えとなり、評価は不可(×)であった。
また、速度変動率試験では、表1に示すように、比較例1〜9及び実施例1〜6の歯付きベルトに対して、軸荷重を5Nに設定した場合のベルト速度変動率を算出し、評価した。なお、表3に、比較例1、実施例1、実施例4、実施例6、比較例6、比較例7、比較例8、及び、比較例9の歯付きベルトに対して、軸荷重を5Nに設定した場合のベルト速度変動率を算出し、評価した結果を記載している。また、図6に、表3における実施例及び比較例に係る歯付きベルトの歯ピッチとベルト速度変動率との関係をグラフ化した図として示す。
表3及び図6の速度変動率試験によれば、歯ピッチが小さくなるほど、ベルト速度変動率は減少した。そして、歯ピッチを、0.400mm(比較例1)、0.450(実施例1)、0.508mm(実施例4)、0.600mm(実施例6)に設定した場合には、ベルト速度変動率は0.40%以下となり、評価は良好(〇)であった。
上記速度変動率試験より、歯ピッチを少なくとも0.400mm〜0.600mmの範囲に設定することにより、軸荷重を5N〜20Nにした場合でも、ベルト速度変動率が0.40%以下となり、評価を良好(〇)とすることができた。
ここで、軸荷重が5N未満ではベルト張力が弱すぎて、歯付きベルト1をプーリ間に掛架できず、プーリ間における同期伝動性能を十分に発揮できない。一方、15Nは、低出力・小型タイプのモータを装置の駆動用に採用し得る軸荷重の最大値とされ、軸荷重が15Nより大きいと、低出力・小型タイプのモータ軸に過剰な負荷がかかり、モータのトルク性能を十分に発揮できない。
従って、実施例の歯付きベルト1は、軸荷重を5N〜15Nにした場合であっても、ベルト速度変動率の評価を良好(〇)とすることができたことにより、例えば、駆動プーリ5に取り付ける駆動モータに、低出力・小型タイプのものを採用しやすいというメリットが生じる。
なお、歯ピッチを0.400mm(比較例1)にした場合、ベルト速度変動率の評価は良好(〇)であるが、後述する耐久走行試験では、歯元クラックが生じてしまうため、総合判定は不可(×)となる。
(2.耐久走行試験)
耐久走行試験では、図4に示す二軸レイアウトにて歯付きベルト1にプリンターキャリッジ等を想定したワーク(錘)を装着し、歯付きベルト1の往復動作を繰り返し、歯付きベルト1の機能特性(歯欠け・歯元クラック・摩耗・切断などの有無、ベルト張力強さの残存率)を評価した。
具体的には、図4で示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に、350gのワーク(錘)を装着した歯付きベルト1を掛架し、歯付きベルト1に所定の張力を付与するために、従動プーリ6を移動させ、15Nの軸荷重を与え固定した。次に、駆動プーリ5を600rpmにて回転させ、ワーク移動距離が140mmに達したところで、駆動プーリ5を600rpmで逆回転させることによりワークを装着した歯付きベルト1を往復動作させた。そして、この往復動作を100万回(200万パス)行い、歯付きベルト1の機能特性(歯欠け・歯元クラック・摩耗・切断などの有無、ベルト引張強さの残存率)を評価した。なお、使用する駆動プーリ5の歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径は表4に記載している。また、従動プーリ6は、平プーリ(φ10mm)を使用した。
耐久走行試験では、表1に示すように、比較例1〜9及び実施例1〜6の歯付きベルトに対して試験を行った。表4に、比較例2(心線径0.12mm)、実施例2(心線径0.14mm)、実施例4(心線径0.17mm)、実施例5(心線径0.20mm)、比較例5(心線径0.22mm)の歯付きベルトに対して行った耐久走行試験の試験結果を示す。評価基準としては、歯付きベルトに歯欠け・歯元クラック・異常な摩耗・切断などが有れば、不可(×)とし、更に、歯付きベルトに歯欠け・歯元クラック・異常な摩耗・切断などがない場合において、ベルト引張強さの残存率(耐久走行試験前の歯付きベルトに対する残存率)を測定し、85%以上であれば最良好(◎)と評価し、80%以上85%未満であれば良好(〇)と評価し、80%未満であれば、不可(×)と評価した。
上記耐久走行試験によれば、実施例2(心線径0.14mm)、実施例4(心線径0.17mm)、実施例5(心線径0.20mm)では、評価が最良好(◎)となった。一方、比較例2(心線径0.12mm)では、歯付きベルト1が切断してしまい、耐久性が劣る結果(×)になった。また、比較例5(心線径0.22mm)では、歯付きベルト1のベルト引張強さの残存率が69.4%となり、心線の屈曲疲労が大きくなってしまい、評価は不可(×)になった。
上記より、ガラス心線の線径は、少なくとも0.14mm〜0.20mmの範囲にあれば、歯ピッチを比較的小さくした場合でも耐久性を担保することができることが分かる。
また、表1に示すように、心線を構成するガラス繊維フィラメントのフィラメント径を、比較例3(5μm)、実施例3(6μm)、実施例4(9μm)、比較例4(10μm)にそれぞれ設定した場合、実施例3(6μm)、実施例4(9μm)では、耐久走行試験の評価は最良好(◎)であった。一方、比較例3(5μm)では、歯欠けの状態となり耐久性が劣る結果(×)になった。また、比較例4(10μm)では、歯付きベルト1のベルト引張強さの残存率が75.6%となり、心線の屈曲疲労が大きくなってしまい、評価は不可(×)になった。
上記より、心線を構成するガラス繊維フィラメントのフィラメント径(直径)は、少なくとも6〜9ミクロンの範囲にあれば、歯付きベルト1の耐久性を担保することができることが分かる。
また、表1に示すように、比較例1(歯ピッチ:0.400mm)の歯付きベルト1に対する耐久走行試験では、歯元クラックが発生し、耐久性が劣る評価(×)となった。これは、歯ピッチが小さくなり過ぎると、プーリの歯と歯付きベルトの歯とのかみ合い負荷に対する、歯部の一つあたりに必要とされる剛性を確保することができなくなったからだと推察される。
(3.ベルト寸法安定性試験)
ベルト寸法安定性試験では、比較例1〜9及び実施例1〜6の歯付きベルトを室温40℃、湿度90%の環境下でフリーの状態で保管し、経過日数とベルトの寸法変化率を測定した。
具体的な寸法変化率の測定としては、保管時と同一環境下で2個の歯付きプーリに歯付きベルト1を掛架し、軸荷重12Nを与えてプーリの軸間距離を測定し、当初のプーリの軸間距離と比較した軸間距離変化率を測定した。また、評価基準としては、経過日数10日で軸間距離変化率(絶対値)が0.02%以下である場合を良好(〇)とし、0.02%を超えた場合を不可(×)とした。表5に実施例4に係る歯付きベルト1のベルト寸法安定性試験結果を示す。また、図7に実施例4に係る歯付きベルト1における、経過日数と軸間距離変化率との関係を示す。
上記ベルト寸法安定性試験より、比較例1〜9及び実施例1〜6のいずれの歯付きベルト1においても、経過日数10日での軸間距離変化率(絶対値)が0.02%以下であり良好(〇)と評価された。これにより、歯付きベルト1に、線径が0.14〜0.20mmの比較的細径の心線3を採用した場合でも、軸間距離変化率にほとんど変化がなく、歯付きベルト1の寸法安定性は十分に確保されていたことが分かる。
(4.ベルト屈曲性試験)
ベルト屈曲性試験では、歯付きベルト1の屈曲性、及び、起動のし易さ(起動時の動力伝達性)、の代用試験として起動トルクを測定した。
具体的には、図3で示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に歯付きベルト1を掛架し(駆動プーリ5及び従動プーリ6は、歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径が同じ歯付きプーリである)、歯付きベルト1に所定の張力を付与するために、従動プーリ6を移動させ、歯付きベルト1に所定の軸荷重(本試験では、5N、10N、20N、30N)を与えた。その後、駆動プーリ5に糸を巻き掛け、糸の先端に装着したロードセルを引っ張った。この時、従動プーリ6が回転を始める時のトルク値(起動トルクN・m)を測定した。また、評価基準としては、軸荷重が10N時における比較例7の起動トルクの水準と比較し、同等の場合は評価を可(△)とし、この水準より低い場合には良好(○)と評価した。表6に、比較例7及び実施例4に係る歯付きベルトに関して、軸荷重を5N、10N、20N、30Nにした場合の起動トルクを測定した結果を示す。また、表7に、比較例7及び実施例4に係る歯付きベルトに関して、ベルト構成、軸荷重を10Nにした場合の起動トルク、及び評価をまとめた表を示す。また、図8に、比較例7及び実施例4に係る歯付きベルトに関して、軸荷重と起動トルクとの関係をグラフ化した図を示す。
表6、表7及び図8に示すように、実施例4(心線径0.17mm)と比較例7(心線径0.24mm)を比較すると、歯付きベルト1に、比較的細径の心線3を採用した方が、起動トルクは低かったことが分かる。ここで、歯付きベルト1の起動トルクが低い場合、歯付きベルト1の屈曲性が高い、つまりは、起動トルクが低い歯付きベルト1は、起動時の動力伝達性能に優れるということが分かる。従って、心線3が細径の方が、歯付きベルト1の屈曲性が高く、しなやかで起動時の動力伝達性能に優れるということが分かる。
また、歯付きベルト1の屈曲性が高いと、軸荷重を5N〜15N(低張力)にした場合であっても、起動トルクは低くなる傾向にあった。
従って、屈曲性に優れ、起動トルクが低いベルトは、(駆動プーリ5の軸に取り付けた駆動モータを)起動し易く、起動時の動力伝達性に優れるとともに、より小型で低出力の駆動モータの採用、ひいては、駆動モータの小型・軽量化、省電力化に貢献することができる。
(総合判定)
上記1.速度変動率試験、2.耐久走行試験、3.ベルト寸法安定性試験、及び、4.ベルト屈曲性試験の結果、速度変動率試験でのベルト速度変動率の評価を良好(〇)とし、耐久走行試験での評価を最良好(◎)とし、ベルト寸法安定性試験の結果を良好(○)とし、ベルト屈曲性試験で良好(○)と評価された歯付きベルト1の条件をまとめると、歯部と歯部との間のピッチは0.45〜0.60mmであり、心線3は、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコードとして、フィラメントの直径が6〜9ミクロン、心線3の線径が0.14〜0.20mmであることが分かる。
上記構成によれば、歯部2と歯部2との間のピッチを0.45〜0.60mmに設定しているため歯付きベルト1の歯数を、歯部2のピッチが0.60mmよりも大きいものに比べて増やすことができ、小径のプーリに歯付きベルト1を巻き掛けた際、歯付きベルト1の歯部2とプーリの歯との噛み合いから生じる多角形状を、より円形に近づけることができる。これにより、歯付きベルト1がプーリ間を走行する際の歯付きベルト1の走行ライン(ベルトピッチライン)の上下動を抑制し、歯付きベルト1の走行時におけるベルト速度変動(速度むら)を小さくすることができる。
また、心線3を、ガラス繊維フィラメント群(フィラメントの直径が6〜9ミクロン)からなる、線径0.14〜0.20mmの撚りコードにすることにより、線径0.20mmよりも大きいものに比べて歯付きベルト1の屈曲性を高めることができる。これにより、歯付きベルト1を、より小径のプーリ間に低張力で巻き掛けることができる。
加えて、心線3の線径を小さくしているため、歯付きベルト1の背部4を薄くすることが可能となる。これによっても、歯付きベルト1の屈曲性を高めることができる。
また、心線3にガラス繊維フィラメント群を使用することにより、経時的・環境的な歯付きベルト1の寸法安定性を確保することができる。
そして、歯付きベルト1の寸法安定性・屈曲性を高めることにより、小径のプーリ間に歯付きベルト1を低張力で巻き掛けた場合でも、歯付きベルト1の走行時におけるベルト速度変動を小さくすることができる。
また、歯付きベルト1がベルト張力によってプーリ間に巻き掛けられた際の軸荷重が、比較的低い5〜15Nに設定されることにより、プーリの軸に対する負担を低減することができる。プーリの軸に対する負担を低減することができれば、例えば、プーリに取り付ける駆動モータに低出力・小型のタイプのものを使用することができるため、駆動モータの小型化・省電力化が可能となる。
更に、インクジェットプリンタに代表されるキャリッジ駆動やアクチュエーターのようなワークの往復動作を伴う精密駆動に上記歯付きベルト1を使用することによりベルト速度変動(速度むら)を小さくして、印字むら等を引き起こさないように、高精度の位置決めが可能となる。また、上記歯付きベルト1は、ベルト取り付け張力(軸荷重、テンション)が低く設定されても(低張力時においても)、経時的な寸法安定性、屈曲性、耐久性を有することから、プーリに取り付ける駆動モータに低出力・小型のタイプのものを使用することができ、駆動モータの小型化・省電力化、更には、インクジェットプリンタに代表されるキャリッジ駆動装置やアクチュエーター自体の小型化・省電力化が可能となる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態を図面に従って説明する。図9及び図10に本発明に係る歯付きベルト1を示す。
第2実施形態に係る歯付きベルト1は、図9に示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に巻き掛けられて使用される。これにより、駆動プーリ5と従動プーリ6との間で同期伝動が可能となる。
歯付きベルト1は、ベルト長手方向に沿って複数の歯部2と、歯付きベルト1のベルトピッチライン上に補強用心体である心線3と、該心線3を埋設した背部4からなる。また、図10に示す歯部2と歯部2との間の距離である歯ピッチは、0.45〜0.71mmになるように構成されている。歯部2の形状としては丸歯形状としているが、これに限られず、断面台形状や断面三角形状等から任意に選択できる。
歯付きベルト1の歯部2及び背部4は、ウレタン樹脂組成物からなる。ウレタン樹脂組成物は、液状のウレタン原料を注型、加熱することによって得られるが、一般に成形方法としては、ポリオール、触媒、鎖延長剤、顔料等を混合したプレミックス液と、イソシアネート成分を含有する溶液とを混合し、これを注型して硬化反応させるワンショット法と、予めイソシアネートとポリオールを反応させて、イソシアネートの一部をポリオールで変性したプレポリマーと硬化剤を混合して注型し、架橋反応させるプレポリマー法があるが、本発明ではプレポリマー法が好ましく用いられる。
イソシアネートとしては限定されるものではないが、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、またそれらの変性体が使用可能である。具体的には、トルエンジイソシアネート(TDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)そしてイソホロンジイソシアネート(IPDI)などが例示できるが、中でもTDI及びMDIが好ましく用いられる。
ポリオールとしては、エステル系ポリオール、エーテル系ポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、及びこれらの混合ポリオール等が挙げられる。エーテル系ポリオールとしては、ポリエチレンエーテルグリコール(PEG)、ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などがあり、またエステル系ポリオールとしては、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHA)、ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)などが例示できる。
硬化剤としては、1級アミン、2級アミン、3級アミンであるアミン化合物が用いられ、具体的には1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、1,5−ナフタレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン(以下MOCAと記す)、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル3,5´−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、4−4´−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4´−メチレン−ビス−(オルト−クロロアニリン)、4,4´−メチレン−ビス―(2,3−ジクロロアニリン)、トリメチレングリコールジ−パラ−アミノベンゾエート、4,4´−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4´−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4´−メチレン−ビス−(2−メチル−6−イソプロピルアニリン)、4,4´−ジアミノジフェニルスルホンなどが利用できる。
上記各成分以外の他に、可塑剤、顔料、消泡剤、充填材、触媒、安定剤等の添加剤を配合することができる。可塑剤としては、一般にはフタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、リン酸トリクレジル(TCP)、塩素系パラフィン、フタル酸ジアルキルなどが利用できる。
また触媒としては、酸触媒である有機カルボン酸化合物が利用され、具体的にはアゼライン酸、オレイン酸、セバシン酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸などの芳香族カルボン酸が用いられる。その他に、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミンに代表されるアミン化合物、スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンマーカプチドに代表される有機金属化合物が適宜用いられる。
次に、ウレタン原料の準備工程の例を記す。前記イソシアネートとポリオールと予め反応させたウレタンプレポリマーに必要に応じて消泡剤、可塑剤を配合したA液を調整し、50〜85℃にて保管する。また、硬化剤を120°C以上の雰囲気温度下にて完全に溶解させたB液を準備する。尚、触媒をウレタン原料に配合する場合はB液に予め攪拌混合しておくことが好ましい。
ベルト成形方法としては従来の製造方法が適用できる。すなわち、金型に心線をスパイラルに巻きつけた状態で、上記A液、B液を攪拌混合して金型内に注入し、一定条件下で加熱して架橋させることによってベルトスリーブを作製し、その後所定幅にカットすることによって歯付きベルトを製造することができる。
心線3は、ポリアリレート繊維フィラメント群を撚り合わせた撚りコードであり、例えば、繊度5.5dtexのポリアリレート繊維フィラメント(フィラメント繊度)20本を束ねて引き揃えたトータル110dtexのストランド(原糸)に、所定回数の撚りを与えて、線径が0.14〜0.28mmになるように調整している(以下、ポリアリレート心線)。例えば、繊度5.5dtexのポリアリレート繊維フィラメント20本を束ねて引き揃えたトータル110dtexのストランドに、撚り数43回/10cmの撚りを与えて、線径0.17mmの撚りコードにするなど、適宜、撚り数を調整して、心線3の線径が0.14〜0.28mmになるように調整している。なお、ポリアリレート心線は接着処理を施さなくとも良い。ポリアリレート繊維は、フタル酸またはイソフタル酸とビスフェノールを縮合した全芳香族ポリエステル繊維であって、例えばポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール等のヘテロ環剛直性高分子繊維、及びメタ系アラミド、パラ系アラミド等の全芳香族ポリエステル繊維といった剛直性繊維群に分類されるものである。一般に剛直性繊維はゴムとの接着力が低いとされているが、本発明ではベルト本体(歯部2及び背部4)をウレタン組成物で構成することで、ポリアリレート繊維コードに接着処理を施すことなく歯付きベルト1本体と心線3との複合化が可能である。
第2実施例
次に、本発明の第2の実施形態に係る構成を具備する歯付きベルト1を第2実施例として、本発明の第2の実施形態に係る構成を具備しない歯付きベルト1を比較例として、1.速度変動率試験、2.耐久走行試験、3.ベルト寸法安定性試験、4.ベルト屈曲性試験を行った。
第2実施例の各試験で使用する歯付きベルト1は、ポリウレタン組成物(配合A:NCO含有率4.1%のウレタンプレポリマー100質量部、アミン系硬化剤(MOCA)約12質量部、可塑剤(フタル酸ジアルキル)約20質量部、触媒(アゼライン酸)0.2質量部)によって構成した。また、比較例2〜6及び実施例1〜7で使用する心線3は、ポリアリレート繊維フィラメント群を撚り合わせた撚りコードであり、繊度5.5dtexのポリアリレート繊維フィラメント(フィラメント繊度)20本を束ねて引き揃えたトータル110dtexのストランド(原糸)に、所定回数の撚りを与えて、所定の心線径にした(表8参照)。また、比較例1及び比較例7で使用する心線3は、ガラス繊維フィラメント群を撚り合わせた撚りコードであり、ガラス繊維フィラメント(フィラメント径が9ミクロン)約200本を束ねて引き揃えたストランド(原糸)に、ウレタン浸漬処理を行なった後、所定回数の撚りを与えて、所定の心線径にした(例えば、撚り数17回/10cmの撚りを与えて線径0.17mmの心線径にするなど。以下、ガラス心線)。また、各比較例及び各実施例に係る歯付きベルト1は上述した方法により製造した。
そして、上記歯付きベルト1に対して、各試験によって条件(歯ピッチの長さ、心線径、心線の種類等)を変えて作成した実施例及び比較例に係る歯付きベルトを用いて各試験を行った。なお、実施例1〜7、及び、比較例1〜7に係る歯付きベルトの構成条件を表8に示す。
また、1.速度変動率試験、2.耐久走行試験、3.ベルト寸法安定性試験、及び、4.ベルト屈曲性試験の試験結果を表8にまとめて記載している。また、一部の実施例及び比較例に関しては、1.速度変動率試験の試験結果を表9及び表10に、2.耐久走行試験の試験結果を表11に、3.ベルト寸法安定性試験の試験結果を表12に、4.ベルト屈曲性試験の試験結果を表13及び表14に示し、詳細に比較検討した。


(1.速度変動率試験)
速度変動率試験では、図11に示す二軸レイアウトにて歯付きベルト1を走行させたときの速度むらをレーザードップラ計にて測定し、周波数分析により、かみ合い1次周波数でのベルト速度変動率(%)を求めた。
具体的には、図11で示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に歯付きベルト1を掛架し(駆動プーリ5及び従動プーリ6は、歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径が同じ歯付きプーリである)、歯付きベルト1に所定の張力を付与するために、従動プーリ6を移動させ、所定の軸荷重(本試験では、5N、10N、15N、20N)を与え固定した。次に、駆動プーリ5を1200rpmにて回転させた。そして、軸荷重が所定の数値で安定した後、レーザードップラ計にて歯付きベルト1の速度むらを測定して、ベルト速度変動率(%)を算出した。
なお、レーザードップラ計は、レーザー光のドップラー効果を利用した非接触タイプの測定器である。また、ベルト張力によってプーリ間(駆動プーリ5と従動プーリ6)に巻き掛けられた際のプーリ(従動プーリ6、なお、駆動プーリ5でもよい)の軸にかかる荷重を軸荷重とした。また、ベルト速度変動率(単に、速度変動率と呼ぶこともある)は、平均的な回転速度V0に対する回転速度の変動量ΔVの百分率として次式によって定義されている。
ベルト速度変動率=(ΔV/V0)×100(%)
速度変動率試験では、表9に示すように、比較例1、比較例2、実施例3、実施例4、実施例6、比較例5、及び、比較例6の歯付きベルトに対して、軸荷重を5N、10N、15N、20Nに設定した場合のベルト速度変動率を算出し、評価した。また、評価基準としては、ベルト速度変動率が0.40%以下である場合を良好(〇)とし、0.40%を超えた場合を不可(×)とした。ここで、評価基準として、ベルト速度変動率が0.40%以下である場合を良好と判断しているのは、低出力・小型タイプのモータの使用を前提としたプリンターキャリッジ駆動等に歯付きベルトを使用する際に、ベルト速度変動率が0.40%以下である場合に、プリンターキャリッジ駆動に関して高精度な位置決めを担保でき、印字むらを引き起こさないからである。表9に速度変動率試験の結果をまとめた表を示す。また、図13に速度変動率試験における実施例及び比較例に係る歯付きベルト1の軸荷重とベルト速度変動率との関係をグラフ化した図を示す。
上記速度変動率試験によれば、いずれの比較例及び実施例の試験結果においても(心線3の種類、歯ピッチの大きさに関係なく)、歯付きベルト1の走行時の軸荷重が減少するほど、ベルト速度変動率は増加したことが分かる(図13参照)。
また、表9及び図13に示すように、比較例1と実施例3に関して、歯ピッチ0.508mm、及び、心線径0.17mmを同条件にして、心線3の種類をガラス心線(比較例1)とポリアリレート心線(実施例3)にした。比較例1と実施例3とを比べると、ポリアリレート心線(実施例3)の方が、どの軸荷重(5N、10N、15N、20N)においても、ガラス心線(比較例1)よりもベルト速度変動率が小さかったことが分かる。従って、低張力領域(5〜15N)においても、ポリアリレート心線を採用した方がガラス心線を採用した場合よりもベルト速度変動率を抑制できる。これは、後述するベルト屈曲性試験の結果から分かるように、ポリアリレート心線を採用した歯付きベルト1の方が、ガラス心線を採用した歯付きベルト1よりも屈曲性(しなやかさ)に優れているからであると考えられる。
また、速度変動率試験では、表8に示すように、比較例1〜7及び実施例1〜7の歯付きベルト1に対して、軸荷重を5Nに設定した場合のベルト速度変動率を算出し、評価した。なお、表10に、比較例2、実施例1、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、比較例5、及び、比較例6のポリアリレート心線を採用した歯付きベルト1に対して、軸荷重を5Nに設定した場合のベルト速度変動率を算出し、評価した結果をまとめて記載している。また、図14に、表10における実施例及び比較例に係るポリアリレート心線を採用した歯付きベルト1の歯ピッチとベルト速度変動率との関係をグラフ化した図として示す。
表10及び図14の速度変動率試験によれば、歯ピッチが小さくなるほど、ベルト速度変動率は減少した。そして、歯ピッチを、0.400mm(比較例2)、0.450(実施例1)、0.508mm(実施例3)、0.600mm(実施例4)、0.650mm(実施例5)、0.706mm(実施例6)に設定した場合には、軸荷重を5Nに設定した場合のベルト速度変動率は0.40%以下となり、評価は良好(〇)であった。
上記速度変動率試験より、歯ピッチを少なくとも0.400mm〜0.710mmの範囲(図14参照)に設定することにより、軸荷重を5N〜20Nにした場合でも、ベルト速度変動率が0.40%以下となり、評価を良好(〇)とすることができた。
ここで、軸荷重が5N未満ではベルト張力が弱すぎて、歯付きベルト1をプーリ間に掛架できず、プーリ間における同期伝動性能を十分に発揮できない。一方、15Nは、低出力・小型タイプのモータを装置の駆動用に採用し得る軸荷重の最大値とされ、軸荷重が15Nより大きいと、低出力・小型タイプのモータ軸に過剰な負荷がかかり、モータのトルク性能を十分に発揮できない。
従って、実施例の歯付きベルト1は、軸荷重を5N〜15Nにした場合であっても、ベルト速度変動率の評価を良好(〇)とすることができたことにより、例えば、駆動プーリ5に取り付ける駆動モータに、低出力・小型タイプのものを採用しやすいというメリットが生じる。
なお、歯ピッチを0.400mm(比較例2)にした場合、ベルト速度変動率の評価は良好(〇)であるが、後述する耐久走行試験では、歯元クラックが生じてしまうため、総合判定は不可(×)となる。
(2.耐久走行試験)
耐久走行試験では、図12に示す二軸レイアウトにて歯付きベルト1にプリンターキャリッジ等を想定したワーク(錘)を装着し、歯付きベルト1の往復動作を繰り返し、歯付きベルト1の機能特性(歯欠け・歯元クラック・摩耗・切断などの有無、ベルト張力強さの残存率)を評価した。
具体的には、図12で示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に、350gのワーク(錘)を装着した歯付きベルト1を掛架し、歯付きベルト1に所定の張力を付与するために、従動プーリ6を移動させ、15Nの軸荷重を与え固定した。次に、駆動プーリ5を600rpmにて回転させ、ワーク移動距離が140mmに達したところで、駆動プーリ5を600rpmで逆回転させることによりワークを装着した歯付きベルト1を往復動作させた。そして、この往復動作を100万回(200万パス)行い、歯付きベルト1の機能特性(歯欠け・歯元クラック・摩耗・切断などの有無、ベルト引張強さの残存率)を評価した。なお、使用する駆動プーリ5の歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径は表11に記載している。また、従動プーリ6は、平プーリ(φ10mm)を使用した。
耐久走行試験では、表8に示すように、比較例1〜7及び実施例1〜7の歯付きベルトに対して試験を行った。表11に、比較例3(心線径0.12mm)、実施例2(心線径0.14mm)、実施例3(心線径0.17mm)、実施例6(心線径0.24mm)、実施例7(心線径0.28mm)、比較例4(心線径0.30mm)の歯付きベルト1に対して行った耐久走行試験の試験結果を示す。評価基準としては、歯付きベルト1に歯欠け・歯元クラック・異常な摩耗・切断などが有れば、不可(×)とし、更に、歯付きベルト1に歯欠け・歯元クラック・異常な摩耗・切断などがない場合において、ベルト引張強さの残存率(耐久走行試験前の歯付きベルトに対する残存率)を測定し、85%以上であれば最良好(◎)と評価し、80%以上85%未満であれば良好(〇)と評価し、80%未満であれば、不可(×)と評価した。
上記耐久走行試験によれば、実施例2(心線径0.14mm)、実施例3(心線径0.17mm)、実施例6(心線径0.24mm)、実施例7(心線径0.28mm)では、評価が最良好(◎)となった。一方、比較例3(心線径0.12mm)では、歯付きベルト1の歯部2が欠けてしまい、耐久性が劣る結果(×)になった。また、比較例4(心線径0.30mm)では、歯付きベルト1のベルト引張強さの残存率が73.5%となり、心線の屈曲疲労が大きくなってしまい、評価は不可(×)になった。
上記より、ポリアリレート心線の線径は、少なくとも0.14mm〜0.28mmの範囲にあれば、歯ピッチを比較的小さくした場合でも耐久性を担保することができることが分かる。
また、表8に示すように、比較例2(歯ピッチ:0.400mm)の歯付きベルト1に対する耐久走行試験では、歯元クラックが発生し、耐久性が劣る評価(×)となった。これは、歯ピッチが小さくなり過ぎると、プーリの歯と歯付きベルトの歯とのかみ合い負荷に対する、歯部の一つあたりに必要とされる剛性を確保することができなくなったからだと推察される。
(3.ベルト寸法安定性試験)
ベルト寸法安定性試験では、比較例1〜7及び実施例1〜7の歯付きベルト1を室温40℃、湿度90%の環境下でフリーの状態で保管し、経過日数とベルトの寸法変化率を測定した。
具体的な寸法変化率の測定としては、保管時と同一環境下で2個の歯付きプーリに歯付きベルト1を掛架し、軸荷重12Nを与えてプーリの軸間距離を測定し、当初のプーリの軸間距離と比較した軸間距離変化率を測定した。また、評価基準としては、経過日数10日で軸間距離変化率(絶対値)が0.02%以下である場合を良好(〇)とし、0.02%を超えた場合を不可(×)とした。表12に、比較例1(ガラス心線)に係る歯付きベルト1、実施例3(ポリアリレート心線)に係る歯付きベルト1のベルト寸法安定性試験結果を示す。また、図15に比較例1及び実施例3に係る歯付きベルト1における、経過日数と軸間距離変化率との関係を示す。
上記ベルト寸法安定性試験より、比較例1〜7及び実施例1〜7のいずれの歯付きベルト1においても、経過日数10日での軸間距離変化率(絶対値)が0.02%以下であり良好(〇)と評価された。これにより、歯付きベルト1に、線径が0.14〜0.28mmの比較的細径のポリアリレート心線を採用した場合でも、軸間距離変化率にほとんど変化がなく、歯付きベルト1の寸法安定性は十分に確保されていたことが分かる。また、表12及び図15より、心線3にポリアリレート心線を使用した場合でも、心線3にガラス心線を使用した場合と同等の寸法安定性が確保されていたことが分かる。
(4.ベルト屈曲性試験)
ベルト屈曲性試験では、歯付きベルト1の屈曲性、及び、起動のし易さ(起動時の動力伝達性)、の代用試験として起動トルクを測定した。
具体的には、図11で示すように、駆動プーリ5と従動プーリ6との間に歯付きベルト1を掛架し(駆動プーリ5及び従動プーリ6は、歯数、歯ピッチ、ピッチ円直径が同じ歯付きプーリである)、歯付きベルト1に所定の張力を付与するために、従動プーリ6を移動させ、歯付きベルト1に所定の軸荷重(本試験では、5N、10N、20N、30N)を与えた。その後、駆動プーリ5に糸を巻き掛け、糸の先端に装着したロードセルを引っ張った。この時、従動プーリ6が回転を始める時のトルク値(起動トルクN・m)を測定した。また、評価基準としては、軸荷重が10N時における比較例7の起動トルクの水準と比較し、同等の場合は評価を可(△)とし、この水準より低い場合には良好(○)と評価した(なお、顕著に低ければ(◎)と評価)。表13に、比較例7、比較例1及び実施例3に係る歯付きベルト1に関して、軸荷重を5N、10N、20N、30Nにした場合の起動トルクを測定した結果を示す。また、表14に、比較例7、比較例1及び実施例3に係る歯付きベルト1に関して、ベルト構成、軸荷重を10Nにした場合の起動トルク、及び、評価をまとめた表を示す。また、図16に、比較例7、比較例1及び実施例3に係る歯付きベルトに関して、軸荷重と起動トルクとの関係をグラフ化した図を示す。
表13、表14及び図16に示すように、比較例7と比較例1とのガラス心線間の比較において、心線3が細径の方が、低張力領域(5〜15N)においても起動トルクが低かった。これは、心線3が細径の方が、ベルトの屈曲性が高く、しなやかであることを示す。
また、比較例1(ガラス心線)と実施例3(ポリアリレート心線)とを比較すると、ポリアリレート心線を用いた歯付きベルト1の方が、ガラス心線を用いた歯付きベルト1よりも起動トルクが顕著に低かったことが分かる。ここで、歯付きベルト1の起動トルクが低い場合、歯付きベルト1の屈曲性が高い、つまりは、起動トルクが低いポリアリレート心線を用いた歯付きベルト1は、起動時の動力伝達性能に優れるということが分かる。従って、心線3にガラス心線を用いた歯付きベルト1よりも、心線3にポリアリレート心線を用いた歯付きベルト1の方が、歯付きベルト1の屈曲性が高く、しなやかで起動時の動力伝達性能に優れるということが分かる。
また、歯付きベルト1の屈曲性が高いと、軸荷重を5N〜15N(低張力)にした場合であっても、起動トルクは低くなる傾向にあった。
従って、屈曲性に優れ、起動トルクが低いベルトは、(駆動プーリ5の軸に取り付けた駆動モータを)起動し易く、起動時の動力伝達性に優れるとともに、より小型で低出力の駆動モータの採用、ひいては、駆動モータの小型・軽量化、省電力化に貢献することができる。
(総合判定)
上記1.速度変動率試験、2.耐久走行試験、3.ベルト寸法安定性試験、及び、4.ベルト屈曲性試験の結果、速度変動率試験でのベルト速度変動率の評価を良好(〇)とし、耐久走行試験での評価を最良好(◎)とし、ベルト寸法安定性試験の結果を良好(○)とし、ベルト屈曲性試験で良好(○)と評価された歯付きベルト1の条件をまとめると、歯部と歯部との間のピッチは0.45〜0.71mmであり、心線3は、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードとして、心線3の線径が0.14〜0.28mmであることが分かる。
上記構成によれば、歯部2と歯部2との間のピッチを0.45〜0.71mmに設定しているため歯付きベルト1の歯数を、歯部2のピッチが0.71mmよりも大きいものに比べて増やすことができ、小径のプーリに歯付きベルト1を巻き掛けた際、歯付きベルト1の歯部2とプーリの歯との噛み合いから生じる多角形状を、より円形に近づけることができる。これにより、歯付きベルト1がプーリ間を走行する際の歯付きベルト1の走行ライン(ベルトピッチライン)の上下動を抑制し、歯付きベルト1の走行時におけるベルト速度変動(速度むら)を小さくすることができる。
また、心線3を、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる、線径0.14〜0.28mmの撚りコードにすることにより、線径0.28mmよりも大きいものに比べて歯付きベルトの屈曲性を高めることができる。これにより、歯付きベルト1を、より小径のプーリ間に低張力で巻き掛けることができる。
加えて、心線3の線径を小さくしているため、歯付きベルト1の背部4を薄くすることが可能となる。これによっても、歯付きベルト1の屈曲性を高めることができる。
また、心線3にポリアリレート繊維フィラメント群を使用することにより、経時的・環境的な歯付きベルト1の寸法安定性を確保することができる。
そして、歯付きベルト1の寸法安定性・屈曲性を高めることにより、小径のプーリ間に歯付きベルト1を低張力で巻き掛けた場合でも、歯付きベルト1の走行時におけるベルト速度変動を小さくすることができる。
また、歯付きベルト1の寸法安定性・屈曲性を高めることにより、(駆動プーリの軸に取り付けた駆動モータの)起動トルクを低くすることができ、起動時の動力伝達性を高めることができる。
また、歯付きベルト1がベルト張力によってプーリ間に巻き掛けられた際の軸荷重が、比較的低い5〜15Nに設定されることにより、プーリの軸に対する負担を低減することができる。プーリの軸に対する負担を低減することができれば、例えば、プーリに取り付ける駆動モータに低出力・小型のタイプのものを使用することができるため、駆動モータの小型化・省電力化が可能となる。
更に、インクジェットプリンタに代表されるキャリッジ駆動やアクチュエーターのようなワークの往復動作を伴う精密駆動に上記歯付きベルト1を使用することによりベルト速度変動(速度むら)を小さくして、印字むら等を引き起こさないように、高精度の位置決めが可能となる。また、上記歯付きベルト1は、ベルト取り付け張力(軸荷重、テンション)が低く設定されても(低張力時においても)、経時的な寸法安定性、屈曲性、耐久性を有することから、プーリに取り付ける駆動モータに低出力・小型のタイプのものを使用することができ、駆動モータの小型化・省電力化、更には、インクジェットプリンタに代表されるキャリッジ駆動装置やアクチュエーター自体の小型化・省電力化が可能となる。
1 歯付きベルト
2 歯部
3 心線
4 背部
5 駆動プーリ
6 従動プーリ

Claims (2)

  1. 背部、歯部、及び、前記背部に埋設された心線を備える歯付ベルトであって、
    前記背部及び歯部はウレタン樹脂組成物を含み、
    前記心線は、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコード、又は、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードであり、
    前記心線が、ガラス繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、
    前記歯部のピッチは、0.45〜0.60mm、
    前記ガラス繊維フィラメントの直径が6〜9ミクロン、
    前記心線の線径が0.14〜0.20mmであり、
    前記心線が、ポリアリレート繊維フィラメント群からなる撚りコードである場合、
    前記歯部のピッチは、0.45〜0.71mm、
    前記心線の線径が0.14〜0.28mmである、
    ことを特徴とする、歯付きベルト。
  2. ベルト張力によってプーリ間に巻き掛けられた際の当該プーリの軸にかかる荷重である軸荷重が、5〜15Nとなる条件で使用されることを特徴とする請求項1に記載の歯付きベルト。
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