JP2015199346A - 化粧板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維質基材、熱可塑性樹脂、及び吸熱性金属水酸化物を含むコア層と、吸熱性金属水酸化物を含む混抄紙、及び熱硬化性樹脂を含む中間層と、化粧紙、及び熱硬化性樹脂を含む化粧層と、を備え、前記コア層が含む前記熱可塑性樹脂の量は、10〜100g/m2であることを特徴とする化粧板。
【選択図】図1
Description
(1)コア層
本発明の化粧板は、コア層を有する。コア層は、繊維質基材、熱可塑性樹脂、及び吸熱性金属水酸化物を含む。
コア層が含む難燃剤の量(単位面積のコア層が含む難燃剤の重量)は、1〜100g/m2の範囲内が好ましい。この範囲内であることにより、上述した難燃剤による効果が一層顕著になる。
(2)中間層
中間層は、吸熱性金属水酸化物を含む混抄紙、及び熱硬化性樹脂を含む。この中間により、コア層の下地が化粧板の表面に現れにくくなり、化粧板表面の平滑性が向上し、化粧板の反りが抑制される。
パルプとしては、例えば、木材パルプ、木綿パルプ、植物繊維パルプ等の天然パルプが挙げられる。特に、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹クラフトパルプ等の繊維長が短い木材パルプを化学的に処理したケミカルパルプは、混抄紙の紙力強度及び含浸適性を向上させるため、好ましい。広葉樹晒クラフトパルプと針葉樹クラフトパルプとは併用してもよい。また、針葉樹クラフトパルプは、晒、未晒のいずれであってもよい。
(3)化粧層
化粧層は、化粧紙及び熱硬化性樹脂を含む。化粧紙としては、例えば、熱硬化性樹脂化粧板用の30〜140g/m2の化粧紙を用いることができる。
(4)その他
本発明の化粧板は、例えば、コア層、中間層、化粧層を含む各層を、平板プレス、連続プレス等のプレス機で熱圧成形することにより製造することができる。
樹脂液を、バランス層用の紙に含浸し、乾燥するときの含浸率は、260〜320%の範囲内であることが好ましい。この含浸率は、上記数1で定義される値である。この場合、数1における「含浸前の重量」は、バランス層用の紙の重量を意味し、「含浸後の重量」は、樹脂液を含浸し、乾燥した後の重量を意味する。
以下の成分を混合してスラリーを製造した。なお、重量部の数値は、固形分換算値である。
水酸化アルミニウム:300重量部
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:3.5重量部
リン・窒素系難燃剤:18重量部
水:170重量部
なお、アクリル樹脂エマルジョンは熱可塑性樹脂の一例である。アクリル樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)は60℃である。アクリル樹脂エマルジョンは、2−エチルヘキシルアクリレートとメチルメタアクリレートを主モノマーとするものである。アクリル樹脂エマルジョンの平均粒子径は200nmである。アクリル樹脂エマルジョンはバインダーとして機能する。
繊維質基材として、40g/m2のガラス繊維不織布を用意した。この繊維質基材に、前記(1)で製造したスラリーを、前記数1で定義される含浸率が750%となるように含浸し、乾燥してプリプレグを製造した。このプリプレグは、繊維質基材、アクリル樹脂エマルジョン、及び水酸化アルミニウムを含む。
(3)中間層の製造
混抄紙として、坪量110g/m2の水酸化アルミニウム混抄紙(商品名:サンウォール、三善製紙社製、水酸化アルミニウムの混抄割合69重量%)を用意した。この混抄紙は、吸熱性金属水酸化物を含む混抄紙の一例である。
(4)化粧層の製造
坪量100g/m2である白色の熱硬化性樹脂化粧板用の化粧紙に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を、数1で定義される含浸率が130%となるように含浸し、乾燥して化粧層を製造した。この化粧層は、化粧紙、及びその化粧紙に含まれるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を含む。なお、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂は、熱硬化性樹脂の一例である。化粧層が含むメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の量は、130g/m2である。
(5)化粧板の製造
下から順に、プリプレグ2枚、中間層1枚、及び化粧層1枚を積層し、フラット仕上げプレートを用いて、132℃、70kgf/cm2、64分間の条件で熱圧成形して一体化し、化粧板を得た。このとき、2枚のプリプレグは、コア層を形成する。
実施例1、並びに後述する他の実施例及び比較例における化粧板の構成を表4に示す。
坪量が24g/m2の化粧板用の表面紙に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を、前記数1で定義する含浸率が280%となるように含浸し、乾燥してバランス層を製造した。このバランス層は、表面紙と、その表面紙に含まれるメラミン樹脂とを含む。バランス層が含むメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の量は、67.2g/m2である。
下から順に、前記(1)で製造したバランス層1枚、プリプレグ2枚、中間層1枚、及び化粧層1枚を積層し、フラット仕上げプレートを用いて、132℃、70kg/cm2、64分間の条件で熱圧成形して一体化し、化粧板を得た。なお、本実施例で用いたプリプレグ、中間層、及び化粧層は、前記実施例1と同様のものである。
(比較例1)
中間層を設けない点以外は前記実施例1と同様に、化粧板を製造した。
(比較例2)
スラリーの製造工程において、アクリル樹脂エマルジョンの配合量を7重量部とし、水酸化アルミニウムの配合量を250重量部とする点以外は前記実施例1と同様に、化粧板を製造した。
(比較例3)
スラリーの製造工程において、アクリル樹脂エマルジョンの配合量を76重量部とする点以外は前記実施例1と同様に、化粧板を製造した。
(比較例4)
中間層の代わりに、含浸率50%のフェノール樹脂含浸クラフト紙を用いた点以外は前記実施例1と同様に、化粧板を製造した。この含浸率50%のフェノール樹脂含浸クラフト紙は、190g/m2のクラフト紙に、数1で規定する含浸率が50%となるように、フェノール樹脂を含浸、乾燥したものである。
(比較例5)
中間層の代わりに、含浸率30%のフェノール樹脂含浸クラフト紙を用いた点以外は前記実施例1と同様に、化粧板を製造した。この含浸率30%のフェノール樹脂含浸クラフト紙は、110g/m2のクラフト紙に、数1で規定する含浸率が30%となるように、フェノール樹脂を含浸、乾燥したものである。
<化粧板の評価>
各実施例及び各比較例の化粧板について、平滑性、不燃性、曲げ加工性、重量増加率、及び反りの評価試験を行った。評価試験の方法は以下のとおりとした。
化粧板を目視により観察した。化粧層におけるクラックとゆず肌がなければ平滑性を「○」とし、軽微なゆず肌があれば、平滑性を「△」とした。
ISO5660に準拠したコーンカロリーメーターによる20分試験の発熱性試験を行った。以下のα〜γの全てを充足した場合は○と評価し、それ以外を×と評価した。
β:最高発熱速度が10秒以上継続して200KW/m2を超えない。
γ:試験開始後20分間、裏面まで貫通する亀裂および穴の発生がない。
化粧板から、150mm幅のサンプルを切り出した。そして、棒状のヒータを、サンプルの表面から所定の距離をおいて配置した。このとき、棒状のヒータの軸方向と、化粧板の繊維方向とを平行にした。この状態で、ヒータの温度を700℃とし、サンプルの表面温度を170℃とした。
上記のようにサンプルを屈曲させる試験を、治具の上端における曲率を徐々に小さくしながら繰り返した。サンプルにクラックが生じない最小の曲率を、曲げ加工性の評価値とした。
JIS K 6902「熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法」の耐煮沸性に基づき、化粧板の重量増加率を測定した。尚、規格値は17%以下である。
化粧板から、50mm×300mmのサンプルを切り出した。化粧板の繊維方向は、このサンプルの短手方向と平行である。このサンプルを、室温40℃、湿度30%の環境で24時間養生した。その後、サンプルを水平面上に置いたときの、水平面からの反り高さ(サンプルの長手方向における一端を水平面に押しつけているときの、サンプルの反対の端部と水平面との距離)を測定した。
(2)中間層
中間層は、吸熱性金属水酸化物を含む混抄紙、及び熱硬化性樹脂を含む。この中間層により、コア層の下地が化粧板の表面に現れにくくなり、化粧板表面の平滑性が向上し、化粧板の反りが抑制される。
(4)化粧層の製造
坪量100g/m2である白色の熱硬化性樹脂化粧板用の化粧紙に、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を主成分とする樹脂液を、数1で定義される含浸率が130%となるように含浸し、乾燥して化粧層を製造した。この化粧層は、化粧紙、及びその化粧紙に含まれるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を含む。なお、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂は、熱硬化性樹脂の一例である。化粧層が含むメラミン−ホルムアルデヒド樹脂の量は、130g/m2である。
(5)化粧板の製造
下から順に、プリプレグ2枚、中間層1枚、及び化粧層1枚を積層し、フラット仕上げプレートを用いて、132℃、70kgf/cm2、64分間の条件で熱圧成形して一体化し、化粧板を得た。このとき、2枚のプリプレグは、コア層を形成する。
下から順に、前記(1)で製造したバランス層1枚、プリプレグ2枚、中間層1枚、及び化粧層1枚を積層し、フラット仕上げプレートを用いて、132℃、70kgf/cm2、64分間の条件で熱圧成形して一体化し、化粧板を得た。なお、本実施例で用いたプリプレグ、中間層、及び化粧層は、前記実施例1と同様のものである。
上記のようにサンプルを屈曲させる試験を、治具の上端における曲率半径を徐々に小さくしながら繰り返した。サンプルにクラックが生じない最小の曲率半径を、曲げ加工性の評価値とした。
Claims (10)
- 繊維質基材、熱可塑性樹脂、及び吸熱性金属水酸化物を含むコア層と、
吸熱性金属水酸化物を含む混抄紙、及び熱硬化性樹脂を含む中間層と、
化粧紙、及び熱硬化性樹脂を含む化粧層と、
を備え、
前記コア層が含む前記熱可塑性樹脂の量は、10〜100g/m2であることを特徴とする化粧板。 - 前記コア層、前記中間層、及び前記化粧層の順番で積層された積層体であることを特徴とする請求項1に記載の化粧板。
- 前記コア層又は前記中間層における前記吸熱性金属水酸化物が水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧板。
- 前記コア層における前記熱可塑性樹脂がアクリル樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧板。
- 前記コア層は、シランカップリング剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧板。
- 前記コア層は、難燃剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧板。
- 前記コア層は、1〜100g/m2の前記難燃剤を含むことを特徴とする請求項6に記載の化粧板。
- 前記難燃剤は窒素系難燃剤、又はリン・窒素系難燃剤であることを特徴とする請求項6又は7に記載の化粧板。
- 前記リン・窒素系難燃剤におけるリン含有量は1〜30重量%であり、前記リン・窒素系難燃剤における窒素含有量は5〜35重量%であることを特徴とする請求項8に記載の化粧板。
- 前記コア層における一方の側に前記中間層及び前記化粧層を備え、
前記コア層における反対の側にバランス層を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の化粧板。
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