JP2007309476A - ポリウレタン製伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】プーリと接するベルト表面層に、耐摩耗性と発熱性を改善したポリウレタン樹脂組成物を使用することでベルト寿命を向上させたポリウレタン製伝動ベルトを提供することを目的とする。
【解決手段】長さ方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部2と、心線3をベルト長手方向に沿って埋設した背部3とを有する歯付ベルト1であり、歯部2の表面層5がフラーレン類を分散したポリウレタン弾性体で形成されている。フラーレン類を均一に分散したポリウレタン弾性体を表面層に設けることにより耐摩耗性が向上し、またtanδが低く発熱性を低下させることで、ベルト寿命を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリウレタン製伝動ベルトであり、プーリに接する表面層の耐摩耗性を改善し、かつ蓄熱性の少ない歯付ベルト、Vリブドベルト、平ベルト等の様々な形状の伝動ベルトに関するものである。
従来の歯付ベルトは、液状ポリウレタン等を原料として、ベルト長手方向に一定ピッチで歯部と溝部を交互に有し、ピッチライン上にガラス繊維やアラミド繊維等のロープからなる心線を背部に埋設した構成からなっている。このポリウレタン製歯付ベルトは、耐候性と耐摩耗性に優れているために、屋外で使用される自転車等の動力伝動装置に装着されている。
しかし、上記歯付ベルトは溝部の歯底面に補強材が存在しないために、歯底面が摩耗して心線の損傷を発生しやすい問題あった。具体的には、駆動中に埃、砂等の異物がプーリ歯部表面とベルト歯底面の間に噛み込み、そしてベルト歯底面を摩耗して心線を露出させていた。その結果、心線は水分を吸収して強度低下を起こし、ベルトを早期に切断させていた。
この点を改善するために、荒目の織布をベルト歯底面に沿って配置したポリウレタン製歯付ベルトが特許文献1に提案され、またエラストマー材料を含浸した不織布をベルト歯底面に沿って配置したポリウレタン製歯付ベルトが特許文献2に記載されている。
特許文献3には、高負荷伝動の能力を持つベルトとして、心線にグレーグフィラメントの引張弾性率が約1.3×10kg/cmのアラミド2型コード材料を使用し、ベルト歯部と歯底面に帆布を被覆したポリウレタン製歯付ベルトが開示されている。
更に、特許文献4には、ポリウレタン製歯付ベルトとして、ベルト歯底面にエラストマー材料を含浸し薄く圧縮された不織布を設け、歯部内ではこの不織布と連続する不織布が非加圧の拡散状態として分散され、歯部を補強した構成のものが開示されている。
実公昭46−6412号公報 実開昭63−66648号公報 特公平3−9335号公報 特公平5−62657号公報
従来のベルト歯部と歯底面に帆布を被覆したポリウレタン製歯付ベルトは、帆布がベルト歯部と歯底面を充分に保護しているために、心線の損傷が小さくて高負荷伝動を可能にしている。しかし、このベルトを製造する場合、帆布を予め金型の溝部に沿わせておかないと、帆布が歯部表面に密着することができなかった。
無論、歯付ベルト以外にも、ポリウレタン製Vリブドベルトにおいても、プーリと接触するリブ部表面でも同様に磨耗が発生しやすくなり、更なる改善が求められていた。
本発明はこのような問題点を改善するものであり、プーリと接するベルト表面層に、耐摩耗性と発熱性を改善したポリウレタン樹脂組成物を使用することでベルト寿命を向上させたポリウレタン製伝動ベルトを提供することを目的とする。
本願請求項1記載の発明では、ウレタン樹脂組成物で構成されたベルト本体と、ベルト長手方向に沿って埋設された心線からなるポリウレタン製伝動ベルトであって、少なくともプーリに接するベルトの表面層が、充填剤として粉末状のフラーレン類を分散したポリウレタン弾性体で形成されているポリウレタン製伝動ベルトにあり、ベルトの表面層がフラーレン類を均一に分散したポリウレタン弾性体からなり、これによりベルトの表面層の耐摩耗性が向上するとともにベルト本体のtanδを低くして内部発熱性を低下させることにより、ベルト寿命を向上させることができる。
本願請求項2記載の発明では、ベルトの表面層としてフラーレン類が0.1〜10重量%含有したポリウレタン弾性体からなっているポリウレタン製伝動ベルトにある。
本願請求項3記載の発明では、長さ方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線をベルト長手方向に沿って埋設した背部とを有する歯付ベルトであり、歯部の表面層がフラーレン類を分散したポリウレタン弾性体で形成されている。
本願請求項4記載の発明では、ベルト周方向に延びる複数のリブ部を有する圧縮部との間にベルト長手方向に沿って心線を埋設したVリブドベルトであり、上記リブ部の表面層がフラーレン類を分散したポリウレタン弾性体で形成されている。
このように本発明では、少なくともプーリに接するベルトの表面層にフラーレン類を均一に分散したポリウレタン弾性体を設けることにより、ベルトの表面層の耐摩耗性を向上させるとともにベルト本体のtanδを低くして内部発熱性を低下させることにより、ベルト寿命を向上させることができる効果がある。
図1には本発明に係るポリウレタン製歯付ベルト1を示す。歯付ベルト1はベルト長手方向に沿って複数の歯部2と、該ベルト本体のベルトピッチライン上にアラミド繊維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維等のフィラメント群を撚り合わせた撚糸コードである心線3をスパイラル状に埋設した背部4からなるベルト本体で構成される。
プーリに接する歯部2の表面層5は、充填剤として粉末状のフラーレン類を均一に分散したポリウレタン弾性体で形成され、耐摩耗性を向上し、また低発熱性を有する。一方、表面層5以外の他の歯部2や背部4にはフラーレン類が含まれていない。
無論、表面層5だけでなく、歯部2及び背部4にもフラーレン類を分散させてもよい。
図2には、本発明に係る他の実施形態であるポリウレタン製Vリブドベルト10を示す。ポリウレタン製Vリブドベルト10は、背部に心線13を埋設し、ベルトの長手方向に沿って所定本のリブ部14が延設された構造を有するものであり、リブ部14の表面層15がフラーレン類を分散したポリウレタン弾性体で形成されている
図3に示すポリウレタン製Vベルト20は、同じく背部に心線23を埋設し、背面にはコグ26が突設されており、圧縮部24を有し、圧縮部24の表面層25がフラーレン類を分散したポリウレタン弾性体で形成されている
上記フラーレン類(Fullerene)とはフラーレン性炭素粒子の総称であり、フラーレン、フラーレン誘導体、フラーレン製造時の副生炭素粒子を含む。フラーレン類とは、C2nで表されるもので、nは約16〜960の範囲であり、好ましくは約30〜240の範囲である。これらは少なくとも12個の五角形と少なくとも20個の六角形の頂点に配置されて、閉じた籠構造の炭素原子構造を有している。即ち、炭素原子が強く結合して球状あるいは、チューブ状に閉じたネットワーク構造を形成している。例えば、フラーレン類の代表であるC60はサッカーボールと同じ形をした球形分子で、直径は約0.7nmである。上記フラーレン類の製造方法については、例えば米国特許第5,273,729号等に詳細に記載されている。
フラーレン製造時の副生炭素粒子とは、フラーレン煤中の溶媒不溶分として得られる。この粒子はフラーレン製造条件下で生成する事より、従来公知のグラファイトやカーボンブラックとは異なり、グラファイト構造がほとんど存在しないという特徴を有する。具体的にはCuKα線を使用したX線回折測定結果における回折角3〜30°の範囲内で、最も強いピークが回折角10〜18°の範囲に存在し、グラファイト構造の面間に相当する回折角23〜27°にピークが存在しないか、あるいは極めて小さい。また同時に励起波長5145Åでのラマンスペクトル結果において、バンドG=1590±20cm−1とバンドD=1340±40cm−1にピークを有し、それぞれのバンドのピーク強度比I(D)/I(G)が0.4〜1.0の範囲である特徴を有する炭素粒子である。この事は、本炭素粒子がグラファイト構造とは異なる、しかしながら規則性の高い構造を有する事を意味している。推定される構造としてはグラファイトに見られる平面構造ではなく、フラーレンに類似した、炭素5員環に由来する湾曲した単位構造を有する特異的な内部構造である事を意味すると考えられる。
本発明で使用するフラーレン類は、燃焼法により製造されたものであり、フラーレンの比重は1.2〜1.9の範囲に含まれる。
上記フラーレン類の添加量は表面層のポリウレタン弾性体中において0.1〜10重量%含有される。0.1重量%未満の場合には、耐摩耗性と低発熱性の効果が少なく、一方10重量%を超えた場合には、耐摩耗性、粘弾性特性の改善がみられたが、プレポリマー中にフラーレンを分散させることが困難となった。
尚、特開2005−23239号公報に記載されているように、上記フラーレン類をタイヤのトレッドに使用することにより、低ヒステリシスロスが発現して走行性能を向上させている。また、特開2004−182775号には、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂中に平均粒径が0.001〜30μmのフラーレン類を混合させることにより、樹脂の機械的特性や耐熱性を向上できることが確認されている。
ポリウレタン弾性体は液状のポリウレタン原料を注型して加熱・硬化させることによって得られるが、成形法としては、ポリオール、硬化剤、触媒、フラーレン類、顔料等を混合したプレミックス液と、イソシアネート成分を含有する溶液とを混合し、これを注型して硬化反応させるワンショット法と、予めイソシアネートとポリオールを反応させ、イソシアネートの一部をポリオールで変性したプレポリマーを用い、これに硬化剤、触媒、フラーレン類、顔料等を加えて注型し、硬化反応させるプレポリマー法とがある。本発明では、プレポリマー法が採用される。
プレポリマーとしては従来から提供されているものを特に制限されることなく使用することができるものであるが、イソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート(TDI)もしくはジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などを好適に用いることができ、ポリオールとしては耐湿性や耐水性に優れると共に強靭な物性とヒステリシスロスの小さい特性を有する成形品が得られるポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)を好適に用いることができる。
また本発明において硬化剤としては、特に限定されるものではないが、1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、1,5−ナフタレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5’−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(オルト−クロロアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)、トリメチレングリコール−ジ−パラ−アミノベンゾエート、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなど、1級アミン、2級アミン、3級アミンのアミン化合物を例示することができる。アミン系硬化剤の配合量は、アミン系硬化剤中のNHのモル数とイソシアネート中のNCOのモル数の比であるα値(NH/NCO)が1付近になるように、好ましくは0.90〜1.10の範囲になるように設定するのがよい。一般にα値は0.95付近が硬化物の物性が最も良好であり、α値が上記の範囲から外れると、硬化物の物性が低下する傾向が見られる。
また、他の硬化剤として2種類が併用される。硬化剤Aとしては、芳香核に電子吸引性基を含まず、メチレン鎖の炭素数が1〜5であるポリメチレン-ビス(4-アミノベンゾアート)であり、例えばトリメチレン−ビス(4−アミノベンゾアート)、そしてポリテトラメチレンオキシド−ジ−P−アミノベンゾエートがあり、また硬化剤Bとしては芳香核に電子吸引性基を含まず、アミノ基の隣接位置に炭素数1〜5のアルキル置換基を有する活性芳香族アミンであり、例えば4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’-ジメチルジフェニルメタン、そして4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチルアニリン)がある。
上記硬化剤Aはクロル基などの電子求引性基を含まないため、材料の廃棄後にダイオキシン等の有害物質が発生する恐れがない。また毒性がMOCAに比べて低いため、作業環境負荷が軽減される。しかしその反面、硬化剤Aはイソシアネート基との反応速度が遅くて生産性に劣るといった問題がある。一方硬化剤Bは、ハロゲン基を含まない硬化剤であるが、反応速度が速すぎるために注型用ポリウレタン成形体の用途には不向きであった。
本発明では、硬化剤Aに対して硬化剤Bをブレンドすることにより、注型するのに適した反応速度を有するポリウレタン樹脂組成物およびこれを用いたポリウレタン成形体を得ることができた。またこのようにして得られたポリウレタンエラストマーの成形体は、MOCAと同等以上の硬度を有するためにベルト、またロール等のOA機器などの工業用品等の用途に適している。
上記硬化剤Aに対する硬化剤Bの割合は10〜100モル%であり、10モル%未満の場合には硬化速度が遅く、注型後脱型が可能となるまでの時間が長くなり、生産性が悪くなる。一方100モル%を超えると、硬化速度が速すぎるためにポリウレタン樹脂組成物を注型中に硬化してしまうといった恐れがある。
上記の各成分の他に、添加剤として、可塑剤、顔料、消泡剤、安定剤等を配合することができる。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、リン酸トリクレジル(TCP)、塩素系パラフィン、フタル酸ジアルキルなどを用いることができる。
そして上記のウレタンプレポリマーに所定量のフラーレン類を添加した後、これに硬化剤、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合することによって、本発明に係るポリウレタン樹脂組成物、ベルト本体内に心線を長手方向に沿って埋設した構成のポリウレタン弾性体からなる歯付ベルト、Vリブドベルト、平ベルト等の様々な形状のベルトを得ることができるものである。
歯付ベルトの成形方法としては従来の製造方法と同じく、金型に心線をスパイラルに巻き付けた状態で、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとフラーレン類を含むポリウレタン原料液を攪拌混合して金型内に注入し、金型を回転させながら一定条件下で加熱して架橋させることによってベルトスリーブを作製し、その後所定幅にカットすることによってベルトを製造することができる。この場合、金型を回転するために、フラーレン類が歯部の所定厚みの表面層に集めることができる。
フラーレン類を表面層5だけでなく、歯部2及び背部4にも分散させる場合には、金型を回転する必要はない。
尚、他のポリウレタン製Vリブドベルトやポリウレタン製Vベルトも歯付ベルトの成形方法と同様に形成することができる。
実施例1〜4、比較例1〜4
主原料系液、フラーレン類及びカーボンブラック分散液の作製を以下に示す。
(A液:主原料系液)
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとして,ジフェニルメタンイソシアネートを末端に有するポリエーテル系のプレポリマーであるコロネート4370(日本ポリウレタン工業社製,NCO含率:15.2%)、コロネート4387(日本ポリウレタン工業社製,NCO含率:6.2%)を用いた。プレポリマー100重量部に対して消泡剤としてシリコーンオイル(KS-66,信越化学社製)を0.2重量部加えた。
(B液:フラーレン類分散液)
上記主原料系液100.2重量部に対してフラーレン製造時の副生炭素粒子(Nanon Black FB-S、フロンティアカーボン社製)を1,3,5,15重量部加えた後、ボールミル中にて2時間分散処理を行うことによりフラーレン類分散液を得た。
(C液:カーボンブラック分散液)
上記主原料系液100.2重量部に対してHAFカーボンブラック(シースト3、東海カーボン社製)を3重量部加えた後、ボールミル中にて2時間分散処理を行うことによりカーボンブラック分散液を得た。
(D液:硬化剤液)
硬化剤としてニッポラン4378(水酸基価:240KOHmg/g,日本ポリウレタン工業社製)、ニッポラン4038(水酸基価:1233KOHmg/g,日本ポリウレタン工業社製)を用いた。
原料、分散液に対する硬化剤の配合量は、イソシアネートとアルコールの反応比(モル比)がNCO/OH=1/0.95となるように加えた。
フラーレン類分散ポリウレタン組成物はB液とD液を、カーボンブラック分散ポリウレタン組成物はC液とD液を、充填剤を含有しないポリウレタン組成物はA液とD液を40℃に加温して両液を混合後真空脱泡し、予め離型剤を塗布した所定温度(40℃)に加熱した金型内(90mm×120mm×2mm厚)に注入し、1時間硬化させた後、更に70℃で24時間熟成させてポリウレタン弾性体を得た。得られたポリウレタン弾性体についてDIN摩耗試験(JIS−K6301)、動的粘弾性試験を行った。
動的粘弾性試験は上島製作所製VR7121を用い、温度30℃、測定周波数10Hz、静的歪2%及び動的歪1%における貯蔵弾性率G’(MPa)及び損失正接(tanδ)を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007309476
この結果、実施例1〜実施例4に示すように、ポリウレタン中にフラーレン類が充填されることにより、充填物が無い場合(比較例3、比較例4)やカーボンブラックを充填した場合(比較例2)と比較して、耐摩耗性が改善された。また動的粘弾性試験により、フラーレン類を充填した実施例1〜実施例4は、充填物が無い場合やカーボンブラックを充填した場合と比較して弾性率が高くなり、tanδが低くなることが確認された。
更に、比較例1に示すようにフラーレン類の添加量を増やすと、耐摩耗性や粘弾性特性の向上がみられたが、配合量が増えたためにプレポリマー中にフラーレン類を分散させることが困難となった。
実施例5(歯付ベルト)
内金型の外表面に、S、Z一対のアラミド繊維コードをスピニングした後、上記内金型を予め実施例3に示す所定量のB液とD液を注型した歯部形成用の外金型内に挿入して、金型内を密閉して減圧し、そして金型温度110℃で金型を回転させながら、液状ポリウレタンを硬化させた。ポリウレタンの硬度は92°(JIS−A)であった。硬化後にベルトスリーブを内金型から抜き取り、輪状に切断して歯付ベルトを得た。得られたベルトサイズは、ベルトの歯型:758SE40W、歯数:758、ベルト幅:4.0mm、歯ピッチ:1.016mmであった。歯部の表面層にはフラーレン類が3重量%含有したポリウレタン弾性体が形成された。
実施例6(Vリブドベルト)
ポリウレタン製Vリブドベルト成形するため金型として、内金型と内周面にリブ部形成用の溝が刻設された外金型を準備した。この内金型と外金型との間で形成されるキャビティに実施例2に示す所定量のB液とD液を注型し、回転し、そして硬化することによってポリウレタン製Vリブドベルトを形成した。得られたVリブドベルトは3PK1100、リブ数3、ベルト長さ1100mmであり、リブ部の表面層にはフラーレン類が3重量%含有したポリウレタン弾性体が形成された。
本発明に係るポリウレタン製歯付ベルトの斜視図である。 本発明に係るポリウレタン製Vリブドベルトの斜視図である。 本発明に係るポリウレタン製Vベルトの斜視図である。
符号の説明
1 歯付ベルト
2 歯部
3 心線
4 背部
5 表面層

Claims (4)

  1. ウレタン弾性体で構成されたベルト本体と、ベルト長手方向に沿って埋設された心線からなるポリウレタン製伝動ベルトであって、少なくともプーリに接するベルト表面層が、充填剤として粉末状のフラーレン類を分散したポリウレタン弾性体から形成されていることを特徴とするポリウレタン製伝動ベルト。
  2. ベルト表面層としてフラーレン類が0.1〜10重量%含有したポリウレタン弾性体からなっている請求項1記載のポリウレタン製伝動ベルト。
  3. 長さ方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線をベルト長手方向に沿って埋設した背部とを有する歯付ベルトであり、歯部の表面層がフラーレン類を分散したポリウレタン弾性体で形成されている請求項1又は2記載のポリウレタン製伝動ベルト。
  4. ベルト周方向に延びる複数のリブ部を有する圧縮部との間にベルト長手方向に沿って心線を埋設したVリブドベルトであり、上記リブ部の表面層がフラーレン類を分散したポリウレタン弾性体で形成されている請求項1又は2記載のポリウレタン製伝動ベルト。
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