JP2015198229A - 薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れ、高光電変換効率を達成することができる薄膜太陽電池を提供する。また、該薄膜太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層と、前記陰極と前記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有する薄膜太陽電池であって、光電変換層として無機半導体を含有し、電子輸送層として酸化錫亜鉛を含有する薄膜太陽電池。
【選択図】なし

Description

本発明は耐久性に優れ、高光電変換効率を達成することができる薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池の製造方法に関する。
従来から、半導体からなる層を複数種積層し、この積層体の両側に電極を設けた光電変換素子が開発されている。また、このような積層体の代わりに、複数種の半導体を混合して複合化した複合膜を用いることも検討されている。このような光電変換素子では、各半導体がP型半導体又はN型半導体として働き、光励起によりP型半導体又はN型半導体で光キャリア(電子−正孔対)が生成し、電子がN型半導体を、正孔がP型半導体を移動することで、電界が生じる。
現在、実用化されている光電変換素子の多くは、シリコン等の無機半導体を用いて製造される無機太陽電池である。しかしながら、無機太陽電池は製造にコストがかかるうえ大型化が困難である。また、形状追従性も低いこと等から利用範囲が限られてしまうことがあり、無機半導体の代わりに有機半導体を用いて製造される有機太陽電池(例えば、特許文献1、2)が考案された。
有機太陽電池においては、陰極と、N型半導体及びP型半導体を含有する光電変換層との間に電子輸送層を設けることが多く、電子輸送層に用いられる材料(以下、電子輸送材料と表記する)としては、光伝導性に優れた酸化チタンが多用されている。例えば、特許文献3には、透明電極層上に酸化物半導体層、有機半導体を含有する層、導電性ポリマー層及び集電極層が順に形成され、酸化物半導体層がアモルファス酸化チタン層である有機薄膜太陽電池が記載されている。また、特許文献4には、少なくとも、正極、有機光電変換層、金属酸化物層、及び鉄よりも貴な金属を含む負極をこの順序で含む有機発電積層体が記載されており、金属酸化物層の金属酸化物として、酸化チタン、酸化亜鉛等が好ましいことが記載されている。
上記薄膜太陽電池における課題の一つに耐久性の低さが挙げられてきた。そこで長時間使用しても光電変換効率の低下がなく、より耐久性に優れた太陽電池を構成できる電子輸送材料の開発が期待されている。
特開2006−344794号公報 特許第4120362号公報 特開2009−146981号公報 国際公開第11/158874号パンフレット
本発明は耐久性に優れ、高光電変換効率を達成することができる薄膜太陽電池を提供することを目的とする。また、本発明は該薄膜太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層と、前記陰極と前記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有する薄膜太陽電池であって、光電変換層として無機半導体を含有し、電子輸送層として酸化錫亜鉛を含有する薄膜太陽電池である。
以下、本発明を詳述する。
本発明の薄膜太陽電池は、陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層と、前記陰極と前記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有するものである。
上記陰極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができるが、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物、SnO、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)、ITO(インジウムスズ酸化物)等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記陽極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができるが、例えば、金等の金属、CuI、ITO、SnO、AZO、IZO、GZO、FTO等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の薄膜太陽電池は、上記光電変換層として無機半導体を含有する。上記光電変換層として無機半導体を含有することで、薄膜太陽電池の耐久性が充分に高くなる。
上記無機半導体は特に限定されず、例えば、金属硫化物、金属セレン化物、金属酸化物等が挙げられる。また、上記無機半導体として、一般式R−M−Xで表されるペロブスカイト構造を有する半導体を用いることもできる。ここでRは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子である。なかでも、薄膜太陽電池の耐久性が高くなることから、無機半導体が金属硫化物又は金属セレン化物であることが好ましく、金属硫化物であることがより好ましい。
本発明の薄膜太陽電池は、上記光電変換層として更に有機半導体を含有することがより好ましい。
即ち、本発明の薄膜太陽電池は、上記光電変換層として、金属硫化物又は金属セレン化物を含有する層(以下、硫化物層又はセレン化物層ともいう)と、有機半導体を含有する層(以下、有機半導体層ともいう)とを含むことがより好ましい。
このような光電変換層においては、上記硫化物層又はセレン化物層が主にN型半導体として、上記有機半導体層が主にP型半導体として働くと推測されるが、上記硫化物層又はセレン化物層は、部分的にはP型半導体として働いていてもよいし、上記有機半導体層は、部分的にはN型半導体として働いていてもよい。また、このような光電変換層は、上記硫化物層又はセレン化物層と上記有機半導体層とを含む積層体であってもよいし、上記硫化物層又はセレン化物層と上記有機半導体層とを混合して複合化した複合膜であってもよいが、有機半導体の電荷分離効率を向上させることができるため、複合膜であることがより好ましい。
上記硫化物層又はセレン化物層中の上記金属硫化物又は金属セレン化物に含まれる金属元素として、例えば、アンチモン、ビスマス、ヒ素等の周期律表第15族の金属元素、カドミウム、錫、インジウム、亜鉛、鉄、鉛等が挙げられる。なかでも、周期律表第15族の金属元素が好ましく、アンチモンがより好ましい。硫化アンチモン又はセレン化アンチモンは、有機半導体とのエネルギー準位の相性がよく、かつ、従来の酸化亜鉛、酸化チタン等より可視光に対する吸収が大きい。このため、上記金属硫化物又は金属セレン化物が硫化アンチモン又はセレン化アンチモンであることにより、薄膜太陽電池の光電変換効率が高くなる。これらの金属硫化物又は金属セレン化物は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記金属硫化物又は金属セレン化物は、2種以上の元素を同一の分子に含有する複合物であってもよい。
また、上記金属硫化物又は金属セレン化物は一部が酸素によって酸化されていてもよいが、不純物となり得ることからできる限り酸化されていないものがよい。
上記硫化物層又はセレン化物層は、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、上述したような主成分となる金属元素に加えて他の元素を含有していてもよい。上記他の元素は特に限定されないが、具体的には例えば、インジウム、ガリウム、スズ、カドミウム、銅、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、銀、チタン、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、鉄、コバルト、ランタン等が挙げられる。これらの他の元素は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、電子の移動度が高くなることから、インジウム、ガリウム、スズ、カドミウム、亜鉛、銅、ランタンが好ましい。
上記他の元素の含有量は、上記硫化物層又はセレン化物層中の好ましい上限が50重量%である。上記含有量が50重量%以下であれば、上記金属硫化物又は金属セレン化物の光学特性を維持しつつ、付加機能を付与することが可能である。
上記硫化物層又はセレン化物層に用いられる半導体は、結晶性半導体であることが好ましい。上記硫化物層又はセレン化物層に用いられる半導体が結晶性半導体であることにより、電子の移動度が高くなり、光電変換効率が高くなる。
なお、結晶性半導体とは、X線回折測定等で測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味する。
また、上記硫化物層又はセレン化物層の結晶性の指標として、結晶化度を用いることもできる。上記硫化物層又はセレン化物層の結晶化度は、好ましい下限が30%である。上記結晶化度が30%以上であると、電子の移動度が高くなり、光電変換効率を向上させることができる。上記結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
なお、結晶化度は、X線回折測定等により検出された結晶質由来の散乱ピークと、非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶質部分の比を算出することにより求めることができる。
上記硫化物層又はセレン化物層の結晶化度を高める方法として、例えば、硫化物層又はセレン化物層に対して、熱アニール、レーザー又はフラッシュランプ等の強度の強い光の照射、エキシマ光照射、プラズマ照射等を行う方法が挙げられる。なかでも、上記金属硫化物又は金属セレン化物の酸化を低減できることから、強度の強い光の照射、プラズマ照射等を行う方法が好ましい。
上記硫化物層又はセレン化物層の製膜方法は特に限定されないが、電子輸送層としての多孔質膜の多孔質内に上記金属硫化物又は金属セレン化物が浸透し、複合膜を形成することができるため、湿式法が好ましい。
上記湿式法として、例えば、上記金属硫化物又は金属セレン化物の前駆体溶液(半導体形成用塗布液)を作製し、製膜後反応させる方法、化学析出法による製膜方法等が挙げられる。
上記有機半導体層を構成する有機半導体は低分子化合物であってもよいし、オリゴマー又はポリマーであってもよい。上記有機半導体の骨格は特に限定されず、上記有機半導体として、例えば、スピロビフルオレン骨格、チオフェン骨格、パラフェニレンビニレン骨格、ビニルカルバゾール骨格、アニリン骨格、ポリアセチレン骨格、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ポルフィリン骨格のいずれかを有する導電性材料が挙げられる。なかでも、比較的耐久性の高いP型半導体となることから、スピロビフルオレン骨格、チオフェン骨格、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ベンゾポルフィリン骨格のいずれかを有する導電性材料が好ましい。
また、上記有機半導体層はリチウム等のドーパントを含有していてもよい。
上記有機半導体層は、上記有機半導体を溶媒に溶解させて塗布する方法、又は、蒸着等の乾式の方法等によって積層させることが可能である。
本発明の薄膜太陽電池は、上記電子輸送層として酸化錫亜鉛を含有する。上記電子輸送層として酸化錫亜鉛(以下ZTOとも記載する)を含有することで、従来用いられてきたTiOに比べ、光透過性が向上し短絡電流密度(JSC)を向上させることができる。このため薄膜太陽電池の光電変換効率が高くなる。
また、従来用いられてきたTiOは紫外線を吸収することによって光触媒作用が発現し、周辺の各半導体部材を分解してしまうため光電変換効率が低下し、薄膜太陽電池が劣化してしまうという課題があった。これに対してZTOはTiOに比べバンドギャップが大きいため、光触媒作用が発現しにくく、光触媒作用による薄膜太陽電池の劣化を防ぐことができる。
上記ZTOにおいて、亜鉛と錫と酸素の元素比は機能を大きく損なわない程度であれば厳密に限定されないが、Zn:Sn:O=2:1:4程度であることが好ましい。
上記電子輸送層にはニオブ、タンタル、アルミニウム、チタン、ランタン、ストロンチウム、カルシウム、バリウム等のドーパントを含有させてもよい。また、上記電子輸送層はTiO、ZnO、SnO等の異なる酸化物を含んでもよい。
上記電子輸送層の製膜方法にはスパッタ法等の乾式法、或いは、上記ZTOを含有するナノ粒子の分散液をスピンコート法、スクリーン印刷法等により塗工した後で焼成を行う方法、スプレー熱分解法、エアロゾルデポジッション法等の湿式法が挙げられる。なかでも、上記電子輸送層が多孔質膜になり、膜の表面積が増加することにより、光電変換層を積層したときの界面面積が増加し、電流値が増加することから湿式法が好ましい。
上記湿式法に用いられる上記ナノ粒子の平均粒子径は好ましい下限が1nm、好ましい上限が100nmであり、より好ましい下限が5nm、より好ましい上限が60nmである。上記範囲内にすることによって、得られる電子輸送層としての多孔質膜が充分な比表面積を持ち、薄膜太陽電池を構成した際に短絡する等の不良を防ぐことができる。
上記ナノ粒子の分散液は水又は有機溶媒を含有する。有機溶媒は特に限定されないが、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール等が挙げられる。また、粘度を上げ塗工しやすくしたり、焼成時に蒸発又は分解することで多孔質構造に寄与する効果を持たせたりするために、高極性又は高沸点の有機溶媒を更に添加してもよい。高極性又は高沸点の有機溶媒として具体的にはα−テレピネオール、γ−テレピネオール等のテルペン系溶剤、ジオール、トリオール等の多価アルコール系溶剤、上記アルコール系溶剤/炭化水素等の混合溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン等のへテロ化合物等が挙げられる。なかでも、テルペン系溶剤、多価アルコール系溶剤が好ましい。上記ナノ粒子の分散液は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、水と有機溶媒とを混合したものを含有してもよい。
また、上記ナノ粒子の分散液には焼成時のクラック防止のために有機バインダーを添加してもよい。有機バインダーは特に限定されないが、エチルセルロース又は(メタ)アクリル樹脂を用いるのが好ましい。低温分解性に優れ、低温焼成を行う場合でも有機残渣量が少ない分散液とすることができることから(メタ)アクリル樹脂が特に好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂としては300℃程度の低温で分解するものであれば特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びポリオキシアルキレン構造を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群より選択される少なくとも1種を重合してなる重合体が好適に用いられる。ここで、例えば(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。なかでも、少ない樹脂の量で高い粘度を得ることができることから、ガラス転移温度(Tg)が高く、かつ、低温脱脂性に優れるイソブチルメタクリレートの重合体であるポリイソブチルメタクリレートが好適である。
また、上記電子輸送層としての多孔質膜の細孔径は上記ナノ粒子の粒子径を変えること以外に有機バインダーの種類又は添加量を変更することによっても調整することが可能である。
上記電子輸送層の焼成温度は好ましい下限が100℃、好ましい上限は650℃である。焼成温度が100℃以上であると、有機溶媒を効率的に除去できたり、上記ナノ粒子のネッキングが充分となり抵抗値を小さくしたりすることができる。また焼成温度が650℃以下であると、作業性の観点から有利である。
上記電子輸送層の厚みは5nm〜1000nmであることが好ましい。厚みが5nm以上であると、製膜性が向上し、バンド構造を効率的に形成することができ、長時間使用による短絡を抑制し、耐久性を向上させることができる。また厚みが1000nm以下であると、薄膜太陽電池の電流値が向上し、光電変換効率が高くなる。厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は800nmである。
なお、電子輸送層の厚みは、カッター等により薄膜太陽電池の破断面を作製し、原子間力顕微鏡(AFM)等を用いて基板表面と電子輸送層表面との高低差を測定することにより得ることができる。
また、上記光電変換層と上記陽極との間に、ホール輸送層を設けてもよい。上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエチレンジオキシチオフェンのポリスチレンスルホン酸付加物、カルボキシル基含有ポリチオフェン、フタロシアニン、ポルフィリン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸等が挙げられる。
本発明の薄膜太陽電池は、更に、基板を有していてもよい。上記基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板、金属基板等が挙げられる。
本発明の薄膜太陽電池を製造する方法は特に限定されず、例えば、陰極が形成された基板上に上述したような電子輸送層の製膜方法によって酸化錫亜鉛を含有する電子輸送層を製膜し、次いで、得られた電子輸送層上に光電変換層、ホール輸送層、陽極を形成する方法等が挙げられる。
本発明の薄膜太陽電池を製造する方法であって、酸化錫亜鉛を含有する電子輸送層を製膜する工程を有する薄膜太陽電池の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明によれば耐久性に優れ、高光電変換効率を達成することができる薄膜太陽電池を提供することが可能である。また、本発明によれば該薄膜太陽電池の製造方法を提供することが可能である。
以下に本発明の薄膜太陽電池に関する実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
<ZTOナノ粒子の合成>
塩化亜鉛6mmolと塩化スズ(IV)3mmolとを純水15mLとエチレングリコール15mLとの混合溶媒中に溶解させて溶液を得た。上記溶液に更にt−ブチルアミン水溶液15mLを添加しスラリーを得た。上記スラリーを、オートクレーブを用いて加熱し固体を得た。上記固体を水洗し、ZTOナノ粒子を得た。ZTOナノ粒子の平均粒子径は60nmであった。
<陰極>
ガラス基板上に、陰極として厚み1000nmのFTO膜を形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
<電子輸送層、光電変換層(積層体)、ホール輸送層>
FTO膜の表面上に、電子輸送材料として上記ZTOナノ粒子水分散液をスピンコート法により塗布した後、400℃で10分間焼成することにより、400nmの多孔質膜であるZTO膜を得た。ZTO膜の厚みは透過型電子顕微鏡(TEM)により測定した。次いで、有機溶媒にN,N−Dimethylformamide(DMF)を用い、金属化合物として塩化アンチモン、窒素含有化合物としてチオ尿素を重量比5:4で合計重量濃度を20重量%に調整し、半導体形成用塗布液を得た。この半導体形成用塗布液を上記の多孔質膜上にスピンコート法によって積層した。この時点では膜は薄い黄色をしていた。これを260℃で15分間真空下にて焼成することにより赤褐色の硫化アンチモン(半導体)層を得た。更に有機半導体としてポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT、Merck社製)をクロロベンゼンに0.5重量%溶解させた溶液を硫化アンチモン層上にスピンコート法により積層した。更にPEDOT:PSSをホール輸送層として積層した。
<陽極>
金属電極(陽極)として蒸着法により金を積層し、薄膜太陽電池を得た。
(実施例2)
電子輸送層の厚みを13nmに調整した以外は実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例3)
電子輸送層の厚みを650nmに調整した以外は実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例4)
電子輸送層の厚みを6nmに調整した以外は実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例5)
電子輸送層の厚みを985nmに調整した以外は実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例6)
金属硫化物として硫化アンチモンの代わりに硫化カドミウムを真空蒸着により積層した以外は実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例7)
窒素含有化合物としてチオ尿素の代わりにセレノ尿素を用いることによって、硫化アンチモンの代わりにセレン化アンチモンを積層した以外は実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例8)
金属化合物として塩化ビスマス、窒素化合物としてセレノ尿素を用いることによって、硫化アンチモンの代わりにセレン化ビスマスを積層した以外は実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例9)
電子輸送層の厚みを3nmに調整した以外は実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例10)
電子輸送層の厚みを1200nmに調整した以外は実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(実施例11)
有機半導体P3HT、及び、ホール輸送層としてPEDOT:PSSを積層しなかった以外は実施例7と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(比較例1)
平均粒子径50nmのTiOナノ粒子(スーパータイタニアF2、昭和電工製)を用いて400nmの電子輸送層を得た以外は実施例1と同様にして薄膜太陽電池を作製した。
(比較例2)
<ZTOナノ粒子の合成>
塩化亜鉛6mmolと塩化スズ(IV)3mmolとを純水15mLとエチレングリコール15mLとの混合溶媒中に溶解させて溶液を得た。上記溶液に更にt−ブチルアミン水溶液15mLを添加しスラリーを得た。上記スラリーを、オートクレーブを用いて加熱し固体を得た。上記固体を水洗し、ZTOナノ粒子を得た。
<色素増感太陽電池>
FTO膜の表面上に、電子輸送材料である多孔質膜材料として平均粒子径50nmの上記ZTOナノ粒子水分散液をスピンコート法により塗布した後、400℃で10分間焼成することにより、400nmの多孔質膜であるZTO膜を得た。次いで、Ru錯体色素N−719(Aldrich社製)を上記の多孔質膜上に吸着させた。更にヨウ化リチウム及びヨウ素のアセトニトリル溶液を電解液に用い、陰極に白金を用いることで色素増感太陽電池を作製した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。結果を表1及び2に示した。
<光電変換効率の測定>
太陽電池の電極間に、電源(KEYTHLEY社製、236モデル)を接続し、100mW/cmの強度のソーラーシミュレータ(山下電装社製)を用いて太陽電池の光電変換効率を測定した。
◎:比較例1の変換効率に比べて変換効率が2倍以上
○:比較例1の変換効率に比べて変換効率が1.5倍以上2倍未満
△:比較例1の変換効率に比べて変換効率が1倍以上1.5倍未満
×:比較例1の変換効率に比べて変換効率が1倍未満
<耐候試験後の光電変換効率の測定>
太陽電池をガラス封止し、空気下で温度60℃、50RH%で1000W/cmの光を100時間照射し耐候試験を行った。耐候試験前後の光電変換効率を上記と同様にして測定した。
○:耐候試験前に比べて耐候試験後の光電変換効率が80%以上
△:耐候試験前に比べて耐候試験後の光電変換効率が50%以上、80%未満
×:耐候試験前に比べて耐候試験後の光電変換効率が50%未満
Figure 2015198229
Figure 2015198229
本発明によれば耐久性に優れ、高光電変換効率を達成することができる薄膜太陽電池を提供することが可能である。また、本発明によれば該薄膜太陽電池の製造方法を提供することが可能である。

Claims (7)

  1. 陰極と、陽極と、前記陰極と前記陽極との間に配置された光電変換層と、前記陰極と前記光電変換層との間に配置された電子輸送層とを有する薄膜太陽電池であって、
    前記光電変換層として無機半導体を含有し、前記電子輸送層として酸化錫亜鉛を含有する
    ことを特徴とする薄膜太陽電池。
  2. 光電変換層として更に有機半導体を含有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  3. 電子輸送層の厚みが5nm〜1000nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜太陽電池。
  4. 無機半導体が金属硫化物又は金属セレン化物であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の薄膜太陽電池。
  5. 金属硫化物又は金属セレン化物に含まれる金属元素が周期律表第15族の金属元素であることを特徴とする請求項4に記載の薄膜太陽電池。
  6. 周期律表第15族の金属元素がアンチモンであることを特徴とする請求項5に記載の薄膜太陽電池。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の薄膜太陽電池を製造する方法であって、
    酸化錫亜鉛を含有する電子輸送層を製膜する工程を有する
    ことを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
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